タグ一覧
このページは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…」スレに投稿されたSSをまとめるページ(スレpart451~455)です。
SSまとめ各ページ案内
SSまとめスレはこちら
SSまとめスレはこちら
+ | part1~100 |
+ | part101~200 |
+ | part201~300 |
+ | part301~400 |
+ | part401~500 |
+ | part501~600 |
+ | part601~700 |
+ | part701~800 |
+ | part801~900 |
+ | part901~1000 |
+ | part1001~1100 |
アダルトコンテンツは乗っけると最悪wiki削除なのでやばそうだなとおもったらリンクかスレ位置を置いておいてください(主にルドトレ)
リンク例は編集画面にてコメントアウトしています。
リンク例は編集画面にてコメントアウトしています。
目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part451【TSトレ】
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part452【TSトレ】
≫29ガンギマリ頭スズトレ21/11/15(月) 18:39:00
「…うわぁ、どれも美味しそう…」
「よかった。スズトレさんが和菓子食べているところはあまり見たことがなかったので少しだけ不安でしたが…」
私のすぐ横で明るい栗毛をしたウマ娘、タキトレが安堵したように軽く笑う。
ここはトレセンから少し離れた饅頭屋さん。休日であることを見計らい、タキトレに誘われて訪れていた。
と、いうのも。
『ふむ…本格化か。』
『そう。30も近いこの身体に、ね。それで研究の力になれるかなって、足を運んだの。』
『当然だとも。むしろ私からお願いするさ。』
先日のタキオンのウマ娘化現象研究への協力、そのお礼ということらしい。
「しかしだけど、饅頭の食べ放題ってまた変わってる店だね。」
「饅頭は種類が非常に多いですからね。大きく分けた場合は焼き饅頭に蒸し饅頭の二つですが、蒸し饅頭だけでも種や餡の違いでたくさん派生しますので。」
「つまり食べ比べてもらって楽しんでもらおう、ってこと?」
「おそらく。焼き饅頭も色々ありますよ。例えばこの栗饅頭とか。」
「うわーいい色してる…」
表面のキレイなこげ茶色がこっちの目に全力で訴えかけてくる。一つだけ食べてみよう、まだ数個しか取ってないしセーフなはず。
「あとはこちらのうぐいす餡とかどうでしょう?えんどう豆で作られていますよ。」
「ホントに!?絶対食べる。私が野菜関連を逃すわけにはいかない。」
「そういえば野菜大好きでしたね…それなら他にも────」
タキトレの言葉につられて私の取り皿の饅頭はドンドン増えていく。その結果はまあ…
32ガンギマリ頭スズトレ21/11/15(月) 18:39:30
「…絶対食べすぎた…」
「40個近くあったミニ饅頭の山が消えていくのは中々楽しかったですよ、見てる側としては。」
「そりゃ見てるだけなら楽しいでしょ…私からしたら溜まったもんじゃないけど!」
この通り。明日の体重計が過去一怖く感じる。
「いやぁ本当にすみません。でも目輝かしてるの見てるとつい止める気が湧かなかったんですよね。もし太り気味なった時はまた相談乗るので…」
「お願い。自業自得ではあるんだけどさ…」
それでもなんだかんだ太り気味はギリギリで回避していた身としては気が重い。トレーニングの量少し増やすべきかと軽く思案する。
「…一つだけ質問いいでしょうか?」
「ん?何?」
「スズトレさんがタキオンの研究に積極的に協力してくれてる理由が気になりまして。当然みなさん協力的なのですが、スズトレさんのように声をかける前から、という方は少ないので。」
「それはほら、秋にあった例のアレ覚えてる?」
「ああ、3200…となると数日後のタキオンとの会話でしょうか?」
秋の3200m。今ではすっかり思い出になった大事件の後、私は一度アグネスタキオンに呼び出されていた。
ウマ娘化したトレーナーに備わってる可能性が出てきた、ウマソウルについて。
「うん。あの時に教えてもらった話が実は11月の不安だった時期の支えの一つになってたから。
…私に宿ったウマソウルの中に、スズカもいるんだ、って。
だからその恩返しをしたいってとこはあるよ。」
「なるほど。意図せずだったとはいえ、タキオンの言葉がスズトレさんを励ましていたのはトレーナーとしても嬉しいです。」
タキトレが和やかに言う。その姿と久しぶりに過去の記憶を掘り返したことで、私の中で疑問が一つ浮かんでくる。
33ガンギマリ頭スズトレ21/11/15(月) 18:39:50
「…私からも聞きたいこと思いついたんだけど、いい?」
「どうぞ。」
「タキトレって確かタキオンの薬でウマ娘になってたと思うんだけど…怖かったりしなかったの?」
「なかったですね。」
ギリギリ食い気味にならないくらいの即答に、少し面食らう。
「…理由は?」
「実験が成功するか否か、という意味ではタキオンが失敗するはずがないので。
種族が変わることへの恐怖は…タキオンの力になれない事に比べれば、全然。
まとめるなら担当の事を信じてるし、担当のためなら頑張れる、という事です。それはスズトレさんやほかの皆さんも、きっと同じでしょう?」
…言葉が出なかった。最後の二文が、これ以上ないくらい理解できてしまうから。
「…こんな感じでどうでしょう。」
「いや、すごい納得した。ありがとね。
…ねえ、また今度詳しく聞いてもいい?」
「おや?それはどうして?」
「アドバイスに使えそうな気がするんだよね、なんとなく。」
「なるほど。そういう事ならいくらでも話しますよ。」
「ありがとう。今度保健室お邪魔するね。…差し入れの和菓子は何がいい?」
「…それは少し迷いますね…」
そこからのトレセンへの道のりは、和菓子の話で退屈しないものになったという。
≫53二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 19:14:29
5話 思いはずっと
「よいしょっと」
チヨトレさんのおかげでだいぶ身体の調子が戻ってきた俺は、特にやる事が無かったのでライバルの偵察がてら学園内を散歩しに来ていた。
「それにしても、マッサージってここまで効くものなんだな。身体がすごい軽い…やっぱり疲れも原因だったのか…休んだおかげか随分身体も軽くなったし」
もうそろそろ復帰も出来る頃合いか、なんて考えながら歩いていると、
「はぁ〜…どうすれば良いのよ…」
ベンチに座って考え込んでいるウマ娘がいた。
(見て見ぬ振りを…する訳にもいかないよな…)
「あんた、ため息なんてついてどうしたんだ?何か困っているなら手を貸すぞ?」
「え?あ!き、聞こえてました?」
「聞かれたら嫌な事だったか?それならこのまま帰るが…」
「いやぁ…そのですね…」
「…あんた、確かシリウスシンボリのトレーナーさんだろ?」
シリウスシンボリ。
海外のウマ娘と渡り合った実力を持つことから、『唯我独尊の開拓者』とも呼ばれているウマ娘。
そのトレーナーが今目の前にいる、彼女である。
「俺はマーチトレ。フジマサマーチのトレーナーだ。」
「マーチトレさん…って確かオグトレさんに宣戦布告した人ですよね?」
「…まぁ、うん。間違ってはないが…なんでそれを?」
54二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 19:15:29
「前にオグトレさんと会った時に、新しいライバルが出来たってその事を話していたので…」
「そういう事か…でも俺の事を知ってくれているのならありがたい。それで、さっきのため息の理由は聞いても良いのか?」
「…マーチトレさんなら…もしかする?…聞いて…いやでも…」
「なんか色々考えているみたいだが…無理に聞こうとは思ってないから、嫌なら別に良いぞ?」
「いや…言います!ていうか相談させてください!」
そして俺はリウトレさんから悩みの内容を聞いた。
「…つまり自分の思いを上手く告げるにはどうしたら良いかってこと?」
「そういう事に…なりますかね…」
「…俺なんかが聞いて良い話だったのか?」
「色んな人に助けて貰っているんですけど…その…難しくて、ですね。」
「うーん…正直答えられそうにないのだが…」
「うぅ…申し訳ないです…」
「…多分だが、リウトレさんにも変わらないものがあるんじゃないか?」
「変わらないもの?」
「ほら、ウマ娘になったトレーナーは多少身体やら性格やらが変わってしまうだろ?そんな中でも変わらないものがそれぞれにある…らしい。
んで、リウトレさんにもきっとそれがあって、それを変えたくない。曲げたくないから、そうやって悩んでいるんじゃないかって…」
「私の…」
「なんか…あるか?そういうもの。俺には分からないから何とも言えないけど…」
「………」
「俺に言いにくいとからなら別に話さなくていいぞ。」
55二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 19:16:08
「…シリウスに対する思い…とかですかね。」
「それは…」
「シリウスは、ずっと変わらないんです。こうなる前からずっと…変わらずに居てくれた。
だから私も変えたくない…絶対に。」
「………」
「…そんな事言ってるから何も言えないままなんですけどね。はぁ…」
「…やっぱり、俺に出来ることはなさそうだ。」
「え?なんでですか?」
「あんたはには、絶対に変わらないって意志がある。それこそずっと変わらないシリウスシンボリと同じぐらいに強い意志が。
そんな人に、俺が出来ることなんてないようなものだ。」
「そんなぁ…」
「大丈夫だって、あんたならきっと上手く行くから。」
そう話が一区切り付こうとした時、声がかかる。
「トレーナー。戻ったぞ。」
「あ、シリウス。」
声の方向を見ると、そこには彼女の担当。シリウスシンボリが立っていた。
「何か話していたのか?」
「少し相談に乗ってもらってただけだよ。」
「そうか。」
「どうしたの?シリウス。」
もの凄いこちらを見てくる…その理由は大方見当がついた。
「…担当が来たなら俺は帰るかな。リウトレさん、力になれなくてすまなかった。」
「え?いや、そんな事は…」
「それじゃ。」
そう言ってその場を後にする。
「ああ…行っちゃった。ちゃんとお礼出来てないのに…」
「また後で行けばいい。それより、もうすぐトレーニングの時間だ。」
「分かってるわよ。それじゃ、行きましょうか。」
56二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 19:16:45
さっきの場所から少し離れた所まで来た。
リウトレさんが言っていた事を思い出す。
「…思い…か。」
変わらない思い。それは俺にもある。
だからこそマーチを勝たせたい。その思いは変わってはいない筈だ。
そしてチヨトレさんに言っていた、積み上げた努力。
きっとそれらは、今の俺にもある変わらないものなんだ。
だけど、
「…ならこの言いようのない焦りはなんだ?」
もっと根本にある、なにか。それを俺はまだ分からないでいた。
「それでも、うん。大丈夫だ。」
俺にはマーチがいる。それに、確実に分かってきているんだ。焦る必要はない。
焦りを頭から振り払う。そして、俺はトレーナー復帰への準備を始めたのだった。
≫153二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 20:38:44
これはロブトレも出走できますね
元々の体との間隔は合致しませんが、スズトレさんと同じ理由で「お姫様抱っこされる」という部分が重要だと思うので
ロブトレ「うう、ヒック……ごめんなさい……グスッ」
ロブロイ「大丈夫です、トレーナーさん……その、失礼します!」お姫様抱っこして
ロブロイ「トレーナーさんをお姫様抱っこ、良いですね」
ロブトレ「うう、ヒック、ロブロイ~~」首に手をまわして抱き着きながら
ロブロイ「ひゃっ!と、トレーナーさん……。大丈夫です、一緒にいますよ」
ロブトレ「ロブロイ……好き……」
こんな感じでありそう
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part453【TSトレ】
≫107二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 21:36:59
「……はぁ?履いてるパンツが紐パンに変わった?」
「そうなんだよタキオン。朝バイクに乗って学園に向かってる最中に臀部に違和感を感じてさ。着いてから確認したら履いてたパンツが紐パンに変わってたんだよ。ってどうしたの?そんな暗い顔して」
「自分の実験が非人道的な行為である認識はあったけどついにこうなったか……。大丈夫だよトレーナー君。たとえどんなキミだとしても私はちゃんと愛してみせるよ」
「何の問題も無いよ⁉昨日と変わらずタキオンのトレーナー兼モルモットだからね⁉」
「じゃあ何だってんだい。三女神が暇に飽かしてトレーナーのパンツを紐パンにしたなんてそんなことあるわけないじゃないか」
「実際そうなっているんだからしょうがないじゃないか。ホラ、見てよ。紐パンになってるでしょ?」
「……」
「……タキオン?」
「君がそんな破廉恥な行動をとる人間だとは思わなかったよ。これは少し教育が必要だねぇ」
「破廉恥な行動と考えをしているのはタキオンの方でしょって、ちょっと⁉お姫様抱っこでベッドに連れてくのはやめて⁉」
────この後、タキトレはタキオンにお仕置きされた。
即興で書いてみた
これでメス堕ちとか特にしてないんだぜタキトレ
≫129オペヘリダス21/11/15(月) 21:47:31
俺ことダイワスカーレット担当トレーナーは、愛バ・ダイワスカーレットに抱かれてゴールへと目指している。
それを追うのは同じく愛バたるキンチェム……本当にそう言えるのはフランキー・キンチェム達だけかもしれないが、少なくとも俺にとっては、そうだ。
これから1000mを走る始める者。残り1000mを走り続ける者。
そう聞くと体力的に前者の方が有利に思えるけれども、後者はウマ娘の、それも伝説として語られる存在で、稀代の長距離走者(ステイヤー)だ。
当然ながらここからがラストスパートであり、その直線を制するのはキンチェムの得意技だ。
対してダイワスカーレットは1000mよりも前に最高速度を作らねばならず、それは短距離走者(スプリンター)でも至難の業だ。マイル・中距離を得意とするスカーレットでは些か分が悪い。
けれども、俺は知っている。
「走れ、スカーレット……走れ!」
ダイワスカーレット。
彼女は誰よりも不器用で、がむしゃらに先頭を目指して走るウマ娘だ。
キンチェムほど地頭は良くないし、ひとりで走るには不安がある。
「――ぁあああああああアアアアアッ!!」
けれど、俺の作戦を誰よりも信じて走りきってくれる、最高のウマ娘だ。
130オペヘリダス21/11/15(月) 21:48:19
差されて差し返して、また差されて。
デッドヒートとはまさにこのことだろう。残り1000mの中で誰も予想がつかない大迫りが繰り広げられているのだ。
コースとなったトレセン学園の通路脇には、ひしめき合うように観客の生け垣が作られていて、走り抜ける俺達のことを手を振って応援してくれている。
「……どうしてっ。どうして、どうして、どうしてっ」
ハンディキャップ
斤量76.5kg。
プロテクターの付いた俺の体重は、かつてキンチェムがスカーレットと競った際に担ぐべきだったものの半分程度はあるだろう。
それを担いでいながら、スカーレットの足はまるでキンチェムに劣ることがない。
それどころか抜き返されれば、更に速度を上げて抜き返してくる程だ。
「どうして……っ!」
・・・・
どうして、わたしは勝たないんだ。
そう言いたげなキンチェムに対して、スカーレットはもう振り返ることもせず、ただ前を向いて走り続けている。
そうして、更に前へ踏み出して。
『――――ゴォォォォォォッル!! ダイワスカーレット、僅差で差し返した!!』
麗しき真紅は、ハンガリーの奇跡を破った。
俺達の、勝利である。
131オペヘリダス21/11/15(月) 21:49:00
「…………は、ぁっ」
ひどく小さく息をついて、キンチェムは立ちすくんだ。
俺はがんがんと痛む頭を抱えながら、スカーレットの手を離れ、よろけて降り立つ。
「……勝てるって、確信してた。絶対に、負けないと思ってた。
なのに、どうして」
「当たり前じゃない、そんなの」
どう言おう。そう考える間もなく、スカーレットがキンチェムへ声をかけた。
それなりに憔悴したのだろう息を整えて、スカーレットは話を続ける。
「アンタはひとりで走って、アタシはこいつと走った。
なら、アタシが負けるわけないでしょ」
「あ……」
スカーレットの言葉はつっけんどんだが、その語調は言い聞かせるようなもので。
キンチェムもようやく得心がいったように目を瞬かせた後、泣くような笑顔をみせた。
「……そっか。そうだね。そうだった。
わたし達は、ひとりじゃ走れないんだ。そんなことも忘れてたんだ、わたし」
今にも消え入りそうな声は、キンチェムが侵した過ちと、その罰を示すようだった。
もう会えない最愛の人と言葉を交わす為に、絆を引き裂いてでも器を奪おうとした罪。
それを裁けるのは、キンチェム以外にいなくて。
「……ごめんね。ごめんね、フラ……」
「そんなこと、言っちゃダメだ!」
それを棄却できるのは――今は、俺だけしかいないんだ。
132オペヘリダス21/11/15(月) 21:50:06
「……ボディ?」
「そんなこと、言っちゃダメだ。
“ごめんね”なんて、フランキーさんに言っちゃダメだ」
「……どうして?」
キンチェムが言いたかったこと。
それは死に別れたフランキーへ「ごめんね」と言うことだ。
一度も確たる答えは出されていないが、それを肯定するようにキンチェムの顔が困惑と悲哀で濡れていく。
「どうして? どうして、そんなこと言うの。
わたしは置き去りにしたのよ。あの人をずっと、ひとりにしてしまったの!」
「そんなことない。君が死んだからって、フランキーさんはひとりにならないよ」
「どうしてそんなことが言えるの!」
「彼の名前が、フランキー・キンチェムだからだよ」
キンチェムの目が、思いきり開かれた。
133オペヘリダス21/11/15(月) 21:50:58
ロブトレさんや、マクトレ達と総出で調べた、フランキーの墓石。
そこに記された名は、フランキー・キンチェムが生涯キンチェムのことを誇りに想い、愛しく想った証だ。
きっとそれは、このキンチェムの世界でも変わらない。
それなら、俺は彼と同じ「キンチェム」へ関わったトレーナーとして、はっきりと言える。
「君は誰よりも幸せな思い出として、フランキー・キンチェムの人生を彩ったんだ。
それを他ならない君が、キンチェムが穢しちゃいけない。
……キンチェム。君は、ハンガリーの奇跡なんだから!」
「…………!」
はらはらと、キンチェムの瞳から涙が溢れる。
どう拭えばいいのかもわからないのだろう。流れる涙をそのままに、キンチェムは声をあげて泣いた。
「……フランキー、フランキー、フランキー……!
大好きなの。わたし、いつだって、いつまでも……!
会いたい……もう一度、逢いたいよぉ……!
もう一度、キンチェムって呼んでよぅ……!」
わんわんと泣くキンチェムを、俺はそっと抱きしめることしかできない。
せめて、哀しみがすべて流れ落ちるように。ただそれだけを祈ることしか、できなかった。
134オペヘリダス21/11/15(月) 21:51:25
「……大丈夫?」
「ん……」
すべてが終わったなら、俺達はライヴに出なければならない。
それは走りで溢れ出したすべての感情を濯ぐ為に、必要な儀式なのだろう。
少なくとも、今は。俺も、スカーレットも、キンチェムも、そう思っているようだった。
「って、なんでアタシも踊るのよ……」
「参加者全員だよ。俺とキンチェムだけじゃ寂しいじゃん」
「そーよそーよー。スカーレットも踊ってー」
「仲いいわねアンタら……」
スカーレットの左腕を俺が、右腕をキンチェムが組んで歩く。
三人揃って栗毛で、なんだか家族みたいだと笑ってみれば、同じことを思ったのか、キンチェムも笑った。
「ね、ボディ……ううん、えっと……」
「なに?」
「ええとね。アナタとスカーレットのことは、フランキーと、おすまし猫と、ブラスコヴィッチのおじさまと、酔っぱらいのマデンと……ええと、挙げるときりがないわね」
ちょっと気恥ずかしげに言い淀んだ後。
「とにかく、わたしの幸いの思い出の、次くらいに大好きよ。
……ありがとう、トレーナー」
キンチェムは、彼女の大好きなデイジーみたいに希望を感じさせる笑みを浮かべて、無邪気に踊って……。
……そして、舞台裏に戻ってから、この世界から笑顔で消え去った。
135オペヘリダス21/11/15(月) 21:51:48
――世界から離れる感覚があった。
わたしはキンチェム。名前も、記憶も、まだ憶えている。
けれど、この胸の中にあった未練は、すべてあそこで流れ落ちてしまった。
「もう、よいのですか」
「うん。……見逃してくれて、ありがとう」
「いいえ。これは必要な試練だったのです。誰にとっても」
過去と試練を司る女神が、そう言ってわたしに微笑んだ。
傍らにはいつもどおり今と運命を司る女神と、未来と愛を司る女神がいて、彼女達もわたしに微笑んでくれている。
……正直、散々引き留められた理由がわかるようになっただけ、叱られないのは居心地が悪い。
「それで? これからどうするの、キンチェム」
「どうするって……あなたが決めるんじゃないの?
バカでアホだけど、運命の女神なんでしょ?」
「そこまで言われる筋合いなくない!? 未来よりはマシじゃん!?」
「ねえちょっとどういう意味よ!?」
わーぎゃーと騒ぐいつもの女神漫才はスルーして、過去と試練の女神に解説を求める。
彼女は至極真面目な顔で「今回は珍しく考えた結果ですよ」と言い放った。
「貴方は特別過ぎる。強すぎる運命と影響を帯びた魂なのです」
「それって、わたしがウマ……娘?じゃ、ないから?」
「そうですね。貴方は謂わば、原本から生じた情念ですから」
よくわからないが、ただ消えたり別の生命になる以外の道も選べるのだろう。
それなら、わたしがやりたいことはひとつある。
136オペヘリダス21/11/15(月) 21:52:23
「ねえ。わたし、あの子達のそばにいたい」
「……身体を与えることは叶いませんよ」
「それでいいの。ただ、あの子達を見守って、祈れるだけでいい」
それは少し残酷な自罰かもしれない。
わたしはもう一度、彼に巡り合う可能性を棄て去るのだから。
けれど、それでいいんだ。わたしがわたしで、キンチェムであるなら。
「あの子達が織り成す、すべてに幸いを祈りたいの。
嘗てわたしが関わったすべてのひとが、そうであったように。
幸せでありますようにって、祈りたい」
「……いいでしょう。では、私達は貴方に使命を与えます」
女神達はわたしの額に触れ、それぞれの祝福を与える。
わたしが、わたしの魂が星のように瞬いて、そのすがたを変えていく。
「キンチェム、貴方にかの学び舎で起こる試練を見る使命を」
「キンチェム、お前にかの学び舎で綴りし運命に祈る使命を」
「キンチェム、キミにかの学び舎で生ずる信愛へ寿ぐ使命を」
「……受け取るわ。確かに、受け取ったわ」
トレーナー。わたし、貴方の前にもう一度現れるわ。
もう話せないと思うし、交われないと思うけど。
「ありがとう、女神様。ありがとう!」
わたし、いつまでも、貴方を見守っているわ。
137オペヘリダス21/11/15(月) 21:53:24
「……ここでいいっすか?」
「うん! ありがとう、ウオトレさん」
「いやいや、おやすい御用っす」
あれから暫くして、ひとりの部屋に寂しさがなくなってきた頃。
俺はこの事件の報酬というか、贈り物というか、そういったものが届けられていた。
「それにしても……これは、なんという動物の石像なんだい」
「さあ……? でも、誰だかはわかりますよ」
「“キンチェム”、か……色々あったものだね」
オペトレさんが用意してくれた祠の中に、石像が収まった。トレセン学園にわざわざ許可をとって設置されたそれは、ある朝玄関前に置かれていた四足の獣の石像である。
「貴方へ祈りを」と書かれたそれを俺の家に飾るのは色々アレな気がので、オペトレさんに頼んでトレセン学園に祀ってもらったのだ。
「すみません。わざわざ掛け合ってもらって……」
「いや、構わないよ。私も、不幸の責任を押し付ける赤子でいたくなかっただけさ」
祠というには随分立派な作りのそれは、きっと俺では遠い目になる品だろう。御神酒と……好きかなと思って、俺はデイジーと人参を添え、そっと手を合わせる。
「……トレーナー! そろそろトレーニングでしょー!」
「あ、はーい! じゃ、俺はこれで!」
「うん。頑張りなさい」
「後で合流するっすー」
スカーレットに呼ばれて、俺は駆け出す。
“――ありがとう、トレーナー”
どこかで、声が聞こえた気がした。
あたりを見回して――遠くで白いブラウスを着た女の子が、影に消えた気がした。
138オペヘリダス21/11/15(月) 21:55:25
【END CREDIT】
[原作]
- JRA日本中央競馬会主催大会
- ウマ娘プリティーダービー
[出演者]
- ダイワスカーレット担当トレーナー
- ダイワスカーレット
- キンチェム
- トウカイテイオー担当トレーナー
- マチカネフクキタル担当トレーナー
- ナリタブライアン担当トレーナー
- マルゼンスキー担当トレーナー
- マルゼンスキー
- アグネスデジタル担当トレーナー
- メジロマックイーン担当トレーナー
- テイエムオペラオー担当トレーナー
- マーベラスサンデー担当トレーナー
- マーベラスサンデー
- シンボリマティリアル
- ゴールドシチー
139オペヘリダス21/11/15(月) 21:56:15
- ダイタクヘリオス担当トレーナー
- ウォッカ担当トレーナー
- タニノギムレット
- ウォッカ担当トレーナー(202)
- ウォッカ担当トレーナー(V)
- フジキセキ担当トレーナー
- メジロドーベル担当トレーナー
- キタサンブラック担当トレーナー
- エアシャカール担当トレーナー
- メジロライアン担当トレーナー
- サクラチヨノオー担当トレーナー
- フジサマーチ担当トレーナー
- フジサマーチ
- スイープトウショウ担当トレーナー
- ハルウララ担当トレーナー
- 三女神
[制作]
- オペヘリダス
- そして、ここまで読んでくださった貴方!
【 E N D 】
≫170二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 22:19:25
「こちらモブα、目標を視認した」
「こちらモブβ、作戦時間は30秒だ、ぬかるなよ?」
「ラジャー!作戦行動に移行する」
「ふんふんふーん」コロコロコロピカッ
「まぶしっ!」
パンツを脱がす→紐パンを履かせる→写真を取る
この間わずか15秒
「作戦完了!これより帰投する」
「了解!Good Luck」
こうですか?
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part454【TSトレ】
≫28オペヘリダス21/11/15(月) 22:43:23
俺ことダイワスカーレット担当トレーナーが起きると、そこにはスケスケネグリジェのダストレがベッドに転がっていた。
「……なんでぇ?」
「あー。やられちゃったねえ、トレーナー……」
隣を見ると、それはもうめちゃくちゃに気まずそうなキンチェムがいた。
(四足の獣ではない。俺にそっくりな女の子のキンチェムだ)
わっつはっぷん? 消えたはずでは? とか言いたいことは山程あるが、理解したことがひとつある。
わかった! これめっちゃ台無しな夢オチのやつ!!!
「うん、すぐわかってくれて嬉しいよ。じゃ、わたしミライをひっぱたきに行くから」
「えっこれどうなるの!? どうされちゃうの!?」
「何ってホラ、ナニじゃない?」
「誰に!?」
「あれに」
床にぞぶぞぶ沈み込むキンチェムが指差したのは、ちょうどのタイミングで扉から現れた、寝間着姿のスカーレットだった。
えっこれマズくない???とキンチェムを見れば、あの子は親指を立てて完全に沈没した。満喫してるのはわかったけど助けてほしかった!!
「……トレーナー、これ夢よね?」
「はい、そうです……」
「じゃ、好きにするわね」
「えっ」
……起きた時、俺は真っ先に布団を剥がしたが……色々と遅かった。
スカーレットに確認したら覚えてなかった。いいけど……いいけどさぁ!
うまぴょいうまぴょい
≫92二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 23:13:50
「俺の名前で検索したらGoogleが誤字と判断してFXとか株とか投資とかばっかり出てくる…あっそうだ!これで上手いことやれば小遣いになるかも!」
「やめとけ」
「おやめなさい」
「やめろ」
「なんで!こんなに皆稼げるって書いてるのに!お前らとの飲み会とか奢ってやれるぞー!」
「分かったこいつベロベロだ。頭とろけてら」
「いい稼ぎ方教えてあげましょうか?その身体ならちょっと露出多いコスプレしてROM刷って即売会で出したらボロ儲けですわよ。やります?」
「やめろやめろ。お前も判断能力溶けてるんだから気軽に頷くな」
≫101紐パン教官ちゃん21/11/15(月) 23:18:35
「うん?」
悪寒があった。昼過ぎのターフ、生徒の駆ける足音に満ちたその場所で教官ちゃんは何かに気づく。それは視覚的なものではなくもっと近くて致命的に思えた。例えるならめんつゆと醤油を間違えて入れた瞬間とかテスト終了直前に名前の書き忘れに気づいた時のような、一瞬頭のなかが真っ白になる類いのやつだった。
そして理解する。いつの間にか着るのに抵抗のなくなってしまった布切れが紐になっていやがる。
「───あ、あ、あ」
はたして教官ちゃんは三度死んだ。衆目バチバチ屋外で紐パンを穿いているという事実で一回、ジャージだというのに無意識にスカートを抑えるような所作を取ってしまったことで二回、ウララちゃんが紐パン穿いてるのを想像してしまって三回である。
そして教官ちゃんは……二度と元の自分には戻れなかった。壮年男性と麗かな少女の中間的な存在となり……永遠に境を反復し続けるのだ……
≫132二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 23:39:17
『スッケスケのネグリジェで担当と共に一晩出られない部屋(ベッド付き)』
「……どういう状況?」
「……他のトレーナーから『たまにどうしようもない無茶振りが下されることがある』とは聞いたことがあるけれど……実際に遭遇すると困惑しか出てこないわね……」
「うわぁベッドがふかふかだー☆いやそうじゃなくて。……何してるの?」
「いえ。カメラや盗聴器の類を確認しなきゃ、と思って。大丈夫よ、貴方の撮影の裏取りでこういうのは慣れているから」
「いや、ファル子的には仮にもウマドルがそのカッコで歩き回っててほしくないかなーって……」
「窓は無い。定番の観葉植物やぬいぐるみ、カバンなんかもなければ、間接照明の周囲にもそれらしきものは無いし、壁にも極微小な穴すら開いていない……」
「わーすごい集中力♪すっごいシュールな光景だよ……」
134二次元好きの匿名さん21/11/15(月) 23:39:34
「……どうやら聞いた通り本当にそういう記録がされるとかいうことはないみたいね。じゃあファル子。一緒に寝ましょう?」
「へ?」
「?だって一緒に寝なければいけないのでしょう?もしこれで徹夜をして結局出られなかったなんてことになったら明日のコンディションにも響くし何よりファル子に悪いわ」
「いや……ちょっと……ファル子の心理的負担にも配慮してほしいなーって……」
「ああ、ごめんなさい。いくら同性とは言えこんな格好をした人と一緒に寝ろと言われても急には難しいわよね」
「いやそうじゃなくて。そうなんだけどそうじゃなくて、ね?」
「大丈夫よ。ベッドに入ってしまえば服装なんて気にならないわ。私もファル子と一緒になるなんてドキドキして寝られるかどうかわからないけど、きっとこれからウマドル活動が活発になったらどこかであるかもしれないものね」
「ねえトレーナーさん見えてる?このベッドこんなうっすいブランケットしかないんだよ?あと未来予想図がおかしいよ。いやファル子的にはバッチこいなんだけどなんかズレてるというかいやそうじゃなくて」
「言ってて哀しくなるけれどそういうボディラインはしていないから大丈夫でしょう」モゾモゾ
「いやだから問題はそこじゃなくていやそこもファル子にとっては問題なんだけどああ違くて」
「ほら、ファル子。来て……?」ブランケットメクリー
「」ピシィ
ファルトレ(蒼)はこのあと思考停止したファル子をベッドに引きずり込み大好きなファル子と寝られる高揚をプロ根性で鎮めて安眠した。翌朝超早い時間に目覚めたファル子はすぐ目の前にファルトレ(蒼)の寝顔があって思考停止した。
おわり
≫137豊かな教官ちゃん21/11/15(月) 23:45:24
また三女神様が何かやらかしたらしい。朝起きてふと息苦しさを感じ視線を下に向けるとそこには谷間があった。小さく悲鳴を挙げて姿見の前に立つとなるほど確かに豊満であった。教官ちゃんの卓越した教官アイによる見立てによれば『けっこう大きい』。つまりこの壮年男性、スリーサイズに関する知識にはとんと疎かった。
何がどうしてこうなるのだと困惑していても時は過ぎるもので、気がつけば出勤の時間が迫っている。しかしどうしろというのだ。まずこの胸を収められる下着がない。カップ数が違いすぎる。さらしを巻くのか? それはいいかもしれない。
そこまで考えてノーブラで行くという選択肢を挙げていないことに教官ちゃんは気づいてしまい悶えた。もはや教官ちゃんにとって下着は着けて当たり前になっているのだ。いやまあほらちゃんと付けないと乳首取れることもあるらしいしと無駄な抵抗をしつつ教官ちゃんは包帯の類いを探し始めるのだった。
≫141言い出しっぺのアレソレ21/11/15(月) 23:49:09
「何これぇ……」
どういう羞恥プレイなんだコレ、と言うのが第一の感想だった
何故か見知らぬ部屋にいて、「一晩ここにいてください」という看板のような何かが部屋にかかっていて、中央にはなんかド派手なベッドが中央に鎮座ましましている。
それだけならまだいい。まだ。
問題は僕の服装がその、こう、袖も裾もなければスッケスケなことである。
こんなのほとんど下着じゃないか。30も半ばに近いおじさんに着せるには流石に拷問が過ぎると思う
誰だよこんなことしたの、とかいう考えが頭の中をグルグル回る。というか回してないと羞恥で動けなくなりそうだ
もう茹り切っている思考をどうにか抑え込んでいると、奥から足音がしてきた
143言い出しっぺのアレソレ21/11/15(月) 23:49:23
「あ、トレーナーさ、」
フジだった。うん、そんなことじゃないかなーとは思ったんだ
まあ仕組んだのは噂の女神様だとしても、ここで来るのが担当で助かったというか、反面見てほしくなかったというか
今この状況で目を合わせるのは気恥ずかしいのでちらり、とフジに視線を向けると完全に黙りこくったままこっちの全身を舐めるように見つめている。いや、当人としては頑張って隠そうとしてるんだけどもろバレである
「え、えーっとトレーナーさん」「……僕の趣味じゃないからね?」「だ、だよね」
完全に空気が固まっている、気まずい。お互い相手の考えてることは分かるのに、というか故に二進も三進もいかず
いや、ここはもう切り出した方がいいや
「……興奮する?」「……うん」
やっぱりなあ、と思う。だってもうなんかギリギリで堪えてるの丸わかりだもの。耐えてるのも恥ずかしい僕を慮ってのことだろうし。今日は下、だなあ
「……いいよ」
それが言葉に出るのが早いか遅いか、僕は文字通りベッドに押し倒された。
欲望を隠さないのも獣みたいになるのも、普段エンターテイナーであるフジにはあり得ない姿で。それを見せてくれるのは僕が誰よりもフジに甘えられてる証拠だから嬉しくはあるのだけれど、明日の分まで体力は残しておきたいな、なんて口内を蹂躙されながらぼんやりと考える
ぷは、と。一通り味わい尽くしたフジが一旦離れると、その眼には乙女心と獣欲がこれでもかと混ざり合いながら表れていて。これ明日声出るかなあ、なんて諦め半分の心地で、自分を本格的に食いにかかるケダモノを受け入れたのだった
次の日、休みではあったのだけれど、起きてからフジがまたすぐスイッチ入っちゃったり(最近色々疲れてたからそれもあるかも)若くなったはずの腰がもう痛くて痛くてしょうがなかったりで、その部屋を出れたのは夕方になってしまったのだった
≫160二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 00:04:32
抱き枕 リウトレ
なぜこうなった。人だったトレーナーがウマ娘になったかと思えば、一時的に猫になり、次はなんだ。なぜどこかも知らない寝室と思わしき部屋にトレーナーといる。それにトレーナーのこの格好。
「なんでこんな……」
「私が知りたいくらいだ」
ため息がこぼれる。私たちが一体なにをしたというんだ。透けたネグリジェを纏って小さく震えるサマはまさに兎のごとく。全裸自体は以前の猫化の時に見ているが、あれ以来どうも変に意識されている。意識されているのは良いことだが。
「うぅ…」
ふたりきり、密室に近いそこでダブルベッドにネグリジェ姿の意中の相手。無理矢理、どうぞ食べちゃってくださいとされても気が乗らない。そもそも彼女がそれを望んでいないのでしない。それをするという選択肢は彼女が私に好意を言葉として伝え、彼女の方から口づけをしてからになるだろう。つまり今ではない。彼女が求めない限り存在しない選択肢である。そもそも、なぜ彼女だけネグリジェなのだろうか。色々と思考を巡らすが、猫化のことを考えると一時的なものではないだろうかと結論に至った。幸いか私はネグリジェではないので、着ていたパーカーを彼女に羽織らせることにした。
「おい」
「っ……な、なによ」
「そんな格好じゃ、冷えるだろ。着てろ」
「あ、ありがと……」
「どうせ猫の時と一緒だろう、寝ていれば戻れる」
サイズの合わないパーカーを着る彼女をよそにベッドへと寝ころぶ。眼を瞑る。寝たらまたいつものように、どうせ戻るなら、彼女の望む日常に戻ってくれ。そう思いながら横になっていると、ぎしりとベッドが軋む。寝れば元通り、これは悪い夢だ。
「……シリウス、寝た?」
彼女の胸が自身の胸に重なる。眼を開けない方が良いだろう。互いの為にも。
「……その、あたし抱き枕がないと、眠れないから……良いわよね、いつもあたしのこと横抱きにしたりしてるんだから」
彼女の腕が首に回る。ああ、抱き枕にでも何でもなってやる。眠ったふりをし続けよう。彼女が安眠できるように。あたたかい。普段から気兼ねなくそうやって私を『頼れ』。それでいいんだ。
「…いつも……いえ、なんでもないわ。おやすみ」
すぅすぅとゆっくり寝息をたてて穏やかに眠ったようだ。眼を開ければ、幸せそうに眠る彼女がいる。これでいい。頭を撫で、そっと抱え眠りについた。
≫166二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 00:09:17
「……ふえ?」
私が気がつくと、ネグリジェ────持ってるけどあまり着ないなぁ────を着てここにいた。
扉には「一晩ここにいてください」とだけ書いてあるし、近くにはおっきな天蓋つきベッドもある。
こういうところ、ルドルフと来たことなかったけど、ルドルフは未成年だから仕方ないよねなんて思いながらきょろきょろしながらそっとベッドに腰かける。
こんなベッドだとお手入れも時間がかかるんだろうけど、ロマンだよねと思いつつ待っていると向こうからルドルフが来る。
「よかった……君が無事で……」
「あ、ルドルフ。見てこのベッド!天蓋つきベッドなんて滅多に見ないよね!」
「ああ、確かに見ないものだが……」
ちらり、と扉の方を見るルドルフ。
そうして、少し諦めた顔をしてからこちらを見る。その顔は、ほんの少し赤い。
「どうかな、ルドルフ」
ちろり、と舌を出してみたりしつつ語りかけてみる。
「これは、誘っているんだな?」
「ルドルフは、どうしたい?」
「……泣いても止めるつもりはない、とだけ言っておこう」
「……なら、私が満足するまでしてもいいよね?」
────翌日、二人だけ昼過ぎまで出てこなかったのは僅かなもののみぞ知る。
≫185間に合ったネグリジェ教官ちゃん21/11/16(火) 00:25:49
「まさか私も対象とはな……」
心底苛立った声色で教官ちゃんが吐き捨てる。うら若き肉体は本来の衣服を奪われてすけすけの夜着を纏っていた。
昨今話題になっていた、担当との間柄が特に親しい者達が謎の場所に拉致+ネグリジェに着替えられされて一晩監禁されるという事態。トレセンの防犯どうなっとんねんという厳しめな意見と諦メロンどうせまた三女神様やという諦めに近い意見が飛び交う中で、まぁ自分は担当とかいないしそもそも親しい間柄でもなかったからヨシ! と高をくくっていた教官ちゃんだがジッサイ拉致られたのでこれには焦った。
なにせ、普段身に付けているウィッグや耳飾りの類いも奪われているのである。
ここにいるのは紛れもなく『少し成長したハルウララ』であった。
さてどうしてくれよう、取り敢えず誰かに見られたらウララちゃんの尊厳のために半殺しにして記憶消去を図るのは確定としてどうにか脱出するか別の衣服を手に入れられないかと教官ちゃんは思考する。話によれば担当も一緒に来るはずなのだが教官ちゃんは例外なのかいない、その点に関しては有り難く思いながら視線を走らせると妙案が浮かんだ。
なんというかもうそういう意図を隠そうともしないサイズのベッドからシーツを拝借して力を籠める。ウマ娘の膂力は容易く布地を引き裂いていくつかの布切れに姿を変貌させた。それをああしてこうすれば簡易的な外套の完成である。学生主催のお化け屋敷でお出しされる幽霊の類であったがネグリジェよりマシだろうという考えだった。
───しかしそれが逆に首謀者の逆鱗に触れた!!!
そう、端的に言えばネグリジェさえ消えた。加えて、ああ、ただひとつだけある扉がノックされたのである。教官ちゃんは泣きそうになるのをなんとかこらえて必死になんとか出来ないかじたばたしたが無情にも扉は開かれた。
そこにいたのは、
「……兄さん?」
───教官ちゃんは七度死んだ。
≫189二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 00:29:28
ガッ!バキッ!
「なんの音だ…?ん…ん?ウワーッ!なんか縛られてる!」
「起きたっすねウオッカ。この惨状を見せるわけにはいかないっす。申し訳ないけど我慢して欲しいっす」
「どういうことだよ⁉︎説明くらいしてくれ!」
「簡単に説明すると俺は今変な下着だけの状態でウオッカと2人閉じ込められてるって感じっす。こんな姿見せたくないので許して欲しいっす」
「おう…そうか…訳わかんねーな…出る方法とかはある…よな?」
「一晩待てば開くらしいけど関係ないっすよ!もうすぐ開けそうっす!」
「開けそうってどういうことだよ!?」
「すぐに…わかる…っすよ!オラッ!」
ギギギギギ…
「よし」
「よしってまさか…」
「鉄扉だったから…頑張ったら開くかなって」
「ウワーッ!馬鹿力!」
「これで一応外にでれるっすけど…俺の服どうしよう…」
「えっ」
結局下着のままで寮まで帰ったとさ。うまぴょいうまぴょい
ギャグしか書けない
おつドラ
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part455【TSトレ】
≫14二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 00:36:14
一応健全です…
透け透けネグリジェ概念withチケトレ
「どういうことなの…」
自分の身になにが起きているのかわからない様子でチケトレは困惑していた
自分の部屋で寝ていたはずなのに気づいたらここにいて扇情的なネグリジェを着させられていた。しかもなぜかチケットもいる。また神様の悪ふざけかと頭を抱えていると、チケットがジャージを脱ぎ始める
ああ、そういうことか─チケットとそういう関係になりたくなかったと遠い目をしていると、ジャージの上をおれの肩にかけた
「そんな格好じゃ風邪引いちゃうよトレーナーさん。」
「ありがとう。チケット…」
そうだよな、チケット。君がそういうことするはずがないよな
チケットの行動に安心を覚え、チケットの手に触れる
「なあチケット、今夜おれと一緒に寝てくれないか」
不安をあらわすかのように自分の右手首をぎゅっと掴みチケットに尋ねる
「うん。いいよ」
そういって、おれとチケットはよこになり手を絡ませるように握る
「チケットの手はあったかいな」
「トレーナーさんの手もあったかいよ」
温もりと陽光のような暖かい匂いに安らぎを覚え、二人は徐々に微睡みのなかへ意識を落とす
チケットはチケトレの髪さらりと触れ頬をなでチケトレの額へ口づけする
「おやすみ、トレーナーさん」
穏やかな寝息をたてるチケトレにそういうと微かに赤らんだ顔でチケットは微笑み瞳を閉じた
≫35二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 00:53:57
前回のあらすじ
親睦を深めるために闇鍋を開催したよ
ネイトレはたこ焼きのタコを
ヤエトレは刺身を引き当てたよ
「よっしゃ、次は俺だな!たべまぁーす!バクッ...ぶぇ!?みかんだこれ」
「おっ?どうだ?美味しいか?」
「美味しくない!皮ごとだし生煮えだし、ゴマダレにつけたから舌触り最悪だ!」
「...ゴマダレはやめとこうかな」
「次は私ね、何か小さいものをっと...あれ?変ね?すごく重たい...なんだろこれ?パクっ」
もぐもぐもぐ
「これおもちひだ...色々とくっついてる...うそでしょ」
「はい!俺でぇす!美味しいですか?」
「色々くっついてすごく不味い」
「次は私の番ですね、無心で掴んで一気に口の中に!ハッ!」
モキュモキュ
「いたたたたぁ!からいからいからーい」
「私が入れた鷹の爪入り餃子かも...辛いの好きだからつい...」
「混ぜるなってのはこういうものが入ってるからだったんだね...」
「汁を!汁を揺らしてはいけません!そっと取ってください!」
「面白くなってきたな、次は私だ」ヒョイパクッ
「んんん?ほぎゃー!甘い酸っぱい!シュークリームだ」
「エスニックのタレで浸して食べたようね、私はポン酢で」もぐもぐもぐ
「あっまぁ...あんこ?」
「すまん、俺の羊羹だ」
「あんこだと...俺には当たりませんように...あっっまぁー!アップルパイ!?」
「テイトレに当たったか」
「バカー!少しは考えろ」
「次は私の番だな...箸先に集中して何とか美味しいものを...これ!モグ...あまずっぱい?いちごか?これ?」
「私の入れたものです、大好きなので」
37二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 00:56:48
「これ...結構甘味率が高いのかしら?煮立って甘い匂いが強くなってきたわ」
「あとに行くほど汁がやばくなって来るのが闇鍋の醍醐味だ。さ、次は誰だ?」
「わ...私です...」
モグモグ
「あっ...しいたけ、でも汁が斬新な味で...うぷっ..」
「ロブトレ、吐くなら向こうで」
「運によっては美味しいはずのお鍋が満遍なく危険な味に...」
「どうしよう...このままだとどんどん美味しくなくなっちゃう」
「続けて大丈夫なのかな?これ以上煮詰まったら大変な事にならない?」
「自衛隊でやったときは10人だったけ」カン
「「「あっ」」」
「い゛や゛ぁ゛ぁ゛!゛く゛ら゛い゛こ゛わ゛い゛い゛よ゛う゛な゛に゛お゛い゛の゛な゛か゛で゛し゛に゛た゛く゛な゛い゛!゛!」
「落ち着け、カセットコンロが切れただけだ、すぐ取り替える」
「はい、予備のガスダヨ」
「あんがと」カン2カン4カン11
「さっ、ついたついた。闇鍋再開、次は誰だっけ?」
「ようやく私の出番ですわ」パクっ
「ん〜♪皆さん大袈裟ですわ、普通に美味しいですわ!」もぐもぐ
「極限まで煮詰まってかえって美味しくなったのかな?」
38二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 00:57:19
「この流れで俺もあたりをゲットするぞ!そこっ!」パクっ
「もぐもぐ...おっ!オデン!もぐもぐもぐ」ぱたん
「あれ?マヤトレ?味の感想それだけ?」
「次は私だわ...じゃあこれを...もぐ...あら、本当。意外と...」パタン
「ルドトレ?何食べたの?美味しかった?不味かった?」
「皆さん感想は最後まではっきぃ...れれ?しはがびびれ...ぐはぁ」バタン
「兄貴!?非常事態だ!」
「室内灯点灯します!」
「「「あばばばばば」」
「白目剥いて3人とも倒れてるわよ!?」
「煮詰まった鍋がここまでの破壊力を持っているとは...」
「皆さん!お気を確かに!」
「うっ...酷い目に合いましたわ...」
「あばばばばば」「.......」
「どうしよっかこれ?」
「俺が巻いた種だ...俺が食べよう...」
──────────────
「へへっ...食べ切っ...グフッ」
「タマトレ!?傷は深いですわ!しっかりしてくださいまし!」
「マ...クトレ...タ...マのこ...とた....ガクッ 」
うまぴょいうまぴょい
≫55二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 01:27:58
よし書き直し完了!今からあげます!
BNWWwith鍋パ
「鍋パじゃー!」
「イエーイ!」
机を囲み、タイトレ先輩とハヤトレ先輩がはしゃぐ。子供ですかあなたたちは
「おいおい、同士テンション低いぞチケトレ!」
豪快に笑いタイトレ先輩がおれの背中を叩く
いてて、誰のせいだとおもってるんですか
「まあまあ、こういうとき鍋を食えばテンションが上がるスンポーよ!」
奉行のようなポーズを取りハヤトレ先輩がポーズを決める。鍋奉行気取りだろうか
「ところでなぜおれの部屋で…」
「ハヤトレの部屋でやったら鍋禁止だって言われたからだな!」
過ぎたことはしかたないがなと笑い飛ばすタイトレ先輩にたいしある種うらやましさをいだいた
「まあまあ、今回はチケトレもいるし変なことにはなんねえだろ!」
ハヤトレ先輩がなにやら不穏なことを言った気もするが気にしないようにしよう
「さ、出汁も煮たってきたし具材をいれるか!」
タイトレ先輩が具材をいれたのを合図に各々具材をいれ始めた
まともな鍋パになりますように─そう願わずにはいられなかった
56二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 01:29:25
「なぁにこれえ」
おれの願いは儚くも粉々に砕け散った
「いやー!ヤバイことになったな!」
「案外うめえかも知れねえぞ!」
期待したおれがバカでしたはい
買い出しは一緒に行ったがもっと警戒すべきだった。アボカドやらきゅうりやら塩辛やら梅干しやらおよそ鍋にいれるものじゃないやつを買っていた時点でなんか嫌な予感はしていたのに
あーあーあーせっかく作ったアゴ出汁スープが…
そう頭を抱えているとタイトレが口を開いた
「過ぎちまったことは仕方ねぇ!こっから先闇鍋パーティやるぞ!」
「じゃおれ電気消す~!」
「なにかんがえてんすか先輩方!?」
そっから先は自業自得の地獄絵図
ハヤトレ、タイトレが買った外れ食材を掴み吐きそうになるチケトレ、自分で買った食材を引き当て爆死する先輩二人の姿がそこにあった
「なんだこの光景…」
それ以外の言葉がでなかったもののなんだかんだ言っておれは外れを掴みえづく二人をみて笑う。
やっぱこの人たちは面白いなあ
「ほらほら、早くたべてくださいよお」
パンパンと手を叩きおれは二人を煽る
「ずりぃ!一抜けすんな!」
「おめえも食えや!」
チケトレの部屋を喧騒が包み、時間は過ぎていった
57二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 01:30:15
「さすがにもうきついわ…」
「途中走馬灯が見えそうになったわ」
遠い目をしながら二人は腹を押さえる
「これに懲りたらもうやめてくださいよ?」
たべ終わったあとの片付けをしながら呆れ顔でチケトレは言った
「でもお前も楽しかったろ?」
つま楊枝で歯の隙間を掃除しながらハヤトレ先輩が尋ねる
「そうですね。こういうのはあまり経験がなかったので」
洗い物をしながら答えるタイトレ先輩がフッと笑う
「じゃ、またなにか、やろうや。楽しいことをよ」
「きついのは勘弁してくださいよ?耐性あんまないんで」
「考えとくわー」
お手柔らかにお願いしますと一言だけ返しタイトレとハヤトレにお茶を出す
これからもよろしくお願いしますよ先輩方
≫63二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 04:41:51
担当ウマ娘と一緒に寝ないと出られない部屋に閉じ込められたグラトレ(独)
(ネグリジェ+α)
「……ううん……いつの間にか寝ていたのでしょうか…………おや、ここは?」
眠りから覚めて直後に気が付いた事は、見知らぬ部屋のベッドで寝ていた……という事でした。
……ここはいったい?
キョロキョロと周囲を確認しても見慣れない部屋だという事しか分からない、そう思っていると視界に見慣れたウマ娘の姿が入ってくまして。
「グラス……も居るみたいだね」
どうやら担当ウマ娘のグラスワンダーも一緒に連れて来られたらしく、ソファーでスヤスヤと寝息をたてていたのでした。
取り敢えずグラスを起こそうか……そう思い寝ていたベッドから身を起こそうとして直ぐに違和感を感じます。
…………なんか、服が軽い?
そう思い被っていた布団を捲り……直ぐに被り直しました。
何故か肌が透けて見える程の薄い布に体が覆われていたどころか、紐と「最低限隠せてるなら良いよね?」とでも言わんばかりの布で出来た肌着を着せられていたのです。
「な……な、何この衣装は!? …………ん?」
そして枕元に何やら手紙が置かれているのに気付いたので読んでみると……
『担当ウマ娘と一緒に寝ないと出れない部屋』
『概念に乗るのが遅れたので、ネグリジェと紐下着を同時に遂行する事にしました』
「………………アホでしょうか?」
見なかった事にしたかったのだけれど、記憶はそんなに上手く働いてくれないのでした……
64二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 04:42:08
「……んんっ…………あら、ここは?」
そうこうしているうちにグラスがどうやら目を覚ましたようです。
「おはようございますグラス」
「……あら、トレーナーさん? はい、おはようございます……所でこちらは?」
「正直分からないけど……コレを読んでくれる?」
そう言って例の手紙をグラスに渡す……布団からは出ずに。
「……トレーナーさんは何故布団から出られないのでしょうか?」
「取り敢えず手紙を読んでくれると理解できると思う……」
「はあ…………」
そうして手紙に目を通したグラスは納得がいった様な顔をして……
「……内容はアレでしたが…………ここに書かれているのは、今のトレーナーさんの格好でしょうか?」
「……そうだよ」
そう言って布団を捲ってみせる。
紐としか言えない下着とそれが透けて見える薄いネグリジェ……グラスからゴクリと喉を鳴らす音がした様な気がした。
「…………なるほど、据え膳と捉えても?」
「グラスならどう捉えても良いよ」
「……据え膳を目の前に食べないという選択肢は有りません……不審な物が無いか一通り調べたら頂かせて貰いますね?」
「せめて愉しもうかね……」
こんな格好をさせられた事に落胆しつつも、グラスが嬉しそうなら良いかと思う事にしました。
二人が部屋から出たのは随分と時間が経ってからでしたとさ……
≫70二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 05:58:50
陽光のさすもとで。
「…キタトレか、久しぶりだね。」
「あら、ファイトレじゃない。久しぶりね。」
…ベンチに座り、考え込んでいたファイトレに挨拶するのはキタトレ。
「何か考え事かしら、相談なら乗るわよ?」「いや…いいかな。大したことではないよ。」
「あら、そうかしら?まあ良いのだけど。」
「…それよりキタトレはその体には慣れてきたか?特に胸がやばいだろう?」
そうファイトレが気にかけるのは、今も少しボヨンボヨンと揺れ動くソレ。キタトレは微妙そうな顔をして
「ええ、大分。…バランスを崩すようなことはしないけれど、重量感が凄いわ。」
「…だろうね、正直私くらいの巨乳でも人によっては持て余すだろうに、そのサイズは…」
「…本当に、ウマ娘になる際に巨乳になるくらいならまあ…って思ったことはあるけど、爆乳になるなんて思わなかったわ。」
「私的には前より大きくならなくても良かったのだけど、まあこうなった以上今更かな。」
そんな胸の談義をする二人。そこでファイトレは少し気になってキタトレに聞いてみる。
「…キタトレ、貴方はもしそっちの気がしたときはどうしてるの?」
「…私は一応発散はしてるわね。そこまである事はないけれど、キタにその姿は流石に見せられないし。」
「私はそもそもそういうのはあまりないから、考えなくていいかな。」
「…そんなものかしら。しかし人によっては贅沢な悩みかもしれないわね、特に胸のことは。」
「…私はあってもなくても良いとは思うのだけど、それはそれとしてあまり言う話ではないね。黒カフェトレとか気にしてるみたいだし」
「正直こんなのがあっても持て余すしいらないでしょうに…いや、これ以上はやめておきましょう。」
「…まあそこは同意するよ。」
自分の胸に視線を落とし、少し持ち上げたりした二人はそこで話を打ち切った。
「…さて、そろそろ行くわね。後、今度で二人で語り合わないかしら。」
「それはいいね、是非行くとしようか。…それでは」
「ええ、また今度。」
歩き去るキタトレを眺めつつ、ファイトレはボソリと呟く。
「…良かった、まだ気づかれてない。」
ーーー陽光は別け隔てなく地を照らしていた。
≫82伊達眼帯概念(タボトレ×2)21/11/16(火) 07:23:13
「ようターボ! 今日も元気いっぱいで何よりだぜ!」「すまないターボ、遅くなった」
「あ、トレーナー! 今日もターボとエンジン全開……で……」
「あん?」「どうした?」
「ふ、二人とも! その目、どうしたのーっ!?」
~🕒~
「──つーわけで今度の感謝祭、俺たちはこの"双子の眼帯海賊"として振舞うのさ!」
「低身長組でロブトレには世話になっているし、舞台に出てくれ、なんて頼まれたら断れないさ」
「ふーん。じゃあ、二人ともケガしたんじゃないんだ!」
「おうとも! 傷一つねぇピカピカさ!」「慣れる為に着けてるだけだよ」
「そっかー……そうだ! 二人が転んだりしないよーに、ターボが一緒にいてあげる!」
「へぇ、その熱い気持ちは嬉しいがな、そいつは」「待て……本当か、ターボ。それは心強い」
「うん! ぜったいケガしないよーに、ターボが守ってやるんだ!」
「いいのか? 俺たちと一緒に居ちゃ、当日ターボが遊べる時間が減っちまうぜ」
「運営から言われたろ、暴走しないよう目を離すなって。減った時間はその分、俺たちで濃くして埋めよう」
「……そうだな。折角ターボがやる気になってんだし、それを邪魔しちゃ寝覚めが悪ぃや」
「早いうちに埋め合わせも考えよう……すまないターボ、そろそろトレーニング……ターボ? どこに行くんだ?」
「どこって……どこだろ? とにかく、ずっと二人といられるよーにお願いしに行くんだ!」
~🕒~
『ええと……当日は視界を妨げないような素材の眼帯をお貸ししますので、その必要はないかと』
「……?」
「あー、つまりなターボ。透けて見える特別な眼帯を着けるから、手伝いはいらん、だとよ」
「ええーっ!? やだやだ、ターボがぜったい二人を守ってやるんだー!」
「ああ、暴れないでくれターボ! 大丈夫、きっとターボに手伝ってもらうから」
「やだやだー! ターボがトレーナーを守るって決めたんだもん! ぜったい守るんだー!」
『(ちっちゃいのが3人わちゃわちゃしてる……かわいい……)』
≫87二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 07:28:34
◆スッケスケのネグリジェで(ry・ネイトレ編
一晩出られない部屋(ベッド付き)。今日も今日とて巻き込まれた二人がそこにいた。
「……ネイチャ。どう?」
「だめ、枕カバー外せない。敷布団にぬいつけられてるのかな? そっちは?」
「掛け布団の中には潜れるけど、身体に巻こうとしたら途端に重くなる。毎度のことながら不思議パワーって怖いね……」
「オカルトなんていつもの事だよ。まぁ、でもさトレーナーさん」
「うん……そこだよね」
「正直あたしまでなるとは思ってなかったよ……」←スッケスケの紫ネグリジェ
「私からはなんていっていいやら……ごめんね」←スッケスケの赤ネグリジェ
「トレーナーさんが悪いんじゃないよ。多分」
「でもこういう目に遭っているって話、ウマ娘化してないトレーナーの間ではほとんどないらしいよ」
「ほとんどってどういうこと?」
「ボノトレさんとかマヤトレさんとか」
「うぅ、なんか想像しそうになっちゃった」
「想像させちゃった……」
「……ところで、トレーナーさんはいつまでそっぽ向いてんですか?」
「私は見れない。……え、待って。ネイチャは私見てるの?」
「この状況でだよ。ただ見るだけで文句言われるなんておかしいと思いません?」
「それもそう……かも?」
「そうだよ。大体トレーナーさんのネグリジェ姿なんて初めてじゃないし」
「そっかぁ」
「(よっしゃ!!)」ガッツポーズ
88二次元好きの匿名さん21/11/16(火) 07:28:59
「ついでに聞くけど、見れない理由はなんでしょか」
「………………見たら我慢しなくなるかもしれない」
「……おーう?」
「我慢できなくなるというか、我慢しないことを選びそうで見れない」
「ほーう……」
「チラって見えたネイチャが……ネイチャが、もう……!!」
「言わないで言わないで。……トレーナーさんが、ううん、トレーナーさんも悶々としてるのは分かったよ」
「もうだめ。恥ずかしさで消えちゃう。蒸発しちゃう」
「あたしを置いてかないで? ……どんなバカみたいな事でも、隠さず素直に話してくれるとこも好きなんだから」
「……私は素直じゃないネイチャも素直なネイチャも好きだよ」
「バーカ。……あたしさ、今ツインテ解いた」
「!」
「一緒に寝よ? このままだとお互い寝不足になっちゃう」
「……それは私の望むところじゃないね。じゃあ背中向けた状態になるけど、」「それはダメ」
「え?」
「…………あたしの方を見ててほしい」
「…………こう?」
「うん……」
「レアだね、髪下ろしたネイチャ。あと顔真っ赤」
「これでも超体力と勇気使ったんだから。あーあ。もうちょっかい出す気力すらないのが残念ですわー」
「……手を出して」
「……勇気くれるの?」
「うん。明日の分だけど」
「……ありがと。大好きだよ」
「私も。ネイチャ大好き」
そうしてネイチャとネイトレは手を絡ませたまま眠った。翌朝、ネイチャが目が覚めたときにお互い抱き合った状態だったことで起きるすったもんだは、また別のお話。
(終)
≫161教官ちゃん強引闇鍋with妹殿21/11/16(火) 09:04:09
「何故目隠しされているのでありますか……? 何故外せないのでありますか……?」
「それはですね、元々暗い部屋でやるものだから……でしょうか? 具体的には各々で自由に食材を持ち込み、全部入れて雑に煮て、暗い部屋で自分が何を食べるのかわからない状態を楽しむのが闇鍋というものです。今回はその、はい、僭越ながら私が兄さんの口に無作為に食べ物を放り込む形になります」
「何故そんな愚かなことをするのでありますか……? 食材の風味や栄養素といった本来の強みを殺して楽しいのでありますか……? 三女神様は何を望んでいらっしゃるのでありますか……??」
「少なくとも私は楽しいですし、この倒錯的な状況は兄さんが担当見つけてないのがいけないのでしょう? 因果応報です。はい、口開けて」
「ぼっちに救いはないのでありますか……あっあふっあっあ、おいひっ」
「水です。……ふふ、なんだかおかしな気分です。娘にしていたのを思い出します」
「んくっ、勘弁してくれ、未婚の身には耐え難い……んむっ、んっんっ、なんこれ……ぐにょぐにょしてる……」
「マシュマロですね」
「嘘でしょ……無味無臭……」
「まだまだ鍋はありますから、ゆっくり食べていきましょうね」
「ひぃん……」
≫175ゲーム実況闇鍋21/11/16(火) 10:32:34
了解!
「なぁスズトレ」
「なぁにフクトレ」
「配信で闇鍋はもはやゲーム実況じゃないと思うんだが」
「仕方ない……ちなみに何持ってきたの……?」
「それは闇鍋だからな……言わないでおく。だが配信でヤバいことにならない程度のものを選んだ」
「…………」
「おいスズトレ? スズトレなんとか言ってくれ!」
「お待たせ〜。鍋できたぜ」(パカっ)
「普通の鍋……だと?」
「美味しそう……いただきます……美味しい……?」
「? 闇鍋は余興でやるもんだろ?」
「助かった……いただきます。美味いが……違う処刑前の最後の晩餐なのでは?」
「ちなみに今回三人から差し入れが入ってる。テイトレとグルトレとマクトレだ」
「……(絶望的な表情)」
「嘘でしょ……」
「まぁ配信で暗くできないから闇鍋じゃ無いけど。いただきます」
数十分後
「美味しかったわね」
「トレーニング談義も楽しかったな」
「それじゃここで配信をおわりにしようか」
「闇鍋の時間だぞ」
「あぁぁぁぁぁ」
「いやぁぁぁぁぁ」
「安心しろ俺は食えないものは持ってきてない、俺は」
「いやぁぁぁぁ!」
「うわぁぁぁ!」
177ゲーム実況闇鍋21/11/16(火) 10:33:01
「じゃぁまず俺のから行くか」
「もうダメそうな見た目してる!」
「ルドトレから貰ったうどんを食品添加物で煮て蛍光色にしただけだ味はただのうどんだ」
鍋←蛍光色うどん
「次にフクトレ、これ何?」
「落雁っていう供物とかに使うお菓子だ」
「へぇ……あ、溶ける」
「そいえば砂糖菓子だった」
「嘘でしょ……被害が全域に……」
「次ブラトレ、餅。流石に煮るんじゃ時間かかるから焼いておいたぞ」
「ブラトレー!!」
「フクトレが歓喜に震えてやがる」
「あっ嘘でしょ……うどんの蛍光色が色移りしてる……」
「マルトレー!?」
「いや味は変わらんし」
「次、テイトレの差し入れ、ハンペン」
「テイトレナイスだ」
「嘘でしょ……うどんの蛍光色が……いえもう我慢しましょう」
「次はマクトレ。コメントを預かってる。"フクトレへ、スズトレとマルトレが居なければストロングゼロを送りつける予定でしたが、配信とのことですので、これを送ります"とのことで、酒のつまみ各種」
「助かった……」
「……」
「最後にスズトレ、パイナップル(丸々一個)」
「スズトレぇ!?」
「ちが、違うの! グルトレに相談したら"闇鍋なんだからしっかり変なものにしないと"って言われて、確かに闇鍋なら変なものをもっていかなきゃって思って!」
「真面目なのが悪い方に作用してる!」
「闇鍋でふざけると逆に普通の食材持ってくること多々あるからな。流石にこのまんま入れるわけにはいかないから着るからちょっと待っててくれ」
178ゲーム実況闇鍋21/11/16(火) 10:33:23
実食
「甘さと酸っぱさが足されたけど破綻するほどじゃ無い……食える……だが見た目が……」
「蛍光色で絵面がやばい」
「嘘でしょ……見た目以外普通に食べられる」
「配信だからお残しは許されないからマジで助かった」
「良かった……変なもの差し入れられてたらアイツらにもアイアンクローをしないといけないところだった」
「額割れるわ」
おしまい