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このページは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…」スレに投稿されたSSをまとめるページ(スレpart751~755)です。
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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part751【TSトレ】
≫30二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 08:01:45
「…黒ルドトレ?」
ふとキタトレは、ルドルフを膝枕し頑張って水をかけようとする黒ルドトレの姿に疑問を呈した。
魔ルドトレと違い、そこまでない胸に水を僅かに溜めてたらたらと零す黒ルドトレ。その目は明らかにグルグルだった。
「…」
こう、実にコメントに困るキタトレ。一方ルドルフは凄くご満悦…というか、徐々に欲望が鎌首をもたげてきているご様子。
仕方ないので後で確認として連絡を入れることにしつつ、ふとさっきの黒ルドトレがやっていた事を思い出す。
「中々…っと、────?」
「はぁ…はぁ…トレーナーさん」
「何かしら?」
「ルドルフ会長がやってるあれ、私気になるんです。」
…どうやら気になったらしい、この娘は素直なのだが些か気持ちに素直すぎでもある。まあ別にいいのだが。
「…そうねぇ、とりあえずそこで待っててちょうだい。」
「!」
とりあえずそのビキニスタイルにパレオを組み合わせた水着である以上、貯めるのに使えるのは自分の谷間のみ。
…とはいえ、トレセンでもトップのカップサイズを誇るキタトレにはそこまで難しい問題ではない。
「…これでいいのかしら、しかしそんなに…」
「…」
一筋になって零れてくる水を、膝枕する形で額に垂らす。ツーっと流れるそれは彼女の温まってきた頭を冷やしてくれた。
ついでにそのπを顔に乗せるようにおろし、両手で挟むように掛けていた力を抜けば、溜まっていた水がパシャリと落ちる。
「わっぷ!」
「ふふ、頭は冷えたかしら。」
慌てて起き上がろうとしたところでその乳に顔から跳ね返され、むっちりした太ももに頭を支えられる。
そんな彼女に微笑ましい顔を見せたキタトレは、彼女の頭を地面に打ち付けないよう支えながら立ち上がった。
「さて、そろそろ見にいってあげたほうがよさそうね。それじゃあ、また後でね─────
。」
「…はい!」
短文失礼しました
いつか(といっても数スレ前の)ネタより、頭悪いアレです。キタトレレベルのサイズがあればこうパシャリも出来そう。
今回の子はいわゆるオブラートに包んだりすることが出来ないタイプです。黒ルドは特に何もなかったそうな。
≫108二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:01:01
4月9日。
この日スイープトウショウ担当トレーナーは、一ヶ月後のカレンダーに花丸を描いた。
「……よぉしっ」
5月9日。
それはスイープトウショウの誕生日である、特別な日。
それをトレーナーとして祝う為に、スイトレはひとつ決めたことがあるのだ。
「貯金、するぞぉ〜っ!」
そう言って羊の貯金箱に入れたのは、わざわざオペトレから現金で貰った、住み込み家政婦代の一部。
ちゃりん、ちゃりん、ちゃりん、ちゃりん、ちゃりんと、五百円玉が五回落ちる。
これを毎日やると、スイトレは堅い決心で決めたのだ。
おやつも、おつまみも、ムダな買い物も我慢する。ガマンしてやると、そう決めたのだ。
「が、がんばるぞぉ〜っ! ひん、ひん、ひぃん!」
冷凍庫に買い置きしたアイスキャンディーを取り出して、決意高らかにスイトレは舐めしゃぶり始める。
オペトレが買った買い置きおやつはセーフ。スイトレの決心は飴細工のように脆く、ゼリーのようにぐにゃぐにゃだった。
109二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:01:29
スイトレはざこである。
意志薄弱で鈍臭く、加えて割と性格が悪い。すぐに何かに怯えひんひんと鳴いてころころと脂肪たっぷりの乳と腹の肉を抱えて丸まり、すぐに誰かに縋りつく。
トレセンウマ娘化トレーナーの中では202cmの巨躯を誇るウオッカ担当トレーナーに次いで重量級でありながら、90cmの矮躯であるイクノディクタス担当トレーナーに脅かされて負ける。そんな最弱のウマ娘化トレーナーである。
そんな彼女は担当ウマ娘であるスイープトウショウを溺愛していた。それはもう可愛がっていた。
「トレーナー! 今日も魔法の薬草を探しに行くわよっ!」
「はぁ〜いっ! 水筒用意しておくねぇっ♡」
なのでトレーニングそっちのけでお出かけすると宣言されても、スイトレはまったく困った様子もなくお出かけの準備を始めてしまうのだ。
(尤も、その担当ウマ娘がろくに練習せずとも勝てるような才能の塊と知っていてのことではあるが)
デレッデレの笑みも隠そうとせずに、スイトレはピクニックの準備をしながら食堂へと脚を弾ませた。
言わずもがな、食材を分けてもらう為である。
110二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:01:51
「……あれ。スイトレさんも自炊ですか?」
「あれぇ、ダストレくんだぁ〜」
昼食も自炊するトレーナーというのは、意外と少なくない。
トレーナーや生徒用に貸し出されているキッチンスペースがあり、申請さえすればそこで料理ができるのだ。
特にウマ娘化に際して食い扶持が増えたトレーナーの為に、トレセン学園は無料で料理の材料を置いてくれている。条件は担当ウマ娘への差し入れも作ることなので、金欠気味のスイトレには渡りに船であった。
先んじて調理していたダイワスカーレット担当トレーナーも同じような事情らしく、慣れた手付きで豆腐サラダを作っていた。
「ダストレくんのとこもお誕生日近いんだっけぇ?」
「そうですよー。なので貯金月間です」
「こっちと同じだぁ。あ、そこのレタスちょーだい」
「どーぞどーぞ」
三冠路線、ティアラ路線と色々あるが、同じようなローテーションを組むとトレーナー同士の顔合わせも多くなる。
合同インタビューだけでなく、出走時期には大会の番宣としてテレビやラジオなどのメディア出演も増え、その打ち合わせも増えるのだ。
ライバルとしてバチバチやるのも自由だが、それで業務が疎かになれば当然困るのは担当ウマ娘。なので真っ当なトレーナーならば多かれ少なかれ仲良くしているのだ。
その点において、コミュ障かつコンプレックスの塊であるスイトレにとって、ダストレという人物は幾分凡庸で、卑屈で、付き合いやすい人物であった。
111二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:02:13
「へぇ~、ダストレくん奮発するねえ」
「まあ、スカーレットの誕生日ですからねえ」
軽い談笑を交えながら、ふたりは差し入れ用の軽食と自分用の食事を作っていく。
ふたりともサラダとサンドイッチという質素な品だというのに、片や中肉中背、片やどこもかしこも豊満なのは何故なのか。ふたりともが首を傾げながら食事をぱくつき始めた。
「こっちのプランはどう思うぅ?」
「いいと思いますよ。オペトレさんが考えたんです?」
「そーそー。あのひと、お祝いごと大好きだから~」
素敵なバースデープロジェクトの立役者は、何を隠そう同居人のテイエムオペラオー担当トレーナー。準備が大好きな彼に諸々のプランニングは任せっきりにしている。
スイトレは自分の考えが上手くいくなどとは到底思っていない。なので頼れるものは何でも頼るしねだるし縋り付くのだ。ズルをしちゃいけないのはテストとレースだけ。スイトレの中ではそうなっている。
そんな話を聞いて苦笑しながら、ダストレはすいとスイトレの瞳を見つめ、ふむと思案する。
それが彼の得意分野、トレーナーの基礎中の基礎、人間観察であることをスイトレはよくよく知っている。知っているだけに居心地を悪くし、彼女はえいとダストレの首を横に向けた。
「あだだ」
「じろじろ見ちゃだめぇ~」
「あはは、ごめんなさい」
放っておけば褒め言葉の熱いシャワーが待っているのだろう。
そういう素直さと厄介さは、彼の師であるウラトレを想起させるので、スイトレは大変に苦手だった。そうなる前に、スイトレは自分の所感で締めくくる。
「でもぉ、愛情だけはいっぱい込めるから~」
だからきっと、大丈夫。
そう信じるくらいの力強さは、スイトレもしっかり持ち合わせていた。
112二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:02:36
頼っていたのはオペトレだけではない。
今年の誕生日祝いの為に、本当にいろいろ、たくさんの人にスイトレは頭を下げたのだ。
「君の愛バだろう? なら、君が頼まないとね」
そう言ってオファーを任せた同居人に内心「無茶を言わないでよ~」と文句を言いつつも、スイトレの功績をしっかり作ってくれることはありがたく。
「これを枕元に置けばいいんだね?」
「そうなのぉ。よろしくおねがいしますぅ~」
「お任せあれ! スイープには夜更かししないように言っておくよ」
「お、おてやわらかにぃ……」
快諾してくれた寮長のフジキセキに感謝を述べながら、スイトレは足早に立ち去る。
オファーの他にも、スイトレは請け負ったことがあるのだ。
「えーっと……後もう少しだねぇ」
細い縫い針を、少し太い指が摘みあげる。
そうして黙々と、ベンチに腰掛けながらスイトレは針仕事に従事した。
ちくちく、ちくちく、ちく、ぷすり。
「いたたぁ」
何度も誤って刺しながら、指を絆創膏だらけにしてスイトレは刺繍を続ける。
見る者が見れば驚きのひたむきさだろう。あの怠け者で適当で面倒くさがりのスイトレが、こうも集中してみせるとは。
勿論、お金を払う贈り物もする。しかしスイトレは、必ず自らの手で贈り物を作らねばならない。
「……ひんひん、がんばる、ぞぉ……!」
それは彼が彼女になったことを寿ぐ、福音の証。存在の証明なのだ。
113二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:02:55
スイープトウショウが目覚めた朝。
枕元には封蝋を施された羊皮紙が置かれていた。
「……魔法の招待状!」
昨晩から楽しみで寝付けなかったスイープは、横で添い寝していた筈のフジキセキがいないことを若干残念に思いながらも、その素直に表せない寂しさは素敵な香り付けのされた招待状で吹き飛んでしまう。
封蝋を引き裂くのがもったいなくて、いくらか苦戦しながら剥がしたスイープは、その内容を読んで声を上げた。
「……お茶会! 魔法のお茶会ですって! どうしよう、ドレスを着なきゃ!」
きゃあきゃあと声を上げながら、ふと招待状の傍に置かれていたものに手をやる。
それはとても上等なドレスのようにも、ローブのようにも思える品だ。
金の糸で縫われた刺繍は、少女の審美眼でも分かる通りの美しさを指し示す。
「これを着ていけ、ってことね! あはは、魔法のローブだわ!」
勝負服よりは丈夫ではなさそうなので、勢い余って破かぬように、スイープは幾分慎重に袖を通す。
魔法のようにぴったりフィットするベルベットのローブを、スイープは愛おしげに撫ぜた。
「待ってなさい、主役が登場してあげるんだから!」
顔を洗って歯磨きをして(だってこれは魔法の招待状に書かれていたルールなのだ)意気揚々とスイープは部屋から飛び出す。
今日はお誕生日。スイープの素敵な一日が始まった。
114二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:03:21
「スイープちゃん、お誕生日おめでとう!」
「ふふん……お祝い頂き、ありがとうございます!」
「おー、作法も完璧だあ」
寝起きのスイープを迎えたのは、食堂で待っていた寮のウマ娘たち。
大好きなものとふわふわのパンケーキがならんだごちそうを、友達といっしょにお祝いする。
そうしてティアラを戴いて、素敵な奇術師フジキセキがささやくのだ。
「今日は一日きっとうまくいくよ。君のことが大好きな魔法使いさんがそう魔法をかけたんだ。
だからティアラはつけたまま、楽しんでおいで」
そう言われて信じないほどひねくれた少女でもなく、スイープはこくこくと頷いて学び舎へ向かう。
果たしてフジの言葉通り、魔法はスイープの助けとなった。
「……簡単だわ! こうすればいいのよ!」
「スイープさん正解!」
当たった問題は予習した範囲内。豪華なティアラやローブには先生達もお咎めなし。
とっても絶好調な午前が終われば、カフェテリアでバースデーケーキが運ばれてくる。
ふわふわのスポンジ、とろ~りカスタード、そしてねっとりフランのおいしい3層構造が魅せるそれは、名を「ガトーマジック」だというのだと、スイープはオペトレに教わっていた。
頬張ってみれば、かちりと歯に当たる音。吐き出してみればそれはきらきらのコインで――幸福の王様を示す証なのだと知り、彼女は有頂天になった。
「すてき! なんてすてきな一日! ねえ……」
そう思うでしょ、と横を向いて、そこにいるべき人がいないことに、スイープはようやく気づいた。
ふわふわの月毛のトレーナー、彼女は今日、スイープの前に一度も姿を現さなかったのだ。
115二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:04:41
「グランマ! ママ! パパ!」
校門前。スイープが家族と出会ったのを見届けて、スイトレは漸くひと心地ついたと息を吐いた。
彼女の回りにいる善良な人々は、今日というすてきな一日を作る為に尽力してくれた。
スイープに予習を勧めたり、ティアラを咎めなかったり、ガトーマジックのガレット・デ・ロワ、その当たりをスイープによそったり。
様々な「魔法のような偶然」を演出してくれたことに、スイトレは感謝してもしきれない。
自分は魔法使いになれたのだと、スイトレは面映ゆい気持ちで踵を返した。
「ひん……やっぱりこれは、フジさんに渡してもらおー……」
このまま帰ろう。
この後は家族と楽しいお食事をして締めくくるのだ。最後の魔法は家族の絆。そこにスイトレは収まられない。収まるべきではない、と考えていた。
だって自分はそんな素敵なものではない。見つかりっこない。魔法に覆い隠されただけの、ただの――。
「――トレーナー!」
――ただの、浅ましい人間なのに。
自らの詰めの甘さは、スイトレにとって予想外の展開を導いた。
袖をぐいと引っ張るのは、涙で瞳を滲ませた最愛の女の子で、引き留められたのは自分なのだから。
「どこ行くの」
「……さあ、どこかへ?」
「じゃ、こっち」
ぐいぐいと引っ張られ、スイープの家族と目が合う。
後ろめたさに目を背け、代わりにしかめっ面のスイープと目が合った。
116二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:05:34
「今日はすてきな一日だったわ」
「そっかぁ。よかったねえ」
「ん。でも、いなかったの」
あなたがいなかったの。
そう言われて胸を締め付けぬトレーナーなどいるだろうか? 少なくとも過去の自分は死んだので、今はいまいとスイトレは結論付けた。
言外に何を言いたいかなど、今更問うのは野暮だ。そしてそれに抵抗できるほど、スイトレは強い人間じゃない。
「……ごめんねえ。わたし、勇気が出なかったから」
「いいのよ。トレーナーがよわよわなのは知ってる」
「ひぃん」
「だから、引っ張ってあげるから。
……ちゃんとついてきなさいよ」
こくこくと頷きながら、スイトレは滲む視界をごしごしとハンカチでこすって差し出す。
それはお金で買ったもうひとつの贈り物。オペトレにおすすめされた、とっておき。
「ハッピーバースディ、スイーピー。
オトナになった貴方へ、わたしから贈り物だよ」
「……ありがとっ」
金の時計を手渡され、スイープはにっこり笑って応える。
それがたまらなく嬉しくて……勇気が出て、スイトレは彼女の小さな手を握った。
「ご家族にご挨拶、させてくれるぅ?」
「まかせなさい! グランマー! 聞いてー!!」
ぐいぐいと引っ張ってくれる力強さが、そのまま愛おしさの引力につながる。
スイトレは今日、一番幸せな気持ちで過ごしていた。大好きな魔法使いさんといっしょに。
うまぴょいうまぴょい
117二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 00:09:31
あとがき:わずかに間に合いませんでした。無念……
しかししっかりお祝いしないといけない気持ちでいっぱいだったので、しっかり書けてよかったです
スイトレ、実はSSを3つ4つしか書いていないのですが
キャラ立ちだけは一番な気がしないでもないです。ひんひん。
(実はひんひんには元ネタがあり、「ハニー・ポッター」シリーズというSS特有の鳴き声なのですが、魔女っ娘繋がりということで採用しました。まさかひんひん言い続けるなんて……)
たまに出てはひんひん鳴く生き物ですが、たまに難しいことを考えているのです。
たまにいじめて可愛がってやってください。
さておき、スイーピー誕生日おめでとう!
これから実装されるだろう貴方と出会えることを、本当に楽しみに思っています!
では次は5月13日、ダイワスカーレットの誕生日に!アデュー!
≫151二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 17:38:38
5月10日。昨今多種多様な記念日があるなかで本日トレセン学園で注目になっているものがあった。
「ネイトレルォ!逃げルルォ!」
「侘助さーんっ!」
メイドの日である。トレーナーや生徒達がせっかくだしそういう日だからと自主的に着替えて思い出を残そうとしていた。せっかくだからって何。
当然恥ずかしい、照れ臭いと着替えようとしない者もいたが「トレーナーにメイド服絶対着せたる委員会」に追いかけ回され更衣室に放り込まれているのが現状でありミニスカ、和風、バニーなどなど色んな種類のメイド服を着ているトレーナーがそこかしこにいた。
そんな中愉快なDK4はというと。
「やっぱこれ肌触りいいよな」
「ロブトレやウオトレ(202)が気合い入れて作ってくれたお陰で動きやすいし」
「オペトレにもその節はお世話になりましたわね…」
「具体的に言うとpart141あたり」
「フクトレのWikiにまとめられてるから要チェックだ!」
「姑息な宣伝を…」
メイド服を着て追いかけっこを眺めていた。
どうせ最終的には着替えさせられるならまだフォーマルな、マシな物にと以前使ったメイド服を用意してあったのである。
「…ドベトレのほぼ水着ですわよあれ」
「ネイトレはチャイナ系かぁ…まぁ似合ってるしいいんじゃない?」
「にしてもやっぱ俺達の考えは間違ってなかったな」
「先んじて着る事で最悪を防ぐ…何か言われても先生や大先生のお墨付きだと言えばどうしようもない!勝ったなワハハ!」
152二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 17:39:05
「はぁ…撒いたぞ…お前らちょっと隠れさせてくれ」
「あれタマトレ…お前まだ逃げてるのか」
「後が怖いですわよ」
「うっせー絶対逃げ切ってやるから見とけ」
「…?」
「どうしたテイトレ」
「いや…去年とか一昨年とかタマトレいっつも5月10日休んでたなぁって思い出して」
「うっ…あー…それは…」
「…あぁ、神様に会いに行ってましたわねそういえば」
「今日は5月10日(ゴッド)の日。それにあやかってスロットのGODシリーズを打ちに行く奴が多いんだってさ」
「で、殆どが負けると」
「うるさいうるさい!いいだろ夢見ても!」
「いやいいけど…何で今年は行かなかったの?」
「スロットって置ける期限が決まってて凱旋もハーデスもなくなったから…」
「人気シリーズだったら続編とか出てるんじゃ」
「あるよ。あるけど…うん…正直お排泄物で…見ると悲しくなるから…」
「…まぁほら。飲めよ」
「ありが…って紙パックじゃねぇか!」
「リプトンの日でもあるからな」
「えー…いやでも…メイド服着てんだから茶っ葉で淹れるとかさぁ」
「そんなんいうなら自分で着たらいいだろ」
「その通りですよ」
153二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 17:39:49
「この声は…!」
「げえっ関羽」
「ウラトレです」
「アア…オワッタ…!」
「はいここでタイマーストップ」
「ザ・エンドってね」
「お疲れ様ですわってね」
「年貢の納め時だな」
会話に入ってきた声に五人が振り向くと委員会の面子を引き連れたウラトレが立っていた。
ポタポタと冷や汗をかき項垂れるタマトレを見て笑いながら四人がヤジを飛ばし、それを囲む様に委員会が近寄って。
「本当にその通り…貴方達も固まってて手間が省けました」
──五人全員を捕まえた。
「…え?」
「なん…っ俺達メイド服着て」
「ええ、本当によく似合っていますよ」
信じられない物を見る目をする四人にニコリと微笑みながらウラトレが続ける。
「ですがロブトレやウオトレがフレンチやスチームパンク、それに巫女やシスター系と種類を増やしてくれまして…着る人が足りてない状況ですから貴方方にも」
一瞬の静寂。視線と思惑が飛び交い、そして──
「さぁ!うちとやろやぁ!!」
「タマトレお前マジでふざけんな!一人で行けやぁ!」
「み、見逃して…見逃してくださいご主人様…」
『ゔづっ……(長考)やっぱテイトレの違うメイドさん見たいから駄目』
「ラッキーアイテムメイド服って嘘じゃねぇか…!!」
『『『大人しくしろ!三人に勝てるわけ無いだろ!』』』
「バ鹿野郎貴方私は勝ちますわよ貴方!(天下無双)」
──見苦しい争いが始まった。
「人に言われる前から着る程気に入っているのなら構いませんよね。ふふふ」
154二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 17:40:32
この後めちゃくちゃ着せ替え人形にされた。
うまぴょいうまぴょい
ウラトレ先生に勝てるわけないだろ!
以前メイドカフェssを書いたけどやっぱDK4はネタにされてるのが一番可愛いね。一人イラストを見直してんぎゃわだねぇ!ってなってました
「メイド服 種類」で検索したらいっぱい出てきて妄想が捗りました。あ〜シスターメイド服DK4にお祈りされたいし大正ロマン袴でカフェーを淹れて欲しいしゆめかわちょい病みに重い愛をぶつけて欲しい
≫167二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 19:01:40
「…いいのかなこれ?」
「気にしたら負けだ。っと、お帰りなさいませお姫様。」
「うんうん、二人ともよく似合ってるね!」
トレーナー室に戻ってきたファインを出迎えるファイトレ's。その服装はいつもとは違いメイド服であった。
勿論きっかけはファインからのわがままで、メイド服を着てほしいと言われて断れずにこれを着ることになったのだ。
「姫様、次はどういたしますか?…(小声で)ファイトレ男、紅茶を用意してくれ。」
「あ、ああ…分かった」
メイド達の振る舞いと、伊達に従者をやってる訳ではないファイトレ(女)はメイドとしても完璧な振る舞いを見せる。
一方、当たり前だが慣れてないファイトレ(男)は指示に従う形で頑張っていた。それでもそこそここなす辺り流石だが。
「紅茶です、どうぞ」
「ふふ、褒めて遣わす〜!」
「…!」
用意した茶を出すとファインは満面の笑みでファイ男の頭を撫でる。撫でられた彼は嬉しさと恥ずかしさから真っ赤な顔をした。
それを見るファイ女の顔は相変わらず…いや、少しだけ笑みをこぼしている。彼女からすれば微笑ましい光景らしい。
「…!姫様、扉から離れてください。ファイトレ男も下がれ。」
「…分かった!」
いきなりファインを抱えて下がる彼女、二人を下がらせファイトレ男に直接カバーしてもらいつつ、気配を感じた扉に近づく。
スカートの下、太ももに巻きつけたベルトに差したナイフを数本引き抜き扉を開けると飛び退りながら投げた。
ヒュッ!
「ひぃ!?」
「…む、ベガトレと…タイキトレ、プリトレか。わざわざ気配を消して何しに来たんだ。てっきり怪しんだじゃかいか。」
「こわ〜…っと、いやあれよ。今日はメイド服の日だから、皆に着せて回ってるんよね。」
「それを私が撮影してるのですが…凄い対応でしたね。ナイフが目前に飛んでくるとか中々…」
…タイキトレの気配消しからの捕縛とプリトレの撮影で皆に着せて写真をとっていたのだというが、まあ怪しまれる話である。
「安心しろ、こいつはそっくりな模造品だ。切れない代物だから仮に当てても問題ないのさ。」
「凄い作り込まれた小物ですね…あ、折角なので三人を撮影してもいいでしょうか?」
…ファインを中央に三人で並んで撮ってもらった写真は、アルバムに永久保存されることになった。
≫177二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 19:37:51
五月十日はメイドの日。それに乗っかったらしい理事長が突然開催した学園内の一日限定メイド喫茶。黒ルドはそれ自体は構わなかった。よくある文化祭みたいなもので、問題はメイド服を着る店員役の方である。
「なんでまたトレーナー側が着るんだ……!」
「前にやったのが生徒たちに好評だったみたいで……ほら、新しく黒ルドの分もあるよ」
既に和メイド服を着た魔ルドがメイド服を黒ルドの体に合わせてくる。魔ルドは前回の経験者であるからか、和メイドが様になっており黒ルドも思わずドキリとした。一方体に合わせたメイド服はフリルが多い上にスカートも見えそうな程に短い。腰の辺りには大きなリボンが施されている。
「冗談じゃないぞ……」
「僕は見たいなあ……それに、ルドルフもきっと喜んでくれると思うよ?」
「いや、しかしだな……作法とか……」
「作法とかより、そのままの黒ルドが大事だよ。ね、着てみよう?止めるのはそれからでも遅くないと思うな」
「ぐ、うううう……そんな期待を込めた目で見ないでくれ……わ、分かった!着るから!!」
段々と押され始める黒ルド。魔ルドはその隙を逃さず、何とか言いくるめて黒ルドを更衣室と化したトレーナー室へ押し込んだ。そしてしばらくした後。
「き、着たけど……足元がスースーするのが落ち着かない……!」
「ふふ、似合ってるよ」
「喜ぶべきか恥じらうべきか……」
「じゃあ、みんなのところに行こっか」
「ルドルフだけじゃないのか!?」
「喫茶店なんだから、接客もしないと!」
顔を真っ赤にしてトレーナー室から出てくる黒ルド。髪を結ぶゴムはリボン型に変わっており、ウマ耳が四つあるようにも見える。短いスカートも気になるようで、しきりに下へ引っ張ったりしている。
魔ルドはそんな黒ルドの手を引き、ルドルフや他のトレーナーたちが集まる教室へ向かうのだった。
≫182フジトレにメイド服着てほしい22/05/10(火) 19:56:57
「ねえトレーナーさん」
「今年も?」
「今年も」
「……どんな奴着ればいいの?」
「さっすがトレーナーさん。話が早くて助かるなあ」
「そりゃもうフジに毎年おねだりされてたら、ね」
「と、いうわけでこれなんだけど」
「……wait」
「ふふ」
「ちょっと待ってこれスカートの丈おかしくない!?スーパーミニなんだけど!?下着見えるか見えないかスレスレなんだけど!?」
「マンネリにならないようサプライズも必要でしょ?」
「こんなサプライズはいらないってぇ!!」
~おじさん(♀)お着替え中~
「……もぅ」
「似合ってるよ」
「30歳過ぎた身としては恥ずかしさやらなんやらで落ち着かないんだけどぅ……まさか例年通り今日一日これ?」
「ううん。貴方のその姿を他の人に見せたくないから」
「そっかー、よかっ」
「だからこっち(丈長い方)に着替えてほしいな」
「まさかの二着目!?」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part752【TSトレ】
≫31二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 21:40:19
メイド服を着せられるグラトレ(独)
「さてさて、逃げ切れましたでしょうか~」
5月10日(Mayとお≒メイド)でメイドの日
という事でメイド服を着て思い出を作ろうと言い出した人が居るらしく、トレセン学園は現在メイド服に身を包んだトレーナーや生徒で溢れ返っていました。
当然メイド服を着る事を嫌がる人も居たのだが「トレーナーにメイド服絶対着せたる委員会」なる謎の組織の手により半ば無理矢理着せられています。
そんな中で私は、メイド服委員会の魔の手から逃れ
「流石に2階と3階の中間……それも柱の陰に隠れれば見つかる事もないでしょう~」
校舎裏の"外壁"に屋上からの懸垂下降で身を隠していました。
「おや? あれは~……」
在庫処分で叩き売りされていた"名物記者の双眼鏡"を用いて周囲を確認してみればDK4の面々がクラシカルなメイド服を着ていますね。
……が、あのメイド委員会が4人全員一律に同じメイド服を着せるとは到底思えません。
「と、なれば~……自分で最初から着ていたのでしょうか~」
つまりメイド服さえ着ていれば狙われないだろうから、最初から恥ずかしくないメイド服を着ておくという奇策で上手く逃げていたのでしょう。
「なるほど~、最初からメイド服を着て騙すのは盲点でしたね~」
そんな奇策を持って難を逃れた4人に感心しながら、双眼鏡越し瀟洒なクラシカルメイド服を着るDK4を見て独り言ちます。
「しかし、あの様な普通のメイド服でしたら着たのですがね~」
32二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 21:40:33
時はグラトレがメイド服委員会の魔の手から逃れる直前に移る。
「はてはて、何用でしょうか~」
トレーナー室でのんびりと仕事をしていたグラトレの下に数名のトレーナーとウマ娘が来た事が事の発端です。
話せばなんでも「トレーナーにメイド服絶対着せたる委員会」なる者でメイド服を着て欲しいというものでした。
「ふむ……して、どの様なメイド服なのでしょうか~」
よっぽど変な物でなければメイド服を着る事自体は別に構わないと思っていましたね。
そう、よっぽど変なものでさえ無かったらです……
「あらあら、これは可愛らしい和風のメイド服で~……待ちなさい」
私に合わせたのでしょう若草色を基調とした和風のメイド服です。
……が、致命的にスカート丈が短い。
正直私のお尻が何とか隠せるくらいにしか丈が有りません……私のお尻が並より大き目? だまらっしゃい。
「それに、スカート丈が短いのもそうですが……何ですかコレは、尻尾穴も無いじゃないですか」
……本来ならウマ娘が着る衣服には尻尾を通す場所が設けられているものです。
ですが、この超ミニスカ和風メイド服にはそんなものは開いていません。
となればスカートの中を通すしかないですけれども、こんな丈の短いスカートでそんな事をすれば……
「いや、駄目に決まっているでしょう?」
流石に元が男とは言え、下着が見える様な服は着たくないですからね。
やんわりと拒否させて貰います。
「……タイツを着けていたら大丈夫? いや、駄目に決まっているでしょう?」
それでも食い下がって来るメイド服委員会、恐らく引く気は無いのでしょう。
その心意気だけは賞賛します。
「交渉は決裂と言った所ですね~……では~」ガラッ
このままでは埒が明かない、そう判断した私は窓から逃げ出し今に至るのでした。
33二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 21:40:46
「とまあ、そうして逃げて来たのですが~……そろそろ、此処も移動の頃合いでしょうか~」
幾ら目の届かない校舎裏、それも外壁に張り付いているとは言えいずれは見付かるかもしれません。
……あと、吊り下がり続けるのも疲れてきました。
「さてさて、移動の前に周囲の確認でも~」
そろそろ移動でもしようか、そう行動に移した時でした。
「此方でしたかトレーナーさん」
ロープを括りつけている屋上より見知った声が降って来ました。
「おや、グラス、良く気付きましたね~」
「トレーナーさんが身を隠しそうな所はよく知っていますからね♪」
……何やら不穏な気がしますね。
「そうですか~、ならばすみませんが此方に隠れている事は内密にお願いしますね~」
「……ごめんなさいトレーナーさん」
「……グラス?」
「皆さん! トレーナーさんは此方ですよ~!」
「グラァァァースッ!?」
まさかの愛バの裏切りです。
いや、どうして!?
「グラス! どういう事です!?」
「……ごめんなさいトレーナーさん、和風メイド服を着たトレーナーさんにお給仕されたかったんです……!」
「いや、普通の和風メイド服じゃなくてね……」
「安心してください写真は撮らない様に話は付けましたし、着替えも私が行います!」
「分かっててやってる……!」
結局、校舎裏の外壁から引き揚げられたグラトレはトレーナー室でグラスの手で着替えさせられ。
和風超ミニスカメイド服(尻尾穴無し)を着たグラトレを数秒で目に焼き付けた「トレーナーにメイド服絶対着せたる委員会」は満足そうに部屋を後にしました。
その後、恥ずかしがりながら給仕するグラトレに満足そうにしているグラスワンダーが居たとかなんとか。
≫63二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 05:34:32
2レス使います
メイドの日は数時間過ぎてしまいましたけども
「ニシノ。これ、どう思う?」
ニシトレはニシノフラワーに手に持ったメイド服を見せてそう言った。
「どうしたんですか?そのお洋服」
「いや、なんかね。このメイドの日?がどうとかで他の人から勧められてさ、断る事も出来ずに結局受け取っちゃったんだ」
「なるほど。それでそのお洋服を持ってたんですね」
「それでさ、渡されたこの服どうしようかなって」
「そうですね…」
ニシノフラワーは考えるような仕草をした後、ニシトレを少しだけ見つめていた。
「なら、試しに着てみたらどうですか?」
「これを?」
「はい!きっと似合いますよっ!」
「…」
ニシトレはニシノフラワーの提案に少し悩んだ。
ニシトレもウマ娘になったとはいえ元男性。さすがにメイド服を着る事には多少の躊躇いがあった。
「ニシノはさ、これを着た俺見てみたいの?」
「ちょっと見てみたいなぁとは思っちゃいますけど…」
「見たいのかぁ。…まぁ、一度ぐらいならいいかな…よし、ちょっとそこで待ってて」
ニシトレはメイド服を持ち、部屋の物陰に行くと着替え始めた。
着たことのない服だからか壁に体をぶつけたり、時間をかけたりしながらも、メイド服を着ていった。
64二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 05:34:44
「着替え終わったよ」
ゆっくり物陰からメイド服を着たニシトレが出てきた。
「ニシノだけならまだ大丈夫だけど、流石にこの服では人前には出れないかな…それで…どうかな?」
少し恥ずかしそうにしながらメイド服を着た姿をニシノフラワーに見せる。
「とっても似合ってますよっ!」
「本当?そ、そうかな…?」
「はいっ!本当です!特にこのヒラヒラしてる所とか本当に可愛いですよ!」
ニシノフラワーは近づいてメイド服を見ながら喋り続けた。
「あっ、なんか私ばかり喋ってましたね…」
「…いや、ニシノが本心で言ってくれてるのが伝わったよ。ありがとう。」
「いえいえ!むしろ私がトレーナーさんがメイドさんの服を着た姿を見たいってお願いを聞いてくれた事にお礼を言いたいぐらいですよ!」
「はは。そっか」
この後もニシノフラワーはニシトレのメイド服姿を褒め続けた。
≫83二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 09:43:52
『各人各様千差万別』
「で、先生。結局俺はこの正統派…?メイドでよろしいので?」
「ええ、飾り立てる方向性でいえばいくらでも出来るのですが、今回はコンセプトを4人で分けてしまおうというお話でして」
「あーそれで全員別々のデザインなんですねあれ」
「まずテイトレさんは聖職者系メイドということになりました」
「聖職者系メイド」
「神秘的な風貌と儚げな雰囲気を醸し出すためのチョイスだそうです。想定としてはパーラーメイドだそうで」
「儚げ?いやまあ儚げかな……?」
「次にあなた、ブラトレさんは確認の通り正統派メイドですね。ただし炊事関連にかかわるスティルルームメイドといったものです」
「あー、あの」
「あれですね。まあブラトレさんはお菓子作りはさほど得意ではないらしいですが、些細な問題でしょう。紅茶や珈琲を入れる分にはお上手ですからね」
「褒めていただき光栄です、マダム」
「10点減点。メイドの発言としては正しいかもしれませんが、まだ私はそういう立場ではないので」
「厳しぃ……ではマドモワゼルで」
「……15点加点いたしましょう」
「いえーい。で、あの……マクトレのあれは?」
「中二病メイドです」
「身も蓋もない」
「私は覚えがあるわけではないので何とも言えませんが、眼帯と怪しげな雰囲気を漂わせておけばお気に召す方も多いと思われますので。こちらも一応パーラーメイドを想定しています」
「その結果あれなのね……やたらと胴に入っている演技だ……」
「最後にフクトレさん、これはロブトレさんやウオサブさんのデザインですね。不思議の国のアリスをイメージして、時計を持ったウサギをモチーフにしたメイドだそうです」
「でかでかと掲げられた時計はそれなんですね」
「因みにマイクとヘッドセットのそれは本物です。実際に指示出しをする必要がある場合あれを使います」
「細かい……凝ってるなぁ……つまりハウスキーパーという?」
「まあそうなるでしょうね。表に出て接客するのは誰も違いありませんが、それぞれの役割をしっかりと遂行してくださいね」
「……それは課題と受け取ってよろしいので?」
「もしうまく熟せれば、それ相応の御褒美を用意しましょう」
「ん、じゃあしっかりやりますかねぇ」
≫166二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 23:02:47
「ふぅん、悪くないんじゃないかしら」
「キタトレ…これって撮影かなんかだったけ」
ゴスロリメイド服を身に纏い、おずおずとキタトレに顔を向けるのは怪訝な顔をしたサトトレだった。
一方で、その隣にいるキタトレはいつものらしい服装とは違い、高貴さのある服装で優雅に振る舞っている。
「ん?そうねぇ…そういうプレイとでも言ったらどうする気?」
「あはは、冗談も程々にしてよキタトレ。少なくともキタトレみたいな手合をどれだけ相手してると思ってるのさ」
「やっぱり見抜けるわね。…そうそう、これ自体は撮影用よ。似合うんじゃないかと提案されて、プリトレが撮りにくるわ。」
「すみません、撮影宜しいですか」
言ったそばから来るプリトレ。キタトレはサトトレに目配せすると、横に立たせて自らは微笑する。
「…はい、ありがとうございます。確か、ロブトレが提案したものですよね」
「ええ、似合うからと練習がてら彼女が作ってみたらしいのよね。」
「あー、なるほどね。」
「ふむ…ねえサトトレ、ちょっといい?プリトレ、折角だし動画で撮ってくれないかしら?」
サトトレに耳打ちしたキタトレは、プリトレに動画に切り替えてもらった後、目を細めるといい声で
「ねえ、お茶を用意してくれるかしら」
「分かりましたキタトレ様」
「ふふ、彼女は私に仕えるメイドの一人で、サトトレって言うのよ。かわいいでしょう?」「お茶を淹れてまいりました、こちらに置いておきます。」
お盆を手に控えるサトトレを、片手で呼び寄せると手を回して肩に置く。まるで妖艶な美女の如く
「あら、一つ言っておくけど、彼女に勝手な真似は許さないわよ?なにせ、私の物なのよね。…と、こんな所でいいわよ。」
「凄かったです…あ、これはロブトレに渡しておいたらいいですね?」
「ええ、彼女の参考の手助けになればいいわ。…それと、ついでにドーベルちゃんにも渡してあげて」
「そのための動画なんだねキタトレ…いきなり演じてなんて言われたからびっくりしたよ」
…その後、例の動画を渡された二人からはいい返事がかえってきたそうな。
短文失礼しました
メイド服ですが、今回はちょっとキタトレに主人役をやってもらいました。動画はキタトレとサトトレでアドリブです。
割と創作とかじゃ普通にいそうな美女の主と美少女のメイドの組み合わせ、大体意思疎通が出来てるのはその仲故です。
≫178二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 00:12:21
逃げという脚質において重要な事の一つにスタートダッシュがある。
相手から逃げるのであれば先に走り出す事が出来れば逃げ切れる可能性は高くなる。
もちろんレースで逃げるにであれば他にも様々な要因は絡むが
単に誰かから逃げ切るのであれば姿を見られる前に逃げ切ってしまえば良いのである。
要するにトレーナー達にメイド服を着せようとする謎の動きを小耳に挟んでしまったので早々に逃げ出したのである。
温水プールの鍵を借りてジャージに着替え大きなタオルとストロー、スカイのゴーグルを書き置きして持ってプールに逃げ込んだ。
着替えが置いてあると疑われるかもしれないので更衣室にはタオルだけ籠の影に隠しておく。
プールに潜って借りたゴーグルを付け、ストローで息をしながら昼まで時間を稼ぐ。……パネルミラーには近づかないように気をつける、怖い。
勿論息が続かないので定期的にこっそり顔を上げるが気分はさながら忍者だ、ちょっと楽しい。
「──ぷはぁ」ゼェーハァー
気づけばもう昼前、そろそろ出る準備をしないとトレーニングをする人と鉢合わせるかもしれない。
もしかするともう騒動になっていて案外人が来ないかも。
とは言え邪魔になっては行けないしプールから上がり、貼り付いた前髪をかき上げる。
「おはよーございます、トレーナーさん」
「……スカイ、今日はプールトレーニングの予定はないけど?」
「水泳用のゴーグル持っていってるなら察しは付きますよ、やだセイちゃんったら名探偵!」
「今日は休みにするつもりだったけど、何かあった?」
「いやー、うっかり者のトレーナーさんがスーツを忘れてたからね。着替え持ってきましたよ」
「あ、忘れてたのか……ありがとう、シャワー浴びて着替えてくる」
あーあ忘れてたなんてぼやきながらシャワーで軽く塩素を落とし、更衣室で体を拭く。
水気が取れたら用意された着替えを──
179二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 00:12:35
「スカーイ!スカァアアアイ!?」
『はいはーい、どうしたの?』
「何このメイド、ちょっと待って……えー、と。"和風ミニスカメイド服"」
『よく言えましたー、パチパチパチ』
「いやこれ丈が短すぎるけど、誰が着るのこれ!?」
『グラスちゃんのトレーナーさんが着てましたよ。それでいっその事一緒にって』
「完全に巻き込み事故!!」
『でも着替えそれしかないよね。それにセイちゃんメイド服でお世話されたいなー、なーんて』
「……わかった、わかったからちょっと待ってて!」
さて、もう一度メイド服を見てみる。
人に見られないなら兎も角、見られる前提のレディース物なんてまっぴらだ。
それでもスカイの頼みならともう一度見てみる。
和風の意匠に、可愛らしいレース。制服と言えない丈のスカート。
……製作者と需要を疑う丈のスカート。
「──逃げよう」
逃げるのはスタートダッシュが云々。スカイが表で待っている隙に窓から出よう。
……ずぶ濡れのジャージは仕方ないとして、大きいタオルで胸から下は隠す。
下着は最低限絞って下は履くとして、上は……後ろ手に付けるの苦手だしメイド服から適当に紐貰って胸元で縛ろう。
傍目から見たらタオル一枚で歩く不審者だけど、マフラー一つで走り回った時よりマシだ。
もう一本紐を持って行けばまあ何かに使えるかもしれない。足の裏は痛くなりそうだけどこれで逃げるには十分だ。
「よしっ」 ガラァ
「あれ、こっちは窓ですよー。奇遇だね」
「スカイ!?なんでこっちに」
「着付け慣れてなさそうなトレーナーさんに呼ばれませんでしたから濡れたまま逃げるんじゃないかなって」ヨイショ
「そんな簡単に脇に抱えられたらちょっとショックなんだけど。あ、手に巻いた紐取らないで」
「何かに引っ掛けて逃げちゃうでしょー、それに抱えちゃえば危ないから無理に逃げないよね」
180二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 00:12:58
「メイド服絶対着せたる委員会のものでーす。この辺にトレーナーが、あっ」
「まさか貴方達がそういう関係になっていたとは、メイド服居る?」
「そういうのは空き教室とかでね。あっ、じゃあ私等はこれで……」
嵐のように現れて立ち去った謎のモブトレと呼ばれる彼等を余所にスカイと一緒にポカンとした顔を見合わせる。
理解が追いつかず、状況を整理しようとする。
- 湿って乱れた髪
- 一見バスタオル一枚の格好
- 担当から脇に抱えられた様子
- 腕に巻かれた紐を引っ張る担当
大体察した頃、スカイも何か気づいた顔をする。
「「誤解です!!!」」
この後、二人揃って顔を真っ赤にしたまま立ち去るモブトレを追いかけるハメになった。
このせいで結果的にメイド服を着せられる事になり、丈の短さのせいで立ち上がれなくなったという。
お ま け
「セイトレさん、諦めてお給仕しないとセイウンスカイさんも待ってますよ~」
「立てません!制服といえませんよ、なんで俺まで……」
「折角ですからご一緒にと~、旅は道連れと言うじゃないですか」
「やっぱり道連れじゃないですか!何とか上手く逃げ切ってくれれば……」
「屋上から校舎裏の外壁に懸垂してたのですが~、グラスに見つかってしまいまして」 セイトレサンハ?
「グラトレさん実は忍者ですか?俺はプールの中に入って隠れてました。スカイにバレましたけど」
「セイトレさんも忍者じゃないですか。でも担当に隠し事は出来ませんね~、ではそろそろ行きましょうか」
「待って、待ってください!着替えなかったから下濡れてて!立ったら濡れてる下着が見えるんです!」
「……噂は聞きましたよ、腹を括りましょう」
「ゴメンナサイそれ誤解なんです!」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part753【TSトレ】
≫8二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 06:59:54
ウラトレ「……皆さん集まりましたね」
グラトレ(独)「………………」
タキトレ(養)「………………」
ヘリトレ「…………何故儂まで……」
此処は養タキトレの勤めるトレセン学園の保健室。
そこに白衣を纏った女医の様な出で立ちのウラトレと、ウラトレの招集を受けた和菓子好き仲間の二人と大先生。
すなわちグラトレ(独)、タキトレ(養)そしてヘリトレの3人のトレーナーが集められていた。
……しかし三人共に何故か困惑と不服が混ざった顔をしている。
別にウラトレに招集された事自体は問題無いのだが……
ウラトレ「和菓子仲間の皆さん、お集まり頂き恐縮です」
グラトレ「いや……あの、ウラトレさん?」
ウラトレ「今回皆さんに集まって頂いたのはタキトレさんのお手伝いの為です」
タキトレ「はい、確かにお手伝いは頼みましたが……」
ウラトレ「それに、この度はヘリトレ先生にもお越し頂き手を貸して頂けるようになりました」
ヘリトレ「ホッホッホ、よいよい、おぬしの頼みじゃからのう……この服以外は」
ウラトレ「それでは皆さん協力して、タキトレさんのお手伝いを致しましょう」
三人の困惑を他所に話を進めていくウラトレ。
……しかし遂に
ヘリトレ「……して、ウラトレ殿や?」
ウラトレ「はい、何でしょうか先生」
ヘリトレ「何で儂らは看護服を着ているのかのぉ!?」
困惑と不服の原因である、何故かウラトレに着せられたナース服についてヘリトレからツッコミが入ったのだった。
9二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 07:00:09
ウラトレ「ふむ、ナース服の理由ですか? ……グラトレさん、今日は何の日ですか?」
グラトレ「え? えっと……何の日でしょうか~」
ウラトレ「こら、勉強不足ですよ。……ではタキトレさんは分かりますか?」
タキトレ「はい……今日、5月12日はナイチンゲールの誕生日を記念して看護の日と制定されています」
ウラトレ「正解です。……それでタキトレさんは今日の看護の日に合わせて、私にお手伝いを要請していたんですね」
タキトレ「はいそうです、どうしても一人では難しくて……」
ヘリトレ「ふむ、それで何を手伝えば良いのかのぉ?」
タキトレ「実は、不健康トレーナー達を捕まえるのを手伝って貰いたいんです」
グラトレ「なるほど〜私生活が悪いトレーナーはそれなりに居ますからね~」
ウラトレ「そういう事ですので、私と先生で不健康トレーナー達を追い込む作戦を立案します」
ヘリトレ「ホッホッホ、中々に面白そうじゃのう」
ウラトレ「タキトレさんとグラトレさんは実働部隊をお願いしますね?」
タキトレ・グラトレ「分かりました(〜)」
今回集まった理由をタキトレに説明して貰い、作戦立案と実働の大まかな役割分担も決めた4人。
今日は看護の日という事で、不健康トレーナー達を捕まえて看護するべく行動に移し始めるのでした。
うまぴょいうまぴょい
10二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 07:00:36
グラトレ「…………いや、はぐらかされませんよ?」
ウラトレ「あら、残念ですね」
グラトレ「それで、ナース服の理由は?」
ウラトレ「物事は先ず格好からと言いますでしょう?」
タキトレ「それなら私は白衣のままでも良かったと思いますが……」
ウラトレ「たまにはナース服というのも良いでしょう?」
ヘリトレ「自分はちゃっかり白衣なのにのぅ……」
ウラトレ「あら、先生もナース服お似合いですよ?」
ヘリトレ「……鏡は見たくないのぉ」
不健康トレーナー達を捕まえる前に着替え(させられ)た
白衣の女医ウラトレとナース服なタキトレ(養)、グラトレ(独)、ヘリトレの3人
この4人を見た一部の人の性癖が壊れたとか何とか。
うまぴょいうまぴょい
≫20◎メタネタに両足突っ込んだ話22/05/12(木) 08:20:17
「いやー春のファン感謝祭お疲れ様でしたー。ネイチャさん的にもヘソ出しうなじ出しで頑張りすぎちゃったかなーって。あは、あははははは……」
「……みんな凄いなぁ」
「おや? トレーナーさんてば、久しぶりに隣の芝生を羨んでいる様子で」
「……ごめんね、ちょっと愚痴になっちゃうかも」
「お疲れトレーナーさんの世話するのも慣れたもんですよ。愚痴でもなんでもお気軽にどーぞ」
「ありがと。じゃあ、話すね」
「天井……限界まで走って、チア服のネイチャを3回見かけたの。あ、天井分も含めて4回か」
「思ってた以上にギリギリな話だった! でも今だけヨシとしますね」
「それでネイチャの才能を花開かせることができたけど、限界まで引き上げられなかったなぁって……だって500÷90で6回は見かけなきゃいけない計算でしょ?」
「うんう……ん? うん??」
「すり抜け期待とか無理だろうし、5つ星ネイチャにしてあげられないのが思いがけず悔しくなっちゃって……」
「……えと……あの、トレーナーさん。女神像ってありますよね?」
「うん。トレセンの入り口真ん前にある……」
「いや、トレーナーさんが1000個以上持ってるちっこい方です」
「……あ。チア服のネイチャが走ってくるたび20個持ってきてくれたやつ?」
「それをこう、……こんな感じでアタシの想い?を結晶化?したようなピース的な何かに……」
「……え!!?? 何これ知らない!!」
「トレーナーさん!?」
「そんな、ウソ!? いつからこんな事できるようになったの!!?」
「最初っからですよアンタって人はぁ!!」コノママポンポンノボッテキマショ
「……え!? じゃあ普段の、あの、クリスマスカラーかわいい勝負服のネイチャも!!?」
「『ポインセチア・リボン』って名前出てこなかったなコイツッ!」フフッミガケバヒカルッテネ
「うわあぁぁぁ!! ネイチャがキラキラしてるーーーっっ!! 好きぃーっ!!!♡」
「この……このぉ〜〜〜〜〜っっ!!!」絶好調↑
(終)
≫29二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 08:38:17
「なあファイトレ(女)、その腕ってビームが撃てるのか?」
「…は?」
テイトレからの質問に一瞬呆気にとられるファイトレ(女)。その後ろではDK4の他三人が見守るような形で立っている。
「待て、いきなりどうしたんだ。確かにこの腕は色々出来るようにはしているが…」
「ならそういうのもあるよな?!」
「前もいったがビックリドッキリメカじみたこの腕でも流石にビームやレーザーは…いやあるな。ちょっと待ってろ」
「は???」
「本当にあるのか…」
流石?アイルランドが作った次世代の義手である。これにはフクトレとマクトレは引き、ブラトレとテイトレは目を輝かせた。
…少しして戻ってきたファイトレ(女)。一見その腕はいつものと変わらないように見えるが、彼女は袖を捲くって起動する。
「ふっ」
「お、おお!」
手の部分が手首の一点を軸に倒れて、中にある透明な砲口が見える。腕の一部が展開して放熱部となれば完了。
さながらメトロ○ドのアー○キャノンみたいなそれに、DK4の面々はそれぞれ興味深い反応を示していた。
「まあ、当たり前だが出力はないから、これだとただのレーザーポインター兼ライトでしかないがな。」
SFの光剣や光線銃よろしく人に向けても焼き切れる訳ないのだ。あくまでカメラ等を見えなくするレーザーである。
ファイトレ曰く半分以上は浪漫で出来た代物だそうだが、DK4…男子高校生みたいな四人にとっては
「「かっこいい…!」」
「まさかあるとは…」
「流石に驚きですわ…」
「ふふ、あくまで浪漫で出来たものだからな。実用品としてではなくそういうものとしてなら悪くないものだ。」
…このあと四人に質問攻めされたりしたが、ファイトレ(女)はきっちり全部返答した。特にテイトレは凄く楽しそうだったらしい。
短文失礼しました
ビームということらしいので、サイコガンとか諸々撃てそうなファイトレに代わりにレーザーを用意してもらいました。
まあ要するにレーザーポインター束ねた代物なんですけど、中々浪漫溢れるものですよね。良い子は人の目に向けないように!
≫51二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 18:24:49
『OPートレセン学園:オールラウンド8000M』
「待てー」ワー
「嫌だー」キャー
現在トレセン学園では不健康撲滅キャンペーンが行われており、取り締まる健康組と絶対に捕まりたくない不健康組トレとでの追いかけっこの真っ最中であった。
「ふふん♪ふふん♫走り出しー♪~~~☆」
その光景を鼻歌うたいながら窓枠に引っかかった状態で眺めるウマ娘がいた。彼女の名はマベトレ、ウマ娘になってしまったトレーナーのうちの一人である。
今は空き時間の暇な時であったためこうして追いかけっこをする不健康組と健康組を観察していたのであった。
職業病のためか走り方を見ながらあそこは改善した方がいい、あのフォームはいいなどのつぶやきも合間合間に挟んでいた。
その観察をしているとマベトレはこちらへやってくるかすかな足音を捉える。そして自然とウマ耳をピクリと反応させそちらを向けた。
聴覚で問題ないと反応し振り向くとそこには一人の"人間"の女性トレーナーがいた。彼女の名はウラトレウマ娘化していない人間のトレーナーであり、ハルウララを導いた名トレーナーである。
その指導っぷりから魔女や先生などと崇められている。そして今は不健康撲滅キャンペーンの作戦立案をしていていたはずであった。
52二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 18:25:02
「マベトレさん」
「なーに?ウラトレおねえちゃんー☆」
ウラトレに呼びかけられるとマベトレは窓枠から飛び降りウラトレの胸元まで駆け寄る。
「不摂生をしているとの報告がありましたので確認を取りに来ました」
「不摂生ー?どこがー?このとーり私はマーベラスだよー☆」
「"今"のあなたならそう言うと思ってました。ええですからこれより質問を致します」
そう言うとウラトレはクリップボードとボールペンを取り出す。
「まずは睡眠時間が遅いとの報告がありましたが、就寝時間は?」
「うーんだいたい夜2時~3時かなー夜型なんだよねー☆」
「その夜型ですが、起床時間が遅く朝食を抜いているとのことですが」
「うんー☆ 朝の時間が取れなくてー、でもねーその分ちゃんとお昼に食べてるよーそれはもうマーベラスに☆」
「その昼食ですが、人参料理が多めなのはいいとして、俗にいう食後のおやつがこんなに大量なのは?もはや昼食以上にみえますが?」
「人参って甘くてマーベラスなんだよー☆ そして食後のスイーツはねー☆ほんっとうにマーベラス☆ としか言いようがないのーそれにいくらでも入っちゃうー☆★」
マベトレはほっぺに萌え袖を当てて、昼食に食べたスイーツの味を思い出しながらくるくると小躍りをする。
53二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 18:25:19
「報告にあったものは大兼事実と、夜更かしに欠食と偏食、3アウトというところですね」
メモを終えたウラトレのオーバルフレームの眼鏡がギラリと光を反射させる。
それを見て回るのをやめたマベトレはクスクスと手元を口に当てる。
「それでー★ ウラトレおねえちゃんは私を捕まえに来たのー☆」
「マーベラスサンデー担当そうなりますね。」
「でも今回は逃げ切ればいいんでしょー☆おねえちゃんのよわよわスタミナじゃあタキトレ、グラトレおにいちゃんたちを呼んで束になっても勝てないかもねー★クスクス」
「それは考えてあります。それでは後は頼みましたよサトトレさんにキタトレさん」
ウラトレがそう言うと物陰で待機していたであろうサトトレとキタトレが現れた。
両者とも抜群なステイヤーであり普段の練習からも長距離走に特化しそれに耐えられるスタミナをも持ち合わせている
「僕はひたすら追いかけてマベトレを疲れさせればいいんだね。キタトレ」
「ええ、サトトレはそれでいいわ。消耗した後で追い詰めるのは私の役割2対1は少しフェアではないかもだけれども」
「……へ?」
「「マベトレ準備はいい?(かしら?)」」
「ざこたち★やってやろうじゃないー☆そのマーベラスな勝負ー☆★」
仮想のゲートが開かれ公式レースでは類を見ない超長距離レースが始まったのであった。
――かくしてマベトレはキタサトトレコンビの4000M×2に敗北した。
≫85二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 20:54:49
健康組と不健康組の争いの最中、ウラトレ先生に詰められていたのは魔ルド。
「……さて。シンボリルドルフ担当トレーナー。何故貴方が呼ばれているのかわかりますか?」
「……えーと、睡眠時間?」
「もう片方より話は聞いていますが、睡眠時間については問題ないでしょう。むしろ、基本的な生活については彼の方が問題ですから」
「……で、なんでしょうか……」
怯えた声で魔ルドは問う。
それに、ウラトレは優しい声色のまま返す。
「話を聞く限り、新人歓迎会や同期会、友人相手に少なくない量の酒類を飲んでいるとか」
「……えっと、それは。アルコールハラスメントやパワーハラスメントの類いは一切していませんけど」
「そこは信頼していますから。しかし、『信頼できる情報筋のリーク』によると泥酔状態で帰ってきたことが数度、二日酔いも数度発生しているようですが?しかも、今月一日から今日までの間で、です」
「この時期だからと羽目を外しすぎました……」
「……であれば、反省の証として暫くの間禁酒を言い渡します」
「……はい……」
そうして、耳も尻尾も露骨に凹んだ魔ルドはすごすごと去っていく。
そして、魔ルドが去ったあと現れたのはヘリトレ翁であった。
「なんじゃ、えらく凹んでおったが一体何をあやつに宣告したのかの?」
「ええ、少し新人や、同僚達を守るために禁酒を」
「ああ、そうか。確かにあやつは飲みすぎるからのう」
「ええ。それだけならいいのですが……」
「あやつの性格ではな……」
そうっと、空を見上げる二人。
その脳裏には、酔ってそのワガママボディを押し付けてくる無自覚天然傾国魔性の姿だけがよぎっていた。
≫89二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 21:10:37
「トレーナーさんって何時に寝てるんですか?」
「普段は3時くらいに寝てますね」
「え?」
「私はどうやらショートスリーパーらしいんです。3時に寝て5時か6時には起きますよ」
「大丈夫ですよ?早寝しても3時間ほどで目が覚めてしまって、その後どうしても眠れないんです」
「それは大丈夫なんですか?」
「チェムさんはきちんと寝てらっしゃいますし、夜食もしていません。至って健康体です」
「なら安心安心。にしてもこのハリと柔らかさ…あ、揉む?」
「え…遠慮しておきます」
「ベガトレさん。いつからここに?」
「私はシェルデンガーだからね。どこにでもいてどこにでもいないんだよ」
「シェルデンガーですか…シュレディンガーは聞いたことありますが」
「そうそれディンガー。まあそれだよ」
(話が…どんどんズレてます…!)
ナリタトップロード担当トレーナーのヒミツ①
実は、ショートスリーパー
≫117風邪引きテイトレ(1/3)22/05/13(金) 02:49:16
「ケホ、ケホ……っ、ゲホッ…………うぅ」
やってしまった。トレーナー失格だ。皆に申し訳ない。
熱でぼんやりとした頭の中は、陳腐な弱音で埋め尽くされている。
静けさの満ちる自室で、俺──テイトレはひとり、そんなことを考えていた。
よく一緒にいて、以前調子を崩してしまった時に様子を見に来てくれた3人も、今日は来てくれない。
フクトレはレースの為に遠征、マクトレはメジロの方で集まりがあるそうだ。
ブラトレはといえば、『三冠バとそのトレーナーの座談会』というトレーナーズTVの企画に出演している。
……テイオーと一緒にその場にいた筈の俺は、情けないことに風邪でダウンしてしまった。
テイオーへ体調を崩してしまった旨、そして「一人で出演してほしい」と連絡はしたし、了解のメッセージも帰ってきている。
テイオーは一人でも大丈夫。彼女なら、俺がいなくてもバッチリ企画をこなしてくれる。
そう、自分がいなくても、テイオーは──
「……グスッ、ぅう……ヒッ、ク……」
頭の中を、幾つもの言葉がぐるぐると回っている。
トレーナー失格だ──当然だ。不摂生で俺だけでなく、周りにも──何よりテイオーにも迷惑をかけてしまった。
誰も来てくれない──これも当然。トレーナー失格の俺なんて、誰も心配してくれない。様子を見に来てくれるなんてもっての外。
自分がいなくても──これも、当然のこと。テイオーは、俺なんかいなくても、立派に立って、走って、それで──
「う、うー……グスッ、ヒ、ッグ……やだぁ……イヤだよぉ……さびしい、グスッ……誰かぁ……テイオー……っ」
「──ボクを、呼んだ? トレーナー」
118風邪引きテイトレ(2/3)22/05/13(金) 02:49:51
「……ぅえ? テイ、オー……?」
「うむ、キミの愛バのテイオーサマだぞよー!」
布団の中、膝を抱えて座っていた俺が顔を上げると、そこにはテイオーがいた。
……ブラトレたちと一緒に、企画に出演しているはずの、テイオーが。
「……どうして? ブラトレたちと、一緒に……」
「……そのブラトレさんが、「アイツのところに行ってやれ」ってさ!」
そう悪戯っぽく笑いながらテイオーが言うのと同時、手元のウマホに通知が来る。
内容はメッセージの受信、相手はブラトレ。『上手くやっとくから、こっちは任せとけ。礼ははちみーと併走で頼む』
その言葉と一緒に、写真が送られてきた。出演者とスタッフさんたちが、皆でサムズアップしている、そんな写真だ。
「……ぁ、う……ううぅーっ……」
さっきまで心を埋め尽くしていたモヤモヤが晴れていく。皆が、俺を心配してくれている。
……涙が、ボロボロと零れて止められない。
「えっ、どうしたのトレーナー!? どこか苦しいの!?」
自分まで辛そうな表情で、テイオーが俺の顔を覗き込んでくる。違うんだ、どこも苦しくなんかない。
ただ、周りの人たちへの……誰よりテイオーへの信頼を疑ってしまった自分が、どうしようもなく情けなくなっただけで。
「ひっ、ぐ……らい、じょうぶ……」
「……それならいいけどさ。皆に見送られて来ちゃったんだし、今日はボクがトレーナーのお世話をしてあげるからね!」
「ぇ、でも、流石に……そこまで、してもらうのは……」
「いいからいいから! ムリを言って来たんだし、ボクがしたいことだから!」
言うが早いか、テイオーは俺のパジャマを剥ぎ取って、汗を拭き始める。
出掛かった静止の声が喉を過ぎることはなかったのは、背中から伝わるタオルの柔らかな感触のせいだろう。
119風邪引きテイトレ(3/3)22/05/13(金) 02:50:11
背中を拭いてもらいながら、ポツポツと話をする。
なんてことない会話が続くうち……ふと、トレーナーと担当ウマ娘との関係性の話題になる。
「例えばエアグルーヴは、自分のトレーナーを杖だー、って言ってるよね」
「……そうだね」
「ふつう、杖は人を支えるもの……だけど」
テイオーが、言葉を切った。振り向こうとした俺を制止し、テイオーが俺の正面に回る。
そして、優しい目で微笑みながら、こう続けた。
「杖が人に支えられちゃいけないなんて、誰が決めたのさ」
「……!」
杖は主を支える道具だ。では、その杖は誰が支えるのか。
壁かもしれないし、別の杖かもしれない。あるいは、杖の主自身かもしれない。
「そ・れ・にぃ……杖はおしゃれアイテムでもあるんだよ!」
「……そっか、それなら……曲がってる場合じゃないか」
「ワガハイは、別に曲がっててもイイぞよ。それが、トレーナーなら」
「……テイオー」
そっと、テイオーが俺の手を取る。柔らかくて、温かくて、安心できて、ドキドキした。
「……どれだけ曲がっても、折れそうになっても。きっと、ボクとトレーナーとで、支えあっていける」
「……」
「これからも、よろしくね。帝王の杖、ボクのトレーナーさん」
「……うん。ありがとう、テイオー」
(了)
≫130二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 07:48:38
「ん、んん…」
(ふむ…流石に体が痛いわね。頭痛はなし、思考も回るけどちょっと腕を動かすのが怠くなってきたかしら。)
…レースの集中するこの時期、当然仕事量はいつもより大分増えてその分負担がかかる。ましてチームトレーナーなら尚更。
そして多忙なチームトレーナーの一人であるキタトレは、節々が痛む体を動かし業務をこなしていた。
「…あ、トレーナーさん!」
「あらキタ、どうしたかしら。」
部屋に入ってきたキタサン、彼女をいつもどおり迎えるといきなりじっと目を覗きこまれた。
「…休んでませんね?」
「ふぅ…そうね。でも私がやらなければいけないことだから、あんまり休んでられるほど余裕もないのよ。」
「…」
「まあそろそろ一段落はつくのだけど…っと、コーヒーでも淹れようかしら。」
机を軽く掴んで立ち上がると、コーヒーを淹れに歩き出すキタトレの後ろに立ったキタサンは少し考えた後
「!」
「ちょっと強引だけど、休んでもらいますよトレーナーさん!」
「そ、そうですよトレーナー!」
振り向いたキタトレの視界に映るキタサンとチームプロキオンの面々、どうやらいつの間に入ってきたらしい。
…当然数人がかりで抑えられたら何も出来ず、あっさりとここ数日使ってないベッドに転がされるキタトレ。それを見下ろす形で
「よし、じゃあトレーナーさんは何もしなくて大丈夫ですから!だから横になっててくださいね!」
「…タオル持ってきたよキタサン」
「ありがとうスチルちゃん!…まずはマッサージからしますね、多分トレーナーさんは体が痛いと思うので!」
「私が体は抑えておきます」
(きっちり連携できてるわね。チーム仲が良いのは嬉しい話よ…まあ、一段落は一応してるしいいかしら。)
「まずは腕から揉んできますね。最近チヨトレさんからも教わったので、それもやってきます!」
「分かったわ……ん…」
筋肉を揉み解される感覚が痛みを和らげてくれる。仰向けの彼の腕を揉むついでに他の娘が温かいタオルで顔を覆う。
じんわりとした感触が眼精疲労を取り除き、更にその上から指で押されることでより気持ちよくしていく。
「次は腰周りを…あっ、寝るなら寝ちゃってもいいんですよトレーナーさん。」
「…」
さしものキタトレと言えど、ここまでやられて意識を保っていられる訳はなく、ゆっくりと意識が薄れていった。
131二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 07:49:16
「…お、キタトレは寝たみたいだね。」
「ジャッジさん、どこに行ってたんですか。」「いや少し用があって…それはともかく、経験則だと太ももとかお尻の部分が結構固まってると思うから、やってあげようか。」
「ひっくり返したらいいんですか…?」
ちらりと胸を見たあと、横を向けさせることにしたサトトレ。そこからグリグリと力を加えると気持ちいいのか耳が反応していた。
「このまま全部やっちゃいましょう!」
「うん、そうしよう。多分数時間で起きてくるだろうけど、一通りするには十分時間はあるしね。」
…全部やった後、持ってきた毛布をかける時のキタトレは随分耳と尻尾が嬉しそうなのか揺れていたとか。
短文失礼しました
看病…と思ったけど過労で体調崩してダウンする姿が思いつかねえので、休憩させる方向で書いてみました。
多分起きてからも担当ウマ娘に肩揉まれたり飲み物用意されてそう。二桁人いればローテーションできるな!ヨシッ!
≫148二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 14:18:56
「あ~、これは良いですね~……」
「あらあら、随分と気を抜かれていますね~」
「おや~、グラスですか~……」
「はいそうですよ、それでそのクッションはどうされたんですか?」
「これは~、トレーナー達の癒しになればと~、理事長が自費で購入されたらしいですよ~」
「それでたづなさんが理事長を探していたんですね……」
「あらあら~、大変な事になっているのですね~……」
「大変なのは理事長とたづなさんだけですけどね」
「まあ、何はともあれ折角貰った訳ですから~、存分に活用致しましょう~……」
「あ~……」 グデ~、グデ~、グラ~
「……本当に心地が良いみたいですね」
「ええ、ええ、この丁度良い感じは癖になりますね~……私は此処に住みます~……」
「ああ、トレーナーさんがダメに……」
「この座り心地は本当に人をダメにしますね~……」
「……そういえばですが……そのクッションは、うつ伏せでも気持ち良いんでしょうか?」
「……もしや、グラスは天才ですか? 良い案です試してみましょう~……」
「あ~、うつ伏せも良いですね~……」
「そ、そうですか~」(……そうですよね、頭を下げたうつ伏せならお尻が強調されますよね)
「……ですが、もっと良い位置が有りそうですね~」
「え、えっと、落ちない様に気を付けてくださいね?」(ああ、身体を動かそうとする度にトレーナーさんのお尻が左右に……)
「あ~、これは本当に人をダメにするクッションですね~」
「……はい、本当に人をダメにするクッションですね」()
その頃学園では
魔性のクッションに座った魔性のルドトレに、「一緒に座ろう?」と手招きされる黒ルドトレや
タイトレが仰向けにクッションを堪能しているせいで出来た雄大な双丘にタイシンの性癖が破壊されたりしていたそうな。
うまぴょいうまぴょい
≫167【プレゼント\パス】上22/05/13(金) 19:10:11
「ん」
「……何よ、これ」
黒いダイワスカーレットのトレーナー、通称黒ダストレが自身の担当であるダイワスカーレットの近くにおもむろに箱を置いた
「何って、プレゼントだよ。たんじょーびプレゼント」
「覚えてたの?てっきり忘れているかめんどくさがって用意してないと思ってたのに」
そう言うダイワスカーレットの表情はかなり意外気で、本当に用意されてるとは思ってもいなかったのがすぐに分かる
「私自身もあんま用意する気は無かったんだよ」
「じゃあ何で?」
「一応はトレーナーと担当だろ?聞かれるだろうよ、渡したかどうか渡されたらどうか。その時に否って答えてみろ面倒だ」
「なるほどね、そしてそこで肯定したら追求されてボロが出るかもしれないだから渡しておこう。そう言うことね?」
「大正解、流石は優等生のスカーレットちゃんだ」
「バカにしてる?」
「いいや?」
そういった会話が続き、ダイワスカーレットが箱を持ちながら聞いた
「で、私は貰ったこれをここで開けて良いの?それとも寮に戻ってからの方が?」
「今開けても良いよ、どうせ大したものじゃない」
その返答を聞いてプレゼントの梱包を解き中を見る
168【プレゼント\パス】下22/05/13(金) 19:11:07
「これって……」
「筆記用具ならびにメモ帳と、私が見て分析した他トレーナー及びウマ娘のデータをスカーレット様に調整し、良いとこ取り出来るようにした練習メニューって所だな」
中に入っていたのは大量のデータと筆記用具、それを見たダイワスカーレットは少し呆れている
「相変わらずやれば出来るのにやらない、やってもそれは変なことになんだから」
「何だよ、文句でもあんのか?」
「あったらもっと言ってるから」
その言葉を終わりにいったんは会話が途切れる。するとおもむろに帰ろうとする黒ダストレ
「何、帰るの?」
「おう、やることはないしな」
「そう」
「あ、そうだ」
そう言うとトレーナー室から出る直前に振り返り
「もっと甘々な誕生日にふさわしいプレゼントは、お前の普通なトレーナーに貰いな、私みたいなサブじゃなくって♪」
そう言うと、楽しそうで意地悪気な笑みを浮かべた黒ダストレは逃げるように帰っていった
「ちょっ…、待ちなさい!はぁ……あいつは相変わらず、バカなんだから……」
そう言うダイワスカーレットの表情は、どこか楽しげであった
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part754【TSトレ】
≫20二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 21:39:09
「うわあああああん!!!!GW終わったなんてイヤだああああ!!!」
「哀れモブトレ…それはもう遥か彼方よ…」
「もういいもん!他のやつにおっぱいもませて貰ってくるもん!」
「んなっ…俺も連れて…じゃなくてモブトレルルォ!やめルルォ!」
「逃げるんだよ〜スモ〜キ〜!」
おお哀れよモブトレ。その積み重なったゲームや漫画を消化する暇もなく、瞬く間にゴールドシップウィークは週末を迎えた。
そのショックに加え先日彼女と別れた彼は現在地獄のどん底も同然の心なのだ。
加えて不幸中の災い。冷静な判断力もどこかへthrow away.賢さGを見事に体現していた。
「あっトプトレ!トプトレー!!」
「どうされましたか?そんなにしんどそうな顔をして」
「積もる話があるんだ…ちょっと部屋でいいか?」
「ええ、積もるとなると塵ですかね?」
「その…胸を揉ませてくれ」
「胸…ですか?」
部屋に入ってすぐ、彼はまず頭を地に擦り付けた。もはや削り取りそうな勢いである。
彼はもはや風前の灯。これが断られたならばたちまち真っ白に燃え尽きるだろう。気合い気合いでオーライとはいかないのが人生なのだ。
「いいですが…なぜ?」
「なぜってそりゃ胸は…っていいのか!?」
「ベガトレさんも疲れたと言って胸やお尻をもんできますし、この前は胸枕?をさせてくれさもなくばここで爆発五散ッッッ!!って言ってましたし」
「オゥ…じゃ…失礼しまっス」
21二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 21:39:50
おずおすとトプトレの後ろに回り、その胸に指を沈め込む。
まるでそれは抵抗がないかのように沈んでいくが、もちもちふわふわの正に天国だ。アドマイヤベガが見ればたちまちベガトレともふりに来るだろう。
しかし張りもばっちりで、自身の存在を潰されるまいが如く反発している。
「ウオ…ウオ…エッッッ………エッッ????」
その瞬間、彼の末端神経に至るまでの全感覚、五感は宇宙へ放り出された。そこで暗黒エネルギーの膨張からビッグバン、これまでの宇宙の成り立ちから終末、アカシックレコードにモーゼの十戒にいたるまでのあらゆる全てを理解して、そのおっぱいに全てを吸い込まれた。
「トレーナーさん、昼からの練習についてなんです…が…」
「ああ、トップさん。今日は坂路でのトレーニングですよ?」
彼はその言葉を皮切りに、彼女を見た。そして身体中のあらゆる構成要素が警鐘をマッハで鳴らした。
目だ。どこかで見たあの目がこちらを凝視していた。四白眼の、奥から覗く狂気にも似た怒り。
学会ではディクタスアイと呼ばれるそれ──モブトレは知らない──は、確実に彼を射殺さんばかりの殺気を当てていた。
「お、俺はこれで失礼するぜ…」
「元気になられたなら何よりです。怪我には気をつけてくださいね」
そそくさと尻尾を巻いて逃げる(もちろん尻尾は無い)彼を呑気に手を振って見送るトプトレ。
横目でその視線を送るトプロは、彼が部屋から逃げ出すとトプトレの方へ向かった。
「トレーナーさん!大丈夫でしたか!?」
「トップさん。そんなに怖い顔をしてはせっかくのべっぴんさんが台無しですよ。あなたは笑顔が1番です」
「っ…!じゃなくて!」
「ええ。彼はどうやら疲れていたようですから」
「ええ…?」
「揉みますか?」
「と、トレーナーさんが宜しいのであれば…」
そうしてトップロードも胸を存分に揉み、絶好調、全ステータス80アップをしたのだった。
≫29二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 22:18:51
「ね〜ね〜、黒ルドトレちゃんももっと飲も〜」
「いや、私はもういいかな」
「むー、せっかく美味しく作れてるのに〜」
「まったく、飲み過ぎだよ魔ルドトレさん」
魔ルドトレさんに良いお酒が手に入ったから一緒に飲もうと誘われたのは良いけど、この人滅茶苦茶飲むなぁ
「む〜………あっ、良い事思い付いた」
「嫌な予感しか……ブッ!?」
何か思い付いたと言う魔ルドトレさんに嫌な予感を感じつつも顔を向けると
何故か魔ルドトレさんはその豊満な胸を片腕を使って器用に寄せていた
「いや! 何やってるの!?」
「ふふ〜ん、黒ルドちゃんがお酒を呑めるように、今からカクテルを作りま〜す」
「行動とまったく繋がらない……」
胸を寄せるのとカクテル作りに何の繋がりが……
そんな困惑は魔ルドトレの次の行動で直ぐに吹き飛ばされた
「先ずはジンから〜」
そう言いながら片手で取ったジンのボトル
それを何を思ったか、寄せた事で出来た胸の谷間に注ぎ入れるではないか
「それから~、レモンジュースにホワイトキュラソ〜」
それからも、あまりの事にフリーズした私を置いてジンが溜まった胸の谷間にジュースやお酒を注ぎ込んでいく魔ルドトレさん
「後は混ぜて〜」
注ぎ終わったら胸の谷間に溜まったお酒達を指でかき混ぜ
「どうかな? ……うん、美味しい♪」
最後はお酒をかき混ぜた指を舐めて味見をして、自作のカクテルの出来にご満悦のようだ
30二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 22:19:05
「さっ、黒ルドちゃんどうぞ♪」
「…………はっ! えっ? いや……ええっ!?」
あまりの事に呆気に取られていた私
そんな私の意識を呼び戻した魔ルドトレさんの言葉に一瞬理解が追い付かなかったのは仕方無いと思う
魔ルドトレさんが片腕で寄せて作った胸の谷間をグラスとした「ホワイト・レディ」と呼ばれる白いカクテル
「どうぞ」と言った魔ルドトレさんの手には何も無く、私に差し出しているであろう物は当然コレな訳で……
「いや、ちょっと!?」
「早くしないと温くなっちゃうよ?」
そう言いながらジリジリと近付いてくる魔ルドトレさん
「た、助けてぇ!!」
そう、叫ぶしか私は出来なかったのでした
その後
やっぱり無理が有ったのか、カクテルを溢してしまった魔ルドトレさん
何とか切り抜けれたと安堵しつつ、しっかりと説教をしといたよ
≫55二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:07:07
特別なトレーナーになりたかった。
できれば、一番すてきなトレーナーに。
そうすれば、君の隣で胸を張れるだろうから。
「……よし、準備OK」
きゅっきゅ、とカワイイんだか物々しいんだかわからない音を聞きながら、俺は借りた外車に乗る。
車――メルセデス・ベンツはイクトレさんが「もう乗れないから」って貸してくれたもので、今日の為にわざわざ深い蒼に塗装してもらっていた。「メンテはやってるけど、久しぶりに派手に弄れて楽しかった」なんて書いてたけど、イクトレさんが応援してくれてる気持ちも伝わって、ありがたいやら恐縮やらだ。
スーツもオペトレさんが手配してくれたもので、ブランドはカルバン・クラインって言ったかな……値段もけっこうしたのを覚えている。灰色のスーツは着慣れていないというか、着られている気もするけど。
「よっし、いけるいける」
慣れない左ハンドルだけど、練習したからスムーズに動かせる。
揺れだって心配ない。いつも酒で潰れた大人達を運んでるから、それに比べれば気が楽だ。
備え付けのカーナビから、好みの洋楽を流しておく。
流れてるのはウェスリー・ブルース。誰から勧められたやつだっけ? マルトレさんだったか、それともマヤトレかな……。
「……ははっ、人から借りたり贈られたもんばっかだ」
スカーレットが聞いたらどういう顔をするだろう。呆れた目で小突いてくるか、それともおかしそうに笑うのか。
それとも、俺らしいと認めてくれるのかな。
今日は5月13日。スカーレットの誕生日。
この日、俺ことダイワスカーレット担当トレーナーは、スカーレットと特別な一日を過ごす。
56二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:07:38
「スカーレット!」
「……アンタ、どうしたのそれ?」
「借り物!」
木漏れ日が降り注ぐ中、バッチリガーリーコーデで決まったスカーレットが、俺とベンツを驚いたように見つめていた。
それもそうか。普段はジャージかTシャツ姿の俺ことダイワスカーレット担当トレーナーが、今日に限って洋モノのスーツと車に乗って担当ウマ娘の前に立ってるんだから。
「借り物って……アンタねえ」
「えへ……今日は背伸びしようかと思ってさ」
青い耳飾りだって、ちゃんと選んだんだからね。そう言ってアピールしてみれば、スカーレットは「あっそ」と簡潔に返して、俺の耳を触って遊んでいた。つれないなあ。
「乗ってくれる?」
「……いいわよ。乗せてあげても」
「やったっ、それじゃどーぞ」
「はいはい……ふふっ」
どこで入れ知恵されてきたのかしら、なんて意地悪なことを言って、スカーレットは助手席に乗った。
これがDK4の連中と飲みながら決めた決めゼリフだなんて、死んでも言えねえ……けど、効果はたしかにあったみたい。ありがとうテイトレ。メスの顔して言われる側に立った君の意見が一番効いた。ブラトレが真っ赤になってブッ倒れたから確信してたんだ。
「それで、今日はどこに連れてってくれるの?」
「どこだと思う?」
「この間は映画館で映画観るだけだったから、それ以外ね?」
「はい……今日はそこじゃないです……」
前のデートを軽く叱られながら、俺はゆっくりとアクセルを踏む。
カーナビが教えてくれる道の行き先は日の出埠頭。今日みたいな日のランチなら、きっと此処がいいと思って決めたんだ。
「……海に行こうよ、スカーレット。今日は、よく晴れてるからさ」
57二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:08:06
「「……わぁー……!」」
思わず声が上がるくらいには青い空と広がる海が心地よい。
ベイクルーズレスラン“シンフォニー”は日の出埠頭から乗れる、120分の船旅と美味しい西洋料理を提供してくれる豪華客船だ。
ハートを描いた航路は「ハートライン」と呼ばれていて、大人になった少女達には憧れのように語られている。
日頃ウマ娘との交流が多いタキトレさんから女の子達の憧れなのだと教わった、とっておきのデートスポットだ。
「なによ、今日はずいぶんカッコつけるじゃない?」
「だって今日は、最高の思い出にしてほしいからさ……ハッピーバースディ、スカーレット」
俺はそう言って、日頃の感謝を込めたプレゼントを手渡す。
美味しいフランス料理に舌鼓を打ったスカーレットはご機嫌そうに耳を動かしながら包装を開け、まあと声を上げた。
「かわいいバッグ! え、どこのブランド?」
「それ、実は手作りなんだ」
「えっ!? アンタが作ったの!?」
もっと言えば俺だけじゃない。ウオトレさん達といっしょにハンドバッグ教室に通って作っていたのだ。
ウオッカちゃん担当のトレーナーみんなでワイワイやる中で、一番手の大きい筈のウオトレさんが一番器用に作っていたのは記憶に新しい。
俺? 俺は三番目くらい……でも、これが一番良く出来てると思って贈り物にしたんだ。
「……どうかな?」
「驚いちゃったわ……なるほどね。だからよく似合うんだ」
そう言ってどう?と聞いてくるスカーレットに、革のハンドバッグはよく似合っていた。
それを伝えると、彼女はでしょー?と笑って細かい部分を眺めている。まるで新しいおもちゃをもらった女の子みたいで、大人びたギャップに思わず笑ってしまった。
58二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:08:28
「きゃあーっ!」
「オワーッ!?」
ランチの後は思いきり遊ぼう、ということで俺達は船から降りてお台場、ドベトレくんが
思いっきり遊ぶのにおすすめと言っていた東京ジョイポリスへ。
デラックスVRウマレーターなる、以前トレセンに置いてあった機体の改良版があったので体験してみたが、これが凄まじい体験だった。
いや、いっしょに行ったというネイトレさんが「とにかくすごかった」なんて言うからまあ映像がすごいだけで大したことないだろとタカくくってんだけど、これはヤバい。本物のウマ娘と同じ速度で駆ける競馬場すっげえはやい! こわい!
「こんな軽く走るだけでこれだけいけるのね! よーっし次は春天全速力よーっ!」
「いやいや淀の坂はヤバい! 淀はどう考えてもぁああああああああ!」
本来一般人向けにチューニングされてるからか、まだまだ現役のスカーレットが本気で走ると、それはもうすごい勢いでレコードを叩き出してしまう。
恐らく似たはっちゃけ方をしたのだろうスピードスコアに「ワガハイ」とか「NN」とかあるもんだから、スカーレットも遠慮なしにはしゃいでいて、こちらは半ば引きずられるように全力疾走を強いられている。
しかもスカーレットが「ダイワスカーレット」って本名登録しちゃったもんだから、機体の前でギャラリーが集まってちょっとしたライブ状態だ。
「ほら何バテてんのよ! 立って立ってもう一回! 秋華賞やりましょ秋華!」
「ちょ、ちょっと待って、ウマソウル、キンチェム入れないとしんじゃう……」
「何言ってんのよ呑まれるでしょチョウチンアンコウのオスみたいに。しょうがないわねぇ……あ、そうだ!」
「ウワーッ!?」
「せっかくだもの。あの日みたいに走ってあげる!」
そのまま抱き上げられたまま、俺はマイルレコードの斤量ハンディキャップとなってしまった。
いつかのお祭り騒ぎみたいで面映ゆいが、やっぱり俺は走るより支える方がいいな……と思うのだった。
ちなみにお姫様抱っこで記録出したのは3人目なんだそうで。いやぁいったいどこのトレセン学園生徒なんでしょうねえ……。
59二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:08:48
「……あー、遊んだ遊んだ……!」
「いやぁ、びっくりするくらい遊んだなあ……」
色々げっそりしながらも、俺はベンツを走らせて次の目的地へ向かう。
赤坂のコンチネンタルホテルにあるレストランを紹介してくれたのはルドトレさんで、前にルドルフちゃんと行った際にオーナーと親しくなったとかどうとか。
お蔭で忙しいシーズンながらも予約を取れたので、ありがたく今度ノロケさせてもらおうと思う。
「なんか本当に、今日はどうしちゃったのよ?」
「……今日は特別な人間になろうと思ってさ」
「アンタ、ほんとバカね」
精一杯に強気を出してみれば、素気なくそう言われて俺はがくっと肩を落とす。
けっこうカッコつけてみたんだけどな……と思っていたら、助手席からスカーレットの手が伸びて、俺の髪を撫でてくれた。
「背伸びしてくれてるのは嬉しいわ。でもね、別人になろうとはしなくていいの」
「なんで?」
「アンタがいいのよ」
「……そっか」
そう言われたらかたなしだ。
でも、もう少しだけ、もう少しだけカッコつけさせてよ、スカーレット。
これからが本番なんだからさ。
60二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:09:21
レストランの名物は鉄板焼。そう言うとなんだかしょっぱく思えるかもしれないが、高い肉を焼くというのは金持ちにとっても高級な娯楽らしい。今日は普段の三倍お肉を食べてる筈だが、食べた気はあんまりしないな……。
一応、念のためとウラトレ先生に見てもらったテーブルマナーは、話ながらでもしっかりと発揮できているようだ。
何度もウララちゃんにしっぺされながらウラトレ先生に注意されたのは堪えたが、お蔭で度胸も鍛えられた気がする。
「なんだかんだもう数年、お互い頑張って走ったよね」
「……うん」
「俺は君にとって、出来る限り最高のトレーナーでいれるよう頑張ったと思う。
スカーレットも同じくね。でも、これからは変わってくる」
「……アタシはドリームトロフィーに、アンタは次の子を担当しに?」
何度もみんなの前で練習させられたけど、それでも努めて言葉を選んでる気がする。
それはその筈で、俺とスカーレットは何度も何度も誤魔化したり、大人と学生だからとナアナアにしてきたことに、今から踏み込むのだ。
スカーレットもそれを感じてか、少し緊張してる気がする。ほぐしてあげたいけど、こっちもいっぱいっぱいだ。
「実はまだ、どうするか決めてないんだ」
「まだって……どうするのよ」
「さあ。とにかく、今日大事なことを決めないと」
そう言って、俺はずっと隠していた小箱を手に取った。
何度も何度も確認して、しかし手垢は決してついてないそれを。
61二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:10:17
「スカーレット」
「……うん」
「俺はね。俺にとって、君が一番のウマ娘だと信じているし、疑うつもりもないよ。
けど、これはそういう話じゃない。君の一生に関わる話で……その、ええと」
最後の一歩が、中々出て来ない。
今まで肝心なことは言わなかったつけがこれだ。どうにも恥ずかしくって、怖くって、いつまでも続いてほしいような浅ましい気持ちが、喉元まで出かかって詰まっている。それは俺が、男とも、女とも、ウマ娘とも言い難いような、中途半端な身体のつくりだからだろうか。それとも男のままでもそうだったろうか。きっと後者だ。俺はどうにも――情けないやつだから。
「スカーレット。俺が一生、一番愛する人になってほしい」
「……っ!」
「なん、て……ダメかな?」
最後に誤魔化しが出てしまったのを内心で後悔しながら、小箱を開けて差し出す。中に収められたのはプラチナでできた、輝くリング。そう、婚約指輪。
これだけは俺だけで決めた。俺だけでお店に行って、俺の稼ぎだけで買った。だってこれだけは、誰かの手垢をつけたくなかったから。
「……バカね。ホントバカ」
「うん」
「手、震えてるじゃない。なにそれ、カッコつけちゃって……ほら」
そう言って差し出されたスカーレットの指だって、ふるふる震えてるのがまるわかりだ。
でも、そんなこと指摘するほど野暮じゃないよ、スカーレット。
俺は黙って箱から指輪を取り出して、彼女の左手、その薬指へ通していく。
「勘違いしないでよ。アンタはアタシが一生、一番愛してあげるんだから。
……負けないでよ。ね?」
「うん。……これだけは、君にも譲らない」
世界で一番、君を愛してるよ。
そう言って俺は、瞳を閉じたスカーレットに、優しく唇を重ねた。
従業員や客からの歓声なんて気にならなかった。今は俺と彼女が、一番幸せなんだから。
62二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:10:47
「それにしても、さ」
「うん」
「サムシング・フォーの贈り物って、結婚式にやるものじゃないの?」
「い"っ」
バレてたのか。帰り道でそう切り出された時は、思わずハンドルを切りそこねそうになった。
あっぶねえ……こんな外車のキズ修理代とか、今の金欠状態で出せる気しないぞ……。
「だ、誰からそれを」
「もしかしてと思って調べただけよ。古い外車に新品の婚約指輪。幸せの青い耳飾りって定番じゃない。
……借り物はどこ?」
「このハンカチ。マクトレから借りた」
実はロブトレさんとかヘリトレ大先生から教わって、こっそりやろうと思ってたのだ。
すてきなサムシング・フォー。なにかひとつ古いもの。なにかひとつ新しいもの。なにかひとつ借りたもの。なにかひとつ青いもの。
靴の中に6ペンス銀貨は仕込めなかったけど、靴底に5千円札は入れてある。おまじない気分だけど後で取り出す為にビニール袋入り。
「ふーん……じゃ、結婚式の時は別のものでお願いね」
「またマクトレに白いハンカチ買わせんの!?」
「わざわざ買ってもらってんじゃないわよ!」
「だってマクトレが買わなきゃダメって言うからー!」
ホントは頼んだ時、「ゲロ触れたかもしれないハンカチそんなことに出せませんわよ!? 買ってくるので待ってくださいまし!」って悲鳴を上げたんだが、そこは伏せておこう。
64二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:11:42
それでもその試みは気に入ってくれたようで、スカーレットは俺の耳飾りをそっと外して、自分の耳に飾る。やっぱり思った通り、よく似合っている。
「似合ってるよ、スカーレット」
「ふふん、当然じゃない」
得意げな様子で笑う彼女に笑いかけるのが、なんだかとても恥ずかしくって、嬉しくなる。
ペアの婚約指輪はふたりとも同じ指にはまっているので、多分瞬く間に噂が広がることだろう。
それこそ、以前スカーレットが乙名史さんを呼んだ時よりだ。あの時ちょっと詰んだと思ったよね。今だから笑い話だけどさ。
「……それで、この後って……」
「寮帰るよ!」
「な"あっ!? ちょ、ちょっとくらい……!」
「スカーレットはまだ学生です!! ちょっとしたら俺がクビんなるわ!!!」
「養うわよアタシの方が稼ぎいいもん!!」
「俺の世間体!!!!」
いや、まあ生徒会とか一部(あの芦毛)除いて爛れた噂あるしワンチャンあっかもだけど、俺も期待する気持ちはあるけど、めっちゃやりてーけど! 万が一撮られたら一生モノの疵になる。
そんな徒花、エリ女常連のスカーレットには許されないのだ。きちんと説明すると、スカーレットもしょぼしょぼ耳を絞りしながら頷いた。くそっ俺より全てデカいのにかわいいな! 愛してる!!! もう言えるね!!!
「きちんと手順を踏まえて、しっかりお互い愛してる時にしよう」
「……予約?」
「お店じゃないんだから。でも、そうだね。こっちからのキャンセルはないよ」
だから楽しみに待っててね。
そう言ったらスカーレットは真っ赤な顔で頷いて、俺の手をぎゅっと掴んだまま黙ってしまった。事故るから勘弁してくださいとは口が裂けても言えないので、片手でどうにかする。
とはいえ、顔が赤いのは俺も同じで、窓を開けても、どうにも熱がひかない。
5月13日の、いつもより少し涼しい風でも。俺達の熱っぽい気持ちを冷ませないようだった。
うまぴょいうまぴょい
≫86二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 14:49:52
『けんこうゆうりょうじ』
「おーブラトレ、ちょっと良いか?」
「何だ、飯なら奢ってやらんぞ?」
「ちげえよぉう、俺の話を聞いてくれってんだよ」
「はぁ、なんじゃい?」
「看病シチュエーションって……あるだろ?」
「もしもし警邏メン?」
「やめろそれはマジでやばい! あの人ら夜の校舎で出会うと大体めっちゃ怖いんだよ看病シチュエーションいいよねってだけなんだよ許せ!」
「それをなぜ俺に聞いた!?」
「いやほら、チーム率いてるし……?」
「むしろお前の担当に聞きなよ、チームトレーナーとの因果関係ないだろそれ」
「聞けるわけないだろうがそんなこと! 大人だぞ俺たちは!」
「あぁ、うん。お前にゃ『バカな』って修飾が頭につくけどな」
「アホに言われた……もうだめだぁ、おしまいだぁ……」
「安心しろ、お前の頭はもうだいぶ前に終わってる」
「辛い……看病してほしい……いや俺が看病したいな……」
「うん、だいぶ頭がお労しくなってるな」
「むしろブラトレお前はねえのかよ、誰かに甲斐甲斐しく世話を焼かれたいという思いを! あーんしてもらったりして病気のつらさを和らげてくれるシチュエーションを願ったことを!」
「いや……別に……?」
「なんてことだ、そんなことがあり得るというのか……!?」
「全部が全部一般常識だと思うのは危ういぞ?」
「それはそうなんだが……いやもうむしろお前でいい! ほどほどの病気になれ! 看病させてくれ!」
「バカだ、バカがいる! それに俺は生まれてこの方……でもないが病院のお世話になるようなことはなかったぞ正気か!」
「この健康優良児野郎がァァァアアアア!」
「そんな罵倒のされ方初めてなんだけど!? やっぱ呼ぶしかねえ警邏メーン!?」
そうしてモブトレは連行された。
後には疲労感に包まれたブラトレだけが取り残されたのであった。うまぴょいうまぴょい。
≫99二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 17:17:20
(5分で調べた内容を基にしたので、誤り等あるかもしれません)
「……夢を壊してしまうようで申し訳ないが、筋肉を付けるとカップ数が大きくなる……という訳じゃないぞ!」
「そうなんですの?」
「ああ! 何せカップ数はトップとアンダーの差で決まるから、筋肉でない部分によるところが大きいバストサイズには影響しにくいんだ」
「成程な。それじゃ、なんでこんな噂がまことしやかに囁かれているんだ」
「そうだな……例えば、大胸筋を鍛えればバストを支える力が付き、美しい形を保ちやすくなる」
「そっか、支えって大事だもんね。俺もずっと支えてもらってたからよくわかるよ」
「……他にも、多裂筋や腹横筋といった、所謂体幹に関する筋肉を鍛えることで、姿勢がよくなり、美しく見えやすくもなるね」
「その辺りは俺たちにも馴染み深いな! 走行フォームやコーナリングなんかにも関係する範囲だし」
「と言うわけで……結論ッ!」
「唐突な理事長モノマネが挟まりましたわね」
「筋トレによるカップ数増大効果は認められていない! だが、バストを美しく見せる効果はあるぞ!」
「そうそう、カップ数は筋肉増強で変化しないが、胸囲は変化しうるぞ。恐らくカップ数の噂はそこと混同したのかもしれない」
「或いは……トレーニングの一環として行われる生活習慣の改善、あたりも関係しそうか?」
「そうだね。バランスのいい食事を摂り、整った生活リズムを習慣付ける。生徒諸君のような成長期ならば、これも大いに影響するだろう」
「ええと……一応聞いておくけどさ。それ、大人はどうなの……?」
「おっとそろそろトレーニングの時間だ! それじゃ皆、筋肉と仲良くね! マッスル・ダァーッシュッ!」
「あっ逃げた!」
≫143二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 21:05:15
Break the NTR
「おはようございます、トップさん」
「おはようございます…ってどうしたんですかそれ!?」
「ああ、これですか。先程ドトトレさんに頼まれまして。ハルさんのトレーナーさんが着せにくる、と先程避難してきまして。今はそこの棚の中に隠れてもらっています」
「ここですか…?あ、どうも」
三角座りで丸まって寝ていたドトトレの扉を閉め、再度トップロードに向き直る。
今の彼はこう…すごくえっちだ。
メイド服の下には謎の穴が開いているし、超ミニスカは尻尾穴がないせいで揺れに連動している。
きゅっと絞められたコルセットもその胸の強調に一役買っており、ムチムチたわわボディをそのまま体現していた。
「失礼します」
「あ、ウラトレさんいらっしゃいませ。この服すごいですね」
「そうでしょうそうでしょう。いろいろなメイド服を試してこそですからね。10点加点です。何か気になるところはありませんか?」
「コルセットがちょっときついのと、ここの穴が開いてるせいでちょっと寒いですね」
「ならコルセットの調整をしましょうか」
「あの…トレーナーさん」
前の紐を解いて調整をするウラトレにトプトレ。それにずっと思っていたトップロードは先ほどから思っていた疑問を口にする。
「その…もっとこう…こう…ないんですか?」
「もっと、ですか?…あ、靴のサイズがちょっときついです」
「そうじゃなくてですね?こう…その…おむね、とか…」
「サイズはピッタリでいいですよ。暑い時もここからペットボトルを入れれば冷やせるでしょうし、汗も拭きやすいかと」
144二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 21:05:40
目を半ばグルグルさせていつもの2割マシで語彙力を失くすトップロード。はいそこいつもとか言わない。
なぜなら目の前に居るのは160-93-53-73のボディにえっちっちメイド服を着たトプトレ。もはや破壊兵器である。国際条約で問答無用で禁止されるレベルの。
「ふぅ…これでどうでしょうか?」
「ピッタリです。ありがとうございました。あと京都記念の時のお土産です。ハルさんへの千住せんべいと抹茶ブラックサンダー、ウラトレさんへのちりめん山椒と一と口椎茸です」
「ありがとうございます。なぜこのチョイスを?」
「ハルさんに聞いたら「あまいものがいいー!」と。あとパチタマさんたちが「着物イヤ…」「ヘッドホンの左右間違えればいいのに…」「ブラ付けさせてくるとか鬼!悪魔!ウラトレ!」「なんか適当に飯のおかず渡しとけ」と言っていましたので」
「ナリタトップロード担当トレーナー」
「はい?」
「遺言はありますか?」
「遺言ですか?あ、トップさんとお別れするのは寂しいですね。それに終活も終わってませんし、まだトップさんと一緒に居たいです」
「先程の発言は故意ですか」
「?ここは池じゃないし私は鯉より金魚が好きですよ」
はあ、と息をついてこめかみを揉むウラトレ。あのウラトレもトプトレの天然の前には敵わないらしい。
145二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 21:06:05
「…あなたはそういう人でしたね。あと、ドトトレさんを知りませんか?」
「ウラトレさんに聞かれたら知らないと答えてくれと頼まれましたよ」
「その依頼主はどこへ?」
「そこの棚の中にいますね。さっきトップさんが開けた時ぐっすり眠っていました」
ドトトレは────連行された。
「嵐が去っていきましたね…トレーナーさん、大丈夫ですか?」
「外は晴れていますが…ドトトレさん、まだ眠りたかったのでしょうか」
「嘘でしょ…」
「トプトレちゃんいる〜?」
「今度はどちら様でしょうか」
扉を開けるとそこには魔ルドと黒ルドがいた。
魔ルドは北半球に大胆に穴が開いて、深いスリットが入ったチャイナメイド服、黒ルドに関してはオーソドックスなメイド服である。トプトレと同じ超ミニスカを除いてである。
「殺してくれ…」
「そんなこと言っちゃダメよ?」
「ダメですよ。黒ルドさんが死なれては私も皆さんもとても悲しみますし、会長さんだって悲しみますよ」
「この後3時からメイドカフェだから頼むわね」
「了解しました」
去っていった2人を見送ろうとしたトプトレは、魔ルドに何やら耳打ちされていた。
「ふう…これで一息つけますね。トップさん、こちらに来てもらえますか?」
「はい…どうされましたか?」
146二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 21:07:58
近づいてきたトップロードをソファに座らせたトプトレは、すっとソファに寝かすと、そのふとももに彼女の頭を乗せた。
「えっ!?え…ええ?」
「近頃疲れているようでしたからね。トップさんの他の方を積極的に助けるのはとてもいいことですが、そのためには自身を顧みないといけませんよ?」
「でも…皆さん困っているようだったので…」
「困っているところを助ける、それは誰にでもできるわけない、特別に素敵なことです。だからといってあなたが壊れてしまっては、皆さんも悲しみますし、誰も助けられなくなるでしょう?」
「…すいません」
「謝ることはありませんよ。代わりにゆっくり眠って、疲れを癒やして、また明日から頑張りましょう」
「はい…ところでトレーナーさん」
「どうしました?」
頭を撫でられ、お腹をぽんぽんされながら質問をする。
「なぜお腹を…?そしてその…ムネガ…」
「ムネガ?お腹はぽんぽんされると落ち着くと、スーパーさんが」
「はぁ…でもその…お腹ぽんぽんは…」
「もしかして嫌でしたか?なら髪を撫でるのもやめましょうか」
「あ…その…こう…すごく…ふわっとして…ねむい…です」
「うん。それならよかったです。ゆっくりと、眠ってくださいね」
その優しい手のひらの感触を感じながら、ゆっくりと眠るのだった。
その後目覚めた時の視界の暴力でトップロードの性癖は砕かれた。
おしまい
≫154二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 21:33:34
───面倒なことになったわね
そんなことを思いながら、キタトレは今さきほど用意したつまみをとりあえず机に置いて目の前の惨状について考える。
「もっと飲め〜!」
「…えへへ」
「リウトレさんはかわいいですね〜」
「…」
上から魔ルドトレ、リウトレ、トプロトレ、シビトレの順である。本来ならフウトレと猫タマトレもいたが、今は別室だ。
運悪くストッパーが全員外してしまった結果がこのザマであり、その点においてキタトレは責任を感じていた。
(さて…流石にそろそろ止めないとまずいわね。まずはこの中だと一番の火種ことルドトレをどうにかして…)
「ところで、みんなは自分のおっぱいについてどう思ってたりする?」
「私は凄いサイズだと思いますね〜」
(…まずいわ、やばい方向に転がり始めてるわね。さっさと止めないと)
…決断してからのキタトレの行動は素早かった。まずは火元(と書いてルドトレと読む)を部屋から連れ出して別室へ。
「あれ…どこいくのキタトレぇ?」
思い切りはだけた胸元を見せ、酔ってるせいかそのHカップを押し付けてくるルドトレを鋼の意思で耐えて別室のベットに転がす。
「飲まないの?」
「悪いのだけど、間に合ってるわルドトレ。まだ飲めるのでしょうけど、一旦休んでおきなさいな。後で来るわね」
続いて引っ付いて甘えてくるリウトレと手招きで呼び寄せたシビトレをフウトレと猫タマトレのいる部屋に連れて行く。
「あ、どうしたのキタトレ?」
「ごめんなさいね、二人で飲んでるところに悪いのだけどリウトレとシビトレを任せてもいいかしら。」
…猫タマトレとフウトレがオッケーと言ってくれたので、甘えてくるリウトレをフウトレに向けさせてシビトレにも伝えた。
(さて、最後はトプロトレだけど…)
「あ、キタトレさん!皆さん何処かへ行ってしまったみたいですが…」
「ええ、ちょっと用が出来たらしくてね。そのうち戻ってくるだろうからそれまで二人で飲みましょう?」
…その後、トプロトレとサシで飲んでから魔ルドトレとも飲み明かしたキタトレだった。凄く愉しそうだったとか。
短文失礼しました
おっぱいのでかい人達で飲み会、魔ルドトレとトプロトレを中心としたπの話とかいう危ない化学反応は避けられました。
飲み会のトレーナー達はアルコールと雰囲気のせいでいつもより危ないから、耐性ない人はタヒぬしかありませんな。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part755【TSトレ】
≫41二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 11:40:16
【そういえば出してなかったダストレ変化直後】
「やっべ声上手くでねえ……今日打ち合わせあったっけ……あ?」
「わ、わ!? え!? ケツになんか……何!? ネコ!? なんか入ってる!? こわい何!?」ワタワタ
「尻尾だこれ!!!!」
「え!? は!? マジ、遂に!? どんな顔……うっわめっちゃパッとしねえ……身長も体格もちょっと小さくなったくらいだし……はぁ……おっぱい感じねえし」モミモミ
「と、とりあえずオペトレさんの配布してたウマ娘化マニュアル……えー、本人確認のとりやすい担当ウマ娘に協力を仰ぐ、か。たすけてスカーレット、と……」
「……本人確認、本人確認かあ。俺、俺だってわかってもらえるかなあ……? ってか俺のことそんな大事に思ってくれてる……? もし信じてもらえなかったらどうしよ……」
「うぅ……スカーレットぉ……みしゅれないで……」グスグス
このあと開口一番「パッとしないわねえ!!!」と言われて別の意味で泣くダストレ
≫64二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 15:08:42
「まず許される空気と許されない空気がある」
「胸揉んでいい空気ってなんだよ……全会一致でアウトだろ……」
「まあ聞いてくれよマヤトレ。まずどれだけ周囲が囃し立てても揉まれる側がちょっとでも嫌ならアウト」
「それはなぁ……酒の勢いっても限度あるしな」
「あとこっちが頼むのもアウト。ネイトレさんとか、割と勢いで押し切られる人につけこんだらダメ」
「視線痛いんだけどかえっていい?」
「俺も痛いから耐えて? ……セーフなのは相手が誘って、確認してもOK出た場合くらいかな。
この時はありがたく手を合わせて俺は揉む。でもやっぱダメになることもあるしそこは常に顔色伺う」
「そこまで気を配るんなら断れよ!! どっちの意味で紳士なんだよお前!!」
「うるせー!! 後腐れなくおっぱい揉める機会があるなら揉むのが男だろ!!!」
「ヘタレる癖に……あー……じゃ、絶対アウトって時は?」
「そりゃ勿論アレでしょ。担当ウマ娘の眼の前で……」
「おっぱい揉んでいいって誘われた時?」
「そうそう。その時は鼻の下も伸ばさないよう注意して……」
「……いつからいたんですかマイハニー?」
「後腐れなくおっぱい揉む機会がどうこう叫んだ時からよダーリン」
「そっかぁ……マヤトレ、弁護証人プリーズ」
「じゃあ俺、塾の時間だから……」
「せめてそこはマヤちゃんのトレーニングって言えよ!
あっちょまっ、スカーレットごめんなさいたすけはっぎゅ」
うまぴょいうまぴょい
≫104二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 19:58:03
ストッキングの日の数日前
タイ「うおお……履き辛いなコレ」
テイ「普段履かないと中々ね……ほら、手伝ってあげるから」
ルド「それじゃあテイトレちゃんのストッキングは私が履かせてあげるね〜」
テイ「いやいや、大丈夫だから!」
ボノ「ボクも履くのはやぶかさではないけどさ、なんでこの8人でストッキングを履くの?」
グラ「はてはて、どうしてでしたでしょうか~?」
フク「何でもストッキングの日に向けて購買部が学園内広告用の写真を撮りたいのだそうな」
ブラ「あ〜、そういう事か」
フク「……お前等、ちゃんと話は聞いとけよな……」
フラ「まあ、取り敢えず僕等はフラッシュ達の名を汚さない様にしっかりと着れば良いって事だね」
グラ「そうですね〜、それで良いかと〜」
テイ「……皆んな履けたかな?」
タイ「みたいだな……よし、行くか!」
そしてストッキングを履いた7+1は撮影へと臨み、撮影された写真は学園の掲示板に貼り出されました。
掲示板に貼り出されたストッキングを強調する為に足を組んで椅子に座る7+1の面々を写した広告は、多くの学生や教員達の性癖を破壊したとかなんとか。
うまぴょいうまぴょい
≫128二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 20:51:00
「心地良いな…」
そうぽろりともらすファイトレ(女)。人をダメにするクッションに体を預け、腕組みしながら目を閉じていた。
勿論、体は預けても心まで預けた訳ではないのでまだまだ思考回路も稼働するしダメになってなどない。
(はて…こういうパターンだとくっ殺とかがお決まりなんだろうが…生憎私はそういうニンゲンじゃないからな。)
「…ふぅ……」
仰向けになると垂れて面倒なその巨乳を、腕組みすることで支えつつ体の幅を抑える彼女なりのスタイル。
…問題は、こうなる前からそうだったがウマ娘化した際に増量したバストを強調する形になり中々目に毒なのだ。
「…あ、ファイトレ(女)…」
まあ無防備な姿を晒してるからと仮に悪いやつが近づいてきても問題ないが。なぜなら…
「…む、なんだカフェトレ(黒)。大方気遣って音を抑えてるのだろうが、生憎そんなことしなくても起きてしまうんだ。」
…人の気配に敏感なファイトレ(女)は、睡眠が浅いのもあって近づいてくる人を感じてすぐに起きるからなのだ。
「まあなんだ、カフェトレ(黒)が気にすることではないさ。…それより、私の胸が気になるのか?」
「え」
「何、どうやら視線が向いてるみたいだからな。」
胸無い目気にしてる科の黒カフェトレにとって、ファイトレの周りに比べては劣るものの十分にある巨乳は範囲内なのだ。
「はぁ…正直に言って巨乳なんて言うほどいいものではないぞ。余計なバラストになるし合わせた服装にしなくちゃいけない、しかも揺れるからバランスも狂うわと仕事をするのには無駄もいいところだ。…ただ、憧れる浪漫は理解できるがな」
「…」
なんとも言えない表情の黒カフェトレに、ファイトレ(女)は相変わらず冷たい顔で、しかし優しげな手付きで手を握る。
「ふっ…折角だ、座るといい。その反応を見る限りこのあと用事はないのだろう?私は十分休憩できたからな。」
「…あ、ありがとうございますファイトレ。」
「礼はいらん、そういうものだ。」
入れ替わるように座らせ、気が抜けたのかぐで〜とのびはじめたカフェトレに僅かな微笑みを顔を近づけて見せる。…濁りなき黄色の瞳と氷の如き碧眼が見つめあい、離れていくファイトレと少しだけ顔を赤くしたカフェトレという構図。
ファイトレは近くの壁に体を預け、またいつものスタイルで目を閉じる。…暫く静かな空間が出来上がったらしい。
≫147二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 22:19:13
「いらっしゃいませ、ウオッカさん」
「お邪魔しまーす……って、結構狭いんだな」
「はい……お恥ずかしながら」
外の桜も花を散らし、青々とした葉が揺れている。隣を流れる川の水面が麗かな陽光を反射して、天井に模様を描いている。
ウオッカは先程、親父から連絡を受けて、ここまでやってきた。薄暗い路地を抜け、少し開けたそこにある、懐かしさを持つアパート。その一部屋の、ウオシスの所へ。
「トレーナー、これ、置いておくぞ?」
「わあ…ありがとうございます!何も無いですが、くつろいでいてください。親父さん達はいつ頃来られますか?」
「さっきは昼前くらいになるって言ってたなー」
「了解しました。では、私はお昼の支度をしますね」
割烹着を着て、キッチンに立つ。彼女は今、薄く鈴蘭の花が浮かぶ浴衣のような部屋着に、白い割烹着だ。お団子にまとめた髪型とそれは、まるでそのためにあるように似合っている。
「ウオッカさん、何か苦手な食べ物とかありますか?」
「なんでも俺は食うから気にしなくていいぜ」
それを聞いて献立を組み立てるウオシス。後から来る親父達の分も考慮して蕎麦を多めに湯がくことと、旬の野菜をいくつか。アスパラガスとうど、あとにんじんを天ぷらに、ニラで箸休めのおひたしの小鉢と、茄子に今日のために買っておいた加賀太きゅうりは浅漬けにしよう。
冷蔵庫から食材を取り出して、準備をしていく。最初に浅漬けを、そこからうどのアク抜きをして、それに……
「なあトレーナー、何か手伝えることないか?」
「いえ……どうしてですか?」
「こうさ……オレだけゆっくりしてると何か申し訳なくなってさ」
「じゃあ、浅漬けの下拵えを手伝ってもらえますか?」
「オウ!ちゃっちゃかやってやるぜ〜!」
そこから2人で並んで準備をする。茄子のアク抜きをするウオシスの隣できゅうりの種をこそぎ取るウオッカ。
やはり1人より2人の方が作業は早く進むもので、予想より早く準備は終わり、あとは天ぷらを揚げるだけだ。
「天ぷらは揚げたてが1番美味しいので、皆さんが揃ってからにしましょう」
「だな……お、噂をすればだ」
148二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 22:19:53
扉を開けると親父、V、202が入ってきた。202は3つほど袋を持っている。
「ここがお嬢の家か……」
(綺麗だな……さすが我が娘!!)
「なあ親父さん!押し入れがある!」
「そりゃあるだろうが。あとあんま勝手に女性の部屋を物色するんじゃねえ」「イテッ」
「お嬢、こっちが今日の夜の頼まれてた材料で、こっちがお菓子。あとはこれがお酒っす」
「ありがとうございます202さん!代金は後で渡すので」
「いいやいいっすよ。そんな遠慮しなくても」
「いいえ!払わさせてください!」
「娘よ、昼は何だ?」
「お蕎麦にアスパラガスとうど、にんじんの天ぷらとニラの小鉢、それから浅漬けですね」
それを聞いた4人(+1人)は目を輝かせる。
そうして揚げたての天ぷらと蕎麦達に舌鼓を打ち、夜のお泊まりへと続くのだった。
ウオッカとウオシスのことが書きたいな……ってなりました。なので書きました。
長編ばっかやってるとこう言った短編の書き方がわかんなくなりますね。ちょくちょくガス抜きで書こうかな。
ということで次回4畳半のお泊まり編・無限飲酒編です!どうぞお楽しみに!
……え?進捗?3万字行ってまだ3分の1ほどです…(血涙)
≫170所変われば人も変わるもで1/322/05/15(日) 23:10:00
[所変われば人も変わるもので]
「ところで気になってたことがあるんですけど、親父さんちょっと今時間がありますか?」
「ん?どうしたスカーレットの。この後からは暇だが……お前の方こそ大丈夫なのか」
「今日は黒ダスがやってくれることになってるんで、午後からは親父さんと同じようなもんですよ。それで……最近、トプトレさんがウマ娘になりましたよね」
「ああ、なったな」
「変わったと聞いた直後はまあ、こう先達として色々と気にかけようとか考えたりするじゃないですか。それで色々と接してたんですけど、親父さんと同じでウマソウルが意志を持ってるって聞いたので、会わせてもらったら自分のことを『キンチェム』って名乗ってたんです」
「だろうな……そうか、得心いったぞ。お前、そいつとお前の中に居たキンチェムが同じ奴なのか気になったんだろ」
「そうです。親父さんはウマソウルを見て識別できるし、それが本当かどうかもわかるんじゃないかと思ったものでして」
「無論わかるし、お前の疑問に対する解答も持ち合わせている。だが、その前に1つ聞いておこうかスカーレットの。
──お前は、トプロのの中に居る『キンチェム』が以前お前の前に現れた『キンチェム』と同じだと思うか?」
「──違うと思います。少なくとも、俺の知っている彼女なら、一度消えると決めて行動した後に他人の体に入り込んで帰ってきたりはしないはずです。だって、アイツは頑固なまでに勇敢ですから。自分の決めたことを捻じ曲げるなんてできやしないし、する筈がない」
「そうだな、俺もそう思うよスカーレットの。奴は確かに『キンチェム』だが、それでもお前が出会ったアイツとは別人だ。別世界の同一人物、と言い換えても良いかもしれない」
171所変われば人も変わるもで2/322/05/15(日) 23:10:47
「別世界の同一人物……親父さんとギムレットみたいなものですか?」
「細かくは少し違うが、まあ似た様なものだ。同じ歴史を辿ってこそは居るが、結果としての性格が異なっている以上あれはお前が考えている『キンチェム』ではない。別人として接してやるのが筋という物だろうよ」
「そういうこともあるんですね。なんとなくはわかってましたけど、なんか、少しだけ寂しいような気がしますね」
「気になるなら祠にでも寄ってやればいいさ。それと、ついでに言っておくがトプロのの自我がウマソウルに侵食されるということも恐らくだが無いだろう。アレは、意図的に侵食が進まないようになっている」
「……それは、ウマソウルの状態を見るとわかるものなんですか?」
「幾つも見てればわかるようになるさ、否応も好嫌も無くな。……ウマソウルというヤツは千差万別でな。俺やアルのような単独でも自我を侵食しない物、テイオーのやカレンのの様に複数でも自我を侵食するものまで様々だ。奴の場合は前者に寄ってるが、恐らくだがお前の一件で同一の存在である奴に対して一応のセーフティが掛かっていると言ったところか。だから、お前が危惧するようなことは起こらんと言って良いだろう」
「なるほど……ありがとうございました。悩み事が消えてなんだかスッキリしたような気がします。……ところでウマソウル側から侵食する制限って掛けることはできるんですか?もしかしたら『キンチェム』側が制御しているとか、特別制御できる可能性とかもあるんじゃないですか?」
「それはありえない。魂という物はそんなに都合よくできてはいないし、それができるならお前に自我が消える可能性は発生しえなかった。ウマソウルが1つの状態で自我の侵食が発生していない奴には、全員何かしらの理由があるのさ」
172所変われば人も変わるもで3/322/05/15(日) 23:11:22
「へぇ~そう言う理由が……ということは親父さんm「すいません、トレーナーさん居ますか?」どうしたんだスカーレット。今日は黒ダスが担当のはずだけどどうかしたのか?」
「アンタねぇ……全体のスケジュール合わせは午後の初めにしておくべきだって言ってたのはアンタでしょうが……すいませんギムレットさん、このおたんこにんじん借りていきますね?」
「元からお前の物なんだから借りも何もないさ。話も終わりだし遠慮なく連れて行ってくれて良いぞ」
「じゃあありがたく貰っていきますね♪ホラ、さっさと立つ!時間は有限よ!」
「わかったからそう急かさないでくれよ⁉……すいません、今日はありがとうございました。また話を聞きに行っても良いですか?」
「ああ、いつでも歓迎してやるよ。それと…アイツにも宜しく頼む」
「! わかりました。俺からm「さっさとしないと置いて行くわよ⁉」わかったからそう急かさないでくれよ⁉」
「全く、仲が良いなアイツらも」
『所変われば品変わる』とはよく言ったものだと、愛バの後ろに続いて歩きながらふと思う。
場所が変われば何もかもが変わる。言語も考え方も環境も、そして──人も変わってくる。同僚の中に居る魂としてのギムレットと生徒としてこの学園に在籍しているギムレット、異なる2つの世界からやって来たキンチェムたち。世界が1つ変われば性格も何も変わるのだなと今日は強く実感させられた。
ということはスカーレットも別の世界ではまた違った性格をしているのだろうか。もしそうだとしたら一目会ってみたいようなそんな気もする。きっとどんな世界でも彼女は一番を目指してひたむきなんだろうと思う。
しかし、自分にとっては目の前の彼女が一番だ。確信を持ってそう言える。
なんとなくだけど確かに、そう思えるのだった。
≫181二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 01:55:21
『らぢお月の調べ第弐回』
「こんばんは、今宵も満月とともに眠れないあなたへひと時の安らぎを。進行役のバンブーメモリー担当トレーナーと」
「ひん。スイープトウショウ担当トレーナーだよぉ」
「こんばんは、スイトレさん。前回は生憎都合が合わなかったようですが、お誘いに乗っていただきありがとうございました」
「先月はスイーピーと一緒に満月の光を浴びた植物を探しに行ってたからねぇ。無事お目当てのものが手に入ったからスイーピーも楽しそうだったよぉ」
「成程……古来より魔術と月は切っても切り離せぬ関係にありますからね。では、今回はそこを中心にお話していきましょうか」
「昔はいろんなことが、魔法のように認識されていたのかなぁ?」
「そうですね、化学が発展していなかった時代において、原因と結果を結びつけるものに魔術的な要素があったということも多かったのでしょう。希臘(ぎりしゃ)神話におけるへかて神も、『月と魔術の女神』といった呼ばれ方をしています。つまり、神話の時代から月と魔術には何らかの結びつきを人々より見出されていた、というわけですね」
「月の光を浴びさせる、っていう儀式もいっぱいあるよねぇ……満月や新月、時間が決まってるものって魔術や魔法と結びつきが強いんだよねぇ」
「何方も一ヶ月毎に1度程度の頻度ですからね、特別な時間というものは儀式に適していると認識されているのでしょう」
「でもどうして月の光が一番言われるんだろうね?太陽の光だってまぶしくてつよいのに」
「太陽光とは反対に、夜のみにて認識できる光ですから。夜というものは秘められた時間であり、神のための時間であり……つまるところ、人の時間ではないのです。今でこそ夜行動し、昼に眠る人もいらっしゃいますが、古代においては人が行動する時間ではない……。であればこそ神や超常の存在から力を借りる、という意味合いで月の光を儀式に使うことがあったのかもしれませんね。以上、自説でした」
「あくまでも自説なんだねぇ」
「本気にされると大変なので、そういう話もあるんだなあ程度に聞き流して頂ければ幸いです」
「ちなみに今日の月の名前はぁ?」
「ふらわぁむぅん、花月ですね。様々な花と共に、月を楽しむのもまた御一興でしょう。では、今日はここでお別れとさせていただきましょう。皆様、良いお時間をお過ごしくださいね」
「またねぇ~」