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このページは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…」スレに投稿されたSSをまとめるページ(スレpart176~180)です。
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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part176【TSトレ】
≫26二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 21:43:29
『夢に描きて夏の大三角形』
それは、ひぐらし鳴く暑い夏の日だった。
目の前が真っ暗になった。
知らせを受けた瞬間に、私が私でなくなった気がした。
トレーナーが…事故に巻き込まれた。
たったそれだけで、それだけで……私は、自分のすべてを失ったような気がした。
私の中には、妹がいる。
いや、正確には血縁上での妹ではない。ウマソウルとしての妹がいるのだろう。
よく、その姿が見えることがあった。
しかし…その声は聞こえない。その顔は見えない。その存在しかわからない。
だが、心のどこかで「妹」であると認識している。
私は。わたしは。ワタシは。
妹を失った。
トレーナーは、こんな私でも必死に付き合ってきてくれた。
自己肯定感の限りなく低い、暗く、光を発せぬ星屑であったとしても、彼女は私に光を当ててくれた。
トレーナーがいるからこそ、私はトゥインクルシリーズで…いや、この大地の上で走ることができた。
そんなトレーナーが。
そんな…トレーナーが。
今、命を落とそうとしている。
27二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 21:43:47
気が付けば私は暗闇の中にいた。
自分の身体しか感じられぬ深き闇の中。
誰もいない。誰も照らしてくれない。誰も手を取ってくれない。
心の深いところ。
一人ぼっちの私の場所。
「っ……う………ああぁぁぁ……!」
涙が出てくる。
堰を切って溢れ出す。
いやだ。いやだ。いやだ…いやだ!
「とれぇ…なあ…!とれぇ…なァ…!」
もう、失いたくない…なぜ?
もう、一人になりたくない。なぜ?
また、輝きたい。輝きたい?
私は一人じゃ輝けない?
誰かがいてくれないと、輝けない。
その誰かは…誰?
決まっている。
私の…私だけの、トレーナー。
29二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 21:43:59
「………聞……る……?」
「…あぁぁあ……あぁ…?」
「聞こえる…?」
「だ…れ…?」
誰かが声をかけてくる。誰だろう。
だれかなんてわからない。でも。でも。でも!
この声を、私は…知っている…
「…お姉ちゃん」
「あなた…もしかして…」
優し気に微笑みかけてくる彼女。顔は見えないけど、私はその顔を知っている。
「…っ…!ごめん…なさい…!」
「どうして?」
「わたし…私のせいで…貴女は…!」
「いいんだよ、お姉ちゃん」
そっと、私を抱きしめてくる。あたたかい。
「わたしはね、お姉ちゃんの力になってあげたいんだ」
「……え……?」
「わたしはね、わたしの一部でしかない。わたしのもう片方…そう、わたしの半身は、彼女。お姉ちゃんのトレーナーの中にいる」
「………まっ…て…?どう…いう…こと…?」
「説明は、後。うまくいったら…また、お姉ちゃんのトレーナーさんと、わたしと。きっと、また会えるよ」
「待って…待って!待ってッッ!一人に…一人にしないでぇ…ッ!」
大丈夫だよ、お姉ちゃん。
わたしたちは、三つで一つ。
星を再び、瞬かせよう。
またあの大地を、一緒に走ろう。
30二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 21:44:11
暗闇の中。私は眠っているのだろうか?
それとも、もうここは死後の世界?
死後の世界なら、なんとあっけないのだろう。
眠りの中ならば、どうして彼女は現れないのだろう。
私は、心の中に一人の友達がいる。
変な話かもしれないが、事実なのだ。
彼女の名前は…名前は、わからない。
わからないけれど、私にとって特別な友達。
彼女は、走りが好きだった。夢の中で、一緒に草原を走ったりした。楽しかった。
彼女にはおおきなウマの耳があった。たまに、触らせてもらったりした。ふわふわしていた。
彼女は…姉がいた。
姉は、また別のところで走っているかもしれないね、とだけ彼女は言った。
それを知ったからこそ、私はトレーナーになったのだ。
少しずつ思い出してきた。
朝の通勤時間。私はランニングをしながらトレセンへと向かっていた。
子供たちがそれぞれ学校へと向かっていく姿、大人たちがそれを見守る姿。
いつもの風景だった。そう──────────だった。
小さな路地の出口にある歩道。そこを歩く小さな子供。
突然クラクションが鳴る。
私は…とっさに動いた。
突き飛ばす。
そして。そして。───そして。
私は────
撥ねられたのだろう。
31二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 21:44:23
「…たまるかぁ…」
「こんなところで…こんなところでぇぇぇ!」
「死んでっっ!たまるかってんですかぁぁぁぁぁ!」
闇の中で飛び起きる。
体は動かないが、心は死んでいない。そう、私はまだ死んでいない!
「だったら…この暗闇の出口でもなんでも!探してやろうってのよ!」
私は駆け出した。
あの時の草原を思い出しながら。
私は風になった。
漸く出会えた、あの子のためにも。
私は、光を求めた。
きっと私たちで育てた光を。
「うがあああああ広い!」
闇は広かった。つらい。
「あーもー!どこにも目印も何もないじゃないのよ!」
そりゃあそうだ。何も見えないんだもの。
「あああもう!神様でも仏様でも女神さまでも何でもかんでもみんな踊っちまえばいいのよ!」
「………ますか」
「もーなんでこうなっちゃうのよー!私の足なら突き飛ばさなくても拾って抱えてダッシュ行けたんじゃないのあああああ!」
「聞こえ…ますか…?」
「そもそも朝の時間に車をぶっ飛ばすヤツのほうが悪いのよ!私悪くないんだよ!」
「聞けえええええええい!」
「うぎゃあああああああ!?誰?!」
32二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 21:44:41
後ろから突然光り輝いた何者かが現れた。誰ですかあなた。名を名乗りなさいよ名を。
「漸く気が付いたなこのアホ!おんし何度も何度も呼び掛けても何の反応もせん!アホ二号!今からお主はアホ二号と呼ぶ!」
「アホ!?二号!?一号って誰!?」
「そこはどうでもよいわー!って…こほん。こほんこほん。…私は女神だよ☆」
お茶目な何者かがそこにいた。雰囲気という三文字はもうもろく崩れ去っている。
「で?女神さまが何の用なんですか。こちとら死にかけで何とか生きようともがいてるんですよ」
「そう、そうだ!お主を助けるために私は今ここにいる!」
「ほんとぉですかぁぁぁぁぁ?生まれてこの方神様なんてまともに信じたことないですよ私」
「あー、まあお主はそんな感じするわ。まあそっちは良いんよ別に。お主の願いも大事だが、今大事なのはこっちだからね」
と、女神(仮称)は指を鳴らす。目の前には、私の友達がいた。
「えっ!?どうして?」
「実はのー、おぬし死にかけてるのはわかっとるよな?そこで、ウマ娘として何とかならんかのーって感じでほかの女神たちと話し合ったんよ。で、調べてみれば…おぬしの友達とやらはウマソウルなのだよ」
「…えっ私ウマ娘じゃないけど?」「そう、そこ。お主めっちゃイレギュラー。びっくりもんだわ」
女神様?はだいぶテンションが高いようだが、話を続ける。
「まあそんなわけで、そのソウルをそのまま使えば問題なくウマ娘として再構築できる!…と思ったんだがね?」
「…なんか問題でも?」
「そう、そのウマソウル半分なんだよ!おぬしがウマじゃないのも!本来あるべき名前がないのも!見た目もなんかふわっとしてるのも!魂が半分のせい!」
「な、なんだってぇぇぇぇぇぇ!?」
「これまずいわッ…!どうやっても半分じゃ蘇生までいくのは無理ッ…女神様無力ッ…!…って思った矢先の話よ!」
「…ゴクリ」
固唾を呑む。予兆がする。
それは、とても大切な人がかかわっている。
33二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 21:45:22
「おぬしの担当しておるアドマイヤベガに、もう半分がいることが分かった」
「…ベガ…」
私の担当する、私が輝かせたい星。アドマイヤベガ。
「今、そちらからウマソウルが分離してこちらに来ておる。そして…二つの魂がそろったときに、おぬしはウマとして蘇る」
「………」
「一応確認をとるぞ。おぬし、姿が変わっても大丈夫か?顔が変わっても?」
「……あったりまえじゃないの!私があの子のそばにいなけりゃ、あの子は元のまま!輝き失った星はやがて死するのみ!」
私が出会った時のことを思い出す。何もかもを投げ出したくなるようなその顔。
「あの子のあんな顔、また見たくないのよ私は!絶対にもう曇らせたくないのよ!!」
なぜかあの子は私に心を開いてくれた。
「あの子が笑顔でいるためなら、私の命くれてやるってのよ!」
それは、魂の中に妹を感じ取ってくれたからなのだろうか。
それとも…私を、太陽としてくれたのだろうか。
「………いいでしょ!?」
「よい!しかとその決意受け取った!」
ふわふわと浮いていた魂に、もう一つの魂が交じり合う。
二つに分かれたものが、一つとなる。
そこには、アドマイヤベガと瓜二つの顔があった。
「やっと、戻ってこれました。ありがとうございます、三女神様…」
「うむ、精進したまえよ。これからお主は彼女、アホ二号と共に生きていくことになるじゃろう」
「ちょっと」
「アホ二号はだいぶ周りを見ないからの、ちゃんとお主支えてやれよ!」
「わかりました、ありがとうございます女神様!」
「いやちょっと!アホ二号はやめなさい!」
「しらーん!おぬしが話聞かんかったのが悪いんだーい!」
そういうと私をアホ呼ばわりした女神さまは杖を鳴らす。
34二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 21:45:42
ぶわりと闇が晴れる。空に瞬くは、夏の大三角形。
そう、闇の中は、かつて私が「友達」と駆けていたあの草原。
「そうそう、餞別があるぞよ。お主の顔はお主のまま。お主の声はお主のまま。まあ二つの魂が混ざったウマ娘となる都合ちょいと変わるがの!」
すっと姿勢を正す。頭をきっちりと下げる。
「…ありがとうございます女神様。これで私はまた、あの子と会える」
「よいよい。その感謝は後でベガと一緒に三女神の像にでもささげとくれ」
そういうと、女神さまは光に包まれて消えていった。
そして、東の空に光が満ちる。
「さあ、行きましょう、お姉ちゃんのトレーナーさん、そして私の大切な、お友達」
「ええ。…最後に一つだけ良い?」
「なんでしょう?」
「あなたの…本当の名前を」
「…わたしの名前は─────────」
夜が、明けた。
35二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 21:46:06
アドマイヤベガは、駆けた。
駆けて駆けて、駆け抜けた。
一筋の流星となった。
報告を受けた後に、意識を失っていたらしいのだが…
そんなことはどうでもよかった。
今は、ただ。ワタシは、わたしは、私は。
あの人に、会いたい。
そしてたどり着いた病室には。
「…アドマイヤベガ!」
「…トレェナァ…!トレーナァァァァァァァ!」
私たちは。再び輝きだした。
今度は、三人で。あの宇宙に光を描き出そう。
36二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 21:46:34
「で、その髪型はどうなさったので?」
本日のウマ娘化対応担当のルドトレさんが聞いてきた。
「いやね?私も起き上がってから鏡見てびっくりしたんだけど目が二色になってるのよ」
「あらら…珍しいですねえ」
「で、片方を隠してれば私が、そして…もう片方を出せば、ウマソウルであるわたしのほうが出るわけです」
「あらあら…そんなことになられたのですか…」
「両方出すと両方しゃべっちゃってベガが大混乱しちゃったのよねー。だから片方だけ出すようにしたの」
「…つまり?」
「わたしが私で、私はわたし。それ以外はなんも…いや、耳と尻尾生えたから変わってるか…」
そういうことになったのだった。
片目の隠れた子と、ターフに輝く一等星。
その双子のような二人組が、仲良くショッピングをする姿がこれ以降、頻繁に目撃されるようになる。
≫78シチトレ幻覚マン21/10/07(木) 22:00:25
駄文失礼します。
「サンダーボルト」第二話
「ふーん・・・・」
シチーは、トレーナー室の椅子に座りながら、今回のトレーナーの調査結果を眺めていた。
「結局わからずじまい、ってこと?しかも、観察のためにレースやれって・・・・」
「まあ、不完全燃焼感はあるよ。そういや、シチーの方はどうだった?」
シチーが私の書類から、作業中の私に目を移す。
「・・・・まあ、こっちは順調。荷物はまとめ終わったし、それに・・・・」
今日の目的は、登校ではなく、今後の生活に必要な作業だ。
私のウマ娘としての検査、シチーの寮部屋の荷物整理、そして・・・・
「こっちも出してきた。」進路希望調査のプリント提出も、だった。
高校3年生相当になれば、トレセン学園在籍のウマ娘は学園から進路希望をを聞かれるようになる。その一環が、彼女の提出した進路希望調査票である。
その際の彼女たちの進路は実に様々で、一般大学の入学を目指す者も少なくない。
そのまま、就職する者もいる。
かく言う、うちのシチーはと言うと・・・・
「アタシ、ドリームトロフィーにも出るから。」と堂々と言い切り、マネージャーとも話を付けて、これまでのように、モデル業の両立も続ける気マンマンだった。
もちろん、私もこれまで、いやそれ以上にバックアップを続けるつもりだ。
ただ、ドリームトロフィーは開催頻度の関係上どうしても前よりもスケジュールに空きが出て、暇になってしまう・・・・
「レースには、出てみようかと思ってる・・・・」
なので、こういうことを考えるのは半ば必然的だった。
「もちろん、シチーのトレーニングが最優先。だけど、やってみたいんだ。」
「そっか、まあ頑張るしかないんじゃない?」
彼女は、私のウマ娘としての名前を見ながら、思ったより簡単に受け入れてくれた。
けれど、そこから続いた彼女の一言は、今の私の不安を完璧に言い当てた。
「でもまさか、「シンボリ」なんてつくとはね・・・・」
以上です。ありがとうございました。
≫93アルダントレ21/10/07(木) 22:08:15
「トレーナーさん、私のお願いをちょっと聞いていただけませんか?」
「アルダンさんのお願いはできる限り叶えたいとは思います。 が、内容を聞いてからになりますね。 その大きな荷物にかかわることですか?」
「ご名答です。 中身を出しますね」
メジロアルダンが大きな袋から取り出したのは、長い栗毛をポニーテールにした目つきの悪いウマ娘の、やけに大きなぬいぐるみだった。
「それは、もしや私でしょうか? でかぷちにしてもずいぶん大きいようですが」
「お察しの通りこれはトレーナーさんをモデルにした、その名も、全長1メートル超BIGでかぷち(特注品)です。 メーカーさんにお願いして特別に作っていただきました」
「……それで、私は何をすればよいのでしょう?」
「難しいことじゃありません。 今日一日、この子を肌身離さず抱きしめていてくれればいいんです。 あ、お風呂の時はいいですよ、濡れちゃいますから」
「それくらいなら構いませんよ」
「ありがとうございます。 明日お礼を用意しておくので楽しみにしていてくださいね」
そういってメジロアルダンは楽しそうにトレーナー室を出て行った。
95アルダントレ21/10/07(木) 22:08:45
「あら? アルトレさん、何やらかわいらしいものを抱えてますね」
「シンボリルドルフトレーナーさん、これはアルダンさんから渡されたものです。 ただ……」
「もっと砕けた呼び方で読んでくれていいですよ。 それで、ぬいぐるみがどうしましたか?」
かくかくうまうま
「──というわけでして、アルダンさんのお願いは構わないのですが、その意図がわからなくて」
「なるほど。 ん~、あくまで想像ですが、アルダンちゃんなりにアルトレさんが周囲になじみやすくなるよう考えたんじゃないでしょうか? 可愛らしさアピールとか」
「なるほど?」
「なんにせよアルダンちゃんに直接聞いてみるのが一番だと思いますよ」
「そう、ですね。 明日、聞いてみることにします」
「答えがわかったら教えてくださいね」
「はい。 では、また」
96アルダントレ21/10/07(木) 22:09:04
翌日
「トレーナーさん、預けていたトレーナーさんを迎えに来ましたよ」
昨日と同じように大きな袋を抱えてアルダンはトレーナー室に入ってきた。
ぬいぐるみを渡すと、アルダンはぬいぐるみの腹部に顔をうずめるように抱きしめた。
しばらくして満足したのか、ぬいぐるみをソファに置くと持ってきた袋を開くと、中身を取り出した。
「見ての通り、これは私がモデルの全長1メートル超BIGでかぷち(特注品)です、お礼にこれを差し上げます。 それと、ちょっとお耳を拝借しますね」
アルダンは自身を模したぬいぐるみをトレーナーにおしつけると、かがんだトレーナーの耳に唇を寄せた。
「この子は昨日一日、私がずっと肌身離さず抱きしめていたんです。 私の匂いがたっぷり染みついていますから、寂しくなったらこの子を私だと思って可愛がってくださいね」
固まったトレーナーを置いて、アルダンはトレーナーぬいぐるみを抱えて楽しそうに部屋を出て行った。
97アルダントレ21/10/07(木) 22:09:24
「──という理由だったようです」
「……アルダンちゃんもなかなかディープなマーキングをするのね」
「このアルダンさんのぬいぐるみも、どう扱ったものか困っていて……」
「……………………」
「ルドトレさん?」
「あの、アルダンちゃんに頼めば私も注文できるんでしょうか? その全長1メートル超BIGでかぷち(特注品)」
≫151ヒシアマトレSS21/10/07(木) 22:25:52
黒い風が駆け抜ける。
「おりゃあああ!」
「タイム更新だ!」
いつも以上に熱い2人の声がトレーニング場に響く。
「今日はもう上がろうか」
「よしっ!帰るまえに、ウマ娘になって必要になるものを買おうか。アタシに任せときな」
「その前に、一回走ってみて良いか?」
ヒシアマゾンが頷くのを見るや否やトラックに飛び出す。
何か言いかけている彼女を横目に一気に加速する。前とは比べものにならないほど速い。気分が高揚する。風になる。
「あっ」
つまずく。地面が迫ってくる。
「トレ公!!!!」
ぎりぎりで腰を掴まれ徐々に減速し、停止する。
「ありがとう、ヒシアマゾン」
と顔を見ると、明らかに怒っている。今まで見たことないぐらい怒っている。
「危ないだろ!トレ公!!
準備運動もせず、いきなり全力で走り出すんじゃないよ!
アタシの相棒ともあろう人が、何考えてんだい!!」
「…!ごめん、ヒシアマゾン」
「……アンタ今日はどうしたんだい。
普段以上に熱かったり、いきなり全力で走り出したり。
なんか不安なことがあるなら姐さんに打ち明けてみな!
いきなりウマ娘になったんだ、不安になっても不思議じゃないだろ」
ヒシアマゾンのトレーニングの邪魔になるようなことは避けたかった。でも、この様子じゃ誤魔化しても納得しないだろう。
「ウマ娘になって、最初は驚いてただけなんだけど、考えるうちにだんだん怖くなってきたんだ。
俺は本当にヒシアマゾンのトレーナーなのか、実は違うんじゃないかって」
「…トレ公」
「でもっ、もう大丈夫!
ヒシアマゾンが『アタシの相棒』って言ってくれたから、ヒシアマゾンの言うことなら信じられるから」
152ヒシアマトレSS21/10/07(木) 22:26:14
幾日か後
トーレニング場の利用終了時間直前に2人でタイマンする声が聞こえるようになったという…
〈おまけ〉
夜、トレーナー自室にて
「流石に1人だと不安になってきた…」
しばらくの間、ヒシアマゾンのぬいぐるみを抱きしめないと、1人では寝られなくなったトレーナーの姿が…
≫175二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 22:43:53
一度折れた筆と心はもう二度と治らないんです、パラシンちゃんは心無い言葉で死にました、あーあ、スレ民のせいです
新番組!パラシンちゃん號
こんにちは!ShinJINトレーナーです!
今日は実家から疲労にポンとよく効くドリンクが送られてきたので早速先輩方にお裾分けです!
見つけました!いつもの二人です!
先輩!いつも通りのお裾分けです!どうぞ!
マズイモウイッパイ!
ゲンキハツラツデスワ!
──────
お昼のニュースです
昨日未明、トレセン学園で覚醒剤取締法違反により
住所不定 自称新人トレーナー(21)が書類送検されました
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part177【TSトレ】
≫21キントレの人21/10/07(木) 22:56:06
夏合宿が終わってまもなく、トレーナーは新聞を広げる、あらゆるスポーツ新聞にはウマ娘のレース展開などが書かれているために情報収集にはもってこいだからだ。
「おーおー派手に書かれてらぁ。」
そんな中目に映った一文に思わず笑いがこみ上げるトレーナー、元々は男だが、今は○学生レベルの身長のウマ娘となってしまったためその顔立ちからの不敵な笑いはなかなかに違和感が漂う。
【キングヘイロー菊花賞を前にスプリンターズステークス出走を宣言!?】
【3冠を前にした突如の奇行トレーナーの暴走か、キングヘイローの意思か、その真意は如何に!】
「好き勝手言ってくれる、こちとら勝算十分だってのに。」
椅子から立ち上がり持っていた新聞をゴミ箱に突っ込むと、支給されたジャージに袖を通す。
(キングが2冠を取れたってだけでそりゃ3冠を期待するのはわかる、当然俺だってキングに偉業を達成してほしい。)
ググッと伸びをした後に念入りに体をほぐす、「そういう意味」では、この体はとても都合がいい。
「やってみせるさ、3冠どころか、それすら越える偉業をキングに取らせてみせる。」
これは決して押し付けではない、そもそもスプリンターズステークス出走を提案したのはキングヘイローの方からであった。
髪を櫛で梳いてしっかりと身だしなみを整えてターフへと向かう、最近になってこれが随分と自然に身についてしまったと内心苦笑いをこぼすもすぐに引き締める。
「キングの一流になる願いを叶えてみせる、それが一流のトレーナーってもんだろ。」
22キントレの人21/10/07(木) 22:57:20
「路線変更をするわよ。」
「いきなりなんだ。」
夏合宿の浜辺の中、トレーニングを終えた夕方に、キングは突然の宣言をした。
トレーナも共にトレーニングに付き添ったため水着姿であったが、それになぜかキングがかかり気味になりややオーバーワークになったのは否めないが。
「お母様のことよ、確信があるわ、あの人は絶対にこのキングが3冠を取ろうとも、以前と同じように帰ってこいの一点張りだということをね。」
「でも、キングは母親から認められたいからってだけでレースに出ているわけじゃないだろ。」
「ええそうよ、このキングが誰よりも一流だと証明するために、あのお母様を超えるウマ娘であるために、だから決めたのよ。」
「それ故の路線変更ってことか?」
「だから決めたのよ、もうお母様に認められるとかではない、クラシックの時点でまだ誰も成し得ていない、あのシンボリルドルフ会長ですらも距離適正の都合上不可能だった偉業をこのキングが勝ち取るわ。」
「トレーナー、夏合宿明けにはスプリンターズステークスがあるわよね?」
「ああ、あるな。」
「そして菊花賞の後には、マイルチャンピオンシップがあるでしょう?」
「短距離、マイル、中距離、長距離、そのすべての冠をこのキングが勝ち取った時お母様のウマ娘ではなく、キングヘイローの母親となる。」
「言うのは簡単だが、意味わかっているのか?って言ってもわかってるだろうが。」
「そうよ、言っていることは不可能に近いわ、けれども、だからこそと思わないかしら?」
23キントレの人21/10/07(木) 22:57:43
「このキングがデビューの時にあなたと共に一流と宣言したあの時から、キングのライバルが今もずっと自分を高めてこのキングの3冠を阻止しようと、いいえ、このキングに勝とうとしているわ。」
「菊花賞でも食らいついてきたセイウンスカイさん、ダービーに勝つ思いを一心に駆け抜けてきたスペシャルウィークさん、路線は違えどもエルコンドルパサーさん、今は療養中でも常にその刃を研ぎ澄ませているグラスワンダーさん。」
「このキングのライバルであれば、敗北を糧にしてこのキングを越えようとしている。」
「ええ、だからこそじゃない!」
キングの瞳に熱が灯る、諦めなどとうに捨てた、不屈の意志を燃やしてキングは誰にも届かない場所へと足を進めようとしている。
「おいおい、そんなの聞いたら、元々なかった退路がさらになくなるぞ?」
「あら、そんなものはあのトレーナー室でお母さまに二人で宣言したときから捨てたわよ?」
それを聞けばトレーナーもついたウマ耳をへにゃりとさせて肩をすくめる。
「はいよ、なら丁度いい、短距離マイルも取りに行くならこの体が丁度いい。」
「どういう事?」
立ち上がったトレーナーが柔軟をするとキングへと向き直る。
「俺のウマ娘としての脚質が、短距離マイル向けだってことだよ、トレーニングには最適だろ?」
「そういうことね、いいわよ、このキングと並走する権利をあげるわ、おーっほっほっほ!」
浜辺で高らかに宣言後、有言実行のようにキングヘイローは、スプリンターズステークス、菊花賞、マイルチャンピオンシップを勝ち取り、レース界隈に激震を走らせることになる。
どうでもいいが、トレーニング中に体勢や姿勢などを手取り足取り指導し合ったせいでキングの自信以外の何かが壊れた。
さらに余談だが、記者会見の際にものの見事に着こなしたトレーナーの女性用フォーマルスーツ(スカート版)に追撃のごとくキングの自信以外の何かが壊れた、尚その時のスーツ姿のツーショット写真の新聞や雑誌はキングはしっかり切り取って保管しているとかなんとか。
≫35二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 23:04:31
ちょっと用事があるのであげさせてぇ
マルトレ「俺ばかりがビビリという風潮。これは間違ってると思う。視聴者のみんなも誤解している」
スズトレ「嘘でしょ……実際ビビりなのは事実じゃない……」
マルトレ「いーや、スズトレだって結構ビビりって聞いてるんだ!俺がでかい悲鳴あげるから一周回って冷静になってるだけだろ!」
スズトレ「それはそう」
マルトレ「なので俺は今日の配信後ろで見てる」
スズトレ「見てても悲鳴あげるじゃないどうせ……」
マルトレ「その意見は想定している。そこでこれを用意した」
スズトレ「そ、それは……」
マルトレ「猿轡」
スズトレ「嘘でしょ……」
マルトレ「これで今日はスズトレがビビるところを見てやる……」
スズトレ「ええ……」
耳の良いスズトレは、猿轡越しに聞こえる小さな悲鳴までバッチリ聞こえ、まるで背後で強姦事件でも起きてるのかとゲームに集中できず結果的にビビるところを晒さずに済んだ。
後日アップロードされた動画はマルトレの猿轡泣き顔でセンシティブ判定をくらい編集してスズトレが一人実況してるような動画になって再投稿となった。
さらばぁ
≫52二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 23:11:53
「……しまった」
一言そうぼやく。カフェとは既にひとしきりダンスを楽しんだ。もう片方のカフェトレと交代して、ホールからやや離れた喫煙スペースに来てしまったがすでに後悔し始めている。別に見ていてもよかったのに、タキオンや他ウマ娘達からも誘われるだろうことを考えて引っ込んでしまったのもよくない。
……そして最大の誤算。タバコが手元にない。
「……あれ?カフェトレさん?」
ひとり益体もなく喫煙スペースにいると、外から珍しい顔に声をかけられた。相手を確認して軽く礼をする。
「……どうも。ネイトレさん」
彼女はパーティ用の赤いドレスを着ていた。左肩は大きく露出していて胸には白薔薇のコサージュ、スカートにもスリットが入っていて、ともすると品のない仕上がりとなる勝負服を彼女は危なげなく着こなしていた。
一方の自分は黒いドレス。カフェの求めるまま用意されるまま着ているけど、この豪快な背中の空きっぷりはさすがに恥ずかしい。
「パーティーには参加されないんですか?」
「ちょっと休憩。そっちは?」
「いえ、私もちょっと……」
彼女が視線をさっと揺らす。確か向こうは……二度目のしまった。「お花を摘みに」という奴だ。このままじゃまずい、気がする。なんでも振って話題を逸らさなくては。
「……担当は放っといていいの?」
「うちの子は愛され系というか。結構色んな子と交流があるみたいなんで、その集まりでダンスを」
「ああ……分かる」
「『勝負服着て踊るなんてウィニングライブみたいじゃん?』って、本人も楽しそうでした」
「ネイトレさんは随分と派手だね」
「……ふ、服がですか?まあ、服は着られてナンボ。ひとは着てナンボですから」
「損得勘定?」
「変身願望、ですかねどちらかといえば。今の自分から変わりたい、っていう願いをただ着るだけでお手軽に叶えてくれるんですよ」
「……損得勘定?」
「……お手軽、って言っちゃうとそうかもしれませんね?」
彼女のはにかみ笑いにこちらも薄くつられて笑う。
53二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 23:12:05
……やはり意外だ。ドレスではなく、打てば響くというか饒舌というか、こうも明るくしゃべるのかネイトレは。
あまり馴染みがないからか、彼女にはどこかメンタルをやられて涙目になっているイメージしかなかった。本人にはいえないがある程度のトレーナーたちの共通認識だと思う。その認識が少し揺らぎ始めてる。
「……いい事あった?」
「ええっ!?」
……ちょっと直球、いや暴投気味か。そんな不躾な質問にも彼女はしばらく考えたのち答えてくれた。
「……最近、というよりほんの数十分前です。いいことがありました」
目を細めて口元に柔らかい笑みを浮かべる。ただそれだけなのに見る人が見れば卒倒するような、はたまた浄化されるような笑顔だった。
まあカフェほどじゃないけど。
「そう。……今は手元にないけど祝いの一本、要る?」
「すいません。……あ、今のギャグじゃないですよ?」
「……気づかなかったな」
「墓穴掘ったー……。とにかく遠慮します。嫌煙家なので、穏健派の」
「分かった。愛煙家としては引く」
「お願いします」
「……過激派だけど」
「過激派!?」
雑に放った冗談にもこの飛び上がるような反応、なるほどね。これはいじられて輝くタイプ。
……ただの涙目ではないようだ。
(終)
≫66シャカトレ本編 (3)-121/10/07(木) 23:17:41
ヒトのウマ娘化現象における遺伝子への作用と因子の干渉 シャカトレ
調査対象:マチカネフクキタル担当トレーナー
先週、シャカトレはメジロマックイーン担当トレーナーの身体検査を行い、その遺伝子と体について大きな情報を得た。
そして非常にありがたいことに、メジロマックイーン本人の情報も手に入れることができた。ここでメジロマックイーンとマクトレのDNAの差を調べることで、研究にとって重要な情報が得られることは間違い無いなかった。
今週の検査はマチカネフクキタル担当トレーナーに協力してもらうことになっている。彼?彼女?を対象とした理由は、そこに存在するであろう「因子」が、故人、それもトレセンに在籍しているマチカネフクキタルの血縁者のものである確率が極めて高いからだった。
まず血縁者の因子を研究に用いることで、マクトレとマックイーンのDNAの差との比較ができる。これにより「ウマ娘」と「ヒトであったウマ娘」の差異の発見できる可能性が上がる。
さらに、故人の情報が現在生きる人間に定着するという信じがたい──シャカトレにとっては起きている時点で事実として受け入れられるが、一般的な科学的視点からすればまずあり得ない──現象が起きていることについての調査材料にもなる。その二つの理由でフクトレを対象に選んだのだった。
67シャカトレ本編 (3)-221/10/07(木) 23:18:10
「おはようございますフクトレさん」
「ああ、早よざっす」
落ち合う約束をしていたカフェにいた、落ち着いた色の上下に、アクセントにしては輝かしすぎるアクセサリをつけた栗毛のウマ娘。それがフクトレだった。
シャカトレはそのセンスが理解できなかったが、そもそも自分のセンスがそういいものでは無いので何も言うことはできない、そしておそらく担当の影響か強制力でも受けているのだろうと考えた。
「お早いんですね」
「なんだ、マクトレは遅かったのか?」
「いえ、遅いわけでは。マクトレさんは同じ電車でした」
「そうか…なんか負けた気分だな…あいつなんかそう言うとこやけにまともだからなあ…」
「フクトレさんもまともですよ。僕なんて課題3日遅らせて教授に土下座したことありますから」
「それはよくないな」
「反省も懺悔もしていますよ。それじゃあ行きましょうか」
「はいよ」
シャカトレは研究室に向けて歩き出し、フクトレはそれについて行った。
69シャカトレ本編 (3)-321/10/07(木) 23:18:49
ここは東京某区某町、この国の最高学府の存在する有名な町。学生の訪れるであろうラーメン屋や定食屋に並び、古本屋が何件も立ち並ぶ少し特異なストリート。フクトレはそのほかの街とは一味違う景色を味わっていた。
「書店が多いんだな」
「ええ。僕は何回かしか入ったことないんですけどね」
「あんたもそこの大学の出身なんだろ?意外だな」
「論文は古本屋にはないんですよ。ここいらにあるのは大体200か50年前のことを知りたい学生と物好きのための店なんです。その物好きが多いからここにあるんでしょう。実際僕も数回入ったのは古地図とかないかなーとか思ったりしたからなんで」
「なるほどねえ、頭がいいやつは趣味も頭がいいんだ」
「割合が多いのは確かですね」
シャカトレは謙遜もしなければ傲慢にもならない。自分の事実と認識している事実はストレートに伝える。それがシャカトレの礼儀であり敬意であった。
大学の派手な門、を通り越して、さらに向こう側にある門へとたどり着く。ここがこれからフクトレの検査が行われる場所だ。
「あのさ、ここって」
「クラスが一緒なだけですよ。僕はここまで優秀ではありませんでした」
大学病院の隣接した学部エリアへと入る。そこはキャンパスの端の端だったが、十分な広さを持っていることにフクトレは若干のカルチャーショックを受けた。
用のある棟に入り手続きを済ませ、お呼びがかかるまでそこにあったベンチに座る。真っ白な内壁はトレセンとは全く違う空気を醸し出していた。
70シャカトレ本編 (3)-421/10/07(木) 23:19:11
「改めて」
シャカトレは向き合って頭を少し下げた。
「今日は協力ありがとうございます」
「ああ」
「今日の検査は色々とありますが…目的はあなたとフクキタルさんのDNAの比較、そして因子の出どころを辿るための調査材料の獲得です」
「そうだったな」
フクトレは少し悲しそうな、申し訳なさそうな顔を見せた。
「…やはり躊躇はありますか」
「まあな」
「やはり、その因子をモノとして扱うことに、でしょうか」
「そうだな」
フクトレは壁に寄りかかり、一息ついて続けた。
「死んだウマ娘の情報を、ただ受け取っただけの俺が情報として提供する。しかもそれが俺の担当の姉ときた。少しは気が引けるもんだ」
「やはりそうですか」
今から二人がやろうとしているのは、故人のモノを目的のために利用する行為。考えようによっては知り合い墓荒らしとさして変わらないことだった。
72シャカトレ本編 (3)-521/10/07(木) 23:19:45
ならば、シャカトレなりの考え方でその後ろめたさを減らしておくことはシャカトレの仕事だった。
「…その思考は理解できます。そこで、僕の考え方をお話ししておきます。そうですね…」
シャカトレは自分の胸を指した。
「ここに心臓があります」
「ああ」
「肺もあります」
「知ってる」
「この知識は解剖が前提にあるものです」
少しフクトレの目の色が変わった。意識していなかったことを意識した、そんな目になった。
「それだけではありません。風土病の解決、脳症の原因特定、ヒト以外で言えば学校の授業の解剖から味の素の合成まで、現代の医学や農学は全て人の死、生命の死をふんだんに土台に取り込んだ上で存在しています」
「味の素…」
「ええ。グルタミン酸ナトリウムの合成までに多くの菌が死んだことでしょう。僕たちの生活は全て死を生が吸い取って形成されたものです」
「だから気にするなと?」
「いえ。これは気にしなければならないことです。我々は今多くの屍の上で快適な生活を送っている。それを忘れてしまえばいつか、この社会などとるに足らない虫のひとかみで崩れるでしょう」
「はあ…それで」
「ですが、それを気にすべきはそれを求めたものたちだけでも別にいいと僕は思います」
73シャカトレ本編 (3)-6ed21/10/07(木) 23:20:13
フクトレはハッとした。あまり見せない、少し驚いた表情をシャカトレに見せた。シャカトレは少し微笑み、進めた。
「人類全員にそれを気にするべきなんて言えるはずもないんです。知らないうちに知らないことが起きているのはこの世では日常茶飯事。なら、責任も負い目も、自分が求めた結果にだけ負えばいい。今日フクトレさんがその情報を渡すことを望んだのは僕です。あなたの担当のマチカネフクキタルさん、そしてそのお姉さんの因子を求めたのは僕なんです。ですので、責任も全て僕が負うつもりです。フクトレさんは、気にしないと言う選択肢もあると考えておいてください」
「…そうか。ありがとう」
少し、ほんの少しだけ、身が軽くなったように見えた。きっとフクトレは責任を自分でも負うつもりなのだろう、とシャカトレは察した。だがそれでいい。無理やり責任をひっぺがすよりはるかに本人にとって楽になるだろう。
シャカトレは大丈夫だった。すでにシャカトレの手は多くの命で染まっている。その重みが増すことに何も思わない、そう言うわけではなかったが、その重みを受け入れる精神は完成していた。
そこで、手元のスマホが鳴った。
「ん…あ、了解。今行く」
「よし、少しは気持ちの整理もついたことだし行きますか」
「はい、ついてきてください」
二人は近くの階段を上がって行った。それぞれの心に倫理を添えて。
≫80二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 23:29:06
「何やってんのトレーナー」
「おお、タイシン!いやネットの書き込みで俺の胸がタイシンに悪影響を及ぼしてるって書いてあったから晒しを巻いて胸を潰してるんだ!」
「ねえ今すぐその書き込み教えて。情報開示してもらって名誉毀損で訴えるから」
「それには及ばん!こうやって……!締めればタイシンの憂いも」
「いいって言ってんのほら!!苦しそうじゃん」
タイシンはサラシを引っ張った。円周が大きいほど外力の影響を受ける。引っ張られたタイトレはクルリとサラシを剥かれながら一回転した。
タイシンの中でなんか時代劇のすけべ代官が浮かんだ。今の私それと同じことやってる???
タイシンの何かが崩れた。
≫91二次元好きの匿名さん21/10/07(木) 23:36:23
『べがとれさんとぶらとれさん』
「というわけでなっちゃいました」
「なっちゃったか」
またしてもブラトレは偶然出会ったベガトレと一緒に食事をとることにした。
「いやーマジで死ぬかと思ったわ…いや死んでたわねあれは」
「しかしまあ……蘇生まで行けるんだなあ、ウマ娘化って…」
「いやでもまともに蘇生まで行けるかは怪しかっただろうねえ。私の中にウマソウルが半分だけ入ってたらしいからうまくいったわけで」
「あー、そうなるとあまりにもイレギュラーなのか…いや俺も大概だけどさ…」
「そうなってくるとそもそもウマ娘って何よっていう話になりそうだから私は考えるのをやめた」
そもそも夢の中の記憶が薄れてるっぽいので深く追及できないのであった。
「それがいいな。とりあえず走るか!」
「走ろう!走ればなんかわかる!」
「「よっしゃーい!」」
爆走するアホが二人。アホツインドライブ。
「あー楽しかった。夢の中で走るのもいいけどやっぱ現実で走るのが一番だわ」
「え?ベガトレさんも夢の中でダッシュしてた勢なの?」
「うん、……わたしが一緒に走ってたんだ」
「おおおお…二重人格!もう一人の僕!」
「まあもう一人のわたしかな?これでようやくお姉ちゃんと話すことができるようになったんだよ!」
「……良い話だぁぁぁ……」
「ところで…わたしの名前知りたい?」
「んー、あだ名でいいや。本当の名前は三人の秘密なんだろ?」
「そうだね、じゃあ、アルで!」
「じゃあ、ベガトレさんがデネブなのね。夏の大三角形か…お洒落でいいな」
「…そうそう。私がデネブ。響きが微妙に重いのだけがアレだけど」
苦笑いしながら、ベガトレに戻る。不思議なトレーナーも増えたものだ。
まあそもそも、人間がウマ娘になる時点でどうしようもなく不可思議現象なのだが。
うまぴょいうまぴょい。
≫144ロブトレヒロイン概念21/10/08(金) 00:17:08
ロブトレダンスパーティSS
フジキセキ発案生徒会主催のダンスパーティ
どうやらそのダンスパーティはくじで引いた組で行われるダンスパーティであるようです。
流石はフジキセキ、面白いことを考える、流石はエンターテイナーですね。
ならば、そのダンスパーティ、ぜひとも盛り上げさせていただきましょう。
────────────
会場に入り、最初のダンスが始まる。
事前に踊ることを約束していたのでしょう、それぞれのトレーナーやウマ娘たちが踊りだす。また、約束をしていなかった人などはこの会場にいる人を誘ってもいる。
そんな会場で一人キョロキョロと誰かを探している小さなウマ娘を見つける。私の担当で、私の英雄であるロブロイだ。
URA授賞式に着ていた緑を基調として、ふんわりと広がったスカート部には大きめのリボンが添えられた彼女の可愛らしさを引き立たせている。それに胸上で交差されてゆったりとして、とても彼女に似合っている。
まだ気づいていない、なら先に行かせていただきましょう。
「素敵なお嬢さん、一曲私と一緒に踊りませんか?」
「あ、と、トレーナーさんん……はい、是非、お願いしますね」
普段とは違い、今回は私からのエスコート、それもそのはずでしょう、何故なら今の私は……
「その……今日は燕尾服、なんですね、トレーナーさん」
「ふふ、時には以前のような服もいいかと思いましてね」
私が着ているのは黒のタキシードである。
以前の着ていた燕尾服はウマ娘になって大きく体が変わってしまったため着れなくなったが、それならウマ娘の、今の体形に合った物を改めて用意すればいい。
ということで、今の私の体に合うように改めて作ったのがこの燕尾服になります。
流石に胸の部分は窮屈ではあるが、そこは我慢である。おしゃれとは時に我慢が必要なもの。
それにやはり、こういう時に乱れていると相手のパートナーにも迷惑をかけるものでもある(少し開いていた方が上手く決まっている場合もありますが、例えばフジキセキのように)
146ロブトレヒロイン概念21/10/08(金) 00:17:46
会場の音楽に合わせ、くるり、くるり……。
お互いに顔を見合わせながら、会場の中を共に踊っていく。
最近はすっかり私の方が女性パートを行うことが多かったが、今は私がエスコートしていく。
「なんだか、以前のトレーナーさんを思い出しますね。それに、とってもダンス上手です」
「これでも元々は男でしたからね。それにこういう場にも出るだろう、ということで父親から厳しく指導されたものですから」
「ふふ、何時かトレーナーさんのご両親とも会ってみたいですね」
「ええ、何時か紹介してあげますよ。ただ、それはもう少し先ですね」
二人だけの時間が流れていく。
まるで始まりを想起させるようです。
初めて会ったときはまだまだ引っ込み思案で、自分自身に自信がない少女でした。
でも確かにその瞳には強い熱を、誰よりも燃えあがるその想いを見たのでしたね
147ロブトレヒロイン概念21/10/08(金) 00:18:08
最初に会った時のトレーナーさんは、今みたいに落ち着いた男性の方で、どんな人に対しても優しく接する、物腰柔らかな大人な人だ、って思っていました。
私のレースへの、英雄や物語の主役への熱意もしっかり聞いてくれていて、なかなか勝てずに他のトレーナーさんからも安定しているけど光るものがない、と言われていましたね。
そんな私に「一緒に物語を綴らせてほしい」って言われて、私、とっても嬉しかったんです。
私の想いを笑わずに、夢や憧れだと思わずに、しっかりと受け止めてくれて、君ならなれる、って言ってくれて、この人となら一緒に歩むことができる、って思ったんです。
「あ……」
「大丈夫ですよ、ロブロイ……一緒に楽しみながら行きましょう」
「は、はい、トレーナーさん……」
私がテンポを間違えてつまずきそうになると、すぐにサポートをしてくれる。
私が踊りたいように、踊らしてくれる。
その時の顔が、とても穏やかで、なのにいつもと比べてキリっとしていて、まるで物語の王子様のようでした。
あの時も、こんな風にエスコートしてくれて、私が上手くいかない時もしっかり支えてくれました。
純粋に英雄を目指していました。ただひたすらに、私の目指す英雄へと向かって
きっと、一人で進んでいたら途中で現実に当たって挫けていました。
でもトレーナーさんがいてくれたから、私はこの想いのまま進められました。
こんな人がきっと物語で言う王子様なのかな、って思えるほどに……。
そんなふうに物思いにふけっていると、いつの間にか時間は過ぎていたようです。
最初のダンスは終わり、のようです。
「では、ロブロイ、私は少し失礼しますね。このダンスパーティを楽しんできてくださいね」
「は、はい、トレーナーさん……その、ありがとう、ございました」
そのままトレーナーさんは立ち去っていきました。
……その、最後まで落ち着いていて、少し、もやっとした気持ちもありました。
148ロブトレヒロイン概念21/10/08(金) 00:18:36
その後のトレーナーさんはタキシードから着替えていました。
ゆったりとした薄いピンクのドレスで、先程のきっちりとしていたタキシードと比べて体型があまり分かりづらく、落ち着いた雰囲気なのに何処か愛らしい、愛嬌のあるデザインでした。
そして、トレーナーさんは次々に他の方たちと踊っていきます。
ドベトレさん、ブラトレさん、トレーナーさんだけではなく他のウマ娘とも……。
私が誘おうと前に出ようとしてもすぐに他の方と踊っています。
私も、もっとトレーナーさんと踊りたいのに……。
「あ、あの、ロブロイさん……どうしたの?」
「あ、す、すみません……ライスさん、折角踊っているのによそ見してしまって」
「ううん、いいの。私も、気になっちゃって……」
二人でとある一か所を見つめる。そこには私のトレーナーさんとライスさんのトレーナーさんが踊っていました。
身長差が大きく合って踊りにくそうなのに、トレーナーさんが上手く合わせて踊っている。
まるで、あの姿で踊り慣れているようで……
『ふふ』
「!!」
今、トレーナーさんが私の方を見て微笑んでいるのが分かりました。
トレーナーさん、私が見ているとわかって、まるで得意げに……。
149ロブトレヒロイン概念21/10/08(金) 00:19:00
「きゃっ!」
ライスさんが、躓いたのか身体をよろめかせる。
その体をうまく引き寄せて、ライスさんが倒れないようにしつつ、再びリズムに合わせる。
「だ、大丈夫ですか、ライスさん」
「う、うん、大丈夫だよ……ロブロイさん、すごく上手だね。何だか今の物語の王子様みたいだったよ」
「そ、そんな……そんなふうに言われると、嬉しくなっちゃいますよ」
「ロブロイさん、今日のために何度も男性パート練習したもんね」
実は今日のために男性パートを毎日練習していました。
トレーナーさんと踊るなら私がエスコートしたい、そう思って……。
でも、結局私はエスコートされてしまっていました。
あれはやはりトレーナーさんが合わせて……
「いいえ、そんなこと、ないですよね」
「ロブロイさん?」
今まで見てきたからわかります。トレーナーさんが私のことを見ているように、私だってトレーナーさんのこと、見てきたのですから。
本当は、トレーナーさんだって……
「ロブロイさん……その、大丈夫だよ。ロブロイさんはトレーナーさんの英雄さん、だもん」
「ライスさん……はい、私も頑張ります。ライスさんも、お兄さま、あ、いえ、今はお姉さま、でしたね。頑張ってくださいね」
「うん、私も頑張るね」
ライスさんとのダンスを終えるとともにお互いに激励し合う。
そろそろラストダンス。それにいつの間にかトレーナーさんの姿がありませんでした。
今までのことを考えるなら、きっと……
「待っていてくださいね、トレーナーさん……」
150ロブトレヒロイン概念21/10/08(金) 00:19:18
「さて……次で最後ですね」
ダンスパーティも最後の演目へと移る。
ラストダンス、ダンスパーティにおいて最後に踊る相手とは特別な相手であるもの。
会場の入り口に入ると既に踊り始めている方もいました。衣装直しに少し時間がかかってしまったようです。
でも、そこには私を待っているように小さな影が……。
青いドレスで一見すると普通のドレスのように見えるが、装飾や雰囲気から清廉な、凛々しい雰囲気を感じさせる、まるで騎士のようなドレス姿。
ああ、この人こそ、私の……。
「一緒に踊りませんか、私のお姫様」
「ええ、お願いしますね、英雄様」
差し出された彼女の手を取る。
その手に引かれて、私達は舞踏会へと戻っていく。
その姿はまるで花嫁のような白いローブに真っ白なドレスを着て、舞踏会に遅れてきたシンデレラのように……。
151ロブトレヒロイン概念21/10/08(金) 00:19:34
「……トレーナーさん、私に見せつけるように先程踊っていませんでしたか?」
「ふふ、バレていましたか」
「はい、わかります。だってトレーナーさんが見ているように私もトレーナーさんのこと、見ていましたから」
くるり、くるり……
舞踏会の最後の演目。そこには多種多様のダンスが繰り広げられていた。
やはり最後のダンスであるからだろうか、トレーナーと担当ウマ娘で踊っている姿がそこかしこで見られる。
だが、その中で二人ともが勝負服で踊っているのは私達くらいでしょう。
それは、これまでの物語の軌跡。
出会い、一緒に過ごし、一緒に泣き、それでもお互い支え合い、歩み寄って、そして遂に認められた姿。
その果ての姿が今の私たちの姿。お互いが勝負服を身にまとった姿なのだから。
「すごく余裕があって、落ち着いていて、まるで初めて会った時のトレーナーさんみたいでした」
「というと、今の私は違うのですか?」
「いいえ、あれはまだ一つの顔で、その奥にあった顔を、お姫様の姿を、私は知っていますから」
「ええ、そうですね。だからこそ、私はあの姿で最初に踊ったのですよ」
「え?」
ダンスパーティに置いて最初と最後のダンスは特別な相手と踊るもの。
そしてロブロイと踊ったのはウマ娘になってからである。
だからこそ、彼女とは改めて踊りたかったのです。元々のウマ娘になる前の姿で。
最初の頃から変わらず、私の全てを余すことなくあなたに捧げたいから。
152ロブトレヒロイン概念21/10/08(金) 00:20:13
「あ……そういう、ことだったんですね」
「ええ、そして今の姿も、分かるでしょう?」
「はい、これが、今の私たちですからね」
そう、これが今の私達。
姿も変わった、性別も、種族も、全く変わってしまった。
それでも変わらないものは変わらず、変わっていくものは変わっていく。
そんな時の流れでたどり着いた私達の姿。
これは私達だけではなく、周りの人々から見た私達でもあるのだから。
「ふふ、トレーナーさん、本当にまるで物語みたいで、素敵です」
「ええ、あなたと一緒だから、そんな物語が紡げるのです……それと、ロブロイ」
「?どうしたのですか?」
「私だって、焦らされていたのですからね……」
真っすぐと、彼女の眼を見つめながら呟く。
舞踏会の音に紛れてその言葉はロブロイだけに届く。
自分で行っておきながら勝手なことだけど、本当は他の人と一緒に踊っている姿がすごくうらやましかった。
最初と最後は彼女と、って決めていたのに、思わずロブロイの誘いを受けたいと思っていた。
私はどうにも、自分が思っている以上に独占欲が強いようだ。
153ロブトレヒロイン概念21/10/08(金) 00:20:27
「……ふふ、本当に、トレーナーさんは……」
「ええ、ですから、どうか私に刻んでくれませんか、私があなただけのものであることを」
「はい、トレーナーさん……」
そっと、私の身体を抱き寄せると、首筋に……
チュッ……
一瞬、でもその一瞬で強く、深く……
そっと、離れるとそこには確かな跡が残っていました。
私だけのものと示すマークが……
「トレーナーさん……とっても楽しかったです、これからも一緒に」
「ええ、ロブロイ……私も、楽しかったです。ずっと一緒に」
そしてダンスパーティは幕を下りる。
舞踏会はこれにて閉幕。十二時の鐘が鳴って魔法は解ける。
魔法は解けても必ず硝子の靴は届けられる。彼女達の心はつながっているのだから……。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part178【TSトレ】
≫11二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 07:05:54
若人と若人?
「失礼します」
「どうぞ…ええと。お名前を」
「キタサンブラックの担当トレーナーです。以前会合で一度だけ。まだ人の頃ですが」
「ああ、あの時の…立派になられましたね」
「ええ。さすがに肩への負担を感じます」
「持って支えましょうか?」
「…そのような冗談も言うのですね。こちらお土産の蜜柑です」
「お互いさま。いえ、いたずら者の来訪がここ最近多くてついつい…ありがとうございます」
「悪戯をしかけるように見えますか?」
「はい。その片眼鏡がいけません。…ただ、キタトレさん自身はとても優しい方だと思っています」
「嬉しいですが不当な評価ですね。さて、実は見舞いだけではなくウララトレさんにしか頼めない…いえ、是非とも受けてもらわなければならないご依頼が」
「…なんでしょう」
「……それではウララに確認次第、連絡します。しかし伴走ですか」
「これでも私はトレーナーですので。強い差しとの経験は必ず彼女の糧になりますわ」
「心臓が止まるかと思いましたよ?今後は内容に相応しい圧量でお願いします」
「…フフッ。ヒツジの皮被った『鉄の女』と巷では噂ですよ」
「嘆かわしい…キタトレさんもそう思ってるんですか?」
「私から貴女への評価は『弁が立つ』で不動ですわ」
「まあ!専門家(プロ)の方にそう言っていただけるなんて恐縮です」
「元・専門家です」
「専門の知識を有し、その職に従事していたのなら十分ですよ」
「5年と続けられませんでしたがね。…そろそろお暇させていただきます」
「…最後に一つだけ。貴女はウマ娘ですか?」
「…お手元の資料にある通りですよ。答えはいいえ。残念なことと思いますが」
「…不躾な質問をすみません。ではまたトレセンで」「はい。さようならキタトレさん」
≫20二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 07:22:42
ファイトレとアヤベトレ
ファイトレは最近tsしたという女トレーナーであったアヤベトレに会いに行った。
「tsしてからは始めてかな。久しぶりアヤベトレ。」「久しぶり、ファイトレ。」
「…その様子だと色々変わってなくて安心したよ」「なんか今地味に罵倒された気がするんだけど」
「気の所為でしょう。それよりも、今度ネイトレ連れて三人で買い物でもいく?」
「いいね!三人でいくのはウマ娘化してから始めてだから」
「それは良かった、このウマ娘の身体に合わせた服装とか貴方まだ分かってないだろうし」
「じゃあその時教えてよ」
「分かった、ところで髪をかき分けてどうしたの?」「ええ、わたしが少し喋りたかったので」
「…なるほど、貴方が彼女の友達か」
「そうですね、こうなったことで出てこれるようになりました。…あの」
「どうしたかな?」
「わたしのことに驚いたりとかしないんですか」
「…ああ、それね。大丈夫だよ、貴方は彼女の友達でしょう。彼女が言ってたことを考えると、貴方が悪い人ではないのはよく分かるから」
「だから…これからよろしく、妹さん」
「…はい、よろしくお願いします。」
≫54パラレルマクトレダークネス21/10/08(金) 07:49:49
おれはドベトレ!メジロドーベルのトレーナーだ!
マクトレすなわち兄貴に失踪中にマスターした料理を振る舞いに来たが、なんとそこで兄貴のデリケートなグッズを見つけちまった!しかも長めの布2枚が入ってる!俺が何となく察したところで背後に兄貴が立っていた!
「俺は…うん。別にいいとはおもうけど…」
「……」
まずい!兄貴がぜんぜん喋らず凄まじい眼力でこちらを真っ直ぐ見つめてくる!これは一体どうしたものか…。
とにかく、フォローを続けてやる!
「あんたはいつだって頼れる兄貴だ!」
「…」
「それはあんたがいつもかっこよくて、俺の事を色々考えてくれてたからだ!」
「…」
「だから、もし兄貴が何かしてたりなにか思ってたりしてても俺はあんたを尊敬してる!」
「…」
(ここルート分岐)
ここで兄貴はスッと立ち上がり玄関の方へ消えて行った。
その数秒後、ガッチャンガチャという大きめの音が聞こえた!俺は察した!これ鍵閉められてる!
「兄貴…?」
「俺は常々お前に思ってる。罪を犯せばその分の罰が下ると」
ゆらりゆらりと兄貴は近づいてくる!威圧感が凄くて閻魔が目の前にいるような気分だ!ついでに右手に未開封のHappy setが握られてる!まさか…!
「ドベ太郎」
「ひゃい」
「ベッドに座れ」
〜〜〜〜
〜〜〜
〜〜
〜
数時間後、死にかけた魚のようにピチピチしながら虚ろな目をしたドベトレと普通にご飯を作っているマクトレがそこにいたとさ。
間で何してたが?知らない
≫74二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 07:59:58
こんにちは!私、ナリタトリエステです!私は今…
「あの〜えっと、ダイヤさん」
「何でしょうかナトリちゃん」
「…なんで貴方のトレーナーがうまぴょいを踊ってるんですか。両脇にキタちゃんとキタトレさんを置いて。」
私の目の前では恥ずかしそうにしながら踊るサトトレさんの姿が。心なしか顔が赤く見えます。
「かわいい…ってそうじゃなくて。なんでダイヤちゃんは撮影してるの?」
「トレーナーさんのですよ。撮らなくては」
「…」
ですが正直この光景はなんか…
(色々破壊されそう…)
まず中央で踊ってるのは私達よりも小さいトレーナーで、目こそ隠れてますが服装と相まってどこかの令嬢です。ダイヤちゃんと並べば姉妹判定なのもむべなるかな。
そしてその両脇で踊る二人ですが、圧倒的視覚の暴力です。その巨乳っぷりが揺れることで強調されます。
しかも三人の身長差が激しく、アンバランスさが出ています。
『今日の勝利の女神は〜私だけにちゅうする』
メカクレロリのキスの部分で
(……は!今一瞬トリップしてた気がする!)
ふと気になりダイヤちゃんの方を向くと
(いい笑顔…あっ鼻血でてる…)
『君の愛バが!』
両脇のキラキラした笑顔が眩しいです。サトトレさんは…吹っ切れたのかとてもいい笑顔です。
あっダイヤちゃんがふらつきました。鋼の意志で耐えてますがヤバそうです。
(まずい…私も周りもあてられてきた…)
………終わってからダイヤちゃんは鼻血をこぼしてながらサトトレさんを抱きしめて、私は色々何かを失った気がしました。
≫136二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 08:47:09
きびしいテイオー
「テイオー…お願いだ…やっぱりやめよう…こんなこと」
「駄目だよ。これは罰なんだから…トレーナーが悪いんだからね」
「テイオー…ごめんなさい…許して…」
「可愛いよトレーナー…よく似合ってる」
「こんな…こんなのひどい…こんな…」
「こんな格好で女性限定カフェに一緒に並ばせるなんて…!!」
「フフ…なかなかいい眺めだよトレーナー」
「遊戯王読んだ?…こんな肩が出てる服と膝上くらいの縦線スカート…恥ずかしい」
「カットアウェイショルダーとプリーツのミニ!ちゃんと覚えてよね!」
「うー…せめて下はテイオーと同じ短パンにして欲しかった…」
「60デニール超えのタイツならスカートの方が可愛いし…そもそも事の発端はトレーナーがボクの服の事「子供っぽくて動きやすそう」なんて言うからじゃん!ボクは怒ってるんだからね!」
「いや俺は本心で言っただけだし…テイオーによく似合って可愛いと思ってるぞ」
「そうでしょー!分かってるねートレーナー!」
「だから帰ろう?」
「それとこれとは別。ほらもう入れるよ」
「いらっしゃいませ!二名様ですね。どういったご関係でしょうか?」
「?…ああ、関係によっては割引が効くのか…じゃあ友だ」
テイトレが最後まで口にする前にテイオーが手でその口を塞ぐ。不思議そうにする彼を見て、テイオーは真面目な顔で言い切った。
「カップルだよ…そうだよね?」
未だ手を当てられながらも顔を真っ赤にして俯き、小さく頷くトレーナーを見てテイオーは満足げに笑った。
「行こっか。ボクの可愛い恋人」
「…は、い」
「えっ待ってなにこれ…尊い…トウトイテイオーじゃん…」
≫167二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 08:58:12
「……………………」
……それはそれは〜〜真剣なトレーナーさんの表情でした〜〜〜。
あたし、ナイスネイチャ。いまトレーナー室にいるトレーナーさんの横にいるの。……いや声かけても反応してくれないのが悪いんですよ?
「……………………」
それにしてもマジ100%って感じの顔。人間だった頃でもこんな目に力のある表情は見たことない。
……でもあたしには理由がわかってる。それはトレーナーさんが持って睨んでる温泉旅行券。あたしをこれに誘うための文句を考えてくれてるのだ。
ブラトレさんやマクトレさんから温泉旅行の話を聞いた時はびっくりしたけど……多分いるだろうトラックの方に向けて改めて礼。ありがとうございます。
……実はURA優勝の後に一回だけ二人で温泉旅館に行ったことがある。あの時は目の前でやっぱりヘロヘロなトロフィーを作ってもらったけど……この二回目は何かが違うと思いませんか!何かが変わると思いませんか!あたしは、変わりたい……!!
「……………………」
……ふっふっふ。ちょっとだけ拝見。……名前は知らない旅館だけど、「北陸」の文字が見える。へー冬の日本海って奴だ。……しかもすごい。よく見たら券が4枚もある!さらに二名さまご招待ってこと?大盤振る舞いじゃん!!
……え?4枚??
(続)
≫174二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 09:03:56
マヤノ「マヤね、トレーナーちゃんの事が大好きだけれど、相手の事を考えないで、好きをぶつけちゃうのはレディじゃないってパパに教わったの。でもトレーナーちゃん。寂しいから、少しの間でいいから抱きしめてほしいな」
マヤトレは迷う事なくマヤノを抱きしめた。
≫178二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 09:09:28
女神「フハハクソボケをメス堕ちさせてタイシンとの関係を進展させてやる」
タイトレ「むおおお!体の底が熱い!(メス落ちの波動熱)こういう時は────」
タイトレ「やはりサウナだな!!」
サウナ→水風呂→サウナ→水風呂→サウナ→水風呂
タイトレ「あーーー体の熱が整う〜〜〜」
女神「なんで?」
≫183二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 09:14:48
女神「うおおおならばタイシンに執着系ヤンデレの波動を!!」
タイシン「ねえトレーナー。アンタは私のものだよね?」ゴゴゴゴゴ
タイトレ「そうに決まってるだろう。言っただろ一生面倒見るってな!」
タイシン「たしかに」プシュウ
女神「なんで?」
≫184二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 09:16:47
「最近マクトレさんマックイーンと別れたあとマヤトレさんと会ってるよね…」
「何してるんだろ…まさか…」
───────────
「──とこれがパパノさんに聞いたアメリカ流トレーニングその27だ」
「腕の俊敏さを鍛えるための複合トレーニング…これは使える部分がありそうですわね」
「ああ、走る時の腕の振り方、そこをよりスマートにすることで!」
「さらなる高みの速さへと上り詰めることが出来る!」
「よし!より詳しく解析していくぞ!」
「おう!ですわ!」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part179【TSトレ】
≫52シチトレ幻覚マン21/10/08(金) 10:12:06
駄文失礼します。
お疲れ様、シチー。
今日の撮影も大変だったね。
けど、流石プロのモデル。顔色ひとつ変えないで頑張ってた。すごく、綺麗だった…
けどさ、シチー?
今日、一緒に撮影してた男のモデルさんと楽しそうに喋ってなかった?仕事の時よりも笑顔でさ?
えっ?愛想笑い?適当に話合わせてただけ?そ、そっか…それなら良かった。
シチーが悪い男にでも誑かされてるのかなって思って心配しちゃった。
ん?大袈裟に考えすぎ?ダメだよシチー。男なんてみんなろくでもない奴ばっかなんだから。みんなシチーのこと狙ってる。シチーのことを手篭めにしたくてしたくてたまらないんだ…。そんなこと絶対許さない。シチーは私の物だし私はシチーの物だもん。そのためだったら、幾らでも私の過去なんて棄てて、アイツらを……
ん?そんなことしない?アタシはアンタと一緒にいる?
ふふっ。ふふふ。ありがとうシチー。嬉しい、本当に嬉しい。偶然とはいえ、この身体になって、シチーにそんなこと言われるなんて、すっごく嬉しい…
おっと、いけない。晩御飯の準備出来てるんだった。今日は一杯、作ったんだ。うなぎにとろろ、牡蠣のフライに、それから……
そんなに食べられない?うん!良いよ、残ったのは明日食べよ?
だから、今日の夜は、ふたりだけで一緒に楽しもう?ふたりだけで、ね?
以上、TSしてから男性恐怖症気味なヤンデレシチトレでした。
≫58二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 10:29:12
「はよーっす」
「おはようございます」
「…おう」
「…おはよ」
「…なんか空気悪くないか?どした?」
「それはですねブラトレ、あなたの担当のことを思い出してみてください」
「ブライアン?んー…なんか今日はいつもより併走したい気分だな。なんでだ?」
「あなたはやっぱりそのタイプですのね。わたくしは今日はマックイーンのためにいつもの10倍はトレーニングについて考えられそうな気分なのですが」
「いいことじゃねーの」
「この二人がですね」
「…」
「…テイオー…」
「危ういのです」
「あー…」
≫65二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 10:45:01
ファイトレのヤンデレ
ねぇファイン
貴方何処に行ってたの?…そう、買い物。
誰かに絡まれたりしなかった?ない?大丈夫なの?
お願いだから私の目の届かない所にいかないで。
貴方を失いたくない、傷つかせたくないから。
…今日も一緒に寝よう、放したくない。
シチトレさんのと比べることも烏滸がましいくらいのですがこうですかね?彼女は依存型だし
≫70シチトレ幻覚マン21/10/08(金) 10:56:01
駄文失礼します。
よいしょっと。道具はこんなもんでいいか…
ごめんね、南坂さん。色々教えてもらった上に、こんなことに付き合わせて。
えっ?「これから大変になりますよ。」「止めるなら今の内?」
…私たちはね、シチーが1番大切なの。そのシチーをこんな目に合わせて、しかもその病巣を放っておくことなんて出来ない。「目覚めたシチーさんの隣には立てない」?
そうだね。けど、シチーが穏やかな生活を送れるなら私たちはなんだってする。あの子には友達がいるし、それにトレセンは良いところだ。
…きっと私の事なんか忘れても幸せに生きていける。そう思うんだ。だから私は、いやオレだっけ?まあいいや、私たちはどんな貌になっても彼女を脅かす全てを根元から断ち切ってやる。そのためなら何だって…
おっと、クソ野郎が起きた。じゃあ仕上げは私たちがやるから南坂さんは気をつけて帰ってね。
さてと、今、アンタの額に水滴を落としてる。勘のいいアンタなら分かるかもだけど、そう簡単には終わらないってことだよ。
……アンタが誰の指示で、シチーにあんな酷いことをしたのかは知らない。けど、ウマ娘である彼女に手を出してる時点で、用意周到、組織犯罪である可能性が濃厚だ。だから、アンタも、アンタのお仲間さん達も、これからシチーが背負わなければならない一生分の苦痛を、1人残らず私たちが味わせてやる。
楽になれると、思うなよ。
≫79二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 11:14:29
超駄文かつ短編です
鬼になったファイトレ
ーーーよく聞いてください、貴方は…実に1年もの間眠っていました
あの日、私は多くの仲間を失った。
あの爆発は…私から多くのものを奪った
思い返すたびになくした腕が痛む。
そして今、数少ない残った彼女まで奪われようとしている。
しかもそいつは数十年前の彼奴等ときた。
…復讐だ、奪われたものを取り返してやる。
まずはファインを返してもらうとしよう。
「待っていろよ、クソ野郎共。…お前たちに奪われたものの復讐だ」
≫85病フクトレ勝負服イベント1/421/10/08(金) 11:26:26
朝から漠然とした不安があった。ウマ娘になってから時折そうした気分に襲われることはあったが、今日のそれは一段と重く心中を這いずり回っていた。他のウマ娘化したトレーナーも時折三女神にあてられたのか身体や行動が不安定になることは度々あった。三女神経由ではない俺も例外ではないらしく、そういう時は決まって影響を受けていた。気になって、メッセージアプリで他のトレーナーに確認をしてみる。
……数分後、確認が取れた中では同じような気分になっていたトレーナーもいた。聞いてみても特に心当たりは無いらしいのでほぼ確定だ。全トレーナーが一斉に、ではないのは学園が機能停止するからだろうか。悪趣味だな。毒づいてみてもこの胸の蟠りが解けるわけではない。
幸い今日は休み。担当が俺の部屋に訪問する予定もない。フクに接する機会がないのは救いだった。こんな心の閾値が危うい状態ではふとした瞬間に漏れ出しかねない。まずい。意識が向いた瞬間に粘性と湿度の高い感情が際限なしに湧き出てくる。これは重症だ。
結局。ベッドに横たわっているのも耐えられなくなって、外に出る。
86病フクトレ勝負服イベント2/421/10/08(金) 11:26:44
当ても無く学園内をぶらつく。そりゃそうだ。たまの休みに何をしているんだ。空は憎々しいほどの晴天。これがもし曇り空だったら心持も軽くなっただろうか。そんな益体も無い仮定に思考を逸らさなければ悪循環を止められそうになかった。その時。
「やっと見つけましたよトレーナーさん!」
フクが猛烈な勢いで走ってきた。なぜか勝負服を着て。
「ううっ無事でよかった……!」
「……無事?」
「はっ、こうしてはいられません!一刻も早くトレーナーさんを護送しないと!ささっ、こちらへこちらへ!」
まるで事情が飲み込めない。だが、前にもこんなことがあったなと思い出し。
「もしかして、また俺が大凶だったのか?」
「あっ!そうです!!トレーナーさんが今日の占いで大大大大凶っ!!なんですっ!!」
この前よりひどくなっている気がする。いや、事実か。今こうしてフクが駆け付けてくれたことに舞い上がっている俺がいることはもう否定できない。
「そこで!おそろし~い災いからアナタを救うべく、最強開運装備を身につけ駆け付けた、というわけです!」
そうだよな。今の俺はこんな姿だ。フクも気が気ではないんだろう。そうだ。今の俺はあくまで姉で───
「だって!運命の人が大凶だったら大吉を分けあうものですからっ!!!絶賛大凶運中のトレーナーさんはこの私が幸運パワーでお守りしますよ!ええ何度だって!!」
……心の底の汚泥じみた感情が、少しずつ薄れていくのを感じる。やっぱり、こういう時は敵わんな。何度もあったら困るが。
「だから、私の傍から離れないでくださいね!!」
そっくり返しそうになった言葉は、飲み込む。悪い。あくまで俺でいたいから。
87病フクトレ勝負服イベント3/421/10/08(金) 11:27:01
フクにびったりと張り付かれながら手を引かれ、駅へ走り、電車を乗り継ぎ、ほんのり見覚えのある街へ。学園から離れたせいか、少し気持ちが落ち着いてきていた。
「あの時も行った神社がある街だったよな。なんて言ったっけ?」
本当は覚えていたが。それを言っては調子に乗られそうだったのでぼかしてみる。
「おおっ!覚えていてくださったんですね!?むっふっふ~、日本有数のパワースポット!トレーナーさんの大凶運も祓えますよ~!この前もまずはお参りしてましたし、今回もそうしましょうか!」
こいつはきっちり覚えている。普段は何てことないのに妙に気恥ずかしかった。
そんな風に俺が浮かれていたせいか。休日のこの道は混むということも頭から抜け、……またもやいつの間にかフクとはぐれてしまった。
下手に移動しては、すれ違う可能性もある。この前もそう対処したのだしとその場に留まる。だが、浮かんでくるのはこの前には無かった感情。このまま見つからなかったら?このまま人込みに流されて。フクも見つけられないような場所へ。服の裾を握る。汗が滲み出る。呼吸も乱れてきたかもしれない。わからない。
着信。二度、手を滑らせ、それでも大急ぎで出る。
『トレーナーさん、無事ですか!?
すみません、必ず守ると約束したのに一度ならず二度までも……!』
普段なら悪態をつく場面。だけれど今の俺にそんな余裕は無い。フクの声が聞けたという安心感だけ。
『……でも、約束を破る気はありません!この前だって見つけられたんです!何度だって見つけてみせますよ!待っててください!』
いつかと同じ、覚悟と決意にみなぎった声。平常だったあの時でさせ気圧されたその声音に、心が解けていく。
……そうして。少し冷静になってデジャブを感じる。視線を滑らせる。
「トレーナーさんを傷つける大凶運なんて、私が絶対許しませんから~!!」
やはり。約20mほど先にスマホに向かって叫んでいるフク。だが、この際置いておこう。この前もそうしたんだし。
「もしもし!もしもし!?大丈夫ですか!なにか言ってください!トレーナーさ~ん!」
『……信じてるぞ!』
心からの応答だった。嘘偽りのない。
「……っはい!すぐ迎えに行きます!」
88病フクトレ勝負服イベント4/421/10/08(金) 11:27:19
そして……見つけてくれるのをひたすら待つこと12分後。
「トレーナーさ~ん!よかった……本当によかった~……!」
無事、フクと感動の再開を果たした。不思議と、待っている間にあの粘ついた暗い感情は襲ってこなかった。
「ふ~。一時はどうなることかと思いましたが、どうにかお参りも済みましたね!これでばっちり安心ですよ!」
実際、お参りを済ましてからはかなり落ち着いた。先程の自分の情緒不安定っぷりを大分恥ずかしく感じるくらいには。
「……はっ!?」
「どうした?」
「よく考えたら、二度目のお参りにしてはお願いが図々しかったのでは……?」
「図々しい……?」
「……やっぱりもっとお布施しないと!販売所で開運グッズ買ってきますっ!」
……結局、2人で開運グッズがどっさり入った袋を両手に提げ、帰宅することになった。
これも、俺の部屋に置かれるのだろう。溜息が漏れるが、そう考えると仄かにこの重みが心地よく感じたのは、きっと気のせいだ。
フクトレの部屋の可処分面積が1㎡減った……。
フクトレのお給料が〇〇減った……。
フクトレの「病み気味」が治った!
≫98デジトレ(ヤンデレ?)21/10/08(金) 11:41:01
あたしは今、デジタルを押し倒している。
桃色の髪を床に広げて目を丸くしているデジタルは至近距離であたしの顔を見て気絶しようとしているが逃がさない。顔を掴んで目をあわせる。
この何も分かってないような表情が、あたしを狂わせる。
デジタルは、自分で思っているよりもずっと人望に恵まれている。
並外れた才能に恵まれながらも、それに胡座をかかず、己を鍛え上げる事を忘れない。
誰か相手だろうとリスペクト出来る姿は、先輩に後輩、そしてファン達から多くの人から評価されている。
けれど、そんな周りから慕われてるデジタルを見てると腹の底から嫉妬心と独占欲が沸き上がって来る。
そして今、その沸き上がる衝動に駆られてデジタルを押し倒してしまった。
彼女の薄く柔らかい肌を見てると、いっそデジタルを食べて文字通りひとつになってしまおうかなんて思いまで出て来る。
肉も、骨も、血も、臓腑も全てあたしの中に納めたくなる。
自分の顔を彼女の顔にそっと近付ける。
興奮と期待と遠慮が混じった名状しがたい顔になってるデジタルに近付きながら少しずつ口を開けて…………
「びっくりした?」
そう囁いて、彼女の頬にキスをした。
声にならない声を上げて失神したデジタルをソファーに寝かせる。
デジタルを無理やり襲って結ばれるなんて事はしない。
独占欲?嫉妬心?そんな感情あたしには無意味だ。
あたしは、デジタルの幸せが第一なんだ。
例えデジタルがあたしを選ばなくても、心の底から笑っていてくれるならそれでいい。
でももし、この感情がデジタルに取って必要なら、その時は喜んでこの衝動に身を任せよう。
≫104二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 11:49:18
ねぇキタ
もっとこっちに寄ってきてちょうだい
…そう、それでいいわ
サトトレは…ダイヤがいるからとりあえず大丈夫かしら
…なんで抱きしめてるかって?
そう…心配なのよ、貴方が。
一人にさせたくない、手放したくないの
だから貴方を離さないわ。…絶対に。
彼女も同じく束縛するタイプ、身内判定の相手には
ただ離して欲しいと言えば離してはくれる。
病み具合は軽いっちゃ軽い。…傷つくようなことがなければ
その場合は悲惨どころではない
≫106二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 11:55:38
「ルドルフー?ルドルフー!」
ガンガンガンガン生徒会室の扉が叩かれる。ルナここ数日に限っては掛かってないのになんで?
とりあえずソファー等でバリケードを作り籠城は完璧だけど……ルナ、本当にここ数日は掛かってないもん……
「トレーナー君、君を手放す気はないと何度も言ったのだから、落ち着いて……」
必死に声を絞り出す。すると、扉を叩く音が止まる。
「た、助かった……」
安堵し、会長の椅子にどかりと座り込む。ふかふかしたその座り心地が今はとても優しい。
そうして、コーヒーを飲む。
……あれ?ルナ、いつコーヒー用意したっけ?
カタ、カタ、カタ…
「……ん?」
ふと、後ろの窓を見れば枠に、手が、かかって
「ルードールーフ♡ゴルトレさんから借りてきた壁を這えるセット、あってよかったー♡」
「あ、ああ、窓に!窓に!」
ルナ、ほんとうに悪いことしてないのに、なんで?
────ルドルフは監禁された。
≫138二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 12:19:20
いつものことでありながらタイトレの胸に押しつぶされたタイシン。呼吸が詰まり窒息のリスクが迫る。その時脳裏にビワハヤヒデの言葉がよみがえる。
「攻撃に押されたなら引いてみるのも大事だが、意外と攻撃の根本というのは、無防備なものだ。タイシン」
タイシンはあえて窒息させてくるタイトレの胸を引っぺがそうとせず押し込んだ。そこには胸と胸の谷間ッブラジャーによって発生した空間が!!そこの空気を吸うことによりタイシンの命は終焉を迎えずに生き延びることに成功した!!!
だがその空間に満たされた何とも言えない甘い香りによってタイシンの理性は終焉を迎えた。
≫147病みクリトレ(小)1/221/10/08(金) 12:21:10
A月D日 甘えられた時間… ──:──:── 前日比… プラス00:03:46
今日はクリークに沢山甘えられました。頭を撫でて貰った時間が昨日より7秒少なかったけど、
代わりにハグして貰った時間が13秒増えたから単純に合計すればプラス。
トレーニングも調子がよさそうで、良いタイムが出ています。僕も頑張らなきゃ。
A月I日 甘えられた時間… ──:──:── 前日比… プラス00:00:25
今日も時間はプラス。少ないけど、でも増えてることに違いはありません。
新しいメニューの導入で少し負担が増えてしまっているかもしれないし、そこは注意しないと。
皆の為になるならともかく、僕の為だけにクリークを困らせちゃいけませんから。
A月L日 甘えられた時間… ──:──:── 前日比… マイナス00:09:27
今日はいつもよりクリークの元気がなくて、あまり甘えられませんでした。
夜更かしをしてしまったと言ってたし、仕方ないのかもしれませんけど。
明日は今日の分、沢山甘えたいな。
A月R日 甘えられた時間… ──:──:── 前日比… マイナス00:01:01
昨日のメニューの疲れが出たのか、今日は少し眠そうだった。
ここのところ甘えられた時間が減少傾向で、特にハグが顕著。
頭を撫でて貰った時間は昨日より2秒増えたけど、全体で見ればマイナスに違いない。
150病みクリトレ(小)2/221/10/08(金) 12:21:31
B月C日 甘えられた時間… ──:──:── 前日比… プラス00:05:33
今日は久しぶりに甘えられた時間がプラスになりました!
ずっと減っていたので不安だったけど、これならきっと大丈夫。
明日はもっと増えるといいな。
B月P日 甘えられた時間… ──:──:── 前日比… マイナス00:02:11
また甘えられた時間が減った。クリークは忙しそうだったからしかたない。
甘えられなくなったらどうしよう。不安でいっぱいになる。
明日が来るのが、こわい。
B月S日 甘えられた時間… ──:──:── 前日比… マイナス00:23:04
どうすればいいんだろう、なんでこうなってるんだろう、どうしてなの、なんで、どうすればいいの、どうして、どうして、なんで、どうすれば、なんで、なんで、どうしてなんだろう、どうして、どうして、なんで、どうすれば、なんでなの、どうして、どうして、
いかないで。
B月Y日 甘えられた時間… ──:──:── 前日比… プラス01:43:02
一昨日のレースの勝利を祝って、クリークと姉さんと三人で出かけました!
一緒に服を買って、ケーキを食べて。姉さんの新しい服をクリークと探すの、すごく楽しかったな。
明日からのトレーニングも、三人で頑張ろう!
(了)
≫158二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 12:24:51
温泉 グルトレ
───カランカラン。
商店街で買い物した私は1回だけ福引きをした。金色の球体がコロンと出てきて、その音が響き渡る。私は1組2名様用の温泉旅行券を引き当てた。福引きの人から旅行券を受け取った私は大事に財布の中へとしまった。早くグルーヴに報告、日程を決めなくては。私は急いだ。生徒会室か花壇へ呼びに行こうと思ったが、トレーナー室に荷物を置くのが先だ、と私がトレーナー室へ寄ると彼女はいた。トレーナー室のソファーにかけ、タブレットで何かを確認していたようだ。私の大事な大事な娘。だいすきな貴女。
「グルーヴ〜っ」
私は荷物をテーブルに置き、彼女に身体を密着させて首へ腕を回す。
「やけに上機嫌だな」
「うん!聞いて〜、私さっき福引きしたの!」
一旦彼女から離れ財布から旅行券を取り出して彼女に見せびらかす。
「温泉旅行券1組2名様!日程調節していっしょに行こ?」
「温泉か…悪くない」
彼女は生徒会副会長という立場もあり、中々忙しい身である。温泉でゆっくりしてもらいたいというのも彼女を誘う理由のひとつだ。もうひとつは彼女とふたりきりの思い出を増やしたかった。生徒会業務との兼ね合いもある為、今日この場で、私たちだけの判断での調節は難しい。後日、会長サンたちと話し合い日程を決めた。隙間時間を使い、彼女とふたりで必要なものを買い揃えた。同じものや色違いにしたり、よりずっと彼女を感じられれば良い。当日の下着もペアルックにした。彼女とサイズが近いからか色違いが購入しやすいので難しくなかった。彼女は少し照れ臭そうにしてたが、当日着て欲しいお互いの服を買い合った。
159二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 12:25:20
待ちに待った温泉旅行当日。彼女と学園前で待ち合わせだ。大きい荷物と貴重品の入ったバッグを片手に、私は学園前へ向かった。到着すると、彼女がいた。
「グルーヴ、おはよ。もしかして…待っちゃった?」
「おはよう、別に待ってない」
安心した私はあいている彼女の腕に抱き着くと、できないだろと言われた。私と彼女の朝のルーティンだ。私は彼女の腕から離れ、彼女の手にしている荷物を受け取る。左耳の辺りから、髪が編み込まれていく。この短い時間がとても好きだ。あっという間に終わってしまう。編み込まれた髪が留められる。
「ありがとう、グルーヴ」
「さっさと行くぞ」
私から荷物を受け取った彼女が歩き出すのでぺったりとついていく。交通機関を使い、目的地の旅館へと向かう。
旅館に到着し、チェックインを済ませた私たちは部屋へと案内された。和室、個別の露天風呂付きだ。私は荷物を置き、荷物整理を残り続けると抱き着いた。知らない土地、ふたりきりの空間に私は地に足がついた感じがしなかった。
「なんだ?」
「なんか、落ち着かない〜」
「……荷物整理が終わったらいくらでも構ってやるから離れろ」
渋々彼女から離れ、私も荷物整理を始めた。このふわふわとした感覚は今までにはないものだ。彼女とそういうコトをした時と似ている気がした。彼女の近くにいたくて、触れていたくて、身も心も彼女とひとつになりたいと。でもどこかヘンだ。
「グルーヴ〜」
「全く……」
荷物整理を終え、私は座椅子にかけている彼女に抱き着いた。落ち着くようでまだこのふわふわとした感覚は私の中で残り続ける。彼女の首筋、胸へと顔を埋めていっても変わらない。私は自分がわからなくなりそうだった。彼女が呆れ気味に、旅行先でこうなるんだなと頭を撫でながら言った。
「知らない土地で浮足立っているんだろう」
「多分…」
160二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 12:26:10
呻きつつもまた彼女の胸へと顔を埋めた。少しでも、このふわふわとした気持ちが落ち着けばいい。そう思っているとお腹の虫が鳴いた。はにかみ、彼女を見ると昼食を食べて温泉街をまわるか?と頭を撫でられたので、うんと頷いた。彼女と昼食を済ませ、温泉街をまわり部屋へと戻ってきた。夕食の前に風呂へ入る事になり、私は荷物の中からお風呂セットを取り出し手にした。同じようにお風呂セットを出した彼女のとなりに座る。
「どっちのお風呂が良いかな?大浴場もいろんな湯があって良さそうだよね」
そう言うと彼女は少し俯いたので、顔を覗き込む。
「部屋の露天風呂だけでいい……」
彼女の手が私の手首を掴んだ。ふわふわした気持ちがまたふわふわした。ドキドキしたそれとは少し違うそれはなんだろう。
「グルーヴ…?」
「…裸の貴様を、誰にも見せたくない……」
顔を赤くしながら言った彼女の言葉で一気にそのふわふわした気持ちが上がるのを感じた。私は頷きながら、彼女の尾に尾を絡めた。長くしなやかで滑らかな毛がするり、するりと編まれていくように絡まる。あいている手を指を絡めると彼女も応えるように絡める。
「ふたりきりで入ろ、グルーヴ」
彼女が頷いた。尾と手を絡めたまま、部屋の露天風呂につながる脱衣場に入る。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part180【TSトレ】
≫148二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 13:57:57
「ではこの中からカードを1枚引いてください」
「なに?これ」
「これ...淀のマークだな」
「まさか」
「これで出たマークのレース場に行ってもらいます」
「頭とち狂ってますの?」
「いつも狂ってるじゃないですか!」
「これもしかしてサイコロとやってる事変わ」
「ストップ!!!」
≫162二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 14:06:47
マルトレ「バーカバーカ!!狭い所通れない雑魚ぉ!!」
スズトレ「煽ってないで行きましょうよ」
フクトレ「意外にこの時スズトレ冷静」
マルトレ「おっけ上に行ける。ん?あいつ帰った?ってぎゃあ゛あ゛ぁ゛ッ!?あ゛待って!!?即死!!?」
スズトレ「ブフッwwwwww」
フクトレ「マイクの耐久が不安になるぅ。スズトレの腹筋もトレーニング開始だぁ」
≫179二次元好きの匿名さん21/10/08(金) 14:16:12
「みゅーとになってますよ」
「ミュートだぞ」
「ミュートなってんよ」
「ミュートのままですよ〜」
「入れてるが!?!?」