タグ一覧
このページは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…」スレに投稿されたSSをまとめるページ(スレpart91~95)です。
SSまとめ各ページ案内
SSまとめスレはこちら
SSまとめスレはこちら
+ | part1~100 |
+ | part101~200 |
+ | part201~300 |
+ | part301~400 |
+ | part401~500 |
+ | part501~600 |
+ | part601~700 |
+ | part701~800 |
+ | part801~900 |
+ | part901~1000 |
+ | part1001~1100 |
アダルトコンテンツは乗っけると最悪wiki削除なのでやばそうだなとおもったらリンクかスレ位置を置いておいてください(主にルドトレ)
リンク例は編集画面にてコメントアウトしています。
リンク例は編集画面にてコメントアウトしています。
目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part536【TSトレ】
≫11ロブプリの人21/12/07(火) 18:56:26
思い出
チク……タク……チク……タク……
夜のトレーナー室に時計の音だけが響く。
一人デスクチェアに座って一冊の分厚い本を1ページ1ページ見ていく。
一つずつをゆっくり見ているのか、ページをめくる速度は遅く、まるで一つ一つを自らに刻み込むかのように……。
ガチャリ
「トレーナーさん、お仕事終わりましたか?……あら、トレーナーさん、何を見ていますの?」
静かな部屋のなかに新たな音が加わる。
俺の担当ウマ娘であるカワカミプリンセスだ。
今日のトレーニングを終えたが、まだ残っていたようだ。
「ああ、プリンセス、仕事は終わったよ。今は撮ってきたアルバムを見ていたんだよ」
「アルバム、ですの?もしかして、いつもトレーナーさんが撮っているものですの?」
「そうだな。いつも俺が撮ってきた写真だ。折角だしプリンセスも見てみるか?」
「ええ、トレーナーさんの撮った写真はどれも素敵ですもの。是非みたいですわ」
そう言うとプリンセスは俺の隣にある椅子に座る。彼女の指定席だ。
アルバムを彼女が見えやすい位置に置き、二人で並んでアルバムにおさめられた写真を見ていく。
「このアルバム、今年の4月からのアルバムでしたのね……」
このアルバムが今年からのものと分かると顔を俯かせる。
きっと彼女は先日のことを思い出しているのだろう。振る舞いに対する非難、それはまだプリンセスの心に突き刺さっている。
だが、だからこそ、今の彼女に見てもらいたいものがあるのだ。
12ロブプリの人21/12/07(火) 18:57:00
「プリンセス、俺としては君にこそこの写真を見てもらいたくもあるんだ」
「トレーナーさん……トレーナーさんが言うのなら信じてみますわ」
そう言って彼女の手をとって1ページずつ、めくっていく。
間に合った桜花賞での姿。阪神JFで勝ったこともあり周りから強い注目を受けていた。
楽しそうに力強く走っていく彼女。
「君は理想に向かって一直線に、楽しそうに走っているよな。見ていると気持ちよくなるくらいにさ」
「ですが、その振る舞いは他の方にとっては……」
「いや、そうでもないんだ。ほら、これとか」
「あ……」
彼女に指差した先の写真、そこには観客の写真が写ったあった。
プリンセスの走りに目を輝かせる姿。写真からあのときの歓声が鳴り響くのも感じられる、少なくとも俺には聞こえてくる。
それだけではない。1ページめくればトレセン学園でウオッカやダイワスカーレットと楽しそうに笑っている姿。
記者会見の時だって、それを見ていた人には笑顔があった。
エリザベス女王杯前のスイープと一緒に行った対談だって、確かに彼女の姿を見て笑顔になる姿もあったんだ。
「トレーナーさん……これって……」
「プリンセス、写真って不思議だよな」
「トレーナーさん……?」
「写真ってさ、昔のことの一場面を切り取ったものなのにさ、こうやって見るとあの時の想いが沸き上がってくるんだ」
そう、昔のことで薄れていきそうななこともこうやって写真を見れば改めてあの時の熱意を感じられるんだ。
こうしてウマソウルに侵食されそうな時でも、俺と私が分からなくなりそうな時でも、彼女との想いが確かに俺を成してくれるんだから。
13ロブプリの人21/12/07(火) 18:57:27
「どうかな、プリンセス。君にも何か感じるものがないかな?」
「……そうですわ、確かにあの時の歓声はあったのですのね、でも……」
だけど、やはり彼女の表情に陰りが見える。
この熱意と一緒にあるであろうその振る舞いをよく思っていないところが……
「そうだね。確かに振る舞いは良くなかっただろう。俺がしっかり導いてあげられなかったからだ」
「そんな、トレーナーさんのせいでは……」
「だけどな、そういう目だけではなく、姫の姿で熱が灯っている人もいることを忘れないでくれ」
今、この時、俺自身がアルバムで振り返るなか、感じたことでもあるんだ。
今は真っ暗な中で見えなくても、ここに確かな熱意があったのだから……。
「トレーナーさん……まだ私には分かりません……他の方に恥じないように、姫らしい振る舞いを目指していこうと思いますわ……でも……」
彼女の右手をとっている俺の手に重ねるように彼女の左手が重なる。
まっすぐに俺を見つめながら……
「でも、私を見てくれている方はいるのですのね。王子様……ありがとうございます」
ほのかな光が見えていた。
ああ、この瞬間を写真に収めたい。でも姫の手を振りほどくことなんてできるはずもなくて……
だから、心のアルバムに確かに刻み込む。
その思い出は、きっと色褪せないから……。
14ロブプリの人21/12/07(火) 18:57:44
「いいのさ。俺が伝えたかったことでもあるしな。一緒に頑張っていこうな、プリンセス」
「ええ、姫として相応しい振る舞いを身につけ、見てくれている方々にもまた返してあげたいです」
「ああ、そうだな。一緒に少しずつ歩いていこう。そしてまたみんなに見せてあげような」
「はい、トレーナーさん……それなら、もっとアルバムを見せてもらってもいいですか?」
「いいぞ。他のアルバムも一緒に見ていこうか」
二人で一緒にアルバムをめくっていく。
想いはまた見えてくる。例え真っ暗な中でも確かに見てくれる人がいる。
夜の中にも星は煌めいているのだから……。
おまけ
「あら、よく見るとトレーナーさんが写っている写真はないですのね」
「そうだなー、俺は撮ってばかりであまり撮ってもらうことはなかったからなあ」
「そうだったのですのね……トレーナーさん」
「ん?どうした?」
「私、トレーナーさんともっと思い出を残したいですわ」
「ああ、確かにそうだな……でも今の俺の姿だとな」
「そんなの関係ありませんわ。例えプリファイの姿でもトレーナーさんはトレーナーさんですもの」
「……ああ、そうだな。ありがとうな、プリンセス。それなら……」プリンセスの肩を抱き寄せる
「と、トレーナーさん……」
「最初の一枚は一緒に、な」
「ええ、そうですわ、王子様……一緒に」
パシャリ
きっとそれは最高の一枚目に違いないだろう。まだ見てなくてもそう確信している。
≫92二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 19:58:27
テイトレは激怒した
必ずかの俺をえ…えっちな目で見てくる奴らを除かねばならぬと決意した
テイトレには自分がなぜえっちな目で見られているかがわからぬ
テイトレはトレセンのトレーナーである。足を折り、テイオーにきゅんきゅんして暮らしてきた。けれどもそういう目に対しては人一倍に鈍感であった。テイトレはえっちだなぁ(しみじみ)
そこでテイトレは考えた。現状を打開するためには俗に言うわざとらしさというか意識してそういうことをすればみんな興味を無くすのではないかと。アホかな?可愛いね
テイトレは単純な男であった。頬を赤らめちょっとえっちな格好をしたり指先を震えさせながらセクシーな仕草をした。
極め付けに他トレーナーを巻き込んで百合営業もどきの事をして幻滅させようとした。疲れたので続きは誰かに書いて欲しい。
112二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 20:11:14
テイトレには竹馬の友があった。DK4である。今は此のトレセン学園で、トレーナーをしている。その友を、これから百合営業に巻き込むつもりなのだ。ほぼ毎日会っているが、訪ねていくのは楽しみである。
せくしーぽーずの余韻で乱れた服のまま歩いているうちに、テイトレはトレセン学園の様子を怪しく思った。ひっそりしている。
もう既に日も落ちて、残っているのはトレーナーだけだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりではなく、トレセン学園全体が、やけに寂しい。のんきに構えていたテイトレも、だんだん不安になって「テイオー、テイオー」と鳴き声を発し始めた。
路で逢った若いトレーナーを捕まえて、なにがあったのか、昨日はもっと残業で死んでる職員や怪異や密造職人や執行部やらが夜でも騒がしく、トレセン学園は賑やかであったはずだが、と質問した。
若いトレーナーは、劣情を抑えながらも首を振って答えず、逃げ出してトイレに駆け込んだ。
しばらくして歩いて、マヤトレに逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。マヤトレは答えなかった。
テイトレはマヤトレに抱き付くと、両手でマヤトレのからだをゆすぶって質問を重ねた。
マヤトレは、あたりにはばかる低声で、わずか答えた。
続かない
139誰か続き書いてくれ21/12/07(火) 20:52:57
「乱れた格好は、性癖を破壊します。」
「なぜ破壊するのだ。」
「えっちな格好をやめろ、と言いたいのですが、本人が気付いておりませぬ。」
「たくさんの性癖を破壊したのか。」
「はい、数多くの男性トレーナー達を。それから、女性トレーナー達を。それから、ウマ娘達を。それから、自分の担当ウマ娘を。」
「おどろいた。その変態は乱心か。」
「お、お前……いいえ、乱心ではございませぬ。自分の体をよく理解しておらぬのです。このごろは、特に酷い。きょうは、六人破壊されました。」
聞いて、テイトレは激怒した。「あきれた奴だ。放っては置けぬ。」
テイトレは、単純な男であった。服が乱れたままで、マヤトレが何かを伝えようとしたのに気付かず、のそのそ校内に入って行った。たちまち彼は、モブトレ達に捕縛された。調べられて、テイトレのバックからは百合営業に使う予定だったコスプレ衣装が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。メロスは、パラシンの前に引き出された。
「このコスプレ衣装で何をするつもりであったか。言え!」暴君パラシンは静かに、けれども下心丸出しで問いつめた。パラシンの顔はにやけ面で、この後ろくでもない目に遭うのは明確であった。
「トレセン学園を変態の手から救うのだ……そのコスプレ衣装は関係ないから返してよぉ……。」とテイトレは涙目で答えた。
146二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 21:07:31
「テイトレがか?」パラシンは、割と本気で憫笑した。「仕方のないやつじゃ。おまえには、エロさがわからぬ。」
「違うもん!」テイトレは。いきり立って反駁した。「元は男だし! えっちさくらい分かる!」「えっちな目で見るのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、お前たちだ。人の心は、あてにならない。人間はもともと私欲のかたまりさ。信じては、ならぬ。」パラシンは落ち着いてつびゃき、ほっと遠い目で溜息をついた。
「私だって、平和にえっちな感じを望んでいるのに。」
「なんのための平和だ。変態を野放しにしていいのか。」こんどは、テイトレが嘲笑しようとした。「罪の無い人が変態呼ばわりされて、なにが平和だ。」
「だまれ、元凶。」パラシンは、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかなことも言える。わしには、ひとの腹綿の奥底が見え透いてならぬ、おまえの担当だって、愛知愛知コスプレ姿をみれば、襲い掛かるだろう。その時になってから、泣いてわびたって写真しかとらぬぞ」
「ああ、パラシンは悧巧だ。うぬぼれているがよい。テイオーは、そんなことはしないのに。ただ、──」と言いかけて、テイトレは足元に視線を落とし自身の生足を見て瞬時ためらい。「ただ、私に情けをかけたいつもりなら、とりあえず介抱してください。これから、ブラトレの元へ百合営業にいき、俺のえっちという風評を払ってやるのです」
「ばかな。」とパラシンは、思わず素でいった。「とんでもないことを言うわい。百合営業でなんでえっちさが払われるんですか」
「そうです。払われるのです。」テイトレは周囲のモブトレの視線に怯えながら、必死で言い張った。「俺は約束を守る男です。とにかく、今だけは介抱してください。百合営業で、なんとしてもえっちさを振り払うのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、マヤトレをとりあえず代わりに置いていきます。私のたぶん無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、ここに帰ってこなかったら、あの友人をかわりにしてください。たのむ、そうして下さい。」
かわりになるわけないだろ。パラシンは、思わず素でそう言いかけたのをぐっとこらえ、残虐な気持ちで、そっとほくそ笑んだ。生意気なことを言うわい。でもここで離したら本当にそのままブラトレのところに百合営業に行きそうだし、そっちのほうが面白そう。
168二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 21:29:51
パラシンは困惑しつつも考えた。このテイトレに騙されたふりをして、放してやるのも面白い。そうして、とりあえず一旦はマヤトレを捧げれば、周りのモブトレもしぶしぶ矛を収めるだろう。そうして、ブラトレとの百合営業(笑)を見届けやるのもいい。テイトレは、これだからえっちなのだと、わしは悲しい顔して、その場の写真を撮ってやるのだ。世の中の、理性で自分を縛ってる正直者とかいう奴輩にうんと見せつけてやりたいものさ。
「願いを、聞いた。マヤトレを呼ぶがよい。それから、ブラトレの元に百合営業に行ってこい。でもえっちさは、結局払われないと思いますよ、いや本当に」
「なに、何をおっしゃる。」
「はは。えっちさを拭いたいなら、精々頑張ってきてください。どうせ無理ですよ。」
テイトレは口惜しく、とてとてという擬音がしそうな勢いで地団駄踏んだ。ものも言いたくなくなった。
竹馬の友、ブラトレは、深夜、トレーナー室で仕事をしていた。暴君パラシンが笑いをこらえてる中、佳き友と佳き友は、数時間ぶりで相逢うた。テイトレは一切の事情を語った。ブラトレは無言で首を振り、テイトレの頭を本気で心配した。友と友の間は、それでよかった。ブラトレは、パラシンとモブトレ達の手により縄打たれた。それじゃあそういうことでと録画機器だけおいてパラシン一行が去ると、テイトレは、すぐに実行した。初冬、満天の星である。
テイトレはその夜、とりあえずおでこに投げキッス(マヤトレ直伝)から始めた。
≫133二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 20:44:44
???
「…何かしらここ?」
…私ことキタトレは、ふと気づいたらとある何の変哲もない部屋の中にいた。
「また怪奇現象ね…相変わらずだわ…」
このトレセン学園にて前から散々起きていることにそろそろ慣れてきているのを自覚しつつ、部屋の中を見回す。
…ドアのついた少しだけ暗めの部屋で、隅に置かれた台の上にはいい匂いを発するアロマと、音楽の流れ続けるミュージックプレイヤー。
その部屋の中央にはダブルベッドが置かれ、肌触りのいいブランケットとシーツがふかふかのベッドの上に掛けられていた。
枕と抱きまくら、何なら当然のように寝間着すら完備され、装飾とプロジェクターの置かれた謎の部屋に
「…?」
となったのは流石に許してほしい。
「本当に訳が分からないわ…。カメラとかがついている訳でもないし、かといってドアの鍵はかかってるし…」
…連絡を取ろうと思っても、どうやらウマホは起動しない。仕方ないと思いつつ、電源コードの繋がれたプロジェクターを起動した。
「…部屋の見取り図と…ってユニットバスもあるのね…それとアロマとかの効能?で…何も気にせず休んでほしい??」
…最後にゆっくりおやすみとだけ映された画面は、星空のような美しく風景画像へと変化していた。ガチャリとドアの鍵が開く音がする。
その先にあった洗面台やらトイレやら浴槽やら、色んなものが整備された部屋にそろそろ困惑してきた。
「何をさせたいのよ…?まさか本気でただ寝てほしいだけとかかしら…」
…真面目にそんな気がしてきた私は、ふと先程のプロジェクターをもう一度見る。…同じ映像だが、どう見てもここで寝てねとばかりだった。
134二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 20:44:58
「まあいいわ…。なら寝てみるとしましょう。」
…寝間着に着替えて、ベッドの上に寝転がる。とても寝心地のいいベッドは、体への負荷を最小限にしてくれる。
「これはいいわね…」
暖かいブランケットをかぶり、ついでとばかりにおいてあったパカぷちのような抱きまくらを抱いてみた。…いい匂いがする。
「…」
リラックス出来るアロマの香りとスリーピングミュージックを、ウマ娘になったことで感じとりやすくなった感覚で感じる。
「…」ウトウト
(たまには悪くないかも…しれないわね…)
「…zzz」
…そうして、私は深く眠った。夢の中で、うふふ…というひそかな笑い声は聞こえた気がした。
───目覚めた時、トレーナー室で私は寝ていたのだと自覚した。あの部屋で寝ていた…?ように覚えているはずだが…
「…まあいいわ。さて、スッキリしたし仕事と行きましょう。」
…あの部屋においていたのと同じアロマ(ミニ)が置いてあることに、私は特に違和感なく感じて動き出したのだった。
体力が回復した!
やる気が上がった!
不思議な夢アロマを手に入れた!
短文失礼しました
アロマ邪神によるキタトレ休眠ネタです。何となくこうやって自分が用意した空間でゆっくり眠らせてそう。(注、個人のイメージです)
ちなみにこのスヤスヤ概念ですが、担当ウマ娘と合わせて部屋にほりこんでもよし、一人でじっくり居させてもよしと汎用性がありそう。
さあ皆もこの部屋に入ったトレ達がどんな感じで動いたり眠ってるのか考えてみようぜ!(このネタ出した人、ありがとうございます。)
≫152二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 21:10:58
久しぶりに
パラデスメタル「グスッ...グスッ...」
マクトレ「仕方なかったって奴だ、パラカスは悪くない...」
パラカス「でも...私のせいで...テイトレさんが...私が気をつけてさえいれば...」
────────────
朝
おはようございます!パリエステルです!
今朝、コミケで知り合った友達から荷物が届きました!
中身はコスプレ衣装と手紙です!手紙は後で読むとしてコスプレ衣装を先輩方に御裾分けに行ってきます!
───────
テイトレさんおはようございます!
カッコいい服有るんですけど着てみませんか?
カッコイイフクナラマア
ワタシハエンリョシトキマスハ、パクパクデスワ
──────
手紙
お久しぶりです元気にしていますか
中略
コミケの新作コスプレが出来たのでそちらに送ります。
今回はナースです
丈が短かかったら自分で直してください
あなたの友人より
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part537【TSトレ】
≫103次元好きの匿名さん21/12/07(火) 23:16:43
「ど、どうかな、テイオー……」
潤んだ瞳でテイオーを見つめるテイトレ。恥ずかしげにナース服の裾で隠そうとするも、ちらちらと見える太ももがテイオーの理性を焦がす
目の前にぶら下げられた据え膳。食わぬは恥と獣欲が訴える
助けてカイチョーと姿を思い浮かべるも、心のシンボリルドルフはちょっと悩んだ末に無言で親指を立てた
そしてテイオーは────
113二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 23:23:33
────耐えた。
テイトレは別にキレなかった。
うまぴょいうまぴょい
114二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 23:24:03
「……か、可愛いよ!似合ってる!さ、さっすがボクのトレーナー!」
───耐えた。鋼の意志が発動したのである。というかスパダリ因子。
後マルトレに対するマルゼンスキーの耐えっぷりを思い出して何とか踏ん張った。テイオーは今度耐えてる組で作戦会議でもしようかと本気で考えた。
≫156二次元好きの匿名さん21/12/07(火) 23:52:48
アルバム
トレーナーがウマ娘になったばかりの頃、ミーティングをしていた時にトレーナーのアルバムを見せてもらった事があった。
そこに仕舞われていた写真は、どれも担当したウマ娘が学園を去る時に撮ったものばかりだった。
写真に写るトレーナーの顔はどれも笑っていた。
だが、その全てが酷く悲しそうに見えた。
本人曰く、思い出として残しているというのもあるが、自分の失敗を忘れない為に残すようにしているらしい。
「担当との思い出をそんな事に使うなんて酷い奴だろ。」
そう言って自嘲する様に笑ったトレーナーの顔を今でも良く覚えている。
そんなアルバムに、この前一つ写真が増えた。
私と初めて重賞を取った時の写真。
それに写っているトレーナーは、いつも私に見せているような難しい顔ではなく、他の写真のような悲しそうな笑顔でもなかった。
そこには、顔がぐちゃぐちゃになるほど泣きながら幸せそうに笑っている、そんなトレーナーが写っていた。
≫169二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 00:24:07
愚かな言うっちまう民への…私からのささやかなプレゼントです
- まあいいでしょう
- どうぞご勝手に!その概念はもう用済みです!
- 愚かな言うっちまう民への…私からのささやかなプレゼントです
- (性癖で)争い合え言うっちまう民ども!勝利した者は生かしてやろう!さあ…始めるのだ!
- 今の気分に相応しい絵を見に行きましょう
- なんと刺激的なSSだ…
- 馬鹿な奴め!お前は誤字を直すたった一度のチャンスを無駄にしたのだ!
- まさかタイトレがタイシンの性癖を破壊するとは…彼はトコトン私を楽しませてくれますね
- …とでも言えば満足ですか?
- あなたは言うっちまうの世界に存在する価値がある…
- ともに新たな概念を創りませんか?
- 朝の小鳥のさえずりが人々の歓声に変わる…楽しいと思いませんか?
- なかなか面白いSSでした
- いわばあなたは私のトレーナーの提唱者なのです!あなたに感謝しましょう
- 提唱者である私の前で口をきいていいと言いましたか?(尊死)
- さあ書きなさい! さもないと私が…フヒヒ!
- だーけーど! これでこのトレーナーの最初のSSは私のものだァ!!(投稿)
- 一々うるさい!!(照れ)
- まずはその伝説のトレーナーから書かせていただくと…し!ま!しょ!う!かァ!!
- 貴様らァ! よくも性癖を破壊したなァ!!
- フ…やはりあなたには効きませんか
- ああああイライラするゥ! お前ら! グズグズしてないで早くタイシンの性癖を破壊しろ!!
- (描いても良いかなど)一々当たり前の事を聞くなァ!!
- 誰にものを言っている! メカ邪龍がァ!!
- 曇らせるメカが…消え失せろ!!
- 私は死なん…この性癖同様不滅だ!
- 私の長編はここから始まるのだ…
- 頭サイゲ野郎の御前だぞ! 平伏せぇえええええ!!!
≫176二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 00:47:28
「パーマー!今日のトレーニングはここでフィニイイイッシュよ!!お疲れちゃんちゃん焼き!!」
「お疲れトレーナー、……申し訳ないんだけど」
「ナニナニ?どしたのん?」
「ちゃんちゃん焼き、ってなに……?」
「거짓말이지(噓でしょ)!?」
「トレーナー何でいきなりハングル!?」
そんな他愛ない会話を繰り広げる私達。知り合った最初は面食らったけど、今となっては慣れたもので。
「Il était évident pour moi que mon bon sens n'était pas leur bon sens. ......Je suis un idiot.」
「ハングルの直後にフランス語って凄い急転換っぷりだねトレーナー」
「パーマーには分かるからいいのよ」
「確かに分かるけどさ」
テンションが上がるとトレーナーはいつもこうだ。その時のテンションに合わせてノリを変えてくる(というか最早人格さえ変えてる気さえしてくる)。最も、親しい相手以外にテンションを上げることもなければ相手に分からないノリを出してくることはないけど、それはそれとしてそこそこに疲れる
178二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 00:47:58
「さあ!敵はカラオケ屋にあり!!!いざ出じ」
「はいストップね」
我が世の春が来たとばかりにはしゃぐトレーナーさんの次の言葉を静かで柔らかな声が遮る。私達がそちらの方を向くと、そこにいたのは葦毛褐色のウマ娘。フジキセキ担当トレーナーだった
自らの大親友(9歳差だけどね)を見つけたトレーナーさんはそちらへくるりと向き直り、いつも通りに言葉と呼ばれるノリをつなげていく
「あらなにかしらフジトレ・ザ・マイブラザー。あたし達はこれからひと夏のアバンチュールにしゃれ込むゴキゲンな蝶になるのだけど」
「うんそれは良い事なんだけど。ハイこれ」
いつも通りにお茶らけているトレーナーさんを他所に、フジトレさんはテーブルにバンッと書類を叩きつけた
その瞬間、書類を見たトレーナーさんの顔がみるみる内に青褪めていく
「チーム・スプラウトの新人ちゃん関連の登録書類。元は君の担当だった子なんだから引継ぎ含めて書いといてって言ったよね?」
「アッ……」
チーム・スプラウト。私のトレーナーさんがフジトレさんと共同運営しているチーム。このチームの形態は少し特殊で、今までトレーナーさん達が担当してきた子達の中からもう自分たちが担当しなくてもいいくらいに安定するようになった中から本人の承諾が得られた子を、新人トレーナーに任せて、新人トレーナーを育成するためのチーム
まあそんなチームであれば当然引継ぎの際には諸々手続きがいるわけだけど、このトレーナーさんは今の今まですっかり忘れていたのだ。うん、そういうとこあるよねトレーナー
「え、えーっと、その書類来週迄じゃなかったかしら?」
「今日だよこのうっかり野郎」
そう言うフジトレさんの顔には青筋が浮かんでいる。トレーナーのうっかりで色々てんてこ舞いになったんだなあというのが言わずとも分かる。こんな風景見るの何回目だったっけ
「と、いうわけで急ピッチでやってもらうからね」
語尾はあっかるいがお腹の中は真っ黒なのが丸わかり。トレーナーの逃げ場は最早どこにもなく。
「パアマァアアアアアお助けえええええ」
そんなことを言いながら引きずられていくトレーナーさんを見ながら、私は因果応報を自らの身で表したトレーナーに合掌したのでした。
179二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 00:48:19
「お、おまたー?」
で、そんなこんなで、ゾンビのような風貌になりながらトレーナーが来たのはカラオケが始まってから1時間後だった。息切れしてるところから急ピッチで書類を書き終えてダッシュで来たのだろう。外出用の赤いワンピースも心なしかちょっとしわが入ってるように見えた。
「あ、パマトレさんおつありーっ!!いやー、パーマーから聞いたけど、書類忘れてフジトレさん激おこだったんだって!?」
そんなトレーナーを見かけたヘリオスが歌を中断して声をかける。大きくない部屋の中にマイク越しの声が反響してキンキン響いた。
「そーなのよーマジぴえんって感じー」
それを聞いて、トレーナーはわざとらしく顔をすぼめて肩を落としてしょんぼりしてみせた。
「いやー激おこのフジトレさん鬼ヤバっしょー。ウチも一回だけ見たことあるけどあれマジえぐいって……」
「アハハ、でしょでしょ。毎度その度にアタシ肝がスモールになっちゃうわよ。イッツアスモールリバー。でも毎回うっかりやっちゃうのよねー。なんてしたくてしてるわけじゃないけど雨後の筍山椒の子ってかんじでもう無限湧きスライムよ」
「それな!なんでうっかりミスってしちゃうんだろー……」
トレーナーはヘリオスといつも通りのテンポで会話を繰り広げると、ヘリオスから渡されたトレーナーの分のドリンク(多分オレンジジュース)をグビグビと飲み、席に着いた。
180二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 00:48:49
「まあ最近はウマ娘になったおかげでフジトレちゃんも大分柔らかくなって個人的には安心してるけどねぇ」
そういうと、一息ついたらしいトレーナーはコップにわずかに残ったジュースを飲み干す。
「あ、そうだったんだ」
意外だったから思わず声が出た。フジトレさんがウマ娘になってから健康体になったのは耳にしてたし、実際同じチームだったから目にもしてたけど、そんなに変わってたとは分からなかった。
「そうそう、前はこう、なんていうか神経質でしょっちゅう笑ったまま傷ついてたりしたんだけど、ウマ娘になってから大分気にしなくてよくなった分明るくなってねえ。失くしてた青春取り返してる感じがしてあたしとしてはとても嬉しいのよ」
感慨深そうにトレーナーさんはつぶやく。いつものテンションでもないから、実際かなりトレーナーさんとしては嬉しいのだろう。
「へぇー。ザ・人に歴史あり!的な?」
その言葉に興味津々だったのはヘリオス。明らかに目を爛々と輝かせて、流れていた歌も完全に頭から抜けてもう次の話を聞く態勢になっている
「ええそうなのよー。フジちゃん担当する前とかもう凄かったのよー。笑顔が顔に張り付いてる感じというか、諦めが染み染みだったっていうか……」
「ナニソレ!!気になる気になる!!もっとプリーズ!!!」
「興がマシマシ期待はカタメね。折角だから暴露大会と行きましょうか?」
お互いテーブルの上に身を乗り出してノリまくっているせいで、このまま放っておくと完全にカラオケすっ飛ばしてフジトレさんの過去話に移りそうな予感がする。これは止めなくちゃ。
「それはちょっとフジトレさんにも悪いからナシじゃないかなー」
「あら残念」
私が止めると、体を元に戻した。ヘリオスもそれに倣うように椅子にちょこんと座っている。
181二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 00:49:03
……さっきまでの話を聞き、私はふと思い出す
トレーナーは「そっち」の人だった
フジトレさんはウマ娘化現象の発生以来、心の奥底でウマ娘になりたいと思っていたらしい
生まれつきついて回る疫病神の如き虚弱体質、その影を振り払える一筋の希望として。
じゃあ、目の前のトレーナーは?
体に合わない性別。それに付きまとってきたであろう偏見、おそらく20数年
そんなことを考えている私に気付いたのか、ヘリオスも黙ってこちらをじっと見つめている
……覚悟は出来た
あの日以来、ずっと聞いてみたくて聞けなかったこと
「そういえば、さ」
一呼吸置いて、聞いてみる
182二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 00:49:14
「……トレーナーはウマ娘になりたい?」
「いやどっちでもいいわね」
183二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 00:50:12
予想外の即答。思わず漫画でもないのにコケてしまいそうだった。
いやNOはあり得るとは思ったけどこんな何事もないことみたいにあっさり言われるとは思ってなかった
ヘリオスですらそうだったのだろう。普段は見せない、これ以上ない「あんぐり」顔を見せている。
「昔だったら違ったんだろうけどねー。今はこの体結構楽しいのよ」
そういって両腕を広げて見せるトレーナーさんに大して、思考停止しそうになった
「具体的にどこが?」
「フジトレちゃんみたいに健康的実害があるわけでもないからねぇ、なんか濃い顔で女装すると中々愉快なことじゃない?それがいいのよ」
『え?』
さらに予想外の返答が返ってきて、今度はヘリオスと声が重なった。
そんな私達はどこ吹く風と言った感じで、あ、これアタシだけだけどね?と言いながら、トレーナーさんは続ける。
「いや、こう、アタシがこういう体じゃなかったら、こういう可笑しみというか面白さは生まれなかったでしょ?昔はいやでいやで仕方なかったんだけど、ある時ふとそれに気づいてね。で、試しにやってみたら中々楽しくって。これがアタシの個性なんだーって思って。それ以来なんていうか愉快痛快世界はハレルヤってなっちゃって。で、それでどれだけ面白く楽しめるか追及するようになって。で、こう、すね毛腋毛はしっかり脱毛して清潔感をだしつつ不快感を減らして、まあ男女オカマ以前の人としてのエチケットよね、で色々面白いけど奇天烈になりすぎないラインのファッションを開発して……で、ここにいるのよ」
いつも通りのマシンガントークで、一息。私達は完全に言葉がない。
色々と予想外というか超然としすぎている。
「いやーおかげで楽しいわよー。アタシイケメンは好きだけど恋愛感情ってそんなないからそこを気にする必要もなかったってのもまあこんなこと出来た理由かしら。ま、他のオカマ仲間に同じことする奴にはそろってパイルドライバー!fatal K.O!!!を決めたけど」
身振り手振りをつけながら、コミカルにトレーナーは話す。好きな料理を語る感覚で物凄いことを口走ってませんかこの人
184二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 00:50:43
「ま、あたしは男性の体に女心が注入されるのなんてSSRだから、折角だし楽しもうって思ったら予想異常に楽しかったのよ。私を笑ってくるやつらも貫き通してついでに実績もあげたらいつの間にか静かになってたわ。いやー痛快痛快。ま、なったらなったで全力で楽しんでやるけどねー」
トレーナーさんの話はそこで終わったらしくふう、と一息ついた。
その場はしーん、と静まり返る。
そんな中、あっけに取られたまま拍手するのが一人。
ヘリオスだった。
「なにそれパマトレさんマジヤバい!パネ過ぎ!!」
「なんというか、相変わらずとんでもないね、私のトレーナーは」
手を叩いて賞賛するヘリオスを見て、私はなんというか色々なものが混じった言葉を漏らす。
「あったりまえでしょ、伊達にG1バカスカ取ってないわよ!」
そして誇らしげにブイッと左手を突き出したトレーナー
「全体の勝利数は低い方だけどね」
それにこう無粋な指摘をすると、今度はうぐぅっと俯いた。
そんな中、今度はヘリオスが何かに気付いたらしく、ポンポンとトレーナーの肩を叩く
「そだそだ、パマトレさんパマトレさん」
「なんじゃい、ヘリオスさんや」
反応して顔を挙げたトレーナーに、今度はヘリオスが聞いた。
「そーいうことならなんでトレーナーになったん?タレントとかの方が向いてくない?」
ヘリオスの当然の疑問。
「そりゃ決まってるじゃない」
それを聞き、トレーナーさんはニヤリと笑う。
「誰も、当の自分すら期待してなかったような子を鍛え上げて……あっ、と言わせる。これ以上に楽しくて愉快なことがあるかしら?」
ほー、と言葉を漏らすヘリオス
「丁度昔のパーマーとかね」
今度はこっちが痛いところを疲れてうぐっとなる番
トレーナーが担当になってから今まで、本当にトレーナーには迷惑をかけた覚えしかない
「その際は迷惑かけました……」
「いやー楽しかったからいいのよ。あ、もちろん今も楽しいからそこは勘違いしないように」
185二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 00:51:28
そう言ってくれてはいるものの、申し訳なさというのはどうしても無くならない。
「はーい……」
ふと、トレーナーが時計に目をやる。私もつられてそちらを見ると、トレーナーが到着してから10分くらいが過ぎていた。
「あらやだ結構時間使っちゃってたわ!!!さあ歌うわよ!」
そう言ってトレーナーはマイクを手に取る。選曲は「ヴァンパ〇ア」。こういう時にしっかり今どきの曲を選んでくるのもトレーナーらしい。失礼だけど、本当に失礼だけど、42歳とは思えない若々しさだなあ。
そんなトレーナーさんに気付いたヘリオスがタンバリンを手に取って振る。シャンシャンという音が、カラオケの再開を告げていた。
「よーし!パマトレさんもアゲてってー!!うぇーい!!」
「ゥウェェェェイイイッッッ!!!!」
186二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 00:51:38
そうして楽しい時間は過ぎていった。
そして、次の日、連絡が入った。
「トレーナーが車に撥ねられた」
と
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part538【TSトレ】
≫18二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 02:39:14
温々なサトトレさんとグラトレ(独)
グラトレ「今日は中々に冷えますね~」
随分と冷え込んだ冬の日、この様な時はグラスを抱き締める事で暖を取りたい所ですが……
グラトレ「今日は友達と一緒に過ごすのでしたね……」
どうやらグラスは友達の勉強を見てあげないといけないらしく、トレーニングの時間まで来れないとの事です。
正直な所、少々面白くありませんが……仕方ありません。
そんな時です、生徒に抱き着かれているサトトレさんを見掛けたのは。
サトトレ「ふぅ……これで最後かな?」
グラトレ「あらあら、サトトレさんご苦労様でした〜」
サトトレ「えっ? あっ、グラトレさんこんにちは」
グラトレ「ええ、こんにちは~」
サトトレ「それで、どうされたんですか?」
グラトレ「いえいえ、サトトレさんが何やら生徒の方に抱き締められていましたので、少々気になってしまいまして〜」
サトトレ「あっ、その事ですか、実は……」
19二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 02:39:42
グラトレ「なるほど……なるほど……湯たんぽの様に扱われておられる……と?」
サトトレ「はい、僕はちょっと体温が高めだからか寒くなるとこの様に皆さんハグして来るんですよね」
グラトレ「ふむ……お手を借りても?」
サトトレ「ええ、良いですよ」
グラトレ「なるほど……これは温かいですね~」
サトトレ「ですかね?」
グラトレ「ええ、ええ、彼女達の気持ちも分かるというものですよ~」
サトトレ「でも、僕はちょっと恥ずかしいですけどね」
グラトレ「あら、そうなんですか?」
サトトレ「僕も一応男ですからね……」
グラトレ「……なるほど」
サトトレ「まあ、慣れましたけどね」
グラトレ「あらあら、ご苦労様です」
彼も元は男性……容姿端麗なウマ娘達に抱き着かれるのは落ち着かないのだろう。
……しかし、この温かさは確かに魅力的である……俺も頼んでみようかな?
グラトレ「……サトトレさんに一つお伺い致しますが、私も頼んで宜しいのでしょうか?」
サトトレ「グラトレさんも?」
グラトレ「ええ、ええ、話を聴いていましたら私も頼みたくなりまして〜」
サトトレ「そうなんですね」
グラトレ「無理にとは言いませんので〜」
サトトレ「いえ、大丈夫ですよ」
グラトレ「良いのですね? ありがとうございます」
サトトレ「ええ、良いですよ、どうぞ」
そう言ってサトトレさんはこちらに手を差し出して来ましたが……折角ですからしっかりとお願いしたいところですね。
20二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 02:40:07
グラトレ「……いえ、折角ですので私のトレーナー室でお願いしても宜しいでしょうか~」
サトトレ「えっ?」
グラトレ「羊羹くらいしかお出し出来ませんが、サトトレさんにお礼としておもてなしさせてください」
サトトレ「そ、そんな大丈夫ですよ!?」
グラトレ「いえいえ、頼むのですからこれくらいは当然ですよ~」
サトトレ「いや、そんな」
グラトレ「まあまあ、私が自作した羊羹をサトトレさんに食べて貰い、感想を言って欲しいのですよ〜」
サトトレ「そ、そうなんですか……それでしたら」
グラトレ「重ね重ね頼み事ばかりで申し訳無いですね……」
サトトレ「いえ、大丈夫ですよ」
グラトレ「ではでは、私のトレーナー室へ向かいましょうか~」
……と、いうわけでサトトレさんをトレーナー室へと招待するのでした。
サトトレ「……失礼します」
グラトレ「どうぞ〜……サトトレさんは炬燵で寛いでいてくださいね〜」
サトトレ「あっ、すみません、わかりました」
グラトレ「炬燵ですが、ちゃんとコンセントが刺さっているか確認してくださいね〜、私はたまに忘れるので~」
サトトレ「……大丈夫ですよ」
グラトレ「……何故でしょうか、啞然とされている気がするのですが……」
取り敢えずサトトレさんのは炬燵で寛いで貰っている内に俺は冷蔵庫の中から羊羹を取り出し、皿の上に切り分けて爪楊枝を二本用意する。
そして湯呑に熱めのお茶を淹れ、羊羹と共にお盆に乗せ炬燵の上に運ぶのでした。
21二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 02:40:34
グラトレ「どうぞ〜、擦り林檎を混ぜた羊羹ですよ~」
サトトレ「あっ、ありがとうございます」
グラトレ「……では、では、早速暖を取らさせて貰っても宜しいでしょうか?」
サトトレ「あっ、はい、わかりました、今炬燵から出ますね」
グラトレ「いえいえ、サトトレさんはそのまま炬燵に入っていて結構ですよ~」
サトトレ「え? ですけど……」
グラトレ「大丈夫ですよ~」
そう言ってサトトレさんの後ろから抱き着く様に座らせて貰う。
サトトレ「ええ!?」
グラトレ「そして、こうして……ドテラを上から羽織れば……ええ、ええ、これは良い温かさですね〜」
サトトレ「ちょっ、グラトレさん!?」
グラトレ「あら、生徒の方には抱き着かれていたではないですか~」
サトトレ「それは、そうですけど……」
グラトレ「元々は男の私でも緊張されるのでしょうか?」
サトトレ「緊張しますよ……」
グラトレ「ふむ……ですが、不特定多数の女性から抱き着かれるよりは良い状態と思いませんでしょうか?」
サトトレ「……そうですか?」
グラトレ「ええ、容姿端麗な生徒の方々から抱き着かれるよりも私の様な……胸もあまり大きく無い、元が男性だと分かっている存在から抱き着かれている方が気が楽だと思いますよ~」
サトトレ「……いえ、やっぱり恥ずかしいですよ」
……流石に簡単には流されませんね……この様な時は……話題を変えて押し切るに限ります。
22二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 02:41:06
グラトレ「まあまあ、それより羊羹でもどうぞ……はい、あ〜ん」
サトトレ「ええっ!? べ、別に自分で食べれますよ!?」
グラトレ「これもおもてなしですよ~……はい、あ〜ん」
サトトレ「い、いえ、大丈夫です!」
グラトレ「……って、あっ、落ちる!!」
サトトレ「えっ!? あっ、くっ!」
……パクッ
グラトレ「……如何でしょうか~」
サトトレ「……美味しいです」
グラトレ「ふふっ、口に合った様で何よりですね〜、もう一つどうぞ〜」
サトトレ「じ、自分で食べれますから!」
グラトレ「……では、もう一度落としそうになりますね~」
サトトレ「……わかりました……食べさせて貰います」
それから、観念したサトトレさんに羊羹を食べさせながら、サトトレさんを後ろから抱き締めて温々と過ごすのでした……
23二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 02:41:31
サトトレ「……あの、まだ離さないんですか?」
グラトレ「あら、まだ、サトトレさんにお時間は有るのでしょう?」
サトトレ「そうですけど……」
グラトレ「ふふっ、私は気に入ったものは手放したく無い性分でして……サトトレさんのお時間が来るまで付き合って貰いますよ〜」
サトトレ「えぇ……」
グラス「……何をされているのでしょうか、トレーナーさん?」
ダイヤ「探しましたよ、トレーナーさん?」
サトトレ「ダイヤ?」
グラトレ「グラス? 友達との勉強はどうしたのでしょうか?」
グラス「何やら予感がしたので早めに切り上げさせて貰いました」
ダイヤ「私はトレーナーさんを探していましたら、そちらの方でグラスさんと出会いまして」
サトトレ「ごめんねダイヤ」
グラス「……それで何をされていたのでしょうか、トレーナーさん?」
グラトレ「………………おや?」
グラトレ「……さてさて、どうしましょうか」
サトトレ「……まあ、お互いにレースの知識を話し合い高め合うという事でどうですか?」
グラトレ「……ええ、そうしましょうか」
サトトレ「離して貰えない様ですし……」
グラトレ「そうですね……」
その日、帰宅時間まで担当ウマ娘に抱き締められたままのトレーナーが二人程いたそうな。
うまぴょいうまぴょい
≫52二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 08:30:57
───トレセン学園、某所にて
「ふむ…」
「…なに見てるのさファイトレ」
…写真を片手に考えていたファイトレの肩に置かれる手、ベガトレは同じ元女子組であるファイトレに遠慮なく触る。
「ベガトレか、何、この写真を眺めていただけだよ」
「…これ、オーロラじゃん、凄い綺麗だわ。」
「太陽風が発生させる神秘的な光景だからね。…いつか直接見にいってみたいものだよ。…勿論、ファインは連れて行くとも。」
「…でも気が遠くなりそうねえ、こういうのって見れる機会は限られるんでしょ?」
「実はそうでもないんだ、一番よく見える地域なら半年以上、つまり夜になればほぼ見えるものなんだよ。」
「へぇ〜、それは知らなかったわ。じゃあ長い休みにベガを連れて見に行けるわね」
「はは、カナダ北部とかスウェーデンとか外国じゃないと厳しいけど大丈夫かい?」
「う…」
「まあ機会があれば私も行くつもりだし、一緒に行くとかいうなら私が翻訳でもするよ。」
「頼もしいわ、これが外人…!」
「…私とファインはまったく基準にならないわよ?片や高貴な姫様、片やトレーナー兼護衛だからね。」
「あー、アイルランドから来てるもんね。ん───ファイトレさん、少し質問が」
「…アルちゃんか、何かな」
「イギリスとアイルランドって近いですけど、繋がりでもあるのでしょうか。」
イギリスの名を聞いた瞬間、ファイトレの動きが止まる。困惑するアルにファイトレは表情のない顔で話した。
「…いいかいアルちゃん、間違えてもイギリスの事をアイルランドとかで触れてはいけない。…最悪、死人が出る。」
「え?」
「話したのが関係ない私相手で良かったよ。後で資料は送ってあげるけど、英愛間の仲は悪いとかそういうレベルではないんだ。」
「だからこの話というか、外人にこの手の地域の話をする時は注意してくれ。…分かってくれる?」
「…分かりました、でも恐ろしいですね…。───そういや、ファイトレはどこ出身よ。関係ないって言うなら」
53二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 08:31:51
…髪をかき分けてベガトレが前に出る、ファイトレは動じることなく話す。
「…そうだな、秘密、とだけしておこう。そもそももう私はとうに縁を切っているからね。もはや生まれは関係ないよ」
「えー…」
「私如きの過去よりも、今の方が重要さ。それに、私はもう寂しいとは思わないからね、こんな友人もいることだし。」
「…この美人め、褒めたって何も出ないよ!…というか、最近体付きがよくなってない?この胸とか。」
「…デリカシーのない友人とでも言ったほうが良かったかもしれないね」
「流石に直球はひどくない!?」
…どうやら、二人とも退屈はしていなさそうだった。
短文失礼しました
ベガトレとオーロラで外国行かない?って話をするファイトレです。アルちゃんも外国には興味ありそうだから色々教えてあげるね…
皆も外国、ことこういうのは一歩間違えたら大惨事になるから気をつけよう。でも真面目に考えてみるとファインの立ち位置がやばい(ヤミナベス女王杯ェ…)護衛が下手するとガチでいるのもむべなるかな
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part539【TSトレ】
≫51二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 17:56:29
──某日、とあるアパートにて
(ふう、しかしここはどういうところだ…?)
…我はアジサイ、その中の一体である。さて、このふちゅうを歩き、休憩がてら寄ったのがこのアパートだった。
(窓が開いているから入ったはいいが…)
…我はふと、美味しそうな匂いが漂っていることに気づく。ここの家主はどうやら料理中らしい。
音を立てぬように動き、ちらりと台所を見た。
…くせっ毛のウマ娘が鍋を沸かしている。その近くには…
(何だあれは?…うどん?にしては太すぎる…)
謎の白く長い麺が置いてあった。我は思わず気になって身を乗り出す。
…それが命取りだったのか、気づいたら我は…
「…何だこいつは?」
…家主であろうウマ娘に首元を抑えられていた。右腕一本で完全に抑え込まれ、じたばたともがくが離さないどころか圧が強まる。
(まずいまずいまずい!?)
「…駆除するべきか」
底冷えするほどに感情のない顔、ギリギリと万力で締められるように首がしまる。左手の指が押し当てられた所で…
「待って…くれ…話を…」
離してはくれぬものの力が弱まる。見定めるような冷たい瞳に見据えられながら我は知っていることの大半を喋り始めた。
…ここの家主、いや、ファイトレ殿とやらは存外聞き分けはいい人であった。
「…本当にすまない、メカ邪龍って呼んでるやつの亜種かなんかだと思ってね。思わずやってしまいそうになった。」
(…え?我、少し判断が遅れてたら調理されて喰われたの?)
…先程の我にものすごく感謝しながらも、肝をひやしながら彼女と話す。一応疑ってはいるようだが丁寧な謝罪もしてくれた。
「…流石にこのままと言うのは私が申し訳ない。そうだな、先程用意していたうどん、あれを振る舞うとしよう。」
「…有り難い」
「気にしないでくれ。お詫びだよ。」
そう言いながらも麺を茹でる彼女。手慣れているような動作で麺を取り出すと、素早く湯切りをしていた。
一本だけの麺を安定して湯切りする彼女。ついでに胸についているものも若干揺れているが努めて無視した。
「…お待ちどおさま。」
「おお…美味しそうだ。」
「…なら、私も食べるとしよう。」
52二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 17:56:56
彼女が視線を外して食べるのをよそに頂く。温かいうどんつゆにつけられたそれは味が染み込んでおり…
「「…美味い」」
…シンクロしたのは我のせいではないはず。とはいえ、凄く美味しいそれはあっさりと食べ終わってしまった。
「むう…美味かった…」
「はは、まだおかわりもあるとも」
「…トレーナー、作ってくれたんだね♪…って、あれ、そのぬいぐるみは…」
「ファイン、これはね…」
───結局、二人と一匹でうどんを仲良く食べるという光景が繰り広げられたのだった。
短文失礼しました
一本うどんを食べるトレーナー&アジサイ&担当です。アジサイが動いてたり食べたりしてますが個人の解釈(幻覚)です。気になさらず。
所で皆様、転スラ最新巻が最近出ましたよね。私は先程読んでいたのですが、そしたらヴェルドラさん(キャラ)を思い出したんです。
そのせいかアジサイがヴェルドラみたく考えて喋ってるようにしか見えなくなってきました。…どうしたらいいですかね?
≫104二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 20:00:20
『黒狼物語~第二幕前編・閃電~』
桜が咲き始め、桃色の彩りが日本に春の訪れを告げる3月。
本日は待ちに待った選考レース当日…とは言ったが、選考レースは1日で終わるものではない。1週間程度の期間をかけて、じっくりと行われるのだ。多くの入学者、そして現在トレーナーがついておらず教官主導の下でのトレーニングに励んでいる競技者達も、レギュレーションや形式は違うがレースを行い、自分の実力を周りに見せ、トレーナーたちと契約を結ぼうと挑戦していくのである。
「……で、どうだ?良さそうなやつはいたか?」
「いや、まだわからんな。結局はレースを見るのが一番だ」
観客席には多くのトレーナーたちが集まっていたが、そこでもひときわ目立つ二人組がいた。
どちらも黒い髪をなびかせ、片方は長いポニーテールに、もう片方は長いサイドテールとしてまとめ上げた、ともすれば姉妹にも見える二人組、ブラトレとブライアンである。ブラトレは最近走りこむことが多いのでトレセン指定のジャージを着こみ、ブライアンは制服で観戦を行っていた。
「どいつも気合は入っているようだが、やはり走り始めないとわからんな。まだ戦い慣れしていない者たちばかりだ」
「ま、今日の部は中等部のレースだしな。最初は1600右回り、スタンダードな設定か。さーてどうなるやら」
タブレットに映してあるデータを眺めながら、二人は第一レースの選手を見ていく。
「あ、ブラトレさんお疲れ様です」
そうやって二人で話していると、最近入ってきたであろう新人のトレーナーが一人こちらへやってきて挨拶に来た。
ブラトレは2月末のうちにある程度あいさつ回りはしておいたので、トレーナーや職員のほうへはもうウマ娘としての姿のほうが伝わっている。
「おーお疲れ。良さそうなのいた?」
「いえ、私はまだそういった違いが判りませんので……この機会ですから、此方で勉強させてもらっても?」
そう新人トレーナーは伝えると、頭を下げる。ブラトレは笑ってブライアンのほうへと向き直る。
「いいか?ブライアン」
「……邪魔はするなよ」
「ありがとうございます。色々と参考にさせて貰います」
そうして怪物たちの傍を許された新人トレーナーはブラトレたちの隣へと腰を下ろした。
105二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 20:00:29
「本当に赴任したてなのでどんなところを見ればいい、というのも知識の上でしかありませんから……こうやって先輩方の隣で学べるのはとても貴重です」
「懐かしいなあ、俺もこんな頃があったもんだ……」
ブラトレが妙な先輩風を吹かせると、ブライアンが肘で小突く。
「年寄り臭い言葉を吐くな。まだ私は走り足りないんだ」
「まあまあ、これくらい良いじゃあないのブライアン。まっ、とりあえずどの子が良さそうかだけ聞いてみようか」
そうして三人はパドックでその姿を見せる選手を眺める。
「うーん……あの、黒鹿毛の子ですかね。かなり明るい表情してます」
新人の目線の先には、軽くターンをしながら自身のアピールをするウマ娘がいる。
「ほう、アイツか。……慣れているな」
「ん、そうだな。おそらくはチャイルド級レース経験者だろう」
「そういうのもわかるのですか?」
「いや、私のは勘だ。いや経験に基づいた勘というべきか」
チャイルド級。それは本格化前のウマ娘たちが参加できるレース……なのだが、URAが運営する公式的なものではない。あくまでも、ウマ娘レースを目指している子たちが参加することが多い、非公式運営レースの類である(勿論URAも把握し、許可しているので公認レースである)。
小学校などで行われる競争とは違い、ある程度意志を持ってレースを行う子が多いため、基準としてはそれなりに信頼のおけるものともされている。
「尤も、本格化が起きるとある程度の脚質・走り方はともかくその基礎能力は大幅に変わってくる。チャイルド級で連戦連勝だからと言って、そこから本格的なレースに勝てるわけではない」
「あくまで参考記録の域を脱しない、と」
「そうだな、でもそこでレースを経験したということは重要だ。明確にレースの形式として走るのと、徒競走レベルではあまりにも環境が違うからな……小学校でゲートを使用するケースは見たことないぞ俺」
「それはそうだろう。準備も何も大変だからな」
「ちなみに本格化しないとトゥインクルにはいけない……ということはないんですよね」
「ああ、そこそこレアケースだが最近だとメイショウドトウは本格化前にメイクデビューしたらしい」
「色々とパターンがあるんですね……」
ウマ娘たちそれぞれの違いを把握して、それらの特徴を伸ばす、欠点をなくす、そういったトレーニングをしていくのがトレーナーなのだ。
106二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 20:00:39
「ちなみに先輩は情報を沢山持っていらっしゃると思うのですが、どの子がよさそうですか?」
新人は手元の資料とブラトレのタブレットを見比べながら喋る。流石に赴任してまだ半年と経っていないため、情報を集めるのにも一苦労だろう。
事前情報からわかることもあるのだが、残念ながらフィーリングを重視するブラトレに聞いたのは少々悪手だったのかもしれない。
「あー、俺あんまり事前情報でパッとわかるタイプじゃないからな……パドックやレースでよさそうな子を見つけて、そこに直接スカウトにでも行こうかなと」
そう言い放つ。新人の求めた答えは隣の先輩からは手に入らなかった。
「ええ……もう中堅レベルだと思うのですが、行き当たりばったり過ぎませんか?」
「諦めろ、こいつは何時もそうだ」
困惑する新人トレーナーに、バッサリと切り捨てるブライアン。それも笑い飛ばすブラトレ。
「ハハハ、まあレースが一番情報が手に入るからな。結局一番本質がわかるのは走ってる姿だから、見てなんぼの世界だよ」
「つまりそういう能力を鍛えるためには……」
「レースを見る!これが一番だな」
「そう言って、誤魔化してないか?」
怪訝そうな顔をするブライアンだが、ブラトレは顔色一つ変えずに返す。
「ブライアンだってレース見るの好きだろ?」
「……まあ、そうだな」
「んー脱線してたな、まあさっきの黒鹿毛の子は良さげだろう。ただああいう最初から目立つ子は物凄く競合する。それだけは覚えておいてくれ」
「さ、参考になります……そうですよね、色んな人が気にかけるからこそ人気が出るわけですから」
「だからって諦めたらもったいないからな。いっそ新人だからこそできるような二人三脚の成長ってのもアリだな」
「はい、頑張ってスカウトに向かいます……というのはちょっと早計ですかね?まだレースも始まってないのに」
「そりゃそうだ!とりあえず見ることに集中しよう」
そうして三人は多少の雑談を織り交ぜつつも、最初のレースに参加する競争者たちを観察していくのであった。
その中でブラトレとブライアンは一人、良い目をしていると思った子を見つけた。
107二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 20:00:59
いよいよレースが始まろうとしている。
ゲートに続々と入っていく新人レーサーたち。不安そうな顔をするものも、ゲートに入れば覚悟を決めたようにその瞳を真っすぐに向ける。そこは日常と戦場との境界線。ゲートが開けば、そこから先は周囲すべてがライバルとなる。
そしてゲートは開かれた。
「全員スタートはきっちりしてるな」
「まあ出遅れたからと言ってまだカバーできる範囲だろう」
「あの子は4番……差しだったんですね」
「そういう面でも情報は大事なんだけどね、当日に作戦を変えてくる可能性もないわけではない。基本的にはうちのブライアンも差しをメインに、たまに先行策をとることもある」
「それ言っちゃっていいんですか?」
「いいのいいの、まあそれ知ったところでもう既にデビューから3年戦ってきてるからね。漁れば資料なんて山ほど出てくるし……」
雑談するうちにもレースは淀み無く進む。注目されていた4番はぐいぐいと位置を上げていき、ついにはトップに躍り出た。
「おお、凄い差し足ですね」
「こりゃ堅いだろうな……っと」
「……まだ食らいついているな」
4番は後続の集団をどんどん突き放していくのだが、一人だけ必死の形相で追いかけていくウマ娘が一人。一気に差を広げずに追いすがってはいるが4番に追いつくことはできず、レースはそのまま4番の勝ちとなった。
「4バ身差……大きいですね」
「まだデビューしていない、という前提があるにしても此処まで差がつくと話題になるだろうな。ほら見な、周りの様子」
そうブラトレが指した先では、既に様々な年代のトレーナーが色めきだっており、さあスカウトできるのはいつかと言わんばかりの落ち着きのなさを振りまいていた。
「うぅ、やっぱり人気……で、でも頑張ります!」
「おう、頑張って来い!当たってみなきゃわからねえからな」
新人トレーナーはすくっと立ち上がったが、ふと気になったことがあったのかブラトレのほうへと向き直った。
「そういえば、先輩は彼女をスカウトしないんですか?」
「んー、まあ悪くないっていうかいい感じの子ではあるけど、別に目をつけてる子がいるからな」
それは……と新人が言いかけると、観戦していたトレーナーたちが一斉に動き出したので、一礼して慌ててそちらへと走っていった。
「じゃ、俺たちは……あの7番!」
「あぁ、狙ったやつのところへ行くか」
108二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 20:01:19
「うぅーん……あの差し足、聞いた以上だった。やっぱりスパートもうちょっと早めないと最高速度に乗れなかったかぁ……でもまだスタミナがなぁ」
一位を取り巻く喧噪より離れて、栗毛のウマ娘が一人。その他ウマ娘たちは積極的にトレーナーたちのもとへと向かっていったのだが、一人だけコース内側の芝生に座り込んではうんうんとうなりながら耳と尻尾を揺らしていた。
彼女の名前はタマシチ、先ほどのレースで7番出走、2位を勝ち取ったウマ娘である。
「そうなるとやっぱ今のトレーニングだと不足かあ……いいトレーナーさん探しに行くべきかぁ……?」
「おい」
「わっひゃああ!?……うえ!?ナリタブライアンさん!?」
飛び上がって振り向くタマシチ、その先にはあの三冠ウマ娘ナリタブライアンと、よく知らない黒い毛のウマ娘がいた。
「え、あの、ブライアンさんが一体何用でございましょうか」
「ああ、そこから先は俺が話そう。実は君をチームにスカウトしたい」
「……えぇ、あたしですか?そりゃ誘ってくれること自体は大変ありがたいんですけど、あたしよりほら、あっちのほうがいいんじゃないんですか?」
そう言うとタマシチは、未だに大量のトレーナーに囲まれている一位のウマ娘のほうを指差す。何とか対応しようとしているようだが、流石に大変そうだ。
「んー、まあ実力の面だけで行けばそうなるだろうな。だが君のレース終盤に発揮していた末脚、そして追いつけないかもしれないというときにも諦めない姿勢、そしてレース後に即反省点を振り返っていたところ。まあその辺りが個人的な評価点だな。ほかに何か?」
「え、あ、いや……ちょっと考えさせてほしいです」
「ああ、悩め。考えてからでも遅くはない」
「間違いないな、競争者としての大事な決定だ。もしかしたらチームではなくマンツーマンでやっていくほうがいいこともあるかもしれんしな」
先ほどと同じようにうんうん唸りながらタマシチは歩き回る。そして出た結論は……
「わかりました、そちらのチームに参加します!あたしの名前はタマシチ、よろしくお願いしまっす!」
にっこりとした笑顔で、手を差し出すタマシチ。
「おう、よろしくな!ようこそ、俺達のチームへ!」
それをがっしりとつかみ、握手する。手のひらの当たる乾いた音が、気持ちよく春空に響いていった。
109二次元好きの匿名さん21/12/08(水) 20:01:56
契約書類の記入は後ほどということで、一旦観戦席へと戻っていく三人。その道中で
「ところでチームの名前ってどうなってるんですか?」
「あー、まだ決めてないな……まあそこはメンバーが集まってからってことで」
「今更ながら行き当たりばったりにも程があるな」
あきれ顔のブライアンが咥えた葉っぱをぴこぴこと動かしながら喋る。
「……否定できんなー。ま、これからよろしく、タマシチ」
「ええ、こちらこそよろしくです!……あ、あと気になったこと聞いていいですか?」
「おう、何でも聞いてくれ」
コホンと咳払いしてタマシチは神妙な顔をした。
「……一体トレーナーはどこにいるんですか?貴女今年入学の新人ですよね?ほぼ初対面みたいなのにナリタブライアンさんとそんなに打ち解けてるなんて、人当たりが凄くいいというか図太いというか。あ、図太いは冗談ですよ冗談。実際すごい……あれ?」
「……あっ」
「……おい」
「あ、あの?なんか聞いてはいけないことでも聞いてしまったんですかね……?」
その場を包む沈黙。
ブラトレは静かに自問自答した。そういえばお前ちゃんと名乗ってなかったんじゃないのか?今トレーナーバッジはどこにつけてたっけ?じゃあこの子が勘違いするのも仕方ないな?
「……俺の名前はブラトレ、ナリタブライアンの担当トレーナーだ!あっだあ!?」
手刀襲来。まあ地面を破砕するような威力のそれではなく、ごつんとぶつける程度のものだが。
「……すみませんでしたぁーっ!トレーナーとは知らずに失礼をぉ!」
そしておそらく同期と勘違いしていたタマシチも全力で頭を下げる。それもそうだろう、変貌して間もない上に見た目は少女そのもの、服装も同年代か少し上くらいにしか見えないジャージ姿なのだから。
「いや、お前は気にしなくていい。元はといえば名乗らなかった私たちが悪い」
「まあそういうわけで……改めてよろしく。こんなナリだが立派なトレーナーだよ」
「あ、よ、よろしくお願いします!」
かくして一人目、タマシチがチームへと加わった。
残り、三人。次のレースは、ダートレース。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part540【TSトレ】
≫12992世代トレ恋バナ(?)1/221/12/09(木) 04:02:26
夏合宿中のある夜のこと。薄暗い部屋に、5人のトレーナーが集まっていた。
「諸君、集まってくれたことにまずは感謝を。そして早速始めよう……恋バナとやらを!」
高らかに宣うムントレと、当惑する残りのトレーナーたち。ややあって、ブルトレが遠慮がちに口を開いた。
「ええ、と……ムントレさん、私、いきなり呼ばれて少し混乱しているのですが……?」
「ブルトレの言う通りだ。僕も困惑しているし、ご覧、あとの二人もきょとんとしている」
「ふむ、確かに説明を忘れていた。失礼……いや何、年頃の少女たちはこういう時、恋バナをすると聞いてね」
ライトレの指摘に、そう答えたムントレ。しかしこの言葉は、更なる戸惑いを呼ぶ。
「……合宿中ですし、確かにそういうこともあるでしょうけれど……僕たちは年頃の少女と言えるのでしょうか」
「体つきだけをみればそうかもしれないが……いや、でもなあ。俺なんかブルトレ君の倍近い年齢だよ」
バクトレとニシトレの尤もな疑問に、しかしムントレは動じない。
「よく言うだろう、男はいつまでも少年の心を忘れないと。若々しい心と乙女の体、つまり我々は年頃の少女だ」
「ものは言いよう、ですね……まあ、理屈はどうあれ、僕は構いませんよ。些細なものでも情報は情報ですし」
「なっ、バクトレ、正気かい?」
「ええ。各々の好みはともかく、他者との付き合い方について情報の共有を行うのも悪くはないかと」
「恋バナ、ってそういうものなんでしょうか……でも、それなら多少は私も興味があります」
「そうだね。君たちと俺とは大分年齢が離れているし、そのあたりの齟齬をなくすにはいい機会かな」
「むぅ……仕方ない、僕も付き合おう」
13092世代トレ恋バナ(?)2/221/12/09(木) 04:03:20
4人が(一部やや呆れつつも)賛同したのを確認し、ムントレは満足そうに頷いた。
「ありがとう。いや、一度やってみたかったんだ……それで、最初は誰から話そうか」
途端、部屋に沈黙が満ちる。いくら何でも大の大人が色恋について話すのは、流石に気恥ずかしいのであった。
そんな中、口火を切ったのは……
「……では、まず僕から話すことにしましょうか。最初に賛同の意を示したのもありますし」
「おお、バクトレか。最初の一人、というのは勇気がいる。ファーストペンギンというやつだな。我々はウマ娘だが」
「そう大したことではないでしょう……とりあえず、昔話をしましょうか。僕の、最後の恋の話です」
そして、バクトレは語り始める。閉じた瞳の奥に、遠い日々を想起しながら。
それは、確かに交わした愛の話。静かに咲き、やがて穏やかに散った恋の話。
ある夏の真昼に開き、春と冬を二つ越え、秋の夕べに閉じた、ある花の物語。
「……と、まあ。僕の昔語りはこんな具合です。ご清聴ありがとうございました」
「成程、そんなことが……ありがとうバクトレ。非常に興味深い話だった……ところで」
「はい、何でしょうムントレさん」
「所感だが。その、昔の恋人さんと……担当の彼女、サクラバクシンオーとに少し似ている点がある気がするんだが」
「「「……あー」」」
「……ノーコメントで。さて、僕の番は終わりです。そろそろ次の方へバトンを渡しましょう」
「……それじゃあ、次は──」
──意外な盛り上がりを見せつつ、夜は更けてゆく。各人の語った内容については、ここでは伏せることとする。
『何せ"ここだけの話"を外へ持ち出すのはルール違反だからね! ──ムントレの日記より抜粋』
(了)