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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part701【TSトレ】
≫106二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 19:18:38
『おべとれさんとぶらとれさん』
実のところ、別にこれが初めての事例というわけではない。
シーキングザパール担当トレーナーや、ファインモーション担当トレーナー、海外から来たトレーナーがウマ娘になるという事例も数件あった。
しかし今回の場合、海外からウマ娘と共にやってきたトレーナーがウマ娘化現象に巻き込まれてしまったというのが特異な点である。
「……まあうんうん唸ったところでどうにもならんというのがなんともなんとも」
「すみません、お手数をおかけしてしまいましたか?」
「あーこの件については別に迷惑ってわけじゃあないから大丈夫、元々俺の仕事だし」
ウマ娘になってしまったオベイユアマスター担当トレーナーの元へと、ブラトレが更新資料とともにやってきたのがつい先ほど。ついでに言うと、海外に発送するための書類に関して気が付いたのが届けた今まさに、というタイミング。
「まだオベトレはあっちに国籍があるっぽいからどうにもなー……一応まあ、資料はたづなさん経由で用意しておくから日本で使う資格とかその他に関する更新だけお願いね」
「ありがとうございます。思っていたよりスムーズで助かります」
「まあ……積み重ねてきた経験というやつがだね……」
増えに増えて80人は超えてしまった現在、もはやパッと名前を挙げていくだけでも両手両足の指を4人分用意しても尚足りない。超局地的現象とは言え書類関連の仕事をする身にもなってほしいものである。
「とまあ、そういうお仕事の話はこれでおしまい。ちょっと気になるんだよねオベイのお話」
ある程度説明を終えてひと段落ついたタイミングで、ブラトレが質問を投げかける。
「ベイが、ですか?」
キョトンとした顔をするオベトレ。
「いやね、あっちにいた時の芝が日本に似てるっていう話。うちも海外遠征のことをちまちま進めてるんだけど、そちらさんから見て日本のウマ娘が乗り込むことに関してはアリなんかなーって」
「うーん……少し待ってくださいね」
オベトレが手元のバッグから手帳を取り出すと、ぺらりぺらりとめくり始める。
横からブラトレがのぞくと、そこには少々癖のある筆記体による文章がびっしりと書き込まれている。ちらりと見るだけでは把握しにくい独特の波を持った文字が、彼らの情報戦を支えているのだろうとブラトレは認識した。
当然、一目では読めなかった。
107二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 19:19:30
「そうですね……こちらのジャパンカップに挑戦する前のレースは西海岸にて行われたものなのですが、日本に似たタイプの高速芝といった具合ですね。あそこであれば、ブラトレさんやブライアンさんたちの培ってきた戦法、走法もしっかり通用することでしょう」
「ふーむ、そこを拠点にしてほかの地域に殴り込みってのもアリだな……」
「ですが」
ぱたりと手帳を閉じるベイトレ。その眼には、悔しさとも憧れともとれるような複雑な色が浮かんでいる。
「アメリカのレースは日本のそれよりも、過酷かもしれませんよ」
ともすれば日本のレースは「お行儀が良い」と評されることもあるほど、海外のレースは熾烈なポジショニングが発生するといわれる。事実、ジャパンカップの多くのレースでは海外より参戦したウマ娘たちによる圧の強いポジショニングが毎年のように発生するのだ。
「まあ、甘く見るつもりなんかないさ。俺の友人にも何人か海外に挑戦してるやつがいるんだが、どうしてもポジショニングに苦労するって言ってたしな。だが……」
だけれども。もし、強者たちと激しく競り合うことによる更なる成長が見込めるのであれば。
「そいつもいい経験ってやつになるかもしれんな。ブライアンにとって」
「もしそれで負けたとしても、ですか?」
「別に負けたからって何かあるわけじゃあないし、負けるって決まったわけでもないしな。レースに絶対なんてないもんだ……それこそ、周りから下に見られていたウマ娘が大舞台で勝利を掻っ攫うなんてよくある話だろ?」
それは目の前のトレーナーが担当する、オベイユアマスターも同じなのだ。
「俺もベイトレも、担当を信じることに関しちゃ天下一品だと思ってるぜ」
「……ふふっ、そうですね。日本のサムライがアメリカに殴り込み、G1を勝ち取る……なかなかセンセーショナルな話題になるでしょう」
ベイトレの顔から笑みが零れる。少々厳つかった男の頃の笑顔の面影を少し残した、かわいらしい笑顔が。
「まあ、その時がいつになるかはわからんけどね。その時は現地の案内を頼んでも?」
「もちろん。お勧めの料理店でも紹介しますよ」
「肉が良いな。ブライアンは肉が大好きなんだよ……大好きすぎて野菜をよく残すくらいには」
ベイトレとブラトレの雑談は暫く続き、その間笑いと驚きの声は絶えなかったという。
≫114二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 19:40:53
「んむ……」
ぼとと、といった音と共に。
ハンバーガーからこぼれ落ちた具を、イクトレは咄嗟に皿を差し出して受け止めた。
「……中々の反射神経。おみそれしました、トレーナーさん」
「💪」
「🍔✘?」
「そうですね。何故かハンバーガーの具材に嫌われています……懐柔は試みているのですが」
「🤔」
イクノディクタスはこぼれた具材をフォークで丁寧に食する。真面目に見えてボケ倒す彼女が、今日に限って少し気恥ずかしげだった。
対するイクトレといえば、ひとかけもこぼさずに食べられている。幼児の癖にだ。イクトレ自身も今まで考えに至らなかったが、これはいったいどういうことか。初めて疑問に思ったイクトレは、少し調べてみることにした。
粒子法、というものがある。粒や物質の流動を計算するもので、平素は雪崩のシミュレートなどに用いられるこれを、イクトレはハンバーガーに当て嵌めて計算を始めた。
「指の置き方、ですか」
「◎」
結論として、指を置く場所によってこぼれやすさが違うことがわかったとイクトレは得意げに説明する。
イクノはバンズの上に五指を置き、拇指球(手のひら)で持ち上げている。この場合、具材に圧力がかからず、かぶりつく際に具材が溢れてしまうのだ。
それを避ける場合、親指と小指でハンバーガーを持ち上げ、残る三指でバンズの上から抑えると溢れにくいだろう……というのがイクトレの研究結果であった。
「成程……汚れた指で眼鏡を触らないようにした結果、かえって手を汚してしまっていたのですね」
『フィンガーボウルはないけど、おてふきをどうぞ』
「ふふ……ありがとうございます、トレーナーさん」
なんのなんの、と手を振ろうとした矢先、イクノの頬についたソースがイクトレの目に留まる。
イクノがハンバーガーを掌握するには、まだまだ課題は山積みのようだ。しかし、それもまたよし。
鉄の女生徒の可愛らしい思い出としておくべく、イクトレはウェットティッシュで彼女の頬を拭おうと全身を伸ばした。
うまぴょいうまぴょい
≫135言うち戦隊トレンジャイ22/03/05(土) 21:12:05
テテテテテーテテーテッテンッ♪
カフェトレ(黒)「始まりましたね、何でしょうかこれ?」
タキトレ「さあ……俺も知らないけど、台本?もメモ一枚だからね」
カフェトレ(黒)「適当なタイミングで助けてって叫んで?ですか」
タキトレ「ウマソルジャーって書いてるけど俺達が助けてって言うの?」
カフェトレ(黒)「メモにこれしか書いてませんから……取り敢えず言いましょうか」
「「たすけてー」」
「待てー!」
ビコトレ「ビコトレレッド!」 戸棚ガラァー
バクトレ「バクトレピンク!」 クローゼットガチャー
スズトレ「す、スズトレレッド!」 用具入れガチャー
ハルウララ「ピンクウララ!」 扉ガチャー
セイトレ「ふぁあ……セイトレ、レッド」 窓ガチャー
「「「「「5人揃って、トレンジャイ!!!!」」」」」
カフェトレ(黒)「これを僕にどうしろと?」
136言うち戦隊トレンジャイ22/03/05(土) 21:12:20
タキトレ「まず誰と戦うか教えてくれますか?」
バクトレ「それがワタシ達の台本もここまでしか書いてない!後は定期的に今のをやれという位だ!」
カフェトレ(黒)「じゃあこの後どうすればいいんですか」
スズトレ「取り敢えず座って話しましょう?」
タキトレ「貴方が言うんですか?……まず色をもう一度聞かせてください」
「赤だ!」「ピンクです」「ピンクだよ!」「赤ですよ」 「オヤスミナサイ」
「「「「5人揃って、トレンジャイ!!!!」」」」
タキトレ「色からおかしいって言っても良いですか?」
ビコトレ「ワタシ達も指定された色を着ててだな、思い当たる節もある」
スズトレ「あるの?私は色別のにした方が良いと思うけど」
カフェトレ(黒)「そもそもウラトレさんは?」
バクトレ「実は昨夜企画でさっき今撮る事決まったから都合がつかず……」
ハルウララ「トレーナーの代わりに私が頑張るよ!」
カフェトレ(黒)「それでセットも空きトレーナー室に炬燵とシートだけですか」
スズトレ「ま、まあ二回目があるかもわからないから……」
ビコトレ「ないのか、うん!もっと用意をした方が良いだろう!」
137言うち戦隊トレンジャイ22/03/05(土) 21:12:29
タキトレ「まず色を分けてください。せめてウマソルジャーに合わせて……」
バクトレ「それも僕とウラトレさんが被るんですよね、ピンク」
スズトレ「せめて私達は色分けない?ほら、ビコトレとセイトレ……セイトレ?」
カフェトレ(黒)「さっきおやすみなさいって炬燵に入ってましたよ」
バクトレ「撮影前から朝の寝る時間だと抵抗していましたね」
スズトレ「話には聞いてたけどほんとに昼夜逆転してるのね……あの、これどうするの?」
タキトレ「生活指導は起きてからでも……そもそも皆さんは誰と戦うんです?」
ビコトレ「それはだな!……」
バクトレ「スズトレさん、誰かいません?」
スズトレ「えっ、そんな事言われても」
「──ちょっと待ちな!」 窓ガラァ
ヒシトレ「正義のヒーローだろ、正々堂々タイマンで勝負しな!」
窓ピシャァ!
スズトレ「戦隊モノなのに?」
バクトレ「ごっつにはない配役だな!」
138言うち戦隊トレンジャイ22/03/05(土) 21:12:48
カフェトレ(黒)「そもそも誰とタイマンするんですか?」
ハルウララ「私負けないよ!」
タキトレ「そもそも戦う相手が……」
バクトレ「……ならスズトレさんがタイマンでウラトレさんにアポを取るとか?」
スズトレ「……私が?これに出てくださいって言うの?」
テテテテテーテテーテッテンッ♪
カフェトレ(黒)「この茶番またやるんですか?」
ビコトレ「ワタシも知らないな!」
タキトレ「ぐだぐだですからないでしょう、多分」
シリアスな色々まとめるの疲れました遊戯王とウマ娘します!危機契約もします!
何も書けない!頭空っぽにして書けるもの書こう!
……なんだろうこれ?
取り敢えず出演トレの皆様申し訳ありません、人選はアニメウマソルジャー5でネタはゴレンジャイです。
完全に息抜きとリハビリで書いたので結構適当ですし続きません。
内容かエミュで怒られたら消します、怒られたほうがいい奴かもしれません。
≫148☆実食!!!22/03/05(土) 22:46:30
「……ということです。こちらで実践よろしいでしょうか?」
「オッケーオッケー、って自分が言っちゃいかんよね。タイキー、イクノちゃんとイクトレさんも参加していーい?」
「もちろんデース! みんなと一緒に食べる方がハッピーに決まってマスから!」
『BBQのシメの段階で飛び入り。こんなこと許してもらってすまないね』
「んにゃ、むしろとってもいいタイミングで声かけてもらって。このシメがまた長いというか大量というか……だから、少しでもこの子が食う分減らしてくれると助かります(ヒソヒソ)」
『といってもこちらはほとんど食べられないけど(小声)』
「おお、文字情報もフォントがちっこい……」
「ン〜〜〜〜?? でも四人で食べるなら買い足さないとダメですネ! じゃあ「だから増やすなって話なんよねぇ??」」ガッシ!!
『私を一人分の勘定に入れられても困る』
「……差し出がましいようですが、タイキさんのことを思うならBBQの回数や量を制限して管理するのがトレーナーとして必要なことでは?」
「これがタイキのやる気維持に無茶苦茶関わってくるんよ……」
「なるほど……」
「😓」
「フッフッフ……トレーナーさんもワタシのハンドリングが上手くなってきましたネ?」
「基本ハンドル握らないのがコツだって知ってからは楽だったね」
「トレーナーさーーん!?」
『じゃじゃウマ娘……』
「シメはまだでしょうか……」
……
「ハイ、できまシタ! BBQのシメの『ハンバーガー』でーす!」
「想像していたより小ぶりですね。おかげで袋なしでも食べやすそうです」
「今回はたまたまSlider(スライダー)、小さくて軽いバンズでひょいひょい口に入れてくタイプの奴だったから。練習にはちょうどいいかもね」
『これでもまだ大きい……』
149二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 22:46:57
「それでは……と、その前に。トレーナーさんをお願いします」
「あーなるほろ? 膝の上にいたんじゃ色々降ってくるかもだしね。んじゃ今だけ自分とこに来てくださいねー、っと……」
『……』
「……ぉ……?」
『なにやら反応が薄いのが不気味だな。君の奇行については聞き及んでいるんだ、覚悟はしている』
「……いや、なんなんでしょ。湯たんぽ適正とかとは別の、妙にしっくりくる感じの重みというかなんていうか……
……他人とは思えない何か……運命的な何かを感じる……」ナデナデ
「😳⁉️」
「イクノ? ハンバーガーはどうデスカ??」
「たいへん美味しいです。……バンズが少しだけ焼いてあるのが香ばしくって。レタスとチーズとパテ、シンプルなだけに二つ目が欲しくなる味わいです」
「フフッ、おかわりはたくさんありマース!! どんどん食べてくださいネ!」
「これ以上食べるわけには……いえ、やはりもう一つだけ。あと、ナイフはありますか?」
『……君のせいでイクノの食べ方をチェックできなかったんだが?』
「それ自分のせいなんですかね?」ナデナデ
「トレーナーさん。一緒にハンバーガー食べませんか」
『……残念だけど、一個丸々は食べられないよ』
パカッ
「この通り、半分こです」
『……ありがとうイクノ。いただくよ』
「あ、もしかしてバーガー用の袋要ります?」ナデナデ
『要らない。というかいつまで撫でてるんだ』
こうして仲良くハンバーガーを食べた四人。イクノはちょっぴり袋なしハンバーガーの食べ方が上手くなったとさ。
うまぴょいうまぴょい
≫160カフェ誕生日おめでとう22/03/05(土) 23:03:08
アグネスタキオンと、そのトレーナーの二人と例のあの部屋で一緒にささやかにマンハッタンカフェの誕生会を終えた後、カフェとトレーナーは何をするでもなくなんとなくトレーナー室にやってきていた。備え付けのソファーに座り息を吐く。
「そうだカフェ、さっきは渡す暇がなかったけど、これプレゼント。せっかくの誕生日なんだからもっと目立って良かったのに」
「………………ありがとうございます。私の誕生日と言っても、私は影ですから」
「そんなカフェにぴったりなプレゼントだよ。ほら開けて」
促されたカフェがおそるおそる開ける。中にはカフェの勝負服と似た配色のネックレスが入っていた。カフェがそれを取り出し、チェーンのところを摘んでつぶさに観察する
「金細工に黒い……ガラス……いえ宝石ですね?」
「そう。イクトレに手伝ってもらいながら作ったんだ。その宝石はカーボナード。別名"ブラックダイヤモンド"」
黒いダイヤは光を通さず、カットされた断面はたくさんのカフェを反射して映していた。
「トレーナーさんはどうしてこれを私に?」
「カフェみたいだったからかな?」
「私……ですか?」
「初めはダイヤモンドで行こうかと思ったんだけど予算が……」「このサイズのダイヤモンドは凄まじい値段になりますね」「うん。だけどおかげでこっちの宝石を見つけられて良かったよ。ほらつけてみて」
トレーナーは微笑みながら促すとカフェもそれに従いネックレスをつけた。
「うんうん、似合うよ。やっぱり黒と金はカフェの色だ。それで、カーボナードの宝石言葉は"至高の輝き"なんだ。黒だけれど、輝いている。カフェは自分を影だってさっき言ったけれど僕には輝いて見えるよ。それで、これはイクトレに教えてもらった受け売りなんだけど。カーボナードは劈開っていうものがないからダイヤモンドよりもずっとずっと丈夫なんだ」
トレーナーが立ち上がってカフェの頭を撫でた。
「だからそれに想いを込めてプレゼントする事にしたんだ。"カフェがいつまでも輝き続けられますように"って」
ギ……と小さく、トレーナーの右足の辺りから軋む音がカフェの耳に届いた。
「……ありがとうございますトレーナーさん。トレーナーさんの思いを聞けて嬉しいですし……期待には応えられると思います。ですが………」
「ん?」
161カフェ誕生日おめでとう22/03/05(土) 23:03:25
カフェがテーブルに置かれた、先ほどまでネックレスの入っていた小箱を突いた。
「……この入れ物だと誤解します」
イクトレがサービスで作った渾身のネックレス入れは意図せずして婚約指輪とかが入ってるあの箱によく似ていた。
「しまったごめん誤解されないように気をつけるよ」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!!
「ぐぇっーーーーー!?」
突然のお友だちのパンチラッシュでトレーナーは部屋の天井に叩きつけられるのだった。
おしまい
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part702【TSトレ】
≫44二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 02:37:06
「3、2、1、ゴー…」
「一つ忠告しておくがなテイトレ、全力で引っ張るとシューターがぶっ壊れるぞ」
「うぇ!?ちょっとフクトレ、もうちょっと早く言ってよ!」
「それで一個哀れなシューターがあそこに転がっていましたのね」
「おー、何してんの?あ、ベイブレー、ド?ああベイブレードだなこれ」
「……なんだその含んだ言い方」
「いやだって……俺の知ってるベイブレードってもうちょいメタルメタルしてたし」
「あー……そうか微妙に世代が違うのか」
「待ってくださいまし、ドラグーンの名前は聞いたことありますわよね?」
「あーあるある、たぶん兄貴の私物だったと思う。ただもーちょいチップ?のようなのが小さかった気がするなあれは」
「……もしかしてあのアレか」
「アレですわね」
「ちょっとマクトレにフクトレ、どうしたのそんな唸っちゃって」
「俺ら微妙に置いてけぼりだぞ」
「いやー、長い歴史のある玩具にはな……」
「色々な歴史があるものですわよ……」
「「???」」
≫49二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 06:29:26
「ただいまー!」
「お邪魔させていただきますわ」
「おっ、お嬢とその先生(トレーナー)じゃないか、さあ上がってくだせえ」
…家に帰ってきたキタサンとお邪魔する形のキタトレを出迎えたのは、キタのお父さんの一番弟子の人だった。
少し長めの休日に、この家に来るのも何度目かと思いながら案内されるキタトレ。その動きに緊張感はない。
「…失礼ながら、彼女のお父さんは今どちらにいらっしゃるかしら?」
「ああ、おやっさんなら用があって暫くいませんよ。ですが、そう遅くないうちに戻ってくるでしょうよ。」
「なるほど、ありがとうございますわ。…それと、ほんのささやかなものですがどうぞ。」
「おおお、これはありがたい。」
キタトレと弟子さんで大人の会話をしてる中、いつの間にか机に用意されたお茶と菓子を前にキタから
「二人とも座って座って!」
呼びかけられれば座らざるを得ない、机を挟んで向かい合わせになるように座り、落ち着いた時間が流れる。
「しかし、いつ見ても中々美人ですな…こうなる前も中々男前でしたが、今の姿も…」
「ふふっ、そう言ってくれるのは嬉しいですわね。貴方も変わらずなようで何より」
「いやぁ…褒めても何も出ませんよ。…っと、失礼ですが少し席を外しますわ」
…弟子さんが席を外したあと、キタトレは隣で出してあった金平糖を食べ続けているキタサンに眼を向けると
「…まあ、別に止めたりはしないわ。満足するまで食べていいわよ。」
「トレーナーさん…えへへ」
「そもそもこれくらいで問題にはならないわよ。頭を回すのに糖分は必要なのだし、何よりそんな太らないでしょう?」
…キタサンがやっている自主トレの量を考えれば、そう太り気味になること自体あまりない話である。
ぺろりとつまんだ金平糖を口にほりこみ、ニヤリと口元を緩めたキタトレはキタの目からしても不思議な雰囲気を纏っていた。
「なんか、トレーナーさんも変わったよね。でも、なんて言ったらいいのか分からないけど…」
「そうねぇ…あえて言語化するなら、妖しさってところかしらね。好まれるかは別だけど」
「でも、今のトレーナーさんも好きだよ!」
「…私もよ、キタ。」
キタの満面の笑みに対し、キタトレも笑って返す。珍しく揺れるキタトレの尻尾は、彼女が気を抜くくらいなのを表していた。
───この後キタのお父さんと話したり、家の近くでお参りにいったりした。
≫115二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 19:17:14
『姉と妹とマーベラス』
せわしなく周囲を見渡しながら小さな体躯をしたウマ娘がトレセン学園を駆ける――
どうやら人探しをしているみたいだ
そのウマ娘は落ち着いた雰囲気の芦毛のウマ娘を見つけると大急ぎで近寄っていく
「あっ!みつけたスズトレおねえちゃん!今日もマーベラス☆」
「こんにちはマベトレ。見つけたってどうかしたの、私に用事?」
「うんそうなのー!スズトレおねえちゃんに教えて欲しいことがあってねー。これから暇かなー?」
「そうね。今している仕事が終われば時間は取れるかな、すぐに終わるからマべトレはトレーナー室で待ってて」
「ううん。手伝うよーそのほうがマーベラスに終わるでしょ☆1人で待ってても待ちくたびれちゃうしー★いつになるかわからないでしょ~★」
ニヤニヤとした顔で一言二言余計なこというマベトレにそういうものと割り切りスズトレは善意をありがたく受け取る。
「わかった。それじゃマべトレは向こうの荷物お願い」
「マーベラス★☆」
ガサガサ
ゴトゴト
タッタッタッタ
先程の会話も含め遥かに小さくなった体でぴょこぴょこと周りを駆けるマベトレを見ながらスズトレはぼそっとつぶやく
「……なんだか妹みたい」
「?」
「いえなんでも……」
116二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 19:17:34
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
スズトレの仕事が終わりトレーナー室
「――それで、私に相談ってなに?」
「スズカやスズトレおねえちゃんが得意とする"逃げ"について教えて欲しいんだー☆別に私一人で調べてもいいんだけど……、
ここは詳しく知ってる人に聞いたほうが効率的だと思ってねー★」
「マベトレの担当の脚質は確か…差しのはず、逃げとは正反対だけど……」
いままで培った戦法を途中で変えるというのはまあまああることだ。今まで先行や差しでなかなか振るわなかったウマ娘が逃げを打った途端に活路を見出したという話もある。
実際スズカも大逃げという戦法を確立させた結果大成した。
しかし、それは今まで培った経験をリセットする非常にリスキーな行為だ。
かの担当のマーベラスサンデーはそこまでするほど戦績が振るわないわけでもない。
そこで次点として考えられるのは……
「……もしかしてマベトレ自身?」
マベトレがウマソウルを継承・本格化し担当や他のウマ娘と併走したり走ってるところをよく見る。
十数年連れ添った自身の得手不得手ならまだしも突然ウマ娘になった自身の脚質は走ってみないとわからない。
しかしそれについてもマべトレは否定する。
「ううん。ざんねーん★それもちがうよー☆」
ニヤニヤとした顔で萌え袖で口元に隠しながら、クイズを外したスズトレを煽る、そして理由を話す。
「私もねー。ゆくゆくはチーム結成を目指したいなーっておもってね☆でもそれには、逃げから追い込み、短距離から長距離、芝からダート、あらゆることに精通しないといけない。
それでねー、今回はその第一歩☆。スズトレに"逃げ"についてレクチャーしてもらいたいんだー☆」
マベトレの考えにスズトレのポーカーフェイスが少し崩れた。
「マベトレがそこまで考えてるなんて……わかった。しっかり教えてあげる。」
「理論だけじゃなくて実戦形式でも教えてくれてもいいんだよー☆もしかしたら私が勝っちゃうかもねー★」
「それはマベトレが私と走りたいだけじゃないの?」
「てへ★バレちゃった☆」
117二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 19:17:49
そこにコンコンとドアを叩く音がなる。新たな来客のようだ。
「どうぞ」
「――失礼します。資料持ってきたわよ!ってあら、先客?」
「先生ありがとうございます。ええそうです」
「フウトレ"おにい"ちゃん今日もマーベラス☆」
「おにいちゃん呼びもいいけど……やっぱりそこはお姉ちゃんって呼んで欲しいなって……」
「ええー??よわよわなフウトレおにいちゃんには私的にはフウトレちゃんって呼んでもいいんだよー★」
「あれ?更にランクが下がってない?」
「まあまあふたりともそのへんに」
話題がずれ始めたフウトレとマベトレにスズトレは静止する。
「――それで、マベトレは何の用事でここへ?」
「それはですね――――。」
118二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 19:18:05
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「――そういうことだったのね。チームの経験ならこの私に任せて、だからね!お姉ちゃんって呼んでほしいなって!」
「まだそれを引っ張るの……」
「もうーしょうないなー★」
呆れるスズトレを横目にしながらマべトレはぐっとフウトレの手を握り上目遣いでゆっくりと猫なで声でささやく
「おねがいー★たすけて★ふ・う・と・れ・お・ね・え・ち・ゃ・ん★」
「――――!」
「先生……?」
「――かわいい妹のためだもの!!お姉ちゃんにまっかせなさいー!!!!!!!!!」
「嘘でしょ……完全に手玉に取られてる……」
その後、マべトレは座学から実践形式まで含めて様々な施しを受けた
途中おだてすぎてお姉ちゃんモードが暴走したフウトレにわからされたり、妙にレベルの高い並走もとい野良レースが開催されたり
スタミナを出し切ったフウトレがスタミナに余力のあるマベトレに甘やかされたりしたとか
≫168二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 22:20:56
●オベトレとオベイとブラジャーと●
「ヘイ!トレーナー!」
「扉が壊れるぞ。もう少し静かに開けてくれ」
トレセンの校舎から少し離れたプレハブ小屋の扉を勢いよく開けたのはオベイユアマスター。対するトレーナーは机に大量の資料を広げ、万年筆をノートに滑らせている。しかし資料は机からこぼれ落ち、彼の隣には2冊ほど書き終えたノートが転がっている。
「Some questions Ok?」
「Yes.Come on」
ソファの背からトレーナーの頭に自身の顎をを乗せ、耳をわしゃわしゃしながら言う。
「ま、ず、は〜…どう?ウマ娘になって」
「かれこれ1週間くらい経ったが、これといった変化はない…と言いたいところだが正直しんどいな。家では脚立が必須になったし、胸も痛い。風呂も時間が3倍くらいになったよ」
「確かにトレーナー、結構縮んだよね〜。2フィートくらい?」
「だな。でも助かったこともある」
「助かったこと?」
耳を遊び終わるとソファを回ってオベトレを抱き上げ、ソファに座った脚に乗せる。
「フィジカルが伸びた分情報収集が長くできるようになった。それにベイのずっと感じてた感覚も、これでやっと理解ができたから」
「そっか…じゃあさ、トレーナー」
くるりと対面座位の向きにオベトレを動かし、言う。
「さっき胸が痛いって言ったよね?」
「あ、ああ。言ったが…」
まずい。オベイの目が捕食者のソレになった。
「ブラ、どうしてる?」
「どうって…通販で頼んだやつだけど」
「サイズは?」
「自分で測ったが…」
それを聞くと獲物を見つけたか如き肉食獣の笑みを浮かべ、彼に言う。
「じゃ、行こうか」
「ど…どこへ?」
ふふん、とトレーナーの胸に自身の胸を押し当てながら言う。
「ランジェリーショップ」
「No…」
169二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 22:21:16
そうしてあれよあれよと言うままに、近所のショッピングモールに来た。ちなみにオベイは白のセーターにパーカーとその上に革ジャンを羽織っている。下は黒スキニーにブーツ、そしてニット帽だ。
一方オベトレは丈を捲ったぶかぶかのズボンに黒のセーター、その上からモスグリーンのコートと白黒のターンチェックのマフラーをつけている。
「Nhhhhh…服も新調しなきゃだね…トレーナー、お金ある?」
「ちゃんと持ってきたさ…」
そう言いながら3階のランジェリーショップへ足を運ぶ。当然2人は指を絡ませて恋人繋ぎだ。
「計測は私居ないけどOK?」
「Of course.その間何しておくんだ?」
「ンッフフ〜。それはtop secretさ」
「さいですか…」
店に着くと店員さんを呼び、計測の為オベトレは一旦個室に押し込まれる。ソレを見届けると大体このくらいかな〜…と目星をつけていた辺りに繰り出す。
(コレのデザインいいけど…派手すぎるな…トレーナーが普段使いする物だし…そこはトレーナーに聞くとして…)
そうこうしているうちにオベトレがオベイを見つけ出して戻ってきた。少しだけげんなりしている。
「ベイ…Hカップだった…」
「ワオ…アメリカンだね」
「ベイもアメリカンだろ?」
「フッフン…それより、デザインはどうする?私で良いなら選ぶけど…」
「頼むよ。そこんところはベイの方が詳しいしさ」
そう言って計測の紙を渡す。トップ、アンダー、肩幅etc…が書いてあった。
「えっと、普段使いが4セットで、他は好きに選ぶよ?」
「ああ。ま、程々にな」
そうして黒と白の普段使いセットを2つずつとまるで勝負下着のような派手な赤と紫を1つずつ、あと薄紫とピンクのナイトブラを2セットずつ買ったオベイは満足そうにスキップを踏んでいた。もちろんオベトレは女性の買い物の長さをひしひしと感じていた。
「あと服だね。シャンプーとかオイルとかはある?」
「ヒトの時に使ってた奴ならあるけど」「買い替えだね」「だよな」
その後2人は服屋、日用品、スキンケアと色々周り、必要な物(オベイによる)を買い集めてオベトレ宅へ帰宅した。
170二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 22:22:37
「よっこいしょ…っと。悪いなベイ。付き合わせて」
「No problem!相棒のサポートは相棒がするもんでしょ?」
「だな」「じゃ、服脱いで」「What!?!?」
咄嗟に身構えるオベトレ。しかしオベイは笑いながら言う。
「ブラの正しい付け方。ちゃんと実演した方がいいでしょ?」
「ああ…そう言うことか。てっきりファッションショーでも始まるもんかと
「しようk「No!」「ジョークだって。ほら。やるよ?」
そう言って彼のセーターを脱がしたところでふと気がついた。
「ありゃ…跡になってるね。痛くない?」
「ああ、モーマンタイ?ってやつだ」
少し顎に手を当て考えた様子のオベイはぽんと柏手を打った。
「先、お風呂入らない?その方がシャンプーとかオイルの使い方とか、色々教えられるし」
「ならベイ先に入ってくr「一 緒 だ よ ?」
怖い笑顔を浮かべるオベイに諭すように言う。
「それはだな…立場上ダメなんだ、こっちでは」
「じゃ、服着とくから。ソレじゃダメ?」
「ああ、それなら…」
そう言うと2人で風呂場に行く。オベトレは服を脱ぎ、オベイはトレーナーから借りたシャツとズボンだ。少し大きいサイズだが。
「えっとね〜、温度はあんまり高かったら髪が傷むからダメ。耳はお湯が入らないように…」
あれこれを丁寧に教えながら、上がった頃には1時間が経過していた。オベトレは買ったナイトブラにワンピースタイプの寝巻きだ。
「脚がスースーする」
「腰布一枚だからね」
「言い方。オグリキャップか」
一方オベイはオベトレがかつて寝巻きに使っていた黒のシャツにショートパンツだ。
171二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 22:24:42
「晩飯どうする?」
「ハンバーガー」
「カロリー制限超えるからダメ。しかも夜にファストフードは厳禁」
「はあい…じゃ、ホットドッグで」
「I copy」
「お、トップガン。マーヴェリック見に行きたいね」
「だな。早く公開されれば良いのにな」
そう言いながらコンロに火を付け、ソーセージを焼いていく。パンをトースターに入れたらサワークラウトを取り出してタマネギをみじん切りにしていく。
ほんの5分で準備が終わると、3つほどオベイに渡す。
「よいしょっと」
ローテーブルに自分の分も置き、オベイの膝に座る。
「飯食ったら情報共有して寝るか?」
「賛成〜」
テレビのチャンネルを変えて適当なものを流す。厄介者を美味しく頂く番組をしていた。
「厄介者、外来種か…私たちも外来種なのかな?」
「なら何もかも喰らい尽くすまで。だろ?」
「違いないね」
そう言って談笑しながら飯を終えた後、歯磨きをしてそれぞれの情報を共有し合う。毎日やっている、欠かせないものだ。
「あ、もうこんな時間。帰らなきゃ」
「外暗いぞ。泊まっていけ」
172二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 22:27:10
「その手があった…って、外泊証明書!サインしなきゃ!」
「もう電話してある。ベッドは使って良いからな」
「No!トレーナーも一緒に寝るんだよ?」
「ソレは流石にアウトじゃ?」
「今は同性だしセーフじゃない?ただウマ娘同士が寝るだけだし」
「イエッサー…」
「サーじゃないし、トレーナー押しに弱くなったよね」
「誰のせいだと…うおっ急に持ち上げるな」
そう言ってトレーナーを抱っこしてベッドにダイブすると、布団を被ってトレーナーを抱き寄せる。
「なあ、オベイ」
「どうしたの?」
「私の前では、素を出してくれないか?ずっとは辛いだろ」
そう言うと少し逡巡して、ぎゅっとトレーナーを胸に抱き寄せる。
「やっぱり、トレーナーは流石だな」
「いいや、師匠に比べればまだまださ」
「そんな訳ない。ほら、今だってこんなに暖かい」
「そう言ってくれるなら光栄だ」
「ふふっ。なら、今度から少し、甘えるから」
そう言って2人で向かい合い、微かに笑いあうと互いに強く抱きしめ合い、瞼を閉じた。
「Good night trainer…」
「Good night too,Obey」
以上、オベイとオベトレの買い物回でした。
最後しっとり気味でしたが素のオベイと包容力のオベトレからしか摂取できない何かがあります。
あとこの後からオベイはちょくちょくオベトレ宅に泊まってます。本人的にも日本での実家みたいになったんでしょうね
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part703【TSトレ】
≫6二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 23:16:22
ある日、どこにでもあるガーナ共和国にて。
「なぁトレーナー」
「なんだゴルシ」
「いっしょにサブトレーナーの靴にオイスターソース仕込んで置いておかねぇか?」
「いいなそれ!やるんなら早速アパカシロケットで飛んでいくか!」
「おうよ!」
~⌛~
「つーことで早速オイスターソース仕込んだがありゃぬるぬるでモテモテだな」
「だな!でよトレーナー、次はシンコウウィンディのトレーナーの机に"コレ"置いとこうぜ」
そう言いながら出てきたのは黒光りするアレ……を模したチョコが入った箱。ご丁寧にラッピング済みである。
であれば、勿論待ち受けるのは悲鳴とオーバーアクション。無口な彼の面白い部分である。
~⌛~
そうして、二人が物陰に隠れてから暫くしてターゲットがやってくる。
「……なんだろう、これ……えーと『仕事中にでもつまんでください』……?とりあえず中身は……っ!!!???」
中身を見て思わず飛び上がり箱を落とし、その箱がペンに当たりペンが物差しに激突、ペンがその衝撃で消ゴムを倒し、飛び上がった衝撃で倒れた水筒を転がし、水筒が床に落下。
箱の中身がひっくり返りながらも床に落下、シントレ自身衝撃で動けなくなる大惨事が起こる。
「……よし、いつも通りだな。次行くかトレーナー」
「だな」
7二次元好きの匿名さん22/03/06(日) 23:17:09
~⌛~
「つーことで、次はルドトレのコレクションの中で、今日飲みたいと言ってた奴をこっそり普通のお高いグレープフルーツジュースにしちゃうぜ!」
「で、元々のはどうするんだ?」
「んなもんゴルシちゃんがラベルから瓶まで同じものを用意したから、明日にでもトレーナーから返してやればいいんじゃねーの?」
「まあルドトレなら許してくれるだろうしな」
「んじゃ行くぞ!」
こうして、ゴルシとゴルトレは悪戯の限りを尽くしていき……
「いやー、今日は楽しい日だったぜ」
「……なぁゴルシ」
「ん?なんだトレーナー、灯台にリベンジしてぇのか?」
「いや、はいこれ。クロコバン」
「……んだよ。ゴルゴルトレインから弾き出されて死海から出れなくなっても知らねぇからな?」
「そんなことあるわけないだろ」
「よし、なら明日は四時集合だな!トレーナー、遅れたら全身に練りわさび刷り込むぞ!」
「おうよゴルシ!」
何気ない日常は、何気なく続く。当人達が、変わるのを望むまでは。
これは余談だが、翌日ハオコゼ入り冷蔵庫を持って走るトレーニングをしていたタイミングでウラトレ先生に昨日の悪戯の件でこってり搾られたそうな。
うまぴょいうまぴょい
≫66二次元好きの匿名さん22/03/07(月) 15:33:37
「zzz…」
「ん〜…」
───トレーナー室、椅子に座るキタトレの膝上で眠るのは栗毛の少女…サトトレである。
近くに置かれた主のない車椅子と、彼女の腕や脚に巻かれたバンドは未だサトトレが不自由であることを示していた。
「…もう私のチームメンバーではないけど、まあ別にこうしていても構わないでしょう。」
この姿になってから眠る姿も良く見るようになり、今もその大きな胸を枕に座りながら寝るサトトレをキタトレは撫でる。
傷跡のついた耳、ぺたりと倒されて髪と一体化したそれにあの日の事を思い出しつつ、ポンポンとさする。ふとドアから
「すみませんキタトレさん、トレーナーさんは…」
「…ダイヤちゃんね、迎えに来たかしら?」
入ってきたダイヤに、キタトレは優しく声を掛ける。ダイヤは小さな寝息を立てるサトトレを見ながら
「今動かしたら起こしてしまいそうですね…」「私は暫く乗せていても構わないわよ。それと、今日のトレーニングプランとかはそこの机に置いてあるはずね。」
片手でウマホを触り、予定を組み直すキタトレとサトトレが用意していた予定を確認するダイヤ。確認し終えると
「トレーナーさん、もしかして疲れてないでしょうか…」
眠るサトトレの前髪を上げて、顔を覗き込む。隈もなく穏やかな寝顔にホッとした所で、上から声が降ってきた。
「この身体だと前より眠気が強いのかもしれないわね。…それに、さっきまでサトトレが話していたのは貴方のことよ?」
「!」
「ふふっ、最近ラーメンを啜ろうと頑張ってるのがかわいいとか、最近選んできた私服が似合ってるとか色々言ってるもの。」
「トレーナーさん…!」
眠るサトトレに抱き着くと顔を擦り寄せる。少ししてから起こしてしまったかと離れるも僅かな寝息のみ。
「これならもう動かしても大丈夫そうね。後はダイヤちゃんに任せるわ」
「はい、ありがとうございます」
もう一度サトトレを強く抱き締めて、動かそうとするダイヤの二人にキタトレはうふふと笑いながら見つめていた。
短文失礼しました
実装祝いでサトトレとダイヤちゃん、ついでにキタトレを出演させて見ました。サトトレもダイヤのことは好きですからね
所でそろそろ私、精神的に辛くなってきたんですよ。キタサト配布だの言ってる奴らは皆等しく死んだらいいと思うの(昏い目)
≫79二次元好きの匿名さん22/03/07(月) 16:36:32
「あ、トレーナートレーナー!これ見てよ」
トレーナー室の整理をしていたテイオーとテイトレの二人。
テイオーが部屋の片隅に押し込められていたファイルを開くと、懐かしいものがファイリングされていた。
「うん?……うわっ」
「にっしっし、懐かしいよねー」
そこには“テイオーを帝王にする”と書かれたものと、“会長をボコボコにする”などと書かれてしまっている書初めの紙。どちらもだいぶヨレヨレになっているが、勢いのままに書かれている宣戦布告の一筆がそこにあった。
「もしこれを思い出されたらルドルフと走らされるんじゃないかとひやひやしてるんだけど」
「えー?走ってみようよー、きっと楽しいよ?」
「また今度ね、今度……」
「言ったなー?絶対走ってよね!」
冗談なのか本気なのか。その笑顔の奥にあるものはわからないが、テイオーが笑顔でいられることにテイトレは安堵を、そして幸福を感じたのであった。
「そういえばあの時なんで俺に押し付けたんだよテイオー」
「んー?それはねー……ナイショ!」
いたずらっぽい笑みを浮かべながら二枚の紙を大切にファイルに戻すテイオー。
その後、ファイルがどこに行ったのかは、テイオーのみぞ知る。
≫110二次元好きの匿名さん22/03/07(月) 19:05:37◆モフモフモフモフスルノスキダネー
「……嫌?」
モフモフサレルノスキー
「……よかった」
「アニマルセラピーってちゃんと効果あるんやな……」
「あの子をつかまえてアニマルって言っていいかはネイチャさん的にも議論の余地ありますよ」
「せやな……ようわからん生き物?すぎて未だにどう対応していいか分からんときあるわ」
「それは長いこと一緒にいるアタシもそうなんですが……まぁ、かわいいから良いかなって」
「普段しっかりしとんのにアレ絡むと途端にアホになってへんか??」
「ネイチャは許されるならボケに回りたい側だもんね。周りのボケが粒揃い過ぎるだけで」
「うにゃーーーーっ!!?」
「核心突く分析やめたりーや! ネイチャのトレーナーさんも大概やろ!!」
「そ、そんな事は! ある、かも、しれないけど……!」
「大体トレセン学園じゃツッコミは常々供給不足なんや! そう易々と向こう側には行かさへんでー!!」
「「ヒィ〜〜〜〜ッッ!!」」
キャー オナカクスグッタイー
「……ふふ」
ケナミガトトノエラレルー
終。
久しぶりにかわいいだけのオチなし
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part704【TSトレ】
≫46二次元好きの匿名さん22/03/08(火) 18:42:28
●海の向こうでの一幕●
「Obey,are you there?」
「…………」
「Obey?」
「んー、どうしたの?」
「Ahh.…Japanese…どうしたんだ?そんなことして」
扉を開くと、オベイユアマスターは勝負服を机の上に広げていた。手にはハサミを持っている。
「勝負服を、ちょーっとね」
「……What?」
勝負服。それは彼女たちウマ娘にとって、命と同等の誇りと言ってもいいほどに大切なものだ。
ソレを彼女は…切ろうとしていた。
ハサミで。無遠慮に。
「Are you serious!?」
「Of corse.ちょーっと、話、聞いてくれる?」
彼女の隣に座る。ハサミを一旦置かせると、ぽつ、ぽつと話し始めた。
「トレーナーにはまだだったな…。これは、覚悟、だよ。私は、向こうで勝つって決めた。情報も調べ尽くして、自分を偽って、やれることは全部やって。でも、やっぱり不安だ。だからこそ調べ尽くす。だからこそ徹底的にやる。自分を自分で塗り尽くすつもり。勝負服だって、ここで変えてしまえばもう戻らない」
「Obey…」
「でも、それでいいの。ちょっぴり悲しいけど。コレが私の、覚悟だから」
そう言う横顔は、まるで変わっていなかった。
ここで言い淀むのも、それは彼女に対して失礼に当たる。
だからこそ、これから変わる彼女に想いを伝える。
「大丈夫。今までのベイは全部、全部覚えてるから。初めて会った日から、じょれからもずっと」
するとオベイはふふっと笑って、
「キザだね。映画の見過ぎじゃない?」
「これからやることは、映画なんかよりももっと凄いさ。そんなもの達に負けるはずがない」
豆鉄砲がなんとやらのような顔をした後、想いを馳せるように天井を見、目を閉じた。
However,と立ち上がり、ハサミを手に取る。覚悟はできたようだ。
「師匠もよんでこようか?」
「頼むよ」
47二次元好きの匿名さん22/03/08(火) 18:42:55
そう言って部屋を出ていく彼を見届ける。この待ち時間に最後の覚悟を…
「連れてきたよ」
「本当によかと?」
すぐ戻ってきた。早い
「うん」
はあ、とため息を一つついた後、うん、と頷く。
「右脚はやってよかね?」
「どうして?」
「向こうまでとぶんはきつかばい。ばってんそがん時でもこっちからずっと支えとっけん」
「え、トレーナー行かないの?」
「こいつに行かんね言っとっけん」
「「What?」」
そうして、勝負服は姿を変える。
こうして、彼女は全てを変える。
2人の心に、以前のそれを残して。
≫107二次元好きの匿名さん22/03/08(火) 22:12:27
「この紫のとかどう?ハヤトレの月毛に合うと思うんだけど。」
「おぉー……確かに。でもこっちの金ピカでオールゴールドってのもよくなぁい?」
「それは色合いが似すぎてるかも。全部金染めならもうちょっと橙色を強めに……」
「こんにちはハヤトレ先ぱ……あれ、スズトレさんもいたんですね。」
「お、チケトレよーっす!」
ハヤトレの言葉に合わせて、私も挨拶代わりに軽く手を振る。
「二人でなんの話してたんすか?」
「伊達メガネ。元々今日来たのは次の実況出てほしいって伝えるためなんだけど、なら伊達メガネで可愛さと知的さあげたい、って話になって。」
「……すみません、なんでそこから伊達メガネに繋がるんです??」
「そりゃあチケトレよぉ、メガネだぞ?つけるだけで賢く見える上、ハヤヒデさんのスーパーなプリティーっぷりを引き立ててるあのメガネ様ぞ?
まあハヤヒデさんはメガネなくても目潰れるくらいかわいいけど。」
「実際ゲームとかで軍師やってるキャラとかよくメガネつけてるしね。」
「えぇ……」
もちろんメガネ付けないでグループの頭脳してるタイプも多いけど、付けてるのに頭良さそうじゃない人はあまりいない。イメージだけなら十分だろう。
「ともかく私たちが話してたのはそんな感じ。」
「いやぁ、いざ調べてみると形からして色々あるの色もカラフルだので楽しいんだわこれが。つか、チケトレも探してみっか?自分のやつ。」
「……そうっすね……せっかくですしぜひともやらせてください。あ、でもその前に一つだけいいですか?」
「うん?」
「なんだなんだ?」
「……前から薄々思ってたんですが、スズトレさんってハヤトレ先輩といるとはっちゃけること多くありません?」
「……え、そんなに??」
「多分。ハヤトレ先輩がいる時といない時とで結構テンション変わってるなぁと……というかその感じだと。」
「……うん、全く気づかなかったわ……」
「やっぱりすか……」
「なんか波長合うんだよなぁスズトレとは。まあいいや、昼も近ぇしチケトレの決めようぜ!」
「あーそうね。チケトレ、どっちの隣座る?一人がいいなら私ズレるけど。」
「ハヤトレ先輩の隣で大丈夫です。あと、ハヤトレ先輩の分がまだじゃ??」
「「……あっ。」」
≫120二次元好きの匿名さん22/03/08(火) 23:12:21
「…あ、どうもこんにちは」
「こんにちはオベトレ」
トレセン学園のどこかで、オベトレが挨拶したのはファイトレ(女)…身長差で見上げるような形で喋るオベトレ。
オベトレとファイトレは近くにあった部屋…こたつの置かれた和室に上がると、ファイトレから
「…ああそれと、私は英語で大丈夫だオベトレ。ついでにそこのこたつの虫と化したパルトレもな。」
「酷い言われようね…否定出来ないけれど」
「なら、そちらで…」
…外人トレーナー同士、日本語ではなく英語で会話出来るのだ。オベトレからすれば翻訳しなくていいのはありがたい話である。
(ここからの三人の会話は全て英語です、当然この会話が聞こえたウマ娘達は一様に?が頭の上に出てたり。)
「淹れたての緑茶だ。パルトレは…いつもどおりでまあいいとして、オベトレは砂糖を入れるかい?」
「んー、有名な日本のお茶の苦味を味わってみたいし、なしでいいよ。」
「分かった、置いておくから欲しくなったら自分で入れてくれ。」
ファイトレが丁寧に注いだ熱い緑茶を、オベトレはゆっくりと味わいながら飲む。パルトレとファイトレも口をつけた。
「しかしこのKOTATSU…暖かくて良いね。寒い時は離れたくないと言っている通りだよ」
「…オベトレ、一つ言っておくことがある、このKOTATSUは人を虜にする悪魔のようなものだ。もしそれを忘れて入り続ければ…」
「あぁ〜〜、こたつから出たくない〜……」
「…このパルトレみたくKOTATSUに魂を捧げて取り込まれる羽目になるぞ。そこは節度というか、常に気をつけるんだ。」
「そ、そうか…。その手遅れ?なパルトレはともかく、ファイトレは大丈夫なのかい?」
「ふ…私なら大丈夫だ。この程度で堕ちるようなものではないし、何より私はとうに全てを捧げているからな。」
彼女の覚悟…言い換えれば狂気と言ってすら差し支えないそれに、オベトレはむやみに触れようとはせず、代わりに別の話題を振る。
「そういえば、ファイトレさんの生まれはどこだい?ヨーロッパ辺り?」
「ふふ…秘密だ。私の出身なぞ、あえて言うものでもあるまい。ああそれと、パルトレはどこだったかな?」
「私はねぇ…」
…その後、KOTATSUで寛ぎながら会話する外人トレーナーたちがいたらしい。会話の内容は周りにはさっぱりだったが。
≫145二次元好きの匿名さん22/03/09(水) 11:15:13
桃太郎
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
「……待ってください、なぜ私が"おばあさん"役なのでしょう」
「いきなり連れてきて台本渡して『おばあさん役お願いします』ではそら不満が出ても仕方ないか。……後で儂がいくらか用立ててやるから今は、のう?」
「いえ、結構です」
そうして、おじいさんは山へシヴァ狩りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
「待て、何じゃ今のは!台本、台本を書いたのは……」
「えーと、シンボリルドルフ担当、マチカネタンホイザ担当共同執筆……」
「……もう儂は黙って演じるぞ」
「それがいいかと」
そうして、おばあさんが川で洗濯をしていると、どんぶらこ、どんぶらこと黒いタマモクロスが流れてきましたが、おばあさんは無視して洗濯を続けました。
すると……
「オイラは剣!」
「なんで無視したんですか今!」
「……ルドルフ……助けて……」
エビフライに喰われたケツ上、そのケツ上が黒タマソードを持ち、エビフライの上に黒ルドを乗せた怪生物が川をシャケの如く北上してきたのです。
「……エビフライに罪はありませんから。持って帰りましょう」
ウラトレ先生は容赦なく三人に説教をしたのち、エビフライを持って帰りました。
因みに黒ルドだけは小言の一つ二つで許されました。これについては割と被害者だったので。
そうして、おばあさんが戻ってくると……
146二次元好きの匿名さん22/03/09(水) 11:15:42
「先生は……代役だけは用意したようですね」
「あ、はい……"外せぬ用事があるから頼む"と」
「そういえば今日は……」
おじいさんが逃げ出す事態が起きましたが続きます。二人とも納得するくらいの用事なので。
そうして、おばあさんがエビフライをカットしようとするとエビフライがぱっくり割れて、中から薩摩武士が出てきました。
「……また黒ですか」
「ウラトレさん、何か?」
「いえ。……ああ、なるほど、そういうことですか……」
「コホン、黒髪のウマ娘を貪るエビフライからお助けいただき感謝いたします。して、私めは何をすればよろしいのでしょうか~?」
「……とりあえず、夕食にしましょう」
「はい」「はーい」
そうして、三人は美味しいエビフライ定食を楽しんだのち……
「桃太郎、貴方には鬼ヶ島を牛耳り農作物を奪う鬼を退治して貰いたいのです」
「はい。お任せください」
桃太郎の薙刀がキラリと光りました。
147二次元好きの匿名さん22/03/09(水) 11:16:00
「……ああそうそう、これも持っていきなさい。きっと役に立つはずです」
「これは、カマライゴンボール……」
「ええ、これで仲間をゲットしていくのです」
「一宿一飯の恩に加えこのようなことまで……必ず鬼退治を果たしてきます」
そうして旅立った桃太郎は、川の上流に向かって歩んでいきました。
すると……
「……曲者!?」
「うお、っと……なんだ、グラスのじゃないか」
「あら~?その声はギムレットさんでは?」
「……如何にも、犬役だ」
「であれば……」
「「一戦、手合わせ願おう」」
そうして、ギムレットとグラトレの足技と薙刀の戦いが幕を開けたのであった……
つづく
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part705【TSトレ】
≫15二次元好きの匿名さん22/03/09(水) 20:07:35
感謝の日
「感謝を伝える……ですか〜」
「はい、普段お世話になっているトレーナーさんに感謝を伝える様にと三女神様……でしょうかね、お告げが有りまして〜」
「ですが、私も普段からグラスにお世話になっていますからね~」
「ふふっ、それならお互いに感謝し合うというのもどうでしょうか?」
「それは良いですね~、そう致しましょうか~」
「では改めまして、トレーナーさんいつもありがとうございます♪」ギュー
「あらあら、抱きしめながらとは情熱的ですね~」
「す、すみません! か、身体が勝手に……!」
「おや? そうなのですか~」
「ごめんなさい、直ぐ離れますから!」
「ふふっ、良いではないですか~、せっかくですので私もそうしますね~」ギュー
「ト、トレーナーさん?」
「ナデシコガールの本領……欧米式の感謝というのも乙なものですね~」
「……そうですね」
結局、お互い満足するまでハグし続けたそうな。
うまぴょいうまぴょい
≫37二次元好きの匿名さん22/03/10(木) 07:45:45
桃太郎
(……ギムレット)
「どうした、ボウズ」
(こっちはスピードとパワーに利がある。そこを……)
「駄目だ。間合いが違いすぎる」
(そうか、なら……)
「それも駄目だ。真剣勝負で武器を折ったら意味がないだろう。対戦相手の足を折るトレーナーがどこにいる?」
(……なら一つ、ごにょごにょ……)
「……ほう?随分面白いこと考えるじゃないか」
「おや、相談ですか」
「……ああ」
「どのような策であっても必ず撃ち破りますとも」
そうして、ギムレットは小石を蹴る。
尤も、それは簡単に弾き落とされる代物であったが……
(これが相談の末の策であるはずがない。つまり、まだ何かあるな)
そう考えるのと半ば同じタイミングで"左側面から石が飛んでくる"
が、グラトレは石を食らい、右側面から来るギムレットを受け流した。
「……何故わかった?」
「……勘、でしょうか」
「……そうか、なら仕方ないな。俺を連れていけ、邪魔にはならんはずだ」
「ええ、言われなくとも連れていきますよ」
38二次元好きの匿名さん22/03/10(木) 07:46:30
そうして、グラトレはカマライゴンボールをギムレットに手渡す。
ボールの中には……
「軟膏、絆創膏、消毒液……」
「おばあさんはこれを見越していたのでしょうか~」
「さぁな……ところで、こっちは川の上流側だから、更に進んでも鬼ヶ島には着かんぞ」
「……おや~?」
こうして、仲間の犬を増やした桃太郎。
戦闘の疲れがあるので、一旦おじいさんおばあさんの家で休んだ後、再出発をするのであった。
無事休んで怪我を癒した二人は、川下に向かって歩いていきました。
すると……
39二次元好きの匿名さん22/03/10(木) 07:46:43
「おや~?」
「あれは……」
「困りました……これでは……」
そこには、ワゴン車の前でうんうん唸るブルトレがいました。
「何かありましたか~?」
「……今更だが、世界観どうなってるんだこれ」
(あの二人の脚本だしな、気にしたら負けだろ、うん)
「ああ、私は運転が出来ないのですが、この車をあそこまで運んで欲しいと言われて……」
「成程、であれば私が代わりにやりましょうか?」
「……飛ばして破損させないように」
「……はい」
そうして、さっくり車を動かすと……
「ありがとうございます、お礼は何をすれば……」
「であれば抱きま…いえ、鬼退治についてきて欲しいのです」
「いいですよ」
「いいのか……」
(いいんだ……)
こうして、サルもといブルトレも仲間になったのであった……
つづく
≫48二次元好きの匿名さん22/03/10(木) 08:21:55
「あはは…今日は大変だったねキタトレ」
「う〜ん、そこまで苦ではないのだけどね…」
…夜、キタトレのトレーナー室でゆったりと過ごすのはキタトレとサトトレの二人。仕事もほぼ終わり帰るだけといった具合。
「チームの皆から日頃の感謝と言って抱きつかれてたけど、キタトレが僕くらいのサイズだったら潰されてそうだね。」
「ふふ、でも私には嬉しいことよ。そうやって感謝してくれる事自体、あの娘達の助けになっている証だもの。」
「というか僕、ダイヤにハグされただけで動けなくなったから確実な潰されると思う。…でも凄く嬉しかったけどさ」
「うふふ、それは良かったじゃないの。ダイヤちゃんに入れ込んでる貴方からすれば、最高のご褒美でしょうし」
そう言いながらも立ち上がるキタトレに、サトトレはふと彼にトレーナーとして付き合ってくれる感謝を伝えようと思った矢先
(…あれ、僕は何を…?)
「…ん?」
…サトトレは、気付けばキタトレの背中から抱きついていた。困惑するサトトレに対して、キタトレは
「いきなりどうしたのかと思ったけれど、貴方も私に感謝したくて抱きついたのかしら。…違う?」
コクコクと首を小さくふるサトトレ。音にもしておらず、キタトレからは見えてないはずだが、彼は汲み取ると腕の力を抜く。
無言での好きにしていいという発言に、サトトレは腕の力を強めると顔をその姿が変わっても尚大きな背中にすりつける。
「でも、立ったままというのも辛いわね。」
そういうや否や、抱きつくサトトレごと横になると、身体を回して向かい合うキタトレ。ちょうどサトトレの顔が胸元に。
すりつける度にふわりと漂ういい匂い。いつもとは逆にサトトレが腕を回してキタトレを抱き枕代わりにしていた。
「〜♪」
───人肌恋しいという訳ではないが、人の温もりはそのうち眠りへと誘う。少しして動かなくなったサトトレは
「(スヤスヤ)」
「今の貴方なら、そのまま寝てしまうわね。私を離す気はないみたいだし、このまま私も寝るとしましょう。」
服越しでも分かる温かさを感じ取りながら、キタトレはそっと目を閉じた。
≫115二次元好きの匿名さん22/03/10(木) 21:41:23
「…さてさて、今日はキタサンの誕生日かしらね。あげるものは、と…」
「トレーナーさん!」
いつもの如く扉から聞こえる元気な声。キタトレはトレーナー室に入ってきたキタサンをいつもと変わらずに出迎える。
「誕生日おめでとう、今日は貴方の誕生日ね。もう皆から祝ってもらったかしら?」
「うん!皆からお祝いに胴上げしてもらったり、沢山プレゼントも貰ったりしたんだ!」
「うふふ、それは良かったじゃない。そうそう、今日の夜は空いてるかしら?」
「?空いているよ?」
「なら、私のトレーナー室に来てちょうだい。少し用があるのよ。」
キタトレからの頼みごとに、キタサンは当然のように引き受ける。でもこんな形の頼み事は珍しくてキタが
「うん、分かった!所で用事って…」
「キタちゃん、お誕生日おめでとう!」
「…誕生日、おめでとう」
「わっ、みんなありがとう!」
続々と入ってきたチームメンバーにもみくちゃにされる勢いで祝われているキタを、キタトレは嬉しそうな表情で見ていた。
───時は流れて日も沈んだ頃、チーム全員で誕生日パーティをしたりと盛大に祝った後、キタトレとキタサンは二人きりで
「…今日は凄く嬉しかったなぁ。ここの皆から祝えてもらえるなんて。」
「それだけ貴方が皆に愛されているってことよ。皆、貴方の事が好きだからね。」
「えへへ~」
(まあ、でもキタには「好き」というか、「愛」にも種類があることをいまいち分かってない節はあるわね。)
「…でもそうねぇ、いつかキタも分かる日が来るのでしょうね。その時は…」
「?」
「ふふっ、なんでもないわ。…それよりも、私からの誕生日プレゼント、朝渡したもの以外にももう一つあるのよね。」
「…そうなんですか!?」
するとキタトレは首の後ろに手を回して、髪を留めていた櫛を抜く。はさりと広がる長いキタトレの髪。
そのまま櫛をキタの髪飾りをつけている所に丁寧に差し込むと、手櫛で整えて鏡を見せる。
「この櫛がもう一つのプレゼントよ。軽く髪飾りとしてつけさせてもらったけど、キタはどうかしら?」
「…ありがとうございますトレーナーさん!私、二つもプレゼントを貰えるなんて、凄く果報者だなぁ…」
「勿論よ、貴方はそれだけのウマ娘なのだから。…さあ、そろそろお休みかしらね」
「うん、お休みなさいトレーナーさん。私、明日一番にトレーナーさんの誕生日を祝ってあげますね!」
116二次元好きの匿名さん22/03/10(木) 21:41:55
───キタからのその言葉に、キタトレはくすりと笑ってキタを抱き締めるのだった。
短文失礼しました
キタちゃん誕生日記念です。チームの皆からお祝いされたり、キタトレとお揃いの髪飾り(簪)をプレゼントしてもらったり。
キタちゃんは育成とかだとまだ恋を知らない感じという雰囲気があるので、それを知った時の反応とかが楽しみ(後方腕組み勢)
≫161二次元好きの匿名さん22/03/11(金) 09:17:52
【ディスコミュニケーション】
『今日飲みに行ってくる』
───『誰と行ってくるの?』既読
『姉貴とサシ』
───『そっか』既読
『明日も7時にトレーナー室な』
───『あのね、』
───『私は』
───『私はさ』
───この送信は取り消されています────
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まただ。またなのか。
最近、ドーベルとの関係がギクシャクしているような気がする。ただ、それが大きな影響を及ぼしている訳ではない。タイムが変わった訳でも、体調に変化があった訳でもない。会話だって……、いや、ずいぶん減ったか。必要最低限の会話、それで十分なハズなんだ。それが最適なハズなんだ。過干渉は、思春期の女の子が1番嫌うもの、そのハズなんだ。なのに、墨色のドロは形を変え、大きさを変え、トゲを成し、突き刺さる。これがウイルスであるならば、彼女にうつす訳にはいかない。そうだ、これは俺だけのものだ。彼女には、言わないでおこう。過保護は、ダメなんだ。きっと、そのハズなんだ……。
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アタシにとって、兄さんはどんな人なんだろう。幼馴染のお兄ちゃん?初恋の人?アタシのトレーナー?それとも……。いや、そんなことを思うなんて傲慢にも程がある。アタシが兄さんを独占したら、あの性格からみて、きっと……。不自然な笑みを作って、アタシを守るに決まっている。でも、でもさ。いやだ……。アタシだけ見ててよ……。アタシ以外見ないでよ……。本当はダメなのに、そんなの分かってるのに、なんでこんなに苦しいの……?アタシは兄さんの笑顔が1番好きで、悲しい顔は1番嫌いなのに、なんでこんなこと考えちゃうの……?さっき送った言葉だって、アタシの本心じゃない……!!……でも、嘘って言いきれない。アタシの気持ちって、アタシが、兄さんに伝えたい気持ちって、なんなの……?でも、もう分かんないや。こうして今日もまた1人、罪悪感ともう1つの知らない感情を抱いて、私は私を手放して、涙を世界へ置いていく。