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このページは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…」スレに投稿されたSSをまとめるページ(スレpart626~630)です。
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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ… part631【TSトレ】
≫24二次元好きの匿名さん22/01/15(土) 23:05:19
「では次の試合です!向かって右側、グラトレに対し、左側のウオトレ!」
ぬるぬるした床のステージへ上がる。半径としては3メートルほど。
ローション相撲とやらは初めて聞いた。ましてやローションなど聞いたことすらなかった。
「よろしくお願いしますね、ウオトレさ…脚、大丈夫ですか?」
「えっええ…だっだだだいじょうぶです」
ぬるぬるした「それ」は気持ちが悪い。しかし慣れれば少しは動けると思う。
「では改めて、よろしくお願いします」
「はっはい、こちらこそよろしくお願いします」
しかし先程から何かおかしい。ふつふつと腹の底が煮えたぎるような。全身の血液がまるで溶解したマグマのような。心臓さえもはや変わり果てたような。そんな感触が薄皮一枚の下に滾っている。
「では、両者はじめー!!」
けたたましい音量を叩きつけ、試合が始まる。
その瞬間、刹那の隙を経て何かがタックルを仕掛けてくる。足元のグリップが希薄になったかと思いきや宙に体が浮く。
「もらった…!」
そう小さく聞こえた。背後にはマットの感触が一寸の先にある。敗北の二文字が脳裏へと浮かぶ。
(嫌だ…負けるなんて…嫌…嫌!)
そう思うや否や、体がまるで水が気化したような膨張を覚える。張り詰めた糸が切れ、体を内側から圧し上げる。
地面に叩きつけられた瞬間に寸分の狂いもなく、体を捻る。ローションのせいで減った抵抗は腕の拘束から容易に抜け出すことに貢献した。
「おっと…逃げられてしまいましたか…!」
「ええ、本当に今は…負けたくないので」
グラトレの疑問に短く返答をし、体を低く沈める。滑りやすい足元の一点、母指球に体重を乗せる。彪のように体を曲げ、タイミングを見計らう。
≫25じり…じり…と距離を測る。硬いバネを限界まで押し込み、その力の解放を待つ体は火傷しかねないほどに熱く、冬とは思えないほどの熱気を孕んでいる。
「行きます!」
そう言ってグラトレが突っ込んでくる。まだ、まだ。限界まで引きつけ、相手が勝利を確信したその油断。それを狙う。
(ここッ!)
彼女が体勢を変えるその瞬間。重心が変化するその中間、そこを狙ってタックルをかます。
「んなッ…」
マットがたわみ、ローションをぶちまけながら解放したその弾丸は、一気にグラトレを捉える。
そのインパクトはグラトレも耐え切れず、ステージの外に押し出されてしまう。
「か…勝ったのはウオトレ!ウオトレです!」
うおおおおお!!!と会場は熱気と怒号に包まれる。
「っぷは…いい勝負でしたウオトレさん…ウオトレさん?」
≫26その問いに対し、彼女は答えなかった。ステージの上で体を折り、息も絶え絶えに喘ぐ音が聞こえる。
「まさかッ…救護班!」
グラトレが顔を一気に青ざめて叫ぶ。ステージ上の状況がわかるにつれ、ギャラリーがざわめき出す。
「ぁ…ぜぇ…」
ウオトレ首を強く圧迫されながら酸素を貪るような、そんな喘鳴を漏らしていた。身体中からは蒸発したローションが湯気のように蒸気となって彼女を包み込む。
「担架を早く!保冷剤もありったけあるだけ!」
バタバタと救護班が走ってくる。
「ぅ熱っ!なんだこれ!」
救護班が手を引っ込める。しかし彼女の熱は一向に収まらない。腹を何か抑え込めるように強く圧迫している。
なんとか彼女を担架に乗せると、救護テントへ運搬する。ありったけの保冷剤を押し当てるも、十秒と持たず溶けてしまう。
「まずいぞ…まさかウマソウルの暴走…!?」
ごく稀に起こりうるそれは抑え込むのが難しい。
「もう1人のウオトレを連れてこい!怖い方のだ!!」
テント内に動乱の嵐が荒ぶ。
≫27保冷剤も尽きそうになった時、1人の女性がテントへ走り込んできた。
「お嬢!お嬢はどこだ!」
「こっちです!」
そのもう1人のウオトレは肩で息をしながら入り込んできた。
「周りの衆はお嬢を冷やせ!氷でもプールの水でも何でもいい!!」
その希薄に気圧されて、周りの職員が一斉に動き始める。
(飲まれんなよお嬢…!)
頭に手を充てたかと思うと、目を閉じる。
その瞼に写ったものは、黒い闘志だった。
誰であるのかすらも判別できやしない、純粋な闘志。
それが彼女を、長い黒髪の彼女を侵食し尽くそうとしている。
(離れろ…ッ!)
グッと力を込めて念じるも、バチンと弾かれる。更には渦まで巻き始めた。
(お嬢を…俺の家族を…返せッ!)
強く念じ、力を込める。ジリジリとそれを後退させていく。
長いような短いような、そんな時の後に一旦は治ったようだ。
瞼を開けると汗がびっしりと肌に流れていた。
≫28「お嬢…お嬢ッ!起きろ!」
水を差し出してくる周りを払い、肩を揺さる。
ゴホッ、カハッと激しく咳き込み、吸い損ねた酸素を全て取り込むように荒々しい呼吸を繰り返す。
そうしてそっと目をあけた。
「…ここは?」
「養護テントだ嬢ちゃん。ほらコレ。ゆっくり飲みな」
「で…も…」
「俺はいいから」
彼女の肩に手を回して優しく起こし、水をゆっくりと飲ませる。500ミリのスポドリを空にすると、彼女はいった。
「ありがとうございます…グラトレさんは?」
「それよりもまずは嬢ちゃんだ。まずは着替えだ。風邪ひくぞ」
「はい…」
しかし彼女は自分で動けないほど憔悴しきっているようだ。すまねえ嬢ちゃんと断りを入れ、救護班にパーテーションを張ってもらい、服をぬがせて替えの服を着せる。
≫29「嬢ちゃん、聞かせてくれ。なにがあったんだ?」
「分かりません…勝負…と考え続けていたら…体がものすごい熱くなって、私のものじゃないみたいになって、それから、とっても苦しくなりました」
「なるほど…オーケーだ嬢ちゃん。他なんか分かるか?」
「いえ…その…」
「そっか。ならこの話は終わりだ。あとは任せてゆっくり寝てな」
「でも…」
「でもも何もない。嬢ちゃんが死んだらそれこそ一大事だ」
「は、はい…」
瞼を閉じると途端に眠りに落ちたように呼吸を始める。
それを確認すると、パーテーションをずらして救護班の1人に伝える。
「嬢ちゃんを医務室へ。あと点滴の連絡を。アレ1本じゃ気休めにもならない。俺も付きっきりでしばらくは隣にいる。頼む」
「了解しました。パーテーションは」
「片付けていい。ありがとな、急な事態なのに俺の家族を守ってくれて」
「いえ、誰であろうと皆平等です。それに貴賎はありませんから」
「そう言ってくれるとありがたいよ」
肩をポンと叩き、自分も水分補給をする。1.5Lの水が一瞬で空になった。
その後、医務室のタキトレと話し合い、交代で見守りをしてもらったが、大事は起きずに彼女は目を覚ました。話を聞いても、あれから影の末端すら見せていないらしい。
グラトレを酷く心配していたから、3人で話して面会を取り付けた。向こう1週間ほど、医務室で様子を見ることとしたし、彼女も同意した。
改めて考えるもやはり暴走と見て違いない。しかしその正体が分からない。一抹の不安を胸に抱え、医務室へと脚を進めていく。
嬢ちゃんのウマソウルを見るために。
≫75ヤエトレ最終章 序 1/622/01/16(日) 01:31:05
空が、泣いている。
自暴自棄になっていた少年は倒れていて、ただ朽ち果てるのを待つだけだった。
忘れるはずのない景色。そして、全ての運命の始まり。
俺が師匠に拾われたあの日に、俺は今立っている。
記憶。いや、違う。これは夢。いつ消えてもおかしくない泡沫の中。
何故かそれがはっきりと分かった。意識、思考、感覚。そのいずれもがはっきりとしている。そしてここが現実でない場所だと、体が理解し把握している。
奇妙な『ずれ』。これに似た感覚は、確かあの時。
『お久しぶりですね、―。その身体には慣れましたか?』
「そう、確かアンタと話したときはこんな感覚だったな。慣れました、元気にやっています、とでも言えば満足か」
『ふふっ。そう睨みつけないでください。これでも“私”、貴方のことは気に入っているんですよ。数多の選択、可能性の中でここに至ったのは貴方だけなんですから』
「なあ、アンタはいったいなんなんだ。アンタの存在とウマ娘化は関係があるのか?」
『そうですね。せっかくだし答えてあげます。もっとも貴方以外の他の方々については何とも存じ上げないですけど…。貴方のその変容に関して限って言えば、はい。とだけ』
「なんのために?」
『それを知って貴方はどうします?どうにかできます?本質はそこではない。もっと先でしょう?』
「…やっぱり不愉快だな、アンタとの話は。で、今回は何に巻き込もうっていうんだ。これ以上何かあるのか」
『そうです。今回は貴方に会ってほしい人物がいるのです。貴方が知り得るはずのない可能性。自分の知らない自分。この夢を、その世界と繋げてありますので』
「…意味が分からないんだが、ちゃんと説明してくれと言ってもしてくれなさそうだな」
『会えば嫌でも分かりますよ。分かってしまいます。それが自分というものです。それでは』
『ウマ娘になる』。それはどの世界線でも変わらない結末だった。多くの「彼」がその呪いに打ち勝てない中で、彼だけはそれを乗り越えて見せた。それは何よりも“私”を驚かせた。
ならば、その在り得た可能性を前にしたとき、彼はどんな答えを出すのだろう。
“私”はそれが見たい。彼。否、彼女が行き着く先、掴み取る未来を。
貴方には、それだけの力がある。自ら選び取る力が。切り拓く力が。
楽しみに、しています。
≫76ヤエトレ最終章 序 2/622/01/16(日) 01:32:07
その声が止むのと同時に、周囲の景色は一変する。記憶の世界を闇が塗り替えていく。
やがて、見えてくる映像が。聞こえてくる声が、ある。
激しい頭痛とともに、その記憶が乱暴に流れ込んでくる。
『これが俺の願い…。俺の、望んだ姿…。違う…違う違う違うッ!こんなの俺じゃない!俺は、俺はっ!こんな姿になりたかったわけじゃないっ!俺は人間でっ、ウマ娘じゃない!返して、戻してっ!』
『走れる。もう敵わないなんて言わせない。この脚で認めさせてやる。誰にも、俺を否定させない』
『どうしてあんなに走ることに固執していたのか。この姿になってからよく分からなくなってしまった。何かに突き動かされるようにして、当たり前の日常に組み込まれていたものは、その意義を失った。望んでいたはずの力を手に入れて、俺はどうしたかったのだろう。なんのために。この空虚な気持ちで、俺はこの力を、どう振るえばいいのだろう』
「うっ…かはっ…おえっ…、はぁ、はぁ、はぁ。くっ…そお…なんなんだ、よ…これ…」
立っていられない。ひどい吐き気と頭痛に、その場にうずくまる。
流れてくるものが多すぎる。今にも頭が割れてしまいそうなくらい痛い。
気持ちが悪い。見せられている映像は、聞かせられている音は、多少の差異こそあれ、全て自分自身のものだ。それが混乱に、さらに拍車をかけている。
…ダメだ。今起きていることを理解しようと思考したくても、この状況ではとても無理だ。脳の処理が追い付いていない。
しばらくして闇が晴れていく。景色が、前のものへと戻っていく。
しかしそこには、初対面のはずなのに、もうすでに「見慣れてしまった」影が目の前に立っていた。
≫77ヤエトレ最終章 序 3/622/01/16(日) 01:32:48
とあるとあるところに、一人の走ることが大好きな少年がいました。
特に能力が秀でているわけではありませんでした。でも、好きと言う気持ちは誰にも劣っていないと自負していました。
しかし、少年の家族はその少年の姿勢に少し否定的でした。
それには少年が、その才能で人間のアスリートとしても通じるレベルに到達できるのか、という不安からもありましたが、なりより少年の両親にとって大きかったのは、「ウマ娘」の存在です。特に少年にはウマ娘の妹がいたのです。
決して覆すことのできない人間とウマ娘の身体能力の差。それがあるのに、わざわざ人間である少年が走る意味なんてあるのか。両親は、そういった考えの持ち主だったのです。
少年はもちろん反発します。しかしすぐに、その出来事は訪れました。
少年は妹と勝負をしたのです。妹は、ウマ娘としての走行能力は並程度で特段走るということに熱心なわけでもありませんでした。そんな妹に少年は、自分の思いが負けているはずがないと、そう思ったのです。
…結果は明らかでした。全く、少年は及ばなかった。
突きつけられた現実。それでもなお諦めきれなかった思い。そして少年は家での居場所を失っていき、やがて出ていくに至ったのです。
しかし少年一人で生きていけるほど世の中はあまくありません。やがて限界を迎え、過度の疲労と空腹で倒れてしまった少年は、そのまま終わるのを待つだけになってしまいました。そんな終わるはずだった少年を救ったのが、「金剛八重垣流」の道場。ヤエノムテキの祖父でした。これが、少年の第二の始まりです。
≫78ヤエトレ最終章 序 4/622/01/16(日) 01:33:37
少年は道場で面倒を見られることになりました。やがて10年近くの年月が経ち、幼かったヤエノムテキが成長し、トレセン学園への入学が決定すると、彼女の祖父は青年にこう言います。ヤエノムテキのトレーナーとして一緒に学園に行ってほしいと。青年は考えの末それを了承し、トレーナーとしての道も歩み始めることとなります。しかし学園では、ちょっとした不思議な現象が起こっていたのです。
それは、ウマ娘のトレーナーもまた、ウマ娘の姿へと変容してしまうという事件。青年とヤエノムテキが学園に来た時には、すでに数十人のトレーナーがウマ娘になってしまっているとのことでした。これには青年も頭を抱えます。なにしろウマ娘という存在は青年にとって大きく、また自身もそれに変容してしまう可能性が少しでもあるとしたら、それは決して簡単には片づけることのできない問題だからです。しかし、青年は学園でトレーナーを続けました。ヤエノムテキを置いて一人にすること、そして自分だけ逃げだすことを良しとしなかったからです。
…その選択は、青年にとって非常に大きな転機を迫ることとなりました。
謎の存在は言います。青年は、ウマ娘になりたかったのだと。それが青年の隠していた望みなのだと。ウマ娘になれば人間である今よりもずっと走れる。力を手に入れられる。終わりの見えない執着から解き放たれて楽になれる、と。そして青年は―。
≫79ヤエトレ最終章 序 5/622/01/16(日) 01:34:20
「とある世界で、『俺』はその変容を受け入れられなかった。自分の身体が全く違うものに、しかもウマ娘となってしまったのだから当然の話だ。しかし何より『俺』にとって、トラウマの根源であるウマ娘に自身がなるということは、それまでの人間であった自己への否定に他ならなかった。人間のお前の努力は無駄だった、という宣言以上の何物でもなかったんだ。その世界での『俺』はその精神的苦痛から、やがて自死を選んだ」
「違う世界では、ウマ娘の姿になったことでその力を存分に振るって、『俺』を誰からも認めさせてやるという熱に駆られた。それだけならまだしも、その『俺』はやがて自己鍛錬を最優先するようになり、あろうことか担当であったヤエノムテキのトレーナーであることさえも自ら放棄し、ひたすら自分のことしか考えなくなった。その『俺』は確かに強かったが、決して誰からも好かれることは無かった。ただただ孤独だった。やがては力の酷使によってその足は二度と動かないものになってしまったけれど。自業自得、といえばこの『俺』は確かにそうなのかもしれない」
「悲劇の結末を迎えなくても、『俺』は必ずどこかに空虚な気持ちを抱いている。見返したい相手のはずだった家族はもう近くにはいない。そもそもウマ娘に変容してしまった以上それは成立することはない。何を目指し鍛錬を積むのか、どうして走りに固執するのか、その問いに答えられなくなり、意義を見失って『俺たち』は光をも失った」
≫80ヤエトレ最終章 序 6/622/01/16(日) 01:35:06
「…はぁ、はぁ。よくもまあ、ペラペラと。恥ずかしげもなく、自分の遍歴を語れるもんだ」
苦しさも、気持ち悪さも治まらない。それでも、なんとか言葉を吐き出す。
「他の『俺』が、どうなったのかは、知りたくもないし、知ろうとも思わない…。それでも、失ってないのが、俺だろ…!」
「そうだね。言うとおりだ。『俺たち』だって知りたくなんてなかった。知りさえしなければ、そういう運命だったで片づけられたんだ。でも、あのクソみたいな存在のせいで世界はつながって、こうしてあり得るかもしれなかった可能性を見せられている。その中に、幸福な結末があったなんて知ってしまったら、嫉妬するのが当たり前だ。どうして『俺』にはその選択ができなかったんだろうって」
「やっぱ、アイツのせいじゃないか…人の気持ちを、弄びやがって…」
「…聞かないといけないことがある。お前は決着をつけた気になっているかもしれないが、それは明確な回答を出さないまま逃げているだけだ。その答えを聞かなければ、『俺たち』はお前を認められないし、認めたくない。何より、そのウマ娘とトレーナーの混ざりものとしての在り方は異様だ。トレーナーなら、競争ウマ娘の真似事などやめたほうがいい。それができないのなら、お前にあの娘の、ヤエノムテキの側に立つ資格はない。これは『俺たち』からの忠告だ」
「『ヤエノムテキのトレーナー』。お前はその姿で、何を目指す?」
泡沫の世界が、終わる。
続
おれバカだから言うっちまうけどよぉ… part632【TSトレ】
≫83二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 19:26:01
◆たぶん初語尾
「おはよーネイチャ♡」
「……バカなの?」
「ひどいっ♡♡」
思いがけず一刀両断してしまったあたしを許してほしい。というか、ショックを受けたような表情なのに耳から聞こえてくる甘ったるい喋り方のギャップ
……どうしよう。かわいいというよりアホっぽいが先に立つ。
「ど、どうして♡いきなりなんでそんな……♡」
「うん、ちょっとだけ黙って」
「なんでぇーー♡♡」
いやもう頭がバグる!あたしのトレーナーさんはそんな風にしょっちゅうハート飛ばさないの!!
「ずきゅんどきゅん♡走り出しー♡
ばきゅんぶきゅん♡かけてー♡ゆーくーよー♡」
「うんうん。バカバカしくて早くも慣れてきましたよー」
筆談で済ませようとも思ったけど、聞き慣れる方が早いみたいだ。一日これだとしてももはや何の障害もない。
「……ネイチャ♡」
「はいはい、なんですか?」
「ネーイチャ♡」
「……なんです?」
「ふふ♡呼んでみただけ♡」
「痛っ♡痛ぁっ♡なんでそんなにチョップばっかり♡♡」
「下手にからかうからでしょーが!」
「紛らわしい真似してごめんなさいぃー♡♡♡」
……別に紛らわしくはないです。そういうつもりで言ってるの、分かるんで。だからこれはただの照れ隠しです。ハイ。
……ん、トレーナーさんにも伝わったようで何よりです。
(終)
≫99二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 20:16:26
トレセンの入試の試験官として普段の着物とは変わってスーツを着たグラトレ(独)
受験生A「あっ! ……すみません消しゴムを落としてしまいましたー!」
受験生B(あっ、あの娘消しゴム落としたな)
グラトレ「は~い…………此方で宜しいですかね~?」
受験生B(試験官さんが取りに……!?)
受験生B(消しゴムを取る為に腰を曲げたせいで、コッチにお尻が突き出されている!?)
受験生B(試験官さんお尻デッカ!?)
受験生A「はい! ありがとうございます!」
グラトレ「頑張ってくださいね~」
受験生B()
受験生B(……絶対に受かろう)
性癖が決まった受験生Bは過去一番の実力を発揮したのだった
≫120二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 20:57:13
「…」
「うう…ひゃっ!」
「うへへ〜ネイトレ、色々おっきくなった?」
…トレセンの一角で、ネイトレ、ファイトレ(女)、ベガトレの三人による女子会。そう、ウマ娘化した女トレによる女子会である。
ここ最近三人で集まる事が少なく、久しぶりにということだったのだが、その結果がこれであった。
「…ベガトレ、程々にしとけよ?」
「えー!ネイトレが前より全身大きく柔らかになってるから確かめてるだけ」
「…(ふるふる)」
ネイトレのπを揉むベガトレ。同性かつ長い付き合いによるデリカシーの喪失は誰が見ても明らかであった。
「はぁ…、とりあえず一旦離れろベガトレ。」
「んぐっ」
ファイトレは実力行使───と言っても単に引き剥がしただけ───でベガトレを止める。彼女を片手で抑えながら
「ネイトレ、とりあえず目元を拭いておくといい。涙でメイクが落ちては困るだろう?」
「ありがとファイトレ…」
ファイトレがポケットから取り出したハンカチをネイトレに渡した所で、ベガトレはファイトレの胸に手を伸ばし
「おっ、いい乳してんねえ。ファイトレも僅かに増量してない?」
「…ほぅ?」
遠慮なく揉んだ。その素晴らしい手つきは涙目で震えていたネイトレがえっと硬直するほどにさらりと流れるよう。
「くくっ…、そうか。なら私も遠慮しなくていいんだな?」
「あぶっ!」
磨いた技術を(無駄に)つかい、両手で素早くベガトレを引き寄せるとその顔をEカップの谷間に押し付ける。がっちり固定し
「ふふ、どうだベガトレ、じっくり堪能したらいいとも」
「もごもごごご…!」
「ん〜?耳でペシペシされても痛くないぞ〜」
…そう長くはないが、ある程度たってから力を緩めて解放する。離された時大きく息を吸い込んでベガトレは
「ぷはっ!…死ぬかと思ったわ。あっ後ボディソープ変えた?凄くいい匂いして…あだっ」
ファイトレは左手で軽くベガトレの額を小突き
「…ったく、セクハラも程々にするんだぞベガトレ、私ならともかくウオトレ(女)達にやったらしばかれても文句は言えんからな。」
勿論だよーと分かってるのか不明な返事を聞きつつ、今度は大人数で女子会でもしようかと考えるファイトレであった。
≫129普通だなんだと言われても22/01/16(日) 21:21:03
普通だなんだと言われても
「タキトレさん、目立つ薬とかありません?」
保健室での昼の一時。いつもの様に友人であるダストレとお茶をしていると、テーブルの向かい側に座っている彼から疑問を1つ投げかけられた。この保健室には自分の担当であるアグネスタキオンがこれまで作って来た薬品が全て保管されていて、それが原因なのかして時々こういった相談が来るのだが今回は一風変わったものだった。
「睡眠薬ならありますからここで仮眠を取っていきますか?」
「対応が塩⁉どうしてそんなことを言うんですか!」
「いえ、てっきり三徹でもして頭がおかしくなったのかと……それで、また突拍子もないことを言っていますけどどうしたんですか?以前から貴方が普通なことを気にしているのは知ってましたけど、そんなになりふり構わなくなるほどでしたっけ?」
「いやぁ、まあその、最近普通についてブラトレとかと話しまして。それで今タキトレさんと話してる時に、タキオンさんの薬に何かそういった物はあったりするのかな、と思ったわけでして」
「なるほど…」
頬を掻きながら恥ずかしそうに事情を話すダストレ。
彼が自分のことを普通であると感じて色々と気にしているというのは知っていたが、まさか同世代の相手と話をするほどだったとは思わなかっただけに自分としても何かをした方が良いのだろうかとは思わずにはいられないが、それと同時に自分が感じていることをハッキリと言うには良い機会だとそう思わさせられた。
≫130普通だなんだと言われても22/01/16(日)21:21:33
「ダストレさん」
「はい、タキトレさん」
「まず目立つ薬があるか?ということですが、ここにはありません。飲むと体が光る薬とかは色々ありますけどね?ダストレさんが欲しい特別とか個性とかとはちょっと違う気がしませんか?」
「あー、はい。流石に光るのはちょっと……」
「ですよね。もし仮に「はい」と言われたとしてもスカーレットさんに怒られてしまいそうですので、飲んで光る薬は渡す気はありませんけど。それに──」
「っ!タキトレさん⁉」
ダストレの隣に行って彼の手を取る。少しひんやりとした感触を受ける彼の手は、彼がどれだけ担当であるスカーレットのために努力し続けているかを教えてくれるかのようで、自分としては少し微笑ましく思ってしまう。驚きの為かびくりと跳ねた彼を落ち着かせるようにさすると、どうやらこちらを受け入れてくれたようで、表情も落ち着いた物になった。
「ダストレさんは十分個性的ですよ。こうして少し冷たい手も、貴方が普通だなと言っていたその顔立ちも、私にとっては特別です」
「そ、そうですかね?」
「ええ、そうですよ。ダストレさんはいつも色んな人のために頑張ってますし、キンチェムさんの時のダストレさんなんてすごいカッコ良かったですよ。この手もきっと、誰かにずっと差しのべてきたから冷たいんでしょう。ほら、そう考えるとダストレさんはずっと個性的で、特別な人だと思いませんか?」
彼の手を両手で包む。ひんやりとした彼の手に両手で熱を分け与えるように優しく包む。
これ以上言葉はいらない。自分にとってはそれだけで十分伝わるとなんとなくだが、そう思えるのだ。
≫131普通だなんだと言われても3/322/01/16(日) 21:21:59
「……ありがとうございます。でも、それって普通のことじゃないですか?」
「普通のことをちゃんと普通にできるというのもそれもまた個性です。だというのに理解してくれないんて……そんなダストレさんにはこの後私の抱き枕になってもらう必要がありますね」
「えっ⁉良いんですか?」
「無論そんなことをしたらスカーレットさんに怒られてしまいますから冗談です。……それはそれとして、少し休んで行って欲しいのは本当です。手を握った感じここ最近は色々と働きづめでしょうし、保健室で少しぐらい仮眠を取っていった方が良いですよ?」
「どうしてそれだけでわかるのかはともかくとして……じゃあ、お言葉に甘えて、1時間ぐらい寝ていっても良いですか?」
「勿論です。じゃあ一時間後に起こしますね?……そうだ、眠れるまで添い寝でもしようか?」
「はは、それはちょっと遠慮しておきます。それじゃあタキトレさん、おやすみなさい」
「おやすみなさいダストレさん。いい夢を」
ダストレがちゃんとベッドの上に横たわるのを見届けて、彼の分のカップを片付けてから再び自分の座っていた椅子に座り直す。午後は何をしようかなと考えつつ、自分が持ち込んだ本を読み始める。
それは遠く欧州の地、東欧の地から来た一人のウマ娘がレースをするという物語。かつて彼の中に居た彼女ほどは強くはないけれど、それでも諦めずに走り続けたある少女の物語。
「ふふっ…」
その本の主人公が何故か彼のように思えてきて、なんだか少し微笑ましく思えた。
ある程度の所まで読み進めながら、テーブルの上の紅茶を口に運ぶ。淹れてから時間が経ちぬるくなってしまったが、今この時はそれが彼の手のように少し冷たくも暖かに、自分にはそう感じられのだった。
≫145 二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 21:57:34
≫120、≫126
「む〜〜〜!!」ポカポカポカ
「割とこんな感じでたまにしばかれてはいるんだよねー」
「しばかれって……1ダメージ入ってるかも分からないその後頭部連続パンチのこと?」
「ほ、本気で殴ったら痛いと思うのでこんな威力に……ただ抗議の意味も込めて、がんばってます」
「もっと頑張っていいと思うよ。それともベガトレへの折檻なら私が変わろうか?」
「いいや。殴って痛い思いするのは殴る側の拳も同じなんだから。……ネイトレは正しい。間違ってないよ」
「先輩……」
「言いくるめスキルが異様に高い」
「抗議の意図も伝わっていると嬉しいです……」
「それじゃあ頭じゃなくて叩くところをもう少し下の、横の……そうそうそこよそこ!あーしばかれてるーーー反省してくーーー」
「……いやこれただの肩たたきですよね?」ポカポカポカ
「分かってて続ける辺り、お人好しなのよね……」グリグリ
「ぐぃっ!? ファイトレさん!?」
「肩に肘を乗っけて、ゆるく体重を乗せながら少し回すように動かす」グリグリグリ
「あ、あっ、あああはぁぁぁーー……」
「……ネイトレー?私もおんなじ感じでしばいてー?
わ、うわ、わああぁぁ溶けるぅーーー……」
「よければ後から私にもお願いね。ベガトレ」
「まーかーせーろーーー……」
≫132
ダストレさんは結構つつきやすい属性多くていいなと最近思うようになりました。かわよ……
≫139
ほ、ほしい……かわいい……
≫158二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 23:17:41
ある日。
「……おはよう、トレーナーくn」
「「「おはよう、ルドルフ」」」
私がトレーナー室に入ると、トレーナー君が三人いた。
一人は髪をまとめ、パンツスタイルのなんとなしに男性的な振る舞いと口調の彼女。二人目はウマ娘となる前の見た目の彼。三人目はいつもの彼女。
その三人が、私の方を見ている。
「……トレーナー君」
いつも通りの声色で、もう一度呼びかける。
「……何かあった?」
「何かあったなら、僕にちゃんと言ってほしい」
「スケジュールとかなら、すぐにでも調整するけど」
大驚失色、思わず後ずさるもゆっくりとこう語りかける。
「トレーナー君、何故三人に?」
「やだなぁ、ルドルフ。僕は一人だろう?」
「だよねぇ……ルドルフ、もしかして疲れてる?」
「なら、今日のトレーニングは……」
等と言いながら、三人のトレーナー君が歩み寄ってくる。
思わず、外に出ようとするが……
「入ってきたときには鍵はかかっていなかった筈だが……」
さも当然のように閉まっていた。
そうして、三人が私の前に来て──
「「「つ か ま え た」」」
三人が、私の肩を掴んで
≫159二次元好きの匿名さん22/01/16(日) 23:18:34
────
気がつくと、私はカマライゴンを抱きしめながらベッドで寝ていた。
オハヨー,ナンダカカオイロスグレナイケドアクムミタ?
「ああ、おはよう。そして悪夢を見たのも事実だ」
ソッカー,ルドトレハイマキッチンダヨ
「……ありがとう」
ぽふり、とカマライゴンをベッドに置き、キッチンに向かう。
そこには────
「おはようルドルフ!ご飯もうすぐ出来るからね!」
一人、いつも通りの彼女が立っていたのだった。
「ああ、おはよう。トレーナー君」
「……ルドルフ、何か変な夢でも見たの?」
「いや……なんでもない」
彼女の顔を見て、夢の内容は、既にうろ覚えとなっていた。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ… part633【TSトレ】
≫38二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 09:20:44
さくらんぼ グルトレ
明日はグルーヴによる私の自宅の定期掃除日なのでトレーニングを終え、彼女とそのまま一緒に帰宅した。お風呂と夕食を済ませ、ゆっくりと彼女との時間を過ごしていた。
「あ…」
「どうした?」
「さくらんぼ、食べないとやばいかも…」
私はソファーから立ち上がり、冷蔵庫の中にあったさくらんぼを取り出す。まだ生で食べられそうだ。水洗いし、皿にあける。種と果柄を置くための小皿と一緒に彼女の元へと運ぶ。
「食べられそうだな」
「思い出せてよかった~」
ひとつを手に取って、口にする。甘くて美味しい。ふたりで食べるには少し多いかと思ったが、これならいくらでも食べられそう。そう思いながら、さくらんぼを口にしていく。
「甘くて美味しいね」
「そうだな」
またひとつ、さくらんぼを口にするが誤って果柄も口に入れてしまった。ふと、思い出した。さくらんぼの柄を口の中で結ぶとキスがうまい、というふんわりとした話がある。実際にキスがうまいかどうかはその相手との相性もあるような気がしてならないが、やってみてもいいかもしれない。実を食べ、種を取り出す。次を取らずに舌を使い、柄を結んでいく。結構簡単なものだ。
「何をしている?」
「ふふ~ん」
ぺろりと舌を出し、結んだ柄を彼女に見せつける。
「口をもごもごさせていると思ったら…まったく」
「だって、さくらんぼの柄を口の中で結べるんだよ」
結んだ柄を小皿に置いて、彼女を優しく抱き締める。
「言うじゃん、結べるとキスがうまいって」
「キスならいつもしているだろう」
「そうだけど~」
「さくらんぼは食べないのか?」
彼女は私の目の前に柄でつながっているふたつのさくらんぼを出した。
「食べる……そうだ!」
「なんだ?」
「このさくらんぼ食べながらキスしよ」
彼女は呆れた様子もしつつも笑みを浮かべた。彼女の空いている手に指を絡める。
「柄もふたりで結ぶんだよ?」
「このたわけが…」
≫39二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 09:21:04
「だめ?」
「だめとは言ってないだろう」
彼女はさくらんぼを柄から外さずに口にする。顔に垂れた髪をかき上げながら口にした彼女の仕草に心臓が高鳴るのを感じる。もっと、ドキドキしていたい。そう思いながら、私ももうひとつのさくらんぼを口にする。彼女と視線が交わり、そのまま唇を重ねる。
「ん…っは……」
「ふぁ…っん」
静寂をさくのは私たちの息交じりに漏れる声と交わる音。さっきまでさくらんぼを持っていた彼女の手が私の服をつかむ。そんなかわいいことされたら困ってしまう。そう思いつつも交わせながら、ふたりで柄を結んでいく。しばらく彼女と唇を重ね続け、柄は結ばれた。
「できちゃうもんだね!」
「貴様、途中わざと邪魔しただろう」
「わかっちゃった?」
「わかっちゃった、じゃない。まったく……」
私は結べそうなところをわざと崩したりしていた。こんな長い時間彼女とキスだなんてコトの時だってしたことはない。ドキドキしている心臓はまだうるさいままだ。
「だってグルーヴとずっとキスしていたかったし…」
「たわけ、そんなまどろっこしいことしなくても言えばいいだろう」
彼女に抱き締められる。さくらんぼを食べ終えたら、このドキドキを共有したい。彼女の胸の中で私はそう思った。夜はさくらんぼのように甘酸っぱく彼女と過ごし、明日はのんびり起きて朝風呂して家の掃除だ。
≫94二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 17:32:22
湯たんぽ(人)
「……そういえばタイキトレってしょっちゅうサトトレとか湯たんぽにしてるけど。」
「まあねー。でも最近少し改善はしてるのよ?ぬくぬく対象増やしたりとかして。」
「知ってる?それ改善ってよりは被害増加って言うの。」
「細かいことは気にしなーい気にしなーい。んでなぜにそれを今?」
「えーっと、だいぶ前に考えついたことなんだけど……あなたもあなたで適してない?湯たんぽ役。」
「…………その発想はなかった。ちな理由は?」
「髪。だってかなり長い上にモッフモフでしょタイキトレのって。」
「そりゃあもうモッフモフのくっせくせよ。でもそっかー、自分も適性あったかー……」
「私にそういった経験がないからハッキリとは言えないけどね。ともかくそういうことだし、たまには湯たんぽにするんじゃなくて、」
「話しぶりから随分と前から目つけてもらってたようだし、特別にぬくる事を許そう……さードンと来なされー。」
「自分がなって暖まらせてあげるのも……待って、別に私はやらないからね?」
「まーまーそう遠慮せずー。たまには逆の立場になってみるのもまた良きかな良きかな……」
「いやだからしないって。 今でこそこうとはいえ元男が元から女性の人を湯たんぽ代わりにするのは色々とまずいでしょ。」
「あ、でも頼めるなら短めだと助かるかも。自分もまだまだ未熟な身ゆえ。」
「ダメだ、話聞こえてても聞く気がない……!!しないったらしないからね!?」
この後なんとか回避できたのかやらされたのかは当人達以外知らない。
≫94二次元好きの匿名さん22/01/17(月) 19:20:54
「あらやだカレトレさん、あちらをご覧になって」
「マヤトレお兄ちゃん……あどけない子を二人、小脇に抱えて……ハッ、もしかして!」
「「ついに誘か「なわけないだろーが!」ちぇー」」
「で、どうしたのその子ら。今のイクトレさんくらい小っちゃいけど、親戚の子とか?」
「いや、よく見ろ。毛色だのでわかるだろ……こっちがブラトレ、んでこっちがテイトレだ」
「よぅ! きぐうだな、ぼぉとぇ、かぇとぇ!」
「はぅかしぃかぁ、あんまぃみないぇ……」
「カワイイ……やっぱり誘拐じゃ」
「なわけあるかい。話してたら急にこうなってな、思考はそのままみたいなんだが……」
「体は少女通り越して幼女になっちゃってるね」
「イクトレさんが乗ってるアレがあればいいんだが、ないんでな。トレーニングに間に合わないかもってことで」
「マヤトレお兄ちゃんが両脇に抱えて走ってたんだねー」
「──よし到着っと! 時間は……うん、間に合ってるな」
「あぃがとうな、まぁとぇ! たぅかった!」
「ごぇんね、まぁとぇ」
「気にすんなって……どうしてもって言うなら、今度飲みに行こう」
「おー、いいなそぇ! そぉうちな!」
「たぉしぃにしてぅね……そぇじゃ」
「おう、頑張れよー」
なお幼女二人を抱えて走るマヤトレを見た者たちにより、ロリコン疑惑は更に深まったとか深まらなかったとか。
「私は見たの、マヤトレが幼女を抱えて楽しそうに走ってるのを! やっぱり彼って……いやでも……」
「いやー、正直通報しようか迷ったんだよ。誘拐現場を見たんじゃないかって、隣にいた同僚と話したくらいだ」
「というか、あそこまでいくとロリコンじゃなくてペd……「おおっとボノトレお兄ちゃんそれ以上はダメ」」
うまぽいうまぽい
おれバカだから言うっちまうけどよぉ… part634【TSトレ】
≫8タバコと義の絡みがえっちすぎた22/01/17(月) 23:33:13
「これで…いいのかな?」
目の前でバスタオルを脱ぎだすタバコ。
マッサージの為とはいえ、かなりの薄着…
水着のような、体にピッチリと張り付くような服を着ていて、少しは恥ずかしいのか顔を背けているのが可愛らしい。
普段から隙があるとはいえ、これといって動かない彼女がここまで脱いでいるのは初めて見た。
露わになった素肌は余りにも白く、いっそ不健康なほどに見える。
いや、事実そうなのだ。
彼女の胸の下──胸を覆うスポーツブラのような布切れ──には肋骨が浮き出ているし、女子テニス部のスカートのような下着からは、細く伸びた脚が惜しげもなく晒されている。
そう、僕はそんな彼女が少しでも健康に今回コレに誘ったのだ。
「オイルマッサージ…か。
経験ないんだけど…大丈夫かな?」
「安心してください!沢山練習してきましたから」
やると決まったら拘ってしまおう。
そう思って、僕の部屋にマッサージ用のクッションタオルが敷かれているのもそうだし、リラックス効果のあるアロマも炊いている。
そのお陰で、今の僕の部屋はちょっとしたお店のようになっていた。
「気合入ってる…というか、少し申し訳ないな」
「これくらいさせてください。
というか根を詰めすぎなんです、あなたは」
「はは、そうかな」
少し掠れた声で笑うタバコさん。
…本当に、仕方の無い人だ。
不健康な人には、少し痛いらしいけど…
これを期にもう少し生活を改善してくれたらいいな。
それくらいの気持ちで望んだ…はず、だったのだが…
≫222/01/17(月) 23:33:32
うつ伏せに寝かせ、まずは背中にオイルを垂らす。
つぅと白磁の肌に粘度の高い液体が糸を引いて広がっていく。
さてオイルを広げていこうと、彼女の肌に触れると
「………っ!」
ピクリ、とウマ耳が揺れた。
「あ…くすぐったかったですか?」
「…いや、大丈夫。続けていいよ」
「…分かりました」
オイルを背中にまんべんなく広げていき、肩、背中、腰と染み込ませるように塗り拡げていく。
「………っ、は……!」
肩、太腿、足裏とツボやリンパの集中する場所を親指でぐいと押すと、やはり痛いのか濡れた体をぴくり捩らせた。
「………ん…!」
オイルに塗れた、艶めきのある肌に何も思わなかった訳ではないが…
「…は、ぁ…………」
それよりも、彼女の口から漏れる艶声の方の破壊力がまずい。
普段は落ち着いたハスキーな声が、湿気を孕んだように喉の奥から漏れ出している。
ウマ娘の優れた聴覚は都合良くそれを聞き逃してくれたりはせず、力を込めて凝りをほぐすたびに漏れ出すその声を確かに脳まで届けてしまった。
…思わず手が止まってしまう。
流石にこの状況は不味いのでは無いだろうか。
所謂「間違い」は起こらないとは思う。
ただ、少なくともタバコさんが不愉快な思いをしてしまったら…
≫322/01/17(月) 23:34:17
「…どう、したの?」
「あ…いや…
このまま、続けてしまっていいのかなって…」
すると彼女は、体を起こして自分の耳元まで顔を近づけた。
まだ湿り気を内包したその声で。
「…いいよ。
まだ、途中………だからね?」
そう言って、今度は仰向けで寝転がる。
「…まだ前はやってなかったから。
だから…お願いするよ」
流石に恥ずかしいのだろうか。
顔を背けた彼女の、普段は真っ白な頬を少しだけ桃色に染めて、雑に切られた髪で視線は見えない。
「………じゃあ、失礼します」
…今更だが、なんだかとてもいけない事をしている気持ちになる。
言われた通り、体の前面にオイルを塗り拡げ、腕や肩、首元などをぐりぐりと刺激する。
…ふいに、胸の下。
彼女の不健康さを表すように浮き出た肋骨に目が行き…いたずら心と言うのだろうか。
つぅと、その骨をなぞってみた。
「………!」
ビクリと動いたウマ耳と、口を手を当てて声が出ないように抑えている。
…流石にイタズラが過ぎたかな。
ちゃんと謝ろうと、彼女の顔を見ると…
そろ灰色の髪の元からこちらを見る、潤んだ黒墨の瞳と目があった。
「あ、いや…ごめんタバコさん
ちょっといたずら心が…」
「…いい。
大丈夫…だから、続けて」
「…え?」
「…胸元にも、集中してるって聞いた…から。」
「………………。」
≫422/01/17(月) 23:34:40
不味い。これは非常に…!
ほんの一瞬、一緒だけだけれど。
「タバコさん、抑え込めば…抵抗できないんだよな」、だなんて考えてしまった。
これ以上は余りにも危険すぎる気がする…
だけど、目の前の潤んだ瞳は裏切りたくはない…
ど、どうすれば…!
「義、居るー?
そろそろマッサージ終わっ…」
少なくとも、ドアの開く音にすら反応できない程に思考が固まっていたようだった。
声に気づき、振り返ると…
荷物を取り落とす、ケツの姿があった。
「あ、いや…どうぞお二人で…」
「ち、違う!違うから!?」
「…マッサージだよ、ただの」
「いやでも余りにも雰囲気が…その、ヤバいですって!」
「…まぁ、そうかもしれない。
変な誘い方してごめん、義」
「あ、いえ………!」
すっかり危なげな雰囲気が霧散した。
ほっと胸をなでおろすと共に、タバコさんの色気には注意しなければ…
そう思う、義なのだった。
≫二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 07:44:41
「所でトレーナーさん」
「はい…」
…トレーナー室に座り、縮こまっているのはサトトレ。そんな彼を見下ろすのは顔をやや膨らませているダイヤであった。
「最近、よく他のトレーナーさんに抱かれてる姿を見かけるのですが…」
「…はい」
(心当たりが多すぎる…えっと、最近の順にルドトレキタトレタキトレタイキトレグラトレ…色んな人に抱かれてるなぁ…)
「もしかして、抱かれた時の感触を味わう変態さんですか?」
「絶対に違います。」
すけべやむっつりでもなんでもないし、何なら下心なんてほとんどない彼からすれば不名誉な話であった。
…もっとも、胸や太腿の感触を堪能出来るのに加えて抵抗しないとなれば、傍からみれば変態かと疑われるのも無理はないが。
「トレーナーさんが人気なのは嬉しいですけど、私のトレーナーであることを忘れられても困るんです」
「…」
(わー、独占力のスイッチ入ったダイヤになっちゃったなー…何となくこの後どうなるかは読めたけど…)
相変わらず終始ニコニコと、しかし怒ってますよという雰囲気を醸し出しているダイヤ。
当然本気でもなんでもないのは今までの経験からわかっているが、サトトレはその独占欲を満たす一言を図らずとも放った。
「僕は君のトレーナーだよ。ダイヤモンドに魅入られた僕が、今更他のに目移りするなんてありえないからね。」
彼の発言に纏っていた不機嫌のような雰囲気が霧散するダイヤ。ぱあっと晴れやかな顔でサトトレを抱きしめた後
「ふふ…嬉しいです。じゃあ…」
舌なめずりを一つ、小悪魔的な笑みで覆いかぶさるように近寄るダイヤ。当然逃げ道なんて存在しないし逃げる気もない。
…手を伸ばそうとした矢先、ドアが開き
「貴方の手続き書類持ってきたわ…よ……」
「「…」」
───後日、飲み会の場にてキタトレは
「私の目の前で友人が年下に食われそうになってるのを眺めた時、私はどうしたらいいのかしら…」
とぼそり呟いていたらしい。
短文失礼しました
独占力ダイヤちゃんともぐもぐされかけるサトトレ。ダイヤちゃんは自前で独占力持ってきそう(偏見)
いくらのキタトレといえど、自分の目の前で知人がしかけてたら困惑もするし、呟きたくもなるんです。
≫49二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 08:08:37
「トレーナー…大丈夫か?」
10月18日。快晴。良バ場。デビュー戦の次の初レース。2200mの芝。京都競馬場には少し多めの人が集まっていた。デビュー戦をぶっちぎり、震撼を与えた芦毛の小柄なウマ娘。そのレースとメディアが大々的に報じたせいだろう。
「…う…うん…大丈夫…大丈夫…」
「明らかに大丈夫とちゃうな」
はじめての共に出場するレース。不安も無理はないだろう。
「ウチと、アンタがここにおる。負けなんか絶対ありえんわ。ちゃうか?」
「…!」
そう声をかけるとハッとしたように顔を上げる。
「うん…ごめんね…タマ」
「ええ顔になったわ。それでこそウチのトレーナーや」
「じゃあ…最終…確認」
「おう」
そそくさとタブレット端末といくつかの資料を取り出し、レース展開の予想を立てる。
トレセンに戻ってきて4日だとううのに、よくここまで詰めることができたものだ。それほどに緻密にそれは練り上げられていた。
「おし、時間やわ。それじゃあ…」
「……タマッ!」
もうすぐパドック入りだ。部屋を出ようとするとトレーナーが声をかけてきた。
「おう、どうしたんや…うわぁ!」
振り向くと、トレーナーが飛びついてきた。慌てて受け止める。
「なんやなんや急に」
「頑張…ってね」
ぎゅっと小さな体で抱きしめてくる。それはどこか、優しい感じがした。
「おう…アンタの世界一の担当、よー見とき!」
背中をポンポン、と叩くと腕が離される。
自分よりも1回り小さい彼女に最後のハイタッチをし、部屋を出た。
≫50二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 08:09:07
パドックでは期待がかかりながらも、5番人気となった。トレーナーは控室のモニターで見ていると言っていた。
正直なところを言うと、ターフで直接見てほしかった。でも今はまだできないし、ないものねだりだろうし、それはもっと大きなタイトルまで取っておこう。
ゲートまで移動し、収まる。フゥー…と息を吐く。目を閉じ、レース展開と家族の皆、そしてトレーナーを思い出す。
全員のゲート入りのアナウンスがかかると目を開く。取るは一着。敗北は無し。それのみを刻み、体勢を傾ける。
ガン、とゲートが開いた。出遅れなく飛び出す。バ郡の中団、外側に位置付けてレースを運ぶ。速度は早くもなく遅くもなく。5〜6番手のあたりをキープする。
直線が終わり、最終コーナーへと差し掛かる。バ郡が遠心力で外に膨らみ、少しだけバラける。
そこを突くように、思い切り脚に力を込める。視線をまっすぐ見据え、末脚を解放し、ごぼう抜きをかましていく。
『タマモクロス!ここで上がってきたタマモクロスだ!』
最前に躍り出、最後の直線が真っ直ぐ伸びる。ここでもう一段スパートを上げる。控室での打ち合わせ通り、グッと脚を沈め、芝を蹴り上げる。
≫51二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 08:09:31
『早い早い!3バ身4バ身と突き放していく!追い縋る後続を突き放していく!』
ゴール板が近づいてくる。体がグングンと進んでいく。もっと前へ、もっと先へ。身体中が吼える。
ゴール板を抜けたと気がついたのは、一層歓声が湧き上がった時だった。不足した酸素を補給しながら、観客席を向く。続いて掲示板を向くと、赤ランプが灯る。確定だ。2着に7バ身という突き放しを見せ、2戦目の勝利を重ねた。
係員の誘導に従い控室へと戻る。三十分後にライブの後記者会見がある旨を伝えられた。
扉を開けると、モニターの前でガッツポーズを取るトレーナーが見えた。
「戻ったで」
そう声をかけると、こちらの胸へ飛び込んでくる。
「おめでと…タマ…おめでと…!」
「おう、あんがとな。よーしよしよし」
彼女をキュッと包む。自分より細く小さい彼女は震えている。
「なんやそんな震えて。ウチは勝ったんやで?」
そう聞くとこちらを見上げ、濡らした目を向けてきた。
「タマ…が…勝ったのが…嬉しく…て…嬉しくて…」
「せや。ウチは勝った。勝ったで」
そう伝え、彼女を一旦離す。
「こん後ライブがあって、そんで会見なんやけど。出れそうか?」
それを聞くと
「会…見……大勢…」
そう不安そうに返してきた。
「ええ、ええ。まずはトレセンで他んトレーナーさんと話せてからや」
「あぅ…ごめ…」
再び泣き出しそうに謝ってくる彼女。
「大丈夫や。ウチがなんとかする」
そう宥め、着替えるわと伝えてステージ衣装に着替える。何だか見られている気がするが気のせいだろう。
「ほいじゃ、行ってくるわ!」
そう伝え、2人で遅れたハイタッチを交わすとライブへと向かった。
≫二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 08:09:53
「タマモクロスさん連勝おめでとうございます!」
「トレーナーさんはどこですか?」
「次のレースは…」
ライブが終わり、会見のステージに立つとけたたましいほどのシャッター音と共に質問を浴びせかけられる。
「あーあー、そんな一気にいったら分かるもんも分からんわ。一個ずつ頼むわ」
そういうと幾らか落ち着く。
「まず、では連勝の現在の感想をお願いします」
「おお、めっちゃええ気持ちや。ただ、反省は山ほどある。それは忘れたらアカン、そんな感じや」
そう答えると眼鏡をかけた女性記者が質問をしてくる。
「次のレースはどうなさるおつもりですか?」
「あー、次はまだ考えとらん。この後トレーナーと話し合って決めるつもりやわ」
そう答えると、どこか卑しい目をした記者が質問を飛ばした。
「そのトレーナーさんとやらは見られませんが、どこでしょう?」
「ウチんトレーナーは人前がちょっち苦手でな。今人前で話す練習中なんやわ。そんで話し合って、中途半端な喋りは失礼やっちゅうことで、今回はおらんで」
そう答えると、どこか舐めるような目線を向けて再び質問を飛ばしてくる。
「しかし…それは少々違うのでは?」
「なんやて?」
意地の悪い声音でそう問うてくる。
「ですから、あなたのような実力者にそんなトレーナーがついててもいいのかと言うことですよ。そもそも記者会見すらこなせないトレーナーなど、トレーナーを名乗る資格すらないのでは…」
ダァン!机を叩く音で一瞬の静寂に包まれる。
「ああ、すまんな。ちょっち我慢できんかったわ。堪忍やで」
そう静かに怒りを滲ませて答える。
「あんな、ウチのトレーナーはたった1人のウチの隣で指導してくれる大切な人や。これ以上は言いたくないんやけど、あんま愚弄すんは許さんで」
記者はまだ何か言いたそうに口をパクパクしていたが、周囲の視線に耐え切れなかったようで荷物を纏めて部屋を出て行ってしまった。
「っと…他の記者さんはごめんな。他聞きたいことあるか?」
見回すも質問をかけてくる相手はいない。
「じゃ、終わりでええか?」
司会の人にそう聞くと、慌てたように会見を終了させた。
≫53二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 08:10:45
「トレーナー、戻った…で…」
控室に戻ると、トレーナーは書類を挟むボードを顔に押し当て、体育座りでソファに座っていた。肩が小さく震えている。
「…トレーナー…どないしたんや?」
きくと、真っ赤に腫らした目を向けてくる。
「会見…見て…私…言われて…居なくて…タマも…悪いこと言われてて…わた…しが…邪魔…なんじゃ…って…」
「てぁっ!!」
トレーナーの目の前に入り、頬をつねる。あまり肉のない、冷たい、涙の跡が残った頬をぐびゅっとする。
「にゅ…たみゃ…ぅ…」
「確かにな。アンタの言ったことは事実や。アンタが居ないことを記者ん人に言われたんも事実や。でもな、一個だけちゃうことがある」
一息置いて、その言葉に力を込める。
「アンタは、トレーナーは邪魔なんかじゃあらへん。たった1人の、ほんまに大切なウチのトレーナー。それがアンタや。まだ会見に出れんのもしゃーない。なんと言おうとそれは変わらんのや。一個一個でええ。焦らずゆっくりできるようになればええんや」
そう言って頭を撫でる。
「ん…うん……」
それにトレーナーは俯きながらこくこくと頷く。静かに、涙の粒が落ちる。
≫54二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 08:11:03
泣き止んだトレーナーはゆっくり立ち上がり、頭を撫でてきた。
「ありが…とね、タマ」
「おう、それでこそウチのトレーナーやで。にぱーって笑って、ずっと一緒におってくれや?」
「うん…もちろん…」
そう交わすと、荷物を纏め、今から帰る旨のメールを送信する。トレーナーは耳栓をはめると、厚手のツバ付きのニットキャップとサングラス、マスクをつけて顔を隠すし、扉の向こうで手招きをするタマの後ろ裾を開いた手で握る。
駅までは徒歩五分もかからないが、トレーナーのことを考えて人通りの少ない迂回路を通る。変装のおかげでバレてないようだ。
駅に着くと復路の切符を2人分提示し、ホームに停車していた新幹線に乗る。領収書はしっかりチェックして保存しておく。
指定席の号車の一番前の窓際にトレーナーが座り、その隣に腰掛ける。窓のカーテンを閉めても、彼女は怯えるように震えていた。その手を握ると幾分か震えは収まった。
2時間と少しほど揺られ、駅から出たのはもう外が茜色に染まり始めようとした頃だった。手を握り直して少し急ぐ。
なんとか日没までに裏路地を通ってトレセンに着けた。彼女をトレーナー寮まで送り届けると、自分も寮へ帰る。
「タマ!」
「なんやオグリ、そなけったいな顔して」
寮の入り口にはオグリがいた。
「今日の1着、本当におめでとう!テレビで見たぞ!」
「そうかそうか。…んなら会見も見たんやな」
「ああ。皆びっくりしていたぞ。あのタマにそんな素敵なトレーナーができたと」
「そっか〜…せやろ?」
「ああ…それで、皆がタマと話がしたいと言っていたぞ」
「嘘やろ…ウチ眠いんやけど…ま、ちーとだけならええわ」
これは少々面倒臭くなりそうだ。
そう思いながら靴を脱ぎ、帰寮を伝えるのだった。
≫81二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 12:44:17
『帰省してた時の一幕 もち編』
「おい、トレーナー」
「なんじゃいブライアン藪から棒に」
「これを作ってくれ」
「……お餅の豚肉ロール」
「上の野菜は、いらん」
「まだ何も聞いてねえ!わかったよ作るからガン見してくるんじゃあない。……せめて刻み葱ぐらい食べなさいよ」
「……まあそれくらいならかまわん」
「……よく考えたら自宅で唐突にリクエスト食らったのに即作ってあげるあんたもたいがい甘ったるいわよねー」
「姉さん、んなこと気にしてたらトレーナーなんざやれねえってことよ」
「トレーナーってそんな職業なの……?」
「んー、俺の友人はたしか管理栄養士の資格もちだったな」
「ヤダ……やっぱエリートだらけ……」
「できたぞー」
「ふむ……」
「味はどうだ?」
「案外行けるものだな。来年もよろしく頼む」
「おう、それくらいならまあ安いもんよ」
(ナチュラルに来年の約束してる……これが三冠ウマ娘……!)
≫86二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 13:08:06
「お家でいただくお餅も良いですけど門前菓子のお餅もどれも素敵ですよねぇ~!今宮神社のあぶり餅、上賀茂神社の葵餅、北野天満宮の長五郎餅に栗餅!……ハッ!シラオキ様の為に新たな門前菓子を作り奉ればご利益があるのでは!?」
「別に御菓子司でもないお前が作っても門前菓子とは言えねぇんじゃねえか……?そもそも神社を構えてるわけでもなしに……」
「細かいことはいいんですよ!むっふっふ~!何にしましょうかねぇ!!やっぱり金色をかたどってきなこをまぶすのもいいですし、あんこも捨てがたいですね~……あっ、長寿祈願に銀杏を混ぜるのはどうでしょう!」
「早速被ったんだよな。あるぞ銀杏餅。富山に」
「二番煎じが何ですか!!真剣にご利益を考えながら作って食べれば皆有難いものなんです!!」
「じゃあ昼に焼く餅もご利益考えながら必死で焼くからそれで勘弁してくれ」
「むむ、確かに……トレーナーさんが焼いてくれるなら何よりラッキーなお餅には違いありませんね……」
「じゃあちょっと留守番頼む」
「へ?何か買いに行くんです?」
「ん。ちょいと忘れてたもんがな」
「うい、出来たぞ」
「んふー、すこーし焦げたいい匂いが漂ってきますね~……おや、上にのってるのはおねぎと大根おろしと……菊?」
「余りもんだしちょうどいいだろ。せいぜいありがたがって食え」
「……んもぅ!わかりましたよー!!トレーナーさんが普段絶対使わないだろうにわざわざ買ってきてくださったんですからぁ!!」
フクキタルの顔面でアイアンクロー餅つきが開催された。
≫104二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 16:23:02
悲しき運命in餅つき
「えいっ!」
「ほなのっ!」
「えいっ!」
「ほなのっ!」
「フウもライアンもその調子よー。慎重にねー。」
「順調の様ですわね。」
「あらマクトレ、様子見かしら?」
「えぇ、こちらは一段落つきましたので。……というかあなたは参加しませんの???」
「できるわけないでしょうが。わたしが調理に関わったらどうなるか忘れたの?マクトレ。」
「味はそのままに見た目は暗黒物質、でしょう?あんなもの忘れようとしても忘れられるものではありませんわ。
ですがこれは餅つき。文字通り餅をつくだけなの行為なのですから、ああなる事はないでしょう。」
「……はぁー、そこまで言うなら仕方ないわねえ。招待してもらった恩もあるし、1回だけならついてあげるわ。ただし少量ね。」
「それでOKですわ。ちょうどわたくしとドベトレでついたモチがまだ臼から取り出す前のはずですので、それを使うとしましょう。」
〜🕐〜
「なんっだコレ……」
「……一応ですけど給仕さん。こちらの漆黒の何かは……」
「……先程臼に残しておいてほしいと仰られた部分の餅です。シェフ様曰く他のものと同時に味付けし、同時に焼いたはずなのですが……」
「ほら言ったろ。俺が1回でも調理に関与したらこうなるって。」
「なんで1回モチついただけでなるのはおかしいだろッ!?」
「あなたのそれもはや呪いではなくて???」
≫116二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 17:49:54
湯たんぽを探すタイキトレさんとグラトレ(独)
特に冷えた冬のある日
グラトレ「……これは由々しき事態ですね~」
グラトレは唸っていた。
この様に寒い日は炬燵に入ってお汁粉でも飲みたい所なのだが
グラトレ「トレーナー室の炬燵はグラス達が使っていますからね~」
というのも昨日グラスに
グラス(すみませんトレーナーさん、明日スペちゃん達と勉強会をしたいのですがトレーナー室の炬燵を使っても宜しいですか?)
グラトレ(グラスの頼みなら幾らでも聞きますよ~)
と、いう訳でトレーナー室の炬燵はグラス達の勉強会の為に明け渡しているのだ。
グラトレ「サトトレさんも駄目でしたね〜」
同じ差しウマ娘を担当する者どうし、話でもしつつ湯たんぽになって貰おう。
そう思い、八ツ橋を持ってサトトレさんのトレーナー室へ向かったのだが
ダイヤ(…………………………ムー)
サトトレ(ご、ごめんねグラトレさん)
グラトレ「……先約が居られるなら仕方有りませんね~」
タイキトレ「そんなレベルの見られ方だったかなぁ〜?」
≫117二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 17:49:54
グラトレ「おや、タイキトレさん、こんにちは〜」
タイキトレ「どもー、グラトレさんも湯たんぽ探しですかい?」
グラトレ「ええ、タイキトレさんもですか~」
タイキトレ「そそ、でも残念だけど他の候補も駄目っぽい」
グラトレ「あら、そうなんですか~?」
タイキトレ「シビトレちゃんはルドトレさんに湯たんぽにされてるし、ブルトレさんとスズトレさんは二の矢シスターズの集まりで駄目だった」
グラトレ「なんと……」
……次はブルトレさんの所に行ってみようかと思っていたが、どうやら空いていないらしい。
タイキトレ「んで、仕方無いから新しい候補探し中なのよ」
グラトレ「新しい候補ですか~……良いですね~」
タイキトレ「そっちも探してみたらどうー?」
グラトレ「私はこの身長ですからね~、どうしても抱きしめて湯たんぽに出来る人が限られてしまうのですよ~」
タイキトレ「あらま、その辺自分は伸びたからねー、割と色んな人を抱きしめれるわ、なんならグラトレさんだってすっぽり抱きしめ……………」
グラトレ「……? タイキトレさん?」
……急に黙ったタイキトレさんに、何か嫌な予感がするのは何故だろう。
タイキトレ「んにゃ、グラトレさんも暖かそうだよなって」
グラトレ「…………………えっ?」
タイキトレ「…………………………」
グラトレ「…………………………」
……長い沈黙が二人の間に流れ。
タイキトレ「グラトレ、アーユーレディー?」
グラトレ「ノーです♪」
その言葉と共に二人の追い掛けっこが始まるのでした。
うまぴょいうまぴょい
≫169二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 21:21:58
ピロピロピロ、ピロピロピロ
「ああ、トレーナー君か。どうした?」
「冷静に聞いてくれ」
「………ああ…うむ…もう分かった。一旦君の家に向かった方が良いだろうか」
「助かる。すまんな」
「気にすることは無い。私が向かうまであまり動かないでほしい」
「力の調整…だろ?わかってる」
「ああ、では30分ほどかかるかもしれない」
「了解」ガチャ
「お邪魔するぞトレーナー君」
「おう、いらっしゃい。まあ何もないけどな」
「本当にその通りだな…って……」
「どうしたんだハヤヒデ」
「……かわいすぎないか?」
「は?」
「待てハヤヒデ。まず衣服の件で相談がある」
「私が君の服になれば問題ないだろう!?」
「掛かってるぞ落ち着け」
≫170二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 21:22:06
「フフ…それにしても縮んだな…」
「ああ。せめてあと25センチは欲しかったな。室内戦で装備の携帯にかさばるし砂塵でバックアップの側の照準が合わせにくい」
「ああ、本当に小さくなってしまったな」
「胸も邪魔だな。さてどうするべきか…」
「トレーナー君。君は私が守るから安心してほしい」
「そうかそうか。じゃあ安全だな」
「コレが服で…下着は…」
「流石に下着までは俺が遠慮する。しばらくサラシで通販で適当にスポブラでも…」
「駄目だ。下着がきちんとしていないと体に疲労が溜まりやすくなるしバランスも崩しやすい。よって今すぐ買いに行くべきだ」
「…了解した。じゃあ後で代金渡すからそれで買ってきてくれ」
「君も行くんだぞ?」
「…繰り返してくれ」
「君の下着を買うのだ。君がいなくてどうする?」
「……降参だ。好きにしてくれ」
「ああ…好きにさせてもらうぞ」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ… part635【TSトレ】
≫94卒業後のタバコとカフェで妄想22/01/18(火) 23:23:02
それは二人でティータイムをしていた時だった。
カップをケーキの側に置いて、トレーナーさんがこちらを見る。
「あ、カフェ」
「…?どうしましたか、トレーナーさ…」
不意にぐいと彼女の顔が近づく。
じっとその両目は私を見つめて、背中に手が回された。
ほんの少し引き寄せられると共に開いた手が私の顔に近づく。
顔がどんどんと熱くなっていく。
私の耳が行き場もなくパタパタと動き回っているのが分かる。
心臓がバクバクと音を立て、周りの音が聞こえないくらい。
…覚悟を決めた私は、薄く目を閉じて…唇を差し出そうと
「───ほら、取れたよ」
「…はい?」
「ちょっとクリームが付いてたからね。
これで取れたよ」
「………そうですか」
「………?あ、なるほど」
ほっと息をつく。
どこか寂しい気持ちが胸を掠め…再び、ぐいと引き寄せられた。
頭の上のウマ耳に、息が届くような声で囁かれる。
「期待したなら…これで、許してね」
おでこの髪を上げられて、そっと唇を落とされる。
…今度こそ、私の顔は真っ赤になった。
≫110二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 04:52:47
週末のグラスとグラトレ(独)
「んっ…………何時でしょう?」
太陽も既に高く上がった頃、私は寮とは違う、しかし良く知った場所で目を覚ましました。
もはや恒例となった週末にトレーナーさんのお宅で過ごす習慣。
今週もまたトレーナーさんのお宅でお泊りをしていたのです。
「……少々身体が重いですね」
確か眠りに付けたのは朝も近くなった頃の話……後ろから抱きしめる形で寝ている人のせいですね。
「今日は、お昼から遊びに行くと伝えていたのですけれどね~」
友達と遊びに行く……それだけの事でしたが、少々独占欲の強いこの人の事、昨晩は刻み付けるかの様に貪られ中々寝させて貰えませんでした。
「っと、それより今の時間ですね〜」
情熱のままに求められた夜の事は頭の片隅に置き、現在の時刻を確認します。
「良かった……まだ時間が有りますね♪」
この家から出る予定の時間まで2時間は有ります、お風呂に入ったり身支度をする時間は充分有るみたいですね。
「取り敢えず服を着ましょうか~♪」
何をするにも、今の生まれたままの姿では出来ません。
服を取る為に布団から出ようとした、その時でした。
「…………あら? 腕が……?」
後ろから私を抱きしめているトレーナーさんの腕に、思った以上の力を込められていたのに気が付きました。
「……トレーナーさん?」
……返事は有りませんね。
「失礼します」
仕方がありませんので強引に抜け出ようとしたのですが……
≫111二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 04:53:11
……カプッ
「ヒャアッ!?」
急にトレーナーさんが私の首の後ろに噛み付いて来たのです。
「トレーナーさん!」
そんな行動をしたトレーナーさんに抗議の意味を込めて名前を呼んだのですが。
アムアムアムアム…ペロペロペロペロ
「あっ……やめっ」
返事も返さず、甘噛と舐める行為を続けて来ます。
それどころか……
「……!! だ、駄目ですトレーナーさん! んっ…」
逃さない様に私を抱きしめていた両腕が、昨晩散々触った場所へと動いていき蕩かしに掛かってきます。
「グラス……」
「トレーナーさ……んんっ」
私の首から口を離し漸く声を発したトレーナーさんに顔を向けた所、唇を重ねられ深いキスをされました。
「んっ……トレーナー……さん」
……もう駄目ですね。
このキスを持って私の頭は完全に蕩かされてしまい、トレーナーさんを受け入れたのでした……
≫112二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 04:53:33
「ど、どうしましょう……」
それから1時間程経ってからトレーナーさんに開放され、出掛けるべく身支度を整える際に姿見に写った自身を見て困った事態に気が付きました。
「首に……赤い跡が」
姿見に写る私の首にトレーナーさんによる赤い所有印が付けられていたのです。
「これでは、外に出れません……」
しかし、約束を破る訳には……
そう悩んでいると
「グラス、これで隠したら良い」
悩みの原因を作った本人が打開案を用意してくれました。
「マフラー……良かった、これで首を隠せますね」
「バレない様にしっかり巻くんだよ?」
「……元はと言えば、トレーナーさんのせいですからね?」
私の小言を素知らぬ顔で聞き流すトレーナーさんを尻目に、トレーナーさんから渡されたマフラーを首に巻きました……そうして気付くのです。
「トレーナーさんの香り?」
首に巻いたマフラーからトレーナーさんの香りが薄っすらと薫るのです。
そして、私がマフラーの香りに気付いたのを見計らったかの様にトレーナーさんは
「友達と会っている時にも俺を忘れない様に……ね?」
そんな言葉を掛けてくるのでした。
……全くこの人は。
隠そうともしない独占欲を向けるトレーナーさんに、呆れつつも嬉しく思ってしまいます。
私も何かトレーナーさんにしようかな……そう考えながら
「それでは、行ってきますねトレーナーさん」
「はい、行ってらっしゃいグラス」
トレーナーさんの香りがするマフラーをしっかりと首に巻き、友達の元へと出発するのてした。
≫122二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 08:44:152
それは夏のとある日の事……って言っても数日前だけど。
でも特に変わりない日だったのよ?何十分もかけて髪を乾かして、明日の予定やスズカのトレーニングどうするか考えて、それからテレビでニュースとかバラエティ見てリラックス。
いつもやるようなそれ等で時間を潰してから、電気消してベッドに入って寝ようとしたわけ。
……ブンブン、ブンブンとなんとも聞き馴染みのある音が。うん、蚊。当時は眠気で頭そこまで回らなかったけど窓から入ってきたんだと思う。
その事実を認識してまず考えたのはほっとくかどうか。まあこれはすぐにほっとかないって結論ついたわ、だって顔刺されたくなかったし。
続いて考えたのはどう対処するかね。壁に止まったところを箱で叩ければ楽だったけれど、そう都合よくは行くとは思えなかったから。結局近くのタンスから軍手取り出して挟み潰す事にしたんだったかな、眠くてハッキリと覚えてないけど。
あとは簡単。耳で居場所把握して、ウマ娘の力と速度で蚊をパンッと。
2、3回目で仕留めて安心して────
「────寝た結果、そもそも蚊が侵入してきた原因である窓を閉め忘れて2体目の蚊にやられたのがこの有様よ。」
「眠くてもそこは確認しとけよ……」
「でもよかったじゃん、顔じゃなくて。」
「私も最初はそう思ってたんだけどさぁ……胸は胸で人前だと痒くてもかけないからなかなか辛くて……」
「あー、それもそうか……いや胸以外でもかくなよ、悪化するだけだぞ。」
「塗るタイプのかゆみ止め貸そっか?最近グルーヴと買ったから。」
「いいの?ありがとう。二人も気をつけてね。」
なおこの数日後に本格化の兆候(スリーサイズ変化)が始まったため、一瞬これが原因か疑った。
≫145二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 11:12:13
プール掃除をする、と言い出したイクトレに、さてはまた何か試すつもりだなとオペトレは嘆息した。
トレセン学園のプールは屋内温水プールだ。当然年がら年中無休で使えるそこを整備するのはかなりの維持費(それも人件費……)がかかる。
その緩和はトレセン学園の悲願であり、トレセン学園の為に奉ずるが務めたるあぶみ本舗社長としては願ってもない申し出である。故に、渋い顔をしてオペトレはその企画書を理事長に通した。秒で通った。オペトレは更に渋い顔をして唸った。
「それで、どうするんです」
『その水着はどうなの?』
「冷え性なもので」
ウェットスーツに身を包んだオペトレを見て、幼児用の水着とアームリング(幼児用肩浮き輪)をつけたイクトレが首を傾げる。
しかし首を傾げたいのはオペトレの方で、目の前の変人技術者は明らかにこぶし程度のボールしか持っていない。まさか新製品のスポンジでも試すのか? とオペトレが訝しんだところ、唐突にイクトレはそのボールを投げ入れた。
「🧼」
「新型の石けん? それにしては、その泡が……多くないですか?」
たちまちの内にボールは泡となり、プール以上の質量となって膨れ上がる。オペトレが手で触れると……じゅう、という音と共に溶けた。服だけが。
『タキオンちゃんに効果弱くするよう言っとくべきかも』
「言ってる場合ですか――!?」
あっという間に泡に飲まれ、救助される頃にはつるつるたまご肌のオペトレとイクトレが全裸で保護されていた。
後に配合を調整した新型石鹸は水道掃除に役立ち、油断した頃に猛威を振るうのだが、それはまた後の話……
うまぴょいうまぴょい
≫150次元好きの匿名さん22/01/19(水) 11:46:34
今、何故か私は担当ウマ娘のテイオーに足を手に取られまじまじと観察されている。
以前蚊に刺されて赤くなっていた場所が治ったか見たい……そう、テイオーに言われたのだ。
「うん! ちゃんと治っていつもの綺麗な足になってるねトレーナー!」
「……綺麗では無いよ」
テイオーに迷惑を掛けた弱い私の証が残るこの醜い足……
正直、あまりテイオーに見られたくは無い……
「綺麗だよ~」
それでもテイオーは私の足を綺麗だと言ってくれる。
テイオーのその言葉にどれだけ私が救われたのか。
しかし、テイオーが次に取った行動に私は驚愕した。
……チュッ
「テイオー!?」
テイオーは私の足の傷痕にキスをしたのだ。
≫151二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 11:46:46
「待って、テイオー! 汚いから!」
私の静止の言葉を受けてもテイオーは傷痕へのキスを止めてくれない。
「そんな醜い所をテイオーが触っちゃ「トレーナー」
私の本心からの言葉を遮るかの様に発せられたテイオーの声に私は声を紡がされる。
「トレーナーの足は綺麗だよ」
そう言ったテイオーは口からチロっと舌を出し傷痕をなぞる様に舌を這わせて来る。
「んっ……テイ、オー……やっ……」
敏感になっている傷痕を舐められ思わずそんな声が口から漏れてしまう。
「ボクの為を思って傷付けたトレーナーの傷……ボクが醜いなんて言う訳無いでしょ?」
「テイオー……」
傷痕から口を離したテイオーから紡がれる言葉は本心からの言葉だと分かる程、真摯に私に向けられたものだった。
「トレーナーに醜い所なんて無い、ボクにはトレーナーは綺麗で仕方無く思えるくらいだよ」
そう言いながらテイオーは私の服に手を掛ける。
「だからトレーナー、ボクにトレーナーの綺麗な姿をもっと見せてくれる?」
私の着ているシャツのボタンを1つ2つと外し始めたテイオーに私は
「……はい」
そう答える以外に考えは湧かなかった……
「テイトレ〜?」
そんなタイミングでルドトレが来たのは何故なのか……
そして私達を見て「ルドルフにして貰お〜」って言っていたのは何なのか……