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このページは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…」スレに投稿されたSSをまとめるページ(スレpart76~80)です。
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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part76【TSトレ】
≫25二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 07:39:52「さあツイスター対決ぅ、担当が掛かったら負けだよ!カイチョーはもう掛かってたからあっちで夜のツイスターゲームしてるよ!あっとタイトレさん赤の位置的に女豹のポーズにぃ!タイシンがグラグラしている!」
「こ、腰が」
「……ヤニ切れてきた」
「あーーーしかしカフェトレさんも変な体勢!タイトレさんを跨いでブリッジだぁ!折れそうに見えるのか心配そうにカフェが見ている!」
≫28二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 07:46:34「さぁこっちでは僕のトレーナーが……マズイヨトレーナー!!ソノポーズハココカラソノズ、ズボンノスキマカラパンツガミエチャッテルヨォ!!」「えっ!!?」
「テイオーが死にましたので実況を交代いたしますわ。メジロマックイーンです。まぁ、わたくしのトレーナーは私とほぼ一緒ですし自分に掛かるど……なんですかその胸を強調するポーズは!?わたくしへの当てつけですの!?これだから!!」「えっ指定された場所に体置いてるだけですわ!?」
「シンボリルドルフだ。マックイーンが掛かった為心機一転。帰参した。わたしが実況に戻ろう」
≫40二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 07:52:34どうぞお納めください
―――――ああ—————またあの夢か
ベッドから起き上がった彼、いや彼女は寝不足の目をこすりハッキリした夢を
思い返した。
最終コーナー 脚から響く異音 暗転する視界
そして気づけばまたパドックに立つ自分
百回から先は数えていないほど繰り返してなお終わらぬ悪夢
原因はわかっていた。自分の中に入っているウマソウル、それの影響だろう。
だがどうすればいいのか分からない、どうすればあの夢を終わらせられるか
いや・・・薄々気付いていた。走り切りたいのだ、あのレースを。
それが彼女の望みであり自分への呪いなのだ。
「はぁ…」
ため息をつくと私は動き出した。
着替えて朝食をとりトレーナーとしての仕事を始める。いつもと変わらない流れ。
「この体にも慣れてきたな」
そうぼやきながらキーボードをたたく、最初のうちは不便だと思っていたのにいつの間にか違和感を覚えなくなったことに笑みがこぼれた。
≫42二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 07:53:19あれから何時間かたった後、トレーナー室のドアがふと開き、声がした。
「トレーナーさん、やっぱりここにいましたね。」
私の担当バであるファインモーションがニコニコした顔でこちらに来る
「いらっしゃいファイン、今日はオフのはずだけど」
「ええ、なのでラーメン屋でも巡ろうかと思ったのですが、トレーナーさんが最近疲れているように見えたので」
3年間連れ添った愛バには私の疲労はお見通しなようだ。
確かに疲労感はしている、寝不足と自分のウマ娘としての本能を1週間理性で抑え込み続けてるのだから当然でもある。だが私はトレーナーだ、担当のことを支えて導く大人が不甲斐ない姿を見せるわけにはいけないということで黙っていたが
「…」
ファインからのジト目が痛い、圧力を感じる。
「はは、ばれてたか。どうも最近寝不足でね」
取り繕うようにそういうとファインは何かを考え出した。
ふと嫌な予感がした私はそこから離れようとしたがその前に腕をつかまれ
「トレーナーさん!私と一緒に寝ましょう!」
「は?」
結局あの後ファインに押し切られ今こうして二人で寝ることになった。
「こうやって寝るのはいつ以来でしょうか」
「温泉で枕投げをしてそのまま寝落ちしたとき以来かな」…
二人でたわいもない話を続けていたが寝不足の体は睡眠を欲してかすぐに眠たくなり
「おやすみなさい、トレーナーさん。」という声を最後に意識が途絶えた
≫43二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 07:54:16「またこの夢か」
私は気づけばパドックにいた。―――6枠6番6番人気。散々聞いた実況をバックにいつものように意識を切り替える。目を閉じて精神統一、コンディションチェック…良好
繰り返した経験を元に走法を思い出す。
そしてパドックが開いた瞬間、今までのようにスタートを決めた。
(今回は完璧なスタートだな)
私の脚質は差しで消耗を抑えるためにバ群に入る。幾たびもの繰り返しの中で磨きあげた
脚の消耗を抑えるための走りを行う。ただひたすらに冷静に走り続ける。
コーナーを超えた・・・まだ大丈夫
途中の直線・・・脚に違和感を感じる
見飽きるほどに見た景色が流れるのをしり目にバ群は最終コーナーに差し掛かっていく
(頼む・・・もってくれ)
脚の違和感が広がるなかで祈りつつ走る、コーナーの半分を超え出口に差し掛かる
今までの繰り返しとほぼ変わらないレース展開、そしてここが足の壊れる場所
何度繰り返しても必ずここで壊れるのだ。だが今回は違う
(いつもより消耗が少ない いけるか)
コーナーを抜け最終直線に入ろうとした途端
ビキッ!
脚から嫌な音がした 瞬間はしる激痛
「っぐ!」
バランスが崩れる 暗転していく視界 焦燥が止まらない
(くそ・・・また繰り返しか・・・)
≫44二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 07:54:47―――声がする
「トレーナーさん」
―――声が聞こえた
かちりと何かがはまる音がする―――視界が急速に戻る
「! おおおっ!」
倒れる前に右足を踏み出し強引に立て直す。
「まだだ、まだ終わっていない!!!」
折れかかった左足を前に出し芝を踏みしめる、想像を絶する痛みがはしるが
―――――そんなものはどうでもいい
スパートをかける、一度失速しかかったため先頭とは大きく離されているがこの程度なら問題ない。この脚なら十分に追いつける
重心を右に偏らせ踏み込みも右足を軸に、左への負担をさげて持たせる
何百回と走り続けたその体はmm単位での調整を可能とし、その経験は最短のコースを瞬時に割り出した。
―――最終直線を駆け抜けていく 全身が燃えるように熱い
視界がぼやけてきた、意識が遠のきはじめる
それらを振り払うように叫ぶ
「「ここが、このターフが!私の魂の場所だ!!!」」
口の中に鉄の味が広がる、左だけでなく右脚からも痛みが走る。
壊れていく――――――かまわない これが最後だ。
果てていく――――――そうだ、これでいい
「―――ッッ!!!」
音にならぬ声を上げボロボロの体に鞭打ちゴール板を駆け抜けたとき
「ありがとう」
―――そこで意識は途絶えた
≫45二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 07:55:12「・・・」
見慣れた天井だ。時間は・・・午前0時 ちょうど日付が変わったころか
ふと伸ばしている左腕に重みを感じ顔を向ける。
「zzz・・・」
私の肩に頬をあて穏やかな顔で眠るファインの姿があった。
ファインに向き合いそっと頭を撫でる、撫でている途中で叫ぶような本能が落ち着いていることに気づいた。まだくすぶってはいるがこの程度なら問題ない。
「・・・トレーナーさん」
小さな声を拾う。あの声と同じものだ。点と点がつながる。
(嗚呼…あれはファインだったんだな)
眼を細め、幸せそうに眠るファインを見つめた後、そっとキスをおとす
「ありがとう・・・私のお姫様」 「・・・フフッ」
彼女を割れ物に触れるように丁寧に抱き寄せる。そして目を閉じる
「zzz・・・ラーメンおいしい・・・」
思わず苦笑する、ラーメンへの情熱は夢の中でも変わらないようだ。
「よい夢が見れそうだ、・・・おやすみ」
―――それからこの夢をみることはなかった。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part77【TSトレ】
≫30二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 09:28:10駄文失礼します。
トレーナーがウマ娘になって4日目の朝は、アイツのいない部屋から始まった。
(…まさか……!!!)
そんな最悪な想像が頭をよぎりながら、取るものも取りあえずにアイツを探しに行った。
けど、アイツは存外簡単に見つかった。3日目に走っていた河川敷でひたすらに走っていたのである。
こっちに戻ってきたアイツは、酷く疲れた顔に、笑顔を貼り付けてこう言った。
「…ごめん、書き置きしておけば良かったね……」
「バカ!アンタ、どんだけ心配したと…」
その、酷い表情もそうだが最も深刻なのはそこではなかった。そう、そこではなかったのだ。
足元のシューズが、ボロボロになっている。昨日見た時には、まだ新品といえるようなそれが、ボロ雑巾に変わっていた。
一体、どれだけの時間と距離を走っていたらこうなるのだろうか…
「…アンタ、脚は?」
「…ああ、うん。まだ何とか無事みたい。」
「無事みたいって、そんな他人事みたいに…」
≫31二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 09:29:19「…分かんないんだ。」
「えっ?」
「…もう分かんないんだ。」
「私のなかからドラムが無くなって、その代わりにこの脚が来たのかと思った。けど、この脚もどうやら借り物みたいでさ。幾ら走っても自分の物のように感じないんだ…」
「…昨日、あんなことが、あったからかもしれないけど。ずっとそんな風に考え続けちゃって。」
「でも、借り物でも今の自分にあるのは、一緒にシチーと歩めるのは、これしかないと思ったからひたすらに走ってたけど…」
「やっぱダメだね。ずっと喪ったことばかり考えちゃう。ほんと…」
アイツは堪えたかったみたいだけど、次第にその顔が歪んで、溢れた。
「やっぱり、悲しいよ……どうあったって自分は自分だと思ってたけど、こうやって無くして初めて分かるんだね……」
「あれは、自分の半身だったって……」
アタシは、何も言えなかった。だってその気持ちは痛いほど分かるから。どれも諦められなかったアタシには良くわかるから。
泣いてしまった私を、シチーは何も言わずに抱き締めてくれた。ただただ強く抱き締めてくれた。膝を付いた私に覆いかぶさって、少しでも痛みを庇えるよう、分け合えるような体勢で。
お互いの背に雨が降って。川のせせらぎが、その場を過ぎ去るまで。
以上です、ありがとうございました。
≫52二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 09:41:34『てんあげ爺様』
「マジか、爺様まで変わってるのか?」
「それどころか御爺様の生徒まで、らしいですわよ」
タイトレは驚愕した。アホと偽令嬢との昼食で突然とんでもない名前が出てきた。
「えっ?爺様ってあの?今ダイタクヘリオスを担当してる?」
ヘリオストレーナーといえば、齢は88、黎明期よりウマ娘レースに関わってきた重鎮中の重鎮。
噂によればトレセン設立にも関わっていたとか、理事長の父上とも懇意にしていたとか。
「正確には担当していた、だな。直近の有馬、そしてURAの後に自身の生徒にヘリオスを託したらしい」
「そしてその後、突然としてウマ娘に変わっていたそうでしてよ」
「それはまた…会長が頭を抱える案件だわな。一応健康なんだよな爺様は」
「ええ、変化前は時々発作が起きていたようですが、現在は健康そのもののようで。それだけは手放しで喜べる話ですわ」
「…っていうか二人は何?爺様って…そんな気やすく呼んでいい立場の人だっけ…?」
ヘリトレはその偉業や実績からほぼ全てのトレーナーから尊敬されており、下手をすれば大先生などと呼ばれるレベルである。
なぜか目の前の二人は本人の前ではないとはいえ爺様などと気安く呼んでいるのだが。
「そうですわねえ。昔…細部しか覚えていませんが、私たちは御爺様、ヘリトレ先生と会ったことがあるのです」
「会ったって言っても感謝祭みたいなので握手してもらったくらいなんだけどね。じぃじと呼んでた気はする…?」
「まあそのつながりで、再び会ったときに堅苦しい呼び方をしたらすごく柔らかい笑みで「せっかくじゃから前呼んだようにしてくれんかの?」と言われて、さすがにじぃじ呼びもなんとも…と思いましたので、御爺様とだけ」
「はぁー…よくわからんつながりもあるもんだなあ」
「あ、流石にそれなりに格式あるところでは先生呼びだぞ?」
「そりゃそうでしょ」
「せっかくなのですから、タイトレさんもお見舞いに同行しますか?」
「えっ」
「そりゃいい。爺様と気軽に話せる機会ってそんなないかもしれんからなー」
「ではこの食事が終わってから参りましょうか」
「あっちょっ」
「よし来た。購買で土産物買ってから行くかぁ」
そういうことになってしまった。たしゅけてタイシン。
≫53二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 09:41:45≫52
「おーブラトレにマクトレか!久しぶりじゃのーう、うぇーい☆」
トレーナー寮の一角である面談室にて、ヘリトレは3人を待っていた。ものすごいすらっとした美女に変貌している。ちんちくりんの俺とは大違いだ。
「うぇーい爺様、うぇーい!」
「あなた輪をかけてアホになってますわよ?お久しぶりです、御爺様」
そして開口一番これである。どうやら若返ったとともに言動もだいぶ緩めになってしまわれたようだ。
「いやー心配をかけたみたいですまんの。この通りすでに身体的には問題ないんじゃ」
腕をブンブン振り回してドヤ顔をキメる爺様。数日前まで死にかけていた齢88の男性とは全く思えない。
「んで、そこで縮こまってるウマは誰じゃ?」
俺に話を振られた。仕方ないじゃないか、重鎮だぞ…本来先生どころか校長になってもおかしくないんだぞこのお方。
「あーコイツは…おほん、彼女は元トレーナーのウマ娘、ナリタタイシンのトレーナーにございます、殿」
「なるほどわしと同じか…というかここにいる全員がそうじゃったな」
「ハ、ハイソウデス、タイシンのトレーナーヤッテマス」
思った以上にガチガチになってしまっている。俺はこんなにも弱い!こいつら何なの!
「ほっほ、そう固く並んでもよろしい。今のわしはこのように若返ってテンションバリアゲじゃぞ!」
「うぇーい!いや待て、俺さっきからうぇーいしか言ってないな!」
「やっと気付きましたのね…」
「ほれほれそんなこと気にせずにマクトレちゃんもタイトレちゃんもうぇーいじゃようぇーい☆」
ものすごい期待した目で見られている。や、やっていいのか!?失礼じゃないのか!?
「うぇーい☆」
するのかよマクトレ!
その後うぇーい☆とテンションの高い爺様とブラマクがテンアゲで会話する中、緊張と畏れ多さでよくわからない状態になったタイトレは記憶が微妙に吹き飛んだ。
すべてが終わった後トレーナー室でぐったりしたタイトレの姿を見たタイシンは理性を揺さぶられた。
≫65二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 09:48:24
3200わちゃわちゃ温泉旅行 2節 ミッドナイト
「さぶ」
山梨市駅の空気は立川のそれより肌寒かった。ウマ娘でも寒いものは寒い。むしろ耳が上に飛び出ている分、冷気の通る量とそれを浴びる面積が多く痛いのだ。
「ライスシャワーとか辛そうだなあこれ」
「いやむしろ耳小さい方が毛の量が少なくて辛いとかありそうだな」
「ヒトミミよりそういうとこ面倒ですねほんと」
「あ、切符持った?」
「おう」
そのまま改札を出て、駅前の道路に沿って5人のウマ娘は歩いていく。さっきまでやっていたウノの話や、あそこの光は果樹園のじゃないかだとか、そんな話をしながらたどり着いた先は、線路沿いにある町外れの民宿だった。
「いいね、何かこう、ゆったりしてる感じが」
「安心感があるななんか」
「フゼーがあるよね」
「そうなんですよ。しかも結構広い部屋があるんです。よっいっしょ、すいませーん」
予約していたマクトレは髪をわざと乱し、後ろでまとめて中に入って行った。
「髪型変更の手際いいよなあいつ」
「特殊なスキルが育ってるよね」
≫66二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 09:48:48≫65
しばらくして、宿の人と思われるおばさんと話していたマクトレがこちらを向き、来いというジェスチャーをした。
「お邪魔しまーす」
「いらっしゃいませ皆様。靴はここへどうぞ、私どもで」
言われた通りに靴を脱ぎ散らかし、奥に入っていく女将さんに着いていく。小さい中庭とそこに生えている松の木が旅先の空気を漂わせていた。
案内された部屋は14畳の部屋。5人で泊まるには少し広い程度の部屋だった。
「ホテルとかと違って地に足がついてる感じのする和室ってのがいいんですよねえ」
「マクトレもしかして旅行趣味とかある?」
「学生の頃少し友達と行ったのが忘れられないんですの」
「気持ちはわからんでもねえな」
各々が自由につきたいポジションに移動し荷物を展開する。温泉に行くのは明日の日も出ていない早朝なので、その時持っていくものを軽い鞄に詰めるのである。
そしていち早く終わったフラトレから宿の風呂に向かった。明日朝行くからと言って今日の汚れを落とさず寝るわけにはいかない。
「ここのお風呂狭いらしいので2人上限でいきましょう」
「ほーい」
≫67二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 09:48:59≫66
「どうしよバスタオル一枚しかない」
「バカがいるなあ?」
「まじで擁護できないタイプのバカだ」
「3200mステークス作ったバカレベルのバカですわね、買ってきなさいな」
「ひどくない?」
テイトレは近くのコンビニを探しに外に出て行った。
「…温泉に行ったら売ってる気がしてきましたわねこれ」
「俺らもアホじゃん…」
「お莫迦マックイーンとマチガイフクキタルですね」
「俺は?」
「アホ」
「だろうと思ったよ」
その後、2人ずつ入浴を済ませ、最後にコンビニから帰ってすぐ入ったテイトレが毛を掃除して上がった頃には、時間は9時を回っていた。
中央に置いてあった机をどけ、雑に布団を敷いて各々のに入る。
「明日いつココ出んだ?」
「5時くらいですわ」
「どうやってその温泉まで行くんだ」
「およそ4000m甲府盆地杯を開催しますわ」
「頭ワッルイナー」
「その温泉景色いいんだよね…?それってつまり」
「坂だな」
ウマ娘となってから身体能力は向上したが、無限の体力を手に入れたわけではない。その上4km走って坂道を登るとなれば疲れは約束されたものとなる。
「ま何とかなるだろ、俺ら3200m走りきれるし」
「そうだね、じゃ5時に起きれるように早く寝よっか」
「おー」
電気を消して。
≫68二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 09:49:25≫67
「お前らこの体になってからトレーニングで変わったことある?」
ブラトレが別の話を始めた。
「まだ話すんかい」
「はいフクトレまずは声をあげたお前から」
「はあ」
少し悩んだのちフクトレは話し出した。
「俺はトレーニング自体は変わってないけど気にすることが増えたかな。俺の因子にあいつの姉のが混ざってて、あいつが俺がウマ娘になってから若干姉の面影感じてるかもって話はしたよな?」
「した」
「だからあまり近寄らず、けど突き放さない程度で話しつつ、なるべく本気で走ったりしないように気をつけてる」
「難しいですわねそれ」
ウマ娘化によって距離感の変化したコンビは多数いる、と言うよりもはや多数派と言っていい。何ならここにいる面々も2人ほど急接近したコンビがいる。そしてフクトレの場合、接近してしまえばフクキタルに悪影響がほぼ確実に及ぶことがわかっており、それを防ぐために努力している。
「俺は隣で走るようになったくらいだからそういうのねーな」
「うーん単純」
走る体力バカの話は毎回一瞬で終わる。やっていることがわかりやすくシンプルでそれ以上話すこともないからだ。
≫69二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 09:49:51≫68
「次はお前なマクトレ」
「わたくしですか」
マクトレは一回深呼吸し、続けた。
「俺はマックイーンへの提案があるときは一回自分で試してから提案するようになった。マックイーンの前でもやったりする。因子が似てるし、フクトレと違って正直呑まれてもマックイーンに大きな問題はないだろうからな」
「マクトレマックイーンのトレーニングの話になると口調戻るよね」
「わたくしはマックイーンに全てを捧げるつもりですから」
4人は尊敬しつつキマってんなと頭の中で呟いた。ウマ娘化する前に覚悟を完了したトレーナーの決意はいつ見聞きしても凄まじいものがあった。
「そういうテイトレはどうなんですの?」
「俺はあんまり変わってないかなー。体質も似てるけどマクトレほどじゃないし?せいぜいウマ娘の能力が前よりわかったからそれを反映できてる感じかな?」
「これが一番ノーマルだな」
「そこまでくる過程がノーマルじゃなかったけどね」
「仕方ないでしょ!俺試作型!プロトタイプ!」
「それもそうですわね。わたくしもあなたと同じ立場ならどうなっていたことやら」
テイトレはトレセンで最初にウマ娘化の毒牙にかかったトレーナーである。そのため様々な問題に最初に直面し、骨を折ったり幼児退行したりしつつようやくまともに戻ってきた勇者のような存在であった。
「フラトレが最後ですわね」
「僕はあんまり変わってないかな…トレーニングは」
「トレーニングは?」
「……トレーニングは」
数秒の沈黙が流れた。
「…寝ましょう」
「おやすみ」
「うん」
続く(ぶつ切り)
≫88二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:09:57「教育者の最高の技術とは、若者に創造的表現と知識の喜びを発見させることです」
――アインシュタイン
***
「――ウマ娘というものは凡そ非合理的で、超常的な存在に見えるが、我々教え導く者がそれを受け容れ、考えを止めてはならぬ。
トレーナーは彼女達を神や牧畜として扱うことなく、一個人の人間として向き合うことを忘れてはいかん」
朗々と述べる老翁の声に、多くのトレーナー候補が真剣に耳を傾けている。
その様子を眺めながら、ダイタクヘリオスのサブトレーナーを務めるウマ娘は、師である老翁の言葉を脳内で反芻していた。
「諸君らの時代は凄まじい。
途方もない程の、多くの知識に取り囲まれておる。例えば……のう、君」
そんな少女を見て、老翁は杖をついて話しかけようとする。
彼女はいち早くそれに気づき、さっと老翁に近づいて耳を傾けた。
≫89二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:10:35≫88
「君がポケットに挿しておるそれは、なんと言うて、なにができるんじゃったかのぅ?」
「はい、先生っ。これはスマートフォンですっ。
電話とか、他には……今は、先生の講義を録音していますっ」
「なんと、それはいいのう! 儂の頃は必死こいて手帳に書き留め、真っ黒な手で鉛筆を削ったもんじゃ。
皆さん、この子を真似して録音録画をバンバンしなされ。ようつべに公開してくれてもよいぞよ」
にか、と笑う老翁の言葉に、若者達が相好を崩してスマホを取り出す。
勿論、老翁はスマートフォンをよく知っている。自分でも使っているからだ。
ウマ娘教育の歴史に載るような大人物が、自ら道化を演じて若者達に歩み寄っている。
それは老翁が教育者として強く律しているが故のことと、少女はよく知っていた。
「今はまさに、指先ひとつで情報を調べられる時代じゃ。
儂の講義さえ共有されれば孤児から石油王まで見放題の学び放題。
諸君らはつまみのように貪り、蚕食できることじゃろう」
「故に――得る情報の真贋を、確りと見極めねばならぬ。
人の人生を抱える以上、それは避けられぬ責務じゃ」
訓示とも取れるその言葉に、真面目な若者達が頷く。
その言葉の重みを、60年教え育てた老翁の小さな立ち姿が物語っていた。
しかし、どのような金言であったとしても、真面目に受け取る者ばかりではない。
「あ、はいは~い。質問いっすかぁ?」
「ホッホッ、今日の昼飯は蕎麦にするつもりじゃ。儂ゃあれに目がなくてのう!」
「は? いや、そういうことじゃなくてぇ……そこの可愛い子、誰っすか?」
時には勉学に勤しまず、猥雑な享楽に勤しむ者もいる。
呆れたような生徒の目つきに反し、老翁は極めて重要な質問だと言わんばかりに重く頷いた。
≫90二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:11:16≫89
「これは儂の、最後の直弟子での。
同じく儂が最後に導くウマ娘、ダイタクヘリオスの実質的なトレーナーを務めておる」
「まっすか! だから服装アゲアゲなんすねえ~」
少女、弟子の装いは如何にも当世風。
美白肌の映える鳩尾ほどの黒鹿毛をミックス巻きにしポニーテールとしてまとめており
涙袋まで続く赤いアイシャドウは、如何にも今時のチャイボーグメイク。
身に纏う白のラウンドネックからは袈裟懸けにファスナーが伸びており、その切れ間から肩のみならず細い腰と臍が覗いていた。
だぼっとしたカジュアルパンツは裾を絞るようにズボンに入れられており、ゆったりとした装いにも関わらずその切れ味は刃のよう。
キュート&セクシーなストリート系ファッション。自分という素材に絶対の自信がなければ手を出せないような服装であった。
にもかかわらず本人はそれを誇示することなく大人しく隅に立っており、熱心に手帳に何かを書き留めている。
しかし舐め回すような視線を向けられれば、彼女は恥じらうように目を背けた。
なんだかチグハグで、しかもそれが老翁ほどの大御所の付き人だというのだから、自然と好奇の眼差しが他の生徒にも伝播してしまうのだ。
「え、じゃあなんスカ。その子、せんせーのオンナ?(笑)」
「ホッホッホッ。随分と好奇心と想像力が旺盛じゃのう。
……そのような懸想を働けるほど若くはないよ。
その子もおぬしらも、儂にとってはみぃんな孫のようなもんじゃ」
無礼だなんだと言うことなく、老翁は笑いながら下世話な質問を受け流す。
老翁にとって、その程度の探りはスポーツ誌の記者達と飽きるほどやってきたのだ。
「さて――おぬしらは、どう見るのが正解かのう?」
これくらい出来なければトレーナーは務まらないと、いったいどれ程の生徒が気づけたのだろうか。
少女は浮ついた顔の学生を見て、彼の評価欄に記された「部外者対応」の項目にバツ印を刻んだ。
≫91二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:12:08≫90
「すまんのぅ、不愉快じゃったろ」
「えっとっ、先生は気にしないでください。私はなんとも思ってませんからっ」
実のところ、弟子はアゲぽよガールズではない。
それどころかついこの間までは、ウマ娘でもなかったのだ。
「それにしても……本当に上手くいっちゃいましたねっ。
この格好なら、不真面目な生徒が釣れるかなと思いついただけなんですが……」
「いい提案じゃったよ。これで彼らの評価担当を務める先生方も楽になるじゃろうて。
流石は将来有望なトレーナー殿じゃのう」
彼女は元々秋川やよい理事長に目をかけられる程に有望株の、生真面目な「男性」トレーナーだった。
それが昨今トレセン学園を賑わせるトレーナーのウマ娘化事変によって少女となってしまったのである。
「ホッホッホッ。おぬしのお蔭で、わしすっごく楽ちん」
「先生っ。そんな言葉遣いをしていると、またウララちゃんのトレーナーさんに怒られちゃいますよっ?」
「おっとこりゃいかん、あいつめちゃ怖いんじゃ。ご忠告、あざまる水産よいちょまるじゃよ」
「もうっ」
予想外の事態に困惑する弟子に対して、老翁も落ち着くまでは休むよう促すべきか考えていたが
彼女は手をこまねくトレセン学園の面々を見て実に素早く感情の折り合いをつけ、トレーナー業に復帰したのである。
しかも……。
≫92二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:12:46≫91
「……でも、使えそうですね」
「む?」
「この目の前の人がどのような人物か真贋を見極める試験は、ヘリオスのトレーニングに使えそうですっ!」
「これ」
「おそらく、あまりマークしていない相手への実力を推し量る観察眼に活きるはずですっ!
あっ、でもでも、ヘリオスのバク逃げでは振り返ることもありませんしパドックでの観察に留まるでしょうかっ?
ヘリオスは気遣いがとても上手なので、寧ろ活躍するのは日常生活かもしれませんねっ。
具体的なトレーニング手法ですが、まずエウレカエフェクト、所謂アハ体験などで細かい差異の発見から……」
「これこれ。掛かっとる、掛かっとる」
「あっ、す、すみませんっ。つい……」
彼女は実に熱心に、何事からも新たなトレーニング方法を見出す才覚があった。
僅かなヒントから具体的な手法を編み出し、実践レベルに昇華する発達した思考こそ秋川やよい理事長から見初められた要因であり
この無数に枝分かれする思考が暴走せずに正解を選べるよう、判断力をつけさせることこそ、老翁が理事長から仰せつかったオーダーである。
つまり、「真面目過ぎるので余裕を持たせろ」ということだ。
老い先短いボケ老翁に任せるもんじゃないじゃろコレ、手前のシモの世話も怪しいんじゃぞと思いつつも、老翁はしょげかえる弟子の背を軽く叩く。
「まあ、そう気にするもんではなかろ。担当ウマ娘の為に思慮を欠かさぬのは善いことじゃ。
そうじゃろ、ヘリオス?」
「いぇあ! トレぴっぴしか勝た~~んFooooooooooo!」
「わぁっ、ヘリオスっ!?」
突然、騒がしくハイタッチを求めるウマ娘が老翁達の前に現れた。
このパリピ真っ盛りのハイテンション美少女こそ、彼らが育てているウマ娘、ダイタクヘリオスである。
ガンダでバク逃げ最高いぇあ!のランナウェイ、パリピが見れば10/10で「いいなみのってんねー!」とリプするやばみざわしんごであった。
(猛ダッシュでバク逃げ最高!な道を征く、若者が見れば十人が十人「調子いいね!」と声をかけるほど規格外の人物であった、の意)
≫94二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:13:45≫92
実はダイタクヘリオスのトレーニングの大半は、弟子がつきっきりで担当している。
老翁は心臓を患っており、長時間付き合うのはドクターストップがかかっているのだ。
なので監督こそ老翁であれど、実質的なメイントレーナーは弟子であると言える。
「トレぴっぴ、メイクどする? トイレ行く?」
「うーん……まだ大丈夫、じゃないかな?」
「りょりょ~、トレーニング前にシチーに貰ったウォータプルーフに変えんべ!」
真面目なトレーナーとパリピのウマ娘。
傍から見れば相性抜群とは思えない組み合わせだが、意外にも真摯に担当ウマ娘と向き合おうとする弟子に対し、ヘリオスがパリピとして寄り添う形で良縁となっている。
弟子がウマ娘となってからは、ヘリオスから率先して服やメイクを施しているほどだ。
「すとりぃと、じゃったか。随分幅があるんじゃのぅ」
「お? じじピ、ストリート系着る? 似合うんじゃね?」
「じじピはのぅ、袴脱いだらウララ嬢のトレーナーに言葉のナイフ滅多刺しされかねんのじゃ。
次受けたら心の臓止まっちゃう」
「「コワ~……」」
教え子の中では一番優秀、されど一番に己へ容赦のない笑顔を思い出し、老翁はぶるりと身体を震わせる。
老翁はまだ、オムツの世話にはなりたくはなかった。
≫95二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:14:58≫94
「とりまじじピ! 今日のトレーニングどする~?」
「ホッホッホッ。今日は弟子より提案があるようじゃ」
「ま!? やったーっ!
トレぴっぴのトレーニング、マジ3150にユニークでバイブス上がっからよきよき~!」
「え、え~っと……」
先程老翁にたしなめられたせいか、弟子は提案を実行していいものか悩んだように眉根を寄せる。
きっと今頃彼女の頭の中では、様々な可能性と対応がぐるぐると堂々巡りを起こしているのだろう。
それを見た老翁は、わざとらしく咳をひとつこぼした。
「先ずは説明、同意を得られたら準備、そしてその後に実践が寛容じゃ。
命じて動かしてはいかぬ。担当ウマ娘に寄り添った、わかりやすい説明を心がけるんじゃよ」
「……はいっ!」
老翁の言葉を受け、弟子は改めてダイタクヘリオスへ丁寧に、彼女にわかるように説明を始める。
真面目過ぎるトレーナーの提案に、パリピ過ぎるウマ娘は真摯に耳を傾け、目を輝かせた。
「アハ体験って、パピーがテレビで観たって言ってたやつじゃん!?
あ、じゃあじゃあ、クイズ番組にしてウマトックで流そ! 絶対バズるっしょ!」
「えぇっ? ……あ、でも確かにアリかもっ。
うーん、でも、放送は学園事務に許可を取った方が……」
「許可取ればおけぴ、りょ! たづなさんとこガンダってくるーっ!」
「ヘリオスーっ!? 許可はトレーナーの署名必須だよーっ!!」
片や大喜び、片や大慌てで駆け出すふたりのウマ娘。
それを見送った老翁は、杖をさすりながら愉快そうに笑った。
「ふたりとも、儂の署名も要ることを忘れとらんかのう」
≫96二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:15:57≫95
「……思えば、そんなこともあったのぅ」
「やめてください先生、顔から火が出そうですっ」
「ま!? トレぴっぴマ○オ超えじゃん!! ウマトック撮ろっ!!」
「比喩っ! 比喩表現だからっ!」
そんな三人は今、URAファイナルズを終え、原宿へ服を買い求めに来ていた。
がんばったヘリオスへのご褒美として、ウィンドウ・ショッピングに洒落込もうとしていたのだ。
足早に駆け回り、師を置き去りにするヘリオスと弟子だが、今は何ら問題ない。
「これこれ。公道を走る時はウマ娘用通路を通るんじゃよ」
「オワ。じじピ、差しエグくね?」
「ホッホッホッ。じじピのばばピはこんなもんではなかったわい」
「成程っ! 関係を結んだウマ娘によって脚質に反映されるなら……これはトレーニングに使えそうですねっ!」
「掛かっとる、掛かっとる」
今やじじピはウマ娘。
トレーナー、ランナー含め全員健康なウマ娘となったチームヘリオスは、まるで仲のいい三姉妹のように原宿の街を駆け回っていた。
≫97二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:16:57≫96
(とはいえ、ヒカリの自在な脚質にも、おシンの手本のような先行にもまーるで届かんわ。
足腰をおっかなびっくり動かしていた時間が長すぎて、走りも赤子同然よ)
指導に活かそうにも、まずはしっかりとしたリハビリが必要である。
そう判断したじじピは、愛用の杖をしっかりと握りながらにかりと笑った。
「のぅ、弟子よ。前諦めたと言っとったりんぐふぃっと、まだ押し入れにあるかの」
「ありますけど……トレーニングに活かすんですか?」
「うむ。どちらかというと、儂のリハビリに、じゃな。おぬしもやるか?」
「そうですね……あれは普通の人間用なので、今度ウマ娘用を取り寄せましょうか。3人分っ」
「うむうむ。楽しそうじゃのう」
年寄りの冷水どころかバケツチャレンジと成りかねなかった行いも、今は躊躇いなくできる。
その楽しさ以上に、孫ほどの若者達と共に遊べる歓びに、じじピの胸はわずかに弾んだ。
しかし、弟子がぶつぶつと何かを考えているのを見て、じじピは耳をそばだて、ゆっくりと待つ。
「……そうだっ! ヘリオスのプロデュースとして、ウマチューブの生放送番組にするのはどうでしょうっ?
毎日決まった時間にやるんですっ! ファンとの交流と、お料理系ウマ娘に次ぐ継続企画として……」
師の提案にしっかりと受け答えできるようになった弟子の姿に、確たる成長を見てじじピは目を細める。
いつでも、何度でも。教え子の成長は眩いものだ。
「先ずは説明、同意を得られたら準備じゃ」
「それから実践、ですよねっ! 私、ちょっとヘリオスと話してきますっ!」
駆け出す教え子達を見守ることこそ師に赦された静かなよろこびである。
じじピはそれを心から甘受し、ゆっくりと彼女達の足跡を辿った。
うまぴょいうまぴょい
≫98二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:18:04≫97
おまけ:りんぐがふぃっとであどべんちゃーをテストプレイするチームヘリオス
へりおす:「ウヮハー――ッ! なにこれえぐいてぇ~っ!
(負荷30) 腹筋ツラすぎてぴえん! ア・ガ・っ・て、キタ―――(゚∀゚)―――― !!!!」
じじピ :「のう、大丈夫か?
(負荷15) さっきから息しか上がっとらんが」
弟子ピ :「いや、これむりっ。これむりぃぃっ。
(負荷 0) せんせっ、たしゅけへぇ……っ」
じじピ :「いやこれアカンわ。タオル投げるわ。
ヘリオスだめじゃぞ、これ映したらアカンぞ! めっっっ!!!」
≫110二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:23:41生徒会との掛け合い
「あっ、ファイトレ!」ギュム!
「出会いがしらにひっつくなルドトレ。距離が近い!」
「いいじゃないですか。」
「ダメに決まっているだろう。そんなんだかr・・・」
「失礼 トレーナーk・・・」
「「「あ」」」
「・・・トレーナー君、おしおk」
「ちょっと待て生徒会長」
「私の邪魔をするのなら残念だけど・」
「まずは落ち着けと言ってるだろう!いいか、こいつが不安なのはよく分かるがそのたびに掛かっていたらせわがない。」「それは・・」
するとファイトレはバッグの中から紙を取り出し手渡した
「ほれ」「これは・・」
「近くの旨い中華料理店の割引券だ。これを使って二人で食べてくるといい」
「美味しそうに頬張る顔は見たいだろう?」「・・・わかった。ありがとう」
「気にするな、行ってこい。」「すまない・・・いくぞトレーナー君」
「はーい。ありがとうファイトレー!」
「いったか。たく・・・」「どうした貴様」
「ああ、グルトレか。先ほどかかったライオンをなだめていたんだ。」
「お前も相変わらず大変そうだな」「違いない」
「・・・」「・・・」
「・・・今夜飲むか?」「・・・そうさせてもらおう」
「なんだ飲むのか!俺も参加するぞ」
「おまえの分の酒はねえーよアホ」「ちょっとひどくない?」
「冗談だ、こうなると思って多めに用意してある」「ぃよし!」
「とりあえず8時に家でいいかグルトレ、ブラトレ」「「いいぞ」」
その夜は3人で飲み明かしたのだった
≫112二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:25:33ノックの音がしました。
街路樹が色づき始めた秋の夕暮れ、病院の個室でウララの活躍記事を見ていたわたしは
タブレットを操る手を止め、棚に入れていた本から一冊を取り出しました。
本を立ててページをめくりながら、しかし内容に目を通さず、ゆっくりゆっくりと考え直します。
ここは病院の中でも端に位置する場所、まわりに入院してる患者は誰もいません。
しかしこの訪問者は廊下を歩く音などまるで立てず、ここまでやってきています。
経験上、こういう訪問者はえてしてイタズラ者です。
しかもスイープトウショウのような可愛げなものではなく──。
そういえば声をかけるのを忘れていました。ああでもメガネが少し汚れている。
「どうぞ」
レンズの曇りをふき取ってからのようやくの応答に
訪問客はしずしずと入ってきて、私の前で挨拶をしました。
「こんばんは」
知らないウマ娘の子でした。
≫113二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:25:50目の前の子は見るからに派手です。
優しさを湛えたにび色の瞳に、長い長い茶褐色の髪をおでこを出すようにしてまとめあげ、
そこに桜色の和服に赤い袴と紫の帯といった出で立ち。
うん。見たことのない子です。
というより、大正時代からやってきたのかと錯覚する格好です。
そんな子は挨拶をしたきり、ただ黙ってニコニコとこちらを見てきます。
……事ここにきて彼女、いえ「彼」がしたいことが分かりました。
自分が何者なのか当ててみろと言いたいのです。
しかし。
わたしはその提案に乗ることを躊躇いました。
普通なら見た目から類推するのがセオリーでしょうが、
ここは一つ、さっさと「どなたでしょうか?」と聞いてしまいましょうか。
そんな算段をつけてるうちに先ほどまでの優しい微笑みはいつの間にか消えていて。
「時間切れ、じゃ」
≫114二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:26:14軽薄ともとられかねないその顔を見て私はなぜか安心しました。
「ああ、あの人……」
「ホッホッホッ、ようやっとわかってもらえたようで何より何より」
「のお孫さんですね」
「……違う。本人」
「ええ知っています」
よしよし、答え合わせと同時に意地悪さが引っ込んでくれました。
顔に合わせた振舞いをしてほしいものです。
自ら部屋の隅から椅子を引っ張り出し、よいせと座り込んだ彼は一応、同僚です。
今はダイタクヘリオスを担当しているはずの彼は、少し前まで正しく「伝説の男」でした。
間もなく天寿を迎え、伝説に打たれるはずだったピリオドは……おそらく旅行にでかけたのでしょう。
そんな彼を人は『先生』とも『大先生』とも呼んでいます。
わたしも呼ぶこと自体はイヤではないのですが、
使い方を誤ると際限なくつけあがるので、なるべく言わないようにしています。
「ふーむ、また落ち着いた部屋じゃな。一日中でもいられそうじゃ」
「先ほどのクイズはなんですか?あんな挑戦的な態度でなく、もっと好々爺然とした振舞いをしてほしいものですが」
「若い子なら儂もそういった態度が取れるんじゃがのう?」
「じゃあ取れるじゃないですか」
「……若いというよりなぁ、同じ呼ぶならこう呼びたいもんじゃな!なあ『娘』よ!!」
「それは本当に嫌です」
「巫山戯てなんかない……パパじゃよ」
久しぶりに全身を怖気が走りました。
……しかし娘と呼んできたり、母さんと呼んできたり。
どうにもトレセン学園にはホームシック対策が足りていません。
……よかったですねネイトレさん。若くて鬱陶しそうなおじいさんが増えましたよ。
≫115二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:26:37「それでクイズの事じゃが……結局お主答えられなかったのう」
淡々と、でも威厳をにじませた態度で言葉を紡いでくる彼。
どうやら説教です。待っていました。
「……答えてほしかったのですか?」
「対応が遅いと言っておる。ただ黙ってみているのが正しい行動だったか」
「あまりにきれいな娘さんだったので、見惚れて回答が遅れてしまいました」
「いや。お前は冷静じゃった。その上で動かなかった。即応性に欠ける」
冷静だったのは確かだったし動かなかったのもその通りです。
「……でも先生?わたし答えていましたよ」
「ずっと黙っていたようだが?この耳でも聞こえないぐらい小さな声で答えていたのか」
「いいえ。
……だってこれ、先生の本でしょう?」
そういって手元にあった本を見せました。本を確認する間に彼の顔が苦々しく歪んでいきます。
『伝説の半生』――目の前にいるウマ娘が書いた自叙伝です。
本を掲げて口元を隠していましたが、今の自分の顔はウララには見せられません。
きっと彼同様、意地悪な顔になってたでしょうから。
≫116二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:26:48「……部屋に入ってからずっと開いてた本か?」
「正確にはあなたがノックしたときに用意したものです」
「……ここに来るまで抜き足差し足でそりゃもう頑張ったんじゃが」
「だから勘づいたんですよ。お父さん」
とんだ嫌味。意趣返し。でもこの人はそんな態度を期待していたようでした。
してやられた、でもよくやった、という複雑な顔をして彼は天を仰ぎます。
「どうにも冴えとるの。儂が知らん間に軽く100年ぐらい生きておったか」
「あなたより生きてこれならもう魔女ですよ」
「いーや魔女じゃ魔女。なんなら見た目からしてもうアレじゃもん。アレ」
何やらジェスチャーしていますが、おそらく副校長兼寮監の人を指してるのでしょう。
「……わたしからすれば、向こうから寄せてきたんですが」
「前はもーっと似ていたがのう。気難しそうで、年のわりに眉間どころじゃなく皺が入っていて、
……それに比べりゃ、今のお前は『美しい魔女』と呼んで差支えなかろ?」
わたしの顔を無遠慮に眺めながら彼は言います。いよいよ失礼な物言いになってきました。
「……ウマ娘の子たちには絶対に言ってはダメですよ」
「お前ぐらいじゃ」
少しも嬉しくない特別扱いでした。
……不意に沈黙が続きます。
無遠慮を通り越して穴が開くほどにわたしの顔を見る様は、端的に言ってうすら寒いものを感じます。
どこかデジャブを感じるのは気のせいでしょうか。
「おい」
「……なんでしょう」
「耳を見せろ」
いきなり詰めてきました。
≫119二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:30:36「聞いたかチケット。マルゼンスキー先輩のトレーナーは君ばりに泣くらしい」
「ええ、そもそも私そんな泣いてないよ!?」
「だそうだが、タイシンどう思う」
「鼓膜破れそうだからよそでやってくれない?」
≫121二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:34:46≫119
「私”そ”ん”な”に”う”る”さ”く”な”い”よ”お”お”お”お”!?」
「うるっさあああい!!」
「流石の声量だな…」
「うおおおタイシンンンンン!大丈夫かタイシンンンンンンンンン!」
「あんたもうるさい!!!」
≫124二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:39:17間違って途中投稿した
「安心したまえ、耳栓とライブ練習用の防音室を借りてきた」
「何に?何に安心できるの?」
「え?映画見てくれって……いいけどなんで?」
「これは勝利の方程式に必要なことなんだ。どうか君の役にも立つと思う」
「わかった。って最強の二人って。これ見たことあるなぁ」
「あ゛あ゛あ゛ん゛ズックふ゛た゛り゛がは゛な゛れ゛ちゃ゛う゛の゛や゛だあ゛あ゛あ゛!!」
「ふ゛た゛り゛の゛し゛ん゛ら゛い゛がす゛き゛ぃ゛ぃ゛ズビッ」
「……眼鏡にヒビが入った」
「………」
「タイシン?た、タイシーーーン!!」
≫149二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 10:59:49下準備の確認をするルド、ブラ、タイ、ロブ、ドト、ネイ
「ルドトレ隊長!常温に戻してないバターが!」
「よし!タイトレのでっかいお山にでも挿しておけブラトレ隊員!」
「了解!」
「ウワーッ!」
「隊長!常温に戻してないバターがもう一つ!」
「えっ…よし!そこの知らんぷりしてるロブトレのでっかいお山に突っ込め!」
「了解!」
「ちょ…ちょっとまってくださ…ウワーッ!」
「隊長!バターもう一つ!ほんとに最後!」
「ちゃんと準備しておいて…よ、よし!じゃあ地味にいいお山してるドトトレに…あっネイトレの背に隠れた!じゃあ違う人に…」
「了解!」
「ウワーッ!なんで私!?裏切ったなブラトレー!」
「た、助かった…ごめんネイトレ…」
「いやいいんだけど…テンション上がってるなぁ…」
材料確認をするグル、マク、ゴルトレ
「おお…こんなに材料があると圧巻…」
「といってもこれ全部は使えねぇよな?」
「うん…みんなに配るものだし果物とかは使えない…なんでウイスキーがあるの?」
「わたくしですわー。ウイスキーボンボン作れるかなぁと」
「いや駄目だよ…グルーヴに怒られる…」
「うーん…じゃやっぱしょうがないですわね…」
「まってまって!なんで飲むの!!」
「これも葦名のため…」
「マクトレは忍じゃないでしょ!」
「どれどれ…んー結構いいやつだな!」
「ゴルトレも何飲んでるの!」
「これも芦毛のため…」
「お前はほんとに何言ってるの!?」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part78【TSトレ】
≫92ロブトレヒロイン概念21/09/29(水) 12:13:43
シニア期正月・暗闇の中の誓い
有馬記念で負けて、お互いに泣きながら抱き合ってから数日後、新しい年がやってきました。
「あけましておめでとうございます、トレーナーさん」
「ええ、あけましておめでとう、ロブロイ」
トレーナー室でお互いに新年のあいさつを交わす。ただ、やはりまだ目元には少し赤みが残っている。
そう思う私自身も、まだ少し目元が赤くなってしまっている。
この有マ記念、今年最後のG1、絶対に勝ちたい、そう思って望み、そして黒鹿毛のウマ娘に差し切られて敗北した。
お互いに何故、なぜ勝てない、勝ちたい、勝ちたい、この勝負服で、この大舞台で勝ちたい……お互いに悔し涙を流しながら……。
だからこそ、今年は、今年こそは勝ちたい。彼女を英雄として、あの勝負服の姿で勝たせたい。彼女自身の想いは十分、トレーニングも誰よりも真剣に、全力でやっている。なら今日は……
「……ロブロイ、この後初詣ですが、物語の舞台になった神社でいいところはありますか?」
「え?は、はい、ここの近くの神社ではなく、離れた場所にある○○神社というのですが、あまり知られていないかもしれませんが、実はその神社、その地域でウマ娘として活躍していた英雄の御霊が祀られていてですね。ただ、その神社、少し山の中で……」
「英雄の御霊が祀られている神社、良いですね、ではすぐに行きましょう」
「え、と、トレーナーさん!」
善は急げ、というように彼女と一緒に車に飛び乗る。
この体になって、車の運転にも一苦労していた。だが、ある程度慣れてきて、問題なく走行することができる。
≫94ロブトレヒロイン概念21/09/29(水) 12:14:05≫92
「それでは、かっ飛ばしますよ」
「え、その言葉は、嫌な予感が……あ、でもしっかり法定速度守っているのですね」
「それはそうですよ、普通車ですし、何よりも安全運転大事ですからね」
そう言いながら神社までの峠道をパトカーにつかまらない程度の速度で、しかし急ぎ気味で走らせていく。
「あ、あの、なんで突然遠くの神社に……?」
「ええ、その、ロブロイの顔を見たら、私自身いてもたってもいられなくなった、と言いましょうか……」
「?」
「やはり、有マ記念、勝てなかったのが悔しかったのです……」
「トレーナーさん……はい、私も、同じ気持ちでした……もしかして」
「ええ、それで願掛けです。貴女の愛した物語の英雄に、今年こそ勝てるように、と」
「ふふ、トレーナーさん、クリスマスの時も思いましたが、落ち着いているようですごく突飛なことをしますよね」
「言わないでください、私としてもしてから冷静になることもあるので」
今回の突然の遠くの神社に行く、という話でいきなり飛ばしたのはやはり突然すぎて、またその理由がおかしなものであったか……改めて自分の行いに恥ずかしくなってくる。
以前はもっと落ち着いていて物事を考えられていたはずなのに、これもウマソウルの影響だろうか。そんな考えが頭でぐるぐると回り始めて……
「でも、そんなトレーナーさんが私は好きですよ」
その言葉に、ぐるぐるとした頭が覚醒する。
ああ、本当にこの子は、会ったばかりの頃は引っ込み思案だったのに、何時の間にこんなにも自分の気持ちを素直に話せるようになったのやら……。
いや、彼女と契約してからは私の前ではあまりその一面は見られないな、と思いながらも、やはりドキリ、としてしまっている。
「ありがとう、ロブロイ」
「私こそ、トレーナーさん、ありがとうございます……あ、そうです、折角その神社に行くのですから、その道中、その英雄のことを話しましょう、あの英雄はですね……」
そうして、二人で峠道を進みながら、彼女の話す物語について思いをはせていく……。
≫95ロブトレヒロイン概念21/09/29(水) 12:14:36≫94
「トレーナーさん、つきましたよ!」
「え、ええ、流石に山の中まで神社で言った後、舗装されているとはいえ山道を進むのは大変でしたね」
車で神社のある山の麓まで来て、そこから山道を歩き、ようやくたどり着きました。
確かにこの場所だとあまり知られていないというのもわかります。
だけど、鳥居の前まで来ると確かに感じられるものがあります。私がウマ娘になったからでしょうか、この神社にはウマ娘の英雄、その御霊が祀られていることが……。
二人で静かに鳥居の前で一礼、境内の中に入ったらお互い一言もしゃべらず、静かに、この神社に祀られている英雄への敬意を抱きながらお参りを進めていく。
御神前まで来てお賽銭を入れ二礼二拝一礼、そして祈りを捧げる。
英雄様、見ていてください、必ず、必ずロブロイを今年、G1で勝ち、英雄にさせてみせます。
そして、二人で境内を出てから一呼吸。
「やっぱり、英雄が祀られているのがとても感じられました。この境内にいる間、すごく力を感じられて、英雄から力をもらえているようでした」
「ふふ、そうですね、私もその力が感じられましたよ……」
「トレーナーさん、改めて、ここまで連れてきてありがとうございました」
ロブロイはうれしそうな様子で今日の参拝について語ってくれる。
その顔だけで、ここまで連れてきたかいがあったものだと感じられます。
「そういえば、ロブロイはなにを願ったのですか?」
「い、いえ、願い事ではなく、誓いをしました。今年こそ、英雄に、貴方のような英雄になります、って」
「ロブロイ、フフ、それでは私と同じですね。私もロブロイを英雄にしてみせる、と誓いをしましたから」
「!!トレーナーさん、フフ、ありがとうございます」
お互い、同じ誓いをしていたことが分かると自然と笑みがこぼれてくる。
やはり、私達の心は同じ、心の底から英雄になりたい/させたい、これがお互いの想いですから
≫96ロブトレヒロイン概念21/09/29(水) 12:14:53≫95
「……あの、トレーナーさん、最後にもう一つ、誓いをしてもいいでしょうか?」
「?ええ、いいですよ」
そう言うと、何か決意を秘めたように改めて御神前の方へと向き直る。
そして、小さな声で……
「今年の有マ記念、必ず英雄としての走りをしてみせます、トレーナーさんと一緒に……」
……ああ、やはり彼女にとって、あの有マ記念は大切なものであった。
他のG1という大舞台も大切であるが、それでもあの有マ記念はどうしても勝ちたかったのだ。
そのロブロイを見て、一緒に前へと進み、再び、誓いを……
「ロブロイと共に必ず有マ記念で彼女を英雄に……」
誓いを終えて、二人で向き合う。
その顔には、新たに決意を秘めたように。
「トレーナーさん、私……今度こそ有マ記念で勝ちたいです!」
「ええ、私も、同じ気持ちです。有マ記念に向けて、改めてともに歩みましょう、ロブロイ」
「はい!トレーナーさん!」
そして二人は神社をあとにする。
新たな誓いを胸に、二人の物語は新たな1ページを刻んでいく。
この地に秘められた英雄だけが、二人の誓いを見守るのであった……。
≫104二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 12:21:06ではデザート代わりにどうぞ
宴会の終わりに
トレーナーたちが集まって開かれた宴会は終わろうとしていた
今日は度数の高い酒がばらまかれたため特にひどく多くのトレーナーが酔いつぶれていた
ルドトレ、フラトレ、シチトレらイロボケ組はお持ち帰りされ
フクトレ、ネイトレ、ヘリトレら良識ある面子はもう帰って
テイトレ、マクトレ、ブラトレら羽目外した奴らは夢の中に旅立っていた。
そんな宴会場は潰れずに残っていたオグトレ、ファイトレで片付けられていた
「皆さん際限なく飲みまくってましたね」
「そうですね、今日は特にひどいものです」
そういって向けた視線の先には
「かっ飛ばせ・・・zzz・・・」「並走・・・もう一回・・」
「zzz・・・はちみー・・・」「タイシン・・・胸・・・」
酔いつぶれたウマ娘トレーナーの姿があった
「仮にも女性なんだから、少しはそういうのに気を遣えと・・・」
「いいんじゃないですか。それにあなたも大概でしょう。」
「私はいいんですよ、L単位で飲んでますがご覧の通りですし」
「少しうらやましいですね。私も強い方ですがさすがに今日は酔いましたし」
「まともに酔えないのはそんないいものではないですよ、折角の宴会だし
何より素面で居続けるのは正直きついです。」
「そういうものなんですね」「ええ、難儀なものです」
≫105二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 12:21:25そういう間にも片付けは進み、あとはトレーナーたちだけになった
「さて、問題は彼女らですよね」「正直数が多いんでどうしますかね」
「・・・」「・・・」
「・・・ここって学園内ですよね」「はい、特設会場ですし・・」
「ブランケットだけかけて放置します?」「・・・そうしましょう」
備品のブランケットを酔いつぶれた数十人のトレーナーたちにかぶせ
二人はそっと椅子に腰かけ、夜空を眺める
「最近にしては珍しくきれいな月ですよね。」
「ええ、そうですね。きれいな三日月ですとも。ところでまだ呑めます?」
「もちろんです」「では消費がてら」
「「乾杯」」
酒豪の夜は更けていく・・・
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part79【TSトレ】
≫64二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 13:42:33
- 「帰還者からの手紙」
「やっほーマクトレ今日もマーベラス☆」
巨大なポニテに揺られた一人のウマ娘はいつもの挨拶を風格のある芦毛のウマ娘にした。
「あら、ごきげんようマべトレさんそれにしても、珍しいですわね。あなたがいらっしゃるなんて。」
そう言い深窓の令嬢のような風防を漂わせながらマクトレは紅茶をすする。
「すっかりマーベラスになってしまったねー、優雅にティータイムなんてー」
「あなたはおかわりありませんことね。」
この二人はトレーナーのウマ娘化に巻き込まれ、周囲から見て以前とは動向が大きく変わってしまったように見える二人である
(1/2)
≫68二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 13:44:32少しの世間話の後マベトレが口を開く
「話があります。」
突然それまでのマベトレの口調が変わりそれまでの暖かった場の空気が一気に冷え去った。
「どうしました急に、あなたらしくもありません。」
マクトレは少し驚きながら応じた
「マックイーンのことです。」
「マックイーンがどうした。」
マックイーンの話題になった瞬間マクトレのそれまでの紅茶を嗜んでいた令嬢から一変し、目の色も変わったように見えた
「マックイーンがもし怪我をしたらマクトレはどうします?」
「マックイーンが怪我をしたのか!?いつ!どこで!」
マクトレは荒々しく机をたたき立ち上がり机の上にあるティーセットがガチャリと音を立てる
≫69二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 13:45:09興奮しきったマクトレをマベトレが静止させる
「落ち着いてくださいもしもの話ですよ、もしマックイーンが天皇賞の前に怪我をして走れなくなった。そしたらあなたはどうします?。」
もしもの話にマクトレは少し考える素振りを見せ言う
「そりゃお前、怪我の良し悪しを見てダメそうなら諦めるしかない。
でも、リハビリでいけそうなら頑張ってリハビリに付き合うそれも、一過性のものではなく先を見据えた上でだ。」
トレーナーとしての回答を出すマクトレに対し、マベトレは別の意見を提示する
「代わりにマクトレが走るという選択肢はないですか?。」
「はあ?、何を言ってるんだお前、天皇賞を取るのがあいつの夢であって俺じゃねえいくら似てるって言ってもあいつが取らなきゃ意味がない。」
「その言葉本当ですね?」
冗談を言ってるかと思われたがマベトレのその星の目は真剣な面持ちだった
「本当に決まってるだろ、俺はトレーナーであってマックイーンじゃねえ。」
「……」
「……」
静寂の後、真剣だったその雰囲気が嘘であったかのようにマベトレの表情は明るくなる
「なら良かったーそれが聞けてよかったよーそのマーベラスがある限り大丈夫みたいだねー。それと天皇賞を取るのは私のマーベラスサンデーだー
じゃあねーマクトレそのモンブラン、マーベラスだったよー。」
ケーキスタンドにあったらしきケーキはその姿を消し、代わりに食べ放題のペアチケットが置かれていた
「あー!最後に食べようと残しておいてましたのに!マベトレーー!」3/3
≫126二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 14:29:20長座体前屈かぁ…
≫129二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 14:31:12≫126
見ろタイシン!やっぱりウマ娘の身体ってやわらかいんだな!男の時はこんなできなかったよ!」
≫131二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 14:37:34≫129
「ちょっとまってくれまだいけるんだが胸が邪魔だちょっと横にずらしたい……ブラ外すか」
「待ちなさいよ!!!!!バカ!!!!!」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part80【TSトレ】
≫43二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 15:57:18フクトレ「うわなっつ、64じゃんこれ」
ブラトレ「トレーナー寮の倉庫漁ったら見つかったわ。カートリッジもあるぞ!」
テイトレ「カービィ64にマリカ64にポケスタ金銀かぁ」
マクトレ「ものの見事に手軽に友情破壊ができるものが集まりましたわね」
テイトレ「マリカなんてひさびさだよ。ひさびさなのに64だよ。目新しさを感じないよ」
フクトレ「新要素でキャパオーバーする俺たちおじさんにはいいんじゃねぇの?」
マクトレ「でもウマ娘したからには動体視力もよくなっているはずですわ!」
ブラトレ「コースどこにする?やっぱ無難にピーチサーキット?」
テイトレ「えーレインボーロードでしょ」
フクトレ「安直だな。ここはシャーベットランドだろ」
マクトレ「ヒュードロ池ですわよね?」
ブラトレ「コワ~……」
フクトレ「うわとるとるバトルって大人になってやるとこんな醜いゲームだったんだな」
マクトレ「けんけんレースは単純にテク勝負ですし。やっぱおちおちファイトが至高なのでは?」
テイトレ「うわ、さっき俺を2人で囲んで孤島に閉じ込めたやつらが何か言ってるよ」
ブラトレ「コワ~……」
マクトレ「ちょっと!!それわたくしのプレゼントですわよ!!!」
テイトレ「へへーん欲張りすぎじゃないかテイトレ~?」
フクトレ「お前ら点数見てみろよ」ニヤニヤ
TMトレ「!?!?!?!?」
ブラトレ「コワ~……」
以上、おじさんにしか通じない怪文書
≫48二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 15:59:06ホラゲーをやるマルトレとスズトレ。
「雰囲気やばい……帰りたい……どこに帰るんだここが家だよ……」
「代わろうか?マルトレ」
「いや1ステージごと交換だし頑張る……」
『ゔぁーー!』
「うわっ怖「ぎゃあ゛あ゛あ゛っ!!??」
「うわぁぁぁぁ!?」←ビビるマルトレにビビるスズトレ
≫53二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 16:04:13≫48
「あ゛っあ゛ぁ゛!!なななんか来てるるるスズとるどうすればいいどうすればいい!!!?」
「ふえっwwwいやふふっとりあえず逃げないとwww」
「にげ、逃げようよ、よし逃げてる逃げてる」
(なんか音ついてきてるなぁ)
「よーし逃げ切『ヴおぁ』あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」
「ぶぁっあはっはっはwww」
≫63二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 16:14:34≫53
「ノドイダイ」
「叫びすぎて喉枯れちゃってるね、水飲んだ方がいいって」
「あ゛ーうんちょっとコントローラー変わって」缶ジュースを開ける。
「嘘でしょ……炭酸は余計喉乾くだろ……」
『ギシャァァァ!』
「うお」
「ブホッゔエッホゲッホゲッホ!!!」
「うわっはっはっはっはっwwwちょ、大丈夫www」
「大丈夫に゛見えるか゛ぁ゛!」
「あっはっはっはwww見えないwちょっと待って腹筋攣りそうwww」
≫61二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 16:13:44ブラトレ「こんなものもあったぞ!」
フクトレ「うっわ2G。なんでPSPまで4台あるんだよ」
テイトレ「まぁまぁちゃんとした協力型だよ?これなら喧嘩もしないでしょ。うわディスク音うるさ」
マクトレ「ですわね。ただ操作ちゃんと覚えてますかしら。わたくしスイッチの方で指が固定されてますわよ?」
ブラトレ「マクトレ!!肉焼いてないでこっち来てくれ!!」
マクトレ「うるさいですわね。肉焼きのBGMが聞こえませんわよ?」
テイトレ「これあげるよマクトレ」
マクトレ「!?!?!?爆弾を!?!?!?やめてくださいまし!!この頃の自爆は割とシャレにならなくてよ!?!?!?」
<ストゼロが力尽きました>
ブラトレ「テイトレ!!尻尾今剝ぐのは危ないんじゃないか!?!?」
テイトレ「うるさいなぁ。すぐ剥がないと鮮度が落ちるだろ?」
フクトレ「それガセだぞ。つーことでこれやるわ」
テイトレ「ヴェエエエ!ガンサーが近づいてくる!!うわ砲撃の向きが的確!!!」
<はちみーTが力尽きました>
フクトレ「うし真面目にやるか」
ブラトレ「コワ~……」
≫71二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 16:21:42「…………なあボノトレ」カチカチ
「何マヤトレ? というか今対戦中だよ」カチカチ
「なんで俺ら男二人でさもしくスマブラやってるんだっけ」ファルコン・・・パァァァンチ!!!
「仕方ないでしょ…ゲーム大会の参加条件がウマ娘化したトレーナーだけだったんだから…せっかく頑張って時間作って仕上げてきたのに…」バッシュウウン!
「そっかあ…」
「ていうかマヤトレ強くない? ボクのカービィも一応それなりに自信あったんだけど」
「よくマヤノとかマヤノの友達と遊んでるからかな…これでも天才&子供特有の容赦の無さでボコボコにされるんだよ…」
「ああ大変そうだね…………ん、待って、よく遊んでる? いい大人が中等部の子供に混じってというか中等部の子供達と一緒に? たぶんトレーナー室で?」
「…あ、やべ。いや待って! 別に子供の遊びに付き合ってあげるのはおかしくないだろ!」
「まあそれはそうだね。分かった分かった。とりあえずマヤノパパに通報しておくから」
「いやだから待てって!」
この後無事呼び出されたパパノトップガンとついでに来たマヤノトップガンにスマブラでボコボコにされたマヤトレとボノトレでしたとさ
うまぴょいうまぴょい
≫76二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 16:25:52≫29
ファイトレ「やり合ってますね……漁夫ります?」
ケツカフェ「もうちょっと待った方がいいんじゃないです?結構激しめなので大分最後まで待ってもいいと思いますよ」
グラストレ「ちなみに……ゴルトレさんはどこに?」
ゴルトレ「おーぅこっち漁ったら合流するわ。お1キル」
ケツカフェ「いつも通りですね。……ファイトレさん。ここから1人"ト"れます?」
ファイトレ「やってみますね。左側でいいんですよね?」パシュ
ケツカフェ「お、キルログ。じゃあ行きましょうか」レレレレレレ
グラトレ「ふふ。突撃ですね」レレレレレレ
ゴルトレ「おーい。ワンパやっちまった。おーい?」
BFやったことないので雰囲気チームFPS
≫161二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 17:09:55俺はウオッカ!今日はトレーナーとツーリングだ!
だが湘南を走っていたら突然江ノ島が動き出してサガミナダドラゴンが現れてトレーナーが攫われちまった!
「トレーナー!トレーナァァァァァァァァ!」
海へと沈んでいくサガミナダドラゴンに俺は叫んだ!
そこで境川から今度は声がした!
「ウオッカ...ウオッカよ...聞いていますか...」
「ウワーッ!誰ーッ!?」
「バカねウオッカ...デカイワスカーレットよ」
境川の汽水域の精霊デカイワスカーレットが現れた!
そして奴は俺に問うた!
「あんたが落としたのって身長202cmメッシュ入りオッドアイの多趣味のトレーナー?それとも目力がめっちゃ強くてアンタのことを息子と呼んでくる柵とか折りそうなトレーナー?」
「ハーッ!?」
訳の分からないことばっかり言いやがる!ここは言い返してやるぜ!
「俺のトレーナーはな!時々カッコ悪かったりするけど面白くてカッコイイバイクの似合うトレーナーだぁぁぁぁ!」
「いい意気ねウオッカ!正直者のアンタには両方あげるわ!」
「ウワーッ!何!?」
目が覚めた。変な夢を見ていた気がする。なんだったんだ今の。
≫179二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 17:18:33「マルトレ。走りたい、と思ったことはあるか?」
「……スズトレそれはどういう意味でだ?」
「ターフを駆け抜けたい、この足を動かしていたい。風より早く走りたい。そういう衝動を感じたことはないか?」
「……えっ何それ……怖……」
「……この間の3200、どうだった?」
「え?死んだ……」(スタミナ切れ)
「まあそれはそうだな?(スタミナ切れ)でも何か感じなかったか?」
「車がエンストしてボンネットが開く幻覚が見えた……」
「えっ何それ、怖っ」
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