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このページは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…」スレに投稿されたSSをまとめるページ(スレpart256~260)です。
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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part256【TSトレ】
≫99二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 00:04:38
ああ
思い出した
ここは
化け物の
巣窟だったのだ
TSという
甘い匂いに
誘われた
我らの心を
打ち砕かんとする
恐ろしい
創作者達の
彩宴だったのだ
心は砕け
筆は折れ
スレを開けず
神絵師という言葉に
恐怖を感じても尚
私は進む
進み続ける
絵を描き続ける
SSを描き続ける
概念を投げ続ける
その旅路が
どんなに神イラストに
阻まれようとも
その妄想が
どれほど性癖を
破壊したとしても
≫108二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 00:07:22
時計の針は1時を指している。トレセン学園の生徒は現在授業中である。つまり、食堂は空いている。
ヒシトレは遅めの昼食をとるために、弁当の入った包みを持って食堂へ向かう。
予想通り空いていた。食堂を見渡しながら、そんなことを思っていると見知った顔を見つけた。
「こんちは、ブラトレさん。その席いい?」
「んー?ああ、ヒシアマさんのとこの」
許可を得、向かいあって座る。
「自分がウマ娘になって改めて思ったけど、ウマ娘化現象で最近生徒会大変じゃない?」
「空気がピンクだもんな……」
「いや、ウマ娘になったときに手続きやらなんやら色々とお世話になったから、仕事増えてそうだなって」
「そっちか」
「うん。まぁ、あの空気は大変だろうなって思ってるけど。」
うきうきと尻尾を振りながら弁当の包みを広げる。
「そういえば、フジトレさんもそっち側だし、学園を管理する子たちにラブラブなの多いよね」
「……お互い頑張ろうな……」
「ああ!」と返事をしながら、ヒシトレは弁当を広げる。
そこには、笑っているヒシトレとヒシアマゾンの顔が描かれたキャラ弁が……!
「わっ、ヒシアマの顔が2つ!凝ってるなぁ……」
「……それは、ヒシアマさんから?」
「うん?そうだけど。並走するようになったんだから、ちゃんと食べなってヒシアマ姐さん特製の弁当持たされたんだぁ」
「そっか……」
「どうした、ブラトレ?呆然として」
≫122二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 00:13:44
ルドトレ「不可抗力です」
フラトレ「ごめんね(謝る気はナシ)」
グラトレ「あら大変ですね」
シチトレ「ノーコメント」
ファイトレ「私はファインの味方ですから」
フジトレ「元魔法使いがあの乙女殺しに叶うはずないじゃん」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part257【TSトレ】
≫14二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 06:22:22
────ある夜、夢を見た。
内容はまた、私が"彼"から非難されるものだ。
"堪え性のない奴""後先考えないまぬけ""けだもの""誰より大人なふりして誰よりもガキ""利己的な悪魔"……そして「僕の人生を縛っておいて、君は何も思うところはないのか。"恋人"といっても薄情……いや、主人が奴隷に気を配る必要もない、と。もはや16世紀辺りの奴隷かな、"私"は。古代ローマの奴隷に才知でも自身を買えるという意味では自由もなく、身分も危ういという意味では"主人の財産としての"権利もない。君にとって"私"は道端に掃き捨てられた君のシコティッシュ、触れば音と反応を返して気持ちよくさせる機能のついた孕袋、君のご希望の言葉をかけてくれる人形ジュークボックス……兎に角、君は"私"を大事には思ってないのだろう?」
そうして、反論の余地を与えぬうちに"彼"は"彼女"に変わる。
「……ルドルフ。どうしたの?その顔は?何があったのか……って、衝動で生きる浅ましい生き物に頼ることはなかったね。"私"は自分で歩めるから────」
また目覚める。じとりとした汗のせいかパジャマが背に張り付き、彼女をも濡らしているように見える。
シャワーを浴びに布団を出て彼女の寝顔を見ると、この頃"ご無沙汰"なのに文句一つ言わぬ彼女は一皮脱げば本当に私を"断罪"してくれるのではないかと期待してしまう。……そんなこと、あるべきではないのに。
────ある日、私は彼女と共に掃除をしていた。
「……ルドルフ、今気がついたんだけど」
「どうした?トレーナー君」
「この写真立て、何かにぶつけたのかヒビが入ってて……」
そこには、かつてグラスワンダーとマルゼンスキーを引き合わせた時の私の笑みを残した写真立てに、今にも崩れんばかりの大きなヒビが入っていた。
「……どうする?ルドルフ」
────何を?
「……何って、写真立てに決まってるじゃん。……ルドルフと同じ視座を得るという誓いの証左、それがこの写真だから……」
そう語る彼女を見て、私は、私の胸は酷く苦しくなる。息が乱れ、立っていられなくなる。
私を心配した彼女が写真を片手に近づいてくる。やめてくれ、その笑顔すらも、今の私に見る資格などないのだから。
────ああ、私の罪は如何なる助けさえも免罪してくれない。
15二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 06:23:58
目覚めるとそこは病院で、時刻は深夜を回っていた。傍らには、いつもしている薄いメイクの崩れた彼女が突っ伏して眠っていた。
そっと、彼女の頭に触れる。出会ったときにはなかった耳がぴくりと動く。それが愛おしいが、私の罪として心を、魂を傷つける。
「ん……あ、ルドルフ……起きて……よかったぁ……お医者さんには『何かのストレスだろうから、気を付けるように』としか言われてないけど、ずっと起きないんじゃないかな、って思ってぇ……」
大粒の涙を流しながら私の無事を祈ってくれてた彼女に対し、毛布も無しに傍らにいてくれた彼女に何の感傷も抱かなかった、"居て当たり前"とすら思っていた己を恥じる。いや、これも私の業なのだろう。
そうして、ぽろり、と一言漏れる。
「……今の君に、今の私は相応しくない」
────契約を、解除してくれないか。
それを告げた途端、私の頬を涙がつたう。私がここまで来れたのは彼が居たからであり、彼は優秀なトレーナーで、どんなウマ娘のそばに居ても幸せにできる、そんな人物を、私のために全てを捧げさせていいのか?
「……何、言ってるのさ、ルドルフ」
「……何とは……私は、君の全てを滅茶苦茶にした大罪人だ。我儘で、嫉妬深く、傲慢で、臆病故に君を縛り付け、そのくせそれを隠す術に長けているのだぞ?」
「……でも、それ以上にルドルフは頑張ってるし、"また"必要以上に溜め込んでる。君の悪い癖だ」
「……だが、私は、君を監禁し、奴隷のように……」
「それは"僕"は気にしてない。"僕"に同じ視座を求めてくる相棒が消えたのは寂しいけど、"僕"も同じくらいの幸せを得てる」
「だが、当初の目的は消え失「だから君は変わらない」え?」
気がつけば、彼女は、"彼"は私の手を握り、真剣な顔をしていた。……まるで、昔私に何度も見せ、その度に私に勇気や知恵、そして同じ視座を持つ者の大切さを教えてくれた、あの目と顔だ。
「……"私"を縛ってることに、自分が目的を見失ったことに、責任感じてるんでしょ?それなら気にしないでいいに決まってるでしょ?今からでも君の夢をまた歩める。また、君と同じ視座に立って見せる。私は、これっぽっちもルドルフを恨んでないし、フェムト単位でもルドルフに"裏切られた"とか"嫌い"だとか思ってない。だから────」
────私と、一緒に居てください。これは、"僕"の願いだ。
16二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 06:24:23
それを聞いて、私は泣いた。誰にも、トレーナー君にすら見せたことがないくらい大きく泣いた。途中からトレーナー君も泣いていて、二人で驚くくらい泣いて、そして涙が一旦枯れた頃に二人でまた赦しあった。
そうしているうちに、二人揃って疲れて寝てしまった。気がついたら、病院のベッドで私に身体をあてている彼女の姿は、心臓に悪かったが。
朝、医師から二人揃って泣き腫らしたのを見られて苦笑され、もう退院出来ること、"良いトレーナーを持ちましたね"と、彼女の頭頂でぴくりと動く耳と、患者が治ったのを祝福するように喜ぶ尻尾と共に告げられた。
そして、二人、手を繋いで病院を出た。
マスコミは事前にオペトレか先生方が手を回したのか一人もおらず、そのままトレーナー君の車で学園に戻った。
そうして、車内。
「……それにしても、夢で男の私に罵られて悩んでたなんて、一言頂戴よ!そうしたらルドルフの夢に入ってえいやって、偽者をやっつけたのに!」
「……すまない。あれを君に相談したら、軽蔑されそうで……」
「そもそもルドルフはさ、私がローマの知的奴隷と奴隷の自分を買い上げることで自由民になれるシステムとか、ホッブズを引用とかで罵倒できると思ったの?」
「……今の君ならやれるだろう、全てわかってるところを察するに」
「でもそれを男の私が言ったら矛盾じゃない?その頃の私が知ってるのもあるけど、その頃の私が知ってたホッブズって"功利主義入門"のちょっとした部分くらいだよ?」
「……まあ、それはそうだが……信号無視はしないでくれよ?」
「勿論!」
────悩みが雲散霧消した私のように、空も碧天と称すべき、美しい青空を見せる。まるで、新たな旅路を祝福するかのように。
≫23二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 06:49:24
「滝行楽しみデース。デスがどうしてグラスでなく私を?」
「グラスちゃんはほら、なんというか……ううん取り敢えずエルちゃんの方が私に近い悩みをしてるかなって思ってね。ギョータキで一緒に煩悩払いましょう?」
「そういう事デスか、なら、マスクは付けていくべきではないデスネ。……マルゼンスキーさん、今日はよろしくお願いします」
「ええ、楽しみましょう!」
「すいませんマスクしてない時に車飛ばすのやめてください!!」
このあとめっちゃ滝行した
≫29ロブトレヒロイン概念21/10/18(月) 07:37:06
過去回想:ロブロイとの出会い第一話「図書館での出会い」
「ん……くっ……」
図書室の奥にある本棚。そこに一人のウマ娘が必死に手を伸ばして本をとろうとしている。
だがそのウマ娘は背が小さく、どれだけ手を伸ばしても届かない。
「以前は、届いて、いたのに……」
「トレーナーさん、少し待ってくださいね」
「え、あ、ロブロイ」
必死に手を伸ばしていると眼鏡をかけて小さなウマ娘、図書委員であり私の担当しているウマ娘、ゼンノロブロイである。
振り返ってみると、ロブロイは梯子を持ってきている。そして慣れた手つきで梯子に上がり、高い位置に置いてあった本を手に取る。
「はい、トレーナーさん、この本、ですよね?」
「ええ、ありがとうございます、ロブロイ……ふふ、こうしていると最初にあった時のことを思い出しますね」
「あ、そうですね……あの時はトレーナーさんが取ってくれていましたね。そういえば、その時もこの本棚でしたね」
「ええ、そしてその本も……」
手に取った本は漫画にもなった伝記小説。あの時、ロブロイが手を伸ばしていた本であった……。
30ロブトレヒロイン概念21/10/18(月) 07:37:40
トレーナーになったばかりの頃……。
周りからの期待に応え、こうしてトレーナーへとなることができた。
だが、それはまだ始まりにすぎず、先輩トレーナーの元で勉強をさせてもらいながら、自分の担当となるウマ娘をスカウトしようと日々を過ごしていた。
そんなある日、ウマ娘のレースに関する資料を探しに図書室に向かうと……
「ん……っ……」
本棚に必死に手を伸ばす小柄なウマ娘の姿があった。
どうやらその子は本をとろうとしているが、背が低いこともあってなかなか届かない様子でもあった。
その姿を見て、静かに彼女の方へと近づき……
「こちらの本ですか?」
「あ……は、はい、その本です」
「この位置は高いですからね。おや、この本は○○の原作ですね」
「え、あの……知って、いるのですか?」
「ええ、私はマンガから入りましたが、とても気に入ってこちらの原作も読みましたね。はい、どうぞ」
「あ……ありがとうございます」
手に取った本をウマ娘に渡すとその本を抱きしめながらお礼を言われる。
あまり見たことのない子だったが、まだデビュー前の子だろうか?
「あ、あの……もしかして、その続編のこちらも、読んでいますか?」
「おや、こちらは先程の作者が書いている物の別シリーズですね。ええ、私も読みましたよ。○○のシーンなどは本当に熱くて……」
「!!はい!そのシーンの主人公の気持ちの描写などとっても良くて……」
おずおずと、遠慮がちに話しかけてくる言葉に返事をすると、素敵な笑顔で語り始めました。
手に取った本のこのシーンが心に残ったことや、この時の登場人物の心情、一つ一つの描写について彼女は熱く語ってくれました。
ずっと語り続ける彼女の顔はとても輝いていて、思わず彼女の話に耳を傾けていました。
31ロブトレヒロイン概念21/10/18(月) 07:39:05
「それで、この英雄はですね……あ、す、すみません。熱が入って……」
「いえ、気にしなくてもいいですよ。好きなことで語るのは楽しいですからね。よろしければ、お名前をうかがっても?」
「あ、は、はい!……私はゼンノロブロイと言います。その、ここで図書委員をしています」
「ゼンノロブロイ、英雄と同じ名前なのですね」
ロブ・ロイ、その名前は聞いたことがある。確かスコットランドの英雄で、貴族と戦う庶民の英雄、ともいえるものだったはずだ。
そう思っていると、私の言葉に再び瞳が輝きだす。
「はい!私と同じ名前の英雄で、私もその英雄のようになりたいです。それで私もトレセン学園に入って───私もいつか、レースで物語の主役に……」
その時の彼女の瞳には、今まで見たこともないほどの強い熱が感じられました。
その瞳の先を見てみたい、そう思えるほどに……。
「あ、す、すみません……初対面の方にこんな話してしまって……」
「フフ、そんな気にしなくていいのですよ」
「……やっぱり不思議です。初対面の方とはあまり話せないのに、あなたとはとても話しやすいです。……やっぱり、同じ物語が好きだったからでしょうか……」
「そうかもしれませんね。実は私もあまり好きな物語について語る機会がなかったので、こうやって話せて楽しかったですよ」
それは事実である。私はあまり周りに自分自身の趣味について話したことがない。
自分はトレーナー。ウマ娘を支えるもの。トレーナーとして必要ないものは自分の奥底にしまってきた。その覚悟を持って望んできた。話すときも相手の話題に合わせて、相手の望む通りの私として、接し続けてきた。
だからだろう、好きなことについて話したことはなかった。自分の本当の想いはずっと奥底に……。
「よければ、また一緒にお話しませんか?ロブロイ」
「!!はい、ぜひ!今度はトレーニングの参考になれるような物語についてもお話ししますね」
そうしてこの日はお互いに再開の約束をして別れた。
ゼンノロブロイ、物語が好きで、物語の主役のようになりたい、英雄を目指すウマ娘。
その小さな姿に秘められた強い想い、その熱が今も忘れられないでいる。
「強い想いを持っている彼女は、どんな風に走るのでしょう」
彼女の走る姿を見てみたい。自然とそう思い、私は彼女の参加する摸擬レースやデータを調べ始めるのであった。
≫38二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 07:54:29
十字架
「ごめんなさいね、こんな時間まで居座っちゃって」
「いいえ、気にしなくていいんですよキタトレさん」
そういいあって私———キタトレとネイトレはちびちびと酒を呷る。
ここはネイトレの部屋で、今私たちがしているのは二次会のようなものだった。
5,6人くらいで集まって飲んでいたが、夜も更け、潰れた者も出たのでお開きとなった。
静かな時間が流れる中、ふとネイトレが聞いてくる。
「・・今日校門から出ていった人って」
「・・貴方の予想通りよ。辞職したトレーナーだわ」
「最近レース中に派手な大事故がありましたよね。それがらみですよね」
「そう、大怪我を負って歩けなくなった子がでたそれよ。彼は彼女のトレーナーだったわ。」
「耐えられなかったんですね・・」
「そうね、ここは生徒だけじゃなくてトレーナーも出ていくものは少なくないわ。結果がでない、或いはこうやって自責の念に堪えられなくなる・・・・厳しい世界よ、本当に。」
「一つ聞いてもいいですか?」
「何かしら、別に構わないわよ?」
「・・もし担当する子の足が折れたら貴方はどうしますか。ネイチャと三年間駆け抜けてこれたけど、折れていたらと考えると怖くて・・」
「・・・・そうね、仕方がなかったって言うと思うわ」
「・・・」
「この世界に絶対は存在しないわ。どれだけ努力しても限りなくゼロに近づけられても0%にはできないのよ。」
「私には割り切れるとは思えないです。ネイチャのって考えると」
「いいのよそれで、悪い事ではないのだから。私もキタの足が折れることは考えたくはないしね。」
「・・・・それでも、割り切れるんですか?」
「そうよ、それはそれ、これはこれだもの。私はこれからもトレーナーであるつもりだからいつかは向き合わなきゃいけないことよ。」
「・・・・ダイヤちゃんの足が折れなくて良かったわ、本当に。もしそうなればサトトレは良くて廃人、悪ければ自殺案件だったから。私が見てきた彼の性格的に。」
「貴方は薄情な人ではなく、むしろ耐えている人なんですね。十字架に」
「私はそういう人間よ、例え何があっても変える気はないわ。いくら背負ってでもね」
「・・・・しんみりさせたわね、切り替えましょうかしら」
グラスに酒を注ぐと、二人で持ち上げて
「「乾杯」」
————夜はまだ、明けそうにはなかった
≫39二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 07:55:20
おまけ滝行ギャグネタ
やあ皆、俺はモブトレーナーのAだ!隣にいるのは同じくモブトレのBだぜ!
今日は滝行スポットに来てるんだ。理由は勿論覗きに来たからさ!
確かウマ娘になった女子トレーナーが今丁度滝行するっていう情報がリークされてな、
俺たちはそれ目当てにきたのさ!
「A、予定通りだな」
「そうだB、隠蔽も完璧、念のため双眼鏡での観察だ。ばれることはない」
予め下見しておき、遠くから観察できるスポットを見つけていたのでそこへ。
「よし、誰もいないな。さあ見させてもらおう。」
「リーク通りなら後少ししたら来るはずだ。ついに拝めるぞ・・!」
そういって二人で双眼鏡を覗いていると、ふと誰かが体を触る感触がした。
「おいBふざけてないd・・・・」
双眼鏡から顔を上げ、横を見ると・・
「や ら な い か」
———屈強ないい顔の男が触れてくる姿だった。
「「ぎゃあああぁぁぁ!!!」」
「ねえ、ファイトレ。なんか悲鳴が聞こえた気がするんだけど・・」
「ああ、間抜けが引っ掛かっただけだから気にしなくていいよネイトレ。」
「それよりも滝行よ、さっさと行きましょう!」
≫124二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 09:35:31
「ルドルフ、最近悩みとかなくなったりした?」
「……マルゼンスキー、やはりわかっていたか」
「……当たり前だろう。仕事の効率が露骨に落ちているのを見て、不調か悩みのどちらかを疑わないわけがない」
「ブライアンまで……」
「まーでも、カイチョーらしいといえばらしいよねー……」
「……テイオー……」
「……ところでさー、その、今トレーナー達がどうなってるか、考えたりしません?」
「……私は先に水風呂に行くぞ」
「ああ、構わないぞブライアン」
「……その、正直トレーナーちゃんがサウナで汗を流してるのを想像したら、その……」
「……わかっちゃう……やはりアタシも、見たら耐えにくいんだろうな~、って……」
「……えへへ~……」
「テイオー!……私はテイオーを連れて水風呂に行く、来たいものは着いてくるといい」
────
「ようやくウララさんのお世話も終わって三冠組待機サウナに……って!中に誰もいないじゃない!」
≫139二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 09:44:59
「あーもう俺ダメ……水風呂……」
「テイトレがやられたようだな……」
「奴は四天王の中でも最メス……」
「なんの関係もないですわね……」
「……俺もう出るわ……」
「フクトレがやられたようですわね……」
「よくやったよ……」
「マクトレ……俺はまだまだいけるぞぉ……!」
「ふふふ……俺が挫けることは……絶対に無い……っ!」
「素が出てるぞ……」
≫166二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 10:11:38
責任 グルトレ
───選んで。
誰かの声がする。誰?広い草原、ただただ広がるそれは最果ての地なのだろうか。私はどうしてそんなところに。これは夢?
───元のあなたに戻らせてあげる。
戻る?知らない誰かがそう言う。『俺』にということ。
───また聞きにくるから答えを出して。
「待って、どうし───」
目が覚める。どういう夢だろう、脂汗が頬を伝う。学園へ行かないと、私はいつも通り準備を始めた。学園へと急いだ。
「あの頃と比べて、丁寧にできるようになったな」
「グルーヴが丁寧に教えてくれるし、何度もやってるから覚えたよ」
花壇に種を蒔く作業、彼女と行う花壇の整備。私のだいすきのひとつ。蒔いた種に少し土を優しく被せていると、ずきりと頭に激痛が走る。意識が朦朧とする。バランスを崩した。おい、しっかりしろ!という彼女の心配そうな顔と声を最後に私は意識を手放した。
───気にする必要なんて、ないんだ。
『俺』がそう言う。『私』が後追いなのに。
───俺は消える。君はそのままグルーヴと歩んでほしい。女帝の杖として、今まで通り彼女を支えるんだ。
『俺』はそれでいいの?
───もう戻れないからな、君にこの後を全部任せるよ。君も俺なのだから、大丈夫。でもお盆にはしっかり父さんと母さんの墓参りには行ってくれよ?
『俺』は無責任だ。
───そうかもしれないな。でも目を覚ますんだ、グルーヴが心配してる。
わかった…『私』は責任を取るよ、グルーヴのことも。『俺』のことも。
───その言葉が聞けただけで、満足だ。ありがとう、じゃあな。
ありがとうを言わないといけないのは『私』だ。
167二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 10:12:02
「ありがとう…」
白い天井が視界に広がる。手があたたかいなぁと見るとグルーヴが私の手を繋いた。彼女は今にも泣きそうな顔をしてこちらを見ている。
「このっ……たわけが、心配させ……」
「うん、ごめんね……グルーヴ」
彼女の頭を撫でながら、見渡すと病院の個室のようだ。私と彼女以外は居なかった。花瓶には花が添えられていた。彼女の用意したものだろう。身体が重い、数時間どころではない程度には眠っていたようだ。
「3日も、眠っていた」
私がいくら眠っていたか、落ち着つきを取り戻した彼女に聞いた。
「そんなに……心配させちゃったね、みんなに謝らないと」
彼女に、生徒会のみんな、スズトレやフクトレ、あの2人も、色んなヒトたち心配させたかな。
「先生を呼んでくる。大人しくしていろ」
「お願い」
彼女が先生を呼び、身体には異常がなかったようで翌日の退院が決まった。担当ウマ娘が大事なのはわかりますが、無理のないように過ごすことと釘を刺された。彼女も門限があり、寮へと帰っていた。
「私の人生をすべて彼女のために、私は彼女と添い遂げる」
胸に手をあてる。いつもと少しだけ違うぬくもりがそこにあった。
───答えは決まった?
またあの場所、最果ての地の草原だ。もう決まっている。
───そう、なら教えて。
私は今のままでいい。私として、事の責任を取る。
───わかった。そのままのあなたでいて。
168二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 10:12:27
目を覚ます。手続き等を済ませ退院。各面々へと感謝と謝罪を済ませた。退院直後もあってか、周りに気を遣われた私はトレーナー室でゆっくりと過ごしていた。
「本当に、大丈夫なんだろうな」
「うん、大丈夫」
私を心配そうに見る彼女がとても愛おしい。彼女の左手を取り、薬指に触れる。よく絡める指、意識するとずっと細い。この細さならあのサイズだろう。
「指絡めよ?」
「ああ……」
嬉しそうに頷く彼女と手を指をゆっくり絡める。いつもよりじっくりと、互いの生を感じながらの行為。この薬指にぴったりのものを用意しよう。ほんのり頬を赤くさせた彼女を見ながら、私はそう思った。
「……しないのか?」
「しよ、キスも」
少しだけ積極的な彼女の唇に唇を重ねる。もう寂しい想いなんてさせない。ずっと一緒にいるから、と絡める。少しだけ甘くないキスが愛おしい。
「グルーヴ、だいすきだよ」
私ははにかんだ。ひとつだけ、誓いを立てながら。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part258【TSトレ】
≫43二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 11:05:14
「今夜のつまみはアジの干物、鮭とば、30cmイカリング、ホヤの刺身、カメノテの塩茹でですわ」
「後半、後半が怖い」
「どこで買ってきたの?」
「そこの商店街ですわ」
「そんなもん売ってるのか……」
≫44二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 11:07:22
「「ありがとございましたー」」
「……今のお客さん見た?」
「もふもふツインテと超美人のウマ娘ペア?」
「それそれ!あの二人どういう関係だと思う?わたしは美人さんが顎クイして『いけない子ね……』ってしちゃうようなそんな爛れた関係だと思う!」
「……でも、お菓子追加の交渉に失敗してウルウルになってたぞ。美人の方」
「何それ見てない」
「ありゃ尻に敷いてんのはツインテの方だな……」
「マジかぁ……アリだなそれも」
「雑食だな……」
≫48二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 11:18:39
「「ありがとございましたー」」
「……今のお客さん見た?」
「180越えと深窓の令嬢感ある子のウマ娘ペア?」
「それそれ!あの二人どういう関係だと思う?わたしはボディガードと護衛対象、結ばれてはいけないのにお互いを想い合う禁断の関係だと思う!」
「……それは分かるけど、スーパー出るなり腕組んで帰ってったぞ」
「何それ見てない」
「お嬢様からのプッシュに一応は応えてるっぽいけど……」
「努力が実るといいね……実らないのも可」
「悪食だな……」
≫57二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 11:25:40
「なあ、さっきの黒鹿毛って……」
「ああ、ありゃ無敵のブライアンだろ?」
「近くにいるあの小さめの芦毛は誰だ?」
「ああ、トレーナーらしいぜ。さっき話した」
「マジかよ、サインくらいもらっとけよ!」
「バカ、お客さんを待たせるわけにゃ行かねえだろうがよ」
「どんな話してたんだ?」
「いやな?野菜が苦手な子におすすめの野菜ってなんだろなって話でちょっとの間盛り上がった」
「野菜が苦手?まさかあのブライアンが?」
「ははは、そんなわけないだろう」
「だよなー?」
≫63ガンギマリ頭スズトレ21/10/18(月) 11:32:41
「「ありがとうございましたー」」
「…今のお客さん見た?」
「スーツと制服のウマ娘の2人でしょ?」
「それそれ!あの二人どういう関係だと思う?私は絶対姉妹だと思う!もう成人して働いてる姉とまだ高校生の妹が二人で同居してる…いい…」
「え、でも小さい娘の方が大きい娘の事"トレーナーさん"って呼んでたわよ?」
「なにそれ聞いてない。」
「姉妹で組んでるとかなのかな…」
「それもいいけどたまたま出会って運命を感じ…みたいなのもアリだと思う!!!なんなら死んだ姉妹にそっくりだったとかでも可!!!!」
「うわぁ悪食…」
≫65二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 11:34:42
フクトレ『今日は俺のイチオシ、景彡牢をやってもらう〜!』
マルトレ「ねえ表紙が露骨にホラーなんだけど?」
スズトレ「耳栓持ってきてないんだけれど?」
フラトレ「僕も怖いのは少し……」
フクトレ『安心しろプレイすればわかる』
フラトレ「どちらかというとパズルゲームみたいですね。見た目はアレですけどこれならできそうです」
マルトレ「さすがフラトレこういうのは上手そうなイメージある」
スズトレ「正確無比なタイムスケジュール構築……さすがね」
フクトレ『上手いな』
マルトレ「なんか次の犠牲者フクトレと声似てない?」
スズトレ「たしかに……でもちょっと声高いかしら」
フクトレ「おい?」
フラトレ「まあやっていこう。僕もだいぶゲームに慣れたよ」
マルトレ「あぁ! フクトレが三角木馬に!」
スズトレ「あぁ! フクトレが水車に!」
フクトレ「おい?」
フラトレ「少しリズムが悪いですが、締めですね」
マルスズ「あぁっーー! フクトレが裸に!!」
フクトレ「やめんか!!」
後日
フラッシュ「もう少しリズムを良くできたと思いますが何故?」
フラトレ「そういう風に、君なら気になるかなと思って」
≫67ロブトレヒロイン概念21/10/18(月) 11:37:06
「「ありがとうございましたー」」
「なあ、今の二人、姉妹だったのかな」
「あの胸であの身長の姉妹って破壊力高すぎないか?」
「ほら、今二人で手をつなぎ合って帰っているぞ、絶対に姉妹だって!」
「眼鏡の子すごく大人しそうだけど、ロングの子はすごく落ち着いた雰囲気だったな」
「ということは、ロングの子が姉なのかな」
「ちょっと今度、見かけたら誘ってみようかな」
「おー、お前ら、一応あの二人は姉妹じゃねえぞー。トレーナーとその担当だな」
「え、まじで?というか先輩、よく知っているな」
「もう少しTVを見ろ、と言いたいけど、まあ、あの子は善戦はするけどあまり目立たないからな」
「ああー、そうだったんですね」
「でも、俺は応援しているんだ、絶対に勝つんだ、って……」
「ふーん、なら俺も今度、見てみるかな、次にその二人が出るのっていつなんですか?」
「次は、天皇賞秋だな」
「ならその時見てみるかなー」
≫89二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 12:16:26
ファイトレだと
「「ありがとうございました!」」
「…今のお客さんって」
「見ただけで分かるわ、令嬢さんとボディガードでしょう」
「あの凛々しい顔つきと身体、凄いわね。」
「令嬢の方も綺麗よね…そしてあの目、あれは恋してる目よ。それに抱きつかれた時のあの反応、澄ましていたけど間違いないわ。ああ脳がバグりそう!」
「貴方随分早口ね…でも分かるわ、脳が焼けそうよ」
「…は!まさか令嬢さんを庇って怪我したことがあるとか百合ぴょいしてるとか!」
「まさかね…」
「後実は傭兵で殺した知り合いの娘とそっくりとか」
「貴方悪食が過ぎてないかしら?」
≫178二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 13:13:00
「……ルドルフ」
いつになく真剣な表情で、トレーナー君が話しかけてくる。
「どうした?」
「ふと思ったんだけどさ、ウマ娘の力でうどん作ったら、すっごいコシがでると思うんだよね」
沈黙。というか、流石の私でさえ思考が停止した。
「……ずいぶん奇想天外なことを話すな」
「でも、プロレス技かけてたら滅茶苦茶コシが出たうどんの話を前に聞いてさ、ウマ娘でやったら更に凄いことになるんじゃないかなって思ってエルトレさんに協力を頼んだんだけど」
「……うん」
「普通に断られた……」
「……君は逆になぜ断られないと思った?」
「美味しいうどんをみんなで食べるってよくない?」
絶句、或いは放心。……こんな思考回路になったのはルナ悪くないもん。何故か台風の日にコロッケ食べてるらしいことがあったり、時々食に関しては凄いエネルギー出してくるのがトレーナー君だってわかっていても、流石に困惑するしかないもん。
「ってことで、他に手伝ってくれそうな子、知らない?」
「……君が現在の友人関係を維持したいと願うのならば、その頼みをしに行くことは止めておくべきだと思う」
「……えっ?」
────後日、ルドトレは結局一人でうどんを作った。因みに味は10点中100点だったとかなんとか。
188二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 13:19:51
「だってぇ……プロレス技を使ったうどんなんて絶対オグトレちゃん困惑するじゃん……」
「……そもそも、プロレス技の代替としてウマ娘の力を用いようとしているのに、プロレス技に拘る意味はないだろう……」
「確かに!」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part259【TSトレ】
≫101二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 13:59:30
前回までのあらすじ・多分、婚約。
温泉旅行は正月明けの一泊二日。TV電話での報告が終わって、インタビュー配信に関するお叱り以降の数ヵ月は割と平和だった。
そりゃあトレーナーさんと入れ替わった!とかトレセン中の噂になった!なんてとんでもないこともあったけど、そんなイベントももはや恒例行事。トレーナーさんとはいつものようにただ笑って、そばにいて、レースに出てはまだまだ伸びる足を披露した。どうしても特別な奴、っていうのをあげるとするなら……一個だけ。
クリスマスイブ、うちの実家にトレーナーさんがやってきた。
結論から言うよ?秒で決着した。
玄関先でトレーナーさんがこんばんはと挨拶した瞬間、うちの両親が揃って「「これからも末永く娘をよろしくお願いします!」」と頭を下げおった。横にいたあたしにも聞こえたよ、トレーナーさんが事前に練ってきた計画がガラガラと崩れてく音。
……うん。ごめん。もしかしたら電話したときのあたしの態度でバレバレだったかもしれない。でもあたしも死ぬほど恥ずかしかったし、これが一番手っ取り早いと思う。
そこからトレーナーさんはあたしとお揃いのどてらを着させられて、一緒に家族と鍋をつついて、娘が増えたと小躍りするおふくろらに振り回されて……。本当にごめん、うちの親はこんな感じです。
「孫ができるとしたら養子かしらねぇ」とか言い始めたときはさすがにどついたけど。
……だからもし、トレーナーさんと一緒になる上で障害となる人がいるならおそらくただ一人。その人が目の前にいる。
「……あらためて、招待ありがとう」
雪がちらつく某県某町。これから泊まる山あいの旅館の前で、あたしはトレーナーさんに礼を言う親父さんと対峙している。
────────────────────────────────
耳を除けばトレーナーさんと同じくらいの背丈。前見たときは小太りだと思ったけど、こうして親父さんが立ってるのを見ると白髪交じりの髪もあいまって恰幅のいい初老の紳士ってオーラがすごい。
横にはトレーナーさんとおふくろさん。トレーナーさんは心配そうに、おふくろさんは相変わらずのんびりと見守って……なんか小さく「いけー」とか「やれー」とか囃し立ててません?ねえ。
「早速いいかな?」
「あ、はい……お願いします!」
102二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 14:00:15
ともあれここが正念場。あたしはここで殴られて、それでもって親父さんに認められるんだ。痛いのがなんだ。ずんずんと近づいてくる親父さんがなんだ!振り上げられた拳がなんだ!!
……やっぱり怖い。いますぐにでも来る衝撃に思わず目をつぶる。
コツン
……おでこになにかが当たった。多分、人差し指と中指の第二間接。疑問を感じる前におでこへの圧は消えて、握り拳をほどいた手をおでこに当てられた。
「お、おお??」
「……小さい」
「……はい?」
「……会ってみると本当に……以前のうちの娘よりまだ小さい。今のアレと比べると……それはいいか」
そうぼやく親父さんは相変わらずの仏頂面だけど、その手は優しくてじんわり温かかった。
「あーデコピンよりまぁだ弱かったかー」
「ねぇお父さん!『今のアレ』ってどういう意味!」
「……母さんも煽るな、宣言通りしっかり殴ったろ。そしてお前は誰がどう見てもデカくなった。鏡見てないのか?」
「ひどぉい!他に言い方ないの!?」
「立派な乳になったねぇ……」
「お母さんは黙ってて!」
「……立派な「お父さんが言うのは許さないよ」」
「……立派なウマ娘になったな」
「日和ったわぁこの人」
「ウマ娘的には立派でもなんでもないもん……」
「その耳と尻尾があるなら立派なウマ娘でしょ?」
「雑だよお母さん」
「……違うのか?」
「だから雑ぅ……」
親子の会話が繰り広げられる中、あたしはただ親父さんにおでこや頭をポンポンと撫でられ続けていた。
……親愛なるうちの両親へ。トレーナーさんとこのおうちも、なんかこんな感じだった。前も思ったけど、仲良くできそう。
103二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 14:00:43
チェックインを済ませてそれぞれの部屋に向かう。旅館の部屋割りは親父さんとおふくろさんで一部屋、あたしとトレーナーさんで隣の一部屋の計二部屋。夕食は親父さんらの部屋で食べることになっている。考えうる限りベストな分け方、だとは思うけど。部屋に向かう道中、トレーナーさんに尋ねてみる。
「トレーナーさん、いっそ全員同じ部屋でもよかったんじゃないの?」
「それは無理。まず、旅券の予約の時点で二部屋だったし……それにお父さんのいびきがすごい。だから分けてもらった方がいい」
「オーケーなるほどね。……じゃあおふくろさんもいっそこっちで一緒に寝る?」
「それでもお父さんと一緒がいいんだって」
わーおラブラブ。長年連れ添ってる夫婦ってのはそんなもんかね。……いやそんなもんだな。自分の両親を思い浮かべて一人納得する。
────────────────────────────────
部屋について荷物整理を終わらせるや否や、おふくろさんから夕食までの間露天風呂に入らないかと誘われた。
……あたしがトレーナーさんの裸にドギマギしたか?なんて話は極めて低俗で些細なものなので割愛させてほしい。
そうだよ。トレーナーさんの胸の形がどうとか、
今まで見てこなかったトレーナーさんのお尻の全体像がどうとか、
腰から太ももにかけてのラインとか薄くて小さなおへその形とか、
温泉に入るときの長く艶っぽい息を吐くさまとかその後のだらしなく恍惚とした表情とか、
温泉から出るときに髪同様に真っ白でツヤツヤな肌の上をお湯が弾かれながらするすると滑り落ちていくさまとか、
そんなことは些細な話なんだ。だから話さない。
ただ、謎の情報量に押し流されてトレーナーさんやおふくろさんと何の話をしていたかをいまいち思い出せないのだけは少し後悔してる。
あとおふくろさん、娘を褒めるときにあまりスケベだスケベだと連呼しないであげてほしい。100%同意するけど。
104二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 14:01:07
風呂上りに浴衣へと着替えてから親父さんたちの部屋に入ると、そこにはご飯の用意がされていた。そこからの夕食どきはおふくろさんたちにお酒を注いだり、隣で二人のなれそめを聞いたり……やっぱりトレーナーさんの暴露話を聞いたりした。
ちなみに夕食は土地柄なのか、「色んな小皿はあるけどとにかくこの舟盛り刺身を喰らえ!!」って感じのメニュー。うーんここに焼き魚の一つでもあったらなぁ。ちょっといいとこ見せれたのに。そんなことを考えながら、今までになく美味しい料理を平らげていると親父さんから声がかけられた。
「……耳がよく動くんだね」
「へ?なんか変な動きしてました?」
「いや、ここらだとあまり見ないから。……感情が出やすいの?」
「まぁ、隠し事はあまりできないかもですねー」
「あ、それならさぁ……ちょっとアンタ。その耳触っていい~?」
「ん-?いいよー」
おふくろさんからの提案に、暴露話の連発で軽く悟りを開き始めたトレーナーさんが気安く許可する。
「やった~。だってあんまりウマ娘の耳や尻尾って触れる機会ないじゃない?触れるもんなら触りたいんじゃない~」
「尻尾も触るの?まぁいいけど、あんまり強く引っ張ったりしないでね。あとネイチャのには触っちゃダメ」
「……ダメか」
「お父さんホント許さないからね。私のはまだいいけど」
「……そうか」
そうして両親からされるがままに耳や尻尾を触られてるトレーナーさん。ちょっとむず痒そうだけど、なんだか嬉しそう。
「……トレーナーさんって、他のトレーナーと違って耳触られてもビクッてなんないよね」
「うん。みんながみんなそうじゃないだろうけど、私は特にそういうのはないかな」
「神経過敏なんかねぇーその子ら……ウマ娘にもいろいろあるんね」
「そうみたい。……まぁ、だから自分ってなんなんだろうって思うけど」
「……立派なウマ娘じゃないってやつか?」
「うん。ウマ娘なのに全然速く走れないし、ずっと『借り物』のまま今日も過ごしてる感じ……そもそもなんでウマ娘になったかも分かってないんだけどね」
白い髪を弄りながらトレーナーさんが少し寂しそうに笑う。……やっぱりまだ引き摺ってるんだ。
105二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 14:01:36
「べつにええやんね?ひっくり返して長所やと思えば」
「……長所?」
「耳でびくびくせんでラッキー!とか、走れない分ほかの事ができるー!とか。ねぇお父さん?」
「……そうだな。お前は大雑把で、自分磨きに無頓着なところがあった」
「私、いきなりけなされてびっくりしてるんだけど」
「それでも。……人のものを、人の考えを大事にしようとする……義理堅さみたいなものが昔からあった」
「……なんか任侠めいてません?律儀とかそういうのじゃ」
「……いいねネイチャちゃん、それにしよう。お前は律儀だ」
思わずツッコんじゃったあたしの言葉が採用された。意外と柔軟だね親父さん。
「だから、借り物ぐらいがちょうどいいのかもしれん」
「……それでいいのかな」
「父さんはそれでいい。ひと様から借りているお前の為の身体だ……大事にしろ」
「……うん」
「……そ・れ・に〜、ウマ娘になんでなったかわからないってすっごくワクワクしなぁい?」
「他人事だと思ってぇ……」
歯痒そうなトレーナーさんを見てあたしも苦笑いする。……さすがに乳が出たとか掛かりまくったなんていう、ウマ娘化トレーナーあるある話はとてもできない。
「でもどうしてだろって考えるの楽しくない?神様や悪魔のいたずら?アンタの言う肉体交換?うちの4代前にいたっていうウマ娘の先祖返り?なんっにもわかんない!」
「……分からないのに楽しいんですか?」
「ネイちゃん。それが『センス・オブ・ワンダー』って奴なのよ〜」
瞳をキラキラさせながら夢想するおふくろさん。姿形は全然違うのに、なぜか同室のマーベラスを思い出しちゃう。トレーナーさんと目を合わせて、無言で肩をすくめ合った。
106二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 14:02:09
「……やっぱ似ていくもんなんだな。二人は」
「ねぇ〜。本当にねぇ〜.」
「?ねぇ、やっぱりってどう言うこと?」
「……一緒にいる二人ってのはねぇ、お互いの良いところを認め合って、それを自分に取り込んじゃうもんなの」
「ダメなところもな。……許し合って馴れ合って、それも自分のものになる。だから自然と似てくる」
「そうなんですか……」
……思い当たる節はたくさんあった。トレーナーさんの中にあったダメなところ、あたしの中にあった声、動きも揃って、声も揃って、ちょっとずつ似たもの同士になっていく感じ。
「それが一緒にいるって形のひとつなんよ。……ね。もう十分じゃない?」
「……そうやね」
おふくろさんの声に応えるように親父さんがあたしに正面から向き直る。あたしもいきおい正座になって親父さんと向かう。
「ネイチャちゃん」
「……はい」
「……うちの子は不器用で、呆れるような面をまだまだ隠してるかもしれない」
「はい。そうだと思います。でも、トレーナーさんがいいです」
口を挟もうとしたトレーナーさんがおふくろさんに尻尾を掴まれて悶絶している。
「……ありがとう。そんなのでよければ娘を、末永くよろしくお願いします」
「……はい!!い、えっと……貰い受けます!!」
いただきます!も頂戴します!もなんか違う意味になっちゃいそうで、どもっちゃったけど。親父さんやおふくろさん、そしてトレーナーさんが下げている頭よりずっと深く頭を下げた。
107二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 14:02:32
「……まさか孫より先に娘が増えるとはな」
「今更増やすのは大変だもんねぇ」
なかなかエグい会話をぶっ込んでおられるおふくろさんに、今あたしは抱きしめられている。……おふくろさんっていうよりお義母さんって言った方がいいのかな、もう。
「ともあれ義理でもなんでも娘になったんやから!なぁんでも相談していいからね〜!」
「え?……じゃあ、一ついいですか?前から気になってたんですけど」
「早速〜?な〜にネイちゃん」
「……おふくろさんってエスペラント人なんですか?」
途端、あたし以外の全員の動きが止まった。え、やっぱ聞いちゃいけなかった!?
「……ネイちゃん。そんな国、どこ探したってないんよ?」
「え?…………まさか、もう亡くなってるんですか!?エスペラント!」
「……ぷっ。ふふふふ」
堪えきれずに噴き出すトレーナーさん。つられて大笑いするおふくろさん。……親父さんまで肩を震わせてる!なんで!?
「……何でもできる子だと思ってたけどな」
「う〜ん。意外と抜けてるとこ、天然なとこもあるかもしれんねぇ……今から教えるかぁ!」
「……ネイチャ、ガンバ」
「なにを!?どうやって!!?」
──それからの数十分、あたしは世界の広さをまたほんの少し知ることになった。
(続)
≫130マーチトレ書いた奴21/10/18(月) 14:58:19
友人サポカ概念
『頂まで続く行進曲』マーチトレ
『連続イベント1:山脈の中腹で。』体力+25 根性、賢さ+15 やる気+1 「伏兵○」lv1 SP+30
『連続イベント2:バッグには夢を詰めて。』体力+35 バステ回復 やる気+1 SP+40
『連続イベント3:頂上はきっと綺麗だから。』根性、賢さ+15 やる気+2 「二の矢」lv2 SP+30
『連続イベント4:夜空の下で物語を。」体力+35 根性、賢さ+10 やる気+1 SP+40
『連続イベント5:頂点に立つキミへ。」体力+25 根性、賢さ+20 やる気+1 成功:取得「くじけぬ精神」lv3 SP+50 失敗:取得「巻き直し」lv3 SP+30
絆MAXクリア後『千里の道も一歩から。』スピード、スタミナ、パワー+5 根性、賢さ+10 SP+50
≫163二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 15:47:08
エクソシストネタ DK組withロブトレ
「…だからさ、ロブトレはやっぱり本で装備型がいいと思うんだ。読む節によって攻撃だったり妨害する感じで」
「ふふ…いいですね…サポートが得意で誰かと共闘する時が一番能力を発揮できる…それでいきましょう」
「節の長さで効果が上がってさ、時間はかかるけど決まればLevel3も倒せる!どう!?」
「いえLevel3には勝てませんが時間稼ぎにはなって新しいブーツ型のイノセンスを纏ったテイトレさんが間に合う!これでいきましょう!」
「か…格好いい!ブーツか…いいな…」
「青と白のブーツが覚醒し装備型を超えて…燃える様な真紅の火力特化の結晶型に!」
「ウワーッ!そんな…格好良すぎる…」
「しかしそうなると攻撃を耐える前衛が欲しいところですね…」
「何の話をしてますの」
「お前ロブトレを巻き込んでアホな話するのやめろよ…」
「違う!俺達は同士だ!」
「ふふ…ええそうです、最近エクソシストとアクマが戦うアレを読み返しまして」
「あー…あれか」
「あれなぁ…見たことないわ」
「えっなんで。めっちゃ格好いいぞ!」
「絵の線が細いですし何となく女性向けなイメージがありますから…」
「それは偏見です!少年心をくすぐる設定…悲しく辛いながらも美しく、逞しく生きる魅力的な登場人物!素晴らしい王道ダークファンタジーです!」
「今なら無料で五巻まで読めるから読んで!絶対ハマるから!」
「あー分かった分かった。そこまで言うなら読んでみる」
「ただまぁ俺達もういい大人だからなぁ…あんまり期待すんなよ」
「好みの問題もありますし…何二人ともニヤニヤしてますの」
「いや別に」
「ええ…楽しみですね」
164二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 15:47:30
後日
「かっ…格好いい…!」
「ふふ…とりあえず全員分の黒コートと衣装は準備できましたよ」
「テイトレとロブトレは短パンで…俺とマクトレは普通で…フクトレはなんだ?」
「時計の人のやつ。この装飾が取られるんだな…」
「えっあの人エクソシストになるの!?」
「流石に銀ではないですけどね。フクトレさんはトリッキーなタイプを使いそうだと思いまして」
「となると私は装備型で…二つの剣を使う感じですわね!」
「なら俺が寄生型でバリバリフロントやる感じだな!」
「三人が前に出て俺とロブトレで援護…単体ならLevel2か3が限界だけど全員ならLevel4ともやり合える…って感じだな」
「格好いい…マヤトレ辺りがやられ…るのは可哀想だし重傷を負いながらも非戦闘員を守るために戦ってるところに俺達が見開きで現れる!」
「私達が来るまでよく耐えた、後は任せて休んでいなさい」
「いいですね…全員でイノセンス発動して次に続く…これはアンケート取れますよ…」
「わー懐かしい!昔見てたよそれ!」
「だっ駄目だよトレーナーさん!あっちに行ったら巻き込まれる!」
「ネイチャ…今ならスカート枠が空いてるぞ…」
「…トレーナーさん!行ってきてもいいよ!」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part260【TSトレ】
≫32二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 16:33:21
「ふふ、うふふふ、ふふふふふあははははふははははは!」
「…………なあボノトレ」
「何マヤトレ。いやまあカレトレのことだろうけど。とりあえずゴルシちゃん読んどく?」
「もう連絡はしといたから大丈夫。というかあいつ何があったんだ……?」
「さあ……分からない……。一緒にパフェ食べてたらなんか急に天啓を感じるとか笑いだして……」
「普通に怖いなそれ……」
「芦毛! 芦毛こそ至高にして嗜好! みんな芦毛になれ!」
「なにあれ」
「なんかよくない電波でも受信したんじゃないかなぁ……」
「こっわアルミホイルまいとこ」
「濡れたキャベツ挟むのも忘れちゃだめだよ……いやこのネタはあんまりよくないね……」
「そうだな……。というかまじで大丈夫なのかカレトレ」
「まあそろそろゴルシとゴルトレが来るだろうし……」
「……ところでふと思ったんだけどさ、カレトレ今髪を下ろしてるじゃん?」
「まあ下ろしてるっていうかツインテールを解いてるっていうか……それがどうかしたの?」
「あれ、カレンチャンっていうか小さいゴールドシップに見えないか? 目の色も似てるし……」
「怖いこと言わないでよ……いやでも確かに似てるような……? ……あれこれ本気でやばい奴なんじゃ」
「……ねえ、お兄ちゃん達も芦毛になってみない?」
「「え?」」
「大丈夫! 髪を染めろなんて言わないから! ほらまずはウィッグだけでいいから!? お兄ちゃん達も一回芦毛の良さに目覚めればきっと直ぐに自分から芦毛になるよ!」
「落ち着けカレトレ! 俺らはウマ娘じゃないぞ!」
「というかカワイイを見失ってない!?」
「え、カワイイ……芦毛……? カワイイが芦毛でカワイイカレンチャンも芦毛でカワイイがカワイイで私のカワイイはカレンチャンのカワイイ。つまり芦毛がカワイイ……? カワイイアシゲチャン? いやカワイイのはカレンチャン!アシゲノカレンチャンカワイイ!」
「まずいカレトレがバグった! ちょ、早くゴールドシップとカレンチャンを!」
この後無事ゴルトレ+ゴールドシップのWドロップキックとカワイイカレンチャンで正気に戻りましたとさ
うまぴょいうまぴょい
≫61二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 17:06:05
「ま、マルゼンスキー!」
「あらトレーナーちゃんもイメチェン? それもチョベリグよ〜!」
「いや朝起きたら急にこうなってて……もしかしたらウマ娘化の影響で体にガタが来てて俺死ぬかもしれない……」
「そんな事ないわよトレーナーちゃん! 今トレセン学園の方も大騒ぎなんだから! みんな芦毛になっちゃって」
「みんな芦毛」
「ええ芦毛」
「なんで?」
「さあ……」
「……なんか真面目に考えてるのバカらしくなってきたな……ちょっと着替えるから待っててくれ……」
≫73二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 17:16:06
あなただけに グルトレ
私はブライダル専門店で指輪を見ていた。お金に関しては幼い頃から貯めていたものを崩す。人生を捧げると決めた私には簡単なことだった。
「婚約指輪ですか?」
ショーケースで指輪を見ていると、スタッフの女性に声をかけられた。
「ええ、パートナーに想いを伝えようと思いまして」
「それは素敵ですね、それでしたら───」
スタッフの女性とデザインはどういうものがいいか、サイズの相談をし指輪が決まった。丸みのあるアーム、彼女の誕生石であるダイヤモンド、それを支える王冠のような石座の上品なデザインだ。石留めにブルーダイヤモンドも内側に施した。彼女の眼や勝負服の色だ。後日、出来上がったものを取りに行くことになった。自宅へ帰り、湯船に浸かる。入浴剤が溶けた湯に浮く胸、彼女のつけた多くの印が残っている。
「大丈夫…きっと」
風呂を済ませ、彼女のことを考えながら眠りにつく。
後日。私は、指輪を受け取りに再びブライダル専門店へ足を運ぶ。対応してくれたスタッフの女性から指輪の確認と受け取りを済ませる。学園へ戻る途中で注文しておいた花束も回収し、トレーナー室で彼女を待つ。初めて彼女に好意を伝えた時、彼女と初めての行為を誘った時とは比較にならないぐらい高鳴る鼓動。
───コンコン。
「入るぞ」
彼女が来た。またどきりと胸が高鳴る。重ねていなくても彼女に聞こえてしまっているのではないか。どうにかなりそうだ。
「ぐ、グルーヴ!」
花束を片手に、指輪の入った箱をポケットに彼女へと歩み寄る。彼女の顔が見れない。
「なんだ……花束を抱えて」
眼が泳ぐ、うまく言葉が出ない。言わないと、伝わらないのに。顔に熱が集まる。どうしよう。頑張らないと、決めたんだ。全部の責任を取るって、だからできる。
「グルーヴ、ずっとずっと私といっしょに居てください!」
彼女の顔を見て私はそう言った。勢いのまま彼女に頭をさげ、差し出した21本の赤いバラの花束。彼女ならこれの意味もわかると思って調べて用意したものだ。静寂がつらい。彼女に引かれてしまったとは思っていない。彼女なりに考えてくれているからだと思っている。手の上にあった花束がゆっくりと受け取られる。恐る恐る顔をあげる。
75二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 17:16:21
「グルーヴ…?」
彼女は頬を赤らめ愛おしそうに花束を抱えて大きな粒の涙を流していた。
「貴様のことだ、わざわざ調べたのだろう…全く……」
私は身体を寄せ、ポケットに忍ばせていた箱を開いて差し出す。きらりと指輪のダイヤモンドとアームが輝く。
「うん、調べた。グルーヴ、これも受け取ってくれる?」
穏やかな笑みを浮かべた彼女は何も言わずに、私に左手を差し出した。私は差し出された左手を丁寧に取り、薬指にキスをして指輪をつけた。嬉しさでいっぱいだった。ずっとずっと彼女と居られる。彼女と添い遂げられる。あまりにも嬉しくて熱くて、胸が痛くてくすぐったくて張り裂けそうだ。目頭が熱くなり、ぽろぽろと涙がこぼれる。
「貴様まで泣いては、締まらないだろう…」
「だって……うれしくて、あとね。」
私はポケットからもう1つ取り出す。調節できる少し長めのネックレスの細いチェーンだ。指輪をつけたままではいられない彼女の立場を考慮しての代物。
「普段はこれに通して身に着けてて。長いから制服から見えないと思うの」
「こんなものまで用意して…わかった、そうしよう」
「うん、私とふたりの時は見せて…ね?」
彼女は静かに頷き、花束をテーブルに置いた。私からチェーンを受け取り、首からさげる。指輪が彼女の胸元で輝く。
「問題ないな」
「制服の中に入れてみて?」
彼女は制服の中へ指輪を入れる。チェーンは意識しなければ、わからないだろう。指輪も大振りなものでもないから邪魔にもならないはず。
「胸、痛くない?」
「ああ、ありがとう。トレーナー」
「うん」
彼女を強く抱き締めた。もう離さない、私の大事でだいすきで素敵なあなた。
「ちょっとだけ早いけど、誓いのキスしよ?」
「せっかちなやつだ…しよう」
私はあなたを健康な時も病の時も富める時も貧しい時も良い時も悪い時も愛し合い、敬いなぐさめ助けて変わることなく愛することを誓いますと言葉を重ね、触れるだけのキスをした。
「愛しているよ…グルーヴ」
「…このたわけが……私も愛している」
この時言った彼女のたわけという言葉はいつもよりずっと愛のつまったものに聞こえた。
≫86二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 17:27:53
────清々しい朝。私は、目の前に飛んでくる太陽光を受けて目覚める。
……ん?太陽光?私とトレーナー君は互いに抱き締めあって寝ていたはずだが……
目の前には、光輝く葦毛のトレーナー君が寝ていた────
「わぁ!ネイトレちゃんとかオグトレちゃんとかあとブラトレちゃんとか……スズトレちゃんは少し怪しいけど……とお揃い……かなぁ?」
目覚めたあと、そう鏡を見ながら喜ぶ彼女に、私は静かに状況の把握をする。
「エアグルーヴ、私だ。……そうか、やはり君のところも……ありがとう。それでは学園でまた会おう」
「……あ、エアグルーヴに電話?」
「ああ。やはり彼女のところも"そう"らしい。他にも何人かから聞いてはいるが同じ回答だ」
「おおー!なら、単に髪の毛が銀になっただけ、かな?」
「……そうなる、な」
「なら……」
彼女の首元のチョーカーが揺れる。彼女が笑顔でこう話す。
「今日は、メイド服でスる?」
「……考えておこう。恐らく、明日には戻っているだろうからな……」
────銀髪メイドというのは麗しいものであるが、銀髪タキシードというのもまた良いものだ。
≫111二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 18:04:11
芦毛化概念 グルトレ
眼が覚める。隣りにはグルーヴが眠っている。彼女の薬指には朝日に照らされてきらきらと指輪が輝いていた。それを愛おしく見つめながら、彼女の頭を撫でる。いつも身体を重ね、そのまま眠ると私が先に起きる。彼女の年相応の寝顔が見られるのは私だけの特権だろう。優越感に浸っていると、彼女が目を覚ます。
「おは…どうした、その髪?」
「おはよう、何かあった?」
彼女に言われ、髪を確認すると金色の髪は銀色へと変わっていた。以前の母乳が出たこともあったので、そのうち戻るだろうと思っていると、電子音が響き彼女は慌てて対応する。
「おはようございます。やはり、ええ…」
口調的に会長サンかな、彼女が連絡を終えるまで待つ。しばらくすると、連絡を終えた彼女がこちらに来る。
「会長のトレーナーはじめ、芦毛でないトレーナーたちは貴様みたいになっているようだ」
「それならまた大丈夫だね」
ベッドに座る彼女に抱き着き、押し倒す。彼女が銀色になった私の髪に触れる。
「以前もこうして髪色が変わったことがあったな」
「うん、ヘアカラースプレーでグルーヴとお揃いにしようとしたこと」
「あの時は傷んでいたが、今回は傷んでないようだ」
「よかった…ねぇ、グルーヴ」
「なんだ?」
「時間あるし1回だけ、シよ?」
「この……」
「だめ?銀髪の私に抱かれたくない?」
「そうじゃない…あ~~早くシろっ!このたわけがっ!!」
学園へ行く前に身体を重ね、朝風呂を済ませた。学園でルドトレさんに相談し、夜はコスプレをしながら身体を重ねた。
≫143二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 18:32:42
グラトレ(独占力)芦毛化概念2
「また……芦毛になってますね……」
「えぇ……」
朝起きてみるとトレーナーさんの髪や尻尾が以前芦毛になった時の様に白く染まってしまっていました……
ですが、以前とやる事は一緒です。
「また、黒染めしましょうか?」
「……そうだね〜、グラスは嫌みたいだしね」
「……まぁ、そうですね……」
芦毛が嫌と言うよりは、毛色だけとはいえ誰かにトレーナーさんを染められるのが嫌なだけですが……
「今度はグラスと同じ色に染めてみようか?」
「私と同じ色ですか?」
「そう、栗毛色に」
「…………いえ、遠慮しておきます」
「そう?」
「私の色に染めてしまうのも良いですが、私はトレーナーさんの色が良いのです……私を欲した黒鹿毛の色が」
「……グラスなら染められるのも良いかなと思ったけどね?」
「心を染めれれば私は充分ですよ……さぁ早く染めてしまいましょう」
「……うん、頼んだよ」
そう言いながら芦毛を黒鹿毛に染め直すのでした……
了
≫165二次元好きの匿名さん21/10/18(月) 18:53:02
では ファイトレ芦毛化概念
あくる朝、起きた私は鏡の前で呟いた。
「何故芦毛になっているんだ…?」
原因不明の現象だが既に何度も似たようなことはあったので、慌てることなく朝の支度を行う。
ついでにトレセン学園に連絡を入れた所、案の定他のトレーナーもこうなっていると言われた。
とりあえず害はないと判断しつつ、朝食が丁度出来た頃に、起きてきたファインに声を掛けた。
「おはよう、ファイン」
「おはようございます、トレーナーさん。その髪は…?」
「これかな、大丈夫。あの時みたいなものだよ」
「なら良いのですが…」
少し心配そうにするファインの元に近寄ると、彼女の唇にキスを落とす。舌を絡め、とかしてやるように。「…ん、さて、朝食をとろうか」
「…。はい、トレーナーさん」
彼女の腰に手を回しつつ、机に向かう。
「んぅ〜美味しいです」
「そうか、それなら良かった。…昨日は激しくしたけど大丈夫かな」
「…大丈夫ですよ。最後まで丁寧でしたから」
「そっか、ならいいかな。…片づけはしておくから、ファインは用意してくるといいよ。」
「はい、お願いしますね」
朝食の後片付けをしつつ、今日のプランを組み立てる。ある程度まとまった時、声がした。
「トレーナーさん、用意が出来ましたよ」
「ああ、それなら出ようか。…今日はどうしたい?」「芦毛の騎士さんがエスコートしてくれるのですよね?」
「ははっ、そうですね。…仰せのままに、マイ・プリンセス」