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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part741【TSトレ】
≫8二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 23:36:49
「…何故、ラブホなんだ…」
「気にしちゃ駄目だよファイトレ(女)、それより揉ませろネイトレ〜!」
「うう…」
「デリカシーがないですね…」
「…これ大丈夫なのファイトレ(女)?」
「あの、大丈夫ですか?」
頭を抑えながら呟くファイトレ、彼女を気に掛けるトレや早速おさわりにしにいくトレとカオスが広がる空間。
…何故かラブホで始まった女子会。流石に11人は一部屋に入り切らないので二手に別れたのだが、それがこの光景である。
「はあ…それで、まず離れろベガトレ。ネイトレとリウトレの体をさも当然のように揉んでいるんじゃない。」
「ええー!いいじゃんファイトレ。特にリウトレの体を揉める機会なんて早々ないし…待ってファイトレ、なにそれ!?」
「ああ、アイルランドから届いた瞬間麻痺薬入りの注射器でな。瞬時に対象を動けなく出来て凄く痺れさせる薬なんだ。」
「あ、ちょっとあああああァァァっっっ!!!…し、痺れて一歩も動けない…」
…素晴らしい顔のファイトレにプスリと刺されてベッドの上に撃沈したベガトレを皆で放置プレイしつつ、
「…それで皆は何処のブランドの服つけてるの?」
「アタシは─────のを愛用してるけど…」
「あ、確かにあのブランドは程々な値段と高い品質を両立してるから良いよね。…私はもうちょっと安い所のだけど…」
「ブランド…ですか?余り気にしたことがなくて…」
「まあ、ウオシスはそうだろうな。ああ気にしなくていい、私もブランドは考えてない…というか、愛用出来るほど選ばん。」
「はー…皆ブランドから気にすること多いんだ。あっベッド回さないでファイトレ!」
くるくる回るベッドに興味を持ったり、或いはたわいない話に興じる中でふとウオシスの一言が場を凍らせる。
「…そういえば、私ここにドベトレさんと一度来たことがあるんでした。」
「…は?」
「えっ、ドベトレ…?」
「ウオシス、まさか…」
「ドベトレ…あいつ…」
場が混沌としだした所に溜息一つ。ファイトレ(女)は頭に手を当てると
「まずは落ち着け、説明が足りてないし私が経緯やら話すよ…」
──少女説明中──
9二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 23:37:16
「…とまあ、こういった所だ。信憑性の保証は私がしよう。」
「なんだ、そういうことだったのね。」
「本当、焦っちゃったよ…」
「でもこんな所で泊まったら、勘違いされても仕方ない!」
「あたし達は元女性だけだからいいけど、元が男女で二人きりはどう見てもアウトよ。」
「お騒がせしてすみません…」
…ちょっとだけ顔を赤くしたウオシスを弄り始めたりと仲良しな女子会だった。それはそれとしてファイ女はアルコールを入れた。
短文失礼しました
ラブホネタより女子会。11人は無理なので半分の6人にさせてもらいました。隣の部屋でこちらも仲良くやってるでしょう。
大体胃痛枠になりかけてるファイ女とパルトレ。外国から来たトレーナーはそこまでボケよりではない…のかも?
(後割と雑な締め方且つエミュに自信はないので腹を切ります。)
≫20二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 00:19:05
「うーん……」
ある日のこと、私は近くなってきたブルボンの誕生日プレゼントに悩んでいました。
「新しいトレーニング器具はもちろん、他には何を贈ればいいでしょうか……」
自分にしか贈れないものを。ハンマーを見てイクトレさんにそうアドバイスはしたものの、自分の事は案外思いつかない物で、途方に暮れてしまいました。
すると……
「どうかしました?ブルトレさん」
背後から聞き覚えのある声。振り返るとセイトレさんがいました。
「ああセイトレさん。ちょっと相談なんですが…」
21二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 00:19:38
「──なるほど、誕生日プレゼントですか……でもなんで俺に?」
「セイウンスカイさんの誕生日ってブルボンの次の日でしたので。相談しあえないかな、と思いまして」
「なるほど……ブルトレさんの得意な事ですか……また前みたいにクレーンゲームで景品取ります?」
「気持ちは嬉しいのですが…なるべく自分の手で用意したいですね、ごめんなさい」
「いえいえ。……あとはやっぱり人形でしょうか。」
人形作り。確かに得意ですし今日から作ればバレずに間に合いそうです。
「なるほど人形ですか…それにしましょうか。ありがとうございます。じゃあ次はセイトレさんの──」
────────────
───────
────
22二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 00:20:10
ブルボンの誕生日
「誕生日おめでとうブルボン。プレゼントです」
「感謝します、マスター。これは、トレーニング器具とウサギの人形、でしょうか」
「ええ、ブルボンの勝負服を模して作ってみました。」
ウサギなのは、ブルボンと初めてゲームセンターに行った時に取ったのがウサギの人形だったからです。
「自分では結構上手く作れたと思うのですが……どうでしょうか?」
「はい、マスター。ステータス『高揚』を確認。『とても嬉しい』……のですが、上手く言葉に表せません……」
「喜んでもらえたのなら、とても嬉しいですよ。また作りましょうか?」
「ありがとうございます、では…マスターを模したウサギの人形を作って頂けないでしょうか?」
「私を…?わかりました。」
「はい。期待しています、マスター」
私のでいいんでしょうか……?まぁ、材料はまだありますし、ブルボンが喜んでくれるなら、いくらでも作りましょう。
そうして私は次の人形に思いを馳せつつ、誕生日を祝うのでした。
終わり
≫38二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 08:26:05
「んぅ……うん…?」
「…zzz」
目が覚めたら部屋に連れ込まれた挙げ句抱かれている時の気分を述べよ。…そんなことを考えながらサトトレは頭を回し始める。
(えっと、僕を連れ込んだのは…魔ルドトレ?なんで黒ルドトレじゃなくて僕なんだろう…まあそれは後で考えよう)
まずは抜け出してみる。安定というか、当然のように力が入った腕でホールドしてきてるので簡単に動けない。
しかもしっかり胸に顔を押し付けるようにしてくるのだ。ダイヤやキタトレ相手に乳に埋もれた時の対処は確認したが…
「放す気も起きそうな感じもなさそうだね…」
息は出来るが匂いを思い切り吸い込んでしまう。耐性がなかったらイチコロのいい匂い、しかしサトトレは
「散々ダイヤに吸わされてるから耐性はついたし…感謝すべきなのかなぁ」
魔ルドトレ相手でも特に問題ないあたり、サトトレはそこらへん強かった。(まあ近くに魔性の女が何人もいるからだが)
「んっっ…よっと」
何とか抜け出してベッドから降りると、とてとてと小さな歩幅で魔ルドトレのトレーナー室を歩く。
「特に変哲もないトレーナー室…」
「んん……はむっ」
「ぅひゃっ!」
寝ぼけたルドトレのウマ耳を甘噛みされて跳ねるサトトレ。慌てて口から離してもらおうとすると倒れ込んでくる。
163-95-60-88を支える143cmのウマ娘。いつもの省エネモードから通常に切り替えて力を入れれば何とか支えられた。
「完全に寝ぼけてるなぁ魔ルドトレ…どこかに戻してあげたほうがいいかな?」
「むにゃむにゃ…」
椅子の所に背負いながら連れて行き、座らせるとまたガッチリホールドされる。膝上に抱えられては危なくて動けない。
「…まあ、いいや。」
───後でパカぷちのように抱かれていた所をルドルフが発見し、纏めて抱き締められたりしたのは別の話。
短文失礼しました
パカぷちと化したサトと寝ぼけ魔ルドの話。魔性の女がロリを連れ込むというヤベー構図なんですけどね…
耐性のあるサトトレ、近くに魔性な担当ウマ娘とトレーナーがいるのが原因です。そりゃ嫌でも慣れる。
≫56二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 16:37:41
~スーパークリーク担当トレーナー室~
小「えっ、今日はバケツプリンを食べてもいいんですか!」
眼鏡「ええ、僕も少し頂きましたが美味しいですよ(普通のプリン1個分を食べて満足)」
小「わぁい! おいしい……おいしい……」
眼鏡「僕の分もありますけど、いま全部を食べなくてもいいんですよ……?」
~後日~
『ただ今より体重測定を開始する!』
小「😱」
眼鏡「だから一度に食べきらずゆっくり食べようと言ったじゃないですか……」
≫106二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 22:04:12
●チェンジ……?
「ふああぁぁ…ん?」
朝起きたオベトレは違和感を感じる。体を起こす時にあれほど重かった胸がない。触ってみるとすとんと壁があった。
身長も若干違う。関節痛も無い。
「んぁ…え?」
洗面所まで行って鏡をみると、そこには昨日三女神の前で頭をぶつけた黒カフェの顔があった。
「まさか……」
一方その頃ケツ上。
彼は歓喜していた。讃美歌は絶えず彼の脳を揺らし、何やら怪しげな脳内物質でも分泌されてんじゃ無いかと思われるほどに、それほどまでに喜びに体を震わせていた。
「これが…胸ッッ!!!」
彼もまた、オベトレと体が入れ替わっていたのだ。頭サイゲもどきボディ(ケツがデカいため断言できない)の頃のオベトレの体は、彼の求めていたそれをそんkまま、言葉通り体現させていた。
「願わくばあと3日ぐらい続けてください三女神様……」
その後その願いを受理した三女神がオベトレの胸を一時的に削った。罰としてケツ上のケツは3日ほど+4センチされた。
ごめんケツ上……仕方なかった、って奴だ
≫112二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 04:22:53
セイトレ「──スカイの誕生日プレゼントですか」
ブルトレ「もう決めていたりしましたか?」
セイトレ「いいえ、誕生日プレゼントと思うと何にも」 No,No
特別な贈り物を考える。実はかなり苦手である。
明確にコレ、と答えがあるのであれば多少強引にでも成してしまえば何とかなると思っている。
それ故にハッキリ答えが出ない物はどうも不得手だ。
欲しい物を遠回しにねだる姿は子供らしい可愛らしさを感じて買ってしまうが俺から何か渡すと思うと答えに詰まる。
セイトレ「……どうしましょうか、俺何か作れるって特技はありませんし」
ブルトレ「迷ったらセイウンスカイさんが好きな物から考えてみるのはどうでしょう?」
セイトレ「スカイが好きな物ですか。釣り、昼寝、猫……釣具は長く同じものを使う子だし手入れ用品は付けても……」
ブルトレ「誕生日という雰囲気ではないですね……」
セイトレ「……ブルトレさん、ぬいぐるみ作るのって難しいですか?」
ブルトレ「練習をすれば作れるようになると思います。ただ、今から作れるようになるまで間に合わせるのは難しいですよ」
セイトレ「時間だけはありますよ、夜寝ませんから」
113二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 04:23:04
──取り敢えず何もしないよりは、どうしても厳しいなら市販品を買おうと思い初めたぬいぐるみ作りだがコレが何とも大変で。
ブルトレ「ええと、これは……」
セイトレ「毛玉、です。はい……」
ブルトレ「ま、まあ初めてですから。作り方ももう一度教えてますね」
──最初は勝負服を模した衣装を、なんて意気込んでいたものの。見事に簡略化が進み。
セイトレ「……耳の付け根が糸でぐちゃぐちゃになりまして」
ブルトレ「難しいところですからね。耳をつける部分は見本をよく見返しましょう」
セイトレ「ありがとうございます……」
──気づけば深夜を使えば間に合うと意気込んでた余裕は無くなり。
ブルトレ「可愛い白猫ですね、ほんとに間に合わせ……大丈夫ですか?」
セイトレ「大丈夫……大丈夫なんですけど、勝負服の衣装を付けようとすると毛玉に逆戻りしてて」グヌヌゥ
ブルトレ「でもこんなに頑張って作ったぬいぐるみですから、きっと喜んでくれますよ」
セイトレ「でも何の変哲もないお手製感漂う白猫ですし、これならお店で買ってきた方が……」
ブルトレ「そんな事ないですよ、よく出来てますし贈らない方が勿体ないです」
気づけばただの白猫のぬいぐるみになっていた。
短時間で教えてもらった猫に絞って練習した成果と考えれば良く形になった……と、思う。
ただ贈り物と思うとどうしても見比べてしまう。
悪癖と言われたらそれまでだが解決法を考えると衣装の一つもない白猫だとやはり買ってきた方が良いと言う自分も居る。
しかし折角教えてもらったのだからどうにか形にしたいと思う自分もいる。
114二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 04:23:14
グラトレ「セイトレさんとブルトレさん?どうしたのですか~?」
ブルトレ「グラトレさん、こんにちは」 オトナリドウゾ
セイトレ「あれ、そんなに珍しい組合せじゃないつもりでしたけど……」
グラトレ「広げている本がレースと関係なさそうでしたから、珍しいですよ~」
ブルトレ「折角だし何か意見を聞いてもらったらどうでしょうか」
グラトレ「私のアイデアを、ですか?良いですよ~」
セイトレ「なるほど、それは妙案ですね……。ただ」
ブルトレ「ただ?」
セイトレ「……芸術方面のグラトレさんは」
グラトレ「す、少し位信用してくれても良いんですよ?」
ちょっと不安そうな返事が既に怖い。
とは言え部屋は綺麗に和風に纏めてたし散らかる事はないだろうと信じて説明してみた。
グラトレ「なるほど、誕生日にぬいぐるみを……。でしたら花飾りはどうですか~?」
セイトレ「花飾りですか、今から間に合い合わせるのは難しそうな……」
ブルトレ「そうですね、セイウンスカイさんの花飾りなら菊の花でしょうか。簡単とは言えませんね」
グラトレ「なら造花はどうでしょう?縫い付けて固定したらそれっぽくなりませんか~?」
セイトレ「あっ……そう、ですね?ええと、ちゃんと固定とか出来ます?」
ブルトレ「花びらの部分をちゃんと縫い付ければ留めれますよ」
セイトレ「わかりました、じゃあこの辺りに縫い付けてみたら……何とかなりそうですね、ありがとうございます!」
グラトレ「これで汚名返上でしょうか。褒められると気分が良いですね~」
115二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 04:23:25
時は流れてスカイの誕生日。
スカイ「トレーナーさん、プレゼントちょーだい!」
セイトレ「ちゃんと用意してるから。はいスカイ、誕生日おめでとう」
スカイ「覚えてくれたね~。ありがとうございまーす」
セイトレ「……クリスマスの前科が重たい。あれは俺が悪かったから」イソガシカッタ・・・
スカイ「そんなに気にしてないですって。それで中身は竿用のスプレーと、ぬいぐるみ?」
セイトレ「………」
スカイ「急に黙ってどうしたの、もしかして自作?」
セイトレ「うん……良い先生と、良いアイデア貰えたから」
スカイ「なるほどー、トレーナーさんが。にゃははっ、ありがと」
セイトレ「どういたしまして」
何とか喜んでもらえたみたいでホッとする。
何度もちゃんと見たせいで自分で見ると粗を探してしまいそうになるがそう悪くもない……はずだ、多分。
スカイ「それにしてもトレーナーさん。セイちゃんと髪飾りお揃いにしたかったりします?」
セイトレ「えっ?」
スカイ「ほら、縫いぐるみと私の髪飾り一緒でしょー」
……芦毛の担当だからと白猫の縫いぐるみを渡したけどよく考えたら俺の髪色も白毛。
まあ、ありえる勘違いではある。あるけど……。
セイトレ「俺は、その……ヘアゴム何かもお徳用セットが基本だし。花飾りは派手かなって」
スカイ「ええーっ、勿体ない!一緒に見てあげるから午後から出かけましょう?ほら、今日はお外歩くの気持ちいいよー」
セイトレ「なぁこれサボ……まあ、今日位いいか。支度するからちょっと待ってて」
スカイ「やったー!」
──聡いこの子はわかってやってると思っているのに楽しみにしてしまう自分も甘いと思う。
≫125二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:05:42
「…」
知らない…いや、微妙に知ってる天井。保健室の中にいると気づいたファイトレ(男)ははっきりしない視界であたりを見回す。
寝かされたベッドの上で、大半がカーテンで隠されているのと、少しだけ開けられた隙間からは人影が見える。
「さて君、私が誰か分かる?それと今何本指を立てているかも教えて」
「…タキトレ(養)、二本?」
「正解。意識ははっきりしてそうだね。なら早速だけど、なんでここで寝かされているか分かるかな?」
視界がはっきりしたことで見えてくるタキトレのいかにも微妙な顔。それまでの記憶が整理出来た所で彼は
「…疲れてたから?」
「そうだよ。本来はこの後養護教諭として色々言いたいんだけど、その前に君と話したい人がいるからね。」
奥から聞こえてくる珍しく明らかな靴音。カーテンの中に入ってきたのは表情のない…でも不機嫌なファイトレ(女)の姿だった。
「起きたか、まずは一言言わせてもらおう。…この莫迦者が。」
凄い剣幕で吐き捨てる彼女にたじたじになるファイトレ(男)。その目には恐ろしいまでの冷たさが宿っていた。
「私がメディア案件は大体引き受けると言っただろう?たちの悪いメディアは対応するだけでストレスでしかないし面倒だ。」
「大方、私がいない時に大量に押し寄せたから仕方なくだろうが、私かSPに連絡を入れるだけでいい。」
窓に目を向けると冷たい表情のまま
「…明らかに疲弊していたから眠らせてここに連れ込んだ訳だ。安心しろ、メディアには話をして“丁重に”お帰り頂いたからな。」
「…とまあ、そういうことだ。私から言いたいことはこれで全部だが…今回の件、許してほしいなら条件がある。」
「…?」
「今から入ってくる殿下に許してもらうまで頑張って話すんだな。言っておくが、逃げれるとは思うなよ。」
もう扉の方から聞こえてくる足音はそういうことなのだろうと察したファイ男。そしてファイ女は…彼の頭を軽く撫でた。
───その後必死で弁明したり、タキトレにも小言を言われる羽目になった彼であった。
短文失礼しました
思いつきで一つ、ストレスで疲れて保険室で寝かされるファイトレ(男)です。立場のせいで迂闊な事を言えない大変さ。
悪質な黒いメディア相手には同じく黒い私が対応すべきというファイトレ(女)。本当重たい責務ですよ…
≫129二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 11:58:53
『Nとの邂逅~貴女と私が出逢った時のこと~』
「そういえば、よくもまああれだけちょっかい出されながらベガトレ先輩と付き合いを続けてますよねネイトレ先輩」
「たまーに刺々しいよねリウトレちゃん。んー、まあ色々あるのよ色々と」
「その色々で全部説明を済ませちゃうからこうなるんじゃないんですか?」
とある……その、休憩場所。そこで開かれた……開かれてしまった女子会の中での一幕である。
「以前もそういった話を聞いたが、二人はいつからの付き合いなんだ?」
「いつって言われると……そうですね、本当に最初の頃ですね。私がトレーナーとしてここに赴任して、見事に迷った時の話です」
「あー広いもんねぇトレセン学園。たまに自分も迷うときある」
「そそ、トレセンって見た目以上に広くて入り組んでるからたまに慣れてない生徒が変なところに迷い込むのよねぇ。そういう子を探す手伝いしてたらネイトレちゃん見つけちゃって。いやー半べそ搔いてたからねぇ……」
「そ、それは言わないでくださいよ……」
「泣いてたんですか先輩」
「はい……」
「……強く生きてくれ」
「ありがとうございますファイトレさん……まあ、そんな感じで当時まだ担当どころかトレセンの右も左もわからない私を気にかけてくれていたのがベガトレさんだったんです。当時は確か……まだサブトレーナーの頃でしたよね」
「そうね。まだ担当なんて持てない……という言い訳をしつつ、本能にビビッとくる子を探してたのがその頃の私よ」
「いいんですか、それ?」
「いーのいーのウオシスちゃん、ちゃんとサブトレーナーとしての職務は行ってたし別になんも仕事してなかったわけじゃあないしね、結局担当とウマ娘とで相性ってのはあるんだから」
「その後は一人暮らしのコツとか、安いスーパーとか、お風呂が使えないときの銭湯の場所とか割といろんなことを教えてもらったんです。すごくざっくりとした説明でしたが」
「あー、だから練習の指示飛ばしもふわっとしてるんやねぇ」
「納得してくれりゃ十分練習になるからねぇ。意外とわかりやすいって好評よ?」
「誰からですか?少々怪しさに満ちているんですけど」
「パルトレちゃんもなかなか言うね……ベガとか、サブトレ時代に担当してた子達とか」
「……慣れたんだろうな」
「慣れたんでしょうね……」
「わぁーん皆がいじめるよネイトレェ!」
「わざとらしいです!」
130二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 11:59:06
「ま、それは置いとくとして」
「置いておくのか」
「皆割と気になってるかもしれないど……別にねぇ、私は女の子が好きだからちょっかい出してるわけでもなく、なんか拗らせてるからちょっかい出してるわけでもなく……ただ単に、ネイトレちゃんの反応が楽しいからちょっかいを出してるのだ。だから別の子にはとくに手を出してない、故に潔白!」
「先輩最低ですね」
「人の厚意に甘えまくってるな」
「潔白という言葉の意味をもう一度辞書で調べてきますね」
「いつかひっぱたかれても知らんよー?」
「おーおー非難轟々ねぇ……まあやめるつもりはそこまでないけど」
「まあわかる」
「わからないでくださいタイキトレさん……」
「そういうのもあるんですね……」
「ベガトレ先輩やめてください、ウオシスが余計なこと覚えてしまいます」
「それもそうねパルトレ、ここから先は大人の世界なのよぉ」
「言い方!」
「私だって大人ですよ!……その、大人ですから!」
「うーん可愛いなぁ……」
「ほんまかわえぇなぁ……」
「ピュアに生きてほしい……まあラブホで女子会やってる自分らが言えたことではないのだけれど」
「本当に何でここにしたんだ?設備自体はそこそこに整っている故不便はないのが何とも言えないのだが」
「……天啓かしら?」
「天啓……ですかね……?」
「待って、ネイトレ先輩も発案者なんですか?ちょっと引きますよ?」
「引かないでぇリウトレさぁん……」
そのあといい感じの時間になるまで駄弁り尽くした彼女たちであった。
131二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 11:59:19
『Mよ永遠に/思い出になっちゃった貴女へ』
「あー、ネイトレー。こっちこっち」
「ベガトレ先輩こっちって何ですか……?って、本当に何ですかこれ?」
「んー、とりあえず開けてみなさい」
ベガトレが差し出す小さめの箱の中には、ベガトレ自らが描き上げたとある肖像画……というにはちょっぴり緩めの絵柄のイラスト。
「あ──」
開けた瞬間に、ネイトレの瞳が大きく開かれる。
「……どう?」
「──なんだか、とても……とっても久しぶりな気分になりましたね」
「でしょー?いやネイトレは絶対覚えてるだろうなーとは思ってるけどさ、みんながみんなってわけでもないじゃん?そもそもウマ娘になってから交流が増えたトレーナーもいるだろうし」
だからさ、と言う。
「私もね、しっかり覚えてるんだよってだけ。ほんと思い付きだからクオリティに関する担保はないけど」
「いえ……とても、とても嬉しいです。ありがとうございます、“私”が“私だったころ”を覚えていてくれて」
「ん、そりゃ良かったわ。丹精込めて描いた甲斐もあったもんよね」
「はい……本当に……ぐすっ」
「あー泣かないの泣かないの、メイク崩れちゃうわよ」
人が真に死ぬときは誰からも忘れられた時、という言葉がある。
逆に言えば、だれかが覚えてくれていれば、その人は永遠の存在になるのかもしれない。
『安心しなさい、私がくたばるまでは“貴女”がいたことはしっかり覚えておくわよ』
そんな腹積もりの、ちょっとしたプレゼント。
「まあいつもネイチャちゃんがいるし、元からの知り合いからにゃそうそう忘れられる存在じゃないだろうけどさ」
「そ、その言い方だいぶ含みが……」
「ネイチャちゃんのローテ……」
「やめてくださいあの頃は本当に若かったんです……」
走らせる側もそうだけど走っちゃう側もだいぶキマッてるよねえこれ、と口には出さぬベガトレであった。
うまぴょいうまぴょい。
≫138二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 17:42:30
クリトレ(小)さんに甘やかされるグラトレ(独)
「〜〜〜〜〜♪」
…………ん……これは……?
「〜〜〜〜〜♪」
……子守唄……ですかね……
……それに……頭も撫でられて……?
「〜〜〜〜〜♫」
…………そういえば、母さんもこんな風に寝かせてくれていましたね……
……そういえば、私は何をしていましたかね?
……確か、昼になって……そう、野点でお茶にしようとしていたんです。
それで、少し疲れていたのもあってウトウトと……
それで眠ってしまったんですね。
……それでは、この子守唄は?
「あっ、グラトレさんお目覚めですか?」
まるで俺の疑問に応えるように語りかけて来たのは編み込みをした栗毛のウマ娘。
……胸で顔が見えませんが、この特徴的な編み込みはきっと……
「……クリトレさんですか?」
「はい、クリトレです!」
スーパークリークさんを小さくしたようなウマ娘、クリトレさんがそこには居ました。
そして、どうやら子守唄を唄っていたのもクリトレさんのようですね。
139二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 17:42:56
…………?
そういえば何故クリトレさんの顔が胸で隠れているのでしょうか?
それに……頭に感じる柔らかい感触……
…………膝枕?
「……! ……すみません、膝をお借りしていたようで」
「あっ、待ってください!」
どうやら寝ているうちにクリトレさんに膝枕をされていたようで……
その事に気付いて頭を退けようとしましたが、クリトレさんに制止させられました。
「見た感じですけれど、グラトレさんはお疲れみたいですのでゆっくりしてください!」
「ですが膝を借りるのは〜」
「僕は大丈夫ですし、枕が有ったほうがゆっくり出来ますから!」
……ふむ、ならば奥の手。
「そうですか~、膝枕のお礼も兼ねてお茶とお菓子でも振る舞おうかと思っていたのですが~」
「……お菓子……ですか?」
……釣れましたね。
「ええ、ええ、黒糖羊羹と黒糖カステラを手に入れまして〜、苦味の少ない玉露で頂こうかと〜」
「わあ……」
クリトレさんは甘い物がお好きでしたものね。
そのまま膝枕を忘れるようお茶をしましょうか。
「それじゃあ僕も手伝いますね!」
「助かりますよ~、それではお願いしますね~」
「それでお茶会の後に膝枕しますので、グラトレさんはしっかり休んでくださいね!」
「……そうですか~」
……いけるかなぁ……
ただでさえ既に膝枕で眠らせて貰っているというのに更に膝で眠らせて貰うのは流石に気が引けます。
かと言って、クリトレさんのせっかくの好意を無下にするのは恥ずべき事でしょう。
なのでもし、お茶会の後も覚えているようでしたら甘んじて膝枕をされましょうか。
140二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 17:43:20
「〜〜〜〜〜♪」
お茶会の後、再びクリトレさんの子守唄が流れてきます。
枕としているクリトレさんの太ももも、柔らかくて眠気が誘われます。
微睡みの中で穏やかな唄声と優しい手付きで撫でられる髪の感触は、何とも心地よいです。
……はい。
甘い黒糖羊羹やカステラを食べる際、尻尾をパタパタ振っていたクリトレさん。
穏やかな談笑の時間が過ぎた後に、笑顔で膝をポンポンとされたら断われないですよね。
先の宣告通りに、俺はクリトレさんの膝枕を甘んじて受け入れています。
「…………ふぁ」
とはいえ先程もうっかり寝てしまうくらいには疲れているのも本当です。
クリトレさんからの甘やかしが心地良くて再度眠りに付きそうですね……
「……僕はこうしてるから、ゆっくり眠って休んでください」
その言葉を最後に再び意識は深い所へと入ってしまうのでした。
その後、目を覚ましたら何故かスーパークリークさんも居て、クリトレさんとクリークさんの二人がかりで甘やかされたのでした。
うまぴょいうまぴょい
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part742【TSトレ】
≫72二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 22:59:28
「いやはや、いつもの事ながらすまんのう。こんな広い屋敷ともなればとてもじゃないが手が回らんのじゃ」
「いいえ、私は家政婦ですので。それに私以外にもいますしね、そうでしょうサトトレ?」
「うん、それが僕達の仕事だからね。」
…某所、とある広い和風屋敷に住むのは老いを感じさせないヘリトレと、その家で家政婦として働くキタトレだった。
見習いとしてサトトレを入れた三人がこの屋敷に住む人々であり、また色々な来訪者も多い謎の屋敷でもあった。
「さて、夕飯の買い出しへ行くわよサトトレ…」
「(ハムハム)」
…いつの間にか何かを食べているサトトレ。恐らく持っていたお菓子かなんかだろうが、ヘリトレはそれを見て
「ほっほっほ、よく食べる事はいい事じゃろう。…栗入り羊羹じゃ」
「ありがとうご主人様!」
餌付けのような構図、いつもの風景を見ながらキタトレは買うものをリストアップし主人ことヘリトレに相談する。
「買ってくるのはこちらですが、宜しいですわね?」
「ふむ…完璧じゃな。しかし慣れたものじゃなキタトレ、頼り切ってしまえばそのうち儂が一人では生きて行けなくなりそうじゃ」
「うふふ、その時は生涯契約になりそうですわね。…昔のよしみから始まったとはいえ、今じゃこれが日常ですわ」
始まりはバイトのようなもので、ただ掃除をしてもらっただけから今では見習いまで取って住み込みなのだ。
…さて、そんなキタトレだが特にお手伝いとしてかり出されることもあり、他所で仕事することもしばしば。
「…僕は用意できたよキタトレ」
サトトレを連れて行くこともあるし、逆にこの屋敷にやってくる人々の出迎え役としても忙しい。
そんなキタトレの周りで起きる様々な事件を、今日もまた解決する、それがキタトレという家政婦であった。
短文失礼しました
家政婦ネタということで元ネタの家政婦は見た/ミタどちらもしらないため独自に仕上げてみました。主人役にヘリトレを使わせてもらってます。この屋敷で何か事件が起きると主人と家政婦の二人に詰められるってマ?犯人は逃げられないですね。
勿論別の所に手伝いに行ったりもするので、色々と捻じ曲げているでしょう。サトトレは癒やしロリです(真顔)
≫101二次元好きの匿名さん22/04/27(水) 19:14:37
魔ルド「はいネイトレちゃん、このお菓子も美味しいよ」
独グラ「あらあら、これは美味しくお茶が淹れれましたね~」
養タキ「では新しい茶菓子を出しますね」
フラ「僕も手伝うよ」
ネイ「あの〜……」
フラ「ネイトレさん、どうかされました?」
ネイ「何で私が喚ばれたかは分かるんですけど……何で私が真ん中に座ってるんですかね?」
養タキ「いつもは各自好きに座っていますよ?」
フラ「今日はネイトレさんの歓迎会だからね」
独グラ「真ん中に居て頂いた方がおもてなしをし易いですからね~」
魔ルド「だからネイトレちゃんはゆっくり座ってて大丈夫だよ」
ネイ「そ、そうですかー」
ネイ(た、助けてネイチャ!)
ネイ(囲まれたー!)
独占力同盟に期待の新人が来ましたね。
それも紅一点(元女性的な意味で)です。
≫151二次元好きの匿名さん22/04/27(水) 22:17:26
「…ふ…」
トレセン学園、その屋上で長いケースを肩に掛けながら夜景を眺めているのは風で髪の揺れるファイトレ(女)。
明かりの絶えない街並みは、闇の中でも尚輝いては綺麗な風景となる。これぞ夜の都市というものだろう。
「…」
ケースの下側の側面を軽く蹴るファイ女。開いたケースから飛び出してくる長く黒光りするソレを掴むと両手で構え…
「まずまずだな。…!」
仕舞おうとした所に響く、屋上へと繋がるドアの前で聞こえる足音。手に持ったそれを手早くしまってゆっくり近づく。
「ふわ…ッ!」
「…なんだ、義カフェトレか。」
…屋上へと上がってきていたのは義カフェトレだった。義カフェトレからすればこんな所にいる表情のないファイ女は怖い存在である
「どうした義カフェ、眠れなくて夜風にでも当たりに来たか?」
「うんまあ、そうなんだけど…」
…さて、カフェトレといえば幽霊ホイホイでもあり、当然一人で行動してるような時は絶好の機会でもある。
そうやって狙いに来たとある霊は、カフェトレ…ではなくたまたま隣にいるファイトレを狙い、気づかれずにとりつき…
───黒い雨が降り注ぐ中、下に広がるのはコールタールのような黒いモノ。そこで浮き沈みする大量のナニカ。…そんな中で一人立って天を仰ぐように見ている、左腕を真っ赤に染めた女の姿。ソイツはふと振り向くと光も感情もない目で嗤う───
…慌てて飛び出した幽霊は、突っ込んだ先にいたお友達のお友達に腹パンされてあっさりと消え去る羽目になった。
「なあ、義カフェトレ。綺麗な夜景だと思わないか、自然のではなく人が作り上げた光景だがな。」
「確かに綺麗だよね」
「ああ、同じ黒い景色でも、私が見たものより随分とな。…そういえば、義足の調子はどうだ…」
…夜の屋上にいる2つの人影は、暫く消えることはなかったらしい。
短文失礼しました
目で見える景色と心で見える景色ということでファイトレ(女)です。義カフェトレはお友達のお友達がいるから大丈夫そう。
幽霊さんは相手の心から引き出した悪夢みたいなのを見せて対象からの感情を味わうやつなんですが…対象が悪かったというね。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part743【TSトレ】
≫9二次元好きの匿名さん22/04/28(木) 15:35:45
「トレーナーさん、どうされましたか?」
「何でもないよ、少しぼーっとしてただけ。」
───某所、とあるマンションの一室。サトトレが住むそこには住人のサトトレと何故かダイヤがいた。
(さっき、『これで貴方とも縁が出来ました!』とか言ってるダイヤの姿が見えたような…気のせいだよね…?)
「どうしましたか?そんなに私を見つめて。それとも…私から目を離せないとか?」
「う…」
硬直したサトトレの、長い前髪をかきわけてその綺麗な瞳を見つめる。普通は見れない彼の特徴的なそれ。
当然ドアップで視界に映るダイヤの顔に、思わず顔を赤く染めてしまうサトトレ。彼女への耐性はそこまでないのだ。
(かわいい…私のトレーナーさん。離すつもりなんてありません)
独占力を点火させつつ、彼をまずは抱き締める。サトトレに押し付けられる暴力的なまでのダイナマイトボディ。
ルドトレやキタトレのソレを押し付けられても問題ないサトトレだが、担当のそれは例外であたふたしだす。
「ふ〜…」
「ひゅっ…!」
耳に軽く息を吹きかければびくりと反応した。サトトレを膝上に乗せて両手を回しホールド、背中から双丘を当てる。
…流石に悪戯もここまでにして二人でテレビを見ることにした。ひっつきながらたわいもない会話に花を咲かせる。
「…ところでトレーナーさん、今丁度テレビで紹介されてる旅館なんですが、ペアで行くと不仲になるという噂があります」
「ダイヤ?」
何となくこの後嫌な予感がしてもがくサトトレ。しかしガッチリホールドされてるので逃げれない。
「ですので(ねじねじ)」
「えっ、待っていきなり僕の懐に温泉旅行券をねじ込まないで…ひゃっ!」
懐に突っ込まれた挙げ句体を触られて声を上げるサトトレ。あっさりと予定まで組まさせれるのだった。
短文失礼しました
家でイチャイチャということでサトトレとダイヤです。想像の斜め上をいくダイヤちゃんはこういうことする。
抽選の温泉旅行券で行けるアレ、実際お金さえあればいけるはずだし何度も行ってるペア多そう。特にお嬢様組。
≫32二次元好きの匿名さん22/04/28(木) 20:51:40
●本当のこと、嘘のこと
「ねえ、トレーナーってなんでウマ娘になったの?」
「そんな私からなった風に言われてもな…」
またもやここはオベトレの自宅。ウマ娘化し、その世話をするためといった名目でオベイユアマスターとの半同棲の生活を送っている。
「ベイに言ってなかったか?」
「電話では聞いたよ。でもきちんと正面から聞いてなかったしね」
彼を膝の間に乗せ、その髪を撫でていたオベイは不満そうにくるくると指に巻き付ける。
「寝て起きたら突然なんて言うけど、何かしらのトリガーとか無かったの?」
「これといったものはない…うん、ない」
「嘘」
くるりとオベトレを反転させ、対面で見つめ合う。まるでその目の奥を見透かすかのように。
「私の得意技が自分を偽るだけだと思う?」
「…サレンダーだ。分かったよ」
アメリカにいた頃から、ずっとかりそめの皮を被ってきたオベイ。だからこそ、他人の嘘には人一倍敏感だ。
「話すけど、その前にひとつだけ」
「なんでもいいよ?」
「今から話すことで、ベイが罪悪感とか、申し訳なさとか、そういうのは感じてほしくない。それに、これは私が選んだ道だから」
「もちろん」
再びオベイに背を預け、ぽつり、ぽつりと言う。
「こっちにきて、ジャパンCが終わって…その後。三女神様に話しかけられたんだ。そこでね、言われたの。ベイの脚に、相当な負担がかかってるって。このまま行ったら、近いうちに間違いなく壊れる、二度と歩けないレベルで、って。私はそれが嫌だった。エゴだって、わかっててもね。師匠にも申し訳ないから。だから私は、1人のヒトとしての一生を捧げの。ベイの一生を変えるなら、私の一生を対価にする。等価交換、って奴だね」
落ち着いた口調で、淡々と話す。
「おかげでこんな体になっちゃったし、気を抜けば女性みたいな喋り方になっちゃうの。きっとウマ娘なのに私の元の人格がある、ってのがおかしいんだろうね」
ふふっ、と話し終わるとオベイに向きなおる。
33二次元好きの匿名さん22/04/28(木) 20:52:21
「黙ってて、ごめん。ずっと言おうか、迷ってたんだ」
オベイは尚も顔を俯けたまま黙っている。しかしその影の中からは、ぽたぽたと雫が落ちていた。
「そう…なのね。話してくれて、ありがとう」
顔をぐいっと拭い、笑う。
「なら、泣いてばっかりいないでその覚悟を受け入れてあげなくちゃ。私は、オベイユアマスターだもの。マスターには、従わないと」
「ただのウマ娘じゃないよ。私の、自慢の、愛すべき大切な担当だから」
2人で強くハグをして、また笑い合う。
「そう。その顔よ。オベイユアマスターは、あの芦毛2人を打ち倒したジョーカーなんだから」
まるで宝物のようにその頬を撫でる。
「大丈夫。あなたが覚えている限り、私は私。だから、ずっと覚えててね?」
「うん。どこまでもそばに居るし、どこまでも支えるよ。マイマスター」
おでこに小さくキスをして、強く、今の自分を彼が完全に変わらないうちに焼き付けておく。
オベトレもそれに応え、彼女に手を回すとポンポンと背中をさすった。
●おまけ ベッドの中での会話
「でさ、もしデビューするとしたら名前はどうするの?」
「ん〜…どっち?走行?ばんえい?」
「どっちでも。名前だけは知っておきたいなあって」
「んー…ペイザバトラー、なんてどうだ?」
「執事に給料を……なんかダメ主人みたいだね」
「いいや?この時の私にとっての執事は…言うまでもないね。どうかずっと、隣にいてくださいな」
「そんなこと今更聞く?もちろん意外答えようがないよ」
「うん。ありがとう。おやすみ、マイバトラー」
「おやすみ。マイマスター?」
≫57二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 08:23:15
「プール掃除もこの体だと疲れないわね」
…右手にブラシ、左手に水の流れるホース。キタトレはプールの中をごしごしと洗っていた。ウマ娘パワー様々である。
勿論服装も濡らしても構わないもので、いつかにキタがつけていた白Tシャツと短パンのような動きやすいものである。
「しかしまあ、皆凄いノリノリよね。そこまで私の水着姿が見たかったのかしら。」
つい先日、チームの皆で水着を買いに行ったのは記憶に新しい。思い思いに選ぶ中、何人からかオススメされたりと中々愉快な事になっていた(ついでに同じ境遇のトレーナー達も幾つか提案してきたりもした)。…最終的にサイズが合わないのであえなくボツだったが。
「私くらいの(特に胸の)サイズだと取り扱ってるところもそう多くないのよね…結局ネット通販を頼る羽目になったわ。」
いつも愛用してるブランドは水着までは取り扱ってないのだ。正直面倒な話ではある…人前ではそう言わないが。
「キタトレさん、水の勢い強めますか?」
「ん、お願いするわねダストレ」
奥で調整していたダストレは、何回か試したことで感覚を掴んでいた蛇口を回し水を強める。
何本も絡まっていたホースを通り…
ビシャァァァ!!!
「!」
キタトレの持つホース…ではなく、置かれていたホースから水が吹き出し丁度その方向にいたキタトレに直撃する。
「うわすみませんキタトレさ…」
慌てて蛇口をしめ自分の不手際で濡らした事を謝ろうとするダストレ。そんな彼だがキタトレの姿を見た途端硬直した。
「ふはっ…大丈夫、そこまで気にしなくていいわ。ここまで濡れるのはちょっと想定しなかったけど…」
───完全に濡れた白いTシャツはぴっちり張り付き、短パンもグショグショになってボディラインを強調する。
そして濡れ透けで見えるようになった黒いブラと肌色。水のしたたるいい女とはいうが、余りにも刺激が強かった。
「ッッッ!!!」
「ちょっと刺激が強いみたいね…とはいえ、あいにく着替えはないからどうにもならないわ。ダストレ、少し我慢してちょうだい」
視線を背けた彼にそう伝え、なるべく手早く終わらせると言い、すぐに終わらせたキタトレだった。
…後日、ダストレは埋め合わせとして色々してもらったらしい。良い表情の彼が見られたとか。
≫148【傾いた天秤】22/04/29(金) 17:46:09
いつも通りの音を鳴り響かせるアラームを止め音量を下げ、今の季節に相応しい薄い布団をどかし体を起き上がらせる。
いつも通り部屋の扉を開け、冷たい廊下を歩き、いつも通りの洗面所で歯を磨く、いつもとは違い少し歯磨き粉を出しすぎたかと寝起きでろくに回らぬ頭で考えながら口内を濯ぎ、いつも通り顔を洗い鏡を覗くと
いつもとは違った顔が現れた
回り始めた頭で考える。
いつも通りであるのならここに現れるのは私の顔、20をとうに超えた男の顔だ。
しかし今写っているのは若い女の顔であり、見知ったパーツを有した顔であった。
その見知ったパーツが私と担当バという関係にあるダイワスカーレットの耳に似たものであるならば、結論は一つであろう。
ウマ娘化だ。ある程度の話は聞き齧り、同僚と話題にも出し、被害の当事者も見たことのあるこの現象が私にも降りかかったというのなら、そうだと受け入れてしまうのが早いだろう。
ここで喚いても何も傾かず、体力を無駄に消耗するだけ。
で、あるのならば聞き齧った話から先ずは担当のダイワスカーレットに連絡をしよう。
お互いの裏を知っているからここはすぐに済むし、対外的な反応も適応してくれるだろう。
そこから駿川たづなさんに連絡し、免許証などの手続きを行い、私よりも以前に被害にあった人達と交友を深めながら、ウマ娘になってしまった目立たない優等生トレーナーの仮面を再構築しなければならない。
ひどく面倒だがやらなかった方が長期的に見て面倒だ。
そう天秤を傾け、心を納得させ動こうとすると、成る程。
いつもよりも大きい音のアラームも、薄い布団で十分な季節でありながら廊下が冷たく感じたのも、寝ぼけた頭でいつも通りの量を出したはずが辛く感じた歯磨き粉も、私がウマ娘になってしまったからそう感じていたのだ。
「成る程、私の今日は何一ついつも通りでは無かったのか」
私はそう呟いて、寝室に戻る。無理矢理に傾けられた天秤を納得させながら。
≫155二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 18:32:18
「あら、こんにちはダストレ(黒)」
「こんにちはキタトレさん、今日もいい天気ですね。」
…晴れた春のある日、トレセン学園の敷地内で互いに挨拶を交わすキタトレとダストレ(黒)。その表情は互いにニコニコしていた。
同じ黒色の髪、黒い瞳という特徴を持つ二人だが、片や152のCカップ、片や178のHカップと体型には大きな差があった。
「ねえダストレ、最近ウマ娘になったらしいけど大丈夫かしら。特に日常生活とか結構変わるでしょう?」
「!…心配してくださるのは嬉しいですね。でも私は大丈夫です」
「そう、ならいいわ。もし必要になったら私にいつでも相談してきていいわよ。」
「あはは、お気遣い感謝いたします。」
(いや…目に見えて忙しそうなあんたに頼むのは流石に気がひける…というか休んでるのか?)
面倒くさがりなダストレからすれば、常に何かしらこなしているキタトレには休んでいるのかと疑わざるを得ない。
とはいえ、それを聞いても大抵はぐらかされるだろうし、何より聞く手間が惜しいので聞かないことにした。
「所でダストレ」
「はい、どうかされましたか?」
「別に私の前で取り繕う必要はないわよ?そんなこと面倒なだけじゃないかしら。」
「!?」
(バレてら…!?)
キタトレからの発言に、心の中で驚きつつも仮面は剥がさないダストレ。一方で妖しげな笑みのキタトレは
「いやまあ、そこまで確信してた訳ではないけれど図星みたいね。別に私、貴方が面倒くさがりとかでも気にしないわ。」
「はぁ…私の素はみせてねえはずなんだけどな〜」
「ふふ、貴方みたいな人なんて何人も見てきたわよ。仮にファイ女なら出会い頭にでも指摘されたんじゃないかしら」
同類とかを判別する能力ならピカイチの女のことを思い出しつつ、キタトレは目を細めた。
ダストレはバレたと判断してから開き直り、仮面を被ってない素を見せる。
「じゃ、これでよろしゃーす」
「ええ、よろしくねダストレ。」
短文失礼しました
新しいトレーナーことダストレ(黒)と、仮面被ってる系も知ってるので対応するキタトレです。
尚ファイ女は一目で識別出来ます。
ダストレ(黒)の作者さん、彼はこんな感じの振る舞いでしょうか。解釈違い等あれば言ってください。ハラキリで詫びます。
≫160二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 18:57:27
☆逃げるタイミングを逃した哀れな生き物の図
「……」
「もーー! そんなこと言ったらアンタだって!」
「あんま大きな声出すなって。人いねーわけじゃねんだから」
「ご、ごめん……」
「ま、十分離れてるからいいけど」
「……」
……ども。タイキトレです。早速ですが地味にピンチです。
いやね? 昼食終わりの食堂でのびのびダラダラ休憩してたら隣にダスカちゃんと黒ダストレさんが来て普通に喋り始めてね? いるよー。ここに結構派手な生き物いますよー。
……さっきうーーーんと伸びをしたときに、存在明度をうっかり弄っちゃったんかもしれん……おう、誰がセルフ石ころぼうし搭載だ。
「なんでスカーレットは優等生扱い続いてんのかね。とんだじゃじゃウマ娘なのに」
「ぐっ……! 実はぐうたらなアンタに人のこと言えないでしょーに」
「おうおう褒めてもビタージュースぐらいしか出ねーんだわ」
「褒めてないわよ! しかもなんでビタージュース!?」
たまーにこういう事故やっちゃうんよね。この前なんか空き教室で学生カップルらしき二人がおっ始、いや、その話はいいや。
……てかヤバいじゃん。黒ダスさん普段とめっちゃ違うじゃん。ダスカちゃんの仮面は公然の秘密みたいなとこあるけど、こっちはマジに初見よ? くそぅ、我が交友関係の希薄さが露わになってしまう。たしか26の同期なのに。
「てか省エネって言え。ぐうたらはちょっと違う」
「じゃあずぼら」
「……省エネ」
「ず・ぼ・ら!!」
ダスカちゃんの気迫にハーフリムのメガネがガクッとずれ落ちる。……でもなんだろ。うまく言語化できないけどそこはかとなくシンパシーを覚えるぞ黒ダスさん。
あとこの慇懃メガネの裏の顔って感じ、嫌いじゃない。多分話の中盤で裏切って、最終盤にじつは二重スパイだったのが分かりながら劇的に死んで人気爆発するタイプのメガネ。やるじゃん。……やるじゃん??
161二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 18:58:04
「……はぁ、お前にゃまだ早い話だったか」
「それっぽくいってるけど全然カッコついてないわよ。あと、メガネズレてる」
「んなの後で直すって」
「そう言って指摘後に自分で直したことないじゃない。ほら、よく見たら襟も曲がってるし……」
「……ん」
あ、いいなー。ダスカちゃんしかりグルーヴちゃんしかり、ああいう世話焼いてくれるの。
……てか結構だらしなくない? 黒ダスさん。あれ? それともダスカちゃんにやってもらいたくてわざと直してないとか? あらー?? 深読みしすぎー??
……あーヤバい。めちゃくちゃ茶々入れたい。でもなんとなく怖いので黙っている自分。危機意識の塊と呼んでくり。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「トレーナーさァん! ようやく見つけ……オゥ、オツカレの様子デスか?」
「うん。……なんか変な緊張感が長引いちゃった感じ」
「フーム? ……オーケー! ハグで元気、分けてあげマース!!」
「あー……うん。嬉し。カモーンタイキー」
ミシミシィ……という音が聞こえることなく、ニコニコタイキにハグされながら今しがた聞いてた二人の会話を思い出す。
……黒ダスさんごめん。次会ったときに裏切りメガネってポロッと言っちゃいそうだけど、許して。
(終)
以上。タイキトレは見た。
省エネ系黒ダスさんいいですね。ハーフリムメガネというワンポイントも好き
ダスカ相手の態度は捏造なので不正解だろうと思いつつ、投げ逃げます
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part744【TSトレ】
≫26二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:11:00
1『ウマ娘になりました』
「ヤエノ、私ウマ娘になりました」
「…今、なんとおっしゃいましたか?」
「ウマ娘になりました」
「え、あ、は、はい。そう、ですか…?」
「はい。では、トレーニングを始めましょう。まずは…」
「ちょ、ちょっと待っていただけますかトレーナー殿。えっと、その、経緯を伺っても?」
「今朝起床した時点で既にこのように。頭部の耳の形状及び腰部に生えた尾からウマ娘に変化したのだと判断しました。本日此処に至るまでに破壊した3個のドアノブがそれを裏付けています」
「ふ、不思議なことも起こるものです…。トレーナー殿は以前から何事にも動じない非常に冷静な方であると存じ上げていましたが、このような非日常的な事象が発生しても変わらないのですね…」
「まだ力の制御に不慣れではありますが未だ目立った障害も無い故。しばしの間迷惑をかけてしまうやもしれませんが、ヤエノもどうか今まで通りにしていただけたら、と」
「しょ、承知しました。身体のことで何かお困りのことがあれば、是非このヤエノムテキをお頼りください。少しはお力添えができるかと」
「感謝します。それでは、早速トレーニングですが…」
ずこっ(トレーナーが自身の尻尾を踏み転ぶ音)
「トレーナー殿、大丈夫ですか!?」
「…やはりこの尾は障害に成り得ますね…。大事が起こる前に切り落とすか…」
「な、何をなさるおつもりです?!それよりも手のそれは模造刀の筈では!?どうか早まらないでください!!」
27二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:11:37
2『ウマ娘らしいことをします』
「折角なので、ウマ娘らしいことをしてみたいです。ご教授していただけますか、ヤエノ」
「ウマ娘らしいこと、ですか。改めて言われると返答に窮しますが…。やはりレースでしょうか。私と併走をしてみますか?」
「成程。確かに道理です。私にヤエノの併走相手が務まれば今後のトレーニングにも益。早速取り掛かりましょう」
―――。
「トレーナー殿。その、非常に申し上げにくいのですが…」
「…未熟でした。普段は指示を出している側だというのに自身で実践できないとは…。不徳の致す限りです。可能な限り早急に修行を積み、ヤエノの相手が務まるよう精進します」
「い、いえ!トレーナー殿はトレーナーなのですから恥じる必要などありませぬ!どうか顔を上げてください!(…コーナーを直角で曲がり出した時には目を疑いましたが…とは流石に言えない…)」
28二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:12:17
3『カワイイです』
「トレーナー殿、ほ、本当に良いのでしょうか…?」
「はい。いつも頑張っているヤエノにご褒美をと。今日だけはトレーニングを忘れ、遠慮なく楽しんできてください」
「鍛錬を忘れてネコカフェに…。ですが、トレーナー殿は?」
「私はヤエノの至福の時が誰にも邪魔されぬように警護を行います故、気にせずとも大丈夫です」
「…一緒に、ではないのですか?」
「無論同行はいたします。私が居るとヤエノに気を使わせてしまう可能性を考慮し、極力視界外に居る様努めますので…」
「ッ!そんな気遣い無用です!それよりも、是非!折角の休暇と云うのであれば!トレーナー殿もご一緒に!」
「い、いえ。ヤエノにそう言っていただけるのは有り難いのですが、私は…」
「トレーナー殿!!!」
「わ、分かりました。ヤエノの希望であれば、そのように…」
―――。
「あぁ…カワイイ…護りたい…」
「しあわせ…ずっとここにいたい…かわいい…にゃー…」
―――。
「「………」」
「暫しの間、此処は禁足地としましょう。それと、その…本日見たものは忘れるように。…いいですか?」
「…承知しました」
29二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:13:00
4『打倒オグリキャップです』
「今日のレースもすごかったよ〜オグリン!」
「次も絶対応援に行くからな〜!」
「相変わらず、オグリさんの人気はすごいですね」
「観衆を惹き付けるのもまた、彼女の持つ力の一つ。レースでの実力も疑いようがない。手強い好敵手ですね」
「むむぅ…」
「彼女が羨ましいのですか?」
「い、いえ決してそのようなことは!」
「隠さずとも分かっています。打倒オグリキャップを掲げている我々にとって、このまま見ているという選択肢はあまりにも耐え難し。何よりヤエノの魅力は私が宇宙一理解しています。ここは一つ策を考じるとしましょう」
「策、ですか?」
「何もレースで勝つだけが全てではありません。オグリキャップの人気は、レースでの実力だけでなくその人柄を始めとする複合的なものです。ですから我々が得手とする場に誘導し勝利すれば、注目をこちらに向けることは十分に可能であるはずです」
「そう上手くいくでしょうか…?それに、具体的には何をなさるつもりですか?」
「それは―」
(食堂にやってきたオグリキャップ)
「ん、キミは…」
「此処に御座するは金剛八重垣流を極めし武術の達人ヤエノムテキ。オグリキャップよ、この先に在る食堂へと辿り着きたくば、我々を打倒してみよ。いざ、尋常にしょ」
「食堂の前の扉に仁王立ちして何をしているのですかトレーナー殿!?オグリさんも困惑していますし他の方々の利用の妨げにもなってしまいます!早く退きましょう!あと、その変な口上は恥ずかしいのでどうか!考え直して頂きたい!」
30二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:14:38
5『不良行為は許しません』
「これで必要な物は揃いました。買い出しにお付き合いいただき感謝します、ヤエノ」
「いえ、殆どトレーニングに関係する物なのですから私が手伝うのは至極当然のことです。トレーナー殿だけに任せることなど私自身が許しませぬ」
「頼もしいですね。明日からまた頑張りましょう。ん、此処は…」
「いつもの河川敷まで来ましたね。ですが…何か様子が変です」
「わ、わたしたちが先に使ってたんですけどっ」
「いやだからさ、そーいうのは聞いてないっつーの。ウチらのナワバリだからどけって、それだけ。分かるっしょ?」
「口答えすんじゃねーよ。これ以上抵抗すんなら少し痛い目見てもらうけど?」
「…ヤエノ」
「はい」
「一瞬、注意を集めることはできますか」
「容易です」
「では、任せました」
「御意」
「―――喝ッ!!!」
「!?」「ひゃっ…!」「…っ!!」
「子ども相手に大人気無し。ナワバリなどと下らないことをだらだらと、恥ずかしいとは思わぬのか」
「な、なんだテメェ!」「ふ、不意を付いて勝ったつもりかもしれねぇが、1人でこの人数が相手にできるとでも?」
「―――1人ではありません」
「なっ!コイツいつの間に背後に!?」「音も気配も全然感じなかった…」
「さて…どうしますか?」
「くっ…調子に乗るんじゃ…!」
(持っている長柄を一振する。当てることはせず、その振りの風圧だけで目の前の不良を怯ませる)
「ひっ…」
「一度は許しましょう。ですが二度は…保証しません」
「っ…い、行くよ」
31二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:15:02
「…ふぅ。ヤエノ、ありがとうございました。子どもたちは大丈夫ですか?」
「はい、皆さん怪我などはされていません。間に合ってよかったです」
「お姉ちゃんたち、ありがとう!」「カッコよかった!」「ヒーローみたいだった!」
「貴方たちもよく頑張りました。怖かったでしょう。でも次は、大人の方と一緒に居るといいですよ」
「うん!分かった!」
「…トレーナー殿、1つお尋ねしたいことが」
「何でしょうか?」
「ウマ娘になって身体能力が向上したとはいえ、先程の身のこなし、とても一般人のそれとは思えませんでした。そのいつも手にしている長柄といい…トレーナー殿も、武芸の道に心得が…?」
「…さて、どうでしょうか。秘密で」
ずこっ(自分の尻尾を踏み転ぶ音)
「す…」「…」
「やはりこの尾切り落とすべきか…!」
「冗談に聞こえないので止めてください!」
≫37二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:43:29
美化委員のお手伝い
ニシ「さて、ニシノの為に頑張ろうか」
グラ「グラスの頼みですから頑張りますよ~」
スズ「取り敢えず肥料と水の準備ね」
トレセン学園の花壇に集まったニシトレ、グラトレ、スズトレの三人。
普段は美化委員を務めるニシノフラワーとグラスワンダーの二人が世話をしているトレセン学園の花壇。
しかし今日は二人共に用事で世話が出来ないので其々のトレーナーが代わりにお世話する事になったのだ。
ちなみに、スズトレは農作業に詳しいので花の世話もいけるだろうとグラトレに連れて来られた。報酬は和菓子詰合せである。
ニシ「それで皆さん、ちゃんと汚れても良い服で来られましたね」
グラ「そうですね〜、和服が汚れても困りますからね~」
スズ「でも、何でジャージにブルマ?」
グラ「…………需要……でしょうか?」
スズ「ええ……」
ちなみに、ジャージ+ブルマで花壇の前にしゃがみ込む三人の姿を見て通り掛かりのモブトレーナーの何かが壊れたのは、また別の話。
……服装の件は兎も角、準備は完了。
という訳で三人で花壇の手入れ開始です。
ニシ「いつもニシノと使っている肥料がこれなんだけど……」
スズ「……成分は…………私が持って来たのとは合わないね」
ニシ「そうなの? それは残念」
スズ「あら、芋虫が」
グラ「カムちゃん、出番ですよ~」
カム「シャー」
ニシ「……相変わらずお利口なムカデだね」
グラ「フジトレさんの教育の賜物でしょうか~」
スズ「……50cmの人の言葉が分かるムカデって……いや、何でも無い」
38二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:43:52
とまあ、なんやかんやしているうちに頼まれていた事も粗方終わり。
最後に残った、何も植えられていない花壇の前に三人は佇んでいた。
スズ「……それで、この一角はなんなのかな?」
ニシ「あー、実はニシノ達に言われてね」
グラ「何でも〜、私達の好きな花の種を蒔いて良いと〜」
スズ「好きな花を?」
ニシ「何を植えるか悩んでいたのだけど、せっかくだから俺達の好きな花の種を蒔いて欲しいと」
スズ「なるほど」
きっと手伝ってくれたトレーナーの好きな花を綺麗に咲かせて喜んで貰いたいという、彼女達なりのお礼なのだろう。
……しかしそこは担当ウマ娘に脳を焼かれたトレーナー、素直に自分の好きな花を植えるつもりは無い。
ニシ「その……相談なのだけど」
スズ「どうしました?」
ニシ「種を蒔く花なんだけど……雛菊でも良いかな?」
グラ「雛菊……ですか~」
ニシ「ニシノが好きみたいでね」
せっかく花壇に花の種を蒔くのだ、担当ウマ娘の好きな花で埋めるのも良いだろう。
好きな花も良いが担当の笑顔が見れるならそちらが良い、少々気の長い計画ではあるが。
グラ「ええ、ええ、素敵な案ですね~」
ニシ「良いかな?」
スズ「グラトレさんが良ければ私は良いよ」
グラ「私は賛成しますよ~」
ニシ「ありがとう。だけど二人は担当向けに何か植えなくて良かったのかい?」
スズ「私の担当は一緒に走ってあげる方が喜んでくれるしね」
グラ「……まあ、フラワーさんが喜ぶ姿を見ればグラスも喜びますよ~」
ニシ「そう言って貰えると助かるよ」
39二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:44:16
スズ「これで終わりだね」
ニシ「ありがとうスズトレさん、助かったよ」
グラ「お礼の和菓子詰合せはまた後程贈らせて貰いますね~」
それから三人で雛菊の種を蒔き、肥料と水を撒いて作業を終了しました。
ニシ「……ニシノは喜んでくれるかな?」
グラ「間違い無く喜んでくださりますよ~」
スズ「うん、喜んで……あれ?」
グラ「スズトレさんどうされましたか~?」
スズ「こっちに向かう足音、それも二人分聴こえるね」
ニシ「ニシノとグラスワンダーさんですかね?」
スズ「たぶんそうみたい」
どうやら用事を済ませた二人が様子を見にこちらに来たみたいです。
種も蒔き終わった後で良かったです、せっかくのサプライズが薄れてしまいますからね。
それよりも……
グラ「……私より先にグラスに気付いたんですか?」
スズ「嘘でしょ……これで嫉妬されるの……?」
40二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 22:44:41
フラワー「トレーナーさん、ありがとうございます!」
ニシトレ「うん、全然大丈夫だよ」
グラス「すみませんトレーナーさん、お手数をおかけしました」
グラトレ「この程度なら幾らでも良いのですよ~」
グラス「それに、スズトレさんまでお手伝いしてくださったみたいで……」
スズトレ「楽しかったから大丈夫ですよ」
フラワー「それで……すみませんがトレーナーさんが何の種を蒔いたか聞いても良いですか……?」
ニシトレ「あー」
グラトレ「……実はタンポポの種を蒔いたんですよ~」
グラス「タンポポ……ですか?」
グラトレ「ええ〜、この前学園のタンポポを刈り尽くしてしまいましたからね~」
スズトレ「学園で急にタンポポを見なくなったと思ったら……」
ニシトレ「あれ、副会長さんが激怒してなかったかい?」
グラトレ「ええ、ええ……なので“贖罪を兼ねて”"食材を兼ねた"花を植えようと〜」
─────
ルドトレ「……! ルドルフ並につまらないダジャレ?」
ルドルフ「……トレーナーくん? ちょっと」
……ルドトレは監禁された
─────
グラス「……さあ、泥だらけですし着替えた方が良いのでは〜」
スズトレ「そ、そうだね」
こうして一人のトレーナーの評価がストップ安になるのを犠牲に、担当ウマ娘達を喜ばせる為のトレーナー三人の秘密は護られたのでした。
うまぴょいうまぴょい
≫53二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 23:29:29
「…あ、僕の上着…」
ふと男性だった頃の上着を見つけ、取り出してみたサトトレ。持ったまま少し硬直すると、おずおずと着ようとする。
「…ぶかぶかだ」
まあ案の定、143cmにまで小さくなった体には明らかにオーバーサイズですっぽりと入ってしまった。
何なら男性だった当時でも(敢えて)緩めの上着だからか、中で足を畳むことすら出来るくらいには余裕がある。
「シーツの代わりにでもなるかな…」
「トレーナーさん…って」
「あ…」
…男性だった頃の服を着て、体を丸めて座るサトトレの姿。余りにもかわいいそれは、ダイヤちゃんを起爆させるには十分だった。
「…ね、ねぇダイヤ、なんで僕を持ち上げて連れてくの?」
「トレーナーさんが悪いんですよ?」
ダイヤはサトトレを抱え上げるとベッドへゴー。幸いにしてここは彼の住居、誰かがいきなり入ってくることはない。
ベッドにたどり着くと、優しく下ろした後に服の前ボタンを外して中のサトトレの胴に腕を回して抱き締める。
「ち、近いよ…」
「もっと密着したいですね」
「え?」
後ろ手に上着のボタンを留め、もぞもぞと服の中で腕を動かしサイズ故に萌え袖になっていた袖に通す。
袖の中でサトトレの細い腕と手をしっかりと握り、ついでに顔も当ててやれば最高に密着した姿勢の完成だった。
「温かいですよね、トレーナーさん…」
「…」
「…お顔が真っ赤なの、かわいいです」
ダイヤからすれば確かに引き立てられるものはあるが、それ以上に彼とくっついてられる安心感が強い。
一方でサトトレからすればここまで密着されると否応なく色々考えてしまう。故に落ち着かず顔も朱く染まってしまう。
…この凄く温かなそれは、数時間くらい続けていたらしい。またダイヤから時折ねだられるようになったとか。
短文失礼しました
ダイヤちゃんとサトトレで仲良く上着の中でくっついてもらいました。サトトレも男性の頃はちゃんと色々あるんですよ。
多分ダイヤちゃん的には男性だった頃の名残もあったらそれはそれでいいのかもしれない。今の彼はほぼ少女だけど。
54二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 23:30:03
オマケ、深夜テンションで出来たナニカ。
「グワーーーッ!」
…殿下の命を受けたSP隊長=サンからサーブされた二郎系ラーメンジツが(ファイトレ男の胃に)炸裂!
例えウマ娘でも生半可な胃袋ならそれだけ満腹にさせる恐ろしいジツである。
「ブッダシット!早食いだ!」
ファイトレ(男)=サンも即座に対応。
素早く食べれば実際満腹感を覚えにくい。
だがそんなファイトレ(男)=サンにさらなるジツが迫る!
「ドーモ、ファイトレ(男)=サン。大盛りニンニクマシマシ極濃豚骨ラーメンです」
(ssなので)時間軸を自由に見れる目をもつ読者にはお分かりだろう。
食べ終わる瞬間にファイトレ(女)=サンが素早い手際でジツを仕掛けて去ったのだ。なんというワザマエ!
「アバーーーッ!!!」
哀れファイトレ(男)=サンの胃は爆発四散!ナムサン!
≫60二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 00:14:04
ある日のトレセン学園にて、ある会合が開かれた。
「と、いうことでお茶菓子はタキトレさんが、お茶はグラトレさんが。会場設営はフラトレさんが、会場の確保は私がやった、なんとなくのメンバーによる歓迎会だよ!」
「……歓迎会……?いや、あの、なんの集まりですかこれ!?」
「何の集まりでしたっけ~?ただ、言われるままにお茶は淹れましたが~……」
「……心当たりは、あるけれども」
「ああ。しかし彼女がそれに気がついているかどうかは……」
「えっ?」
楽しそうな魔ルドそっちのけで"ネイトレ以外の共通点"を理解しているフラトレ&タキトレ、いまいちわかってなさそうなグラトレ、状況が読み込めないネイトレ。
これも、無自覚天然傾国魔性の本領だろうか。
「とりあえずやることは単純で、よさそうなデートスポットとか、美味しかったご飯とかを教え合う感じかな?」
「あの、美味しい食事はよく色んな人誘ってません……?今更この場で語れるくらい色々なお店知ってたり……?」
「あるかもよ?」
「ええ、例えば私達は和食を嗜みますし」
「僕はフラッシュのお菓子以外にはあっちの料理を楽しみたくてお店を探したこともあるし」
「私はタキオンと場当たり的に目についたお店に入ったことがあって」
「私は色々なお店を色んな人に教えてもらってるから!」
「これが、集合知……」
四人の情報共有に圧倒されるネイトレをよそに、更なる解説が始まる。
「あとは……担当のこととかかなぁ?」
「はい。この前は少々話が白熱しすぎてしまいまして~」
「四人で割り勘して温泉旅行券を買って、トレーナー同士のレースに発展した時はちょっとした騒ぎになってしまって……」
「そんなことが……」
「まあ、そんなハプニングを起こしてもまた集まれるくらいといったところだろうか?」
フラトレの発言にうんうん頷く三人とフラトレの目は、"担当が一番強い"と言わんばかりのそれであった。
61二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 00:14:14
~🕰️~
集まりが終わったあと、ネイトレのトレーナー室。
「なんてことがあって~」
「まあまあ、とりあえず美味しいご飯が食べられるお店、知れて良かったんじゃないんですかね?」
「でもねネイチャ、あの空間なんとなく圧が……うーん?」
「おやぁ?圧、とは?」
「……気のせい、だったのかな?」
「気のせいでしょうねぇ。まあ、件の面々に見劣りしないくらいにはネイチャさんも頑張りましたから。次の集まりは任意で参加するかしないか、くらいは出来るでしょうよ」
「……それだといいんだけど」
結局、ネイトレさんは次の集まりの招待が来ても悩んでしまったのはまた別のお話……なのだろう。
≫128二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 12:44:08
『ていでんえまーじぇんしー』
パツーン、と嫌な音が響く。
瞬間、カフェテリアの天井に吊るされた照明から光が失われ、室内に流れる風が緩やかに淀み始める。
「あっ……これは……」
「死んだな」
瞬間、絶望的な表情へ変わるナイスネイチャ担当トレーナーとナリタブライアン担当トレーナー。うだるような暑さを避けてカフェテリアにやってきたのに、これではあんまりである。
「いやまだ早いです、すぐ復帰するかもしれませんし……」
「よく考えてみろネイトレ、今までトレセンでこんな大規模停電あったか?」
「……無かったですね」
「となると発電所のトラブルか、送電線がイカレたか、トレセンのブレーカーがついに寿命を迎えたか、それとも別の何かか」
「……どちらにせよ、もう直ぐ冷気も失われますよね?」
「行こう、ここもじき猛暑に沈む……」
「あ、ご飯食べきれてませんよ」
「……急いで食べるかぁ」
サッサと残っていた昼食を食べ終えると、二人はざわつきの収まらないカフェを後にした。
当然カフェテリアだけが停電を起こしたわけでなく、廊下から教室、はたまた離れの施設すべてまで丸っと停電を起こしていたため、どこもかしこも暑さに追われてゾンビのようになっているトレーナーやウマ娘たちであふれていた。
「おーおー、地獄しかねえやこれは……あっ」
「どうしましょうか……」
「とりあえず俺ね、今思い出したことあるんだけど」
「はい」
「トレーナー室にあるアイスが……」
「あっ……」
「大急ぎで行くか」
「行きましょう」
すでに一部区域は熱に包まれてひどいことになっているが、何とか日陰を選んでトレーナー室へと向かった二人は、当然のように照明の落ちて少々暗い部屋の中へと入った。
129二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 12:44:18
「あーまだ溶けてないセーフセーフ、ちょっと端が溶けてるくらいか……?」
「あ、ボックスアイスだったんですね。てっきりアイスバーの類かと」
「あっちもいいけどこっちのほうが量を選びやすいし、重量に対して安いしな。チームで食べるときはこれがいいんだよ」
冷凍庫の中から引き出したバニラアイスは、幸いにもまだ熱の影響をさほど受けてないらしくその姿を保っていた。ついでにその冷気は二人を癒した。
「さて……食べるか」
「えっ、今からですか?」
「まあどうせこれが何時間続くかはわからんし、食べれる分だけでいいよ。溶けて痛んで無駄になるよりは胃袋に収めたほうが得ってことで」
「ではご相伴に預からせてもらいま……」
「ちょーっと待つっす!」
バァンと開かれるドア。ちょっとミシっと聞こえた気がするが気にしないでブラトレは反応した。
「何奴!名を名乗れ!」
「ウオサブ!」
「ブイサブ!」
「ウオシスです!」
「えー……ウオトレ?」
「「「四人そろって!」」」
「「「ウオトレーズ」」」
「揃ってくださいっすよぉ!」
「いきなりコント始めたらブラトレが困るだろうがよ!」
「クソ暑い中頑張って考えたんだから乗ってくれよウオトレ!」
「そうです、せっかくなんかそれっぽい感じで決まりそうだったんですよ!」
「えっこれ俺が悪いの!?」
「まあ良いからとりあえず座りなさい」
「「「「あっはい」」」」
ドアよりどかどかと乱入してきたウオトレの四人組。部屋が一気に暑苦しくなったが、取り合えず座らせることにしたブラトレであった。
130二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 12:44:49
「あー、身に染みるわぁ……」
「美味い美味い……やっぱ夏に食うアイスが最高だな……」
「トッピング持ってくればよかったっすねえ……」
「トッピング……美味しそう」
「1キロもあっという間だなこりゃ」
「6人がかりだとあっさり食べられますね」
聞けばアイスの下りをブイサブが聞いていたらしく、せっかくなのでとついて行っているうちに全員そろい、最終的にあのコントに繋がったらしい。
「熱いんだから無駄なエネルギー使うのやめたほうがよかったんじゃねえの?」
「ウオトレさんよ、寸劇がなかったら俺たちはきっとアイスを食べれなかったに違いねえ」
「そうかな……そうかも……」
「いやそうはならんわい」
薄暗い部屋でランタン型の懐中電灯が部屋を照らす中、賑やかにアイスを食べる六人。
「趣があってちょっと楽しいですね」
「まあ何度もやりたくはねえなあ……あ、たづなさんから全体連絡来てた」
「発電所側のトラブルだったようですね。時期に復帰するそうです」
「送電線じゃなくてよかったわ……」
「またこんな感じで一緒に食べたいですね!」
「もっとこう、緊急事態じゃない状態でな……」
「じゃあキャンプとか?」
「あー、良いなあ……」
暑さは残っているが、アイスと皆のおかげで少しだけ気分よく過ごせた六人であった。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part745【TSトレ】
≫11二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 22:15:34
『ルドトレ(魔)マベトレは大量破壊兵器』
トレセン学園某日
「マべトレちゃんごめんね。ちょうど生徒会のみんながいなくて、それで手伝わせてもらっちゃって」
「気にしないでいいよールドトレおねえちゃん! これもマーベラス☆ のためだしー☆」
まだ午前中ともあり、朝の空気感が残るトレセン学園。その廊下を温厚そうなウマ娘と生意気そうなウマ娘、それぞれが両手にダンボールを抱えて歩いていた。
温厚そうなウマ娘はルドトレ(魔)。生意気そうなウマ娘はマベトレ。こうみえて両方ともウマ娘化してしまった元男性トレーナーである。なぜこの二人が一緒にいるかというと、先程ルドトレ(魔)宛に今後のトレーニングに関する荷物が届いた。しかし、彼女一人では運びきれる量ではなくどうしようかと考えていたところに、偶然マベトレが通りかかり二つ返事で了承。今に至る。――というわけであった。
「それにしてもマベトレちゃんは力持ちね。ウマ娘になったからってこんなに大荷物を運べるなんてすごいわ」
数段と重ねたダンボールを抱えたルドトレ(魔)は、自身よりも小さな体で遥かに多くの荷物を運ぶ隣のウマ娘に、純粋な驚きを投げる。
なじん ざこじだい
「クスクスマーベラスでしょー☆ 今はもうすっかりこの姿に適合じゃって、このとおりー力の出力も男時代とは比べ物にないんだからー★」
マベトレは、天井近くまで重ねたダンボールを運びながら、小気味の良い笑いを上げて答えた。
そんな会話をしているうちに二人は目的地にたどりつく。
「それでー、荷物はここでいいのー?」
「ええ、いいわよ。マベトレちゃんにはなにかお礼をしなくちゃだね。なにがいいかしら?」
「そんなー。べつにいいってー、ルドトレおねえちゃんのお役に立てたんだからそれで十分だよー☆」
「遠慮しないでマベトレちゃん。そうだ、この後のお昼一緒に食べに行かない? 美味しいお店知っているわよ。」
「ルドトレおねえちゃんがそこまでいうならー☆ んん、しょうがないなー★」
何かしらの悪寒を感じながら二人は食事の約束を取り付け、運んできた荷物をしまい込む。
そうして二人が部屋から出るとそこには3人の若い男性が立っていた。
12二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 22:15:52
マベトレは3人の胸元を確認すると皆トレーナーバッチをつけているのが見えた。どうやら数多くいるこの学園のトレーナーらしい。
しかしその3人にあまり面識がないマベトレはルドトレの方を見上げながら質問する。
「ねぇー。ルドトレおねえちゃんこのおにいちゃんたち知り合いー?」
「ええと、あなたは確か講習の時に合った――トレさんね。そしてあなたは――トレ。あなたは――トレ」
ルドトレは3人のモブトレの名を正確に覚えていた。さすがは皇帝の伴侶であろうか。
緊張した面持ちなモブトレ3人のうち1人が静かに一歩前へ踏み出す。そして大声で切り出す。
「あ、あの! ルドトレさん!!」
「は、はい」
モブトレAの気迫に押されルドトレにも若干の緊張が走る。一体何事なのかと。
「俺と付き合ってください!! この前の合同トレーニング講習のときから一目惚れでした。もちろんあなたの実情も知ってのとおりです!!」
「………………」
一瞬の静寂の後笑い声が響き渡る。声の主はマベトレのようだった。
「……くすくす、はーはははは一☆ 一体全体何かと思えばー☆ それにひとめぼれってー★ もしかしてどーてー★ モブトレAおにいちゃんマーベラスだよー★☆」
「笑ってはだめよマベトレちゃん。彼も真剣なんだから」
笑うマべトレに対し、ルドトレはめっと注意を促す。そしてモブトレAの方を向き直し先程の返答を行う
「ごめんなさいモブトレAさん。私にはもう心に決めた大切な人がいるからあなたとは付き合えないです……」
「……分かりました。ルドトレさん」
薄々わかっていたことだった。皇帝の伴侶とも呼ばれる方が自分には不釣り合いなことに、それでももしかしたらもしかすると答えてくれるかもと――
恋に敗れたモブトレAはうつむきながら静かに呟き、その場を後にしようとするとルドトレが突然とぎゅっと手を握り。
「でも告白してくれてありがとう。とても勇気がいることだったよね。モブトレAさんだいすき」
「――あぁ、俺もだいすk」
――モブトレAは静かに気絶した。
13二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 22:16:07
この光景を見守っていたマベトレは残った二人に声をかける。
「それでー☆ 二人は単なる付き添い係ー?」
「いーえ、僕も話があって一緒に来ました」
「いまのを見てルドトレおねえちゃんにアタック出来るなんて! それはすごいマーベラス☆ じゃなかったらひょっとしてどんかんさん?クスクス★」
マベトレは皮肉めいた称賛と煽りをモブトレBに投げかけるがどうやら違ったようで、
「ちがいます。僕はマベトレさんあなたにです」
「えぇ!?」
突然の矛先にマベトレは驚くがすぐに調子が上がり口元を抑えていう。
「うっわーむりむりー★ 私の惚れ込むってモブトレBおにいちゃんろりこんさんなのー?マーベラスじゃないよー?」
「そ、そ、そうじゃないです。マベトレさん朝夕のあなたの真剣な走りそれに惚れこみました。僕と一緒にトゥインクルシリーズを目指しましょう!」
モブトレBのその言葉にマベトレは何かを思い出し萌え袖をバサつかせる。
ろりこん
「あー! 思い出したー☆ 最近毎日のように変な目で観戦しにきた変態!!」
「だからロリコンじゃないです」
「でもねー。私はトゥインクルシリーズには出ないってきめてるからー諦めてー」
「なんでせっかくのその足トゥインクルシリーズに使わないなんてもったいないじゃないですか」
「朝夕走るのは自分のためだしー☆。公式レースに出ないのはみんなのマーベラスのため☆ 私が出ることで他に出れるはずだったウマ娘達のマーベラスを奪わないようにするためー。あなたもトレーナーならわかるでしょー★」
マベトレはひらひらとフリルを踊るように揺らし説明をした。モブトレBはマベトレのその言葉と信念に浅はかだったのは自分だと膝を落とした。
マベトレはそのモブトレBに抱きつきそして耳元で囁く
「きっとあなたにもマーベラスな担当が見つかるよー☆ざこざーこなおにいちゃん★★」
「うぅー」
――モブトレBはマベトレの胸の中で真っ白になった。
14二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 22:16:20
「それで残りはモブトレCおにいちゃんだけだけど、もちろんなにかあるよねー★」
「モブトレCさんもなにかあるなら相談にのるよだから遠慮なく話して」
マベトレとルドトレは一歩一歩とモブトレCに近づいていく、眼の前であっという間に撃沈していく同僚を見たモブトレCにとって二人のウマ娘はまるで獲物を狩る凶暴な肉食獣に見え、足がすくみ震えが止まらずにいる。
「おしまいだ……」
恰好な獲物を見つけたマベトレはそれはもう素敵な笑顔でモブトレCに歩み寄る。
「よわよわ~なかま~の~モブトレCおにいちゃんはどーんなマーベラスがお好みかなー★ふるえちゃってかわいい~☆クスクス」
一歩また一歩マベトレが近づいてき、後一歩というところまで近づいたところルドトレがひょいとマベトレを抱きかかえた。
「もうマべトレちゃん怖がせちゃダメよ。大丈夫?モブトレCさん?」
(ああ、あれ俺は助かったのか?いやでもこれはルドトレさんの罠だ。ま、まだ墜ちてはいけない)
モブトレCはそんなルドトレに警戒しているとルドトレの腕の中に収まったマベトレがバタバタと抵抗をする。
「モブトレCおにいちゃん顔が赤くなってるー☆ひょっとして惚れちゃったー★」
「マベトレちゃん」
「だってー★ だってー☆ ルドトレおねえちゃん~」
「悪いことを言うお口はふさいじゃうよ。」
「むぐぅー☆ルドトレおねえちゃんがそうくるならおかえしなんだんから~★」
「ああ、もうマべトレちゃん」
眼の前で不意打ち気味にいちゃいちゃしはじめた。そんな光景を見たモブトレCは
「ああ……てぇてぇ……」
――モブトレCは立ったまま魂が抜けた。
15二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 22:17:00
保健室にて
気絶したモブトレたちを預かった養タキトレはルドトレとマベトレの話を聞きため息をはいた。
「急病人が3人と聞いて何が起きたかと思えば君たちですか」
「ごめんね。タキトレさん」
「今月で何人目だと……ルドトレさん少しは自覚をですね」
「そうだよー★ タキトレおにいちゃんの言うとおりだよー。ルドトレおねえちゃん☆」
「君もですよ。マベトレさん」
「そういわれてもだってー。これが生きがいだしー★」
「はぁ~いつか痛い目を見ますよ。いやもう受けた後なのか」
タキトレはピクピク動く二人の"ウマ耳"を見てそうため息交じりに言った。
「「???」」
16二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 22:17:18
後日談
マベトレは目を覚ますと暗い部屋に座っていた。先程までルドトレと一緒におすすめのカフェで食事を取っていたはずなのに、そこから先の記憶が欠落していた。とりあえず明かりになるものを探そうと立ち上がろうとしたが、
「あれ?手足が」
手足が今座っている椅子に縛られて動かせなかったのだ。いくら力付くで解こうにも全く開放されそうもなくただ闇雲に抵抗する音だけがした。
マベトレが困惑していると突然と部屋の電気が付きそこには2つの影があった。しばらくして明るさに目がなれるとその影の正体が判明した。そこにいたのはマベトレと同じように椅子に縛られたルドトレと彼女の担当のシンボリルドルフであった。
「お目覚めのようだねマベトレくん。”私”のトレーナーくんとずいぶんお楽しみであったようだね」
「ねえルドルフ、マベトレちゃんは関係ないでしょ。お仕置きなら私一人で十分だから巻き込まないで」
噂には聞くルドトレの監禁部屋マベトレの頬に汗が一筋と流れるが今のマベトレはその程度では屈しなかった。
「くすくすルドトレおねえちゃんとちょっと一緒にいただけで嫉妬しちゃってー☆ルドルフも子供なんだね☆」
「ふむさすがというべき精神、しかしこれを見てもまだいえるかな」
「ルドルフそれだけは!」
ルドルフが机からなにやら一冊のノートを取り出すそしてペラペラとめくりだした。マべトレにはそのノートには見覚えがあった。
「ふふマベトレくんも可愛らしいところもあるではないか」
ざこじだいにかいたくろれきし
「それは男時代の時に書いた方の短文集!」
「これをサンデーとともに読み上げて君に聞かせようではないか」
「やめてルドルフその拷問はあまりにも過酷よ!!」
「いやあああああぁぁぁぁぁぁあああああああ☆」
――ルドトレとマベトレは監禁された。
――マベトレはわからされた。
≫23二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 23:22:29
「わぁ〜!綺麗だね!」
「そうだねファイン!」
夜、何処かの桜の木の下で、ファインとファイトレ(男)は二人仲良く見上げていた。花見というやつである。
やってきたのは人通りの多い有名なスポット。勿論、身バレしては面倒なのでお忍びという形で変装してきていた。
「ねぇねぇ、似合ってるかな?」
「勿論、よく似合ってるよ。」
二人でお揃いの色だけ反転した着物を身に着け、外側から見えなくする超薄いベールで顔を覆い、髪もサラリと流してある。
「えへへ、キミも凄く似合ってるよ!」
「…そっか、それは良かった。」
(色々見られてる気がするけど大丈夫だろう…多分SPの人達だし…)
実際、夜の暗さに紛れてSPウマ娘達で警戒しており、備えは万全。…最も、身内からリークされない限り分からないだろうが。
「あ、小舟があるよ!…乗せてもらえるかな?」
「川下りしながら桜を見るものだね。お金を払ったら大丈夫。…俺が払うからその黒色のカードは出さなくていいよ!?」
流石にオーバーなのと、何よりたまには払っておきたいという思いから支払いを引き受けるファイトレ。
「あっ、花びらが…」
「…桜は散っていく姿が一番美しいからね。夜桜は光が当たってより綺麗に見えるから。」
「でも、いつかは全部散ってしまうんだよね。少しだけ、思ってしまうの…ずっと咲いたままだったらいいのにって」
「ファイン…」
…最後に戻ってきたとはいえ、彼女には明確な終わりがあった。彼女が拘る理由はきっとそれと同じなのだろう。
「…なら、俺達が記憶したらいい。忘れないように、大切な思い出として覚えていれば、ずっと咲いたままだよね。」
「!…そっか、そうだよね。キミが心の景色に私がいるって言ってくれたのと同じだもの。」
「あはは、役に立ったなら嬉しいよ」
「ありがとね、トレーナー!…これはお礼だよ!」
夜桜のもと、花びらが浮かぶ川を流れる舟の上でこっそりと重なる人影。すぐさま離れるが
「〜ッ!」「ね、キミといる時の私が好きなんだよ。」
双子のような姿で、下り切るまで仲良く寄せて座っていた二人だった。
短文失礼しました
花見…散る桜ということで、永遠と絡めて一つ。記憶の中でなら例えどんなものや人でもその姿のままであれるのです。
やはりこういうのはファインとファイトレ(男)だからでしょう。ファイトレ(女)の場合は更に闇深くなりますし…
≫68二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 09:48:40
「綺麗だよねトレーナー!」
「…ああ」
…夜桜を見に来たファインとファイトレ(女)。空は生憎と曇り模様だが、明かりの灯った桜のまわりは綺麗だった。
無論、人通りもあるとはいえファイ女が敢えて持ってきた傘で絶妙に顔を隠してるので気づかれることはない。
「ねぇねぇ、そこの小舟って乗れるよね?」
「ん、川下りか。そうだね、乗ってみよう。」
…流れにまかせてゆっくりと川を下る舟の上で、ファイトレはふと散ってきた花びらの一つを手で受け止める。
指でつまみ上げ、じっくりと眺める彼女にファインは少しばかりの違和感とともに問いかける。
「どうしたの?」
「いや、なんでもないさ。…少し気になっただけだよ。」
彼女は首を上げて曇天と周りの桜を眺める。目を細め、止まったその顔にぽたりと水滴が落ちる。
(雨、か…なんともタイミングの悪い。いや、私にはこれが似合ってるのだろうな。ファインを濡らさないようにしなければ…)
…晴れた陽だまりのもとではなく、降り注ぐ雨の中で過ごすのがピッタリなのだと自らに言い聞かせてきた。
「…」
(雨はいい、全て等しく洗い流してくれるような気がするから。…もっとも、私についた汚れは落ちないだろうが。)
ポタポタと落ちる雨が、桜の花びらが浮かぶ水面に波紋を広げる。ファイ女はそっと傘をファインの上にさした。
「…トレーナー、泣いてるの?」
ふと一粒、見開かれた目元に落ちて流れていく。どれだけ痛くとも泣けない彼女の涙の代わりと言わんばかりに。
「…綺麗だなぁ。」
水と花弁が降る中で、黒い私服姿のファイトレ(女)は余りにもひどくうつくしかった。そんな彼女に触れる白い手。
「そろそろ雨足が強くなってきたから、帰ろっか。それと、体を濡らしちゃ駄目だよ?」
「そうだね、ファイン…」
下り切るまでの僅かな時間、相合傘の中で静かな時間を過ごした二人だった。
短文失礼しました
宣言通りファイトレ(女)版です。彼女だとやっぱり心が冷たくなります…それこそがファイトレ(女)なんですが。
ファイトレ(男)とファイトレ(女)で、色々と対比する形になるんですよね。綺麗だと言うあたりでの彼女はきっと…
≫92Tempo I 1/622/05/01(日) 13:51:11
満開を告げられた桜も散り始め、気温も少し「暖かい」の閾値を超え始めた頃の昼下がり。
いつも通りに素早く食事を終えた私は、ピアノ練習のためにボーカルレッスン室に向かっていた。
けれど目的こそ定例ではあったが道程は異なっていた。道すがら頼まれていた資料を届けていたためだ。
普段通ることのない廊下を新鮮な心持ちで歩いていると、廊下の隅で話す2人のウマ娘が目に留まった。
「あら、ファル子。それとデジタルも」
「ひょええっッッ!?」
「あばぁっ゛!?」
返ってきた2つの奇声に思わず足を止めてしまった。デジタルからグリッサンドが鳴るのはいつもの事だが、ファル子からも素っ頓狂な声が飛んでくるとは露ほども思ってなかったからだ。
しかし返答とも呼べない反響に気を取られた注意力を再起させれば、何やら2人で見ていたものを私の死角に隠したような仕草が目についた。
「な、なんで蒼ファルさんほどのお方がこ、このような場所にぃ……!?」
「いや、私も教室前とはいえ廊下ぐらいは通るわよ…教員なのだし」
「だ、だっていっつもここじゃ見かけなかったから……」
成程。即ち私の登場を予期しなかったどころか、私の不在を前提としていた様子。
となれば私に聞かれるとまずいコトなのだろうが、2人がこの様子ではいつ致命的な墓穴を掘ってしまうかこちらが心配になってしまう。
「まあ、通りすがっただけだけれど、一日の折り返しに貴方の笑顔が見られて良かったわ。午後はいつも以上のパフォーマンスが出来そう。それじゃあまた放課後に、ね」
「は、え……ふぇ?…ふぇ!?」
「?……!…!?……!??!……!?!?!!………───」
「…あっ!デジタルちゃん!?デジタルちゃーん!!」
後ろが騒がしいが、事後対応については彼女も周囲も慣れたものだろう。何に反応したかはわからないけれど。
しかし、彼女は何を隠していたのか。足早に立ち去りながらも、興味を思考から追い出そうとして、逆に思考を捕らわれる悪循環にすっかり私は陥っていた。
92Tempo I 2/622/05/01(日) 13:51:34
「──と、いうことがあったの。」
「あっはは……確かにデジタルも分かりやすい部分があるのは否めないしね」
歌唱教員である蒼ファルと、ライブ指導要領の定期確認を行った帰り際。
鏡と正対して最後のステップの反復練習を行っていたアタシに、蒼ファルは昼に出くわした一部始終を話してきた。
ちなみにアタシは担当のデジタルから要件は聞いている。蒼ファルにバラさないでほしい、ってのも聞いてるから、知ってるなんて素振りは見せずに返してみせる。
「で。心当たりはあるわけ?」
「そこそこね。ある1日は予定を開けてほしいってファル子に言われていたのを思い出したから、その日に何かあるんだろうなとは」
「その日って?」
そこまで絞りこまれてるならと、割と観念して一応聞いてみる。
ところが。
「5月1日。……けれど分からないのよね。特に何かあるわけでもないし……」
「は?」「え?」
思わず声に出てしまった。ステップは?大丈夫、乱れてない。いやそうじゃなくて。
「その……本当に心当たりない?」
思わず聞き直しちゃった。いやだって流石にね?
「ないわね。…いや、スズカの誕生日だったわね。逃げシス関連かしら?」
そっか。じゃあこの話は終わりだよ。もともとアタシの失態あってこそだし。
「そっかー……いやでもアタシもワカンナイシナー。じゃあ確認も終わったし失礼するよ」
「待って。何か知ってるでしょう」
「知らないシラナイ。んじゃお達者で」
逃げるようにレッスンスタジオを後にする。まああの調子なら、こんだけ不審な動きをしても真実にはたどり着かないでしょ。
おそらく死んだ目をしたウマドルに思いを馳せながら、デジタルから届いた動画ファイルに目を通す。容量キツいなー。
93Tempo I 3/622/05/01(日) 13:51:59
薄ら明かりに目が覚める。上体を起こし、少し寝ぼけた右腕を動かしてカーテンを開ける。すぐさま朝の光が私と部屋を照らす。
春と夏は良い。起床時間には日がきちんと出てくれるから。私の中の存在も喜んでくれているようで。
ちょうどベッドと同じ高さに積まれたカラーボックスの上からヘアゴムを手に取り、ヘッドボードに置かれた歯ブラシも携えて、つま先立ちで洗面所へ向かう。
しばらくして食事と朝の身支度を整え、ストレッチをしながら玄関へ向かう。
そして日課のランニングのために玄関を開ければ。
そこにはジャージ姿のウマドルがいた。
「おはよっ☆トレーナーさん♪」
「…どうしたの?何か渡す手筈の資料でもあったかしら…」
今まではなかったパターンの邂逅に理由を探しながら、逸らした私の目線を自分に戻すかのように、ファル子は急いで口火を切った。
「ううん、違うの!今日はトレーナーさんのランニングについてみってみようかなーって☆ね、いいでしょ?」
少しばかり、いや結構強引な感じを隠せずにファル子は同行を申し出る。
そうして今日は件の5月1日であったと気づく。しかしそれ以外の心当たりは皆無。そして私には断る理由もなく、むしろ早朝からファル子と一緒に走れるというのは願ったり叶ったりであって。
「わかったわ。貴方と朝から走れるなんてとっても素敵な事だもの。早速出発しましょう?」
「おおう…、…うん☆じゃあ行こっか♪」
何故か少し拍子抜けしたような様子を醸しながら、ファル子は先に走っていった。
朝も早よからファル子と一緒に過ごせるということでかなり上機嫌だった私は、ファル子の曲を口ずさみながらファル子の隣を軽く走っていく。
けれど、いつもなら乗っかってきてくれるファル子は少し神妙な面持ちを続けていて。
そうしてしばらく走った後に、ファル子がいきなり足を止めた。
「…どうしたの?ファル子?」
「…トレーナーさん」
「ちょっと、河川敷に降りてみない?」
95Tempo I 4/522/05/01(日) 13:52:25
トレーナーさんと一緒に石段を下る。
そうして見えるのは大きな橋の下の空間。
私と、トレーナーさんが初めて出会った場所。
まっすぐ、その場所に向かう。
トレーナーさんは少し戸惑った様子だったけど、ついてきてくれた。
バミリ代わりのピンクのシーグラスを足元に、トレーナーさんの方に振り返る。
ここがどこかは分かった様子の、けれど何でここなのかが分からない様子のトレーナーさんに、ネタばらし。
「トレーナーさん」
「お誕生日おめでとう」
間髪入れずに曲が流れ始める。ラジカセからのイントロ。デジタルちゃん、ありがと。
歌い出し。動揺したトレーナーさんのキモチをここでつかみ取る。
Bメロ。トレーナーさんは合いの手を入れずに聞き入っている。
サビ。ここまではまだオーソドックスに、けれどひたむきに。
間奏。教わったターンとステップをとびっきりの見せ場で決めて。
第二Aメロ。確か、あの日はここから聞き始めてくれたよね。
第二Bメロ。トレーナーさんの目は、私の1フレーズ、1ステップまで焼き付けるようで。
第二Cメロ。あの日咄嗟に繰り出したファンサ。見ている視線は同じ。けれど高さは違って。
落ちサビ。ありったけを込めて、引き込むように。
ラスサビ。これで、最後。届いて───
96Tempo I 5/522/05/01(日) 13:53:16
「───まさかデジタルと話していたのは、私の誕生日のためのサプライズライブについてだったなんてなんて」
「びっくりしたでしょ?」
「ええ、すっかり忘れていたわ」
「もーっ」
そう。私はこの日のためにデジタルちゃんとデジトレさんにお願いして、トレーナーさんの誕生日プレゼントの準備をしていた。
どうせ今年も自分の誕生日を忘れてるなら、逆にサプライズにしちゃおうって。
ちなみにデジタルちゃんは私が歌い終わったら機材(ラジカセ)と一緒に早々に撤収しちゃった。「アグネスデジタルはクールに去るぜ」とか言ってたような。
「でも、とっても素敵だったわ。あの日は夕方だったけど、今回はまだ静かな朝の空間に、貴方の歌声とダンスが染み込んで共振させていくような。朝日に照らされたブリッジのターンなんて本当に光を振りまくようで」
「デジトレさんがしっかり見てくれたからねっ、そこは自信があったよ☆……あれ、もしかして妬いちゃった?」
あんまり褒めてくれるから浮かれてついらしくない冗談も言ってみちゃう。でも、あなたの方を見れば、まっすぐ私を見つめ返していて。
「…ええ。貴方の輝きを引き出す者として、私の知らない貴方を見せつけられてしまったから。あの日とは全く違う貴方。未知のアクセント、異なるアーティキュレーション。やっぱり流石だわ、ファル子」
透き通すような目線。きっと私の中の“輝き”を逃さず捉えてくれるようで。
…でも、やっぱりちょっと忘れてることがある、かな。
「でもね、トレーナーさん」
「ファル子がこんなに輝けてるのは、あの日トレーナーさんと出会えたから。今の今までずっとトレーナーさんと一緒にやってきたから。」
「だから、これからも。ファル子はもっともっと輝きたいから。よろしくね?」
「…ええ。でも。私だって、貴方と出会えたから」
「いつか貴方よりも輝いてみせるわよ?ファル子」
不敵な笑みに、笑い返した。
97Tempo I おまけ22/05/01(日) 13:53:34
おまけ1:廊下で蒼ファル遭遇後の1幕
「ふぉおぉぉおおおお!!生蒼ファルさんのコールいただいちゃいましたあああ!!」
「うん、起き上がったばかりだしもうちょっと落ち着こ?」
「アッハイ……そうですね、言われたご本人様の前で騒ぐのはマナーがなっていませんでしたよね、すみません……」
「それは大丈夫。あれはそういうのじゃないから」
「へ?」
「そう。あれはそういうのじゃないの」
「ファ、ファル子さん?目が……」
おまけ2:デジタルがクールに去った後
「デジタル、どうだった?」
「ええもう最高でした。はい。最高でした。最高だったのに記憶ないですもん今。最高という感情しかないですもん」
「うーん、映像に残せなかったのはやっぱり残念だったなあ」
「トレーナーさんもやっぱり見たかったんですね」
「まあ純粋な興味というよりアタシの教えたステップはどうだったかなーなんて。あのポイントまたしくってたらどうしてやろうかなってね」
「ヒエッ」
おまけ3:学園に戻った後
「というわけで共同バースデーライブをするわよ、スズカ」
「ウソでしょ……いきなり呼び出されたと思ったら拒否権が無さそう……」
「逃げシスのクール系美少女と二のトレのクール系美少女。これは究極のクール系美少女デュオといっても過言ではないわ」
「自分で言うの……?あとそういう雰囲気なら逃げシスはブルボンがいるし二のトレにも私のトレーナーさんがいるし……」
「競わないで!持ち味をイカしないさいッッッ!!」
「なんで今怒られたの!?」
「と、冗談はさておき曲を決めるわよ。本番はもうすぐだからすぐにでも出来る曲がいいわね」
「となると……transformingとか?私が歌ったこともあるし、デュオだし……」
「じゃあぴょいっと♪はれるや!にしましょうか」
「私歌ってない!クール系じゃない!!2人でやる曲でもない!!!」
なんとかなったし割と好評だった。
≫105二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 16:02:16
6『もう昔のことです』
「今日も成果ある一日でした。秋川やよい理事長とたづな様は、壊れた扉の修復が終わるまでと、寮の別室を用意してくださいましたが、私自身の過失故心遣いだけ頂戴した次第。この程度ならば問題に入らず、常在戦場の心構えで居れば夜間であれど…」
「何1人でぶつぶつ言ってんのアンタ…」
「…入口を無視し窓からとは感心しませんね」
「いやまぁあたしは学園の部外者だし。立場上あまり堂々とするのも、ね?」
「…今更何の用です」
「いや〜今仕事でこの辺に来ててさ。情報集めてたらアンタっぽいやつの目撃情報がついでに入ってきたから、ホントならちょっと探して会ってやろうかな〜って、それだけ」
「そうでしたか。お久し振りです。さようなら」
「ちょっと〜相変わらず無愛想なんだから〜。折角だし少しお話しようよ〜。というか何その耳と尻尾?コスプレ?そんな趣味あったっけ?」
「違います。模造品ではなく本物です」
「…本物?そんなウマ娘じゃあるまいし…」
「はい。ウマ娘になりました」
「…は?」
106二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 16:03:26
「あっははは!何それウケる!ねぇちょっと試しに耳触ってもいい?」
「どうぞ」
「じゃあ遠慮なく〜えいっ」
「…んっ」
「…えっ、何その声。もしかして」
「前言撤回します。二度と触らないでください」
「分かった!分かったから!怖いから睨みつけないで!」
「…貴方はまだあの仕事を続けているのですか」
「ん?まぁあたしの取り柄ってこれくらいだし、辞めたからって他にやれることもないしね。それにあたしの役割は『直接的』じゃないから、まだ精神的にもマシだし。でもまさかアンタが抜けた後こんなことしてたとはね〜。全然向いてなさそうなのに」
「未来を摘む怨嗟の渦中に身を置くより、次世代の可能性を導く方が尊いと、そう思いませんか」
「言いたいことは分かるけど。というかアンタだってまだ若いでしょうが…。でも他の何にも興味を持たずに、それこそ機械みたいだったアンタがね〜…。ホントに意外」
「それこそ、昔の話です」
「そ。でももったいないな〜。評判も信頼もあたしたちの中で頭抜けてたのに。ま、今が楽しいなら、きっと辞めて正解だったんだろうね」
「…師は、なにか仰っていましたか」
「別に何も?心配しなくても連れ戻されたりはしないって。それにあの人、アンタが辞めるって言い出したとき、少し嬉しそうだったし」
「そう、なのですか」
「うん。…さて、そろそろお暇しますか。ヤエノちゃん、あたしも応援してるからね〜。あと、またこうやって遊びに来てもいい?」
「応援してくださることには感謝しますが、二度と来ないでください」
「も〜最後まで冷たいんだから〜。それじゃ、良い夜を〜」
「………もう奪うのは、疲れました。この力は剥奪のためではなく、守護のために」
107二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 16:04:41
7『私たちの火水合一は』
「自身の存在や力を認めさせたいという思いは、自己顕示欲と言ってしまえば確かに聞こえは悪くあまりよく思われないかもしれませんが、誰もが必ず抱いている普遍のものです。決して恥じる必要はありません。ヤエノはもっと認められるべき実力者です。それは疑いようのない事実。その上、何しろ相手はあのオグリキャップたちなのですから、多少アピールしすぎても尚足りるか分からないというもの。だから我々は躊躇せず挑み続けるべきなのです。誰もに一目置かれ、認められるウマ娘になるその日まで。その実現のため、私はどこまでもお供します、ヤエノムテキ」
―――。
「精が出ますね、ヤエノ」
「トレーナー殿。申し訳ありません、休息の時間を与えてくださったのに。どうにも鍛錬をしていないと落ち着かなく…」
「責めているわけではありません。ヤエノの自己管理能力は信じていますので。…私もご一緒してもいいですか?」
「それは勿論構いませぬが…」
108二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 16:05:28
「自身との向き合い方。他者との向き合い方。時を経たとはいえ、今後も迷うことはあるでしょう。ですが、いついかなる時も己が心に遠慮をする必要はありません。『火水合一』とは個人で成すものだけに非ず。そのために貴方と供に往く私が。『烈火』と交わる『止水』がいつも側に居りますので」
「…ありがとうございます。私などには勿体無いお言葉です」
「…と偉そうに色々申しはしましたが、私もまだ未熟者である身。私が立ち止まりすぎているようでしたら、その時は是非ともヤエノに引っ張って頂きたく。お願いできますか?」
「…はい!勿論です!」
「ありがとうございます。それと、その…」
「はい、何でしょうか?」
「…」
「…?」
「や、ヤエノがもし、嫌でないのなら…。次から自主鍛錬をする際は、私もご一緒したいのです。も、もちろん個人的な時間にまで付き纏わられるのは鬱陶しいというご意見はご尤もですしヤエノの気持ちを第一にしたい私としても無理にお願いして不快に思われては本末転倒故これは聞き流していただいても構わない下らなくて身勝手な個人の我儘といいますか」
「…ふふっ。承知しました。では次から、お声掛けさせていただきます、トレーナー殿」
「…感謝します、ヤエノ」
≫169夏の黒ルド22/05/01(日) 23:26:25
「おはようトレーナー君……驚いたよ、随分思い切ったみたいだね」
「おはようルドルフ。ここ最近は暑すぎてな……バッサリ切ったよ。スーツも半袖のカッターシャツに変えたし、クールビズ、というやつだ」
疲労が混ざった黒ルドの声。あの格好と毛量は確かに暑いだろうな、とルドルフは納得の表情を見せる。
腰まであった髪は肩の上まで切られ、少しだけ伸びている後ろ髪を結んである。カッターシャツが半袖なのも相まってボーイッシュな印象だった。
「髪の長さでかなり印象が変わるね。他のみんなと喫驚仰天しているのが目に浮かぶよ」
「みんなぎょっとしてたよ。それどころか何かあったんですか!?って心配もされたぞ。そんなに意外なのか……?」
「ふふ、これまでずっとあの髪型だったからね……急で驚いたんだろう。けど、清涼感に溢れていてとても似合っているよ、トレーナー君」
「ん、そ、そうか……あり、がとう……」
相変わらず褒められるのには慣れていないのだな、とルドルフは思わず笑みを零す。
「し、仕方ないだろう、トレセンに入るまで褒められるなんてこと滅多に無かったんだから……」
「なら、これからたくさん褒めるとしようか。トレーナー君の照れ顔は飽きないからね」
「私で遊ぶんじゃない……そうだな、その分、私も君を褒めまくるから覚悟するといい。恥ずかしくなっても知らんぞ」
「ああ、受けて立とう」
黒ルドとルドルフはしばらく見つめ合うと、お互いに吹き出し、涼し気な風が2人の間を通り抜けた。
≫177二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:47:54
だべりーの(ネイトレ・デジトレ・テイトレ)
前略。応援団に入ったチアネイチャがかわいい。ものすっごくかわいい。
ポニテネイチャがかわいい。二つに分けられていたモフみが一つになってポンポンヘアーがマーベラス。恥じらいを押し殺して応援する姿がかわいい。でも最後まで決めきれずへにゃっとしちゃうのがかわいい。抱きしめたい。いや抱きしめた。
……ああかわいい。かわいいがゲシュタルト崩壊しそう。いやない。ネイチャのかわいいは不滅。ああ……、、、
「私はどうすればいいでしょうか……」
「いや抱きしめてんじゃん」
「ネイトレが壊れて……いや割と最近こんな感か?」
「ネイチャかわいい…………ほぅ」
「どうすればいい?とか疑問の体裁取ってるけど、これのろけたいだけだよね」
「……デジトレ。ネイトレには悪いけど離脱しよ「どこへ行こうというのですか?」」
「ネイトレらしからぬ動き!?」
「もう少し付き合ってもらいますよ……! 私は今、ネイチャから放たれる照れキラキラより特大バフを受け取ってますから!」
「何言ってるのネイトレ?」
「……くっ! デジタルを見てると、そういうのすごく良く分かる」
「何言ってるのデジトレ!?」ア,デモタシカニワカルカモ
「……でもあれじゃない? そんなかわいいところを自分のトレーナー以外に知られるのって複雑じゃない? ……ナイスネイチャはネイトレだけにそういうとこ見てほしいんじゃない?」
「(う、上手い! 『自分だけ』という特別感を煽ってこれ以上のノロケを止めるよう訴えかける! 上手いよデジトレ!)」
「ネイチャのかわいさは万民が知るべきだと思いますから」【鋼の意志】
「なんか昔っから持ってたなぁそういえば!」
「あぁ思い出した! フクトレから聞いたのに似てる! ウラトレ先生がどこまでも追いかけてきて、新春ウララのことめっちゃ惚気たおしてきたっていうのに似てるっ!!」
「ウラトレさんそんなことしてたの!?」
「でもそうですね。二人だけでなく、もっと大勢にネイチャを知らしめなきゃですね……ああ、トレセン学園にかわいいが満ちる……!」
「やばい! よく分からんけど全体MAP攻撃だ!」
「誰かカレンチャン連れてきてーーー!!!」
その後、カレンチャンの秘奥義・【コズミックカワイイ】を喰らうまで止まらなかったネイトレだったとさ。
うまぴょいうまぴょい
178二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:48:19
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「もーネイチャったらー! ボクに憧れてるからってポニーテール真似しなくたっていいのにー♪」
「にゃあ〜! 別にテイオー意識してたわけじゃないから!!」
「(はわわわわ……! テイネイ尊ひ……!!!)」
以上。ネイチャかわいい
実は私、ポニテ萌えなんだ……(ウソ)