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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part426【TSトレ】
≫二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 13:44:44
◆ASMRネタ
ネイトレ:
おーい……おーーーーい?
やっと起きた。うん。おはよ。
そうだね、私が起こすなんて珍しい。普段はあんな早起きなのに。……うんうん。最近ほんとに寒いもんねー。
……寝顔?うん。起きるまでずっと横で見てたよ。いつもはそっちが見てるんだから、おあいこだって。
はい、二度寝はダーメ。あ、待って……いやぁ!布団持ってかないでってぇ!
……はい。よく起きました。さ、じゃあサクッとご飯作ってー出かける準備してー……何でって、さすがにそれはないでしょ?昨日ちゃんと計画立てたじゃん。
今年のクリスマスイブは今日だけなんだから。
(書き終わった後で、ASMRというより季節限定ボイスだなこれと気付いた顔)
≫60
50日記念Day50シャツネタ21/11/11(木) 14:08:18
「記念ッ!言うっちまう成立50日!記念品としてTシャツを作ったのでトレーナー諸君は是非着用して欲しい!」
「なんて理事長言ってましたけど、言うっちまうって何なんでしょう?アルトレさんは知ってます?」
「ネイトレさんも知らないのですか?記念、と言うくらいなのでなにかおめでたいことなのだとは思います。問題が有れば駿川秘書が止めているでしょうし」
「それにしたってDay50プリントって正直ダ……いえ、なんでもないです」
「……ところで、シャツの裾を掴んで下に伸ばしていますが、どうかしたのですか?」
「ネイチャに言われたんです。『動いたときだけお腹がチラチラ見えるのって最初から見えてるよりえっちだよね』って……用意されてた中で一番大きいサイズだったのに」
「……失礼しました」
「アルトレさんはいいですよね。おへそがはっきり見えるへそ出しスタイルで」
「ええと……」
「あ、アルトレさんにネイトレさん。お二人もTシャツきたんすね」
「ウオトレ(202)さんも着たん……」
「…………」
「……なにか言ってほしいっす」
「すっごく、パツパツです」
「今にも破けそうですね」
「一番大きいサイズでこれっす。理事長に着たら見せてほしいって言われたんで向かってるんですけど、早く普段の服に戻したいっす」
「……行きましょうか、理事長室」
「……そうですね」
≫115チヨノオートレSS21/11/11(木) 15:04:14
「トレーナーさん、皆で海に行きませんか?」
まだウマ娘になってそこまで時間が経っていない頃。
そう言い出したのはチヨノオーさんであった。同期の皆で慰安で海に行く計画だそうだ
快く了承したが、一つ不安があった
TS物とかで話題になる問題…そう、水着である
私は生物学上女になったので、当然着るのは女物だ
下着に関しては外から見えないのでまだいい
だが、水着は衆目に肌をさらすことになる
まだ男としての感覚が残っている私にはきつかった
そもそも水着選びだってやったことがないのだから
「新しい水着買いに行きましょう!私も付き合います!」
そう言うチヨノオーさんに連れられやってきた水着売り場
色とりどりの水着に目がくらむ
男の頃はそういうのを避けてきたので余計に眩しい
「これとかどうでしょう?トレーナーさんに似合うと思います」
かわるがわる水着を持ってくるチヨノオーさん
そのチョイスはビキニが殆どで露出度が高い
肌はあまり出したくない旨を伝えるも、ウマ娘は尻尾がある都合上ビキニが主体らしい
折角行くのだから可愛いのを買わないのはもったいないとはチヨノオーさんの弁だ
圧倒されていた私は頷くしかなかった
そしてやってきた海水浴当日
着替え場所から出るのを躊躇う私。ビーチは人でごった返しており、水着で出るのは怖かった
116チヨノオートレSS21/11/11(木) 15:04:45
「もうチヨトレさんたら…行きますよ」
「ちょっ!?」
もたもたしているとアルトレさんに引っ張られ、ビーチに連れ出された
私が来ているのはワンピース型の紫の水着
確かにビキニよりは露出が少ないが、胸元は大きく開けており、腰の辺りにはスカート状のひらひらが付いていた
ザ・女の子という感じで恥ずかしい
ただでさえウマ娘は容姿端麗で人目を惹きやすいのに、それがG1を勝ったウマ娘ともなると視線が集中する
「うう…恥ずかしいです…」
思わず胸や腰回りを隠すように手を動かしていた
顔が熱くなっているのを感じる。恐らく私の顔は真っ赤なのだろう
それが男性の劣情を掻き立てると分かっていても、こうするしかなかったのは偏に私の弱さによるものだ
「ふふっ、注目集めちゃってるみたいですね」
「周りは気にせずに行きましょう」
一方のアルトレさんやヤエトレさんはホルターネックやビキニを着こなしていた
堂々としていて凄いと関心する
「似合ってますよ、トレーナーさん!もっと自信もって!」
「は、はいぃ…」
満足したのか笑顔のチヨノオーさん。励まされたけれど、そうじゃないんだと心の中で思った真夏日だった
≫142二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 15:35:02
サメダ
サメが来たゾ!
サメだー!
サメが来たようだな(CV玄田哲章)
ジャマクサイ、シズメヨウ
じゃあ僕がヒレ捕まえるゾ!
なら私は口押さえるー!
I'll be back
ドコイクンダヨコイヤ
お前も押さえるんだゾ!
ほらほら来てよ!
👍
≫156二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 15:47:51
スズトレ「レトロゲーかぁ…64は絶対含まれるとして、ゲームキューブはギリセーフかな?スマブラとか懐かしい…ネイトレやったことある?」
ネイトレ「友達の家で少しだけ。楽しかったですよね、亜空の使者。」
スズトレ「────。
…うんそうだね。ホントに楽しかったよね灯火の星…」
ネイトレ「あの、スズトレさん。無理して平穏装うとしなくていいですから…いつも垂れたりしない耳が思いっきり垂れてますし…」
スズトレ「ごめん…思ったよりジェネレーションギャップきつかった…」
≫171二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 16:00:25
ヘリトレ「仕事の待ち時間によくやったのう、ゲームアンドウォッチ」
オペトレ「いつの時代ですか」
スイトレ「やっぱりがセガサターンが青春だよね~」
オペトレ「ああ、友達の家でよくやったなあ」
ヘリトレ「ぐぬぬ……」
ダストレ「子供の頃あったDSってけっこう分厚かったですよね」
オペトレ「グゥッ」
スイトレ「ひぃん……」
ダスカ「ちっちゃいころ、スイッチが欲しくてパパにおねだりしちゃったわ……」
ダストレ「アバッ」
ヘリサブ「あばば……」
歴史は繰り返すんですわ……(瀕死)
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part427【TSトレ】
≫8たておつ私は吸血鬼出遅れ供養お21/11/11(木) 16:31:03
「私はここであえてお兄ちゃん(カレン)の部屋に突撃!」
「うん、お兄ちゃん(義妹)はお兄ちゃん(カレン)の部屋に来たね? お兄ちゃん(カレン)は部屋のベッドに腰をかけてるよ。どうする、お兄ちゃん?」
「お兄ちゃん(カレン)の隣に座って、お兄ちゃん(カレン)の手にゆっくりと手を伸ばす!『お兄ちゃん、少し……不安になっちゃって。……その、手、繋いでくれる?』。《妹コンボ》『でも今日はここまで♪』を宣言! 《妹術》手を繋ごう+絶対防衛線で好奇属性の萌え攻撃!」
「それなら命中+1でダメボ7だね。きゅんかるまは使う?」
「……まだ切ら……いや、きゅんかるまを1点増やしてダイスを一個増やす!」
「…………なあボノトレ」
「何マヤトレ。あ、ボクはエメラルドピースにしようかな」
「カレトレとカレンチャンは何やってるのアレ」
「ボクらのPC作成待ちの間にルール確認がてら一戦やってるんだって。ちなみにカレトレのクラスはメインリリカルでサブはチャネリング/人間不信だそうだよ。組織は恋愛○軍萌々派」
「クラスにケモノっ娘入れ無いんかい。あと組織お前……」
「それじゃあお兄ちゃん(義妹)の技術値は10だから……11+3d6で判定して♪」
「ダイスは……3と2と6! 命中判定は22!」
「それじゃ回避判定いくね。お兄ちゃん(カレン)はあにかるまを1増やしてダイスを増やす! 回避判定は12+3d6……え、1と3と4……?」
「よし!!」
「えーっと、ダメボは7点で最大ダイスは6。好奇属性だから、DP(ドキドキポイント)は13点上昇……。お兄ちゃん(カレン)は動揺しながら、『えっ。わ、分かった……』ってお兄ちゃん(義妹)の手をゆっくり握ったよ。それじゃあお兄ちゃん、RP通りに手つなご♪」
「えっ」
「あ、次はカレンのターン。お兄ちゃん(カレン)は《兄術》『探しておりました、お姫様』を宣言、頑張り屋さん+カッコつけたがり+カワイイで萌え攻撃ね」
「ごふっ……」
「PLへのリアルダメージが酷い」
「まあPLとGMでお互いダイレクトアタックしていくゲームだよねあれ……」
この後無事お兄ちゃん(カレン)を落とすことには成功したものの告白フェイズで散々揶揄われたのでなんだか試合に勝って勝負に負けたというか全部カレンの掌の上だったんじゃと思ったお兄ちゃんでしたとさ
うまぴょいうまぴょい
≫13二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 16:51:57
海にて
義カフェトレ「みんなお昼にしよう! カフェはこのお弁当箱、黒にはこっちのお弁当箱、タバコはこのお弁当箱だよ。おにぎりはこっちのクーラーボックスに入ってるから好きにとってね」
カフェ「いただきます……」
義「カフェはサーモンフライにレンコン、ほうれん草の和物だよ」
黒カフェトレ「わぁ、とっても美味しそう!ありがとうございます」
義「黒には生姜焼きとピーマンじゃこ炒めとブロッコリー塩炒め、卵焼きだよ」
タバコカフェトレ「……」
義「タバコはカボチャサラダ、大根の煮物、ロールキャベツだよ」
タバコ「少なめで助かるな……いただきます」
ナンダテメエラ
コッチミルナダゾ
ソウダゾー
ショユノハッチュウモウイイモウイイ
チャラ男A「ヤベェ……あのウマ娘ちゃん達ナンパしてぇんだが」
チャラ男B「あぁ……ナンパしたらやべえって俺のバイブスが語りかけてくるyo」
≫30二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 17:16:18
ーーートレセン学園の一角
「…トレーナー?」
「…もう、何か返してよ〜!」
…そういって豊満な胸に顔を埋めるのはキタサンとスイープ。
二人がそれぞれ埋まる胸の持ち主は、勿論担当トレーナーであるキタトレとスイトレだった。二人はその姿にニコニコと笑っている。
ーーーキタトレとスイトレで相談をしていたのは良かったのだが、それが終わってからキタトレにキタサンがいつものように抱きつき、それに対抗心をもったスイープが抱きついたのが今の状況であった。
「もう〜!トレーナーが反応してくれないならこうしてやるわ!」
思わずその胸をペチンと軽くしばくスイープ。たゆんたゆんと胸が揺れるがスイトレは笑っている。
「スイープちゃん!?何してるの!?」
「何か言ってほしいの!もう〜!」
スイープはスイトレがニコニコしたままなのが気に入らないのか何回もしばいてみる。だが相変わらずニコニコしたまま。
「むぅ~!」
じゃれ合う二人を見つつ、キタトレは笑いながらキタに囁く。
「スイトレにとってあれはカワイイワガママなのよ。だからああやって受け入れてる訳。」
「そうなんだね…」
「愛情表現は人それぞれよ。言葉にするには難しいくらいにね。」
「…うん、分かったよ!」
納得したのか笑って返してくるキタに微笑むと、そろそろ止めようかキタトレは動き…
「もう〜!ばかっ!」
ーーースイープは近くにいたキタトレの胸に振り上げた腕があたる。当たったキタトレは表情は変えていないが
「スイープちゃん?!」
それを見たキタも慌てて寄ろうとしてくる。
…スイープからすれば目の前には柔らかいそれがあり、振り向いた先にも大きなそれが二人分。
そしてそのどれもがボヨンボヨンと揺れており…
「…ッ!!」
「スイープ!?待ってー!」
思わず駆け出して扉から出ていくスイープと、それを追いかけるスイトレ。
ドタバタといなくなった二人に対して、キタとキタトレは不思議そうな顔をするのであった。
≫57二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 17:42:45
「……ルドルフ、ポッキーゲームって知ってる?」
「……ポッキーゲーム、か……君がやりたいのなら、やろう」
トレーナー君の話を素直に聞くことにする。
「……まず、ルドルフがポッキーを咥えるでしょ?」
「……ああ」
そう言いながらトレーナー君が私にポッキーを食べさせてくる。
「あ、まだ咥えるだけだからね?食べないでよ?
……そしたら、私も反対側を咥えるから、そのまま二人で両端から食べていく、っていう遊びなの!」
オチが見えたがまあ私達の関係だしそこはいい。
後で、何故こんな方法を取ったのか聞かねば。
そうして、二人でポッキーゲームを始める。
ポリポリと食べる音、徐々に近づいてくる、期待した目の彼女の美しい顔……
そうして、あと少しでキスとなったその時────
「会長。この書類について……」
「「!?」」
エアグルーヴが入ってくる。驚いてしまい、ポッキーが折れる。
「……か、会長……その、そういうことはトレーナー室でやって欲しいと何度も申し上げたはずですが……」
「ち、違うんだエアグルーヴ、今回ばかりは私も騙されて……」
この後、エアグルーヴに怒られたが、よくよく考えると彼女も大概だった。
────ついでに、ルドトレは監禁された。
≫62二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 18:04:20
「はぁ……ふぅ……。ふふ、お兄ちゃん、そろそろ負けを認めたらどうかなぁ……!」プルプル
「何を言ってるのお姉ちゃん……、お姉ちゃんこそ負けを認めたら? ほら、もうポッキーのチョコが溶けちゃってるよ?」プルプル
「意味が分からないかなあお兄ちゃん……!」プルプル
「……なあボノトレ」
「何マヤトレ。マヤノちゃんとポッキーゲームしたって噂本当?」
「誤解だからな!? ちゃんと誤魔化して違うポッキーゲーム提案したから!」
「そんなに否定するのが怪しい……と言いたいところだけどまあ今回は信じてあげるよ……」
「なんか妙に優しいなボノトレ……。あ、やっぱアケボノちゃんとポッ……」
「マヤトレ。」
「はい……」
「……で、何の話だったのマヤトレ。そこでポッキーゲーム開始してから既に2時間経過してるカレトレとカレンチャンの話?」
「ああうんそ……え、2時間!? バカじゃねぇの!?」
「失礼だよマヤトレ。あの二人にも譲れないものがあるんだよ……」
「お互い顔真っ赤にしながらプルプル震えてまで? っていうかどうやって喋ってるのあれ」
「まあカワイイで何とかしてるんじゃない」
「……もうそれでいいか」
「ふ、ふふふ、埒が明かないねお兄ちゃん……!」プルプル
「私このポッキーはお姉ちゃんに多く食べて欲しいかなぁ……! 最近スイーツを取り過ぎてる気がするから……!」プルプル
「それを言ったらむしろカレンよりお兄ちゃんが食べるべきじゃない……?」プルプル
「うっ確かに……? レースの制限もあるなら私の方から食べ進めるべき……?」プルプル
「さあお兄ちゃん……! 来て…………!」プルプル
「なんかもう少年漫画で上から見下ろしてくるタイプのボスの『さあ、ここまで来るがいい!』とかそのタイプの『来て!』だなあれ……」ポリポリ
「大変だねぇ……」カリカリ
この後更に3時間経過したものの結局決着はつかず、かといって何か進みそうな雰囲気も無くお互い色々限界になりつつあったので見かねたボノトレが真ん中を割って終わらせましたとさ
うまぴょいうまぴょい
≫70二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 18:16:12
「ポッキーゲーム……ですか?」
「はい、流行っているとか」
「……どの様なゲームなのでしょうか」
「詳しくは……なんでも先に折れた方が負けらしいです」
「なるほど……なるほど……きっとこれは子供の遊びなのでしょう」
「子供の?」
「ええ、ポッキーを剣に見立てぶつけ合う……そして先に折れた方が負け……この様な遊びなのでしょう」
「なるほど!」
「グラス、私達もやってみますか?」
「食べ物で遊ぶのは……」
「……そうですね、普通に食べましょうか」
≫123平成三強+1トレ評 byイナリ21/11/11(木) 19:39:06
ウマ娘になったトレーナーについて聞いて回ってんのかい?
するってぇと、あたしんとこのは違うね……つうわけで他をあたってくんな。
……何? 身の回りのトレーナーでいい? へえ、そんなら一丁、このイナリワンが語ってやらぁな!
初めは……タマんとこかな。いやぁ、あの偉丈夫がウマ娘になっちまった時にゃそりゃあ魂消たさ!
当の本人はあの体を気に入ってるみてえだし、外野が口挟むもんじゃねぇけどよ。
……いやさ言わなきゃいけねぇことが一つあらぁね。下着のことさ。サラシの一つでも巻けってんでぃ!
面倒見もいいし、あれがなきゃ気のいい兄ちゃんなんだがねぇ……まあ、タマが何とかするだろぃ。
気のいい兄ちゃんと言や、オグリんとこもそうだな。随分と粋なお人でなあ。
器がでかきゃあ飯も美味い、猫も杓子も客も取るたあ、ああいう御仁を言うもんよ。
ウマ娘になってこっち、オグリがちょいと何か気にしてたが……今はすっかり元の通りってな。
そうそう、見てくれはかなり変わったねぇ。前ほど首は疲れねえが、代わりにオグリによく似て姉妹みてぇだよ。
ああ、クリークんとこの栗毛の方のはこれまたクリークによく似ちまってなぁ!
おまけに輪をかけて世話好きになっちまったもんだから、クリークが二人いるようなもんさ!
贅沢な体つきまでよく似て、初めてあの姿を見たタマの顔は……ふふっ、もう暫くは忘れられそうにねえや!
近頃は時々「めいど」の恰好してるけどよ……あの人、あんな子供っぽい性格だったかねぇ?
同じクリークんとこでも、黒鹿毛の方のは反対に控えめでな。意見するにも後からってな具合さ。
ただまあ、その分よぅく見てるよ。ちょっとした不調でもすぐに見抜いちまう。あの眼鏡のお陰かね。
そういや、休みの日にちょいと出かけたら、真剣な顔して蹄鉄見ててなぁ。帰りに寄ったらまだ見てたのには驚いた!
大丈夫かい、って思わず声かけちまったよ……ま、困ってんなら見捨てねえのが粋な江戸っ子ってもんさ!
っとォ、すまねぇが時間だ。これから併走するのさ。タマやオグリ、クリークとな。
……最後にひとつ? 何だい何だい……ああ、あたしんとこのがウマ娘になったら、かい。
てやんでい、そんなの決まってらぁ! いの一番に駆けつけて、思いっきり背中叩いてやんのさ!
どんな姿になったって、あたしがとーんと来たお前さんに違いねえだろってな!
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part428【TSトレ】
≫23チヨトレマッサージ道21/11/11(木) 20:33:18
マッサージ店開店初日
複数の学園関係者を相手にし、時間は過ぎていった
いつの間にか日が落ち、空が茜色に染まりだした頃
新たなお客さんがやってきた
「こんにちは、まだ営業してるかな?」
現れたのは黒髪碧眼のウマ娘
確かファインモーションさんのトレーナーさんだ
その身長は170㎝
スズトレさんとほぼ同じだが、それ以上の圧迫感を感じていた
スズトレさんは女性的な要素が強かったが、こちらは男性的な要素が強い
例えるなら、王族に使える騎士のような感じ
ファインさんはアイルランドの高貴な家の出なのであながち間違ってないかもしれない
「施術を始めさせていただきます」
「では、お願いするよ」
彼女の体を触ってみて最初の印象は、えらくがっしりしているという事だった
アスリートの体ががっしりしているのは一般的に見られるありふれた事象だ
これまで訪れたトレーナーの皆さんもそうだった
でも、ファイトレさんは違う
通常レースをを走るのに使わない筋肉まで鍛えられている
全身を満遍なく鍛えている証だ
彼女はファインさんの敬語も担当していると聞く
もしかしたら、その為なのかと朧げながら思った
24チヨトレマッサージ道21/11/11(木) 20:34:01
「んん…やはりこういうのは気分がいいね」
「そう言って頂けて何よりです」
施術後に背伸びをしているファイトレさん。そんな彼女に対し、施術中に聞いてみたことがあった。
「ファイトレさんはトレーナーになる前は何をされていたんですか?」
それはふと出た疑問だった。彼女の体を触ってから感じた印象についての答えを求めたのだ
何気ない会話の中の出来事
それを聞いたファイトレさんは目を丸くした後、微笑みながら答えた
「それは企業秘密とさせて頂こう」
そりゃそうだ。他人にプライベートを易々と語る訳はない
ちょっと不躾な質問だったかもしれない
そう自分で納得して話は終わった筈だった
「そうだ、チヨトレさん。マッサージのお礼に一つアドバイスを送ろう」
帰り際、マッサージ店を出たファイトレさんはそう言ってこちらに振り返った
なにやら私に話があるようだった
「君の情報収集力については聞いている。勝利の為に情報を貪欲に分析する姿勢は驚嘆に値するよ」
すっかり高度が落ち、橙に染まった校舎
私の位置からはファイトレさんの方向には太陽があり、逆光でよく見えない
「だが、世の中には知らない方が良いこともある。覚えておくといい…」
25チヨトレマッサージ道21/11/11(木) 20:34:22
その顔は夕日で見えない
どういう表情をしているかも分からない
けど、それが何故かとても恐ろしく感じて
私はその言葉を自然と心に焼き付けた
ああ、私は何か触れてはいけないものに触れたのだと、今になって思う
≫37二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 20:44:00
とあるウマ娘とグラトレ(独)の話
「……そうですか……トレセンから離れるのですね……」
「はい! 師匠に教えて貰った道へ本格的に進もうと思ってます!」
「私は師匠と呼ばれる様な事は……」
「いえ! 私の適性に気が付かせてくれた師匠は、間違い無く私の師匠です!」
「…………そう言ってくれるんですね」
──彼女は地方から中央へと移籍して来たウマ娘だ。
地方ではそれなりに活躍したウマ娘だったらしいが、トレセンに来てからはレースに勝利する事も出来ずトレーナーも着かない……
そんな感じで燻っていた彼女の自主練を見掛けたのは何かの偶然だったのだろう。
彼女のトレーニングを見て直ぐに分かった、彼女は走るのに向いていない。
彼女は他の娘よりも強い力を持ち、それを活かせる優れた体幹を持っていた。
地方に居た頃は力に物をいわせた加速力で序盤にリードを作り、中盤に抜かされても、終盤に再度加速力で抜き去る……そんな戦法で戦っていたという。
しかし、中央のレースでは同じ戦法を取っても、中盤に完全に追い付けない距離を離される様になってしまった。
彼女は他のウマ娘よりも優れた面は有った……ただ、ウマ娘の走る様な長い距離に向かなかったのだ……
俺が話し掛けた時には彼女もその事を理解していたのだろう……彼女にレースよりも適した道が有ると伝えた時に素直に耳を貸してくれたのだ。
それからはグラスとは別に彼女を指導していた。
あくまで俺はグラスのトレーナーだから付きっきりとはいかなかったが、それでも彼女は俺の見立て通りに才能を開花させたのだった。
38二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 20:44:26
「師匠には感謝の言葉しかありません……中央のレースで勝つという夢が叶わなかった私に、新たな夢を与えてくれました!」
「……………」
「それで、師匠への感謝をトレセンから出る前に伝えたかったんですが……何を伝えれば良いかが分からず悩みました……」
「充分伝わりましたよ……ここまで感謝されても良いのかと思うくらいに」
「いえ、私は全然充分じゃ無いです! ……なので考え抜いて辿り着いた私なりの師匠への感謝、受け取ってください!!」
そう言った彼女は木刀を取り出して構え、裂帛の剣気を発する。
俺が彼女に見出した剣術の才能……まだ教え始め間もない筈が、既に並を超えている剣気を発する彼女は言葉を紡ぐ。
「師匠……私がどれだけ腕を上げたか……見て貰えますか!!」
「…………ええ、ええ! 受けて立ちましょう!」
俺は挑戦を受け事にした……彼女の想いを無下にする筈も無く、何より俺の闘争心が疼いて仕方無い。
彼女の木刀に合わせる様に俺も木製の槍を構える。
間合いでも経験でもコチラの方が有利な筈だが、彼女は俺に勝てると信じて自身を疑っていない。
……彼女は強い……間違い無い…………だが、負けるつもりなど無い……勝つのは俺だ!
「では、師匠! いざ!」
「尋常に……」
「「勝負!!」」
39二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 20:44:53
開始と共に彼女は勢い良く突進して来た。
彼女の優れている膂力のままに力強く、力強く、地面を踏み付けて繰り出される突進は一瞬で間合いを詰め懐へと入り込んで来る。
……だが想定内……右手を引き左手に力を込めて石突側の柄で打撃を放ち迎撃する。
しかし彼女は柄の打撃を刀身で受けつつ身体を捩り、打撃の威力をそのまま載せて回転斬りとして放ってきた。
俺は槍の柄で彼女の回転斬りを受け止めるが……
「くっ!? …………チッ!!」
あまりの威力に受け止めるのは無理だと判断して上へと流す。
打撃の威力を載せた回転斬りは彼女の膂力と遠心力も合わさりコチラを弾き飛ばすレベルの威力となっていたのだ。
……正直彼女の膂力を低く見積もり過ぎていたらしい、柄が耐えてくれて助かった。
……どうやら彼女はウマ娘と化して久しく戦っていなかった膂力が遥かに上の相手の様だ……人の身でウマ娘と戦おうとしていた頃の戦い方を取ろうじゃないか。
──即ち徹底的に打ち合いを避ける戦法を。
回転斬りを受け流され体勢を少し崩した彼女に突きを放つ……が、紙一重に躱される。
しかし、元々面という意味では当て辛い突き……避けられる事など組み込んでいると、突きを躱した彼女に先程と同じ方法で柄による打撃を浴びせる……今回は姿勢に無理が有るので威力はほぼ無い牽制だが……
彼女は先程と同じ様に刀身で受けるが、突きを避けた直後で体勢が悪く回転斬りは行えない……そう考えていた俺に2本目の木刀が攻撃して来た。
「なっ!?」
思わず後ろに飛び退き距離を離す。
そして不意の二刀目で攻撃してきた彼女は、まるで最初からそうだったかの如く二本の木刀を構えてみせた……
40二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 20:45:16
「…………二刀流……独自で?」
「はい、師匠への礼を考えている時に天啓とも言える閃きが有りました」
二刀流を行う上での問題……
剣を片手で持つ際の両手持ちに比べて威力が足りない点を、持ち前の膂力で……
剣を両手に持つ際の重量物を両手に持つ難しさを、優れた体幹で……
それぞれ解決しているのか……
……本当に剣術を始めて間もないんですか?
「どうですか、師匠!」
「素晴らしいですね、闘争心が滾りますよ!!」
「師匠に喜んで貰えて嬉しいです!!」
短い会話を交わし再度切り結ぶ為に距離を詰める。
俺は薙ぎ払いで彼女の突撃を潰し、下に躱した彼女に遠心力を載せた突きを放つ。
彼女は槍の側面を片方の剣で弾き突きの軌道を逸し、もう片方の剣を構え距離を更に詰める。
身体を捻りって彼女の剣閃を躱し、身体を捻った勢いのまま45度程の短い薙ぎ払いを行う。
彼女は剣を振った勢いで下に躱したが、無理が有ったのか体勢を崩してしまった。
好機だと判断し半歩身を引くと同時に槍を引き、完全に体勢を崩した彼女に本気の突きをぶっ放した。
──膂力で勝るウマ娘との打ち合いを避けるべくウマ娘化前から研鑽してきた突き……ウマ娘としての膂力を載せて放つそれは神速に到達しているとグラスは評価する……そんな突きを。
「…………参りました」
「良い……戦いでした……」
首筋に木製とはいえ槍の切っ先を突き付けられた彼女の敗北宣言でこの度の戦いは終わりとなりました。
41二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 20:45:43
「師匠! 本当にありがとうございました!」
「いえいえ、私も愉しませて貰いました……お礼に…では無いですがコレを貴女に」
「手紙? ……と、連絡先ですか?」
「剣術道場への紹介状です……その剣術道場はウマ娘にも指南している所でして、師範さんは私も以前……ウマ娘となる前に何度か手合わせをした相手ですので信頼は置けますよ」
「あっ……ありがとうございます!」
「ふふっ、師範さんも貴女を見たら逸材だと小躍りしそうですね」
「師匠……ありがとうございます……でも、1つだけお願いしても良いですか?」
「良いですとも、なんでしょうか?」
「師匠……私がもっと強くなったら…………もう一度戦ってください」
「…………ええ、ええ、もう一度と言わず何度でも……次も負けない様に私も研鑽していますよ」
「やった!! 約束ですからね!」
「ええ、お互い研鑽しましょう……誓いの餞別です」
「これは……槍の穂先?」
「私に勝って返してくださいね?」
「…………はい!!!」
──数日後、1人のウマ娘がトレセンから去り新たな道へと歩み始めたのだった……
42二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 20:46:08
……1人のウマ娘が学園を去った日の夜……トレセン学園の1番上に1人のウマ娘が静かに座っていた。
『飛べぬ鳥 歌に才有り 導くも 教えし者が 是非に迷うか』
「…………いまいちだな」
そうグラトレは独り静かに自嘲する。
思い返すは今日旅立った彼女。
彼女は吹っ切れているのだろうが……俺はこれで良かったのかと悩み続けている……
「中央のレースで勝ちたい……その夢を塗り変えてしまったな……」
彼女が夢を掴めたのかは分からない、だがトレセンのトレーナーとして後押しをした方が良かったのでは無いのか……?
答えは間違い無く出ない……
「…………それでトレーナーさんは、今日落ち込んでらしたんですか?」
「…………グラス!?」
「私の気配に気付かない程に落ち込んでたんですね」
何時の間にか俺の愛バが隣に立っていた。
「……こんな深夜に寮を出たのか?」
「ヒシアマゾン先輩には許可を貰ってますよ……無理を言いましたからね、今度菓子折りを持って勝負を挑まないといけません」
「……そうか……グラスの予定を調整しないとな」
「あら? トレーナーさんもヒシトレさんとタイマンですよ?」
「俺も?」
「トレーナーさんの事で無理を通したんです、当然ですよ」
「…………そうだね」
いつもなら愉しく笑うんだけど……今日はちょっとそんな気が起きない。
43二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 20:46:33
「……今日のトレーナーさんは弱々モードですね〜」
そう言ったグラスはコチラの頭を抱き抱え、
「いつも頑張ってるんですから……私の前でくらいなら泣いても良いんですよ?」
そんな優しい言葉を言ってくれる。
「優しいなグラスは…………甘えて良いのか?」
「良いと言ってますよ」
「そうか……」
そう言って優しく抱き締めてくれるグラスの胸の中で少し泣かせて貰った。
「トレーナーさんは頑張ってますからね~」
頭を撫でる手に感謝しながら……
「もう、大丈夫ですか?」
「ありがとうグラス、大丈夫だよ」
「久しぶりですね~、トレーナーさんの弱々モードは」
「そうだな……」
「夢を塗り変えてしまった迷いと……旅立たれて寂しくなっちゃったんですかね?」
……どうやらグラスには見透かされているらしい。
「そうだね、迷いと寂しさ……かな」
「ふふっ、妬いちゃうくらい大切に思われてたんですね~」
もう1人の担当ウマ娘……短い間だったがきっと彼女はその様な存在だった、だからこそ彼女の旅立ちに迷い寂しがるのだろう……
「いつか手合わせをしてみたいものですね」
「彼女は強いよ?」
「俄然やる気が出るというものです」
「ふふっ」
旅立った彼女の幸ある未来を信じてグラスと夜が明けるまで星を眺めるのでした……
44二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 20:47:02
──後日談
トレーナーサーンデンワデスヨ-、トレーナーサーンデ…ピッ
「はい、グラトレですが〜」
『……やはり慣れんな』
「そのお声は剣術道場の師範さんでしょうか~」
『そうだ……話はお前の送って来た者の事だ』
「中々の逸材でしたでしょう?」
『それはそうだが、お前!!「地方から来た剣の逸材を送りますので面倒を見て上げてください」って言うだけで、言うなら性別も言えや!!』
「私の紹介なのでウマ娘なのは予想付いたでしょう?」
『普通は独り暮らしの男の所に年頃の娘を送らんわ!!』
「独り暮らしとはいえ50になった師範さん相手なら、師範さんが耐えたら大丈夫でしょう? 師範さんなら耐えれますし」
『いや、それが『あっ旦那様! 電話から聴こえる声は師匠ですか!? 替わってください!!』
「…………旦那様?」『アッチョッ……』
『師匠! 私です! 師匠にお礼が言いたかったんです!!』
「お礼なら以前充分貰いましたよ」
『いえ、この様な出会いを作って頂いた事です!!』
「ええ、良い人でしょう師範さんは」
『はい! 私の好みドストライクのナイスミドル……それも未婚の方だなんて!!』
「………………ん?」
『大丈夫です! 私も乙女! 不埒な真似はせず、先ずは胃袋から掴みます! それで師匠は旦那様の好みの料理を知っておられますか!?』
「…………鮭のボイル焼」『チョッ!?』
『師匠、ありがとうございます!!』
「……では、祝辞の言葉を考えていますね」
『はい!!』『グラトレ、キサマァァァァァ!!!!!』
ブツッ…………ツーツー
「……どうやら俺は彼女に良い道を示せていた様だな」
────彼女の未来に幸があらん事を
≫53二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 20:55:37
俺はどこにでもいる新人トレーナー。
絶賛勉強中の身分だが、今回はあのシンボリルドルフ会長のトレーナーに色々教われるとのことで、嬉々として彼の部屋に向かうと……
「失礼します。シンボリルドルフ担当トレーナー様はいるでしょうか」
「うーん……あっ、あー!どうぞ!鍵は開いてますから!」
中から可愛らしい女性の声がする。まさか風のうわさで聞いたウマ娘化という奴のせいなのだろうか、或いは単にサブトレーナーがいるのか……
「お邪魔しま……す……」
そこに居たのは、レディーススーツに赤い眼鏡、チョーカーをした、世が世なら後宮を牛耳ってそうな雰囲気のウマ娘……耳飾りはダイワスカーレット等と同じ側で、チョーカーをよく見るとそこにはトレーナーバッヂが光っている。ノートPCで何か打っていたのかPCは開きっぱなしだ。
「あ、君が今日来るって言ってた新人トレーナーさんだよね?」
「ええ。ということは貴女は……」
「その通り。私はシンボリルドルフ担当トレーナー……チーム《プラエトリアニ》トレーナーと言ってもいいかな?で……まあ、今日はよろしくお願いします!」
「え、ええ……よろしくお願いします」
話しかけてくれる彼女の顔は優しげだが、若干話しかけにくい。こう、うっかり親しげにすると何か大きな罠があるのではないかと思ってしまう。
「それじゃあ……今日はチームのみんなのトレーニングについてとか色々見てもらうね?」
「はい!」
そう言い、俺は咄嗟にメモ帳を取り出す。
────そうしてトレーニング用のダートコースに俺は連れてこられた。
「トレーナー君。彼が件の新人トレーナーか。……ご存知だろうが私はシンボリルドルフ。生徒会長と本チーム《プラエトリアニ》のリーダーをしている」
そのまま流れるようにシンボリルドルフ会長の前に(間違いなく悪気はないのだろうけれど)突き出された俺は、少し固まってしまうのだった……
────結局、今日の研修で学べたことは多いけれど、俺に威圧感あるウマ娘の担当は無理だということもわかった。
≫74二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 21:25:24
『買い物トライフォース』
「テイクオーフ,マーベラス,アハハハハ---」
「……なあマベトレ」
「なーにーかーなーマヤトレー?ほらほらこれもよさそうだよー」
「なんで、俺も買い物に付き合わされてるんだ?」
「それは、マーベラスだからだよー☆」
「答えになってねえよ。」
「マヤノドノナント、アチラニマァァーベェラスナルモノガ」
「ホントダー!ジャアイッテミヨ-」
「こういうのって保護者が必要でしょー?。マヤトレもいると何かと便利かなーって、後マヤノちゃんの希望だしねー」
「それはいいが、ロリ三人に大人が一人って俺の世間体が増々危うんだが」
「まあまあ、ご飯は私がおごるよー☆」
「トーレーナーチャンタチナニヤッテルノハヤクハヤクー」
「マヤノちゃんたちが呼んでるよーマヤトレも走ってー走ってーじゃないと見失っちゃうよー☆」
「体力が有り余るお前たちと違って俺はなぁ、くそーこういう時羨ましいと思ったことないぞ」
その後マヤトレは3人に散々振り回された。
マヤトレの体力が下がった
マヤトレの疑惑が上がった
≫92二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 21:39:39
通り雨 テイトレとウオトレ202
「(…これは、降り止まなさそうだなぁ)」
閉まったシャッターに背を預けてテイトレは一つため息を吐いた。
一人で買い物をしていた途中、通り雨と言うには強い雨が降り出して濡れ鼠のようになりながら寂れた通りの軒下に駆け込んだのが十数分前のこと。
通りかかる人も、町中の騒音も聞こえない…まるで世界に取り残されたような感覚を彼は感じていた。
充電の切れそうなスマートフォンで友人達に連絡をしようとして何度も止めた。自分なんかの為に手間を掛けさせるのが申し訳なかったからだ。
ならば走り抜ければ、と行きたがったが雨が強まるにつれ痛み出した左足がそれを許してはくれなかった。
「(どうしよう…かな…)」
濡れて張り付いた服に不快感を覚えながら幾度目かのくしゃみ。とうとう耐え切れずにズキズキと痛む左足を握り締めて服が汚れるのも気にせず座り込んだ。
「(大丈夫、大丈夫…すぐに、止む。消える)」
三角座りで立てた膝に額を押し付けて俯く。雨音だけが耳に届く静かな空間で唯一人、耐えるように。
どくりと心臓が跳ねる。口の中に苦味が襲い濡れて震える身体を冷や汗が身を、心を冷やす。
嫌な思い出が次々とフラッシュバックしていく。痛いくらいに傷跡を握り締めながら荒れた息を整えようと無理矢理息を吸った。
「…テイトレ?」
「…ウオ、トレ」
聞き覚えのある声と前に感じた気配に顔を上げるとその丈に見合った大きな傘を差した猫背の赤緑のオッドアイのウマ娘…ウオトレが立っていた。
「何やってんすかこんなところで…雨宿りにしてももっといいとこあるでしょ」
そう言いながらぐいと手を引きテイトレを立たせる。うおめっちゃ濡れてるっすね…なんて一人ぼやきながら。
「ほら行くっすよ。とりあえずトレセン行って身体乾かさないと…」
「あ…えっと…その」
歯切れ悪く目を泳がせるその姿を見てウオトレは首を傾げながら続きを促す。
「俺今…足が、上手く動かないから…迷惑になるからさ…放っていってくれて…」
「…はぁ?」
思わずと言わんばかりに漏れ出たため息を隠そうともせずに目つきの悪い顔に手を当てて苛立ったように続ける。
93二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 21:40:02
「なんすか?テイトレの中で俺はそんなくだらない事で友達置いてくような薄情者だったんすか?なんならお姫様抱っこで担いでいってやりましょうか?」
腰を掴んで担ごうとするその手からバタバタと逃れて大人しく並んで歩き出す。
下を向いて歩いているせいで自分の遅い歩みに合わせる為に歩きづらそうに歩幅を狭めているのが分かって気分が暗くなっていく。
「…ウオトレ、その…迷惑かけて…ごめ」
「俺気がついたんすけど」
謝罪の言葉を言い切る前にウオトレが口を開いて傘を持っていない方の腕を芦毛の頭の上に乗せた。
「こうして並ぶと丁度テイトレの頭が肘置きにピッタリなんすよねぇ…楽っす」
「…あぁ!?身長マウントか!?喧嘩なら買ってやんぞ!」
「ふっ…くく…やっと調子戻ってきたっすね!小さいんだから顔上げて胸張ってないとジェットコースターにも乗れないっすよ!」
「なんだぁてめぇ…猫背のお前に言われたくないわ!手ぇどけろ!」
小さな歩幅と大きな歩幅。足取りは違い、歩みは遅い。
そんな見た目も境遇も違う二人の穏やかな話し声と笑い声が雨音の響く静かな道で確かに聞こえていた。
───side.モブ
「うおっすげぇ身長差…いいじゃん(いいじゃん)」
「私のシックスセンスが告げているわ…青メッシュの娘の包容力受け…!」
「バカね…芦毛ちゃんの生意気な口から始まるじゃれ合い…そして夜に仲直りの甘々…これよ!」
「生もので想像するのやめなさいよ…(仲良しで平凡な日々の健全きらら枠なのよね…)」
≫9511821/11/11(木) 21:41:46
いよいよジョートレの登場です!!
朝起きたら私の身体がウマ娘になっていた。
なのでメガネを掛けてから
担当のトーセンジョーダンに連絡をした。
今トレセン学園のトレーナーたちがウマ娘に
なる現象が相次いでいたので覚悟はしていたが、
いざ急にこうなると理解が追いつかない。
とりあえず鏡の前に立ってみた。
そのまま自分がウマ娘になったようだ。
そして何より···
ムニュ「やわらかい。」
「ってコラー!!」
「あ、来たねジョーダン。」
「「あ、来たねジョーダン。」じゃなーい!!
何触ってんのトレーナー!」
「いや、女の子になったから···。」
「いやアンタそんな感じだったっけ!?」
ああ、やっぱりこの娘はかわいいな。
「いや、何ニヤニヤしてんのトレーナー!?」
「あ、ゴメンジョーダン。後せっかくだから
あなたの服貸してくれない?」
「せっかくってドユコト!?
···あー、もう!わかったって!
じゃあ私もせっかくだからアンタのこと
みんなと一緒にめちゃイケな
ウマ娘にするからね!!」
「フフ、ありがとうジョーダン。」
とりあえずこんな感じでどうでしょう?
≫112二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 21:51:59
「ドトトレさんの、バカァ……!!」
「だ、大丈夫ですかぁ?トレーナーさん、というかネイトレさん……」
「胸が苦しいと思ったら、なんでサラシなんて!よりによってこの大きさで!?」
「それはその、トレーナーさんなりの考えがあってぇ……」
「……ドトウ。貴女からもドトトレさんに言ってあげて」
「ええ!?でも、私なんかの言葉じゃ……」
「大丈夫。貴女だから言える言葉があるの」
「な、なんですかー……?」
「……この量で見合ったブラ着けないんなら、たとえウマ娘でも早々にだるんだるんに垂れてひどい事になるって」
「ひえぇぇぇぇぇぇ!!!??」
≫126二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 21:55:42
ーーードリームトロフィーリーグ、その舞台たるレース場の地下バ道にて。
「…キタ、調子はどう?」
「勿論、ばっちりだよトレーナーさん!」
「ならいいわ、キタが調子。崩すとは思えないけど、絶対はないからね。」
…そう話し合うのはキタサンとキタトレ。その勝負服に身を纏ったキタは、キタトレに向かい合っていた。
「ドリームも結構長いこと走ってきたけど、まだまだ走るつもりでしょう?」
「うん、まだまだ私は走れるからね!」
「…そうね、ならキタに辞めるタイミングは任せるわ。」
「えへへ、分かったよトレーナーさん。」
「キタが無茶しないなら、私から言うことはないわ。」
そこまで話した所で、一旦言葉を切ったキタトレは目を閉じ、そのままキタに言い放つ。
「ねえキタ、今回もいつもと同じように遠慮なく走りなさい。」
一瞬キョトンとしたキタは、すぐに
「うん、当たり前だよトレーナーさん。『唯一抜きん出て並ぶ者なし』でしょ?前にトレーナーさんが教えてくれたよね。」
「その通りよ、このレースに出てくる子は皆ライバル。なら、手加減なんてする方が失礼じゃない?」
…そうやってトレーナーと駆け抜けた三年間のことを考えつつ、キタは大きく頷いた。
「うん!」
「だからこそよ、…キタ、思う存分に走ってきなさい。」
…そこで目をうっすらと開けたキタトレはキタを見据える。キタはいつものその笑顔ではなく、キリッとした顔で
「そうだねトレーナー、私は負けないよ。例えーーー誰が相手でも」
ーーーその不敵な笑みを浮かべる顔が、その王者の如きその気迫が、その自信に満ちた目が。
キタトレには眩しいほどに輝いて映った。それに思わず口元を緩めてしまう。
「…そうね、キタ。なら皆に焼き付けてあげましょう。貴方のその走りをね。」
「…うん、行ってくるよ」
「ええ、いってらっしゃい。」
その気迫のままに歩いてターフに向かうキタを見送りながら、彼女は考える。そして小さな声で呟いた。
「『Eclipse first the rest nowhere』…、私は、輝く太陽である彼女こそがこの言葉にふさわしいと思うわ。…ふふっ。」
…地下バ道を歩く彼女の顔は、奇しくもキタサンと同じく不敵な笑みを浮かべていたのだった。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part429【TSトレ】
≫64チケトレの人21/11/11(木) 22:43:30
では拙いかもしれませんが…
ふたりのせんぱい
午後1時、土曜の昼下がりにタイトレとハヤトレがチケトレの部屋のインターホンを鳴らす
チケトレがプライベートで孤立しないように定期的にチケトレの家を訪問する─
二人で話し合い決めた習慣だった
「入るぞーチケトレー」
「おみやげあんぜー一緒に食おうやー」
二人が声をかけるが中からは部屋の主は出てこない
「いつもだったらすぐ出てくるんだがなあ」
タイトレが不思議そうに首をかしげる
「ねてるんじゃねえのかー?」
間の抜けた表情でハヤトレが答える。
「ま、扉は空いてるしさっさと入るか」
そういってハヤトレはドアをガチャリと開けてずけずけと入っていく
バカに遠慮と言う概念はないのだ
ハヤトレに続きタイトレも中に入り、リビングに行くとチケトレが布団の上ですうすうと寝息をたてていた
「ありゃ、ねてたか」
「まっ、こんな陽気だからな。ねちまうのも無理ないか」
ウマ娘化してからそこまで日が経っておらず安定剤のお世話にもなっている現状、心労もかなりのものだろう
寝かせてやった方がいいか。
そう思い、タイトレとハヤトレはリビングから出ようとする
66チケトレの人21/11/11(木) 22:44:20
「ん、うぅ…」
うなされているのか、チケトレの顔が強張る
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
涙を浮かべ、そこには居ないはずのものに強迫的に謝罪の言葉を並べる
「おれがなにをしたって言うんですか。好きでウマ娘ぬなった訳じゃないのに、すきでこの格好に生まれた訳じゃないのに!!」
涙声になり不明瞭ながらも感じ取れる恨み言にタイトレ、ハヤトレの顔が一瞬しかむ
「助けてください…先輩、チケット…」
親にすがり付く子供のように弱々しく発せられたSOS─ふたりは床に座るとチケトレの頭を撫でる
絹のような白い髪がさらりと揺れた
「安心しな。オレ達はいつでもお前のそばにいるから」
「お前と約束を違えるつもりはないから安心しろよ」
子をあやすように、安心させるように呟くとチケトレは安心したよう少しずつ呼吸を落ち着かせていき、再び穏やかな寝息をたて始めた
67チケトレの人21/11/11(木) 22:44:58
「はっ!?」
がばっとチケトレが起き上がる
「おう」
「お邪魔してまーす」
ソファに座り、すっかりくつろいだ様子で二人がチケトレに挨拶する
「すいません寝ちゃってたみたいです」
「まっ、気にすんな!」
「先輩が来てるのに寝てるなんて悪いやっちゃな~っ!!」
BがWの髪をわしゃわしゃとやり、Nが背中をばしばしと叩きながらWをソファに座らせる
「今日はたっぷりと遊ぼうぜ」
「おみやげもあるからな!!」
「はい…ありがとうございますっ」
ふたりの優しさにチケトレの目にうっすらと涙が浮かぶ
悪夢だろうがなんだろうが三人いれば大丈夫。
ふたりの先輩は─おれにとって最高の先輩です。
≫107チヨノオートレSS21/11/11(木) 23:01:19
場所は千葉県、中山レース場
この日、十万人近い大観衆がここに詰めかけていた
なぜなら、トゥインクルシリーズの一年を締めくくる大レース
グランプリ――有馬記念が開催されるからだ
「どうですか、チヨノオーさん」
「正直緊張してます」
レース前の最後の時間、レースに向けて最終確認するグループがあった
ウマ娘のサクラチヨノオーとそのトレーナーである
二人はいつも以上に計画を立て、同時に緊張していた
このレースは日本ダービー後の怪我からの復帰レースであるからだ
いや、それだけではない
今日のレースは有馬記念
日本を代表するG1であり、シニア級のウマ娘も参加してくる
今までクラシック級としか走っていなかったチヨノオーにとって、初めて格上に挑む機会でもあった
その手は汗に濡れ、心臓の鼓動は早く、体は震えている
だがしかし、その表情に弱気な雰囲気は皆無だった
その様子からして、震えが武者震いであることを示していた
「でも、それ以上に楽しみでしょうがないんです」
一点の曇りもなく、レースへの期待を語るチヨノオー
そこにかつて不安にかられた姿はない
「それは上々」
一方のチヨトレはかつての脆さを克服しつつあり、新たな段階へ踏み出そうとしている
108チヨノオートレSS21/11/11(木) 23:01:51
「万事を尽くしました、あとは天命を待つだけです。おおよその展開予想は話していますが、相手は国内トップクラスのウマ娘達です。その通りなるかは分かりません。」
「大丈夫、私はやってみせます」
「…愚問でしたね」
苦笑するチヨトレ。ニカッと笑うチヨノオー
そう、挫折は味わった、実力は弁えている、血のにじむような努力をした
後はこの大舞台で、それを発揮するだけ
ただターフを見据えるチヨノオーの目には、勝利への執念がある
故に、最早心は定まっている
例えどんな逆境であろうとも、信じるのみだ
「優勝レイ、持って帰ります!」
「いってらっしゃい!」
数多の思いを乗せて、今年も最後のG1が幕を開ける
≫137二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 23:17:06
◆ポッキーゲーム・ネイトレ編
「それじゃネイチャ。やろっか!」
「おおう、いつにも増してやる気だねートレーナーさん」
「それはね、今日が特別な日だからだよ!」
毎日がスペシャル、とは言っても11/11はやっぱり『ポッキー&プリッツの日』。そしてここ、トレーナーさん用のトレーナー室にあるのはゲームへの意気込みを如実にあらわす……と形容するにはちょーーーっと多すぎる未開封ポッキーの山。ところによりプリッツ。記念日にかこつけて単にお気に入りお菓子を食べたいトレーナーさんがそこにいた。
……加えてイチャつきたいオーラがささやかながら伝わってくる。まあポッキーゲーム挑んできた時点で何をか言わんや。
「……自分で用意しといて思うんだけど、プリッツゲームじゃダメなのかな」
「急に冷静にならないで?風邪引いちゃうよあたし」
「だってチョコからとクッキーからとでなんか条件違う気がするし……」
「んーと。その不公平感をなくすために必ず二回制、食べる順番を交代でやらなきゃいけないってのが公式ルールらしいよ」
「そうなの!? ネイチャはどんどん博識になってくねぇ……」
ごめんね、ウソ。今あたしの頭に浮かんだだけの出鱈目です。良い大人は言いふらさない。
「それと、しょっぱい涙味より甘いキスの味が若い子らにはウケたんじゃないかなーなんてネイチャさんは考えます」
「あーそれはなんか聞いたことあるかも。……でもネイチャとのは結構涙あモガッ」
「さー始めますかー!!」
座ってるトレーナーさんの口にポッキーをねじ込んで膝にまたがる。目線の高さも揃ったところで、あたしもクッキー部分を口に含んでいざ、開戦。
138二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 23:17:17
───実は、トレーナーさんとポッキーゲームをするのは初めてじゃない。あれはまだこの人が人間だった頃。売り言葉に買い言葉、勢い任せの口八丁で無理矢理勝負に持ち込んだ事がある。あたしだけが恥ずかしがって速攻折ってしまった塩試合だったけど。
……『罰ゲームさせちゃってごめん。女同士でやるのはイヤだよね』なんて謝られたのは今でも悲しい思い出。
だから。その、あれだよね。そんなほろ苦い過去があるからこそね。……目の前で顔赤くしてるトレーナーさんがいるのは非常に気分がいい。自分も同じくらい赤くなってるだろうけど?相対的にあたし有利ってやつですよ。たぶん。
……それを証明するように、少しずつこっちが食べ進めてるのに向こうは遅々として進まないでいる。自分から勝負しといてなんたるノープランっぷり。艶やかで長いまつ毛も、吸い込まれるように黒くて澄んだ瞳も、もう焦点が合わないほどに近づいている。……あれ、ハイペースで仕掛け過ぎたかなこれ。
ふいに鼻と鼻が触れる。あたしもトレーナーさんも同じように肩をビクーッて震わせたのに、短いポッキーはなんとか二人の橋渡しをしてくれてる。しばらくしてから向こうが少しだけ顔を傾けてくれた。そしてそのまま静かに目を閉じる。
…………いやいや。いやいやいや。なんで目を閉じちゃうの?ゲーム中ですよ?……もうこれって、そういう事なんじゃないの?ポッキーから口を離して表情を確認したい。絶対あれだ。キス待ち顔だ。
いけるのかな。いっちゃっていいのかな。ここトレセン。でも密室。いや鍵かけたっけ。というかこのテンパり具合はまずい。落ち着けわたしはナイスネイチャ。ビークール……。ビーシニカル……。というか夢だと思おう。夢の中ならなんでもできる。ちょっとだけ強いあたしよ、今一度降りてきて!
瞬間。 感触。
139二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 23:17:31
「……私の勝ちー?」
「ハイ。カチデス」
……夢見心地になるには少し時間が足りなかった。トレーナーさんの勝ちというか、感触を感じる刹那、飛びのいてしまったあたしの反則負けだった。
「というか、トレーナーさん。上くちびる当たらなかった?」
「……カウントに入れちゃう?」
言外に「ネイチャがいいならそれでもいいけど」という含みを感じさせる物言い。そういう判断の投げ方よくないと思う。
「……ノーカンの方向で」
「よかった。そうだよね、ちゃんとしたのじゃないとね」
嬉しそうにへにゃっとした笑顔になるトレーナーさん。これで毎度許しそうになるあたしは多分ダメだと思う。
しかしまぁ、完遂してみて分かった。ポッキー一本をこうも贅沢に食べる方法だったなんてね……ポッキーゲーム恐るべし。でも、もう満足感でお腹いっぱい。一年は食べなくていいかも。
「それじゃあ次の試合にいこっか。はむっ」
「第二ラウンド!?」
「え? こえがこーひきるーるでひょ?」
……その日、あたしは『因果応報』の味を身をもって知った。
……甘くておいしかったです。
(終)
≫168ポッ義ーゲーム21/11/11(木) 23:36:26
「今日はポッキーの日か……カフェ、ポッキーゲームでもやるかい? なんて言うわけもないのだ!」
「呼びましたか……トレーナーさん」
ドンドンドンドン!(パキパキパキ)
「あれカフェいつの間に?」
「さっきですよ……ところで、ポッキーゲーム………しないんですか?」
「聞いてたの? そして知ってるの?」
「ええ、やらないんですか」
「……ちょっと待ってね」
机に置いてあるプリッツの箱を開けてみる。
「ごめんねカフェ、折れてるみたいだ」
(本当は引き出しの中にもポッキーがあるけど)
[隠す]👈
[正直に言う]
「この部屋にはもうポッキー的なものは無いね」
「……そうですか」
「ああいうゲームは同い年の同性の友達くらいとやるといいと思うよ」
「……タキオンさんと…….やれと言うことですか」
「……撤回するよこういうのは宴会の悪ふざけだからやらなくていい」
「……そうですか……残念です」
カフェが少し目を伏せてからトレーナー室を後にした。
ドンッ!
「鳩尾やめて!」
その時、ふと閃いた!このアイデアはマンハッタンカフェとのトレーニングに活かせるかもしれない!
マンハッタンカフェの成長につながった!
パワーが10上がった
賢さが5上がった
「読解力」のヒントLVが1上がった
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part430【TSトレ】
≫16二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 00:04:33
モブα「聞いた?トレーナーと担当でポッキーゲームすると次のレースで勝てるんだって!」
モブβ「まじ?どんな原理よwww」
モブγ「何でも、三女神が加護を云々とか絆の力とか」
モブネットバルキリオン「なにそれwwうけるww」
─────────────────────
「という話を聞いてな、取り敢えずやってみるか」
「待てや」
「何だ?レースで勝ちたくないのか?」
「いやレースでは勝ちたいんよ?でもそれは違うやろ」
「試さないで否定するのは関心しないぞタマ!否定するならやってからだ!」
「何でこういう時だけ積極的なんや」
「ほらやるぞ」ドン!
(アカン、トレーナーは本気や...オグリ、クリーク、イナリ...すまんうちはこれから女になる)
「ふぁ、ふぉいふぁま!」
「こんのクソボケがぁ!うちのトキメキを返せぇや!」
≫80ケツフク夜間巡回雑談?1/421/11/12(金) 00:38:24
「塩氷嚢できましたよ」
「おう。こっちも粗方巻き終わったから当ててくれ」
夜。霊が見えるのみならず、対処が可能な俺たちは、セイトレの出した報告書を元に特定巡回を行っていた。
こうして明確な心霊目撃情報があった際にはそこの重点的な調査を行うよう指示される場合がある。
今回はトレーナー室が配置されている棟の階段の調査。成程、確かに家やトレーナー寮で寝るトレーナーなら既に帰っているだろうし、宜しくはないがトレーナー室で一夜を明かすつもりのトレーナーならそもそも通らない。そしてセイトレさんは悪いことにこういう話に恒例の「“忘れ物”を取りに行く」という目的でここを通ってしまっていた。
結果から言うと。そこには古めかしい服装をした一人の霊がいた。左脚を怪我しており、場所が場所なのでこの階段で起きた負傷なんだろうと容易に推測できた。昔の学園はもう少し門限が緩かったと聞く。だからこの時間に───おそらく彼女も忘れ物をとりに───この階段を使ったというストーリーも自然に立てられた。左脚を怪我した例が、右脚に爆弾を持つ者を脅かすとは、なんとも奇妙な縁だなぁと不謹慎ながら感じ入ってしまう。
そして今、こうして俺はフクトレさんとこの子の手当をしている。御札を包帯代わりにして(ちなみに除霊用じゃなくて交霊用)、氷嚢の中に塩を入れて、という中々特殊なケースだけど、そんなことを微塵も感じさせないほどにフクトレさんは手際良く進めていた。そんな視線を感じたのかフクトレさんが口を開く。
「こんなところで役に立つとは思ってなかったがな」
「…まああの人も今はもう必要なさそうなぐらいに快復しましたしね。ただトレーナーとしては復習ができていいんじゃないですか?」
「起こさねぇようにするのが最善なんだがな」
そうこうしている内に処置も終わり、同じく札を巻き付けた松葉杖を渡すと、霊はお辞儀をして裏口へ向かい、そして消えた。
「…あの松葉杖経費で落ちますかね」
「ダメだろうな。証拠がねぇ。…まあアイツに聞いた話によるとあのタイプなら4桁前半で済むらしいから後で割り勘だな」
「はぁ。まあまだ終わってませんし、帰ってから考えますか」
そういって、二人して目的の場所に目を遣る。
81ケツフク夜間巡回雑談?2/421/11/12(金) 00:38:51
俺たちの目の前には昼の事前調査では確かに十二段だったはずの、十三段の階段。
そう、“足音”と“十三階段”は別の現象だった。おそらく彼女も十三階段にやられたのだろう。術中に嵌って囚われたのか、無理して対処してそれで足を壊したのか。真実がどちらだったのかというのは今はもう関係ない。非常にまずい具合にかみ合ってしまった怪異の片方は既に正統的手段で祓えたのだから。
「縄は……見えませんね」
「報告書から予想すればおそらく踏んだタイミングで周囲のものを利用して、だろうな」
「心霊…じゃないでしょうね」
「ああ、ほぼ間違いなく悪意のある怪異だな」
「…怒ってます?」
「……」
聞いた話によればセイトレさんの記憶喪失が発覚した事件にはフクトレさんも関わったらしい。その時から何かと気にかけていたらしいのでそこらへんからの感情なんだろう。世話焼きだの優しいだの茶化すとアイアンクローが飛んできかねないので黙ってフクトレさんに向けていた階段に視線を戻す。
「さて、どうします?」
「とりあえず仮説の検証、といくか」
フクトレさんがカバンから取り出したのは1枚の形代。それに勾玉のようなものを組紐で括り付け、十三段目にめがけて投げる。
形代が床に落ちた瞬間。組紐が異常な力で閉まり、形代は見事に真っ二つになった。これを見る限り、彼女は首に跡も無かったので、セイトレさんと同じく無理やり対処しようとしてセイトレさんほど上手く行かずにああなってしまったのだろう。もしかしたら十三階段の餌食にならないように助けてくれる予定だったのかも。追いついた場合の報告が無いので真相は闇の中。
「…何か見えたか?」
「ええ。うっすらと形代にピアノ線のようなものが伸びるのが」
「流石だな。俺じゃ見えなかったぞ」
「褒められても複雑な気分ですね」
「しかしそうなるとやっぱり天井か……対処がめんどくせぇな。踏むとアウトっつーのもな……」
82ケツフク夜間巡回雑談?3/421/11/12(金) 00:39:17
「……はぁ。しょうがないです」
夜間巡回の時には必ずつけているウェストポーチを開き、“それ”を取り出す。取り出されたものを見たフクトレさんは珍しくぎょっとしていた。
「ああ。大丈夫ですよ。エアガンですから。学園にも許可は取ってあります」
ベレッタM93R。拳銃並みの大きさでありながらその内実は対テロ用のマシンピストル。エアガンであるこれも3点バーストが可能。ただし1個1個ちまちま除霊用の模様を描いたBB弾がもったいないので使うにしてもセミオートだけど。米粒写経の疑似体験だった。
サイレンサーを取り付ける。流石に結構夜中だしそもそも学校内で銃声を聞かすわけにはいかない。
さっきの糸のようなものの出所を予測して。流石にストックは持ってきていないけど多分当たる。だって当たってほしくないけど正体の予想はついてるから。
一発。本当だったらもっとカッコいい銃声と発火アクションが見れるはずだけどぐっと我慢。というか今フクトレさんの前で撃ってるのが割と恥ずかしい。
弾は無事目標に当たったようで、黒く、8本脚のものがどちゃっと音を立てて落ちる。あのBB弾で効いた事への安堵と予想が当たってしまったことへの嫌悪で多分俺は複雑な表情をしている。隣のフクトレさんを見ると露骨に眉を顰めていた。
83ケツフク夜間巡回雑談?4/421/11/12(金) 00:39:36
二人で嫌悪感を顕わにしてぎゃーぎゃー言いつつ後処理をして。いつの間にか階段は元の12段に戻っていた。
最後の確認をして、帰路。
「昔、少し非行に走った結果嗜んでまして。もちろん生き物は撃ちませんでしたが。んで高2の時に友達にバレてバカにされて。その時は手放したんですけど、未練がましく買い直しちゃって。なまってないもんですね」
沈黙。さっきは久々に握った高揚感と実際に生きている(生きてはない)モノを撃つ緊張感で相殺されていたが、今は自分のイタい話をただ話しただけ。見せたのに離さないのも悪いなとは思ったけれどその反動は予想以上のものだった。
「…まあ学生を指導する立場である都合上学内持ち込みは褒められたものではねぇな」
「ひゅい……」
「…ただそんなことよりも、だ」
「へ?」
「今まで俺が遠距離怪異戦必死こいて対処してた横でそんなもん隠し持ってたってことの方が重要だな」
「……あ。えーと。その。あっその手の構えはまさか噂の……!やめて!顔面は!顔面は防御振ってないんです!いつもあいつはケツばっか叩くから!じゃなくて!あがががががががが」
「ひゅー……ひゅー……想像以上の……ダメージが……」
「……まあなんだ。今度お前のトレーナー室行くぞ」
「へ?」
「その弾。ちゃんとあういう大物も一発で仕留められるようにきっちり仕上げた方がいいだろ?」
そう言うフクトレさんは子供が悪戯を考えるような表情で笑いかけてくれて。
「───はい!」
俺も笑みを抑えきれないまま返事をした。
それはそれとして後日セイトレにも個別で報告した際にそもそもの発端の「裸マフラーで無理してトレーナー室に向かった」ことを聞いて二人で怒った。
≫107二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 01:04:38
「我が王。朝は冷えるので私の上着を……」
「……ねえトレーナー。一つ質問をしても?」
「はい……なんでしょう……?」
「『騎士道』と『武士道』の違いは知ってるかしら。」
「どちらも主君への忠誠を一とする物では……?」
「違いは『愛の有無』と『信条』の二つよ。」
「愛と信条?」
「あなた、剣道と弓道をやっていたって言ってたわよね。」
「ええ。」
「やっぱりね。いい!?トレーナー!!!」
「!!!」
「武士は主君へ誓いを建てるけど愛は無いの。」
「逆に騎士は愛はあっても誓うのは神に対してなの。」
「つまり……?」
「今のあなたはそのどちらでもない。
どっちつかずの二流トレーナーよ。」
「二流……」
「私へのあまりにも盲目的な対応、
騎士は主君が間違っていたらそれを正すものよ。」
「あと今の呼び方から私との距離を感じるわ。
それに……」
「?」
「私のこと……嫌いなワケじゃないのよね……?
いつも一歩引いている感じがするし……」
「そんなワケないだろ!!」
「!!」
やりすぎると作者に申し訳ないので
ここら辺で止めとくね
「騎士」と「武士」の違いに焦点を当ててみたよ
≫141二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 05:00:38
今、トレセン学園の食堂で二人のウマ娘化トレーナーが鎬を削っていた。
片や黒鹿毛に水色の瞳を細目で隠した、尻がデカいグラトレ(独)
片や黒鹿毛に赤い瞳を爛々と輝かせる、胸がデカいヒシトレ
……そんな二人の料理バトル。
元はと言えばグラスワンダーがグラトレの為に寮長のヒシアマゾンに無理を言った事へのお礼としてタイマンを持ち掛けたのが始まりである。
しかし、料理人としても負けず嫌いとしても負けられないと言わんばかりに、お礼の話など忘れてお互い様々な料理を作り続けているのだ。
現在15品目、グラトレのマグロとナイダン山葵のつみれ汁 対 ヒシトレのメカ邪龍と大根のマリネ
審査員は実績の有る侘助を筆頭に我こそはという有志達。
素材は兎も角極めて美味という話が既に広まっており、何人かの勇敢な者達が審査員として追加参加している程だ。
現在30品目、グラトレのメカ邪龍と鯛の塩釜焼き 対 ヒシトレのナイダン山葵とキノコのワイン蒸し
ここに来て良く考えたら何品目作るか決めてない事に気が付いた審査員達の間で……
(……流石にいい加減止めね?)
……そんな空気が周囲に漂い始めた
結局50品目の
グラトレの邪龍・亜光鎌獅子斎の竜田揚げとヒシトレのカマライゴンのソテー
が出来上がった辺りで強制ストップが入り、審査員達が両者勝利で二人を納得させたとさ。
カマぴょい ドラぴょい
≫170こういう事?21/11/12(金) 06:51:59
目覚ましマーベラスより遥かに早い深夜に目が覚める。…悪夢を見た。内容はおぼろげにしか思い出せないけど流れた涙が嬉し涙とは思えなかった。
ネイチャ?
心配そうにしてるそいつを強く抱きしめる。
キャークルシー
…アンタはここにいてね。遠くに行ったりしないでね。
ワカッター