なろう系


「なろう系」は、小説投稿サイトに投稿された作品全般を指す言葉である。

界隈限定のワードではない。むしろ殆ど界隈のと接点は無い。


概要

語源は小説投稿サイト『小説家になろう』から。
狭義には『小説家になろう』や『カクヨム』などの小説投稿サイトによるものだが、広義にはWebに投稿された作品全般(掲示板のSSスレなどがコレに含まれる)を指す可能性がある。
基本的にはプロの作家による作品ではなく、趣味であるとかこれから作家になりたいだとかいろんな理由で作品が投稿される。
出版社や編集を通さないので、作者がやりたいことを作者のタイミングでそのままお届けできる強みがある。

PV数や評価数が多いと出版社から書籍化の話が来て、さらに売り上げがいいと漫画化やアニメ化もされてたりする。
ただ、大体そこまでたどり着ける作品というのは異世界転生・転移するハイファンタジー作品が多いために「なろう小説=異世界」というイメージをされがちである。
ちゃんと普通の小説っぽい作品や異世界もチートもない恋愛小説もあるのだが、普通の小説を無料で読みたければ青空文庫に行ったほうが確実だし、『恋空』でスイーツ(笑)とか馬鹿にしてたオタクが恋愛なんて読めるはずがないので、あまり話題にならない。

【重要】
なんと、この記事の文字数の8割以上は当界隈とは関係ありません。
界隈関係のものだけ見たい場合、「当wikiの掲載理由」をご確認ください。


界隈とは関係ない色々

なろうテンプレについて

何かが流行るとそれに追随するように同じような設定の作品が多く出回るため「なろうテンプレ」と呼ばれるようになる設定がある。
もちろん時期によって多少変化はするものの、わざわざ設定を説明する必要がなくなって便利であるため定着するものも多い。
非常にわかりやすい例だと
「神様的なものの手違いや事故などから現世では死んでしまい」
「中世ヨーロッパ風と形容される異世界に転生させられる」が
「そのままでは生きていくのは難しいので言語チート(現地語が分かる)と何か一つ望むものが与えられ」
「転生先の世界は『ステータスオープン』と言えば自らのステータスが可視化されるようなゲームみたいな世界で」
「冒険者ギルドに行って冒険者になり」
「奴隷商を見れば現代日本人的な感覚で奴隷を解放させようとしたりなんかしちゃって」
「助けた奴隷(女)を含めたハーレムを形成しつつチートを使って異世界を生き抜く」みたいなやつである。
あまりにも多いので異世界モノでもパターンでも細分化されているくらいだが、挙げるとキリがないためここでは割愛する。

テンプレ化することで、大量に投稿されても読者が各作品の設定を覚える必要がなく、すらすら読めることで好まれる節もある。
一方でテンプレ化することで「お決まりのチョロインね。いい加減見飽きたわ」となる可能性もあるので作者の技量が問われる。

ただしゆめゆめ忘れてはならない。
なろうでなくとも、テンプレと化したシナリオは出されるのだ。
2000年代前半に「複数人で戦って、最後の1人には望みをかなえられる権利が与えられる」というバトルロワイアルものが複数出たのを忘れてはいけない。
2000年代中盤に、やたら主人公が女装させられる作品が出たのを忘れてはいけない。
2018年あたりから急激にエロ同人に寝取られモノが増えたのを忘れてはいけない。
なろうは出版社の編集が似た傾向の作品を絞ることなく、産地直送の状態を保っているから量産されているのが余計と目に見えているだけなのである。

テンプレと言えば聞こえが悪いが、言い方を変えれば王道である。
なろうテンプレと蔑まれていても、そのうち受け入れる人も増えてくるだろう。
「邪道」だったものが「王道」へと変遷していく過程なのである。
でもいくらエロ方面とはいえNTRが王道になるのはちょっと嫌だな……純愛でいてほしい。

なろうテンプレの一例

※当記事を書いてる人が勝手に言ってるだけです。外部で言っても通じませんのでご了承ください。
※内容を記すとそれこそ1ページの記事にするわけにはいかなくなるので傾向だけ。
※思いついた順に書いているため時系列は関係ありません。
  • 勇者召喚モノ
    • 単独召喚モノ
    • 巻き込まれモノ
    • クラス転移モノ
  • ダンジョン経営モノ
  • ギルド経営モノ
  • ゲーム世界に転移モノ
    • クソゲー転移モノ
    • VRゲーム転移モノ
    • ADVゲーム転移モノ
      • 主人公に転生モノ
      • 悪役令嬢に転生モノ
      • モブキャラ転生モノ
  • 転生したら人外モノ
  • 知識チートモノ
  • タイムスリップモノ
  • 同じ世界の○○年後に転生したら知識が衰退モノ
  • 復讐モノ
  • ハズレスキルだと思ってたけどそんなことなかったモノ
  • 戦闘職より生産職の方が強いモノ
  • 現実世界と行き来できて物資チートモノ
    • 日本食UMEEEEモノ
  • ステータス特化モノ
  • 婚約破棄からのざまぁモノ(悪役令嬢モノと同じことが多い)
  • 現代世界にダンジョンが出来ましたモノ
  • パーティ追放からのざまぁモノ

※なろうで言う「ざまぁ」とは、嫌なことをしてきた奴を見返すみたいな、要するに『スカッとジャパン』みたいなことです。

なろうテンプレに対する一応の擁護

なろうテンプレが加速したのにはいくつかの要因があると思われる。
あくまで当記事の筆者が勝手に思っていることであり、実際になろうに頻繁に出入りしている人からしたら異論がある内容かもしれないことは
ご承知いただきたい。

  • 現実の過去だと時代考証がクソめんどい
一番強そうな理由がコレ。
「ジャガトマ警察」というワードを聞いたことがあるだろうか。「ジャガイモ、トマト警察」という言葉を略したものである。
なろうテンプレと言ったら「中世ヨーロッパ風の世界」であって、「中世のヨーロッパ」ではないところがここにある。
2021年現在、一般的な世界史におけるヨーロッパの中世とは5世紀~15世紀のことを指す。
ところで、ジャガイモもトマトも原産地は中南米であるとされている。
察しの良い人ならこの時点でもう分かると思うが、コロンブスがアメリカ大陸を発見したと言われているのが1492年。15世紀末のことであるからして、ヨーロッパでジャガイモやトマトがあったらおかしいのである。
こういうことを指摘する人を「ジャガトマ警察」と呼ぶくらいには横行していたのである。そら逃げられるんだったら「風」ってことにしますわ。

  • 単純にお題があると作りやすい
たとえば、初対面の人が急に「何か面白いことを言ってよ」と言われたとして、すぐに返せるだろうか。
漠然と「面白いこと」と言われても求められているものが分からない。目指すゴールが分からない。
ゴールが分からなければ、スタート地点を決めることすら難しい。そんな中で話し続けるのは容易なことではない。
では、大喜利のお題として「普通だった俺が異世界で勇者に!その能力は?」と言われたならどうであろうか。
なろうテンプレはつまりそういうことである。ゴールではなく、発想のスタートラインの提示。
スタートラインからどっちに向かって走っていくのかは作者次第。

  • みんな書いてる
日本人的~~~~~!!!

というのもあるが、なろうにはそれこそ何千何万と作品があり、それを全作品を読んでいく人は居ないと思うが、普通は何作品も読んでいくわけである。
仮に10作品読むとして、その10作品の設定を並列して全部覚えるのはとても厳しいことである。
また、書く方もアレと被ったなどと気にしていたらきりがないのである。
書き手も読み手もWin-Winな関係になれる。それがテンプレによる基礎設定の共通化であったのだ。たぶん。


当記事を書いてる人の偏見集

これは偏見であるが、着地点が特に用意されていないまま面白そうな設定だからと書き始められ、そのまま完結せずに放置される(エタる)ことが多い。
「成りあがる」「最強を目指す」系については「何をもってゴールとするのか」が分からないので軸がぶれる、「スローライフ」については主人公が生きること以外に目的がないので終わらせ方が分からないみたいなところがある。

これも偏見であるが、物語開幕が似たような内容であるがために「これがどういう方向性の作品なのか」を明らかにしたい狙いもあって説明系タイトルになりがちである。
総合ランキングページには作者名と作品タイトルくらいしか載らず、個別ランキングページでもあらすじを読むためには個別にタップしないといけないことも大きく影響されていると思われる。
「2ch(5ch)のスレタイ」と形容されることがあるが、タイトルだけで興味を持たせなければいけない点において共通しているので間違いではないと思う。
なお、コレについては「タイトルの文字数が多い方がリンクの当たり判定が大きい」という、書店で平積みするのと同じ原理で集客が期待できる面があるという指摘もある。

これは偏見……かどうか微妙なラインだと思うが、すぐに書籍化が決まるような作品に限ってシナリオに全く必要のないお色気要素と呼ぶのもおこがましい何かがよくある。
これは、本屋で売るにあたって、挿絵でお色気シーンがあった方がファンでない人に対しても売れる可能性があるからという理由もないこともない。
+ ビックリするほど長くなったため、読みたい人だけどうぞ
そういう理由はさておき、転生してきてチートな主人公はもちろん凄いんだろうし、そういう人物を見たら媚びを売るのが現実的に考えても正解ではあるだろう。私だって天才にはあやかりたい。
しかしながら、作者にとって主人公が凄いのはもう分かり切っていることだからなのか、それとも現代の努力はしたくないしやらない癖にモテたいという欲だけは一丁前のオタクの願望を全力でキャッチした結果なのか、出会って数話の異性のキャラが特に深い描写もなく、いきなり主人公のことが好きみたいな状況になることが多い。面の皮が厚すぎるというか最初から距離感が近すぎる。ナデポとかニコポとかそんなレベルにも近い。
中世風の世界感ゆえに奴隷制度が存在するため、奴隷を助けたり購入したりという展開がありがちで、奴隷からしたら主人公に従うのは当然というのも命を助けてもらったからというのもまあ分かるが、どうせヤらないのにすぐに夜伽の話にしようとするのはマジで何なんだ。好意にしろ好意じゃなく義務感によるものとしてももっと段階を踏め。ロープライスのエロゲでももうちょっと慎みがあるぞってレベルですぐ股を開こうとしたり、性的なサービスをしようとしたりする。いや、『ぬきたし』と比べたら流石にマシだが、アレはああいう世界観だからギャグになり読めるシナリオなのであって、普通の話なのにアレと同じレベルだったらキツすぎる。
あと「契約には体液が必要」とか「魔力の回復に体液が必要」とかそういうヤツ。マジでその設定要るの?契約なんて基本1回やって終わりじゃん?本当にその時しか出てこない死に設定だよ?魔力回復だって大体休息を取ったりポーション的なアイテムを使ったりでいいじゃん?そんな『Fate/stay night』みたいなことしなくていいんだよ?いやアレも「エロがあった方が売れるからエロゲーにした」みたいな所あるし、書籍化にはお色気があった方がいいという点では一緒か。でもね、お色気で面白さは誤魔化せないんだよ?Fateは面白かったし、序盤から会って早々数分でHとかしてないんだよ?結構選択肢間違えて死亡エンドを乗り越えてやっとHシーンなんだよ?アレのシーンの導入が上手いとは言わないけど段階はちゃんと踏んでる訳ですよ。なろう小説にはそれが殆どない。
こんなんだから「なろう=オタクのキツい妄想」みたいな扱いを受けるんだよって愚痴を書くくらいには正直しんどい。
いや、分かるよ。昨今のソシャゲ(それも顕著なのはに主人公が男でガチャで得られるのが女というような、特にプリコネが顕著な気もするがアイマスシリーズだってそんな感じだし、当てはまるなら何でもいい)ってとにかく登場キャラと主人公が恋愛関係かそれに近しい感情を持たせたがる。それを参考にして書こうものなら主人公総受けというか、悪役以外の誰からも愛されるみたいな気持ち悪い存在になっちゃう。でもそれってあくまでゲームで、プレイヤーがどのキャラが好きになるか分からないから全キャラ分のそういうシナリオが用意されているだけであって、基本的に一本道の小説という媒体ではそれをやる必要はないのよ。本編の進行を止めてまで「今回は○○回です(○○にはヒロイン名が入る)」みたいことをやって全員と仲良くなろうとする必要はないのよ。分かるよ『五等分の花嫁』とか面白いもんね。でもアレは「誰と結婚するのか」というのが主軸にあるからこそ、誰か一人と仲良くなりすぎてはいけないみたいな制約の下にそれが必要であり面白いのであって、異世界でチーレム*1やりますみたいな一夫多妻がゴールな作品でそれは必ずしも必要じゃないんですよ。ましてやメインヒロインが決まってる作品では猶更必要じゃない。サブヒロインの魅力も書きたいのは分かるけど、このキャラがメインだって分かってる状態で主人公の気持ちが揺れたら主人公が優柔不断のクソ主人公に寄っていく事になる。
おかしい。安易なエロ描写を書くなって書きたかったのにズレてきた。とにかくここまで文字数が増えるほどには安易かつ不要な「性的な描写」タグが付く作品が多い。
そしてそういう作品はランキングに上がってても読み物としては面白くないことが多い。
エロが読みたきゃ『二次元ドリーム文庫』とか『フランス書院』とか『美少女文庫』とかの本を買え。金を払いたくなければノクターン*2の掲載作品を読め。なろうにエロ展開を期待するな。なろうでは規約でガッツリとした描写はNGなんじゃ。

ステータス文字数稼ぎ

ステータスオープン!

名前:頭お菓子な俺たちのwiki
性別:なし
HP:100/100
MP: 50/ 50
STR:12
CON:11
POW:14
DEX: 9
APP: 6
SIZ:15
INT:11
EDU: 9

■スキル
【くどくて長い文書(パッシブ) 】
短い文で同じことが表現できるだろうに、そうしてそうくどく長い文章で読者の読む気を無くさせるのか。
読者のINTを2下げる補正を持つ。

【悪意のある文章(アクティブ)】
とげのある文章、とにかく貶す文章を書くことによって読者のEDUを2下げる補正を持つ。

■称号
なし
こんな感じのステータスが敵味方問わずポンポン出てくる。
主人公を含めて味方の場合、レベルが上がるたびに何度も表示される。
数値は設定されているように見えるものの、この数値によって実際に計算して物語が進行するということはなく、ただ雰囲気で書かれていることが多い。レベルアップでステータスが伸びたりもするが、その伸びも作者の匙加減で計算式があったりはしないことが多い。
つまり、本当にただ雰囲気のためだけに置かれていて、ほとんどの場合は読む必要がない挿絵のような何か。
でも文字数は稼げる。便利ね~~~~~~!!

なお、章の合間合間に今までに登場した人物紹介および前章からの数値変動を載せる作者も居る。
一粒で二度文字が稼げて美味しいと捉えるか、いちいちまとめなきゃいけないからクソ面倒と捉えるかは作者の書き方次第。

掲示板回

【これって界隈用語じゃ】頭お菓子wikiの記事「なろう系」について語るスレ【なくない?】
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1:名無しの編集者
ここは頭お菓子wikiの記事の中でも「なろう系」に関するスレッドです
(なんかここにテンプレっぽい文章)

2:名無しの編集者
>>1乙

3:名無しの編集者
スレ立て乙
ここが界隈用語でもない癖になろう系について語ってるクソスレか

4:名無しの編集者
保守

5:名無しの編集者
>>3
まあこのwikiは管理人の趣味が出すぎてるしクソスレでもしゃーない
みたいな感じで、ごちゃんねる(旧にちゃんねる)のような掲示板形式で進んでいく回のこと。
閑話として用いられることもあるが、作者によってはガッツリと今後の本編に絡む内容を入れてくることもある。
基本的にはオンラインゲームをネタにしたような作品で使われるが、ゲームと関係ない作品でも「その世界の住人がどう思っているか」や「主人公以外の視点で見ると主人公たちの行いはどう映るのか」というのを示すために用いられることがある。

投稿者名およびIDで文字数を稼いだり、上記の例では省略してしまっているがテンプレっぽい文章で文字数を稼いだりできて便利。
また、言ってしまえば「地の文が全くないセリフだけの回」と捉えても問題がないうえ、何かしらの読者になかなか伝わりにくいセリフの意図をスレ住民の書き込みとして「それはこういう意味だろ」と誘導させることも出来る。
読者からしても一文が短いので読みやすい、表情などの描写が無く字面の意味さえ追っていればいいので分かりやすい、ボケとツッコミみたいで面白いといった要素があるのか割と好評。

ただし、掲示板回は作者がどれだけ作りこめるかによって「リアルさ」が大きく変わってくる。
  • 読者がいちいち上下にスクロールしないようにと配慮した結果、レスが付くのは必ず1つ前の書き込みだけになってしまう
  • 掲示板内の勢いが早すぎる割に直前の書き込みに対してレスしてしまえている
  • 読者に対し本編の特定の人物が書き込んでいることを示唆したいがために、何故か1人だけ書き言葉なのに「わよ」「だわ」といった女言葉で書き込む
  • なんJ語などといった2010年以降に使われるようになったワードが含まれてる割に、他の書き込みには電車男の時代から止まってるのかみたいな書き込みが同居する
  • あまりにも世界観にそぐわないであろう定型文が使われる(例:異世界の話であるにもかかわらず日本の漫画作品からのネタがある)
といったことがあるとリアルさが失われて行くように感じられる。
「そもそも中世ヨーロッパみたいなファンタジー世界観の癖にネット掲示板って何だよ」という作品もあり、ツッコミを入れ始めたらどうしようもなくなる作品もあるため、リアルさを出す必要性が無い作品もあるが、そこは好みの問題であろうか。

ガチャ文化

とりあえず物語の冒頭だけを書いて、読者からの高評価・ブックマークを大量に得られたら続きを書き、得られなかったらそのままエタらせるという「1話ガチャ」と呼ばれる手法がある。
高評価スタートできる分、ランキングなどでは有利であろうが、読者の作者に対する印象は悪化するので、せめて短くとも完結させてほしい。

書籍化される際、挿絵などは出版社側がネットで適当なイラストレーターに依頼することが多い。
売り上げは表紙を描くイラストレーターの力量によっても左右されるため、上手いイラストレーターに当たれるかどうかを「絵師ガチャ」と呼ぶ人もいる。
これについては作者側も読者側も口に出すことがあるが、さすがに人間をガチャ扱いは失礼であろう。

書籍化の闇

玉石混交とはいうものの玉1に対し石99みたいな世界な上に、ランキング上位だからといって面白い作品ではないこともよくある。
ハッキリ言って書籍化された作品ですら「なんでこれ書籍化しようと思った?」というものもある。
というか筆者的には「『70話くらいまでは面白かったけど最後のほうまで読んだらマジで時間の無駄だった』という評価をした作品も、序盤までしかアニメ化されないからアニメは高評価だった」みたいなこともあるのでマジで地獄である。つーか2期まで放送しだした。
(逆にファンですら「序盤の150話くらいは今読んでもつまらない」みたいなことを言われる作品もある)
でもって書籍化が始まると「書籍化作業が忙しくて本編の更新がストップする(そのままエタるか、書籍版のみ進行する)」ということもある。(後述)

なろう原作は大体1冊が1000円強で、普通のライトノベルより高い。
その割には内容がなろう掲載のものと大差ないという作者もまあまあ居るが、書籍化にあたってさらに推敲したいという人や「せっかく買ってくれる人のために書籍版は展開を変えます」という例もある。
どちらになるかは作者次第。

また、偏見集で記載しているように「お色気があった方が挿絵を入れて売りやすい」という事情もあり、内容よりもお色気描写があるかで書籍化を決めてるんじゃないかと思うような作品も見受けられる。
レーベル的にも出来ないとは思われるが、それ以前に小説家になろうの規約ではガッツリとした性的描写はNGである。
なのでお色気要素で釣るのにお色気要素はあまり期待できない。

『小説家になろう』と『カクヨム』の違いによる掲載内容の違い

『小説家になろう』においては「サイト内に掲載しているもので作品が完結すること」が規約で求められているが、
『カクヨム』においてはそういった規約は求められていない。

【参考】なろうのガイドラインにおける書籍化に関するページ ※下記の引用は2021年5月時点のもの
× 規約違反となる掲載状態

小説家になろう掲載分のみで内容を理解できない状態
▼例
書籍化部分を削除し、途中から物語が始まっている
冒頭部分のみを残し、残りは書籍を読まないと理解できない
※ダイジェスト版の掲載に関しては2016/09/01より全面的に禁止となりました。
この規約があるため、書籍化の闇の項で触れた「書籍版のみ進行する」ということは出来ない。
つまり、なろうは「作者が続ける気がある限り、無料でWeb版として完結(だと作者が言い張る所)まで読むことが出来る」というメリットがある。
もっとも、「原作とドラマで結末が違う」のような感じで、途中経過が変わったり結末が変わる場合もあるし、酷い場合だとキリがいい部分で「Web版は完結」と言い張ってさらに続きを書籍版で書く場合もあるので、書籍版を買うメリットがないわけではない。

一方でこういう規約のないカクヨムだからこそ掲載できる内容もある。
出版社がWeb掲載メディア発でない作品の試読版として、1巻まるごと掲載といった暴挙に出られるのである。
もちろん続きは買わなくてはならないが、わざわざ各出版社のページに行って読むよりも、1つの場所でまとめて色々試し読みできるのは強みではある。
それはそれとして人気が出たらWeb版は続きを書かれなくなるのは残念である。
(例)『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』
Web版:連載中 全39話 2018年8月9日 00:40 更新(2021年06月06日時点)
書籍版:2021年6月1日に発売の5巻で完結
一応フォローしておくと、上記の作品も39話時点で一つの区切りがついており、「Web版はこれで完結ですが、書籍版はオマケのエピソード入れてます」というのなら分からないでもない。
ただ、それならそれで、早い段階でステータスを「連載中」から変えていただきたい。


当wikiの掲載理由

「なろう系譜面」という一瞬だけ話にあがった謎の概念によって当wiki入りをした。
何ってBPM300の16分滝を書いただけだが?

何って1時間マラソンを踏んだだけだが?

お前の譜面はおかしいって……ノート数が少なすぎるって意味だよな?
などのような、なろう系でありそうなセリフを改変したネタが投稿された。

何って譜面をzeniusから拝借しただけだが?
譜面を他人から貰ってきて、自作譜面ではなく公式譜面という異世界で、動画再生数で無双しているという3要素を満たし、確かになろう系チックではあるが、流石にソレは反則(チート)であろう。


「何って……だけだが?」のテンプレについて

該当しそうなものは
  • 現代日本の知識を持った人間が、異世界に転移or転生するテンプレ
  • 異世界でかつて最強クラスだった生命体が、同じ世界の未来で転生するテンプレ
の2系統のどちらかだと思われる。

前者の場合、異世界側は「魔法は使えるが、その代わり科学が発達していない」というような世界観が多い。
なので、科学知識を披露すると驚かれ、「○○しただけだが」のテンプレセリフが使われている可能性がある。

後者の場合、転生元と転生先では数百年単位で時代の隔たりがある。
そして、その時代の隔たりによって知識の伝承がされず、本来は凄い技術が失われ弱い技術でなんとか暮らしている世界観が多い。
転生者は「現在は失われてしまった過去の常識」を使って何かをして驚かれるため「○○しただけだが」のテンプレセリフを使う。

今まで散々なろうについて書きなぐっておいて、本題はたったこれだけのことである。短すぎるだろ。




























































































特別付録

比較的に読書難易度が低いと思われる、完結済みとなっているなろう作品をいくつか紹介する。
暇つぶしにどうぞ。

この特別付録を見た皆様方が、完全になろう初心者である可能性を考慮し記載。
はっきり言ってゲーム用語がわかってさえいればどうとでもなるが、当wikiを見るようなもの好きはきっとこのような用語集も好きであろう。

この作品はなろう系において、クソゲー世界に転移してしまう作品の草分け的存在である。
現実世界のいくつかの作品の要素がネタとして登場しており、ゲーム知識があるとニヤリとできること請け合い。
後続のバグゲー作品と異なる点として、ある程度バグの発生原因やゲームの仕様が考えられたうえで書かれているため、主人公が使うバグ技に一定の理解が得やすいところがある。
問題は作者が新作ゲームに手を出すと更新が滞ること。この作品は完結済みなので安心。

セーブ&ロードと聞くと、なんとなくループものに見えなくもないが、そうではない。
「セーブしてたら死んでもロードされるから生き返るよ」というようなものだと考えればよい。
そして、ロードしたらセーブしてから死ぬまでの努力・記憶は受け継いで復活する。FF6の全滅レベルアップに近い*3ものだと考えればいい。
そんな状態で主人公がとった育成方針とは……

異世界転移の作品は数あれど、家ごとという例はかなり希少である。
言語チート、獣人やレベルといったよくある概念はありつつも、パラメータや「ステータスオープン」、「無限収納」は登場しないしハーレムを築いたりはしない。
ネット掲示板回があるため、オンラインゲーム系作品を読む際の足掛かりとすることもできるだろう。

普通の場合、乙女ゲーを題材とする作品は乙女ゲーのユーザ層が女性なので主人公は女性であり、主人公か悪役令嬢になるのが一般的である。読者層も女性向けになるよう書かれていることが多い。
そんな中でこの作品の主人公は男性で、転生先もモブキャラ。読者層も男性向けとなっている。
一章ぶん書き溜めたら1話ずつ毎日投下というスタイルだったため、毎日更新や毎週更新の作品にありがちな「なにかやってるように見えるけど、まったく意味がない回」というのが存在せず、割と読みやすい作品である。

なろう系にありがちな「オレ、なんかやっちゃいましたか?」をギャグに昇華させた作品。
特殊な環境で育った結果として世界観にそぐわぬ能力を持った主人公が、普通の世界で普通に暮らそうと奮闘するも、その育ちから普通じゃないことをしてしまうので周囲からツッコミを受けるという内容。

「なろうって異世界とかチートみたいなやつしかないんだろ?」って考えは改めてもらいたい。
ちゃんとそういうのがない作品も存在する。本作もその中の一つである。
主人公は国語教師。国語で扱う作品と、作中の出来事が微妙にリンクして進行していく作品。
きっと学生時代にこういう作品を読めたなら、もうちょっと国語で扱われるような作品が好きになれたのかもしれない。
なんといっても第一章の題材が森鴎外の『舞姫』というあたり、当wikiにも向いている。


最終更新:2022年08月24日 11:40

*1 「チート能力でハーレム」の意味

*2 『小説家になろう』のR-18版。こちらではエログロのちゃんとした描写が許される

*3 あっちは魔石ボーナスが乗らないとか言わない