『StepManiaX』は、StepRevolution社が販売している業務用StepManiaである。
概要
ReRave Plusと同様にStepRevolution社が販売している音楽ゲーム。
In The Grooveシリーズに楽曲提供を行っていたKyle Wardがプロデューサーを務める。
公式サイト上でもStepMania、In the Groove、Pump It Up Pro、ReRaveのコア開発に関わる人物を載せており、過去の経歴もアツい。
タイトルは「ステップマニアクス」と読み「ステップマニア エックス」ではないらしい。
DDRとPIUを足して2で割ったようなゲームになっており、踏むパネルは上下左右中央の5種類で画面上には「←↓◆↑→」というように並ぶ。
初期バージョンではDDRやPIUと同じようにオブジェと同じ形の判定エリアが存在していたようだが、コナミの特許の都合で判定エリアは ▶[ ]◀ というように枠に変更された。
日本でも何人かが輸入しており、
WGCで遊ぶことができることもある。(記事作成時の2020/10/06には倉庫内だったが、30日には店内に置きなおされた。)
なお、販売は不定期なうえ、すぐに売り切れてしまうので購入したい人は公式twitterを要チェックである。
Kyleに直接欲しいことを伝えた方がより確実らしい。
一言でいえば、Kyle Wardが作った「ぼくのかんがえた さいきょうのダンレボ」でもある。
音楽ゲーム部分
ノート種別
- Tap:タップ。普通のノート。
- Hold:ホールド。DDRのフリーズアローに近いがPIUのようにTick制である。先頭が踏めなかった場合でも途中からでいいから踏まないとTickによりゲージが減るのもPIUと同じ。
一方でDDRと同じようにわずかな時間であればパネルから足を離しても大丈夫となっている。
Tickは16分音符1個に対して1つ。
- Lift:リフト。ホールドの終点にくっついていることがあり、その場合はこのノートに合わせて足をパネルから離す必要がある。
ちゃんとこのノートが判定エリアに来てから離す必要があり、早めに離すと失敗判定が出がち。
- Roll:ロール。連打ノートだがITGのように「一定以上の間隔をあけないように連打し続ける」のではなく、ミライダガッキのように「その期間中に指定された回数以上入力する」ということが必要。
- Mine:マイン。地雷。DDRのショックアローやITGと同様にノートが来る前から踏みっぱなしでもいけないし、そのタイミングで踏んでもいけない。ショックアローに比べると判定はかなり緩め。
- Pit:ピット。大穴。ロングノート状になったMineであるため、範囲地雷とかロングマインとか呼ばれがち。Mineと同様、踏んではいけないノーツ。一定時間以上の時間を押し続けないと踏んだとみなされないが、踏んでいる間はゲージが減り続けることになる。
判定種別
TapおよびHoldの先頭に適用される、DDRで言うところのMARVELOUS~MISS判定にあたるものと、TICKやMineに対して適用されるDDRで言うところのOK・NGに適用されるものがある。
当wikiでは暫定的に前者を「精度判定」、後者を「成否判定」と呼ぶが何か良い名称があれば編集してください。
精度判定
基準に対するスコア率は不正確な可能性があります。
判定名称 |
判定色 |
基準に対するスコア率 |
PERFECT!! |
白 |
100%(基準) |
PERFECT |
黄 |
40~90% |
EARLY |
緑 |
10~39% |
LATE |
青 |
10~39% |
MISS |
赤 |
0% |
表のとおり白PERFECT以外においては得点に幅がある。
これは同じ判定名称であってもジャストタイミングに近いほうが高スコアとなる仕組みだからである。
そのためリザルトの判定数からスコアを計算するのは不可能と言ってよい。
また、判定数とスコアが逆転することも割とよくある。
(例:1MISSで残り全部白PERFECTと、2黄PERFECTで残り全部白PERFECTの場合でも黄PERFECTが40~50%の配点だと前者の方がスコアが高くなる)
黄PERFECTの場合、早く踏むと下側に緑でEARLYの文字が表示されて遅く踏むと上側に青でLATEの文字が表示される。(通常スクロールの場合)
EARLYとLATEは名称こそ違うものの同じものと考えてよい。
先頭からすべて白PERFECTで踏めていたらコンボの色は白になり、黄PERFECT以上で踏めていたら黄色になり、MISSを出していなければ緑になる。
成否判定
表示記号 |
判定色 |
✓(チェックマーク) |
緑 |
! |
黄 |
× |
赤 |
チェックマークについてはHOLDおよびLIFTで「すべてのTICKを踏めていて、かつ終点の判定も取れていた」場合に表示される。
エクスクラメーションについては「一部のTICKまたは終点の判定で失敗した」場合に表示される。
×についてはHOLDおよびLIFTを一切踏めていなかったり、MINEやPitを踏んだりした場合に表示される。
表示位置はDDRのOK・NGと同様に各レーンの真下で精度判定の文字と判定エリアの間。
スコア計算
最大値は10万点。
パーセンテージとして考えたいときに桁区切りのコロンの位置がちょうど小数点にあたる位置なので分かりやすい。
TAPやHOLDの先頭を白PERFECTを出したときを基準に記載すると、LIFTおよびHOLDのTICKが1つおよびRollの1歩が1/4、MINEを回避すると2/3が加算される。
コンボによる加点はない。
精度判定は行ごと(同時押しはノート数分だけコンボ数が増えるが1ノート扱い)として判定されるが、成否判定は列ごとにも判定される。
筐体構成
他の
踏みゲーと同様に画面を有する本体部分と
ステージ部分に分かれた構成になっている。
メインモニターがタッチパネルとなっているため操作はメインモニターに触れる形で行うことになる。
ステージ部分は
- パネルの感度をオプションで3段階に調整可能
- 公式キットを追加購入すれば9パネル化できる
- 公式キットを追加購入すればPIUタイプの5パネル化もできる
- 何故かデフォルトで1つ銀パネルが付いてくるので4パネル化が標準対応
- パネルのLEDは自分で設定可能
- ブレークアウト配線が用意されており、標準のUSB端子以外にも入力状態を出力できる(要するに、ちゃんと配線さえすればUSB端子を備えてない他のゲームでも基板に繋いだら使える)
など、そもそもこのゲーム以外でも使うことを想定した造りになっている。
その代わりというべきか、他の踏みゲーを基準に考えるとステージの構成が頻繁に変わっており、壊れやすい世代もあったりバージョンによって
センサーの互換性がなかったりするらしい。
通常のパネルの配置だと、中央パネルが上下左右のパネルより一段低く配置されている。
このため上下左右だけを踏むつもりだったのに真ん中を巻き込んでしまうことは少なくなるようになっている。
筐体種別
Compact
1プレーごとに料金を取ることを想定していないタイプの筐体。
元々ステージ部分のみでも売っていたのに対し本体込みということでAll-In-Oneとして販売されていたセット。
43インチのモニターで2.1chサラウンドシステム搭載。
ヘッドホンも繋げられるらしい。
Dedicated
ゲームセンター向けにコイン等を投入できるようにしたタイプの筐体。
モニターはCompactと同等だが4.2chサラウンドシステムに変更されたらしい。
Deluxe
通常筐体もロクに出回ってないのに何故か公開されたデラックスモデル。
65インチのモニターで8.1chサラウンドシステムにアップグレードしたらしい。
システム
先述の通りメインモニターがタッチパネルとなっているため、選曲やオプション設定などはタッチ操作で行う。
ユーザデータの保存はスマートフォン向けアプリ『StepManiaX Link』でQRコードを読み込むか、読み込んだ後に表示される(またはアプリで一時コードをあらかじめ生成しておいた)数字3桁の一時コードを入力することでエントリーすれば可能となる。
プレーオプションはスクロールスピード設定、矢印の描画方法(HID、SUDとか)、スクロール方向、ノートおよびレーンの大きさ、背景の明るさおよび小節線の濃さ等が選択できる。
スクロールスピード設定は従来の倍率を指定するタイプと、楽曲のBPMとハイスピードオプションを使用した後の計算結果を指定するタイプが選べ、楽曲プレー中に変更も可能である。
プレー中に画面を長押しすると楽曲を中断することができる。
また、リザルト画面や選曲画面のQUITを押すとクレジットの途中であっても終了することができる。
そして、QUITがあることを利用してなのか、筐体オプションで設定できる1クレジットあたりのステージ数を1~5の他に「制限なし」に設定することも可能。
譜面EDIT
スマートフォン向けアプリ『StepManiaX Link』を使用することで譜面
EDITが可能である。
EDITデータに振られたIDを共有してもらえば他人が作ったEDIT譜面もプレー可能。
EDIT譜面をプレーする際はソートを選択して、EDIT譜面がある物を先頭に配置するチェックボックスをONにすると遊びやすい。
難易度
シングルはBEGINNER、BASIC、EASY、HARD、WILDの4種類。
ダブルはDUAL、FULLの2種類。
BEGINNERとDUALでは上下パネルを使わず左右と真ん中の3枚(DUALは6枚)を使用する。
多人数プレー譜面としてPIUのCOOPのように位置の入れ替わりが発生するTEAM譜面も存在する。
上記のように譜面の種類としては7種類であるが、シングルとダブルの譜面はEAST+とかHARD+とかFULL+とかの難易度を上げた別譜面があることもあるため譜面数は固定ではない。
一概には比較できないが、譜面密度だけでいえばこちらの20は大体「足15」くらい。
DDRの旧難易度を2倍に拡張したような感じになっている。
収録楽曲アレコレ
ブンスコのNAOKI関連曲がそこそこ移植されていたりする。
何故かはわからないが日本でよく反応される曲
日本で反応されるのは主に以下の楽曲。いやー。ナンデ反応サレルンダロウナー。
- Boom Boom Dollar (2nd)
- BUMBLE BEE (3thPLUS)
- Bye Bye Baby Balloon (MAX)
- Dam Dariram (3rd)
- DRIFTING AWAY (MAX2)
- FANTASY (MAX)
- Flash In The Night (MAX)
- Hero (2nd)
- IN MY DREAMS (DMX)
- MAX428 (ブンスコ)
- Movin On (5th)
- MY BABY MAMA (SOLO BASS)
- Never Gonna Make (4th)
- NOTHING GONNA STOP (MAX2)
- PINK DINASOU R(4th)
- SENORITA (Speedy Mix) (EXTREME)
- SKY HIGH (4thPLUS)
- SO DEEP (MAX)
- SPEED OVER BEETHOVEN (EXTRAME)
- STAY (MAX2)
- The Saint Goes Marching (4th)
- Typical Tropical (SOLO2000)
- Waka Laka (MAX2)
- Young Forever (4th)
あと、何故か踊る大捜査線のテーマ曲のアレンジや、古畑任三郎のテーマ曲のアレンジが入ってたりする。
ホントウニナンデダロウナー。
- Dabbi Doo/Ni-Ni
- Dream A Dream ~Cheeky Trax UK Remix~/Captain Jack
あたりも反応する人は反応するかも。
Gargoyle、Monolith、Utopia、Xuxaあたりも遊べる。こっちに反応する人は少なそうだが。
NAOKIが自重しないのか、あるいはKyleのオーダーが見境ないのかは不明だが、
- 謎の男性ロボットがジャケットに描かれていてアーティスト名がBPMになっている『Para-Symptoms』
- 万国旗よろしく謎の旗のようなものがたくさん吊り下げられた光景が描かれたジャケットに愛こそ力と言わんばかりのメロディな『Let's Remember』
- 男性ボーカルを乗せたBPM155のSPEED RAVEでジャケットには戦闘しそうな謎のロボットが描かれたタイトルからしてアレな『BU-44』
などといったKONAMIにケンカを売るようなギリギリの楽曲も存在する。
(PIU側に対しては楽曲名がそのまんまだったり『Canon D.2』とか捻りがないため面白みがない)
STARSという楽曲のジャケット(参照:
https://statmaniax.com/song/1574)のデザインがどう見てもSN2のロゴのパロディだったり、SO DEEPやWaka Lakaといった楽曲のジャケットがほぼDDR収録時の一枚絵を
パクった踏襲したものだったり、何故かヴィヴァルディの『冬』のアレンジ楽曲でBGAに階段が映っていたりとその他怒られても文句が言えない要素も多々ある。
版権曲がやたらと豪華というか「DDRが20周年で振り返るべきだったもの」というようなラインナップで、DDRもこれくらい頑張って欲しいところではあるが、
StepManiaXは国内には商業的には正式に流通しておらず、DDRやPIUと違って日本向けのライセンス料は払っていない可能性があることについては留意する必要がある。
余談
「StepManiaX」という文字列を入れてツイートすると、大体Kyle Ward氏に捕捉される。
嫌な場合はカタカナ表記するか「SMX」と表記すると良い。
プレーする人たちからはゲームは面白いと言われているし、英語Wikipediaでも好意的に記載されている。
外国人数人のレビューによれば、「個人で公式から購入できるStepManiaで使用可能なコントローラ」としても最高品質のものとすらされている。
最大の問題点は「とにかく買えない」ということで、こちらも英語Wikipediaに
Even during restocking times, the items will quickly sell out in seconds.
なお、本機はWindowsでもLinuxでもなく、専用にカスタマイズされたAndroidで動作している。
不便な点
- 低難易度の細分化をしていると言えば聞こえが良いが、レベル20未満と以上とで1段階の幅が違い過ぎる。
- その割にレベル20以上の難易度付けが雑で、23の譜面と24の譜面で23の譜面の方が楽みたいなのが普通にある。
- 画面長押しによる途中終了があるとはいえ、RISKYのような途中終了オプションがないためスコア詰め中は都度画面を長押ししなくてはいけない。
- 短すぎても誤操作で困るとはいえ、その長押しも3秒くらいちゃんと長押ししないといけない。
- アプリを使用してエントリーしても筐体トップを取得した場合はそれとは別に4文字までの名前を設定しなくてはならない。
- 古き良き()アーケードゲームの名残ではあるが、現代でもわざわざそうする必要性が無い。ちなみにアプリでエントリーして1回登録さえすればこの表示名も登録される。
- アプリでライバル設定をしたからと言って筐体上でライバルのスコアを表示してくれたりはしない
- 自己ベストすら選曲画面で表示してくれない
- 同クレジット内で既にプレーしたことが分かっている譜面であってもトータルリザルトで筐体トップ登録画面まで行かないと選曲画面での筐体トップが更新されない
- クレジット開始時の選曲カーソル位置が毎回ランダムで変わる
- EARLYが緑、LATEが青となっているため青色がDDRと逆方向のズレとなる。DDR慣れをしていて青が見えたからと遅く踏むとより悪化してしまう。
- 前述の通り、白PERFECT以外には点数に幅があるため判定数と点数が全く当てにならない。下手すると黄色フルコンボで緑フルコンボのスコアに負けるのもザラにある。
- BPMがオプション画面でスクロールスピード設定画面まで行かないと表示されない。
- MIRRORも含めて譜面変更系オプションが一切ない。
最終更新:(2024/05/02)
最終更新:2024年05月02日 15:38