(特殊記事)ゲーセンでの大会・交流会の開き方


長いことゲームに触れていると、そのゲームを使った大会や交流会を開きたくなることもある。
でも、どうやって開いたらいいかわからない。
本項はそんな人のために開くために前もってやることなどを聞かれてもないのに教える君するページである。

前置き

以後、大会や交流会のことを「イベント」と記載する。

本記事はなるべく確実にイベントを開催の了承を得ることを考えて入念に準備することを記載している。
実際にはこれら全部をやる必要はない場合も多いことについてはご了承ください。


これ以降はいわゆる「ですます調」で記載します。




いちばんだいじなこと

イベントを開きたくなったら店舗側に見せる企画書を書いて、連絡先が分かるなら事前に連絡してから店舗に行って交渉しましょう。
希望する日時や規模で開けるかどうかは交渉次第ですが、その辺りはちゃんと考えて企画書に入れておきましょう。
出来ないなら諦めて他の人に託しましょう。



1:開催したい店舗に連絡する

店舗のホームページで閲覧できるであろう電話番号、メール等の問い合わせ、あるいは各種SNSアカウントのダイレクトメールなどでイベントを開きたいことを伝えましょう。
何の事前通告もなしに店舗のカウンターに突撃するのは最終手段となります。
(突撃したところでその日にイベントなどを担当できる方が不在だったら意味がありません)

店舗側に開催の意思があれば直接会う約束を取り付けられるでしょうし、場合によってはこの時点で開催する内容を確認したいとして企画書を送るように言ってくるかもしれません。
ここで断られたらその店でイベントは無理です。諦めましょう。


2:企画書を作る

何をやるのかは明確にしていきましょう。
交渉のタイミングで何も持たずに交渉して通ることもあるにはありますが、何もないより資料があるほうが心証が良くなりやすいです。

ここでは企画書の書き方やフォーマットについては教えられませんが、ググればいくらでも出てくるのでそれを使ってください。
書いたほうが良い要素は以下の通りです。
  • 日時
  • イベントの目的
  • 参加予定人数
  • 確保してほしいスペースの規模
  • 運営側の人数
  • 予算・参加費用
  • 宣伝方法
  • 開催内容の概要
  • タイムスケジュール


日時

何日の何時からどれくらいの長さやるのかを書きましょう。
当然1日だけだと「この日は無理です」と言われることもあるでしょうから案は複数出しておくべきです。
また、開催時間については公共交通機関との兼ね合いも考えると良いです。

確実に開きたいのであれば複数案出すことはほぼ必須と言っても良く、さらに言えば余裕をもって1、2か月先の日付を候補にするとなお良いです。
これはイベントのためにシフト調整など店舗側の人員の配置変更を考慮したものです。
ついでに言えば参加者側としても急にイベント開催を発表されると予定が合わせられないということも考えられます。

そのあたりを考慮して案を出したところで、店舗から提示される時間が短くなったり長くなったりすることもあります。
それをよしとするかはやりたい内容と相談してください。

あと、役所向けの書類じゃないので和暦で何年とか書かずに西暦で何年か書いておきましょう。


イベントの目的

大会なら「ぼくのかんがえたルールでいちばんうまいやつをきめたい」が少なからずあり、交流会なら「みんなで交流を深めて界隈を盛り上げたい」が少なからずあるでしょう。
それを書いてもよいでしょうが、店舗に提示する資料なのでちゃんと人に見せて大丈夫なものを書きましょう。
間違っても「自分が大会を開きたくなったから」みたいな雑な内容を記載してはいけません。


参加予定人数

イベントの規模を把握するのに予定人数は大事です。
たくさんの人に参加してほしいという気持ちはわかりますが常識的に参加しそうな人数を書いておきましょう。
どうしても定員オーバーするとなったら店舗と改めて連絡して交渉しなおせば何とかなるかもしれません。
なんともならなかったら諦めて最初に提示した人数でイベントを開きましょう。


確保してほしいスペースの規模

通常、わざわざ各機種ごとに何人も集まって大丈夫なような広いスペースがあるはずもないので当日は専用のレイアウトになるはずです。
その当日のレイアウトをどうしてほしいかを伝えておくと店舗側としても「その人数でそのスペースは狭すぎるだろう」などが考えやすくて助かるはずです。


運営側の人数

通常、わざわざ店舗側の人間がイベントに関わることはないので運営はすべて企画した側が何とかする必要があります。
その運営をする人員が何人用意できるかを伝えましょう。
イベントの規模にもよるでしょうが少なくとも4人はいたほうが良いです。
これは司会進行、参加費の管理、スペースをはみ出していないか等のチェックにそれぞれ1人ずつを用意したうえでトイレ休憩などで抜けたときの補助人員を含めると最低4人という想定です。


予算・参加費用

当然ですがイベント中は対象ゲーム機が通常営業できなくなるので、最低でもその時間分はお店に支払う必要があります。
また、対象ゲームだけではなく(スペース確保のために移動や稼働停止が必要になるなどで)他のゲームにも影響が出ることがあるため、通常営業以上にお店に支障が発生することがあります。
「この機種の1プレーは○○分で△△円だから、××時間ならこれくらいの金額でいけるだろ」というようにはならないこともあります。
人の集まる集まらないにかかわらず身銭を切る前提で考えましょう。
そして、その金額に見合った参加費用を設定しましょう。
(もちろん、想定通りに人が集まったら身銭を切らずに済む金額に設定するのも自由ではあります)

なにも店側だってやる気がないから1台のゲーム機でイベントやるのに10万円とか吹っかけている訳ではないです。
むしろ金額を提示されている時点である程度はイベントをやっていいという意思を感じられるほどで、それに対して高いからといって「あの店はこの機種に対してやる気がない」などと言ってはいけません。

参加費用はe-AMUSEMENT Participationなどのような従量課金制になってからは1人当たり500円以上が1000円以下に落ち着くことが多いようです。
1000円以下になりやすいのは「参加者の立場で考えるなら4桁になった時点で参加するのはちょっと考えちゃうでしょ?」というところも大きいため、だいたい身銭を切る羽目にはなります。
従量課金でないゲームの場合は数百円で開催できることもあります。


宣伝方法

店舗としても集客が見込めないイベントを開催するメリットは薄いため、こういう宣伝をする予定だと伝えると心証が良くなりやすいです。

無難なところとして各種SNSに大会用のアカウントを作成する、大会用のWebページを作成する、ポスターを作って店舗に貼ってもらうなどが挙げられます。
また、参加予定のプレイヤーに有名な人物がいるならその人に宣伝してもらうというのも一つの手です。


開催内容の概要

当たり前ですが店舗としてもおよそ他のお客様に見せられないような頭のおかしい行為をされたら迷惑です。
この内容なら安心だろうと納得させるためにもどういうことをする予定なのかは概要レベルで記載しましょう。

あくまで必要なのは「どういうことが行われる予定なのかを店が知ること」にあります。
ここでイベントのルールを細々と書くのは良くないです。
担当者はかならずしもそのゲームのプレイヤーではありません。


タイムスケジュール

やりたい内容について予定時間が適切かどうかなどを判断するのに必要です。
また、その予定を組むにあたった根拠があるとなお良く、バッファも用意されていると完璧です。


3:交渉をする

直接会って交渉までこぎつけたら、条件が合わないなどの場合でない限りイベントは開けたようなものです。
しかしながら「直接会ってみたら相手がよほど説明ヘタクソで任せるのは危険と感じられた場合」は流石に無理になっちゃう可能性が高いので、ある程度事前にイメージして慌てないようにしていくとよいでしょう。

店員とよく話し合って落としどころを探っていきましょう。
この際に必要なことは確認しておきましょう。以下を確認しておくとよいかもしれません。

  • マイクとスピーカーなど司会進行をするうえで便利な小道具
  • 受付カウンターとして使うような机などの大道具
  • 筐体のモニターだけでなく外部出力が可能か、また可能な場合配信PCや観覧者向けのモニターが借りられるかどうか


番外:イベントで出来ないこと

イベントにかこつけてグッズの販売を行ってはいけません。

また、イベント中の「ゲームの成績に応じて」景品を提供するのは風営法違反にあたるため行ってはいけません。
ただし賞状のようなものであればほとんど問題になることはないでしょう。
トロフィーを作るところまで頑張りたい場合は店舗や所轄の警察に確認を取ってください。
ゲームの成績とは関係なく全員に渡す参加賞であれば問題ありません。
全員に渡すことが出来ないものをゲームとは無関係な抽選会によって配布者を決めることについては見逃されることが多いように思われます。



終わりに

これで開催にたどり着けたならおめでとうございます。実施頑張ってください。


初版公開日:令和7年5月5日(月)
最終更新:2025年05月05日 12:19