コナミ税


「コナミ税」は、1クレプレーするごとに30円前後店舗の利益が取られるアレではない。のことを言うこともあるし、
パセリを利用すると売り上げの1割がコナミに徴収されるものを言うこともある。

本記事では「パセリ税」についても言及する。

注意:本記事は2024年08月27日に大幅な改稿を行いました。
そのため以前の内容と逆のことを記載している個所があります。


概要

以下のパターンAをコナミ税とする場合と、パターンBをコナミ税とする場合の両方が確認された。
そのため両方を記載する。

パターンA

かつてゲームセンターのゲームはバージョンごとに筐体やコンバージョンキットを店舗側が買い、ゲームメーカーが得られる利益はその売り上げによって成立していた。
そのためメーカーが設定する筐体等の金額は高額だった。
ゲームセンターにとっては人気が出るかどうかも分からないゲームの筐体を高い金を払って購入するという、博打のような状態が続いていた。

そこで、メーカー側が提案したものとして「筐体価格などの初期費用は控えめにしておくから、その代わり1プレーごとにプレー料金の一部をメーカーに払ってね」というシステムであった。
この「1プレー当たりに発生するゲームセンターからメーカーへの支払金額」のことを、コナミのゲームでは「コナミ税」と呼ぶ。
セガのゲームなら「セガ税」などとメーカー名によって呼び方が変わる。

パターンB

PASELIを利用した場合、すぐにゲームセンターの売り上げとなるわけではなく、翌月になってからコナミから各店舗に使用されたパセリに応じた金額をキャッシュバックしてようやく売り上げとなる。
この際に各店舗に支払われるのはユーザーが実際に使用した金額の90%となっており、10%はコナミの取り分である。
これをコナミ税という。


補足

パターンAをコナミ税と呼称する場合、パターンBによるコナミの取り分は「パセリ税」と呼ばれる。
パターンBをコナミ税と呼称する場合、パターンAによるコナミの取り分は「従量課金」や「通信費」などと呼ばれる。



概要全体の補足

「筐体やアップデートキットの値段を下げる代わりに、1プレーあたり固定額を徴収しますよ」というスタイルがとられたのが2010年下旬に発表された『e-AMUSEMENT Participation』である。
e-AMUSEMENT Participationなどと銘打たれているが、やっていることはただのレベニューシェアであり、それだけであれば別にゲーセン業界だけでなく一般的に行われている仕組みである。
通常のレベニューシェアでは「今まで通り初期導入に満額払ってもらうけど、従量課金額はほぼ無い」、「初期導入には3/4払ってもらうけど、従量課金額は1/2」、「初期導入額は半額だけど、従量課金額は想定通り行う」みたいな複数プランから選べたりするのが一般的なようだが、e-AMUSEMENT Participationでは料金プランの選択肢は特にないとされている。


パターンAで発生するコナミの売り上げについて、一般的にはプレー料金の30%と言われている。
この30%というのは「メーカーの1プレー当たりの想定プレー料金の30%」ということなので、時間貸し等でフリープレーにした場合にも通常料金の30%がコナミに徴収されてしまう。
(通常の稼働とは異なるイベントモードなどでも徴収されるのかは不明。おそらくされていない)
逆に、1プレーを200円300円とあげてもコナミの徴収額は変わらないので店舗側の利益率は良くなる。


パターンBで発生するコナミの売り上げについて、通常プレーの金額とは別の追加課金要素によって1プレーあたりの客単価が上がることが期待されるのであれば、時間あたりのゲームセンターが得られる利益は導入前後で変わらないため問題はない。
しかしながら、2014年より前は「PASELIでプレミアムプレー」のような概念が音ゲーにはほとんど無く*1、基本的には1プレーの料金をPASELIで払うか100円玉で払うかしか選択肢がないような状態であった。
ゆえにパセリを使われると店側がただ10%分の売り上げを取られるという状態であったため、それを嫌ってPASELI対応をしなかったり、対応はするもののできれば現金でプレーしてほしい旨を超アピールする張り紙をする店もあった。


太鼓の達人は2020年までこのスタイルをとっていなかったようで、従量課金制に移行する旨が告知されたことで「まだ違ったんだ」と驚いたユーザも少なくない。



EXTRA PASELIについて

PASELIが利用可能な筐体ではEXTRA PASELIという機能が利用可能である。
これは何らかの障害等で正常にプレーが行えなかったときに店側が設定するもので、コインプレーにおけるサービスクレジットのようなものだと考えてよい。
ちなみに、EXTRA PASELIが設定されている場合、パセリ残高が「ユーザのPASELI残高 + EXTRA PASELI」のように表示される。
この点については2010年08月08日付けのDDR制作チームのブログの記載からも確認できる。
さあ今回はこれ。
『EXTRA PASELI』 。
まさにEXTRAな今回の記事にぴったりです。
で、
PASELI対応になっている機種で、プレーを始めるまで表示されているコレ。
なんでしょう。
あんまり話しに出てこないもののような気がします。
知りたい?

だがしかし勝手にストーリーは進みます。
これは、PASELIを使ってプレーしていたときに何かハプニングが起きてしまってゲームが継続出来なくなってしまったときに、そのゲームをもう一度やり直すことが出来るようにお店の方が投入することが出来る特別なPASELIみたいなもの、と言ってしまえばよいのでしょうか。
プレー料金として一度引き落としたPASELIポイントは、皆さんのチャージしているカードに戻すことは出来ません。
なので、トラブルが発生したときのプレーに使っていたPASELIポイントをお店の人がセットして、それを使ってプレーしなおしてもらう、ということになります。

その設定したPASELIポイントが表示されるのが、『EXTRA PASELI』という項目なのです。
EXTRA PASELI!!

ま、
特に覚えなくてもきっと大丈夫です。
YES、一方的。

このEXTRA PASELIについては上記のパターンA・Bどちらの支払いも発生しない。
考えてみれば当たり前のはずで、正常にプレーできなかったときの回(=ユーザの残高を使ってプレーした回)に既にそれらは徴収しているからである。
というか、あくまで補填のためのものであるためEXTRA PASELIについては全額KONAMI持ちであるらしい。
その代わり、店側は何故EXTRA PASELIを設定したのかを都度KONAMIに報告する義務が存在する。


2022年09月02日にとあるゲームセンターが「9/10から音ゲー全台1時間500円で遊び放題!女性は無料!PASELIも使い放題!」というサービスを告知していた。
コナミの音ゲーはEVENT MODEなどでフリープレー自体には出来てもPASELIを使い放題にすることはできない。
EVENT MODEでは専用の状態になるからクレジット制でプレーできないし、筐体で設定できるPASELIの設定金額には下限が存在する*2からである。
では、どうやって使い放題にするつもりだったのかと言えばEXTRA PASELIである。(これは問い合わせで回答しているため確定)
これを使わせることで店側は1時間当たり500円を貰って、(EXTRA PASELIは全額KONAMI持ちなので)店がコナミ税やParticipation料金の支払いを逃れようとしたのではないかと思われる。
この辺りがメチャクチャ音ゲーマーに突っ込まれたためか9月8日の時点で『運営上重大な問題が発覚した』としてPASELI使い放題は撤回された。
ついでに「女性は無料」も最初の1時間のみに限定されたし、「9/10から」も「9/10と9/11だけ」に変更された。

最終更新:(2024/08/27)
最終更新:2024年08月27日 23:27

*1 どちらかと言えば2014年以前はPASELI使用時のみ追加コンテンツを買える方式が主流だった。jubeatの称号パーツのUFOを呼ぶ、フルコンチャレンジの挑戦権を増やす。QMAの協力プレーに参加可能、限定着せ替えアイテムの購入など。

*2 コインプレーならフリープレー設定がある