(特殊記事)Stepmaniaの譜面を公開する前に気を付けるべきこと


StepManiaで使用できる譜面を公開・投稿する前に気を付けるべきことを記載する。

前書き

当ページではStepManiaおよびITGで使用できる譜面を公開する前に気を付けるべきことを記載する。
  • ゲームプレーに重大な影響が出るので絶対に守るべきこと
  • ゲームプレーに支障が出る可能性があるので推奨されること
  • ゲームには何も問題ないけど設定した方が好まれること
の3段階に分けて記載するが、この中で『ゲームプレーに重大な影響が出るので絶対に守るべきこと』のみは「~~しろ」と命令形で記載する。
配布して他人のPCにエラーの原因を振りまくようなものは、外部に公開するべきではないため、最低限守らなくてはならないこととして強めの書き方になっているのであり、これを読んで「上から目線」だの「煽り」だのと感じるような人は、エゴサーチして酷評されてるのを見てキレる可能性が高いので公開しない方が多分いいです。

なお、年間通じて各種譜面パッケージ作成イベントが行われておりますが、当ページは譜面パッケージ作成企画とは関係ありません。
パッケージ作成企画に影響しないようにと忖度して公開時期を考えてたら、この記事永遠に出せません。



ゲームプレーに重大な影響が出るので絶対に守るべきこと

前書きにもありますが、エラーの原因になったりプレーに支障が出ます。
最低限守りましょう。


譜面ファイルやフォルダに日本語などの文字を使うな

いきなりですが、2021年現在のソフトで遊ぶ分には守らなくても問題はない場合もあります。
が、これについてはほぼ必須クラスの推奨だと思ってください。

使っていいのは次の文字だけだと思ってください。
!$&(),-0123456789:;=@ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ[]_abcdefghijklmnopqrstuvwxyz{}
要するに、アルファベットと数字と一部の記号だけ使っていいです。
ただ、これらの文字には全角と半角の2種類があり、そのうち半角のものだけが使っていい文字です。

全角の例(使っちゃダメ!)
abcd1234
半角の例
abcd1234

要するに1文字1文字のサイズが縦長じゃなくて正方形みたいな文字は使うなってことです。
そもそも論でいえば、全角と半角の違いも分からないようなら公開しない方がいいです。
ちなみに、ArrowVortexで譜面制作時に使っちゃダメな文字が使われていた場合、保存時に警告を出してくれます。
困ったらとにかくArrowVortexを導入してください。


譜面ファイルはUTF-8で書け

.smファイルや.sscファイルを作るときに、右クリックメニューなどからテキストファイルを新規作成してファイル名を変更したうえで、「 #TITLE:タイトル; 」みたいなのをコピペしていませんか?
分かってる人ならその手段でも構いません。メモ帳でも何でもいいから、保存するときにUTF-8で保存してください。

上で書いていることの意味が分からない場合、ArrowVortexを導入してください。
そしてArrowVortexに音源ファイルをドラッグ&ドロップして保存コマンドを行ってください。
勝手にUTF-8の譜面ファイルが作られます。

なぜUTF-8で書かないと駄目なのか

単純に、StepManiaがUTF-8に対応しているソフトだからです。
それ以外の文字コードは文字化けする可能性が高いと思ってください。
なので、日本語タイトルの楽曲が複数ある場合、選曲画面ですべて文字化けしてカーソルを合わせるまで何の曲だか分からないということが頻発します。
そうなると選曲時間を無駄に消費し、思ったような選曲が出来なくなります。ちゃんと表示できるようにしましょう。


曲名は正しく書け

.smファイルや.sscファイルなどの最初の方にある
#TITLE:;
#SUBTITLE:;
#ARTIST:;
こういう部分はちゃんと書きましょう。
書かなくても遊べるには遊べますが、何の曲かの情報が分かりません。
ArrowVortexを使っている場合「File」→「Properties」と選ぶことでこれらを入力することが出来ます。Shift+Pでも出せます。
困ったらとにかくArrowVortexを導入してください。

#TITLETRANSLIT:翻訳タイトル;
#SUBTITLETRANSLIT:翻訳サブタイトル;
#ARTISTTRANSLIT:翻訳アーティスト;
こいつらは任意です。日本語タイトルの曲は海外の人には読めないだろって時に使います。
ここには上に書かれている「譜面ファイルやフォルダに使っていい文字」だけを使ってください。
決して「英語のタイトルの曲だから、こっちには日本語で書いたろ」とかやらないでください。

書き方はローマ字にしても英訳しても伝わるなら何でもいいです。
ちなみにここはArrowVortexでは編集できないのでテキストエディタを使ってください。



ゲームプレーに支障が出る可能性があるので推奨されること

エラーの原因にはなったりしませんが、何も知らずに選んで思った通りの動作がしなかったりする可能性があります。
何か強い思いがあってそうしているのでなければ、出来れば設定した方が無難です。


.oldファイルは消しましょう

譜面を上書き保存していると、譜面ファイルと同名で「.old」とついたファイルができます。
コレの中身は上書き保存する直前の譜面ファイルと同一で、要するにバックアップファイルです。
つまり、これは製作者にとっては必要かもしれなくても、プレイヤーにとっては一切必要ないものです。
一つ一つは微々たる容量でしょうが、塵も積もれば山となります。
ストレージの容量を無駄に使うゴミにしかならないので消してください。


DisplayBPMの設定はハイスピード倍率を決めるのに一番おすすめの数値を指定した方が良い

#DISPLAYBPM:;
の設定についてです。
この項目自体は無くても動き、実際に譜面に使われている一番高いBPMと一番低いBPMが表記されます。
メモ帳などで直接編集する場合、ソフランする場合は「:」で区切って最低、最高BPMを記載します。
#DISPLAYBPM:最低BPM:最高BPM;
ソフランしないかのように書きたい場合、区切らず1つだけ記載します。
#DISPLAYBPM:190.000;

ArrowVortexなら「File」→「Properties」と選んだ場合、一番下に「Disp.BPM」という項目があるのでそこで設定します。

右端の「Default」と書かれているところを「Custom」にすると左の入力欄が使えるようになります。
BPM変化しないかのように見せたい場合は左右に同じ値を入力してください。

演出的なソフランをする場合、ここの数値を設定した方が無難です。
「演出的なソフラン」とは、『The legend of MAX』の停止前のBPM666の所とか、『Pluto Relinquish』のBPM800の所とか、その区間に踏む必要があるノートが存在しない区間や、『Vanquish The Ghost』のようにスタッターギミックによってBPMが2倍になっている個所のことを指します。

また、有効なノートがあるとはいっても、『ENDYMION』のBPM880地帯のような「全体から見たらごく少数しか置かれていない場合」はそこのBPMを無視した方が良いです。

DISPLAYBPMを指定した方が良い理由

何も知らずにハイスピードを自分で設定する場合もそうですが、最大の理由はMmodの挙動によるものです。
Mmodは「記載されている最大BPM応じてハイスピードを自動設定してくれるオプション」であり、設定がされていないなら演出部分を最大BPMとして判定してしまうために想定より低いハイスピードになってしまうから。
例えば『The legend of MAX』に対してM600を使うことを考えると、0.901倍になってしまう。
多くのプレイヤーが1.5倍前後を使うなか、これではハイスピードが遅すぎますね。
また演出のためだけに『Tohoku EVOLVED』のようにBPM1040などが指定されてたら0.6倍弱です。
人によっては10000や100000も指定するでしょう。そうなってくると悲惨すぎますね。

どうしても演出込みのBPM値を表記したい場合

とはいっても、最大BPMを正しく表記したいという人は居ると思います。
そんな時はSUBTITLEに「BPM ○○~●●」と書くなりバナー画像に書くなりするのがお勧めです。
DISPLAYBPMさえ程よく記載していればMmodには影響しません。


動画ファイルは適宜エンコードしましょう

お金持ちの皆様は当然のごとく「1677PC」を使っているかと思いますが、StepManiaを動かすには過剰なスペックです。
だからビットレートがクソ高くて再生負荷の高い動画を背景に流してもサクサク動いているんです。

しかし、必ずしもつよつよPCでプレーされているわけではありませんので、動画再生による再生負荷が原因で処理落ちが発生する可能性があります。
当然これではプレー感を損ねます。そうならないように適度にエンコードしましょう。
StepMania5環境なら大体の動画は再生できますが、ITG環境でプレーされること(海外とか)を考えるとAVIファイルでかつDivXかXvidでエンコードすることをおすすめします。よくわからんなら動画流すのはやめておきましょう。

似たようなことを日本のゲームセンターでやらかしたのがDDR2013で起きた「ステージ内のオブジェに動画を流す曲を選ぶと再起動する」というヤツです。

「綺麗な動画を流したい」という欲はあると思いますが、プレー中は矢印に集中することが殆どで、場合によってはスクリーンフィルタなどで消されることすらあるので、画質はファイルサイズをいたずらに大きくしてまでこだわらない方が良いです。


音声ファイルは極力oggにしましょう。

MP3はよく使われる音声コーデックですが、この音声コーデックは2017年4月までライセンス使用料を払わないとコーデックを使用できませんでした。
なので、ITG筐体で使われているOSのLinuxではMP3に対応しておらず、音声が再生できないことがあるのでOGGに変換することをお勧めします。
(OGGはMP3を受けて特許の制限を受けないように作られた代替コンテナで、こちらは無償で利用可能なのでLinuxでも使える)

ちなみに、ArrowVortexでは「Audio」→「Convert to ogg」と選ぶことでoggに変換してくれます。
変換しても元ファイルは消えないので変換元のmp3とかは消しておきましょう。

また、MP3やOGGに限らず、各音声のプロパティ情報(収録アルバム、歌唱アーティストなど)は消しましょう。
理由はゲームプレーには必要ないからというのが大きいですが、それ以外の部分はお察しください。


音量は良い感じに合わせましょう

手元にあるファイルで適当にいくつか音声ファイルがoggのものを選んだところ、だいたい100dBくらいになるように設定されているようです。
方法は問わないのでそうなるように設定しましょう。
古いソフトですが手軽なのはEcoDecoTooLあたりです。
同じ1本の音源でも音の大きい小さいが激しい場合はAudacityあたりで頑張りましょう。


ゲームには何も問題ないけど設定した方が好まれること

普通の人は設定しませんが、設定してあると「分かってる作者」に近づけると思います。

譜面制作者名または譜面情報を設定しましょう。

ArrowVortexの「Chart」→「Properties」と選ぶかShift+Cを押して、譜面のプロパティを開きましょう。
そしてStep artistの欄に作者名や譜面情報を書きましょう。

基本構成

名前欄 必要テクニック 滝の分布
  • 記入例
Name (製作者名だけを記載)

Name 4/8/8/4 (製作者名と滝の分布を記載)

Name DR FS (製作者名とテクニックを記載)

Name FS (4-4/16*)  (製作者名、テクニック、分布の全てを記載)
滝の分布を()で囲むかは個人差があります。

構成要素の説明

要素名 説明
名前欄 作者の名前を書きましょう。
必要テクニック 滝の中で必要となるテクニックです。BRならブラケットで2枚抜きなど。 譜面説明の一覧
滝の分布 滝の塊の大きさを小節数で記載します。後述。

必要テクニックについて

別ページに分離しました。
譜面説明の一覧

滝の分布について

次のような書き方をします。
4/8|16*4-4-4
区切り文字 説明
/ /の前と後の滝は充分な休憩があります
本来は半角の縦棒。縦棒の前と後には充分以上に長い休憩があります。
* 「16*」のように直前の数字を修飾します。実際には16小節フルに16分滝ではなくちょっと休憩があるものの、実質的には16小節
- -の前と後の滝にはほとんど休憩がありません。なので8-8と書いた場合は16*と書いても殆ど同じ意味になります
つまり、先ほどの例では
  • 一番最初の16分の塊は4小節来て、その後にそこそこの休憩があって
  • 8小節の16分滝が終わったら長らく休憩の譜面を踏み、
  • 間に休符があるほぼ16小節の滝を踏んだ後
  • 4小節の滝をほぼ休みなく3回
という意味合いになります。

譜面終了後も曲を聞かせたい(動画を見せたい)ときは、なるべく「#LASTSECONDHINT」を設定しましょう。

StepMania5では最後のノートが判定された直後にリザルト画面に遷移するため、曲を聞かせたい(動画を見せたい)場合には地雷を置くことで対処することがありました。
しかし.sscファイルでは「#LASTSECONDHINT」という項目が設定できるようになりました。
これを設定している場合では最後のノートの判定が終わった後でも、指定した秒数に到達するまで遷移しません。
よって最後に地雷が飛んできたものを踏んでしまうという事故を防ぐためにも、こちらで設定する方が良いです。

.smファイルの場合、#LASTBEATHINTという拍数によって同じように終了点を指定できる項目がありますが、これは2022年現在のOpenITGやNotITGでは対応していません。
そのため、.smファイルの場合は地雷を置くくらいしか対処法はなさそうです。


最終更新:(2022/12/18)

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最終更新:2022年12月18日 18:14