ここで、襖を開けたらあの日の親父と同じになってしまう。
そう、守るためだった。
決して自分が独占するためでも、他の男の手に触れさせたくなかったからでもなかった。
守るため。
―――当たり前だ、兄妹なんだから。
両親の生命保険はスズメの涙で、学費は杉の子育英基金から出たが生活費は洸至がアルバイトで稼いだ。
その給料で住めたのは築40年は経とうかというアパートだった。
妹との最初の二人暮らしが始まった。
二人の暮らしが始まってすぐ、妹への想いが変質していたことに洸至は気付いた。
遼子の気付かぬところで躰の線を辿り、狭い二人暮らしのアパートの中で感じる遼子が醸し出す甘い
匂いに陶然となっていた。その温もりをそばに感じると鼓動が高まった。
いつしかその躰に、きっと柔らかなその肌に掌で、指で唇で触れたいと思っていた。
父と呼んでいた男と一緒になっていた。
浅ましい男の眼で洸至は遼子を見ていた。
少女から女へと変わりゆく姿を眼の前にして、かつての自分の誓いが枷となり洸至を苦しめ続けた。
屈託のない笑顔、無邪気に語りかけてくる姿、洸至を信じ切っている遼子。
それを裏切って自分のものにしたがる自分と、守ろうとする兄としての自分とに引き裂かれそうになりながら
洸至は耐えた。
警視庁に採用されると遼子から逃げるようにして洸至は独身寮に入った。
遼子が国民ジャーナルを辞めさせられてから数カ月が過ぎたころ、二人で食事をすることにした。
仕事を辞めた遼子のことが気になっていた。
刺し向いでの久しぶりの夕食だった。
いつもならカルビ2人前は軽く食べる遼子の箸が珍しくすすんでいなかった。
「どうした、遼子。腹でも痛いのか」
遼子が箸をおいて俯くと、意を決したようにして顔を上げる。
肉が焼ける脂臭い煙の向こうから、熱のこもった眼でこちらを見ていた。
その眼で見つめられ洸至の躰が熱を持つ。
「ねえ、お兄ちゃん。お願いがあるの…」
仕事を辞めてから数カ月。困り果てての同居の申し出だった。洸至は泡の消えた生ビールを口に含んだ。
部屋に空きがない訳じゃなかった。ただ、理性と自分の願望との綱引きに自信が持てなかった。
「やっぱり駄目よね。お兄ちゃんだってお兄ちゃんの生活があるし。きっと彼女もいるし」
「彼女なんかいないさ」
遼子の言葉にかぶせるようにして洸至は言った。
思わず力を籠めて言った気まずさを打ち消す為に洸至は笑いながら言った。
「困ってるなら来いって。たった二人の肉親だ。お前の面倒なら俺が見るよ」
洸至は遼子の部屋の部屋とリビングを隔てる襖に頭を預けた。
たった二人の肉親だ。守って当たり前だ。
…どうして兄妹なんだ。
兄妹でさえなければ。俺も親父のようにこの部屋の扉を開けていただろうか。
だが、兄妹でもなくなったら、俺たちを繋ぐものがなくなってしまう。
親殺しという人としてしてはならぬことに手を染めても、洸至はたったこれだけの絆すら振りきれないでいた。
ワゴン車での話が脳裏を過ぎる。
洸至も妹が犯されるのを傍観していた男を莫迦だと思った。最低だと軽蔑した。
だが、愚かだとは笑えなかった。
犯される妹を観ることで、男は妹を視姦した。そこに微かな羨望すら憶えていた。
そんな自分を洸至は最低だと思った。
そして最低な自分を忘れるために、洸至はまたビールをあおった。
すいません、自己満足です。エロもありません。
ただ、耐え続けるお兄ちゃんが書きたかっただけです、すいません。
遼子の過去も捏造してしまいました…(汗
お目汚し失礼しました。
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誕生日ヤンデレお兄ちゃんも、耐え忍ぶお兄ちゃんも、GJです!!!
実況「生」中継、いいですねぇww
思いっきり聴きたくない事を聞かされそうだ。
そして遼子の過去、あの親父のことだ、きっとそうだったに違いない!
お兄ちゃん、遼子を守ってくれてありがとう。
お兄ちゃんはそんな我慢しないで手を出してくれても大歓げ…
最終更新:2010年11月23日 14:56