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「終焉の部屋(最終回ホテル)」by80さん  投稿日2010/03/22


永倉が出て行ったあと、凍りついたようになっている遼子のもとへ洸至がゆったりとした足取りで向う。
遼子は、洸至のもうひとつの顔を目の当たりにして、魂が抜けたような顔をしていた。
もう二人に残された時間はあまりない。
俯いてしゃがむ遼子の顔を覗き込む。

いたわる様に頬に指を滑らせ、顎に手をかけると、上を向かせる。
「お兄ちゃん…」
半開きになった唇に、そのまま自分の唇を重ねた。
遼子が驚いて、身をくねらせる。
洸至は片手を遼子の腰に回すと、そのまま抱えてベッドに押し倒した。

遼子は両腕で洸至の胸を押し、なんとか逃れようとするが、男の力に敵うはずもなくそれも徒労にしか過ぎない。
両腕を抑えつけられ、ベッドに洸至の手の平で縫いつけられる。
声を出そうにも唇はふさがれたままだ。
遼子が抗議の声を上げようと、唇を開いた瞬間、待ちかねたように洸至の舌がそこに滑り込んできた。
それはまるで暴君のように蹂躙し、遼子の口内をわがもの顔でうごめき回る。
そして、舌先に乗った錠剤を遼子の喉の奥の方へと押し込んだ。

突然、喉に何かを送りこまれて、遼子がむせこむ。
「お兄ちゃん、いま、なにを」
「毒じゃないから安心しろ。ちょっとした薬だ。気分が楽になる」
「何でこんなことを」
「これからすることで、お前がどうなっても、それはお前のせいじゃない」
「何する気。お兄ちゃん、お願いだからやめ」
抗議の声を聞いている時間はない。また遼子の唇をおのが唇で塞いだ。

全てを遼子に知られた今、この部屋を出た瞬間、いままで通りの兄妹ではもういられない。
いままで守り続けたことも、自分を抑えつづけていたものも全て終わるのだ。
だから、望んでいたこと全てをここでぶつけよう。
死ぬほど渇望しながら手にしなかったものを今ここで手にする。

舌で遼子の口内をなぶりながら、片手でブラウスを引き出し、その下に手を這わせようとする。
その動きを察知したのか、遼子は必死にその腕を止めようと、洸至の腕を叩き、掴み、
なんとかひきはがそうと暴れた。


遼子の必死の抗議もむなしく、洸至の腕は下から上へと昇っていく。ブラジャーに到達すると、そのままそれを上へとずらした。
服の上からでは見えないが、指で形をたどるだけできれいな形をしていることはわかる。
頂の方へ指を滑らし、目的の場所に指先で触れる。
最初は軽い挨拶程度に。なでるように。

しかし遼子が邪魔をするせいで、逆に荒々しい刺激を加えることになってしまった。
「ん!」
予期せぬ感覚に遼子の身が固まる。洸至は口づけの深さをますます増していきながら、指で、先端を撫でさすり、つまむようにして
もてあそぶと、そこは遼子の意に反して固さを増していった。
「んん!」

不意に唇をはずすと、二人の唾液がしずくとなって遼子の唇の横を流れて行く。
「お兄ちゃん、お願い、もうやめて。どうして。兄妹じゃない。駄目だよこんなこと」
怒りじゃない、欲望だけじゃない、絶望からだ。誰かにすがりつきたいほどの絶望、それが解らないのか。遼子。
遼子の瞳は涙なのか、それとも別の理由からなのか、すっかりうるみきっている。

「理由なんてそんなものどうでもいいだろ…。俺たちは半分だけ血のつながった兄妹なんだ。罪の重さも半分になるさ。」
そんなことは詭弁にすぎないことくらいわかっている。
全ての出発点は、洸至たちが異父兄弟というところにある。
そのせいで洸至は苦しめられ続けてきたのだ。
ここに及んで、そんなことにもう縛られたくはない。

それに、遼子、お前もその縛りから解放されかかっているじゃないか。
硬度を増して、服の上からでも形が解るほどになった乳房の頂き。抗議の声の合間に吐く息はどんどん荒くなっている。
洸至の胸を押し返す、腕の力はどんどん弱まっていく。
左手で遼子の身体が動かないように抱きかかえながら、自由になった右手を太ももへと向けた。
「やめて、お兄ちゃん、そこはだめ!もうだめだよ!」
舌を、耳へ頬へ首へと這わせながら、悲鳴に近い懇願を無視する。

遼子は侵入を防ごうと太ももに力を入れ、膝と膝をきっちりと合わせている。
その最後の砦も、洸至が膝を割りいれることであっさりと陥落し、指の侵入を許してしまった。
「お願い…」
絶望の入り混じった声。その震えた声が洸至には蟲惑的に響いた。
「大丈夫だよ…」
テレビでは、新党世界設立パーティのイベントで、子供たちが整列しはじめた様子が映し出されている。
名無しの権兵衛としての計画が成就する瞬間を眼にしながら、遼子を束の間俺のものにしよう。

最終更新:2010年11月10日 11:02