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でもきっと、ずっと前からこうなることが決まっていたのかもしれない。
鷹藤と遼子の知らないところで、二人の運命の糸は絡みあっていたのだから。

淫らに啜る音を立てながら、乳房の頂きを吸い続ける。
鷹藤が亀裂に手を伸ばすと、既にシーツに染みが出来るほどそこは潤みきっていた。
「どうしたんだ…。今日のあんたすごいよ」
「だって、鷹藤くんと会えてちょうど一年でしょ。嬉しいの」
遼子が愛しげに笑みを浮かべ鷹藤を見た。
鷹藤がクリトリスを撫で、そこに指を入れようとした時、遼子が鷹藤の手を押しとどめた。

「来て…。鷹藤くんが欲しいの。お願い…入れて」
遼子からこんな風に求められたことはなかった。
鷹藤が戸惑いを顔に浮かべると、遼子がその頬を手で包んだ。
「鷹藤くんがいっぱい欲しいの。お願い、待てないの」
返事の代わりに、鷹藤は遼子に深く口づけ、お互いの舌を絡み合わせた。
そうしながら、腰を遼子の太ももの間に沈め、自身を送りこむ。
確かに前戯など必要なかった。充分なほどそこは潤み、熱く蕩けていた。
二人で長く湯に入っていたせいだろうか。
いつもよりもそこは熱く絡みつくように蠢く。

「あああっ、いいっ…」
ゆっくりと腰を送り始めると、遼子の手が鷹藤の背に回された。
まるで離されるのを恐れるように、鷹藤の背を遼子の手が掴む。
「いっぱい入ってる…」
愉楽に顔をゆがめながら、遼子が鷹藤を見上げた。
「鷹藤くん好き…」
「俺も好きだよ」
遼子の喉に鷹藤は口づけた。腰を動かすピッチを上げる。
「あんっ…奥に…」
遼子の亀裂を抉り、揺らし、遼子を貫いた。
その鷹藤自身を離さぬように、遼子の内奥が蠢き肉がまとわりつく。

「あんたの中も凄いよ…。これじゃすぐいっちまいそうだ…」
「私も…お願い、んっ、今日は中に出して」
鷹藤に掻き乱されながら、遼子の潤みきった瞳が鷹藤を見ていた。
「…まさか。駄目だって」
「出してほしいの。今日は大丈夫だから」
「でも…」
「お願い…欲しいの、どうしても」
鷹藤を煽る様に腰を動かしながら、せつなげに遼子が言った。
鷹藤が遼子の眼を見る。戯れに言った言葉ではなかった。
その眼は切実に鷹藤を求めていた。

その眼を見て鷹藤の腹が決まった。
――もし失敗したとしてもそれでもいい。その責任は取るつもりだ。
そうでなかったにしても、鷹藤の心は既に決まっていた。

遼子の掌と鷹藤の掌を重ね合わせる。
鷹藤は遼子の右手の薬指を己の左手の薬指と小指で挟むと、指のサイズを確かめるように強く握った。
その手を遼子も強く握り返す。
運命でこうなることが定められた二人なら、ずっと離れることはないはずだ。
あれだけの死と暴力と謀略を潜り抜けられた二人だから、きっとずっと一緒にいられる。
それに、全てを注ぎこみたい程、全てを受け入れて欲しい程、鷹藤は遼子を思っている。
腰を打ちつける速さを上げ、遼子に自身を叩きつけ続ける。
鷹藤の背筋を快感が駈け上がる。

「あっ、ふうっ、んんっ、んっ、ああんっ」
あられもない声を上げながら、遼子の体が鷹藤の下で跳ねる。
「いき…そうだ」
「わたしも…ああああああっ」
「くっ」

飛沫を上げるほど激しく叩き付けると、鷹藤は遼子の中に全てを吐き出した。
遼子の同意を得て中に出せたせいか、いつも以上の長さで鷹藤は精を放っていた。
鷹藤が遼子の細い躰を強く抱きしめると、遼子も鷹藤の背に廻した手に力を籠めた。
「出てるの、わかる…?」
「うん…」

自分の全てを受け入れてくれた遼子が愛しくて、鷹藤は口づけた。
「愛してる…」
恥ずかしくていつもは言いづらい台詞が、自然に鷹藤の口をついて出た。
「わたしも愛してる」
またすぐ淫らに舌が絡んでくる。まるで情事の再開を望むように。
「こんなキスしたら、またしたくなっちゃうだろ」
遼子の中で、鷹藤のものがまた硬さを取り戻しつつあった。
「いいよ。このまましようよ…」

それから鷹藤は遼子の中で2度果てた。
遼子の中で果てるとき、お互いいつも以上の快感を得ているようだった。
遼子は何度も意識を手放した。その度に鷹藤が口づけで眼を醒ましてやる。
そしてまた二人で快楽に溺れた。
素晴らしい夜だった。

「何があっても、俺、あんたのこと守るから」
快楽にまみれた後の、心地よいけだるさのなかで鷹藤は腕の中の遼子に囁いた。
鷹藤と指を絡み合わせながら、遼子が鷹藤の頬に口づける。
「わたしも、鷹藤くんのこと守るわ」
遼子がひどく真剣なまなざしで鷹藤を見て言った。
その頬を鷹藤の指が愛おしげに撫でた。
「もう離さないからな。ずっとだ…。ずっと一緒に居たい」
遼子が微笑んだ。
この上なく溶け合い、ひとつになれたのに、遼子の微笑みにふっと寂しげな翳がよぎったように思えた。

…この教団の一件が終わったら指輪を買いに行こう。
そして今、喉まで出かかっている言葉を遼子に告げよう。

遼子の瞼に唇を落とすと、遼子を抱き寄せ鷹藤は眠りについた。


最終更新:2010年11月11日 20:29