「一緒に…いきましょうよ」
汗にまみれ、口を半開きにして快楽に溺れている遼子に思わず口づけていた。
そのまま腰を打ち付け続ける。
遼子をもっと味わいたい。
だが、終わりが間近にあることを背筋を駆け上がる感覚が告げている。
片山が遼子を揺らすリズムを高めると、合わせた口から、漏れる声のリズムも上がっていく。
「あっいやっ、いくっ、んんん…あああああああぅんっ」
「俺もっ…」
のけぞったあと、弛緩しきった遼子が身動きするのを止めた。
片山は一気に引き抜くと、遼子の腹の上に精を放ち、それからまた口づけた。
まるで反応がない。
「遼子…さん?」
気を失ったらしい。
片山は不思議そうな顔をして傍らの遼子を見つめていた。
いつもならこんな時でも、冷静にその状況を見ている自分が、今はこの行為に真から
没頭していた。終わりが来るのを恐れてもいた。
薬を飲ませた後、舌で嬲った時に俺にも薬が入ったのか。
それとも、俺もこの女に…?
洸至のように囚われつつあるのか。
もう、どっちでもいい。
俺が堕としたんだ。
洸至が慈しみ守ったものを、引きずり落としてやった。
だが自分が望んだ地点に辿りついたというのに、片山は満足感よりも虚しさを感じていた。
自分の気持ちがわからぬまま、片山が遼子の頬に触れようと手を伸ばした時。
片山の携帯が鳴った。
洸至からだった。
片山のアパートのそばに止めた車の前で洸至は待っていた。
名無しの権兵衛の時に使う車だ。
洸至は片山の腕の中の遼子の寝顔を見つめていた。
「まだ薬が効いてるみたいだな。それとも、お前のせいかな」
後部座席のドアを開け、そこに遼子を寝かせるように促した。
「…全部知ってたんですか」
遼子を起さぬように、洸至が静かにドアを閉めた。
「ああ。悪かったな、動画で見てたよ。お前の部屋にカメラを仕込んでおいたんだ。
お前も、もうちょっと気を使えよ、あんな鍵じゃ誰でも入れるぞ。
俺がお前の部屋に入ったのはだいぶ前なのに、気付きもしないなんてなあ」
「…なぜこんなことを」
「お前、遼子のことずっと狙ってただろ。惚れたとかそんなんじゃなくて。…俺のもの、だからか」
コートのポケットに手を入れ、車に寄りかかりながら、洸至が片山を見た。
心の奥底を見透かすような眼だった。
「カメラは安全のために仕掛けさせてもらった。大事な妹だからな。薬はやりすぎだが、
遼子も楽しそうだったから許すよ」
「俺、遼子さんと」
「だからどうした。別に俺の女じゃない。あいつだって大人だ。男と二人で飲んで、
酔い潰れたらどうなるか、それくらいわかってるはずだ。俺はそんなに了見の狭い男じゃないぞ。」
片山は虚脱感に襲われた。
「わかっていて、わざと俺に抱かせた…。本当は鳴海さんこそ…」
「何言ってるんだよ、兄貴の俺が抱ける訳ないだろ」
洸至は笑みを浮かべた。だが瞳は海の底のように昏く冷たかった。
片山の背筋が粟立つ。
止めようともせず、全てを見ていた。
嫉妬に狂いながら、自分が求めても手にすることができない女の愉楽に溺れる姿をじっと見ていたのか。
どんな眼で自分と遼子の痴態を見ていたのかと思うと、今は洸至の眼を見るのが恐ろしかった。
「なんだ、薬使って遼子を抱いたくせに、変な顔するなよ。部屋で目を覚ませば、
遼子も今日のことは夢だったと思うさ。俺もフォローしておくよ。真実さえ知らなきゃ、遼子も傷つかない。
明日…、もう今日だな。今日も一日張りつくぞ。少し寝ておけ。じゃあな」
洸至は車に乗り、走り去った。
下半身に残るけだるい快楽の残滓。
だがそれより脳髄に沁みる恐怖の方が勝った。
とりあえずひと眠りしよう。
…底なし沼に沈むような恐怖を抱えて眠れれば、だが。
片山は足を引きずる様にしてアパートの部屋を目指した。
お粗末さまでした。長くなってすいません。
しかも兄をキングオブ変態にしてしまいました。
223
片山×遼子 GJ!!
そして兄、こえぇぇぇ。
だが「キングオブ変態」に、茶吹いたw
今度は鷹藤の所のカメラで…ry
最終更新:2010年11月15日 14:35