頼まれてもいないのに、前スレ「774号の客」の続きができました.
ナースコスプレプレイのはずが…。
しかも長い。すいません。
スレの即死回避ということで、お許しを…。
60 Miles an Hour 鷹藤編 by8さん 投稿日 2010/12/09(木)
鷹藤の躰が宙を舞った。
ナース服姿の遼子が開いたドアから鷹藤を見つめていた。最後に何か遼子は言ったようだった。
だが、鷹藤は遼子の声を聞くことなくワゴン車の外に放り出された。
鷹藤を放りだした後、開いたままの側面のスライドドアから、黒いニット帽の男が驚いた表情を浮かべ鷹藤を
見ていた。
身を切るように冷たい冬の風を感じた次の瞬間、鷹藤はガムテープで後ろ手に縛られた状態でできることが
少ないながらも頭をすくめた。
次の瞬間、アスファルトに左肩が触れた。鷹藤の躰の中で鈍い音が響く。道路で鷹藤の躰が軽くバウンドする。
そして道路を何度かわからないほど転がり、鷹藤はやがて止まった。
どこが痛むかわからぬほど躰中が痛んでいた。その痛みに襲われながら顔を上げ、走り去るワゴン車を見ようとした。
だが額の上を切ったらしく、とめどなく流れる血が眼に入り鷹藤の視界が赤く染まる。
見えない目で周りを見回す。スピードを上げ走り去るエンジン音が遠くに聞こえた。
立ち上がろうとする。躰じゅうが痛んで動けなかった。
強い光を感じて振り返る。後続車のライトか。
大きな摩擦音を立て、止まる音。
タイヤの焦げる匂い。開くドアの音。駈けてくる足音。
大きな手が鷹藤を掴んだ。口に張られたガムテープを、鷹藤の唇が痛むのも構わず一気に取る。
「動けるか」
聞き覚えのある声だった。だが、いまの衝撃のせいで誰の声か思い出せない。
「俺の車に乗れ」
「あいつが、俺の彼女が攫われたんだ…。助けないと」
男の肩を借り、よろめきながら歩く。足は折れていないようだ。ただ肩が、左肩がひどく痛んだ。
「彼女か…。手伝おう。乗れ」
鷹藤が身をかがめ、男の車の助手席に座った。
グローブボックスから男が万能ナイフを取りだし、鷹藤を縛るガムテープを切った。
運転席に座った男が鷹藤の額の傷に触れた。それから何か布をあてる。
「そこは切れただけのようだな。さあ、行くぞ鷹藤くん」
男が鷹藤の名を呼んだ。鷹藤が驚いて眼の周りの血を拭う。
見覚えのある横顔。
そこにいるのは遼子の死んだはずの兄、鳴海洸至だった。
鷹藤の躰がシートにめりこむ。
猛獣の唸り声にも似た音をタイヤがたて、車が急加速で走り出した。
街灯に照らしだされる洸至の横顔を鷹藤は茫然と見ていた。
遼子と溶け合う程に躰を重ねあわせていた、ほんの30分前。
こうして遼子の兄、名無しの権兵衛こと鳴海洸至と再会することになるとは思いもよらなかった。
「で、結局そっちかよ」
ナース服に身を包んだ遼子が、ドレッサーの前で制帽をピンで留めていた。
「セーラー服はね…。あの事件のあと、卒業式で着たのが最後なんだけど、見ちゃうと思い出しちゃって」
遼子の横顔に翳が過ぎる。
あの事件。遼子の兄が両親と自宅を吹き飛ばした事件。全てのはじまりだった。
「でもね、お兄ちゃんがわたしの卒業式に出席したら、わたしのこと馬鹿にしていた子とか、殆ど話したことの
ない子までわたしとお兄ちゃんのところにやってきて、一緒に写真撮ろうって頼んだのよ。お兄ちゃん、
かっこよかったから」
「へえ」
遼子の兄。名無しの権兵衛。数多の人を殺し、関わったものの人生を変えた男だった。
だが、やはり遼子にとっては犯罪者というよりは、家族としての記憶の中に兄はいるようだった。
「ごめんね、鷹藤くんの前でこんな話しちゃって」
「いいよ」
遼子の兄、鳴海洸至は自分の両親だけでなく鷹藤の家族も吹き飛ばした。父と母と兄と。
許せない…と思う時もある。
だが、洸至を名無しの権兵衛と知るまでは、もし兄が生きていたらこんな感じだったろうかと、その背に兄の
背中を重ね合わせたりした。
そのせいか事件の後も単純には憎めなかった。
洸至に対する恨みの気持ちよりは、裏切られた悲しみの方が強かった気がする。
「俺もあんたの兄さんに世話になったし、嫌いじゃないよ」
遼子の後ろからその細い躰を抱きしめた。
そのうなじに唇を落とす。
「ん…」
「で、看護婦さん、俺に何してくれんの?」
「何って…あ…」
鷹藤が遼子の顎に手を添え、顔だけ後ろを向かせると唇を重ねた。
すぐに舌が絡まり合う。
鷹藤の顎から耳の下へと蔦のように遼子の手がのび、髪の中へ差し入れられた。
「んん…」
遼子の喉の奥から甘い声が響く。鷹藤が唇を離した。
「これじゃ俺がやってることになっちまうな。あんたはどうしたい…」
遼子が顔を赤らめ下を向いた。
「こんな格好なんて初めてだし…。やっぱり恥ずかしいよ、鷹藤くん」
「じゃあ、また俺の好きにしていいんだな、看護婦さん」
遼子ナース服だが、鷹藤は先ほど躰を重ねたときからまだ服を脱がず、ほどけたネクタイとワイシャツ、
下はスラックスのままだった。
鷹藤がネクタイを外す。
遼子の手首を重ねさせると、緩く縛る。
「いたずらするときに邪魔だからな」
鷹藤が遼子の戒められた両手に頭をくぐらせると、恋人の腕の中に来た。二人の躰が密着する。
「これだけ近いと、看護婦さんになんでもできるぜ」
「もう…」
あまりの顔の近さに遼子が眼をそらした。
鷹藤が眼の前にきた遼子の耳たぶを口に含むと、それだけで遼子の腰が震える。
遼子の腰に手を廻し逃げられないようにすると、鷹藤は制服の下に手を入れた。
「あれ…。あんたあれから下着はいてないのか」
「だって…」
遼子が言い淀む。
「そうだよな、あれだけ濡れちゃはけないよな。ナース服の下がノーパンって、やってくれってこと?」
滑らかな太ももを撫で上げると、鷹藤は遼子の亀裂にいきなり指を挿れた。
「ひゃんっ…」
湿った音が波の音のように部屋に響く。
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最終更新:2010年12月27日 19:36