「ちがっ…ああっ!」
膝がガクガクと震える。膝の力を解放してやりたいのに、洸至がそれを阻む。
「なんだ、遼子。もうイきそうなのか?」
遼子が首を振って否定すると、今度は洸至の指が濡れた秘裂を往復する。
指に絡みついた蜜を舐めとり、そして再び秘裂を撫で、緩やかな愛撫が再開される。
一本だけ挿れられた指は、中の襞を確認するかのようにゆっくりとしか動かない。
「…やめ…て…お願…い」
「なんだ?聞こえないぞ」
妹の懇願に、洸至が悪戯な笑みを浮かべて聞きかえす。
その間も、指は中と外を執拗に移動し、蜜がイヤらしい音を響かせる。

そのとき、再び、床に放り出した遼子の携帯の着信音が倉庫内に響く。
乱れた息のまま、朦朧とする意識の中で遼子がゆっくりと顔だけをそちらへ向けると、
遼子の視界に洸至の手が入ってきて、携帯を握る。
そして洸至の空いた手はぐちゅぐちゅと淫靡な音を立てて、再び遼子を翻弄し始めた。

止んだ着信音の変わりに、響いてきたのは遠くに聞こえる誰かの声。そして兄の声。

「遼子、電話だ」
遼子は何とか体勢を立て直そうとするが、また洸至の手によって腰を抱えられてしまう。
今度は尻を突き出したような姿勢でうつ伏せにされ、そしてその姿勢のまま、遼子は差し出された携帯を手に取った。

「…は…い」
『オレ、鷹藤だけど。一瞬間違えたかと思ったよ。…今、誰かと一緒か?』
「鷹藤君…」
遼子の体に緊張が走る。
『もしもし?どうかしたのか?さっきも何度鳴らしても出なかったし。』
何も知らない恋人の声。
遼子はどうにかその場を取り繕おうと、震える声を抑えながら必死に絞り出した。
まさか、今、自分が陵辱されているなど、絶対に知られたくない。しかも、血を分けた実の兄に。

「あ…ううん、大…丈夫」
震えこそ電話越しには伝わらなかったようであったが、言葉が途切れ途切れになり声が掠れてしまった。
それは鷹藤に不審さを感じ取らせた。
『おい、何かあったのか?』
優しい恋人の言葉も今は辛いだけ。早く、早く切りたい。遼子は必死で自分を演じる。
「ううん、ホント大丈夫。でも…ごめん…今は」
そこまで振り絞るように言ったとき、いきなり体に激しい熱が走った。
より一層高く持ち上げられ、剥き出しになった秘裂に、洸至の楔が突き刺さったのだ。

「あああっ!」
突然のことに、遼子が悲鳴をあげる。
『遼子!?』
遼子が息を吸い込むと同時に洸至のものが最奥へと射し込まれ、強烈な快感に、遼子の口からは吐き出した息と共に甘い声が漏れる。
「あ…はっ…う…」
手に持っていた携帯が落ちそうになり、必死に僅かな理性でそれを握り締める。
緩やかな抽送が繰り返され、電話越しでも聞き取れそうな水音が響く。

『遼子!』
「…ごめ…ん、鷹藤君・・・ごめ…んね・・・」
鷹藤に聞かれたくない。知られたくない。溺れそうになる自分に、遼子は必死で言葉を返し携帯を切ろうとした。

が、次の瞬間洸至によって、携帯を奪われた。
うつ伏せにさせられている為に、兄が何をするのか、何を考えているのかわからない。
小さく響く鷹藤の自分を呼ぶ声に、遼子は必死でそこから逃れようとするが、その度に洸至自身がねじ込まれる。
痛みにも似た快感を堪える遼子を他所に、洸至がゆっくりと携帯を耳に当てた。

「悪いが遼子は今、手が離せないんだ」
『お前は…』
必死で指を噛んで声を抑えようとする遼子の手を引き剥がし、また緩やかな刺激を与えてくる。
無理矢理響かせられる声は、鷹藤にも届いているのだろうか。

「久しぶりだな、鷹藤君。」
『…遼子に…何をしてるんだ!』
「ああ、聞こえないのか」
洸至はそう言って携帯を持った手を腰に添えると、今度は激しく腰を動かした。
「あ…んっ…いやぁ…やめ・・・て・・・」
淫らな水音と肌のぶつかる音。そしてそれに合わせてくぐもった声が響く。
数秒それを聞かせると、洸至は再び携帯を耳に当てた。

「こういうことだ」
『…貴様…っ!』
「俺がいない間、随分と遼子と親しくなったようだな。」
『おい!アンタ、自分が何してるのかわかってるのか!』
「だが、お前に遼子をやる約束をした憶えはないんでね。遼子は、俺のモノだ、返してもらおう。」
『何云ってるんだ!アイツは…遼子は、お前のモノなんかじゃねぇ!』
「『遼子』呼ばわりか。ふん。随分感じやすいんだな、遼子は。これもお前のおかげか?」
『やめろ!やめてくれ!』
「俺は別にやめても構わないが、今やめたら遼子が辛いだろう?」
洸至の顔が歪む。

激しい行為に、遼子の体に小刻みな痙攣が走り出す。
しかし、もう限界に達しようとしていた遼子からいきなり洸至は自身は引き抜いた。
圧迫感と快感が体から引いていき、遼子が大きく息を吐く。

洸至はそんな遼子の体を持ち上げて仰向けにさせると、遼子が言葉を上げる間もなく、再び楔を打ち込み始める。
「んん…んっ…っ」
体を激しく揺らされて、遼子は口元を手の甲で抑えた。声を堪えるしか遼子にはできない。
だが、そんな遼子の指先に触れた洸至の唇は優しかった。
そして一瞬、洸至の顔に寂しさが浮かび上がる。
辛そうな顔…遼子はそう思った。それだけで何故か遼子の瞳からは涙が溢れる。

洸至はそんな遼子を見ながら頬を撫でると、ゆっくりと携帯越しに鷹藤に話し掛ける。
「聞きたいんなら聞いていろ」
そう言って携帯を近くの床に置くと、洸至は今度はじっくりと遼子への愛撫を始めた。
ブラウスを脱がせ、胸を覆っているブラジャーを取り外す。
そして洸至もシャツを脱ぎさり、汗の浮かんだ白い肌にゆっくりと唇を這わせながら腰を揺り動かしていった。
「んっ…」
洸至の的確な愛撫は、遼子の理性を簡単に突き崩す。
「遼子…」
愛しげに名を呼んで、漸くこの行為が始まってからはじめて洸至の唇が遼子の唇を捉えた。
唇からも二人の交わる音がぴちゃぴちゃと音が響いていく。

「んん…っ…はぁっ、はぁっ」
長い口付けを終えて、遼子が空気を貪るように吸い込むと、洸至は今度は硬く尖った胸の頂へ唇を移動させた。
舌で転がし、甘く噛み、強く長く吸い上げる。遼子はその刺激に眉根を寄せ、必死に堪える。
腰の抽送は徐々に激しさを増し、遼子はそれに上下に揺らされながら、洸至の頭を抱え足を絡ませた。

「おにい…ちゃん」
遼子の言葉に、洸至の動きがますます激しくなる。
「あっ…や…あっ…会いた…かった…っ」
「ああ…」
「寂し…かった…の」
「…知ってる」
「おにい…ちゃん…」
「遼子、お前だけなんだ…お前だけ…」
最後の兄が自分を呼ぶ声が切なくて、遼子は激しく揺さぶられながら必死で洸至を抱きしめた。
体の奥から、意識の遠くから、何かがやってくる。

「あっ……ああっ…イクっ…イッちゃう!あああっ!」
「…っ」

壮絶なエクスタシーの波が遼子を襲い、中を蹂躙していた洸至を締めつける。
熱く痛いくらいに心地よい蜜壷に、洸至は我慢できずに欲望を開放した。
長い射精が続き、その間も遼子は体を痙攣させて大きな波に身を任せ、そして兄に抱かれたまま意識を手放した。

洸至は遼子の中から自身を抜くと、床に置いた携帯電話を手に取った。

まだ電話は繋がっているだろうか。
それとも切れているだろうか。

しかし洸至はそれを確かめる事無く、電源を切った。

「梨野、お前の思い通りにはさせないよ。」



以上です。
細切れになってしまい失礼しました。
兄と美鈴さんのレベルの高いエロに比べて、駄目駄目ですみません…。
そして尻切れっぽくってさらにすみません…。
もう少し遼子が兄を受け入れるverも考えてはいたんですが、こんなもんで挫折。
鷹藤君にはお詫びに、鷹×遼エロを進呈予定ww

その前に、500超えてしまうでしょうか?


GJすぎる!!!!!
兄エロいっ!すばらしい描写にため息つきまくりです。
エロに入る前の妹を弄ぶ兄とか、エロ突入後もただマシーンのように責め続ける兄…!!!
やがて快楽から兄を受け入れる遼子の背徳美に溢れた感じもいいですね!
でもって、受話器の向こうで流したであろう鷹藤の涙に乾杯☆

鷹×遼エロも楽しみです。500越えまだしなさそうだから、
不憫な鷹藤の為にも、投下是非よろしくです!
最終更新:2011年06月18日 20:02