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「うたかたの夜」by333さん  投稿日2010/10/16


1周年記念エロ鷹遼です。が、苦めかも。



バスルームに泡が舞う。

バスタブの中で遼子が、手に付いた泡に息を吹きかけ、天井へ向けて飛ばしていた。
泡だらけのバスタブの中で、後ろから鷹藤に抱えられながら遼子がはしゃいでいる。
最近あまり観ることのなかった、遼子のこんなにもリラックスした表情を見て、鷹藤は胸を撫で
下ろしていた。
「どうしたの?」
鷹藤の視線に気づいた、遼子が鷹藤に向き直った。
「いや…。あんたらしいはしゃぎ方だよ」
鷹藤は遼子の頬に口づけた。
「いい年なのに、とか思ってるんでしょ」
「思ってないって」
「ねえ、鷹藤くん」
「ん?」
「…当たってるんだけど」
「何が」

鷹藤が笑うと、遼子が泡の下に手を入れた。鷹藤の硬くなったもの手を這わせて、大きさを確かめるように
ゆっくりと掌を動かした。
「ふふっ。いやらしい。こんなに固くなってる」
「あんたが触るからだろ…」
「私のせい?」
「違う?」
鷹藤が遼子の目を覗きこむと、顔を赤らめ上目遣いにこちらを見た。
「その前からずーっとあたってたよ。だから、私…」
「何だよ」
鷹藤が言い淀んでいる遼子の亀裂に手を伸ばし、そこを撫でた。
「きゃっ」
水音を立てて、遼子の体が震える。そのまま指で敏感な粒をそそのかす。
「水の中じゃ濡れてるかわかんねえな…」
鷹藤の肩に手を置き、眉をひそめながら、遼子が這いあがってくる感覚に身を任せているようだった。

「で、どうしたって?」
鷹藤がまるで世間話をしているかのように遼子に続きを促した。
だが、水面下では激しく指を動かし、遼子の亀裂と粒を撫でつづけている。
「んっ、やんっ、ベッドいこ…」
「いやらしいなあ、あんた自分からそんなこと言う様になったんだ」
「もうっ、いじめ…ない…で…」
「かわいいよ」
鷹藤が遼子に口づけた。その鷹藤の頬を遼子の泡だらけの両手が包む。
鷹藤は遼子がどこか遠くへ行ってしまいそうな感覚に時折とらわれることもあったが、いま
こうして二人で過ごしていると、そんなことは鷹藤の思いすごしに過ぎないような気がしていた

最近、遼子は何かに追い立てられるように、ある教団を調べていた。
発端は、遠山からのメールだった。
添付されていたのは、山奥でコロニーを形成する新興宗教団体のパンフレットだ。
本文には、確信はないが動向に注目しろ、と一言だけ書いてあった。
遠山の言葉に不穏なものを感じ、遼子と鷹藤はその宗教団体を調べ始めて、気づいた。
教団にちらつく、破壊行為への欲求。強烈なまでの正義への志向性。
それは名無しの権兵衛が操作した数多のグループが持つ特徴だった。

それから遼子はその教団や、教団周辺を取り憑かれたように洗い始めた。
誰に依頼された取材でもないので、仕事の合間を縫って、プライベートな時間を削ってまで遼子
はそこを調べ続けていた。
まるで熱病にかかったように遼子はのめり込み、アンタッチブル編集部の誰もが遼子を心配する
程だった。

鷹藤にはわかっていた。

遼子がどこか遠くを、何かを熱望する様な眼をしながら教団を探り続けていたのは、そこに暗躍
する兄の影を見たからだ。
そしてそれを、否定したかったのだ。
兄が生きていることを、そして計画を続けていることを。
兄が死んでいれば、それは悲しむべきことだが、追憶の中でもうその兄の記憶は汚れることはない。
しかし生きていたら。
兄との暮らしで感じていた安寧と温もりを求めつつ、また死と暴力の嵐の中で、兄と対峙することになる。

だが、真実は遼子の望みを裏切る。
収集した断片的な情報が一個のモザイク画となり、それが示す事実は、鳴海洸至の生存と、
大規模な破壊行為の計画だった。

情報を集めた結果を警察に通報したが、はたして本気にしたかどうかは疑わしかった。
鳴海洸至は公的には死者だったからだ。
警視庁公安部創設以来の汚点を掘り返し、また公安に泥を着せる様な真似を警察はしたがら
なかった。
官公庁にありがちな、内向きの論理が働いていた。

「また何か起こす前に、今度こそお兄ちゃんを止めてみせる」
息抜きにと誘ったバーで遼子は思い詰めたように言った。
「あんたひとりじゃ荷が重いよ。敵はあんたの兄さんだ。俺も手伝うから、ひとりで突っ走るん
じゃねえぞ。
ふたりならきっとなんとかなるからさ」
「…立ちふさがっても、お兄ちゃんはきっと越えていっちゃう。だったら…」
しばらく沈黙し、考え込んでから遼子は言った。
「立ちふさがるんじゃなくて、寄り添うの」
思い詰めるように遼子が言った言葉の意味は、その時鷹藤にはわからなかった。


遼子をベッドに横たえると、鷹藤はまた口づけた。
バスローブをまとった遼子の胸元から、熱帯の花の香りがたつ。
さっきふたりで入ったバブルバスの匂いだった。
広いベッドの上で遼子の髪が波のように拡がる。
ここは、鷹藤が遼子の喜ぶ顔が見たくて予約した都内の高級ホテルだ。
二人が出会って1年を記念した遼子へのプレゼントだった。
「いい匂いだ」
舌を胸元に這わせる。手でバスローブの胸元をはだけると、そのまま乳房の頂きを口に含んだ。
「あんっ」
1年前出会った時、二人がこんな風になるなんて思いもしなかった。

最終更新:2010年11月08日 23:18