「それでもいいの」
この女と俺とはこの面においては全く同類なんだな。
美鈴の背に手を回すと、洸至が美鈴に唇を寄せた。
渇いているはずの美鈴の舌が濡れている。
舌を絡め合いながら、美鈴の服を脱がせる。美鈴は恥じらうことなく洸至に身を任せ、
洸至のTシャツの下に手を這わせながら、筋肉の感触を愉しんでいるようだった。
二人はもつれるようにして洸至のベッドに倒れこんだ。
洸至は美鈴のパーカーの前をはだけさせると、キャミソールの下のふくらみを下からゆっくりともみあげる。
か細く見える体のラインだが、滑らかな肌は誘う様に吸いつき、乳房のふくらみは柔らかく
掌から零れるほど豊かだった。
「んっ」
乳房の先を指ではじくようにして更に刺激をあたえると、美鈴が声を漏らし、洸至を見て微笑んだ。
洸至も了解したように微笑むと、乳房に吸いつきながらスウェットの中に手を入れた。
もう、下着が意味をなさぬ程濡れて蜜が染みていた。
すぐに亀裂の中に指を二本差し込む。待ち受けていたように、そこはすんなりと洸至の指を受け入れた。
親指でクリトリスを撫でる。美鈴の息が上がる。
指を蠢かし続ける。美鈴から押し殺したような声が漏れる。
洸至も、美鈴も焦らすような真似は必要ない。
ただお互いを昂ぶらせて絡みあえればそれでいい。
鼻から愉楽の声を漏らしながら、美鈴が洸至のジャージに手をかけた。
ジャージから硬くなりつつある洸至自身を引き出す。
美鈴はその大きさを確かめるようにゆっくりと根元から先端へ指を滑らせた。
どこが男の快楽を誘い、どこを触ると昂ぶらせられるかを知っている指の動きだった。
美鈴の口元に笑みが浮く。
遠山を巡って遼子と美鈴が反目し合っていた頃、遼子が女の武器を使うなんて記者の風上にも
置けないと言っていたことがあった。
しかしいま洸至が見ている、雪の女王のような冷たい表情の下にある好色な素顔を垣間見たら、
免疫のない男はこの女にのめり込むだろう。
そう思わせる淫蕩さがその笑みにはあった。
それを知った上で女の武器を使っているとしたら、相当なタマだ。
洸至の指で、散々亀裂の中をかき回されながらも、美鈴の手の動きは止まることなく、洸至自身を急きたてる。
洸至の先端から出た樹液のようなものが美鈴の手を濡らす。
「口でしようか…?」
「いや。いらないさ、そんなの」
「そう。来て…」
美鈴のスウェットと下着を一気に剥ぎ取る。
そのまま、洸至は美鈴に覆いかぶさった。
肉と肉がぶつかり合う音が洸至の部屋に響いていた。
もう、雨の音も聞こえない。
水音なら、この部屋の方が激しかった。
「んっ」
洸至に合わせて、美鈴も腰を動かし、お互いの体から最大に享受できる快楽を引き出そうとしていた。
「声、出さないのか」
「んっ。出そう。だけど、私が出したら周りの人なんて思うかしら」
熱く潤みきった亀裂とは対称的な、艶を帯びながらも冷めたような声。
「兄妹が住んでいる部屋から、女が出すあの時の声が聞こえたら、誤解されるわよ」
洸至は答えず、さらに激しく美鈴に打ち付けた。
跳ねまわり、かき乱し、美鈴を押しつぶすように叩き付ける。
知ってか知らずか、美鈴は洸至の渇望と、欲望に火をつけていた。
洸至には下に組み敷いている美鈴の顔が一瞬妹と重なって見えていた。
「あんっあっ」
「誤解したいなら、させておくさ」
突きあげる。
「ああっ」
「誰がどう思おうと、俺たちは兄妹だから」
抱きしめ、首筋に舌を這わせる。
「いやっ、ん」
「そんなことになるわけないんだ」
乳房を押しつぶすように体を押し付ける。硬くなった乳首が胸のあたりに当たった。
美鈴の体がずり上がるほどに腰を叩きつけ、草むら同士をこすりあげるようにしてクリトリスを刺激する。
「いいっ、お願い、もっと、お願い、もっと」
喘ぎながら美鈴が懇願していた。
雪の女王の仮面が剥がれる。その下にあるのは淫乱な雌の顔なのか、――それとも。
美鈴の中が蠢き、洸至から快楽を搾り取る様に熱く絡みつき蠕動する。
洸至は女なら来れば抱いた。顔も躰も気にしなかった。
求める相手が決して自分のところへは来ないのだから、正直女など、どうでもよかったのだ。
だが美鈴は今まで抱いた中で最高の部類に入る女かもしれない。
柔らかく、花の様な芳香がする躰。
みだらに蠢き男を求める内奥と心。
打ち付けるリズムを落とす。
昇りかけた梯子を降ろされ、腰を蠢かせながら美鈴が洸至をせつなげに見た。
半開きの口から、間断なく小さな喘ぎ声と、涎が滴り落ちていた。
その涎を洸至は舌でなめとる。
腰をゆっくりと動かしながら美鈴に聞く。
「いきたいか?」
「うんっ、いかせて、お願い、いいっ」
だが洸至は緩慢にひきだし、ゆっくりと押し入れる。
押し入れた時クリトリスを忘れずに押しつぶす。
それを何度も繰り返すうちに、美鈴の背がのけぞり始めた。
「お願い、い、いきたいの…もっと…」
乳房の形が変わるほど揉みしだかれ、深く貫かれながら美鈴が洸至を見る。
返事をする代わりに、洸至が美鈴の脚を肩に乗せると、更に深くつながった。
「あうっ」
洸至を見る美鈴の目が淫蕩に輝く。
激しく音が立つ程、洸至はまた肉をぶつけ始めた。
緩慢な動きに慣らされた躰を追いたてるように打ち付ける。
あえて緩慢な動きを挟むことで快楽が増すことを洸至は知っていた。
こうすると、女は面白いように乱れた。
風呂上がりの洸至の背に汗が光る。重なり合った肌の上で二人の汗が溶け合っていた。
潮のような匂いと、二人の汗の匂い、もしかしたら雨の匂いも混ざっているのかもしれない。
とろりとした湿度の濃い匂いが洸至の部屋に立ちこめていた。
洸至の息が上がっていく。
最終更新:2010年11月08日 22:30