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お兄ちゃん、鷹藤くん、遠山さん、片山さん、編集長から寄ってたかって
精○をぶっかけられて、どろっどろになっちゃう遼子ちゃんのSSキボン

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遼子ぶっかけ祭りできました。

しかし長い、あまりにも長い。なので何日かにわけて投下します。
その前にお兄ちゃんととある人との立ち話を投下。
エロなし捏造ごめんなさい。でもこれがぶっかけ祭りに関係していたりする。


どんど焼き by136さん  投稿日2012/01/27(金)


今泉は注連縄を炎の中に投げ入れた。
揺らめき形を変える炎を見つめる今泉の横から、次々と注連縄が投げいれられる。
今日はどんと焼きの日だ。
今年は平日ではなく、土曜日だったのでいつもの年よりも人出が多い。
例年なら年寄りが炎の周りに多くいるが、今年は家族連れの方が目立っていた。
炎が大きくなったところで、周りにいた人々が紅白の丸餅を刺した長い木の枝を炎に近づける。
幼い子供が枝を持つ小さな手を、上から親の手が包んでいる。
昔、娘が幼かった頃、今泉も娘に年中行事を教えようと、神社にはよく通ったものだ。
もちろん、どんと焼の時にも娘の手を引いて来た。
ここにいる親子連れのように、娘が火傷しないように注意しながら木の枝を持ってやった。
炎がはぜる音で、歓声とも驚きともつかない声が子供たちから上がる。
その幼い声は追憶に浸る今泉の古い傷を疼かせた。

過去を見つめるよりも今は―――。
今泉がほろ苦い想いを胸に踵を返した時だった。

「今泉先生ですか」
今泉が声の方を見ると、男が立っていた。
手には鞄を持ち、黒のダッフルコートの下にアーガイルのセーター、コーデュロイのパンツを穿いている。
休日のサラリーマンらしい服装だ。
格好だけなら周囲に埋没しそうだが、眼鏡の奥の瞳は強い光を放っているように感じられた。

「そうですが、あなたは…?」
「樫村と言います。先日今泉先生が出演したテレビを拝見しました。大変興味深い内容で、一度お話出来たらと
思っていた所にここでお見かけしたので、不躾を承知で声をかけてしまいました」
「そうですか」
今泉は2週間ほど前のテレビ出演のことを思い出していた。
今泉は時々、PTSD――心的外傷症候群――治療の専門家としてテレビに出演していた。
そういったテレビ出演のあと、街を歩いていると精神的に危うい状況にあるものが突然声をかけてくることがあった。
見たところ男からはそういった変調は感じられないが、今村はいつも通りの対応をとることにした。
「もし、診察をご希望でしたらこちらのクリニックにいらしてください」
今泉が名刺を差し出すと男が会釈して、名刺を切らしていることを詫びると受け取った。
「ですが、私は診察希望ではないんですよ。先生の診察を受けている家族のことでお話が」
「そうですか」
精神科という診療科のためか、時折こういう家族がやってくる。
肉体の病や不調は恥でなくとも、精神に病を得たとなれば家族内の汚点と考えて治療の中止を求めてくる輩だ。
その無理解こそが、家族の精神を追いつめているとも知らずに。今泉はこういった輩を心から軽蔑していた。
「ご存知と思いますが、医師には守秘義務があります。患者本人の同意なしに診察について話すことはできません。それでは」
今泉は言い終わると男に会釈して歩き出した。
「いえ、診療内容に口を出すつもりはありません。ただ先生と世間話をしたいと思いましてね」
男も今泉に並んで歩を進める。
柔らかな物腰だが、有無をいわさぬ空気をまとっていた。
幼い子供をつれた家族連れや、どんと焼の餅目当てで来た小学生の姿が多い中、無言で歩く男の二人連れは目立っていた。

137 :どんど焼き 2:2012/01/27(金) 22:42:50.29 ID:C4ebUM5D

「退行催眠―――でしたか」

境内を抜けたところでおもむろに男が口を開いた。
「過去の辛い体験を催眠術によって呼び起こし、PTSDを克服するために行っているようですね」
「患者にもよりますがね。あまりに辛い体験は記憶の底にしまわれることがあります。その為に、問題の根本が
見えない場合には行うこともあります」
「しかし、それほど辛い体験なのなら、無理をして呼び起こす必要はないのでは?記憶の底にしまうのは、傷の
上にかさぶたができるように、精神がとる防衛機構とも言えそうですが」

いま、今泉はひとりの患者の顔を思い浮かべていた。
その女性は同僚との結婚が決まったのだが、兄と自分の幼少期の記憶の違いに悩み今泉のクリニックを訪れた。
兄との記憶の違いの原因をはっきりさせない限り結婚が出来ない、私は何かを忘れている気がする、と女性は
思い詰めた顔で今泉に訴えた。
女性から兄の話を聞いて今泉は驚いた。
その女性の兄は昨年世間を賑わせた「名無しの権兵衛事件」の首謀者だった。
そしていま、今泉の目の前にいる男はその当時新聞や雑誌に載っていたその男に瓜二つだ。
「あなたは何かご存知なんですか」

「…その記憶の底の物語ですよ」
彼の中にある不愉快な記憶を呼び起こしたのか、前を見ながら言う男の目の端がひきつった。
「よければ河川敷まで歩きませんか。この近くにあるんですよ。私も考え事をするときによく使います。
そして…他人に聞かせたくない話をするときにもね」
男が口元を歪ませた。
「いいでしょう」

河川敷では、子供たちが凧揚げをしていた。
昔よく見た四角い和凧ではなく、三角形の西洋式の凧だ。
少し風があるせいか凧は一気に上空まで上がっていく。歓声を上げて、それを引きながら男の子が河川敷を駆け抜ける。
「子供は子供らしくいられるのが一番幸せだ」
男がその様子を眺めながら言った。
「子供時代、ご苦労されたのですか」
鳴海遼子の話通りであれば―――彼は幼少期から虐待されていたはずだ。

「あなたが妹から聞いた通りですよ。…私の話などいいでしょう。本題に入りませんか」
真冬にもかかわらずジョギングする男女とすれ違いながら男が河川敷へ足を進める。
今泉もそれに続いて歩き出した。

「私に妹さんの記憶を呼び起こすな、とおっしゃいたいのでしょう」
「妹の記憶の底に何があるか薄々気づいているんじゃないですか」
「ですが、記憶を呼び起こすのは彼女の希望です」
「それで、妹の人生が破壊されるにしても?」
「真実に向き合わない限り克服できないでしょう。記憶の欠落を抱えていくのは辛いことではないですか?」
男が足を止めた。
「もし―――あなたの娘が同じ目に遭い、同じように記憶を封印したとしてもあなたはそれを暴くことができますか?」
娘―――もう過去の話だ。だが過去の傷が胸の奥でひきつった。

「あれは過去に封印するのが一番だ。そうでしょう?」

138 :どんど焼き 3:2012/01/27(金) 22:44:51.98 ID:C4ebUM5D
まだ完全に解放したわけではないが、退行催眠にかけた鳴海遼子の口から断片的に出た言葉―――のしかかる父親、
身を裂かれるような痛み、恐怖―――それは性的虐待を匂わせるものだった。
その記憶を封じる為に、遼子は両親の死後、温かな家庭に育ったという偽の記憶を作り上げたようだった。
父に暴行された衝撃と哀しみのために壊れる寸前の自我を守る為に―――。
それが兄の持つ幼少期の記憶とのズレを生み出した原因と今泉は思っている。

「あなたが両親を手に掛けたのは、彼女を守る為だったんですね」
「正確には、大事な者を守れなかったからですよ。…レディ・キラーであるあなたと同じようにね」
やはりこの男は今泉の正体を知っていた―――。
娘をいじめ、自殺に追い込んだ者たちを今泉が快楽殺人者の犯行に見せかけ殺したことを。
「だいたいは遼子から聞いているでしょう。冷え切った父と母の関係。間男の子である私への虐待。
遼子への過剰な愛情…。あの家は歪んでいた。父は性根の腐った男でね。俺を虐め抜くだけじゃ飽きたらず、
裏切った母を終生許さなかった。俺は高校を卒業してあの家を出ることも出来た。しかし遼子を放って置けなかった。
父が妹を見る目が、男の目だったからですよ。だが、俺がバイトで夜勤だった日に、あいつは遼子を」
男の眼が細められた。

「遼子に手を出したとわかって俺が殴りつけたとき、あいつはこう言ったんですよ『俺を裏切った女の娘の処女を
奪って何が悪い。罪滅ぼしとしてあの女も了解したんだ』とね」
「酷い…」
精神科医の診察室で虐待の話は良く出てくる。親子関係の歪みが病の根本にあるケースも多いからだ。
だが、これほど歪んだ父親がいるとは―――。

「だから吹き飛ばした。俺が普通に殺したんじゃ動機面を深く探られる。それであんな手を使ったんですがね」
「しかし、記憶を封じたままなら、遼子さんはあなたが何故罪を犯したかその意味を知らないままになります。
それでいいんですか」
「いいんですよ。俺が罪を犯した理由を知れば遼子は重荷を増やすだけだ。俺の事件だけでも遼子には充分重荷
のはずだ。もう充分です。これ以上は暴く必要はない」
「治療者としては中々聞きにくいご意見ですね」
鳴海遼子は今泉にとって面白い素材だった。
過去の傷を掘り起こし追体験させ、その心的外傷を負わせた者―――それに似た者を文字通り殺すことにより
過去の体験を克服させるという今泉の個人的な研究に適した人材とにらんでいたのだ。

「別にタダで聞いてくれとはいいませんよ」
男は肩をすくめると、鞄からクリアファイルに収められた書類を取り出した。
書類の表紙には整った顔立ちの若い女の顔写真がクリップで留められており、写真の下から香月の文字が見えた。
「警察の内部資料です。今度科捜研にプロファイルチームが作られるそうです。そのメンバーのひとりに興味が
あるんじゃないかと思いましてね」
今泉が手を伸ばすと、男が書類を引いた。
「遼子への治療はもう止めにしていただきたい。それが条件です」
「…私が治療すれば、あなたのことを妹さんはもっと深く理解するはずですよ」
「理解される必要などない」
男の声が冷気を帯びる。
これ以上の交渉はないということらしい。

139 :どんど焼き 4:2012/01/27(金) 22:53:28.79 ID:C4ebUM5D
「残念ですね。では…おっしゃるとおりにしましょう」
今泉が手を差し出すと、そこに男がクリアファイルを載せた。
「適当なところで、濁しておきましょう。それでどうです?」
「いいでしょう。もちろん、それが果たされるかはこちらで監視させていただきます。…もし、約束を破るよう
なら世間はレディキラーの正体を知ることになるでしょう」
最後の一言を、低い声で男が付け加えた。

「大丈夫ですよ。こちらも仕事は続けていたい」
「交渉成立のようですね。安心しましたよ。このままあなたの治療を受けていたら、俺に続いて遼子まで人殺し
になりかねないと思っていましたからね」
男は、最近世間をにぎわすの快楽殺人の背後にある今泉の存在―――そこまで調べ上げていたらしい。
心臓を冷たい手で掴まれた気がして、今泉は一瞬ふるえた。
「…あなたがいま、警察に居なくて助かりましたよ」
「これでも刑事としては優秀だったんですよ」
「でしょうね」
河川敷から子供たちの歓声が上がる。強風に煽られた拍子に、凧が手を放れ更なる高さまで飛んでいったらしい。
子供たちが大声を出しながら、凧を追いかけていた。
男も凧を見上げていた。そこにもう自分の手の届かない何かを重ね合わせたのか、微かに横顔がゆがんでいた。

「子供時代に戻りたいですか」
男に声をかける。
「時計の針は戻せない。それはお互いわかっているでしょう」
そう言って男は振り向かず歩き出した。
―――そう、自分たちに出来るのは、時計の針を進めることだけだ。
クリアファイルの書類を鞄に入れると、今泉も仕事に戻ることにした。




長々と失礼しました。お兄ちゃんにダッフルコートを着せたいあまりに…w
今泉さんについては「LADY 今泉」でググってみてください。


ぶっかけ祭りに備えて、全裸で正座で待機!!!
最終更新:2012年03月29日 20:30