「張り込み おまけの続き」by191さん 投稿日2010/08/18
「他の男に見せられて、俺に見せられないってことはないよなあ、遼子」
洸至の言葉に遼子が顔色を失う。
「お兄ちゃん、一体何言っているの…」
目の前にいるのは兄のはずなのに、遼子は一瞬見知らぬ男と話しているような気がした。
それは、幼い頃、人ごみで迷子になりかけて慌てて父の手を掴んだはずなのに、それが違う人間
のものだった時に感じた不安に似ていた。
「なに勘違いしてるんだよ。医者に見せられるなら、って意味だよ」
遼子の様子に驚いたように洸至が言った。
今、兄からは先ほど感じた冷気のようなものは微塵も感じない。
「あ、そ、そうよね」
昨日の夜、鷹藤とあんなことになったから、ちょっと敏感になりすぎているのかもしれない、と
遼子は思った。
「昨日遅かったから疲れてるんじゃないか」
洸至が心配そうに遼子を見ている。
「ま、とにかく、見せてみろよそれ。俺はお前の体なら見慣れてるからな」
「えっ」
「おい、変な意味じゃないぞ、子供の頃から湿布はったり、薬塗ったりしてやっただろ」
「で、でもこれ病気とかじゃないから、大丈夫よ」
「でもなあ、さっきから青くなったり赤くなったり、変だぞ遼子。昨日何かあったのか?」
「…何もないって…あっ」
洸至が遼子の首筋にある、鷹藤がつけた印に無造作に触れた。
無造作に動いた洸至の指先は、触れるか触れないかの繊細さで遼子の肌を撫でる。
鷹藤の唇が触れたときの感覚が遼子の中に蘇り、胸の奥が甘く疼く。
「大丈夫か、変な声出して」
「だ、大丈夫よ」
遼子の頬を手で包むと、洸至は妹の顔を訝しげに見ている。
「眼が潤んでるぞ」
頬を包んだ洸至の指先が、そっと遼子の顎のラインをなぞり、そのまま首筋へと降りる。
「んっ」
堪えようとしても漏れ出る甘い声。
鷹藤にしか聞かせたくない声を、兄の前で出してしまった。
――あんた、首弱いんだな。
鷹藤はそう言って昨夜遼子の首筋を撫で、そして舌で散々弄ったあとで、唇で所有を示す
赤い痕をつけた。
「首に腫れてる場所はなさそうだ」
何も知らないはずの洸至の指は、遼子が蕩けるポイントを過たずに辿る。
鷹藤に弄ばされすぎた首筋は、少し触れられただけでまた昨夜の快楽を呼び起こす。
目の前が歪むような感覚に襲われ、遼子の膝から力が抜けた。
「おい」
洸至が崩れそうになる遼子を抱いて支えた。
「少し横になったほうがいい」
洸至が支えながら遼子をベッドまで連れて行くと、そこに横たえた。
「胸元をゆるめるぞ。そうしたら楽になるから」
洸至が遼子のシャツのボタンを外しはじめた。
「ま、待って」
2つ目のボタンを外したとき、洸至の手が止まった。
「…遼子、たくさんあるぞ」
胸元を中心に薔薇色の印が5つ。
その印は白い肌に淫靡に浮かんでいた。
吸い寄せられるように、洸至の手が、その口付けの痕をすべる。
そしてそのまま、首を下から上へと撫で上げた。
「ひゃんっ」
「痛いのか」
痛くない。
痛くないけど、痛いほどもっと触って欲しくなっていた。
心配そうな顔をした兄が、星座を描くように、指でその痕を辿り続けている。
その動きは、まるで昨日の余韻を正確に呼び覚ます場所を知っているかのようだった。
もちろん昨日だって最後までいっていないのに、キスをしながらただ、あの車内で
触れられる場所を触れ、お互いの体を知ろうとしただけなのに。
それだけなのに。
たった一晩で自分の体がこんなに変わってしまうなんて。
こんなに体がそれを求めるなんて。
快楽から逃れるためか、求めるためか、遼子が身をくねらすので、シャツの裾やスカートがたくし
あがり服が扇情的に乱れていた。
それがわかっても、昨日の熱を思い出した体を止めることができないでいた。
「熱でもあるのか。顔が赤いぞ」
そういって、洸至が遼子の額に、額を合わせた。
「熱は…ないな」
思わずキスをせがむ様に遼子が顔を上に向けた。
もっと敏感な場所に触ってほしくなっていた。
鷹藤が触れたブラジャーの下に。そこにある固く尖ったところに。
もっと唇で触れて欲しくなっていた。
首筋に。
鎖骨に。
そして唇に。
潤んだ瞳に映る兄が、遼子との距離を詰めてきているように見えた。
「何か言いたいのか」
キスして欲しい。
舌で私を求めて。
その言葉が出かかるけれど、遼子は、そうして欲しい相手の名を呼んだ。
「鷹藤くん…」
兄の動きが止まる。
部屋にあったむせ返るような熱が霧散した。
「鷹藤…?」
洸至がまるで異国の言葉を聞いたかのような訝しげな顔をした。
遼子は飛び起きると、慌てて胸元を押さえて、衣服の乱れを直した。
「い、今の相棒なの。彼に仕事の指示することが多いから、家に帰ってまで
名前よんじゃった。私なら大丈夫。疲れてたのよきっと」
「そうだな。その痣みたいなのも、たいしたことがなさそうだ。疲れてるみたいだから、
今日は早く寝たほうがいい」
洸至はそう言って立ち上がった。
「じゃ、着替えてからご飯にするね」
「ああ、そうしてくれ」
遼子の部屋を出るところで、洸至が足を止めた。
「鷹藤…くんだったか。お前の相棒」
「うん、そうよ」
「お前が世話になっているみたいだから、今度お礼でもしておかないとな」
洸至が微笑みながら言った。
兄が出てくると、あっという間にSSが出来上がる。
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続きキター!! ありがとうございます!!
兄はよく我慢できると思います。
こうして鷹藤くんはお兄ちゃんの怒りをかってしまったわけですね。
最近兄妹系のコピペをみると、鳴海兄妹で想像してしまう自分がいる・・・
最終更新:2010年11月08日 19:59