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その遼子に洸至が口づけようとすると、遼子が顔を背けた。
「駄目よ、さっき…私あなたのもの飲んだのよ…」
「だから?」
洸至は鼻で笑うと、そのまま口づけた。遼子が吸いあげた自分自身の精の味がした。
ただ自分のものを口にすると思えばおぞましいが、それが遼子の中にあればおぞましさも
消え、気にならなくなっていた。
血を分けた兄妹で汚濁にまみれた行為をすればするほど、遼子の中でたぎる自分を感じていた。

口づけたまま、また遼子をゆする。
はじめはゆっくりと。
待ちかねたように遼子も腰を揺らしてきた。
兄妹で揺れるリズムが重なり連なる。
徐々にリズムを上げる。
遼子の足もリズミカルに揺れる。

これだけ深く繋がっていても、まだ足りなくて舌を絡ませお互いを味わい続ける。

妹の喉の奥からの甘い息が洸至の脳を刺す。
遼子の息が上がり始めると、洸至はまたリズムを落した。
今度は押し付けるほど深く差し込んだ後、緩慢に引き抜く。
緩慢にまた差し込み、深く押しつけた時、遼子の喉から悲鳴にも近い声が上がる。
奥の方まで感じているようだった。

だが貪欲に快楽をもとめて、洸至の腰に自分の腰を擦りつけていた。
洸至が唇を離すと、遼子との唾液が糸を引く。
遼子の耳元に口を寄せると囁いた。

「望み通り、滅茶苦茶にしてやるよ」
腕の中で、遼子が微笑んだように見えた。

洸至は遼子の肩の上に手を置くと、それまでの動きが嘘のように激しく叩きつける。
「きゃっ」
濡れたタオルを打ち付けるような湿った音と、激しくベッドが軋む音が響く。
「やぁっ、あっ、あふっ」
腕の下の遼子がずり上がるほど強く腰を動かす。

「すごいっ、あっ、いい、っんん」
鷹藤のことも、寂しさも、全部忘れてくれ。
今だけは全てを忘れてくれ。

なあ、遼子、だけどお前はいま誰に抱かれているんだ。
俺を失った寂しさを俺がいま忘れさせているのに、だけどお前は俺に抱かれていると思ってないんだよな。

「やっ…あっ…」
「遼子…」
終わりが近い。
「あっ…い、いい、いくっんんんっ」
洸至の背筋を快感が走る。
「きゃあああんんっ」
叫ぶように乱れた声を上げると、遼子は意識を手放した。
肩で息をしながら、洸至が窓の外に眼をやった。
眼下に拡がるのは眩いばかりの光の海だが、東京の空はまだ闇に支配されていた。
朝までは時間がありそうだ。

心ゆくまで遼子を味わった後、自分の服装を整えベッドで眠る遼子の頬と唇にキスをしてから、
洸至はバスルームに行くと灯りをつけた。
バスタブには胎児のような姿勢をとり眠る鷹藤がいた。
鷹藤を遼子の隣に引き摺って横たえると、洸至は部屋を後にした。


ハンドルを握りながら洸至は笑っていた。

まったく傑作だ。
二人とも起きたら驚くだろう。
覚えがないまま高級ホテルの一室で目を醒ますのだ。
遼子は失った記憶と気だるい躰を、鷹藤は記憶のない一夜への戸惑いを抱えて。
しかもあのホテルの支払いは鷹藤のカードになるはずだ。

「一ヶ月分の給料が吹っ飛ぶな」
慌てふためく鷹藤の様子を想像して、洸至はしばらく笑いが止まらなかった。

ひとしきり笑った後、曙光がさす街に目を移す。

―――俺が求めていたのはこれだったのか。
薬を使って遼子を抱くのも、きっとこれ一回きりで終わりだろう。

たぶん、本当に求めていたのは、二人で過ごしたリビングでの他愛もない会話。
レトルト料理の夕食。二人で暮らしたあの平穏な日々。
だがそれだけはもう手が届かない。
騙しても薬を飲ませてもそれだけは手にすることができない。
それはもう俺の手を離れて、鷹藤の元へ行ってしまった。
名前があったころ俺は強欲過ぎた。
破壊も、安寧も、遼子のすべてを手にできると思ったから全てを失った。

締め付けられるように洸至の胸が痛む。
だったらこのまま潰れてしまえ。
叶わぬ願いを抱えて生きながらえるのなら、もう何も感じたくなかった。
だが、それもきっと叶わぬ願い。
それが強欲すぎる男への罰。







こんな感じになりました。不快な話かもしれません。すいません。
イケイケ遼子にお兄ちゃんがたじたじになる話のはずが、結局途中からお兄ちゃんが
イケイケどんどん的な展開に…。

258
GJ!!GJ!!GJ!!です!!
お兄ちゃん編、堪能させていただきました。
ありがとうございます!

鷹藤ぃぃぃぃ、何を教えたぁぁぁw

259
うわっ、最後のオチ…お兄ちゃんやってくれるw

でも切ない…
この切なさでお兄ちゃんに惹かれてしまうのかな

260
GJです!えらい展開になりましたが、本当に切ない。遼子の事を思ってるのに、思いすぎてるお兄ちゃんが切ない…
最終更新:2010年11月08日 22:02