「いい加減に…」
ゴルフクラブを握る俺の手が、振り下ろす先を求めて震えていた。
それを押しとどめたのは、背から伝わる遼子のぬくもりだった。
これがなければ、この玄関は血の海だったろう。
「間男の子供に殺されたんじゃたまらない。今日の所は出てってやるよ」
親父はそう言い残すとぶつけた肩をさすりながら、下駄箱の上にあった車の鍵を手に取り玄関から出て行った。
車のエンジン音が遠のいていく。
玄関で立ち尽くす俺の背を遼子の涙が濡らしていた。
「…お兄ちゃん行かないで」
「大丈夫だ。俺がそばにいるから」
しゃくりあげる遼子の顔を見るのがつらくて、俺は背中を向けたままだった。
今、汚された遼子の顔を見たら、俺はあの男のことを追いかけ遼子が止めるのも聞かず殴りかかったはずだ。
「もう、あいつを殴ったりしないよ、遼子。それに、お前に触れさせたりしない。安心しろ」
俺は腰に回された遼子の手を取り、強く握った。
この時、殺意に支配されていた俺の頭の中は怖いくらいに冷たく冴えていた。
親父やお袋をただ殺すのではなく、完全犯罪として殺し、この夜を永遠の闇の中に葬り去る方法が浮かんでいた。
眠る前に想像し魂の慰めとしていた、化学式と回路図から構成された夢想。
それは正しい材料、正確な計量、配置によりもたらされる爆圧と炎の夢想。
腐った両親と、それを覆い隠した家を吹き飛ばすことを願った俺の夢。
「お前のことは俺が守ってやる」
遼子の泣き声と涙を背中に感じながら、俺はそれを実現させることをこの時決意した。
急峻な坂道の上にある公園から、俺の住む街の夜景が見下ろせる。
見物には最適の場所だ。
ここは俺がバイト先に行く道すがら通る場所なので、後で受けるだろう警察のアリバイ確認の事情聴取でも
不審に思われることはないはずだ。
双眼鏡をのぞいた。くすんだ外壁の小汚い家が見える。
一階には灯りがついていた。
デジタル時計を見た。あと1分。
遼子は塾に行っていた。遅くまで帰ってくる心配はない。
あの夜の後、遼子は理由をつけては極力家に帰らないようになった。
家にいるのは、俺がいるときだけだ。それ以外は部屋に鍵をかける生活。
そんな虜囚のような生活を、どうして苦しんだ遼子がしなければならない。
どうして遼子が闇の底に沈まなければならない。
遼子、お前は光の中を歩くべきだ。
闇は俺が全部引き受けよう。
お前を縛り、お前を苦しめたものは俺が吹き飛ばしてやる。
遠くの住宅街で火柱があがった。時間通りだった。
すべては灰に帰る。
お前を苦しめた男も、お前を産み落とし踏みにじった女も、お前を閉じこめ苦しめた家も。
あの炎の中、お前の苦しみすら燃え尽きてしまえばいい。
夢想が炎となり生家を飲み込む様子眺めながら、俺はそれを心から願った。
エロなくてすいません。遼子父の凌辱があんまり酷いので、お兄ちゃんに暴れてもらいたくなりました。
自己満足ですいません。161の要望を満たしていればいいのですが。
161です。
自分のわがままなリクエストに答えていただき、素晴らしい作品を
ありがとうございます!!!
兄…せつない…。名無しの権兵衛になっても許す!!ww
遼子のために自身は闇に身を投じる兄が切ない
やっぱり兄は遼子のために名無しの権兵衛になったんだね
遼子を守るため、遼子を光の中に導くために。。。
それにしてもなんちゅー親父なんだ(怒)
自分の視点で兄までエロ魔人扱いするなー
遅ればせながら、遼子陵辱エピの数々、GJです!!
4月からお兄ちゃんの中の人が、また刑事役とか!
その班長が、今の遼子の中の人の相手役とか!
微妙な兄妹すれ違い?w
最終更新:2012年03月29日 21:23