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「ひゃっ」
「ぐしょぐしょじゃないか。でもこれだけじゃ足りないだろ?」
遠山が鋏でショーツの端を挟んだ時、遼子が抵抗する素振りを見せた。
「怪我はさせたくない。動かないでくれ」

冷気を帯びた遠山の声に、遼子が動きを止めた。
遼子の沈黙から、遠山の鋏の動きに集中しているのがわかる。
鋏が乾いた音を立てて、ショーツの一端を切り落とす。
焦らすようにゆっくりと遠山が鋏を動かし、もう一端を両断した。
遠山が布と化したものを取り除けると、遼子の秘裂が現れる。
程良い濃さの叢の下にある花の芯はぽってりと膨らみ、花弁は蜜に塗れていた。
本人の意思に反して、男の本能をくすぐる雌の匂いがそこから立ち上っている。
「もっと良くなるよ、これで」
遠山が上からローションをたっぷりと垂らす。

「ひっ」
眼の見えない中での、突然の感触に遼子が怯えた声を出す。
股間だけでなく、太ももまでしとどに濡れる程垂らすと、今度はローターで震え続ける乳房にもたっぷり垂らしてやる。
遠山は男根を模したバイブレーターを手に取り、その先端でローションに塗れた遼子の躰を撫でまわし始めた。
バイブレーターの根元には丸い小さな突起が2センチ幅の環となって付いている。
淫らな遊びをするためだけの意匠だ。それで頬を撫でた時、遼子が顔を逸らした。
「何…いやっ…」
声が震えを帯びていた。
「根元はこんな形をしているが」
遼子の半開きの唇にそれをねじ込んだ。
「んっ…ふっ」
遼子が激しく首を振り、それを吐き出した時、遼子の唇はわなわなと震えていた。

「先のほうは君の大好きなものの形をしてるだろ」
嗜虐心を満足させた遠山は、今度は羞恥の中に遼子を叩きこむことにした。
ローションでてらてらと光る遼子の秘裂に遼子の唾液で濡れたバイブレーターをあてがった。

「やぁっ!駄目なの、お願い…あっああっ熱いの、熱い!!!!」
ローションと蜜が立てる卑猥な水音とともにバイブレーターは遼子の中にずぶずぶと呑み込まれていく。
「感覚が敏感になる薬が入っているんだよ、このローション。使い心地はどうだい?」
そう言いながら遠山が遼子の胎内を長い張り型で掻きまわす。
遠山に蹂躙されるうち、初めは硬かった遼子の花弁が本能のままに熱く蠢き始めていた。
「まだまだ良くなるよ…」
抜き差ししながら、バイブレーターのスイッチを入れた。
ゆっくりとうなりを上げて、張り型の先端が胎内でしなるように蠢き、それと同時に根元の突起が回転し膣道の
入り口をひたすら責める。
電流が走るように遼子の躰が痙攣した。

「ひゃ…やんっ…あああああっあっ…あ…あああんんっ」
遠山の血が混じった涎を流しながら、喉を晒し遼子は快楽に震えていた。
「いやあっ…ああっ…ああああんっ」
目隠しされたせいで、ただでさえ躰の感覚が鋭敏になっていた上に、薬とバイブレーターで狂わされ遼子は悶え乱れる。
「ローションのせいだけじゃない、君の中はとろとろだよ…知らなかったよ、こんなにいやらしい女だったなんて」
じゅぼじゅぼと音を立てバイブレーターを抜き差しすると、胎内から白濁した蜜が掻きだされあたりに飛び散った。
それはシーツだけでなく遠山のシャツの袖をもしとどに濡らす。

「はぁっんんんっ」
抜き差しのリズムを上げると、遼子の呼吸のリズムも同調し始めた。
遼子の躰がのけぞり始めたのを見て、遠山はバイブレーターを引き抜いた。
「はぁっ、はぁっ…あっ…えっ…」
肩で息をしながら、遼子が物欲しそうな声を漏らした。
「いきそうだったんだろ?無理やりやられていたくせに…」
「違っ…」
狼狽しきった様子で遼子が反駁した。

「違わないさ。君のあそこからローションだけじゃないものが沢山垂れているんだから。泡立って白く濁ってる
 ものがさ。感じてなきゃ、あそこからこんなものが出ないだろ」
「違う違うっ」
この状況で昇りつめようとした自分への羞恥から遼子が激しく否定する。
「本当に?」
遠山はそう言うと、乳房の先端をローターの上から強く押した。
「ひっ!?…やああああああぁっ」
寸前で絶頂から引きずりおろされても、快楽に慣らされた躰の火照りは静まっていないようだ。
逆に更に激しく快楽を求めているようにも見えた。
「君の躰は欲しがっているじゃないか…」
遠山が遼子の眼隠しを外した。
光に慣れるまでしばしぼんやりした後、遼子の黒目のはっきりとした瞳が遠山を捉えた。
「史郎ちゃん……やめ…て…こんなの史郎ちゃんのすることじゃないよ」
「まだそんなこと言うのか。…だったら言えなくしてあげよう」
遠山は屹立した自身を遼子に見せつけるように下着を下ろす。
遠山の端正な顔にそぐわない脈打つ凶暴な大きさのものを見て、遼子が眼を見開いていた。
「いや…助けて…鷹藤君…おにい…」
泣きながら顔を歪めて遼子が助けを求めた相手。

それこそが遠山が憎んで止まぬ相手だった。
それまで遼子を甚振りながらも遠山の心は冷たく澄んでいた。
しかし、その言葉を聞いた遠山の血が、沸騰しそうな程滾りはじめた。
遠山は意地悪く微笑むと、遼子の耳元に唇を寄せた。

「どうして君を抱くか教えてなかったね。君が『運命の女』だからだよ。それも君の兄さん―――鳴海洸至の」
「運命の女…?」
訳がわからないと言った顔で遼子が遠山を見た。
「君が全てを狂わせたんだ」
その遼子の瞳を、遠山は憎しみを籠めて見つめ返した。

―――君が奴の妹でなければ。
奴が君を憎しみ抜いていれば。
そして奴が運命の女に狂おしい程の想いを抱かなければ。

ほとんどの事件は起きずに済んだ。
それまでどおりの僕の生活は今も変わらず続いていたはずだ。
父も死なずに済んだ。
キャリアもそれまでの自分を失わないでいられた。

周りの人間全てを巻き込み、その生活と人生を破壊した――鳴海洸至の運命の女。
しかし運命の女と言うには遼子は天真爛漫で翳りなく、邪気のない女だった。
兄により塗炭の苦しみを味わわされても、芯にある純真さを失わないでいた。
遠山はその邪気の無さを激しく憎悪した。
遠山や周りの人間全ての運命を変えておきながら、翳りを帯びずそれまで通りにいられる遼子が心底憎かった。
もしかしたらこれは憎悪と言うよりも嫉妬なのかもしれない。
常に人の上に立ち、他人より優れ見下ろしていた自分が転落したとき初めて憶えた嫉妬。
自分が失った輝きを持ち続ける遼子への羨望。
それは遠山の心を灼き、黒く変えた。

だから、遠山が遼子を抱くのは情欲の為ではない。
遠山の運命を破壊した者に対する、僅かばかりの復讐だった。
その男が愛してやまないものを穢す。

遠山は遼子の足元の鎖を緩めた。自由になった遼子の足を逃げられぬように抱えると、遠山は遼子を一気に貫く。
「あっああああっ」
遼子のそこはすんなりと遠山を受け入れ、快楽をもたらすように遠山自身を締めあげる。
「欲しかったんだね、ここに。すごい締め方だ」
「ふぅっわたしっ…締めてない…ああっ」
激しく抜き差しされながら、遼子は口ではまだ抗っていた。
だが躰の方は素直すぎる程の反応を見せている。
悦楽のせいでこめかみに汗が浮き、唇から間断ない喘ぎ声。
遼子の足についた鎖が淫らなリズムを刻む。
「口ではいくら言っても、自分から腰振ってるじゃないか」
「んっ…んんっ…違うの違う…あああっこんなのお願い止めて…!どうして…ああんっ」
腰を激しく叩きつけながら、遠山は胸のローターを取ると、遼子の乳房にむしゃぶりついた。
取ったローターは遼子の花芯にあててやる。悦楽に溺れる遼子の媚肉が締まり、遠山を快楽で苛む。
「ああっああっあああああああっ史郎ちゃん、…だめ…もうだめ…やめて…史郎ちゃんこんな人じゃない…」
か細い抵抗の声。しかしそれは遼子を襲う悦楽の波にかき消されようとしていた。
乳房と秘裂、花芯を同時に責められ押し寄せる快楽のせいで遼子は啼いていた。

啼きながら、せつなげにすがめた眼で遼子は遠山の心を射ぬく。
それは何故と問うていた。
こんなことは遠山がすることではないと訴えていた。
かつての遠山に訴えていた。
良心があったころの遠山に。
その視線に耐えられなくなった遠山は遼子の唇を唇で塞いだ。

今度は噛まれなかった。
遠山の舌が遼子の舌を絡め取り吸う。抵抗を忘れ、遼子はなすがままだ。
遼子に噛まれた傷口から溢れる血を分けあたえるように激しい口づけで遼子の口内を犯していく。
「んっんっああっ」
塞がれた遼子の唇から甘い声が漏れ出る。拒絶の言葉は忘却の彼方に置いてきたのだろう。
またも絶頂への階段を昇りはじめた遼子の媚肉が、遠山の樹液を催促するように蠢く。
終わりを感じた遠山が汗を滴らせ、湿った音を立てながら腰を叩きつける。
憎しみと嫉妬と憧れと眩しさとが遠山の中で混ざり合い身体を満たしていた。
それに追い立てられるように、遠山は遼子の中で猛り狂った。

「やぁっ、あつ、いやっ、あ、あ、あ、あ、あ、あ…いく…いくっ…」
遼子が昇り詰めていく。
のけぞり始めた遼子の細い腰に遠山は片手を廻し、深く密着するようにしながら遼子の顔を覗きこむ。
遼子は、まだ遠山の理性へ訴えかけるような眼でこちらを見ていた。
次の瞬間、その瞳が潤んで揺れた。

「だめ…おかしくなる…!!!!!!」
遼子の眦からは一筋の涙。
「おかしくなれよ…!おかしくなればばいいんだ」
遼子が揺れるほど激しく遠山が腰を動かし胎内に精を放つと、遼子は悲鳴にも似た啼き声をあげ果てた。

最終更新:2011年10月05日 20:08