「まったくひどいな」
虚脱し、肩で息をする遼子が聞いたのは聞き覚えのある声だった。
息を整えながら、声の方を見るとドアに長身の男のシルエットが見える。
「しろうちゃん…」
「しかも床の上で。まるで犬じゃないか」
遠山は不快さを隠さずに、床の上の遼子と樫村達を見ていた。
「こっちはあんたのように育ちが良くないんでね。それに鳴海君も床の上で腰振りまくっていたからいいだろ」
ベルトを締めながら樫村が返す。
「確かに、どこでやっても喜ぶような女だ。悪いが、こっちにつれて来てくれないか。僕は床の上でなど無理だ」
遠山が肩をすくめた。
「次はあんただろ。自分で連れて行けばいいじゃないか」
樫村が煙草の火を付け、煙を吐き出しながら言う。男たちの間に不穏な空気が立ちこめる。
「他人の精液まみれの女など触りたくもない」
「変なところで潔癖ですね。遠山さん。いいでしょう、僕が連れていきますよ」
「悪いね、片山さん」
その空気を察知した片山が二人の間に入った。
「服は…。何か着るものをちょうだい」
裸の身を抱くように座る遼子が片山に訴えた。
「服なんかいりません。遼子さんはそのままでいいですよ」
片山が遼子の腕をとり立たせる。
立ち上がったとき、遼子の股の間からどろっとした樹液がしたたり落ちた。
「やっ…」
おもらしをしたような感触に、遼子が顔を赤らめ身をすくませた。
遠山以外の男たちにすべてを見られたとはいえ、まだ羞恥心は残っている。
しかし股間を隠そうとした遼子の手を片山が後ろに回した。
「いっぱい出されてこぼしちゃいましたか。皆さんに見てもらったらどうです」
片山の両腕を掴まれたまま、遼子は歩くように促された。
一歩踏み出す度に、白濁した液が胎内から流れ落ちる。
太股をつたう粘度の強い体液に、男たちの視線を熱い位に感じていた。
「片山君もここぞとばかりに出したな。あとからあとから零れてくるぞ」
樫村が口笛を吹いた。
辱めに唇をふるわせる遼子を遠山が感情のない目で見ていた。
「どうしてこんなことするの?それに史郎ちゃんまで…どうしてよ」
「遼子さんったら知らないふりしちゃって」
片山がからかう。歩き出した片山と遠山の後ろで樫村が吹き出した。
「鳴海君はとぼけるのがうまいからな。君こそ事件のすべてを知っていたのに、知らないふりをしてくれた
おかげで俺たちは酷い目にあったんだぜ」
「一体、何のこと?」
遼子が振り返り、樫村をおびえた目で見た。抱いていたときとは打って変わって、樫村の顔色は紙のように白い。
「今度はお得意の忘れたふりか」
目の前に白い扉がある。そこは開いていた。また向こうには白い部屋。
ただ、この部屋にはベッドがあった。白いマットにシーツが敷かれただけのベッド。毛布やスプレッドすらない。
眠るためのベッドではなく、まるでのアダルトビデオの撮影に使われるような―――。
「遠山に可愛がってもらえよ。そうしたら思い出すかもな」
樫村が遼子の背を押した。
「じゃ、僕もおつきあいしましょう」
片山が遼子の手首を掴みながらベッドへ引っ張っていく。
その間も遠山は無言で遼子のことを見つめていた。
「しかし、どこもかしこも精液まみれだな」
遠山がネクタイを外していた。
「しょうがないじゃないですか。順番ですからね。もしかして、遠山さんキスでもしたかったんですか」
「冗談はやめてくれ」
片山に突き飛ばされ遼子がベッドに身を投げ出した。
ベッドに横たわりながら遼子は身じろぎせずに次の動きを待つしかなかった。
逃げ出したかった。
逃げ出すとすれば、今入ってきたドアだろう。
この建物には窓はない。出口はそこしかない。
だが遠山と片山の隙をついて逃げ出したとしても、次の間には樫村がいる。
今は様子を見てチャンスを窺うしかない。
それにしても不思議だった。
男たちは遼子を陵辱することに良心の呵責をおぼえていないようだ。
彼らといると、遼子にとって不当きわまるこの行為は当然の行いであるかのような錯覚を覚えそうになる。
遼子が知る限り、彼らはそんな人間ではなかった。
誘惑に弱いところもあったが、それぞれ正義感をもち行動する人間味溢れる者たちばかりだった。
それがどうしてこんなに歪んでしまったのか。
「鳴海君、不思議そうだね」
遼子の表情を見た遠山が口元に笑みを浮かべながら言った。
「…史郎ちゃんはそんなことする人じゃないよ…とでも言いたそうだ」
「そうよ…史郎ちゃんはそんな人じゃない…史郎ちゃんだけじゃない。みんな一体どうしたのよ!」
「まだわからないのか」
遠山がベッドの上の遼子ににじりよる。
「君はそうされるのに相応しい人間だからさ」
遼子の髪を掴み遠山が上を向かせる。彫像のように整った顔が近づいた。
「僕のをくわえろ。大きくするんだ」
端正な顔立ちにそぐわない粗暴な言葉。
膝立ちになった遠山がベルトを外した。下着の上からでもそこが盛り上がっているのがわかる。
髪を引っ張り、遼子の顔をそこの前に持って行く。
「僕が好きだったんだろ?良かったじゃないか。僕のが咥えられるんだ」
かつて恋した男から、こんな言葉を聞かされるとは。
屈辱と悲しみが遼子の胸に満ちる。涙が溢れ、遼子は思わず下を向いた。
「嫌なのか?」
平板な遠山の声。その声には怒りも何もない。逆にそれがおそろしかった。
遼子が恐怖にすくんでいると、耳慣れない金属音が後ろでした。
振り返ると片山が30センチ程の棍棒だった特殊警棒を1メートル弱まで延ばしていた。
ゆっくり、それで己の左の手のひらを叩きながら遼子を見る。
「これは使いたくないんですけどね。遼子さん次第です」
遼子が泣きながら遠山の下着に手をかける。半勃ち状態のそれが目の前にある。
陰毛の中から赤黒い男の肉が勃ちあがり、膨れた亀頭が遼子を指していた。
遠山の怒りを示すように、血管が隆々と浮いている。
遠山の躰の一部とは思えない禍々しさすら漂う男根だった。
意を決して唇を開くと、遼子はそれを軽く口に含んだ。
「ふっ…」
亀頭を柔らかな唇で包まれた遠山が息を吐く。
更なる快楽を求めた遠山が遼子の髪を掴み、さらに深く咥えさせた。
「むっ…んんっ」
喉奥まで深く挿入され、遼子は呻いた。
「鳴海君、舌はどうしたんだ。これじゃ大きくならないぞ」
唇で遠山を包みながら、舌先で裏筋を舐める。
むせかえる様な男の匂い。潮の味。先走りの味。自分の涙の味。鼻水の味。
すべてが混ざり、屈辱の味となる。
遼子は頬をすぼませ、屈辱の味に満ちた遠山自身を吸った。
「すごいいい顔してますよ、遼子さん。おしゃぶり上手な牝犬としてどこでも売りに出せます」
その言葉で眼を閉じて、遼子が涙にくれると遠山が男根を引き抜いた。
遼子の口内から出た瞬間、これ以上ないほど反り返った遠山自身が反動で震える。
その拍子に先走りと己の唾液が遼子の顔にかかった。
屈辱感からの涙がそれに混じり、頬から流れ落ちた。
「泣きながら咥えられても、気持ちよくはないな。それに、他の男の精液まみれの口では気分が出ない。
尻をこっちに向けるんだ」
「いや…やめて…。ひっ!」
微かな抵抗を示した遼子の尻に、冷たい警棒が押しつけられた。
「知っていましたか。警棒もね、本気で叩くと肉が切れちゃうんですよ。遼子さんのきれいなお尻に傷はつけた
くないなあ」
片山が警棒を尻の肉に食い込ませながら笑顔を見せた。
抵抗する気力が風船から空気が抜けるようにしぼんでいく。
遼子は遠山の言うとおりに尻を向けた。
遠山の長い指が遼子の尻を撫でまわす。
「君の躰で精液がついていない場所となると…ここしかないからな」
遠山の指が、秘裂の上にある茶色のすぼまりをゆるゆると撫でた。
「そこはだめ!」
振り返り手を出そうとした遼子の両手を、片山が掴んで止めた。
「君にそんなことを言う資格などないよ」
遠山は秘裂から溢れる蜜と樹液を指にとり、そこに塗り込め始めた。
円を描くように動く遠山の指のせいで、遼子の菊座がほどけていく。
「いやらしいな。こっちをいじられただけで、また濡れてきたよ」
「あっ…ああ…」
感じてはいけないのに、遼子の秘所は熱く潤み充血していく。
菊座をほじられ、甘い吐息が漏れ出る。
「お尻でも感じるなんて、淫乱な証拠ですね」
片山が尖りきった遼子の乳房の先端を指で挟む。
「こっちもすごくコリコリしてる。乳首、はち切れそうなぐらい勃ってるじゃないですか」
「違う…」
乳首をいじられただけで、脳が痺れそうだ。
躰が快楽に慣れて、貪欲さを増していく。もっともっと深い悦楽を求めている。
「違う?これでも?」
遠山が遼子の秘裂をゆっくりと指でなぞる。拒否しているはずなのに、遼子の腰が思わず震えた。
「ヒクヒクして欲しがってるように見えるけどね」
そう言うや否や、遠山が中指を根元まで一気に埋め込み律動させる。
最終更新:2012年03月29日 20:43