名探偵コナン

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名探偵コナン - (2023/08/10 (木) 17:31:35) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/10/11 Sat 08:37:02
更新日:2024/04/30 Tue 19:46:46
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江戸川コナン……探偵さ!


名探偵コナン』とは、『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌原作の国民的推理漫画である。

●目次


概要


1994年5号から連載がスタート。国民的な人気と知名度を誇る大人気作品の1つで、様々なメディア展開がされている。

本編コミックは2023年7月時点で既刊103巻。
2023年時点でコミックの総発行部数は2億7000万部を突破している。
現在『サンデー』史上最長の連載期間を誇り、2017年8月にはめでたく連載1000回目を突破、更に2019年で連載25周年を迎えた

海外でも放送されており、海外版タイトルは『Case Closed』。
英語版吹き替えを収録した劇場版DVDの発売実績もあり、熱烈なファンも存在している。
ただ、海外人気は主にアジアが中心。日本のアニメや漫画が大人気のイメージが強いアメリカでは、殺人事件が題材となっている関係から規制も厳しく、認知こそされているが大きなブームには至っていないようだ。また、ヨーロッパではフランスやドイツでの人気が高いらしい。



作品の概要


発生する事件を主人公の江戸川コナン(=工藤新一)が持ち前の推理力で解決していくのが基本となっている。
……が、原作者である青山剛昌が本作品を「殺人ラブコメ漫画」と称しているだけあり、恋愛漫画の側面も併せ持つ。
彼とヒロインの毛利蘭との関係は勿論、少年探偵団、蘭の両親、コナンのライバルである探偵・服部平次とその幼馴染の遠山和葉、警視庁内で巻き起こる恋模様が描かれる事が多い。
ただし、恋愛に奥手かつ鈍感な男性陣が多いので、リアル時間で恋の成就に3~4年以上かかることが普通である。
加えて作者が幼なじみという関係性に特別思い入れが強いので、その間柄のキャラクターが十数組は登場している。
その他、ハーフやクオーターである登場人物も少なくない。

基本的には殺人事件の解決がメインだが、殺人が発生しない日常の謎や『シャーロック・ホームズ』のような冒険活劇、ハードボイルド風の話、暗号解読など、様々なミステリーのジャンルを扱っている。『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』のように、最初から犯人が判っている、いわゆる「倒叙型」のシナリオで話が進むこともある。
後述に書いてある通り、どんな動機であれ犯人には同情しないスタンスではあるものの、被害者のほうも過去に問題行為を起こすなど褒められた人物ではない場合が往々にしてある。
特にマスコミ・芸能界などのメディア関係者、会社経営者(主にアニオリ回)、御曹司や令嬢はこの手の被害者となるエピソードが多い。

ほぼ毎回のように殺人・強盗・麻薬取引に怪盗事件が起きる為、制作関係者・出演声優・ファンからは、主な舞台である米花町(たまに杯戸町も)は犯罪都市とか言われている。実のところ、米花町以外が舞台になる場合も多いが。
工藤新一が公的には行方不明や留年にならないよう、起きた事件数や日にちに対して設定上の作中経過時間は若干サザエさん時空化している(詳しくは後述)。

作中では現実的には無理があるトリックが用いられる場合もあるが、これは「真似する人が出ないように」わざと荒唐無稽にしている部分もあるとの事だが、アニオリ回などではツッコミどころしかないようなものもたまに存在する。


アニメ版


1996年1月8日には、日本テレビ系列でテレビアニメ版(制作は読売テレビとキョクイチ東京ムービー→トムス・エンタテインメント)が放送開始。
日本テレビ系列において全国同時ネット放送の30分レギュラーアニメ番組としては最長寿作品*1となっており、2021年には放送1000話を突破した。

アニメでの字幕放送では、コナン(新一)が黄色、小五郎が水色、蘭が緑色、それ以外は白で表記されている。

放送時間帯に合わせ、「赤い血ではなく黒ずんだ血に変更*2」「遺体の瞳を閉じる*3」「首を吊った状態の遺体の顔を見せない*4」「焼死体は直接写さない」などの配慮がなされており、その関係もあってか原作のないアニオリ回では首を吊った状態の遺体や焼死体はほとんど出てこない。
ただし、どんな殺され方をしても遺体は眠っているように瞳を閉じている為、あるエピソードでは重大なネタバレになった事もあった。
首無し死体やバラバラ死体といった切断された遺体に関しては、同じ推理漫画の『金田一少年の事件簿』においては変更される例がいくつかあるのに対し、『コナン』ではトリックに大きく関係する場合が殆どで変更しづらい為か、基本的に改変は少ないが切断部分は見せない形にしている*5*6

他にも、原作で使われる「死体」といった台詞もアニメ初期の頃はそのまま使用していたが、今は基本的に「遺体」に変更されている。
また、性関連の描写など放送においてふさわしくないとされる表現は差し替えたり削除したりしているが、一部のエピソードではそのまま放送したり、一部アニオリ回でも性関連を匂わせる台詞があったりする為、明確な基準は不明である。

放送当初は子供向けを意識してか、探偵団が原作では絡まない事件に登場したり、ギャグやドタバタなどのコメディチックな雰囲気を押し出した描写が頻繁に見られた。

今でこそ原作で3・4話分の話はアニメにおいて前後編で放送されるのが普通であるが、放送初期はそれらを1話完結で放送しており、その為か内容のカットや変更が多々あった。同様に、現在のアニメでは3・4話で行うような原作の長編事件もアニメでは前後編で描き切っていた。

他作品でもあり得る事だが、アニメ化に伴って原作エピソードの順番が前後することも多々あり、アニメ化が大幅に遅れたエピソードは『月と星と太陽の秘密』のように灰原加入を踏まえた描写を入れたりと、放送時点でのアニメ版に合わせた改変を行っている。
だがこれにはデメリットもあり、放送順によっては違和感のある時系列になったり、前後のエピソードが繋がる描写の改変があるなど色々悩ましい問題があったりする。
そんなアニメ版基準の改変や補完描写だが、『コナン平次の推理マジック』辺りまでは真田一三と関わった順番がアニメ版基準だったりしたものの、『封印された洋窓』や『マリアちゃんをさがせ!』など原作通りの描写でアニメ描写部分が実質なかった事になっている例が見受けられるようになり、これは恐らく10周年を境に現在の方向性が決まったものと思われる*7

以上のような少々の表現の変更は多かれど、原作での真犯人や被害者(の生死)、メイントリックがアニメ化の際に変更される、といったストーリーの根本に関わる大幅なアレンジは皆無に等しく、原作をほぼそのまま忠実にアニメ化している稀有な作品である。
ただし、例外中の例外として、ごく初期に原作では黒の組織が関わる回が、アニメでは組織とは無関係の人物による犯行に変更されている例がある*8

原作ではゲストキャラに何かしらの名前の法則性があるものの、それによって苗字を当て字にしたり、一般的に人気のある名前を使ったり、奇抜な名前にしたりする事は非常に少ない*9が、近年のエピソードでは年齢の割には「○男」や「○子」などの古風な名前のゲストキャラもいる。
ただし、主要キャラと苗字や名前の読みが同じゲストキャラの登場は事件に関係する場合を除いて基本的に避けている*10
なお、原作者の故郷である鳥取県で毎年開催されている「青山剛昌先生と話そうDAY」というイベント内の企画で当選したファン1名が事件関係者として毎年登場している。

逆にアニオリ回では法則性がほとんどなく、話によっては法則性が存在する場合もあるが基本的に事件のテーマと関係ない事が多い。
原作では名前が設定されていなかったゲストキャラも名前が設定されていたり、アニオリ回では名無しのキャラと思ったら名前が設定されていたというエピソードもある*11

年1回はJR西日本とのコラボ企画によるミステリーツアーが開催されており、解答編に相当するエピソードがアニメ化されている。当初は殺人事件が殆どだったが、風評被害を避ける為かここ数年は殺人以外の事件を扱っている。
以前はミステリーツアー回以外でも全国各地に行くなど旅情ミステリーのようなエピソードが描かれる事もあったが、近年は大幅に減っており、地域によってはコナンに劣らない優秀な刑事もいる為かたまに遠出をしてもどこの都道府県かを言わない事がある。

長期放送アニメの宿命か、ゲスト声優については何度も出演する事が珍しくない。
十数回もゲスト出演する人もいれば、逆に期間を置いて十数年ぶりのゲスト出演となったりする人もいる。中には放送17年目で世良真純役に抜擢された日高のり子や、放送24年目で初のゲスト出演を果たした田中真弓など、知名度のあるベテラン声優でも放送からかなりの年月が経過してからようやく初出演、といったケースが見られる。ベテラン声優の中には、放送1年目でゲスト出演を果たした郷里大輔などのようにわずか1回しか出演していない声優も珍しくない。
更に何度も犯人役を演じたり何度も被害者役を演じる人もいれば、被害者役と犯人役の両方を演じたという人も多数おり、何回かのゲスト出演を経た後に本編や劇場版における重要キャラに起用される事も多い*12

番組開始から2009年春までは月曜日19時台*13で放送していた都合上、特別番組で休止する週が度々多かった*14
しかし、2009年春の日本テレビ系列の改編により放送時間が土曜日18時台に枠移動してからは2013年から毎年放送されている日本テレビ制作の大型音楽特別番組『THE MUSIC DAY』を放送する日や年末年始以外は原則休止せずに放送している*15が、この改編により、同時に「民放のゴールデンタイムのアニメ番組」の灯を消しかけてしまう事になった。
その後は、テレ東の木曜日とテレ朝の金曜日の19時台にアニメ番組が残っていたが、テレ東のほうは2018年秋に日曜日の夕方に移動し、唯一のゴールデンタイムとなったテレ朝も2019年秋にコナンと同じ土曜日の夕方(放送時間はコナンより少し早い)に移動した為、その火が一度は消えたものの、2020年秋にテレ東で再び復活する事となった。

2015年に入ってからは『サンデー』での休載頻度が増加した兼ね合いで原作エピソードの年間放送数が減少しており*16、デジタルリマスター版による再放送やアニメオリジナルエピソードが増えている。
再放送回の場合、新規挿入されたアバンタイトルでコナンが『古畑任三郎』の冒頭シーンのようにエピソードにまつわる解説をしており*17、その代わり初回で放送された本編の一部がカットされている。
エンディングでのキャスト欄の順番も放送当時のままだが、初期のエピソードで元太が登場している回だと高木の名前がない事があれば、元太と高木の名前がセットになっている事もある*18
なお、デジタルリマスター版の再放送回は2018年に再放送された『強盗犯人入院事件』から「R○○話」としてカウントされるようになった。

オープニング曲によっては、歌詞テロップとスタッフクレジットの書体が変更される事があるが、再放送回の場合はスタッフクレジットの書体が従来のゴシック体になっていたが、最近は書体が変更されなかったオープニング曲も増えている。

2019年12月に公式YouTubeチャンネルが開設された。2020年1月から8月にかけて、毎日1話ずつ追加する形で第218話までを順次無料配信され、のちに一部エピソードも期間限定で無料配信された。
再生数の伸びが凄まじくすべての話が放送開始から1日以内に10万回を突破するお化けコンテンツとなっている。総再生回数も少なくとも30万回台、大半が50万回台とその人気が伺える。2020年12月を以って公開済みのエピソードが一旦配信停止となったが、2021年1月からは改めて第1話から順次再配信される。

BS放送のアニマックス(ANIMAX)、CS放送の日テレプラスでも再放送されており、特に日テレプラスでは年末年始などで過去回を一挙に長時間に渡って放送している。
ただし、土曜日に一挙放送する場合は地上波の本放送の時間である午後6時からの30分だけは『コナン』とは全く無関係の番組を放送し、午後6時半に一挙放送再開の形をとっている。

劇場版


1997年春からは東宝の配給で劇場版の公開が開始され、現在はゴールデンウィークの定番の映画シリーズとなっている。
芸能人ゲスト声優も初期から起用しており、初期の頃はチョイ役が基本的だったが、2009年公開の『漆黒の追跡者』以降では一部の芸能人ゲスト声優もメインで起用するようになった*19
2016年公開の『純黒の悪夢』を境に1作品あたりの興収が大幅に上昇し、2018年公開の『ゼロの執行人』はテレビアニメを原作とする劇場版映画では当時史上最大の興行収入を達成。

テレビアニメの劇場版史上初の興収100億円達成も時間の問題と思われていたが、2020年公開予定だった『緋色の弾丸』の公開が新型コロナウイルス感染拡大の影響により1年遅れで公開された影響*20もあり、この大台に初めて到達した作品は、同じ東宝の配給である『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』となった。
その後、2023年公開の『黒鉄の魚影』で悲願の興行収入100億円突破を達成した。

テレビアニメの劇場版では当たり前ともいえる入場者特典の導入は滅多に無いが(『純黒の悪夢』及び、『ゼロの執行人』と『紺青の拳』の4D版での再上映のみ)、映画冒頭に第1話のダイジェストや世界観の説明を挿入することで新規層が鑑賞しやすく、長年のファンからの支持も未だ高い。
2016年公開の『純黒の悪夢』以降はキャラクターファンを中心とした熱心なリピーターが増えたのも興収の上昇に繋がっており、現在は平次&和葉(&大阪府警、綾小路)・キッド(&次郎吉、中森)・世良(&秀吉、メアリー)・赤井(&FBI)・安室(&風見、警察学校組)・京極・黒の組織のうち1組以上が確実に登場するようになった。
登場キャラに関しては、コナン(新一)・蘭・小五郎・阿笠・探偵団・園子は『時計じかけの摩天楼』から登場している劇場版皆勤賞キャラであり、灰原は『世紀末の魔術師』から毎回登場しているものの最近は作品によっては出番差がかなりあり、活躍もなく皆勤賞の為だけに登場している事もしばしあるが、かといって彼らを出さない訳にもいかない為、そういう意味では脚本家も非常に大変である
なお、『コナン』の初代プロデューサーである諏訪道彦氏の話によれば、探偵団の3人が毎回ポスターに出ているのは同年代の小学生に向けての意味合いがあるとの事*21

アニメ版とは違い、血や遺体の表現が若干緩和され、原作と同じように描写されている。
劇中において舞台となる建築物や場所が爆発などで破壊されてしまう事が非常に多く(特に鈴木財閥関係の建物)、被害総額が『こち亀』クラスかそれ以上とファンから言われる事もある。
しかし爆発の規模の割には不自然といっていいほど事件関係者以外の死者が出る事は基本的になく、逆に通常回の(劇場版と比較して)小規模な爆発のほうで死者が出るという逆転現象が発生している。もはや劇場版でのテンプレートといえる。
犯人の動機に関しても、怨恨や復讐などに限らずぶっ飛んだものが比較的多く、ファンからは度々話題にされたりネタにされたりしている為、後述の作品スタンスはあるものの劇場版に関してはどう考えても極刑不可避の犯人が続出している。

初期の作品では一部を除いて外国人キャラの登場はほとんどなかったが、近年は登場頻度が増えており、2013年に公開された『絶海の探偵』以降のほとんどの作品に外国人キャラが登場するようになった。
この頃からコナンサイドに戦闘力の高いキャラも登場するようになった関係か、犯人サイドに外国人キャラがいる場合はハイスペック犯人が登場する事もあるが、その強さはコナンサイドの登場キャラによって変化している部分もある。

なお、金曜ロードショーなどで放送される場合の字幕放送はアニメ版とは異なり、別のキャラが水色、緑色になる場合がある。


ドラマ版


2006年には実写ドラマ化もされており、単発ドラマを経て、2011年には連続ドラマ『名探偵コナン 工藤新一への挑戦状』というタイトルで「木曜ミステリーシアター」枠で放送された。
『名探偵コナン~』のタイトルを冠しているものの、全ての作品で工藤新一が主人公となっている*22実質名探偵工藤新一といって差し支えない
連続ドラマ版は深夜枠で放送されている関係もあって大人向けの内容であり、原作やアニメ版ではほとんどなかった性的描写なども描かれており、このような施設も登場している。


あらすじ


「日本警察の救世主」「平成のホームズ」とも言われた高校生探偵・工藤新一は、
幼馴染の同級生・毛利蘭と遊園地でデートをしていた時、とある殺人事件に遭遇する。
難なく解決したものの、帰り道で容疑者の一人だった黒ずくめの男の不審な行動を目にした新一は、蘭と別れて男の後を追い、その先で怪しげな取引現場を目撃する。
取引を見るのに夢中になった新一は、背後から近づいてくるもう一人の黒ずくめの男の気配に気づかず、後頭部を殴打されて失神してしまった。しかも新一はその男に組織が新開発したという毒薬を飲まされ、口封じされてしまった。
…と思われたが、奇跡的に助かる。しかし、薬の副作用で神経組織を除く骨格、筋肉などの全ての細胞が退行し、小学1年生ほどの身体になっていた。
黒ずくめの組織に自分がまだ生きていると知られればまた命を狙われる立場となり、周りの人間にも危害が及ぶ。
阿笠博士の助言で正体を隠すことにした新一は自らを「江戸川コナン」と名乗り、父親の毛利小五郎が私立探偵をしている蘭の家に居候することに。
周囲で起こる難事件を持ち前の推理力で解決していきながら、謎に包まれた黒の組織を追う。


登場人物



主要人物


準主要人物



警視庁

●上層部
  • 小田切敏郎
●捜査一課
●捜査二課
●鑑識課
  • トメさん
●交通部
●殉職者

府県警

●大阪府警
●静岡県警
●神奈川県警
●群馬県警
●長野県警
●京都府警

法曹界

●妃法律事務所
●東京地検

FBI


公安警察

●警察庁警備企画課
●警視庁公安部

黒の組織


帝丹小学校


棋士


鈴木財閥

  • 鈴木次郎吉
  • 鈴木史郎
  • 鈴木朋子
  • 鈴木綾子

登場人物の家族

  • 本堂瑛祐
  • 目暮みどり
  • 服部静華
  • 宮野厚司
  • 宮野エレーナ
  • 宮野明美
  • 赤井務武
  • 領域外の妹/???

その他準レギュラー




事件リスト


※多くあるので個別項目のあるもののみ記載(アニメ特別編、劇場版除く)。以下ネタバレ注意。
※○はデジタルリマスター版として再放送(後述の劇場版並びにその他の作品を除く)。
※なお、エピソード項目は凍結が決まった為、項目変更後は事件リストから除外している。







関連項目




豆知識


◆作中の登場人物の名前

登場人物の名前は、世界の名探偵や推理作家の名前をもじったものが多い。
作者が『機動戦士ガンダム』の大ファンであることから劇中にもガンダムを元にした登場人物が存在する。
また、武将が元ネタとなっている登場人物もおり、ゲストキャラの中にもガンダムや武将が元ネタの人物もいる。

決め台詞

「真実はいつもひとつ!」というのがコナンの決め台詞のように思っている人も多いだろうが、今現在コナンは原作中で一度も使用していない*25
実際に決め台詞として使われているのは「江戸川コナン、探偵さ」でありこの名乗りをするにはやや無理のある場面でも使われている。
劇場版では冒頭のキャラクター紹介の後に「小さくなっても頭脳は同じ 迷宮無しの名探偵。真実は、いつも一つ!」と締めるのが定番となっている。

◆連載に至るまで

作者によると、サンデーで連載されていた『YAIBA』が終了してから次は何にしようか考えていたところ、
当時週刊少年マガジンで『金田一少年の事件簿』が連載されており、「探偵ものは好きだし自分もやってみよう」という理由で連載が開始された。
当初は『探偵物語』のような少しハードボイルドなコメディを考えていたらしい。

掟破りな漫画を作りたいと思っていたらしく、少年誌の主人公でメガネは当時では珍しかったのでコナンはメガネをかけるようになったらしい。
漫画のネームも他に比べて多く、ネームの多い漫画は少年誌ではウケないというのが当時の定説だった。
また、『未来少年コナン』と被るから、当時の編集長から『ドイル君』にしろと言われた事も。

当初は「せいぜい数か月、長くて半年程度で終わるだろう」と考えており、黒の組織についても適当にデザインしたというが、現在は20年以上も連載が続いているので「こうなるとは思わなかった」と明かしている。
作者の以前の作品は作品完結しないで終わることもあったが、本作の最終回のプロットは、作者自身の頭の中ですでに出来上がっていると話している。

◆話作り

最も苦労することはトリックではなく犯行の動機を考えることらしい。

犯行に至った動機が過去の窃盗、強盗、詐欺事件というケースなどはあるものの、少年犯罪に関しては他のミステリー作品とは違い『コナン』ではほとんど扱っていない。
その為、原作やアニオリ回に登場した19歳以下の犯人と被害者も数えるほどしかおらず、該当するゲストキャラやその家族が登場した場合は犯人候補が減る形になる事がほとんどだったが、2022年4月の民法改正で成人年齢が18歳に引き下がった為、アニオリ回に関してはこれらの人物も犯人や被害者になるエピソードが登場するようになった。 
性犯罪に関しても、コナン(新一)の年齢、ファン層、少年誌かつサンデー連載作品の傾向等という点もあってか非常に少なく、ほとんどが犯行の動機か未遂で終わっており、アニオリ回では一度も扱っていない*26

その為、他のミステリー作品と比較すると個性的*27な動機が多く、さらにアニオリ回では後述の作品のスタンスもあって似たような話が登場する事もしばしある。

公式ファンブック『コナンドリル』でのインタビューによると
怨恨が多いんだけど、いつもじゃ面白くないし。
かといって無差別殺人みたいなのはイヤですし。
たとえば暑かったから、ムシャクシャしたから人を殺したとか、そういうのは後味が悪いでしょ。
それはやりたくないんです。
との事だが、アニオリ回ではこれらを扱うエピソードもある。

作者の周辺には専門性の高い分野を扱う人物が何人かおり、彼らからコナンを描く際に様々な専門知識や助言を受けているとのこと。例を挙げると、作者の兄は科学者、上の弟は車のエンジニア、下の弟は医者である。また、従兄弟は小学校の教師、アシスタントの義父は県警の警視である。
その為、作中では様々な専門用語や雑学が登場し、中には専門知識がないと素人では思いつかないようなトリックも存在する。

犯人については、原作においては基本的に1つの事件に真犯人は1人だけであることが多く、共犯は作らないようにしている。これは作者曰く、『共犯を作ってしまうと事件やトリックがややこしくなる』との事だが、アニオリではこの限りではなく、共犯を扱う例が時々ある*28

なお、近年の原作ではひとつのエピソードに有能キャラが複数登場した場合は、そのエピソードに登場した一部のキャラが通常時より推理力が劣化する事があり、ファンの中で賛否が起きる事がある。


◆作品のスタンス

この漫画では、基本的に「犯人を死なせてはいけない」というスタンスをとっており、他の推理作品では扱う事のある「推理で追い詰められて犯人が自殺するという結末」は、四半世紀以上の連載でとある事件だけであり、仮に自殺しようとする場合はコナン達がそれを阻止するのがお約束となっている。

しかし、『コナン』の場合は他作品と違って、明らかに阻止できないような自殺方法を扱っていなかったり、阿笠の発明品や運動能力の高いキャラクターなどの他力依存で犯人の自殺を阻止できた事もあるなど、状況や時代背景が大きく異なる場合もある為、自殺を阻止できなかったと言ってそれらの作品を揶揄する事は、トラブルの元にもなりかねないため控えるべきである*29
話によっては、コナンが真相にたどり着いた時点で犯人がすでに自殺していたり、複数犯だと犯人同士が仲間割れをして殺し合いをしていたなどの例もあるなどコナンのいない場所で犯人の死を扱ったエピソードもある為、厳密にいえば「コナンの目の前で犯人を死なせない」が正しいといえる*30

これらの展開を扱っていないのは、作者である青山氏のポリシーとして、犯人にちゃんと罪を償ってほしいというもの(犯人に法の裁きを受けさせる)があり、話数の多いアニオリ回やアニメ版でもまず扱わないような展開がある特別編でも徹底的に守られている*31
ただし、アニオリの場合は原作とは違い、欲の塊が強い犯人や推理後に自身の犯行を正当化したり逮捕後も更正せずに再犯しそうなタイプも明らかに増えている為、このポリシーは原作限定の可能性も少なくない。

また、少年誌の連載という事もあってどんな罪であっても犯人には同情しないスタンスも本作の特徴といえるが、たまに殺されて当然のような人物もたまにいる為、話によってはコナン達の台詞が綺麗事にしか聞こえないというファンも少なくない*32


サザエさん時空

作中ではコナンや蘭などはずっと同じ学年であり、作者はこの事について「サザエさんと同じ」と語っている*33
季節のイベントを軸にしたエピソードは原則として一度しか使用しないように決めているらしい。
しかし、アニメオリジナルや劇場版も含めると、バレンタインデーと七夕と体育の日は2回行われていたりする(『バレンタイン殺人事件』と『バレンタインの真実』、『暗闇の道殺人事件』と『漆黒の追跡者』、『探偵団サバイバル事件』と『最悪な誕生日』)。
また、1話が1月13日である事を考えると、全てが1年以内の出来事とすると時系列がおかしい所もちらほら見受けられる*34
アニメで放送する際は、一部例外もあるが原作回もリアルタイムに合わせていたが、現在は劇場版プレストーリー回を除いたアニオリ回のみリアルタイムに合わせており、原作回に関してはリアルタイムでの四季が異なる事が当たり前のようになっている。

長期のミステリー物にありがちな「探偵の行く先々で殺人事件が発生する」という問題を作中でネタにすることが多く、目暮は連載初期からよく小五郎のことを「死神」または「疫病神」と呼んでいる。
だが、最近は小五郎が登場しないエピソードも増え、本当の死神がコナンということに気がついている様子。

新一が小さくなってからまだ半年くらいしか経過していないらしい。劇場版『探偵たちの鎮魂歌』のパンフレットによると、新一がいなくなってまだ半年しか経っていないということを考慮しながら声優陣はアフレコを行っている。


◆アニメ版・アニメオリジナルエピソード

アニメのアフレコでは方言に力を注いでおり、ミステリーツアー回などでは現地出身の声優を起用したり、方言指導者を呼んだりするほど。例として、土佐弁を喋る人物が登場した際には、有希子役の島本須美(高知県出身)が方言指導を担当した。
しかし、あまりにきつい訛り方で喋るとスタッフに注意されたりNGになる事もある為、やや不自然でも視聴者に伝わるように妥協している部分もあるらしい。
外国語を話す外国人キャラの場合は、外国人や海外への滞在経験のある声優を起用する事もあるが、近年はアニメ版よりも劇場版のほうに外国人キャラが登場しやすい。

『コナン』は基本的にそれぞれの事件が本筋から独立しており、日常回といえるオリジナルエピソードを挟みやすい作品となっており、その数も番組開始当初から現在に至るまでかなりの本数の為、多くの脚本家がアニオリ回の脚本に関わっている*35
ただし、一部のキャラ(推理力や戦闘力の高いキャラなど)は作者によって「登場させないでくれ」との指定がある為*36、最近はオリジナルエピソードに登場するキャラに偏りが発生しており*37、登場キャラの組み合わせによっては誰の脚本なのかすぐにわかる視聴者もいる。

1年で放送されるアニオリ回が大幅に増えた為、原作回しか登場しない準レギュラーキャラは一度登場したら次の出番が数年後になる事も少なくなく、中には10年近く登場しなかったキャラもおり、結果としてほとんどのキャラがアニオリに登場しないキャラばかりになっている。
その為、長らく登場しなかったキャラが次回予告に登場すると、そのキャラの名前がTwitterのトレンド入りする事もよくある。

アニオリ回を楽しみにしているファンもおり、『○○で真っ先に死ぬタイプの体育教師』の作者である酒井大輔氏はアニオリ特有のハチャメチャな内容だったり倫理観がバグっているのがあって面白いとの事で、アニメ版は「この回は何をやりたいか?」というコンセプトを大事にして、省くところ徹底的に省いて「描きたい事をしっかり描く」スタンスが大変勉強になると『Walkerplus+』でコメントしている。犯罪を扱う作品で「倫理観がバグっている」のは流石にどうかと思うが。

なお、一部のエピソードではアニメ本編の内容と公式ホームページでのあらすじやキャラ名が異なっているものがある*38
アニオリ回をいくつか担当した辻真先氏によれば、アニオリ回を執筆する際にはスタッフによる脚本会議を経て大幅に内容が改訂される場合があるといい、決定稿と当初番組側に提供した稿で微妙に内容が異なる、といった現象が起こるのかもしれない。


以前は様々な都道府県を訪れ、その地のアニオリの警察キャラが登場するというパターンが多々あった。
しかし、2010年代以降のアニオリはミステリーツアーの回を除けば、その多くが警視庁管轄となっており、捜査一課の刑事達が休む間もなく駆けつけている様子が描かれており、近年は明らかに警視庁管轄ではない場所が事件の舞台となった場合は警察キャラが誰も登場しない事もある。

ゲストキャラの顔も、原作回はレギュラーキャラと比較すると個性的なもの(特に目と鼻)が特徴で、年齢よりも老け顔のゲストキャラも多く、アニオリも原作のゲストキャラの顔とはさらに異なっているのも特徴である*40
原作では、名前だけしか登場しなかったキャラでもアニメ化された時に容姿がデザインされたキャラもおり、萩原研二のようにアニメ化された時に容姿がデザイン化された後に原作に登場する例もある。

初期のエピソードでは、アニオリ(展開も含む)と原作回の繋がりが描写されることもあったが、原作の長期連載とアニオリ展開の設定の齟齬が大きくなってきた為か、近年では原作回とアニメオリジナルエピソードは完全に切り離している場面が多い。
なお、ほとんどの回では犯人役のキャストが一番最後に表記される為、キャスト欄の順番から放送前の時点で犯人が判明することもある。
その為、前後編の場合はキャスト欄の順番が異なる場合が多く、後編の番組表のキャスト順から犯人を判断することも可能な場合がある。

アニメでは次回予告の後、「Next Conan's HINT」として、次の事件のキーとなるアイテムを紹介する10秒ほどのコーナーがあるが、これが非常にカオス
初期は主に元太と高木刑事を演じる高木渉がタイトルを読み上げていたが、「ネクストコナンズヒィィィント!」と妙にテンションが高かったり、「さあみなさんご一緒に!」と煽ったりとやりたい放題。
高木氏だけでなく様々な声優陣が交代で読み上げるようになってからはキャラに近い声色で読み上げられることが多いが、何故かやたら色っぽい声色で大谷育江が読み上げたりとフリーダムな回もあるれば、ゲストキャラが登場する事もある。
そしてヒントの後はコナン役の高山みなみを始め、様々な出演声優陣が短いコントを繰り広げ、視聴者の腹筋を殺しにかかってくる。
元太と高木刑事の掛け合いと言う名の高木渉による一人芝居が繰り広げられる回も。


「元太くんのせいよ!責任取ってね!(歩美)」「何をしたぁ!?(光彦)」「元太くんピーンチ(高木)」
「高木刑事、手袋を反対から行ってみると?(元太)」(ぺち)「あ痛!何も言ってないよ!(高木)」

アニメ版のオリジナル回には実在の人物が登場する事もある。
コナン役の高山みなみがボーカルを担当する音楽ユニットのTWO-MIX(これは原作にもあるストーリー)、上戸彩、市川海老蔵(現・市川團十郎白猿)などが登場している(本人役(配役)の項目も参照)。
また、ネクストコナンズヒントの掛け合いに登場したゲストもいた。

他作品との関わり


今でこそコナンのライバルとして認知されている怪盗キッドだが、彼は『まじっく快斗』からのゲストキャラである。
作中に何度か登場するうちに現在では準レギュラーのような扱いになってる。
(ただ、まじっく快斗の世界では魔法や悪魔のようなオカルトが実在する世界なので、世界観的にはパラレルと思われるが、最近ではコナンの登場人物もまじっく快斗にがっつり関わる場合もあるので変わったのかもしれない)
他にもまじっく快斗からは中森銀三や白馬探など様々なキャラが登場しているが、中森青子や本物の魔法使いである小泉紅子はほとんど関わっていない。
他の青山作品からだと、『YAIBA』や『4番サード』のキャラクターも登場していたりする。

青山作品以外だと、同じ推理漫画の『金田一少年の事件簿』とゲームで、国民的人気の泥棒『ルパン三世』とアニメ特別編映画で共演している。
また、青山氏原作である『AKB48殺人事件』にはコナンが1コマだけ登場し、当時AKB48のメンバーだった前田敦子と電話で会話するシーンがある。
推理漫画以外では、映画『鍵泥棒のメソッド』の登場人物とはアニメ特別編で、小説『謎解きはディナーのあとで』とは同小説の特別編で共演を果たしている。
放送局繋がりで「世界一受けたい授業」を舞台とした事件が起こった事もあった


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