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マスク
■ マスク生活で陥る口呼吸の「わな」 血流悪化、自律神経の乱れなど多くのデメリット【#コロナとどう暮らす】 「AERAdot(2020.6.14)」より
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 感染拡大対策としてマスクを手放せない日々が続いている。困るのはマスクをしていると口呼吸になりがちなことだ。専門家は、口呼吸の常態化がさまざまな健康被害をもたらすと指摘する。その対策とは──。

 新型コロナウイルス感染症の流行が拡大し始めてから、マスク姿は日常的な光景になった。だが、マスクをするようになって、思わぬ体調不良に悩まされている人もいる。

 関東地方の金融機関に勤める女性(35)は、ここ4カ月間に息を吸いすぎて苦しくなる「過呼吸」の発作を3回繰り返した。

 過呼吸は激しい呼吸によって二酸化炭素を必要以上に吐き出してしまい、血中の炭酸ガス濃度が低下することで起きる。女性は以前からストレスや疲れを感じると過呼吸気味になることがあり、主治医にふだんからゆっくり鼻で呼吸するようにアドバイスをされていた。そのおかげかこのところ発作は治まっていたが、それが立て続けに起きてしまった。女性はこう振り返る。

「新型コロナが騒がれ始めた2月初めから、自宅以外ではずっとマスクをつけていました。息苦しさもあり、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなり、発作につながったのだと思います」

 みらいクリニック院長で内科医の今井一彰医師は、マスクの着用によって口呼吸になったことが、過呼吸の背景にある可能性を指摘する。

「マスクをしていると口と鼻が覆われて苦しいので、たくさん空気を取り込める口呼吸になりがちです。しかし、人間本来の生理的な呼吸は鼻呼吸なんです」

口で呼吸をすると、過剰に空気を取り込んでしまいがちだ。今井医師によれば、鼻呼吸をしている限り、過呼吸になることは少ないという。

「そもそも、人間以外の哺乳類は口呼吸をしませんが、人間は言葉を覚えたことで口呼吸をするようになった。食事は口から、呼吸は鼻からが本来の体の使い方。口呼吸が習慣になることでさまざまな悪影響が生まれます」(今井医師)

(※mono....中略、詳細はサイト記事で)
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 鼻呼吸は血管にもいい影響があるという。広島大学大学院耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学教授の竹野幸夫医師はこう話す。

鼻呼吸をすると、血管を若々しく保ち、動脈硬化の進行を抑える一酸化窒素(NO)が鼻から肺へと多く送り込まれることがわかっています

 一般に鼻のなか、と言われて意識するのは、顔から盛り上がった部分の内側にある「鼻腔」だが、その周りには「副鼻腔」と呼ばれる左右4対(合計八つ)の空洞が広がっている。副鼻腔の範囲は広く、目の上から額、頬の周りまで。細い孔で鼻腔とつながっている。鼻腔も副鼻腔もいずれも線毛細胞に覆われているが、この線毛細胞から、常時多くのNOが産生されているのだという。

「NOは血管の内皮細胞からも分泌されていますが、副鼻腔は広いので、作られるNOの量も多い。鼻呼吸をすることで、副鼻腔で作られた大量のNOが、空気と一緒に肺へと送り込まれるのです」(竹野医師)

 NOは血管の中膜にある平滑筋という筋肉組織に働きかけて血管をやわらかく広げ、血流をスムーズにする働きがある。殺菌作用もあり、気道を清浄に保ち、病原菌などから体を守ってくれる。鼻腔を覆う線毛を動かして老廃物を排出する「掃除屋」の役割も果たす。さらに肺の血流を改善し、酸素と二酸化炭素のガス交換を促すなど、多くの健康効果が期待できる。

「鼻歌を歌うと副鼻腔からのNOの放出量が増えるというスウェーデンの研究もあります。安静時と鼻歌を歌った直後の呼気に含まれるNOを比較したところ、鼻歌直後の方が約15倍もNOが多く気道に送り込まれることがわかりました。鼻歌の響きで副鼻腔の骨が共鳴を起こし、広い副鼻腔の奥にたまっていたNOが出てきやすくなると考えられています」(同)

 口呼吸の弊害、鼻呼吸のメリットは多岐に及ぶ。しかし新型コロナの第2波、第3波が予想され、マスクを手放せない状況では、冒頭の女性のエピソードにもあったように、マスクで口呼吸になりがちだ。今井医師は、口呼吸をクセにしないためにも、漫然とマスクをし続けないことが重要だという。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)



■ 気道防御における一酸化窒素(NO)の役割.pdf 「久保伸夫」より
(※mono....前後略、詳細はサイト記事で)
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1.呼気中一酸化窒素一酸化窒素(NO)は,中枢神経系では気体拡散によってシグナル伝達を行うガス状神経伝 達物質であり,末梢神経系まではこれまで未知であったNANC作働性血管拡張神経の伝達物質である。またERDFといわれ た血 管内皮細胞 由来のNOは血管 平滑筋 に対し,最強の血管拡張物質であ る。さらに活性 酸素の組 織傷 害を考える上で,NOラジカルであるONOO一の役割は近年注目されている。一方NO吸入療法 は,換気血流比改善には最も合理的な作用機序 が期待でき,新生児遷延性肺高血圧症には最 も有効 な治療手段として注 目されている。近年,人体は自動車など内燃機関と同様にCO2とともに一酸化窒素(NO)を呼気中 に排気しており,その濃度 は大気の百倍 に達す るこ とが報告 された1)。さらに,こ の呼気 中NOは 気管支喘息 で増加 し2,3),喫煙者 で減 少 してお り2),カル タゲ ナ症 候群患 者4》や 嚢胞性線 維症(cystic丘brosis)で は消失 する と報告 されている。さらに興味深いことに,呼気中NOはCO2と異な日気食会報,49(2>,1998り,少なくとも生理 的条件 下で は圧倒的 に鼻 副鼻腔が多く産生する といわれ4),Lundbergらは上顎洞 内NO濃度は20ppmに達し殺菌作用を有し,呼気のNOの大半は上顎洞由来であると報告して い る5)。さらに彼らは慢性副鼻腔炎症例ではNOは減少し,アレルギー性 鼻炎症例では不変であり,呼気中のNO気道線毛運動機能に気道中NOは促進的に作用する可能性を示唆した6)。さらに興味深い報告として,呼 気NOは霊長類と象以外の動物では排気されないか極めて微量らしい7)。


■ 【血管老化の予防法】血管拡張物質「一酸化窒素」の働き 「NHK健康ch:東京医科大学名誉教授 東京医科大学健診予防医学センター センター長:山科章」より
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動脈硬化を予防する
動脈硬化が引き起こされるメカニズム
内皮細胞の機能の調べる「FMD検査」とは
血管拡張物質 一酸化窒素(NO)を増やす方法
内皮細胞によい運動の種類と目安

(※mono....詳細はサイト記事で)


■ 敗血症と一酸化窒素NO 「EARLの医学ノート(2011-10-28 12:09)」より
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■一酸化窒素(Nitric Oxide:NO)は血管内皮由来弛緩因子(endothelium-derived relaxing factor:EDRF)の本体であり,生理的に血管内皮から分泌されて血管拡張を引き起こす.しかし,NOの生理的作用は血管拡張作用に加えて,神経伝達物質,免疫系における生体防御因子,陰茎海綿体の膨張に関与する生殖系での役割,新生児肺高血圧の治療における吸入療法の有用性など,さまざまな生理作用をもち,生体内シグナル伝達分子であることが分かっている.

■生理的に血管壁では,アセチルコロン,ブラジキニン,あるいはずり応力などの血管拡張性刺激によって,内皮細胞のCa濃度が上昇し,それによりNOS(NO合成酵素;NO synthase)が刺激され,NOが産生される.NOは内皮に隣接する血管平滑筋細胞内に到達し,次にその細胞質内のguanylate cyclase(GC)を活性化する.GCはGTPからcGMPを産生し,続いてcGMPはある一群のリン酸化酵素G kinease(PKG)を活性化し,いくつかの蛋白質をリン酸化し,最終的にミオシン軽鎖の脱リン酸化を促進して平滑筋の弛緩が生じる.

■血管平滑筋の弛緩に限らず,NO作動性神経を介する腸管平滑筋の拡張や,血小板の凝集抑制,脳内でグルタミン酸の放出を増強するNOの作用においてもこのcGMP経路が関与している.このNOによるGCの活性化は,現在においてもNOシグナルの代表的経路と考えられている.

■NOの生体内での由来に関しては,NOSによりアルギニンからde novoに合成される場合と,NOの誘導体からsalvage経路で産生される場合がある.最近,後者のsalvage経路も生理的に重要な役割を果たすことが示されているが[1],やはりNOS依存性の経路が主要と考えられている.NOSに関しては,常に発現している構成型(constitutive)cNOSと,炎症などの刺激によって一時的に誘導される誘導型(inducible)のiNOSとにまず2分される.iNOSはマクロファージなどの炎症性細胞やその他さまざまな細胞で誘導発現され,炎症の病態発現に寄与する.一方,恒常的に発現しているcNOSはさらに2つに別れ,初めに存在が確認された組織の名前をとって,それぞれ神経型(neural)のnNOSおよび血管内皮型(endothelial)のeNOSに分類される.

■NOSの活性化ではカルモジュリン(CaM)というCa結合性蛋白が酵素にしっかりと結合することが必要で,そのためにcNOSでは細胞内Caの上昇というイベントに応じてNOが産生される.一方,iNOSでは,実はこのCaMがすでに結合しているので,カルシウムシグナルを必要とせず,iNOSがあれば持続的かつ大量にNOを産生しうる.しかし,制御の機構が何もないわけではなく,この場合も,初めの炎症刺激によりiNOSが誘導産生されることがNO産生のシグナルといえる.

■炎症反応においては,サイトカインをはじめとする炎症性メディエータ群の作用によりさまざまな細胞で,iNOSが生じ,NOが産生される.NOはエネルギー生産系であるクレブス回路や電子伝達系,さらにはDNA合成を阻害することにより,炎症の場に存在する感染微生物(あるいは腫瘍細胞)を攻撃し,個体保護に働く.しかし,NOの産生が過剰になると血管拡張作用により個体はショックに陥る.またさらに,NOは感染微生物を細胞死に導くのと同じ機構で周辺の自己正常細胞をも傷害する可能性がある.

(※mono.....ブログ主はtwitterおよびfacebookでも活動しており、COVID-19関連のtweet多し。)


■ 一酸化窒素(NO)による感染防御と病態形成に関する研究 「日本細菌学雑誌(2001 年 56 巻 3 号 p. 503-511 )」より
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抄録

一酸化窒素(nitric oxide, NO)は, 循環系・神経系の情報伝達にとどまらず, 感染・炎症・免疫反応のメディエーターとして機能し, さらには免疫反応の調節, アポトーシスの制御, 発癌など幅広い生命現象にかかわっていることが明らかにされつつある。この様な多彩な活性は, NOそのものによる直接的作用のみならず, パーオキシナイトライトなどのNO由来の反応性窒素酸化物により間接的に発現されることもわかってきた。興味あることに, NOは感染症においてほぼ普遍的に産生され, 生体内で抗菌活性を発揮するだけでなく病原体と宿主の相互作用を修飾する重要な役割を演じている。感染防御と病態形成におけるNOの多彩な生物活性の解明は, 21世紀における感染病因論の新たな展開の糸口となるかもしれない。

(※mono....以下の引用文献等略)


■ 一酸化窒素(NO)の毒性と有益性 「高純度化学研究所公式ブログ(2019,7.3)」より













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最終更新:2020年11月09日 21:19