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■ 米国に基地使用料を要求するフィリピン、片や日本は 「JB-press( 北村淳 2021/02/25 06:00)」より
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(北村 淳:軍事社会学者)

 フィリピンのドゥテルテ大統領が、アメリカ軍は「米比訪問軍協定」(VFA)を口実にして、スービック海軍基地に各種兵器を持ち込み蓄積しており、やがてはアメリカの基地に転換しようと目論んでいる、とアメリカ側を非難した。

 VFAとは、米比相互防衛条約の具体的細目などを定めた、日米安保条約に関する日米地位協定のような位置づけの協定である(本コラム2020年2月27日参照)。スービック基地は1898年以来、日本軍に占領された時期を除いてアメリカ海軍基地であったが、1991年11月にアメリカ軍は撤収してフィリピンに返還された。現在はフィリピン海軍の基地である。
「アメリカは使用料を払え」

 ドゥテルテ大統領の非難には、なんら具体的証拠が示されているわけではない。だがドゥテルテ大統領は、アメリカはかつて植民地であったフィリピンを前進拠点とみなしており、南シナ海の覇権を巡って中国と戦争を開始したならば、アメリカの同盟国であり出先機関(とアメリカがみなしている)であるフィリピンは、米中戦争に引きずりこまれるであろう、と指摘した。

(※mono....中略、)
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 ところが、日本政府当局者はアメリカ側との率直な議論を避ける傾向が強い。同様に、日本社会においても、日本にとってアメリカは唯一の同盟国であり、アメリカは日本にとって特別な国であると考えている風潮がある。

 しかしながら、アメリカにとって日本は多くの同盟諸国の1つである。それも決して軍事的ランクが高いとはいえず、また、多くのアメリカ人は日本など何ら特別視していないというのが実情だ。要するに、日米同盟は日本側の片思い的な関係と言えるのが現状であることを認識しなければならない。












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最終更新:2021年02月25日 18:28