+ ニュースサーチ〔ドローン戦争〕






■ ウクライナ危機 勝負を左右する陰の主役はドローンの半導体 「日経BP(2024.2.28)」より
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ウクライナ危機では大量のドローンが使われている。2030年には、人工知能(AI)チップを搭載したロボット兵器やドローンが当たり前のように配備されるだろう。ドローンの優劣を決める半導体を巡る各国の駆け引きに焦点を当てる。『2030 半導体の地政学[増補版] 戦略物資を支配するのは誰か』(太田泰彦著/日本経済新聞出版)から抜粋・再構成してお届けする。
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軍事力の要となる半導体
 半導体の重要な側面で忘れてはならないのは、国家の安全保障を左右する戦略物資としての価値だ。

 例えば兵器。2022年2月に起きたウクライナ危機では大量のドローンが使われている。30年には、AIチップを搭載したロボット兵器やドローンが当たり前のように配備されるだろう。国防の生命線である通信網も、高速で情報を処理する半導体がなければ機能しない。機密性が高い専用チップが軍事力を決めるといっても過言ではない。

 22年2月24日、ロシアはウクライナに本格的な軍事侵攻を開始した。世界各国は一斉にウラジーミル・プーチン政権を非難し、米欧各国はウォロディミル・ゼレンスキー大統領が率いるウクライナへの強力な支援に乗り出した。

 その後のウクライナ軍の粘りは驚異的といえる。予想外というべきではないかもしれないが、首都キーウの防衛は長くもたず、ウクライナ領土のかなりの部分がロシアの手に落ちるという悲観論が大勢を占めていたのではないだろうか。ロシアの軍事力が圧倒的だとみられていたからだ。

 ウクライナ軍はなぜ強いのか――。半導体を巡る攻防は、意外な場所でも繰り広げられている。隠れた劇場をのぞいてみよう。

ロシア軍の“秘密兵器”
 戦闘の趨勢(すうせい)に目を凝らしていた世界中の人々が、22年4月にツイッター(現・X)で拡散された映像に驚き、そしてあきれた。ウクライナ軍の情報機関が公開した2分間ほどの動画には、墜落したロシア製のドローンが映っていた。肩で担げるほどの大きさの、両翼を広げた飛行機の形をしたドローンだ。

 ウクライナ軍の兵士とみられる足を組んだ男性が、カメラに向かって説明しながら機体を分解していく。灰色の胴体から取り出されたのは、ひと昔前の電気製品に使われていたような電気回路のかたまり。緑色の板にスイッチや抵抗器などの部品が差し込んであり、ビニールで覆われた配線がハンダ付けで部品と部品を結んでいる。

 ドローンの先頭部には2翼の回転式プロペラがついている。燃料タンクのキャップは、どうやらペットボトルの飲み口のようだ。

 軍事用のスパイ兵器と呼ぶにはほど遠い、小中学校の工作でつくる模型飛行機のような姿である。

 そして、武骨な金属板にはめ込まれていたのは日本製の旧式の一眼レフカメラだった。シャッターを操作するダイヤルが、動かないようにのりで塗り固めてある。

 ロシアのドローンは、こんなにポンコツだったのか――。拡散された動画を見て思わず苦笑した人は少なくないだろう。分解しながら解説するウクライナ兵士は「驚くほどローテクだ」と勝ち誇ったように語っている。

 ウクライナ側の情報によると、この機体はロシア軍が偵察用に使っている「Orlan-10」というドローンで、開発したのはロシアの軍事企業だそうだ。

 もちろん、これはSNS(交流サイト)を活用したウクライナ側の情報戦の一環であり、ロシアのドローンのすべてが同じような低水準の技術で製造されているわけではない。だが、少なくともウクライナが軍事作戦でどれだけドローンを重視し、ロシアに対する技術優位を世界にアピールしたかったかが分かる。

ロシアのドローンに半導体がない
 日本の軍事技術の専門家に、この映像から何が分かるかを聞いてみた。構造が原始的であるのは誰にでも分かるが、特に目を引くのが「半導体がない」ことだという。

 正確にいえば、スマホなどに搭載されている半導体の光学センサーがなく、その代わりに、ごつい一眼レフカメラが使われている。偵察用のドローンであるならば、軽量で消費電力が少なく、解像度も高いCMOS(相補性金属酸化膜半導体)と呼ばれる半導体のセンサーを使うべきだ。

 「CMOSイメージセンサーは汎用の半導体です。どこででも手に入れられるし、価格も安い。こんなに大きくて重いカメラをなぜ使うのでしょうか」

 ロシアに半導体技術がないわけではない。旧ソ連時代の軍事技術の遺産で、むしろ半導体の設計では優れたノウハウがある。しかし、その優れた半導体を大量に生産する能力がないのだ。

 “西側”による禁輸措置で、ロシアには軍事に関連する物資が入りにくくなっている。特に軍事用、民生用を問わず半導体の調達は難しく、入手に苦労している様子がうかがえる。

 日本経済新聞の調査報道によると、ウクライナ侵攻後の22年2月から12月までにかけて、インテルなど米国製の半導体の高額取引が2358件あり、少なくとも7.4億ドル分のチップがロシアに流入していた。どこから輸入しているかといえば、最も多いのが香港を含む中国で、合わせて1774件。全体の4分の3を占める。次に多いのがモルディブで150件。これにトルコの148件、アラブ首長国連邦(UAE)の86件が続く。意外な国の名前が並んでいる。

 米政府がいくら米国からの輸出を禁じても、ロシアは第三国を経由した迂回ルートで半導体を手に入れている。ウクライナ侵攻後にロシアが輸入した米国製半導体の総額は、それ以前の約3倍にのぼる。中国経由の輸入は、侵攻後に実に11.2倍の増加だ。

 これを裏返していえば、ロシアは中国への依存を深めていることになる。ロシアと中国の半導体を巡る地政学的な地位は、ウクライナ侵攻を境として中国が完全に優位に立ったといえる。

 ロシアが輸入する半導体の種類としては、インテルやAMDのCPUが多い。ミサイルの誘導装置やジェットエンジンの制御、操舵(そうだ)などに使われている可能性があるという。中には日本製のメモリー半導体もあり、やはり中国経由での輸入が多い。バルト3国の一つでロシアと距離的に近いリトアニア経由の取引もあった。

 香港に拠点を置く商社が日本製品を大量に調達してロシア企業に売っていたが、このロシア企業には武器生産に関与する人物が出資していた。ロシアは喉から手が出るほど、半導体に飢えているのだ。

 先に触れた通り、日本経済新聞の調査報道では、モルディブ、UAE、リトアニアなど、半導体とは無縁に見える国々の名も浮かび上がった。禁輸体制の抜け穴である。半導体を通して貿易を見ることで、水面下のサプライチェーンがあぶり出されたといえるだろう。

鳥の群れを放つ
 ウクライナの健闘を支えるのは、大量の無人偵察機、自爆機、攻撃機を抱えるドローン軍である。ウクライナ軍が1カ月間に使用して失うドローンの数は、大小合わせて約1万機にのぼるという推計もある。ドローンによる攻撃は、ロシア領内、ウクライナ内のロシア支配地域の190カ所で確認されている。

 ウクライナは、これまでは輸入品に頼っていたが、国家計画として国産ドローンの開発に取り組み始めている。ドローン技術に自信を深めているのは、実戦で得られた知見がイノベーションの糧となるからだ。

 23年3月には、ウクライナ国防相(当時)のオレワシー・レズニコフが、ロシアとの戦闘のために数十万機のドローンが必要で、約80社の国内のメーカーが生産を急いでいることを明らかにした。

 例えばロシアとの戦闘が始まる前には農薬散布に使うドローンを製造していた企業が、開戦後に300キログラムの爆弾を搭載する戦闘用のメーカーに転じている。なんと段ボールでつくったドローンもある。レーダーに映らないステルス性があるからだ。

 ウクライナは、戦闘機をはじめ有人機の航空戦力ではロシアに太刀打ちできないことを理解していた。何しろ国内には十分な戦闘機もパイロットもいない。だが、大量のドローンを使えば対抗できるかもしれない。軍の幹部たちはそう考えたに違いない。

 戦闘機の移動基地である空母や大型爆撃機、原子力潜水艦を持っているかどうかが国の軍事力を決めるとは限らない。どれだけ多くのドローンを動かせるかで戦力の大きさが決まる。大艦巨砲の時代が終わり、小さく、軽く、少人数で操作でき、短期間で配備できるドローンが、戦場の主役になろうとしている。

 ウクライナ政府が資金集めのために22年5月に設けたサイト「ユナイテッド24」に、ドローン調達の計画が載っている。

 23年9月の時点で、募金を使って購入したドローンの数は4100機にのぼる。
 23年5月には、「ビーバー」と呼ばれるウクライナ製の長距離ドローンが、モスクワのクレムリンを直撃したとみられている。低空飛行ができ、航続距離も約1000キロメートルに及ぶため、長距離ミサイルに匹敵する破壊力がある。

 ウクライナの兵士は、ドローンを鳥(bird)と呼ぶ。戦場の様子を伝える広報映像でも、兵士が「我々の鳥たち(our birds)を最前線に送る」と語るシーンがある。

 23年末までに調達する予定のドローンの数は20万機。大量の鳥群が空を覆いつくすさまを想像してみてほしい。これが現代の戦場の光景だ。
 この鳥たちを駆動しているのが半導体チップにほかならない。

トルコの「軍旗」
 ウクライナはトルコのバイカル・テクノロジーから新鋭機「バイラクタルTB2」を調達している。バイラクタルはトルコ語で「軍旗」や「旗手」を意味する言葉である。

 バイカルはレジェップ・タイップ・エルドアン大統領の親族が経営に関与する企業で、政府から莫大な補助金が出ているという。新鋭のTB2は大型トラックの荷台に載せられるほどの大きさで、通信衛星を介してコントロールできる。

 その性能と機動性が評価され、トルコ発の世界のヒット商品となった。納入先はトルコ軍だけでなく、先進国以外の小国が多い。

 ウクライナは同時にイスラエルからもドローンを調達している。ロシアから侵攻された当初は、これらの外国製の強力な軍事ドローンが戦場で活躍した。そして次第に国産開発に重心を移し、先述の「ビーバー」や、もう一つの国産機「UJ22エアボーン」を実戦に投入していくことになる。

 いずれの機種も、外国から調達した様々な半導体が大量に使われていることは言うまでもない。

 半導体の力によって、極めて巨大で高価な航空母艦を大人数で動かす20世紀型の戦争が終わる。これからは、少数の低コストの兵器を少数の人間が操作する技術が、軍事力の要となる。










★■ ドローン戦争の時代到来 無人機で戦火拡大「死者5000人」とプーチン氏 「東京新聞(2020年10月23日 19時23分)」より
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◆ナゴルノカラバフは最新兵器の実験場化
 【モスクワ=小柳悠志】係争地ナゴルノカラバフを巡り、ロシアのプーチン大統領は22日、アルメニアとアゼルバイジャンの戦闘で死者が「両国合わせて5000人に近づいている」との独自情報を明らかにした。アゼルバイジャンが最新兵器を投入するなどして、戦闘が拡大しており、犠牲者が急速に増えている可能性がある。

 アゼルバイジャンは軍事衝突が勃発した9月下旬から無人攻撃機を投入し、ナゴルノカラバフ南部を奪還。アルメニアが配備したロシア製の地対空ミサイル「S300」や戦車を見つけだし、レーダー誘導弾で破壊している。
 ロシアの軍事評論家パーベル・フェルゲンガウエル氏は「ドローン戦争の時代が到来した」と話し、現地が最新兵器の実験場となっていると憂う。
 アゼルバイジャン軍の無人攻撃機の主軸はトルコ製の「TB2」。内戦が続くシリアやリビアでも投入され、その性能の高さから「軍事ドローン界のスター」(英BBC放送)と称される。イスラエル製無人機も投入している。
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 アゼルバイジャンは石油と天然ガスの産出国。2000年代以降、原油輸出で得た資金で軍備拡張を急いだ。人口約1000万の国にもかかわらず、ストックホルム国際平和研究所によると、14~18年の武器輸入で世界23位に付ける。武器の主な調達先はロシア、イスラエル、トルコだ。
 一方、アルメニアの武器調達は軍事同盟国のロシア頼み。1990年代初頭のナゴルノカラバフ紛争では事実上の勝利を収めたが、今回は守勢に回っている。22日現在、兵士だけで900人余が死亡した。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


■ ドローン戦争、アルメニア軍苦境はアゼルバイジャン軍のUAVが原因? 「航空万能論(2020.09.29)」より
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アルメニア軍のロシア製防空システム「S-300PS/V」が、アゼルバイジャン軍の自爆型UAVによって破壊されたと報じられている。


アゼルバイジャン軍の無人航空機戦力は侮ることが出来ない充実ぶり

ロシアメディアは27日、ナゴルノ・カラバフ地域に近いアルメニア領ゴリス市付近に配備されていたロシア製防空システム「S-300PS/V」が、アゼルバイジャン軍の徘徊型自律兵器(通称:カミカゼUAVもしくは自爆型UAV)によって破壊されたと報じており、S-300が敵の攻撃によって破壊されたのはこれが初めてらしい。

↑アゼルバイジャン国防省が公開した最新の動画

ただしロシアメディアの報道はアゼルバイジャン国防省の公式発表ではなく、アゼルバイジャンメディアの報道を引用しているため事実なのか疑わしく、アゼルバイジャン国防省はアルメニア軍の近距離防空システム「9K33オサー」の破壊を繰り返し何度も強調しているのに、より高度で高価な防空システムS-300の破壊について何も言及しないのは辻褄が合わないが、アゼルバイジャン軍が無人航空機を大量に使用して戦いを優位に進めていることだけは確かだ。

因みにアゼルバイジャン軍が保有している無人航空機のラインナップは意外と豊富で、イスラエルから偵察/監視用途に小型無人航空機サンダーBやオービター3、中型無人航空機のヘルメス450/900、攻撃用途に自爆型無人航空機スカイストライカーやハーピーNGを導入しており、最近トルコから精密誘導兵器を搭載可能な中型無人航空機バイラクタルTB2を保有している。


(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)




エリカ:今、日本ではドローンが普及の一途を辿っていますが実はドローンはもともと軍事用だったのよ。

タクミ:えっ!?そうなのか!? 信じられないな…。

という事で今回は

ドローンの軍事目的での利用について
軍事用ドローンの問題点
軍事用ドローンがもたらす悲劇のニュース

この3点を中心に解説していきます。

では以下を確認していきましょう。

(※mono....詳細は略しますので本文を。)
目次
   ドローンの用途はもともと軍事用
       軍事目的でのドローン
       軍事利用するメリット
   ドローンを軍事用として利用した場合の問題点
       パイロット不足の問題
       一般人に向けての誤爆
       軍事用ドローンの近年のニュース
   軍事目的に使われるドローンにはどんなものがあるのか
       「ロテムL」
       「ハーピーNG」
       「グリーンドラゴン」
   軍事用ドローンの製造はイスラエルが中心
   著しい普及率の裏側に多く残る軍事用ドローンの課題
   まとめ


■ 拡散する“現代のカラシニコフ” 中東ドローン戦争 「NHK(2019-09-06)」より
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シリアやイエメンの内戦、イスラエルによる周辺国への攻撃・・・日本では決して大きな注目を集めているとは言えないこうした出来事を追っていると、ここ数年で中東の紛争に大きな変化が起きていることがわかります。軍事用ドローンが中心的な役割を担うようになっているのです。かつてアメリカやイスラエルなどが独占していた軍事用ドローンの技術は、敵対する国や勢力に急速に拡散し、紛争の潮流を変えつつあります。

(※mono....以下長文略、詳細はサイト記事で)












最終更新:2024年07月29日 10:34