【歯科領域と酸化グラフェンに関する記事】
● 酸化グラフェンでコーティングされた歯根象牙質の抗菌性の評価 「医学・薬学予稿集全文データベース」より ※コロナによる関連機関がサービスを休止しているためPDFの提供なし
● 酸化グラフェンでコーティングされた歯根象牙質の抗菌性の評価 「J-GLOBAL」より ※ここには抄録があるようだが、個人で会員になって閲覧することは出来ない? 出来たとしても高額過ぎて無理。
● 【学位論文審査の要旨】象牙質の酸化グラフェンコーティングと近赤外線光による光熱抗菌効果 「北海道大学 死学博士:長尾敬志(2018-03-22
)」より
 ※ 抜去したヒト大臼歯を使った研究


 ※ ここに参考文献が載っている。リンクのあるものをいくつか下に。※DeepL機械翻訳
+ 参考文献
原子レベルの薄さの炭素膜における電場効果
  酸化グラファイトの薄膜粒子1:高収率合成と粒子の柔軟性
  固体支持体上に固定された酸化グラフェン単体表面でのタンパク質認識
  Eu(iii)結合型酸化グラファイトの発光材料としての利用
  細胞イメージングおよびドラッグデリバリーのためのナノグラフェンオキシド
  共有結合した生体適合性グラフェン/ポリカプロラクトン複合体による組織工学への応用
  酸化グラフェンで被覆した基板からの骨再生治療用タンパク質のデリバリー

【以下は日本人名があるので載せるがリンクは無い】
  • Nishida E, Miyaji H, Takita H, Kanayama I, Tsuji M, Akasaka T, Sugaya T, Sakagami R, Kawanami M: Graphene oxide coating facilitates the bioactivity of scaffold material for tissue engineering. Jpn J Appl Phys, 53: 1-7, 2014.
  酸化グラフェンコーティングによる組織工学用足場材料の生理活性促進効果

  • Nishida E, Miyaji H, Kato A, Takita H, Iwanaga T, Momose T, Ogawa K, Murakami S, Sugaya T, Kawanami M: Graphene oxide scaffold accelerates cellular proliferative response and alveolar bone healing of tooth extraction socket. Int J Nanomedicine, 11: 2265-2277, 2016.
  酸化グラフェン足場は、抜歯窩の細胞増殖反応と歯槽骨の治癒を促進する

  • 降旗友和, 宮治裕史, 西田絵利香, 川本康平, 小川幸佑, 百瀬赳人, 舘山彰人, 長尾敬志, 吉田 崇, 加藤昭人, 川浪雅光: 酸化グラフェン配合スキャフォールドによる骨形成効果. 日歯周誌, 58 (春季特別号): 139, 2016.
  • 長尾敬志, 宮治裕史, 西田絵利香, 川浪雅光: 酸化グラフェンでコーティングされた歯根象牙質の抗菌性の評価. 日歯周誌, 58 (春季特別号): 126, 2016.
■ 宮治 裕史(ミヤジ ヒロフミ) 「北海道大学 研究者総覧」より



■※ 酸化グラフェンの医療応用-歯周病治療,再生医療への展開〔北海道大学病院歯周・歯内療法科 - 講師 宮治裕史〕pdf 「科学技術振興機構」より ※北海道大学病院 むし歯・歯周病科講師 博士(歯学)
※ 魚拓
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酸化グラフェンは口腔細菌に対する抗菌性を有す
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酸化グラフェンの医療応用-高濃度 酸化グラフェン⇒強い抗菌性を発揮⇒歯周病等感染症への応用
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酸化グラフェン付着被膜の安定化~停留性の改善
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歯や義歯表面に抗菌効果を容易に付与できる
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酸化グラフェンの抗菌効果は長期に継続する
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酸化グラフェンの医療応用 その2-低濃度 酸化グラフェン⇒細胞活性の向上,組織再生効果⇒再生医療用バイオマテリアルへの応用
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酸化グラフェン(低濃度)は細胞増殖を促進する
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酸化グラフェンは組織再構築を促進する
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新技術の特徴・従来技術との比較
• 酸化グラフェンは配合量を変えることで,抗菌性と細胞親和性・組織再
生効果を発揮できるユニークな材料である.
• 本技術の作用機序(抗菌性)
ナノ物質の特性である吸着性と,酸化グラフェンの持続的な静菌性を利
用している.また歯に対する停留性が高く,従来の抗菌性物質に比較して
抗菌性が長期に持続されることから,局所応用で効果を発揮できる.
• 本技術の作用機序(組織再生)
酸化グラフェンの生理活性物質の吸着性と,M2マクロファージの誘導性
を利用している.従来の再生用バイオマテリアルに比較して再生効果が高
く,多様な組織に対して応用できる
想定される用途
• 歯周病治療薬(ポケット充填剤,洗浄剤),う蝕予
防薬(歯面コーティング剤)等の医療機器
• 歯磨剤,含嗽剤,義歯洗浄剤等の口腔ケア製品へ
の応用
• 組織再生用生体材料
• (抗菌性生体材料)

実用化に向けた課題
• 抗菌性
剤形の調整
歯や義歯へより付着しやすい,より安定,良い味
酸化グラフェンの酸化度の調整
高い酸化度
⇒高い抗菌性
ヒトにおける効果の実証

• 組織再生効果
M2マクロファージ誘導のメカニズムの解明
安全性の確立






グラフェン・酸化グラフェン
■※ カーボンナノシート新素材『酸化グラフェン』の歯周病治療への展開 「J-STAGE(2016年58巻2号 p.65-71)」より
(※mono....前半は大幅に略、詳細はサイト記事で)
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我々もコラーゲン-酸化グラフェンスキャフォールドの足場としての有効性と組織構築効果を見るために,ラット生体内への埋植実験を行った15,25)。その結果,酸化グラフェンの添加はスキャフォールド内部への細胞増殖(イングロース)を著しく上昇した(DNA量にて1.4倍)。そこで細胞挙動を詳細に検討するために免疫組織学的に調査したところ,酸化グラフェンの配合は線維芽細胞や血管関連細胞の著しいイングロースを促した。さらに特徴的なことにコントロールのコラーゲンスポンジではED-1陽性の炎症性マクロファージ(M1マクロファージ)が発現したが,酸化グラフェンスキャフォールドではM1マクロファージに加えてED-2陽性の組織修復型マクロファージ(M2マクロファージ)の発現を認めた(図3)26)。このことから酸化グラフェンの効果には次のような仮説が考えられる。まず酸化グラフェンは生体内で血漿等から選択的にグロースファクターを含む生理活性物質やコラーゲン等の生体線維を吸着凝集する。また酸化グラフェンそのものが異物として認識されマクロファージを誘導してリモデリングが開始される。その結果,多くのシグナル因子によって細胞のスキャフォールド内部への遊走増殖が促進され,スキャフォールドを足場にして細胞外マトリクスを分泌,また同時に血管網の構築が起こり自己組織化するというものである。その際に,組織修復型マクロファージ発現による免疫反応の抑制が,組織再構築に重要な役割を果たしているものと思われる。我々はさらに酸化グラフェンスキャフォールドの埋植が,抜歯窩治癒26),歯周組織再生27)を促進することを明らかにした(図4)。これは将来,歯周組織再生療法において酸化グラフェンを応用できる可能性を示唆するものである。

ナノカーボンの中には発がん性が懸念される材料もあるが,酸化グラフェンは以前より安全性が報告され生体親和性の良い材料として広く認識されている。低濃度の酸化グラフェンをラットへ投与した場合に,細胞死などの傷害を引き起こさないこと28),酸化グラフェンをラットに静脈注射で投与して,血液生化学データの異常や臓器の明らかな損傷は認められず,肝臓・脾臓に蓄積後排泄されたことが報告されている29)。しかしヒト生体内へ長期的に留置されることを前提とした場合には,安全性の評価,生体内動態の検討は引き続き行われるべきである。










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最終更新:2022年06月09日 16:05