(巨大肥厚性胃炎(giant hypertrophic gastritis)、メネトリエ病(menetrier disease)):gastric mucosal hypertrophy
 / 胃癌




■ 巨大肥厚性胃炎 「健康創造塾」より
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巨大肥厚性胃炎とは、胃の粘膜がはれて、肥厚し、巨大なひだを形成する疾患。メネトリエ病、胃巨大皺襞(しゅうへき)症、胃粘膜肥厚症とも呼ばれます。

肥厚した粘膜から、血液の蛋白(たんぱく)質が漏れるために、低蛋白血症となることがあります。その結果、体にとって重要な栄養分である蛋白質濃度が低下して、初期では主に胃もたれ、上腹部痛、吐き気、嘔吐(おうと)、あるいは下痢などの消化器症状が現れます。無症状のこともあります。

進行すると、低蛋白血症のために貧血や、疲れやすい、食欲の低下、体重の減少、全身がむくむなどの症状が出てきます。さらに進行すると、胃液を分泌する胃腺(せん)が委縮し、胃酸とも呼ばれる塩酸、および酸性条件下で活性化する蛋白分解酵素のペプシンの分泌が減少し、食べ物を消化するために胃で分泌される胃液の量が少ない低酸症が起こります。

胃がんのリスクが高くなる可能性があり、巨大肥厚性胃炎の発症者の約10パーセントが数年後に、胃がんを発症します。

まれに小児にも巨大肥厚性胃炎が起こることがありますが、一般的には中年以降の男性に多く発症します。

成人例では、免疫反応の異常が原因だと考えられているほか、グラム陰性菌のヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染とも関連があるといわれています。小児例では、ヒトヘルペスウイルスの仲間であるサイトメガロウイルス感染との関連があるとされています。


■ 皺襞肥大型胃炎の診断と治療pdf 「」より
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胃体部の皺襞肥大は,内視鏡検査や胃 X 線検査時にしばしば観察される.その大多数は Helicobacter pylori ( H. pylori )感染により惹起される皺襞肥大型胃炎である.
その特徴は,胃体部粘膜の腺窩上皮の過形成および高度の炎症を認め,胃酸分泌の低下を伴い,皺襞肥大の程度に従って胃癌のリスクが増加し,特に胃体部に未分化型胃癌が増加することである.
H. pylori 除菌により,これらの所見は改善し,胃体部の皺襞肥大はほぼ正常化し白濁した粘液の付着の消失を認めることで胃癌が発見しやすくなる.













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最終更新:2022年10月21日 20:44