+ ニュースサーチ〔治験国家日本〕




■ モデルナCEO、神奈川で「複数のmRNA製品を販売」 「」日本経済新聞(2024年10月17日)」より
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米モデルナは17日、神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)で記者会見を開き、同施設内でメッセンジャーRNA(mRNA)製品を製造することを明らかにした。ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は「複数のmRNA製品を日本で販売したい」と話した。

モデルナは2023年9月に日本政府が主導するワクチンの国内生産体制整備事業の事業者に採択された。経済産業省から補助金を受け、湘南アイパーク内にmRNAワクチンの製造施設を新設する。今回、改めて日本でのワクチン生産計画の詳細を明らかにした。バンセルCEOは「今後、数年以内に生産を開始できるだろう」と稼働時期についても示した。

同施設ではすでに国内で普及するmRNAのコロナワクチンに加え、RSウイルスワクチンインフルエンザウイルスとコロナの混合ワクチンなどの新製品も製造する計画だという。

モデルナは日本で呼吸器感染症やサイトメガロウイルス、希少疾患やがん治療など6つのワクチンの臨床試験(治験)を進めている。こうしたワクチン候補の開発が成功し製造販売承認を取得した場合、日本で製造する体制を整備することで日本のヘルスケアに貢献する。

モデルナは売上高の多くをコロナワクチンが占めている。日本はモデルナにとってワクチン販売の重要な市場とみている。またワクチン販売以外にも東京大学といった研究機関と連携し、mRNA技術の応用を支援するという。








★ ラグ・ロス解消へ「日本を魅力ある治験の場に」  中井医薬品審査管理課長、日本人P1要否議論に期待 「日刊薬業(2023/9/11 22:57)」より
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 7月に厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長に就任した中井清人氏は11日、専門紙の共同取材に応じた。ドラッグ・ラグやロスの解消に向けて「日本を『魅力ある治験の場に』という政策に変えていかなければいけない時代だ。一般論として品目によりけりだが、効率的な治験を進めて、国際共同治験を進めることが重要だ」と指摘。創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会(薬事検討会)で進められている国際共同治験における日本人の臨床第1相(P1)試験の要否を巡る議論に期待を寄せるとともに、その結果を政策に反映させていく考えを示した。
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 ただ、「抗がん剤とそれ以外では異なる。抗がん剤のP1は事実上P2とも考えられるので、(日本人P1の要否を議論するに当たっては)一般論と(抗がん剤などの)個別議論は分けて考えるべき」とも述べた。

 薬事検討会は8月7日に国際共同治験における日本人P1試験の要否に関する議論を開始。今月13日の会合でも引き続き議論する。

 このほか治験関係では、2024年度の医薬局概算要求に盛り込んだ「治験エコシステム導入推進事業」にも言及。治験に関する手続きの簡素化やガイドライン設定、医薬品医療機器総合機構(PMDA)によるモニタリングなどの事業を通じた、国際共同治験の環境整備にも意欲を見せた。

●先駆的医薬品、「運用改善が必要」

 中井課長は、これまでの医薬品医療機器等法(薬機法)の改正などにより、審査に関する法制度は「欧米と比べても過不足はなくなってきた」と説明した。一方、依然として運用上の課題は多く、例えば先駆的医薬品指定制度については「まだまだ指定数が少なく、先駆け(審査指定制度)よりも少ない」と指摘。「せっかくできた制度を(企業が)うまく使えるよう、運用を直していく必要がある」とし、通知などの発出で運用改善を図る考えを示した。

●審査・安全対策へのRWD活用、成功事例を

 薬事検討会の論点の一つである「薬事制度におけるリアルワールドデータ(RWD)の活用の在り方」にも触れ、審査データや市販後の安全対策にRWDを活用し、承認などの具体的な成功事例につなげたいとの意向を示した。

 新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」に適用された緊急承認制度については、「今すぐ次の運用でどのように変更するかという話になっているわけではない」とした上で、「(ゾコーバの)1例だけではあるが、その経験を踏まえて次はより円滑にしていく。私が担当している期間にその機会が訪れるかは分からないが、(円滑化のための)準備はしていきたい」と述べた。

 中井課長は、「役人生活が33年になるが、これまでに医薬品、医療機器、再生医療などの薬事(行政)に取り組んできた」と振り返り、「何にでも前向きに取り組んでいきたい」と意気込みを示した。(吉野 健)

最終更新:2024年10月17日 19:31