抗MDA5抗体陽性間質性肺炎が激増しているという論文


八代亜紀




MDA5と新型コロナウイルス感染症、mRNAワクチンの気になる関連性
抗MDA5抗体は、皮膚筋炎(DM)という自己免疫疾患の患者で見られる自己抗体です。皮膚筋炎は筋力低下を起こしますが、抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎は、筋症状がなく、重症の間質性肺炎を起こします。

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎に随伴する間質性肺炎と、COVID-19の肺炎の類似性(胸部CTでの間質性肺炎所見、発熱、関節炎、筋炎、血中サイトカインなどの強い炎症性疾患としての臨床像)が以前から指摘されていた。
https://erj.ersjournals.com/content/56/3/2001618

中国からの報告、成人COVID-19のなんと半数、48%(132/274例)に、抗MDA5抗体がみられ、その抗体価が高い(≧10.0 U/mL)人が、死亡者により多い(31.2% vs 14.0%)。また、抗MDA5抗体が発症早期に高い患者は、その後重症化している傾向があったと報告されている。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34987516/

抗MDA5抗体は、日本での多施設共同研究で、多発性筋炎/皮膚筋炎242例、その他の膠原病190例、特発性間質性肺炎154例、健常人123例での調査があり、陽性者55例は「すべて皮膚筋炎」の症例で、その他の疾患や健常人では認めなかった。
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0154285

抗MDA5抗体の標的となっているMDA5は、RNAウイルス感染時の自然免疫応答を担う。MDA5はウイルスの2本鎖RNAを認識し、I型IFNを誘導しウイルスを排除する。新型コロナウイルスでも同様にMDA5がウイルス認識とIFN誘導を担っている。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16625202/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33440148/

新型コロナウイルス感染において、重症者で抗MDA5抗体が誘導されているということは、新型コロナウイルスがMDA5経路を介して自然免疫を活性化させ、抗MDA5抗体を誘導し重症化に繋がっているのかもしれません。

ファイザーmRNAワクチンをマウスに投与する実験において、このMDA5経路を介した自然免疫応答増強がみられる。
ワクチン接種時にも新型コロナウイルス感染時と同様にMDA5を介して自然免疫系が活性化されているということになります。

各種自然免疫センサーのノックアウトマウスにBNT162b2 LNP-mRNAを投与したところ、比較的長い二本鎖RNAの受容体であるMDA-5だけがI型IFN応答に重要な役割を担っており、抗原特異的CD8+T細胞に反応するビルトインアジュバント経路として重要であることが示された。
https://twitter.com/wb29304326/status/1509818270802903042

接種直後に多くの人が発熱する、反応原性が強いワクチンは、mRNA-LNPを介し強い炎症を引き起こしてMDA5経路を介した免疫応答を誘導し、強い抗体産生を誘導するきっかけを作っているのではないでしょうか。強い免疫応答は、自己抗体の産生にも繋がり得ます。

仮にワクチン接種後に抗MDA5抗体などの自己抗体ができれば、同様の抗原やウイルスに出会ったときにMDA5経路が活性化され、重篤な間質性肺炎のような自己免疫疾患を引き起こす可能性もあります。

何度も何度も免疫原性、反応原性が強いワクチンで抗体産生を誘導することは危険だと思います。特に感染自体が脅威にならず、免疫の活性化により自己免疫疾患を発症しやすい若年者は、機序の詳細が解明されていない免疫誘導を接種により促してはいけないと思います。
















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最終更新:2024年03月21日 09:29