毒物 / 神経剤 / 神経毒

● ノビチョク - Wikipedia
ノビチョク(ロシア語: Новичо́к, 英語: Novichok, 意味は「新参者」)とは、ソビエト連邦とロシア連邦が1971年から1993年に開発した神経剤の一種である。この神経剤を開発したロシアの科学者は、VXガスと比べて5倍から8倍、ソマンの10倍以上の致死性があると主張している。



★ 猛毒ノビチョク、すでに製品化か 香水の瓶から噴出 「朝日新聞(2020年9月29日)」より
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 ロシアの反政権活動家アレクセイ・ナバリヌイ氏が飛行機の機内で意識を失い重体となった事件で、ドイツ政府がこのほど、神経剤「ノビチョク」系の毒物が用いられていたことが分かったと発表しました。「ノビチョク」は2年前に英国で起きたロシアの元スパイらの暗殺未遂事件でも使われています。この毒物はいったいどれほど危険なのか。松本サリン事件で被害者の治療にあたり、神経剤に詳しい富山大学の奥寺敬教授(救急・災害医学)に聞きました。

 ――ノビチョクとはどんな毒物ですか。

 ノビチョクは有機リン系の神経剤です。簡単に言うと、すごく強い農薬です。サリンもVXも同じ有機リン系ですが、ノビチョクは安全に持ち運びできるように開発された「第4世代」の化学兵器です。

 ――化学兵器に「世代」があるのですか。

 第1次世界大戦ではマスタード、ホスゲン、塩素が使われました。マスタードは農薬、ホスゲンは合成樹脂、塩素は消毒剤の製造過程で出てきた、いわば副産物です。それが戦争に利用されました。化学兵器の第1世代と言えるでしょう。

 第2世代はサリンです。1938年にドイツで開発されましたが、第2次世界大戦では使われていません。毒性が強く、漏れ出てしまって被害が出る事故が多すぎたためです。

 第3世代は1952年にイギリスで合成されたVXなどの神経ガスです。マレーシアで2017年、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の兄、金正男(キムジョンナム)氏が暗殺された事件で使われました。

 サリンもVXも取り扱いが大変です。そのため、第4世代の開発で目標にされたとみられるのが、「バイナリー兵器」にすることです。バイナリー兵器とは、神経剤となる前段階の2種類の物質を隔離して持ち運び、使う直前に混ぜて使うものです。前段階の2種類は漏れ出ても無害なので、安全に持ち運びできます。ノビチョクはバイナリー化された第4世代とみられています。

 ――ノビチョクがどんなものか、詳しく分かっているのですか。

 1970年代初めから90年…

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★ 【ロシア元スパイ】神経剤で「家族は全てを失った」 被害警官語る 「BBCnews(2018年11月23日)」より
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今年3月に英南部ソールズベリーで起きたロシアの元スパイ親子の毒殺未遂事件で、現場に最初に駆けつけたニック・ベイリー刑事巡査部長(38)が、有毒の神経剤「ノビチョク」の汚染によって家や所持品などを全て失ったと明らかにした。

事件後初のインタビューでベイリー刑事巡査部長はBBCのドキュメンタリー番組「パノラマ」に対し、「子供たちが持っていたもの全てを失くした。車も、何もかも失くした」と語った。

英国の情報機関、軍事情報活動第6部(MI6)に機密を提供していたロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリアさん(33)は3月4日、ノビチョクを浴びて一時は意識不明になった。2人は命を取りとめたものの、ロシアと直接関わりのないドーン・スタージェス氏(44)はノビチョクを浴びた後7月に病院で亡くなった。

ベイリー刑事巡査部長は、スクリパリ氏の自宅でノビチョクに触れた。ノビチョクは、玄関のドアノブに吹き付けられていた。

その日の勤務後、ベイリー氏は知らずに自宅を汚染してしまった。ベイリー氏とその家族は以降、家に戻ることができていない。

ノビチョクは香水のボトルにつめられており、事件後にごみ箱から発見された。このボトルから神経剤を手首に吹き付けてスタージェス氏は亡くなった。

捜査当局によると、このボトルには何千人も殺せる量のノビチョクが入っていたという。

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★ ノビチョク浴びた英女性が死亡 殺人事件として捜査へ 「BBCnews(2018年7月9日)」より
★ ロシア・スパイ殺人未遂、被害者はどのようにして助かったのか 「BBCnews(2018年5月29日)」より








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最終更新:2024年01月22日 16:07