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Voice - 上杉隆コラムについて【最近の噂:YAMAGATA Hiroo】

■ 【YAMAGATA Hiroo 最近の噂】よりコピペ  (文字強調はmonosepia)

•今日、Voice の最新号が届いた。毎号見るたびに、Voiceは変わったなあ、と思う。ぼくが連載を始めた頃は死に損ないの、保守といえば聞こえはいいが単に論理性と柔軟性のないだけの老害ヒョーロンカどものスクツで、何でこんな雑誌が続いているのか不思議なくらいのものだった。それがいまや、あれやこれや文句もないわけじゃないが、リフレ派の一つの拠点となり、賛成反対はあっても読むに値する論説がたくさん出るよい雑誌になっている。

 さてぼくが今回の号でおもしろいと思ったのは、上杉隆のコラム。

 ぼくは上杉隆の書くものをあまり評価していない。ぼくにとってかれは、全体としては民主党の提灯持ちに分類されている(その中で少しはまともではあるが)。かれが前から主張している、記者クラブ廃止論は、確かにその通りだと思う。でもその同じ文でかれは、自分が古巣である民主党の(元)首相筋との個人的なコネから得たと称する情報を得意げにひけらかす。記者クラブがダメなのはそれが閉鎖的で、情報源たる政府との癒着を引き起こすからだ。でもそれを廃止したところで、情報源がもっと閉鎖的なコネだのになってしまうなら、かえって状況は悪化する。それはジャーナリズムを一層ダメにするものだ。上杉の記者クラブがらみの主張は、ジャーナリズムのあるべき姿なんか関係なくて、実は単に自分のコネの希少性を高めるための利己的な主張でしかないんじゃないか、とさえぼくには思える。
 そしてかれはそろそろ、これまで民主党ヨイショを散々してきたことについて、総括して自己批判すべきじゃないかとぼくは思っていた。特に沖縄基地移転問題について、かれはしばらく前のVoiceコラムで、アメリカが旧案廃止に難色を示しているのは、今後日本からいろいろ条件を引き出すためのポーズでしかないと書いていた。つまり日本(鳩山)ががんばれば、アメリカは折れるはずだということだ。それを理解せずにおたついているやつは、外交のイロハのわかってない素人だ、という意味のことをかれは述べていた。
 が、実際にどうなったかはご承知の通り。アメリカはまったく譲らず、鳩山は醜態をさらしたあげくに、もとのさやにも戻れるかわからない状態になってしまった。おたついた人々が正しく、外交通を自負していた上杉や、そのネタもとの鳩山筋は、まるっきりの見当外れだったわけだ。
 それについて何か書こうか、と思っていたら、今回の連載コラムで、上杉がこの件に触れていたんだが……かわいそうなくらいの戸惑いぶり。なぜこうなったのかわからない、と上杉は書いている。鳩山は基地問題をもっと勉強して、もっといろいろ知っていたはずだとか、アメリカも態度を和らげていたはずだとか、それなのになぜ鳩山があんなことを言ったりやったりしたかわからない等々。上杉のうろたえぶりだけがひたすら伝わってくる。
 これを見る限りどうも、かれが鳩山筋だと思っていたコネ情報源は、実は上杉が思っていたほど鳩山筋ではなかったようだ。少なくとも実際の動きをきちんと把握できてはいなかったらしい。結局上杉は、政府内部に自分がパイプを持っているという幻想に酔って、コネや「その筋」からの怪しげなネタを右から左へ垂れ流していただけではないか? 裏取りとかはしたんだろうか? そして基地についてそうなら、他のネタはどうなんだろうか。ディープスロートが特ダネをくれても、ちゃんとそれを確認する作業はジャーナリズムには必須なのだ。
 そんな上杉ですら、ぼくはその他の民主党提灯持ち "ジャーナリスト" どもよりましだと思っている。民主党政権で、株価が何倍だの景気チョー回復だのとはやしたてたAERAとかに比べれば、こんな記事を書くだけマシで、少なくともある程度は正直だということもわかる。だからこれをきっかけにかれが、本当にあるべきジャーナリズムの姿を真面目に考えてくれる可能性も、ないわけではないと思っているんだが……どうだろう。
 ついでに鳩山が辞めたとき、日経はすぐに号外なるものを出し、そしてその翌日に日経平均が300円上がったら、日経はなんとそれでも号外を出していた(ネット上で)。そもそも日経平均が300円上がったくらいで号外なんか出すのぉ? それにも増してネット時代に「号外」という時代錯誤ぶりもさることながら、さらにその時代錯誤の号外をネットに出すというまったく意味のないアレに、ぼくはかなり驚くというか呆れたんだが。ジャーナリズム、というか日本のメディアも進歩しませんねえ。 (2010/6/10, id)


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最終更新:2010年07月31日 23:02