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■ 天球の奏でる音楽:辻 村 永 樹 「早稲田大学」より / 保護


■ 詩の現在時―散文詩の必然性 「詩客(2011.7.22)」より

 ・ボードレール(1821年フロベール、ドストエフスキーと同年の生れ)は、(中略)14歳年長のロマン派の詩人アロイジュス・ベルトランの散文詩集『夜のガスパール』を20回も読み返して、自分自身の今の生活を抽象的に描写する詩を作りたいという欲求にめざめたと告白したあとで、こう述べている:
 ・《リズムも脚韻も持たないが音楽的であり、魂の抒情的な動きにも、夢想の波動にも、意識の飛躍にも適用されるような、柔軟で、かつまた、ごつごつした詩的散文の奇蹟を、野望にあふれた時期に夢想しなかったものなど、われわれのなかに、誰がいるでしょうか。



 ・『夜のガスパール、レンブラント、カロー風の幻想曲』は1842年に出版された。フランスの詩人アロイジウス・ベルトランによる散文詩集だ。ベルトランは貧困と病苦に翻弄され、1841年に34歳の若さで死んでしまっている。この『夜のガスパール』は、彼の死後に発表された、彼の唯一の作品である。
 悲哀に満ちた経歴だ。「生前は評価されなかった」という奴である。もっと悲しいのは、どうも没後もそれほど高い評価を得たわけではなかったらしいことだ。ボードレールやマラルメといった詩人たちには愛されたようだが、一般受けはまるでしなかったようだ。






雨の精

一度書いては捨てられた詩のように
誰にも知られることはないけれど それでも
人の心に光と影を投げる一瞬があります

ちょうど水たまりを見たときに
雨が降ったんだな と初めて気づくように

「さびしい」とさえ言えなくなってしまった
深く傷ついた涙の痕が見えますか?
「あいたい」とさえ伝えられないその人の
言葉にならない言葉が聞こえますか?

雨の精が太陽と太陽の間に書いた詩を
読むことのできる人は 幸せです

君は誰のための祈りを捧げて
眠りに就きますか?

君が寝返りをうつ頃
世界中がすべて眠る一瞬
静かな雨が降りはじめます
他2篇あり。
最終更新:2011年12月26日 00:21
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