• ドイツの哲学者で精神科医でもあったカール・ヤスパース(1883年–1969年)[注釈 1]が唱えた紀元前500年頃に(広く年代幅をとれば紀元前800年頃から紀元前200年にかけて[注釈 2])おこった世界史的、文明史的な一大エポックのことである。枢軸時代の他に「軸の時代[1]」という訳語があてられることもある。



■ 枢軸時代 「歴史の危機ー歴史終焉論を超えてーやすいゆたか著」より
  • 確かに、枢軸時代がどうして三つの地域で同じ時期にブレイク・スルーしたのかは興味が持てます。そしていろいろ理由を付けてみても、完全にこの歴史の謎を解くのは不可能だというのも真理でしょう。とはいえ、このヤスパースの結論はもっともなようで、却って一番陳腐のような気もします。騎馬民族による古代高度文化の破壊と都市国家の建設、その対立抗争を経て世界帝国に至る過程で、人間たちが自ら造り上げ破壊した文化や、光輝と暗黒の両極を併せ持ち、その間を揺れ動いた体験等が人間についての根本的な悟りをもたらしたのだという説明は、それ自体間違いではないでしょう。それが同時期に起こったのは、歴史的偶然です。歴史的偶然というのは全くの偶然ではなくて、歴史の経過から見れば同時期になったのは必然です。後は個々の枢軸思想家たちが、それぞれの自己の苦悩をいかに生きたかによって補足すればよいのです。時代背景をいくら説明しても完全な説明にはならないのはむしろ当然です。

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■ ヤスパース歴史哲学の意義 「歴史の危機ー歴史終焉論を超えてーやすいゆたか著」より
  • 思想史的に観れば、ヤスパースの本書における最も重要な問題提起は、枢軸時代に関する考察でしよう。古代高度文化の解体と小国家の乱立と、その結果としての戦乱等を条件にして、人間が初めて自己自身に対する根源的な反省を行い、人間としての生き方を問い質したのです。それ以降の時代の思想も枢軸時代に戻り、枢軸時代の古典との真摯な対話とその批判的継承によってのみ、創造的で高い水準に達することができたのです。この指摘は今日ますます重要な意義を持っています。

■ 枢軸の時代 「高校生のためのおもしろ歴史教室」より
  • ヤスパースによる人類史の区分を紹介したが、現生人類が発生して20万年といわれるが、発生したときと現代人と同じ手足と知能をもっていたとされる。その人類が19万年も食糧も生産できない狩猟・採集の時代であったのだろうか。12000年前にムー大陸やアトランティス大陸が存在し、高度な文明を築いていたという失われた文明説に真実があると考えている。そこでは両者の核戦争まで行われたのではないかといわれている。1万2000年前に核戦争と大天変地異によって世界中が原始時代にもどって、一からやり直したのが現代の文明であるとすれば、高度な文明を再建するのに1万年余期間となる。19万年人類が停滞していたと考えるより、人類にとってはこの考えの方が合理的ではないだろうか。さらに、人類の知能を考慮すれば、ムーとアトランティスの文明以前にも高度な文明があったかもしれない。 






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最終更新:2012年06月20日 20:55