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(※mono....下記記事が「くだらん対談」です。)
■ 新型コロナがあぶり出した「狂った学者と言論人」【中野剛志×佐藤健志×適菜 収:第1回】 「BestTimes(2020年8月25日 06:00)」より
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危機が発生すると、必ずデマゴーグが出現する。今回、新型コロナウイルスのパンデミックがあぶり出したのは、無責任な極論、似非科学、陰謀論を声高に叫び出す連中の正体だった。彼らの発言は二転三転してきたが、社会に与えた害は大きい。実際、人の命がかかわっているのだ。追及すべきは、わが国の知的土壌の脆弱性である。専門家の中でも意見が分かれる中、われわれはどのように思考すればいいのだろうか。中野剛志×佐藤健志×適菜収が緊急鼎談を行った。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


■ 中野剛志と預言者たち~『書評:資本主義の予言者たち ニューノーマルの時代へ』~ 「「国家戦略特区」blog(2015.2.24)」より
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『大衆化する知識人』

大衆とは何かと言えば、自分の専門分野以外では全く一般的な知識や理解しか持ち合わせていない人と私は認識しています。非常に陳腐な表現をすれば、著名な大学教授であっても、社会問題に対する一般認識が、TVで街頭インタビューを受けるオバちゃんと同じくらいの受け答えしか出来ないなどです。

『専門バカが大衆化の原因か?』

現代では大衆化が、知識人の間でも急速に進行しているように感じます。理由は各専門分野の細分化があると思います。例えば歴史家の場合、日本史の更に中世史の更に何々の研究などです。この場合、自分の専門分野以外だと日本史全体の理解ですら教科書程度の知識となり、極端な専門化が進行してしまいます。

『進化するほどアホになる社会』

これはある意味仕方ない部分も有り、人間の理解力にある限度がある以上、極限られた専門分野で高度な知識を得るように社会を専門化させないと、社会の高度化に対応出来ないという現実問題の反映です。しかしこれが、現代社会が高度に進化すればするほど、余計に低レベル化している原因でもあります。

『総白痴化を防ぐ方法』

このような大衆白痴化する社会に対抗する方法を提示しているのが、評論家の中野剛志氏であると考えます。中野氏の研究方法を簡単に説明すると各研究分野の優れた論文をピックアックし、時代、分野、文化などを横断しながら分析する事で、歴史や社会の大きな流れを見極めようと言う作業なのです。
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『ハイデッガーの存在と時間』

以前、ハイデッガーの「存在と時間」を読んだ時に感じた事ですが、これは哲学史の解説本だな、との感想を持ちました。形而上学的な難解な事柄を説明するには、哲学の歴史をひも解き、現代的な意味について語るしか無いのでしょう。しかし考えてみればこれは学問の基本であり、中野氏の著作も同じです。

『中野剛志批判の正体』

世間には中野剛志氏を批判する人が一部に存在するのですが、氏のこのような研究スタイルが気にいらない反応のようにも感じます。中野は他人の業績を紹介しているだけでは無いか!との批判は、大衆に落ちぶれ専門バカとなった、タコ壷のタコが、現代の病巣を浮かび上がらせるエピソードにも見えます。

『ピケティではモノ足りぬ』

世間ではトマ・ピケティが大ブームですが、ピケティはお金が消える理論を信じているフシもあり、更に彼の税務政策による格差是正は、他の主要国に比べて累進税率の高い我が国にとっては有効な解決策とは思えません。r>gを研究により明らかにした業績は高く評価出来ますが、正直、物足りないのです。

『中野剛志に時代が追付く』

本著は「プロローグ資本主義の現在と過去」以外は、09年に発売された「恐慌の黙示録」の新書化です。ところが、中野氏がリーマンショック後に感じた直感は、色褪せるどころか、増々現代社会にとってリアリティが出ています。つまり時代が中野剛志に追付いてしまったのです。特にこの現象は米国で顕著な様です。

『経済学の叡智を召還』

プロローグではピケティを解説しながら、他の経済学者の様々な業績を参照する事で重層的にr>gを理解する事が可能です。中野氏のフィルターを通す事で、新自由主義の理論的な欠陥が暴かれ、特に金融の暴走が問題なのが分ります。資本主義とは、放置すれば格差が拡大するメカニズムを持つのが深く理解出来ます。

『解決策も明示』

この著作の重要な点は、解決策も提示されている事です。要約すると、グローバル化を制限し、各種規制を強化し、公共投資を継続的に行うとの3点にまとめられます。このような思想に基づいた政策を行えば、日本は再び格差を縮小して成長した黄金時代に回帰出来ると力強く思えるのが本書の魅力なのです。

★■ 評論家・中野剛志氏 「米国の衰退で未経験の悲劇が起こる」 「日刊ゲンダイ(2014.10.20)」より
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 恐ろしいタイトルの本が出た。「世界を戦争に導くグローバリズム」(集英社新書)。帯には「次に起きてしまうのは覇権戦争!」とある。ベストセラー「TPP亡国論」で知られる著者は一貫して、「米国の時代は終わった」と主張する。それは戦後の世界秩序の崩壊でもある。その次に来るのは、覇権国家なき大混乱であって、もちろん、日本もその渦にのみ込まれていく。問題はこうした危機に政治も国民もあまりに鈍感なことだ。

――第2次世界大戦後、冷戦を経て、米国の一極覇権の時代になりました。それがもはや、完全に崩れていると?

 世界を見てください。中東の混乱は収拾がつかず、ロシアはクリミアを強引に奪取したが、国際社会はなす術がない。東シナ海、南シナ海では中国による挑発行為が止まらない。いずれも米国が世界の警察官として睨みを利かせていれば、考えられなかったことです。
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――確かにロシアに対しても、「イスラム国」に対しても米国は無力ですね。

 イラク戦争の後、大きな転換が訪れたのです。米国はイラク戦争でかなりの打撃を受けた。経済的にも精神的にも。そこにリーマン・ショックが襲いかかった。そのどちらも米国の大戦略のミス。自業自得です。自由や民主主義といった米国の価値観を武力で他国に押しつけ、混乱を招き、グローバル化で経済を不安定化させて、米国は衰退した。グローバリズムという思想の過ちの結果です。

――だから世界各地で火柱が噴き上がった?

 東アジアの緊張、中東の大混乱、ウクライナ危機などのトラブルが世界中でほぼ同時に起きたのは偶然ではありません。米国の覇権国家としての力が落ちたからこそ、ここぞとばかりに噴出したのです。冷戦後の米国は覇権国家として世界に君臨するためにユーラシア大陸を支配することを重要視した。そのために東アジア、中東、東欧の三極を押さえようとした。この三極で同時に緊張が高まっている。危機がひとつであればいざ知らず、三極同時となると今の米国では対処できません。

■米軍は尖閣諸島では動かない

――ちょっと待ってください。日本は米国に守ってほしくて、集団的自衛権の行使を強引に閣議決定したのではないですか? その米国が頼りにならないとなると、この前提が崩れてしまう。

 米国が世界の警察官としての力が落ちてきたからこそ「日本も相当の責任を負担せよ」ということなのでしょう。そういう議論自体は10年前でもありました。でも、この10年で米国の国力は予想を超える速度で落ちてしまった。日本が集団的自衛権を強化し、米国に協力しても、もう間に合わない事態だと思いますね。

――でも、日本は日米ガイドラインを見直して、周辺事態でなくても、米軍に協力しようとしています。トンチンカンもいいところですか?

 米国が日本を守れるのかは怪しいと思いますよ。一例をあげると1982年のフォークランド紛争の際、米国が米英同盟に基づいて、派兵したかというと、していない。イギリスは独力でアルゼンチンからフォークランドを奪い返した。尖閣だって同じことです。アルゼンチンに対して動かなかった米軍が、核保有国であり、GDP世界第2位の中国に対して動くでしょうか。

■日米同盟強化の意味を問うべきだ

――安倍首相は日米首脳会談で、それをオバマ大統領に約束させようとしましたが、大統領は原則論でしか応えなかった。つまり、米軍は動きゃしないということですね?

 良くて中国への経済制裁でしょうが、経済制裁なんて効果がないのです。経済制裁にあってもロシアがクリミアを返還しないことからも明らかです。まして米中の経済関係は米ロよりもはるかに濃密です。米国が中国に経済制裁をしたとして、中国から経済的な報復をされたら、米国はかなりのダメージを受けてしまう。それに、そもそも日米安保条約は日本が武力攻撃を受けなければ、米軍は動かないことになっている。無人島に漁民を装った武装集団が上陸しても武力攻撃には該当しません。しかし、ウクライナの例を見ても分かるように、最初に制圧した者が圧倒的に優勢に立つ。

――中国はその辺を見越しているわけですね。ただ、そんな事態になれば、日米同盟って何なのかということになりませんか。同盟国間での米国の威信はますます低下し、世界は大混乱になりかねない。

 その通りです。

――その時に戦争が起こってしまう?

 国際秩序を維持するためには理想主義と現実主義という2つの外交上の考え方があります。理想主義とは、民主主義や経済的な自由主義を広めれば、米国の価値観に基づく国際秩序を建設できるという考え方で、冷戦後の米国はこの理想主義に立って、テロとの戦いや中東の民主化、経済のグローバル化を推進し、そして失敗した。一方、現実主義はイデオロギーではなく、パワーの均衡によってしか国際秩序は成り立たないという冷徹な考え方です。オバマ大統領は理想主義から現実主義に舵切りしたいが、うまくいっていない。なぜなら、現実主義を貫く大前提として、独裁国家であろうとなんだろうと、国内が統合されていることが絶対条件になるからです。ところが、今の中東はそれぞれの国家が硬いビリヤードのボールではなく、腐ったトマトのような状態ですから、パワーの均衡など目指すことができない。イラク戦争という理想主義の暴力によって破壊された中東の秩序は、もはや現実主義をもってしても回復し得ないのです。

――そのうえ、米国の威信が低下しているわけですから、世界中のあちこちの地域で、新たな覇権をめざす紛争が勃発する。そういうことになるのでしょうか?

 カーター政権で大統領補佐官を務めたブレジンスキーは1997年に書いた「壮大なチェス盤―アメリカの優位性とその地政戦略的課題」という本の中で、ウクライナの危機を見越していた。その彼が最も恐れる最悪の事態が、ロシア、中国、イランというユーラシア大陸の3大パワーが手を組んで反米同盟を結成し、米国をユーラシア大陸から追い出そうというものでした。それに近い事態が、今、起きつつある。米国の地政学的基盤はこの20年弱で、ブレジンスキーが考えているよりもはるかに腐食したと思います。

■火山・地震学者よりアテにならない政治学者

――日本の外交はどうなるのですか? たとえば、中国との外交交渉でリスクを回避することはできませんか?

 八方塞がりです。靖国参拝をやめればどうにかなるといった段階は過ぎています。少なくとも10年前から、米国衰退という事態を見越して行動すべきでした。高校受験の前日になって、「勉強してないけれど、どうしよう」と言ったところで、どうしようもないのと同じです。

――それじゃあ、覇権戦争が起こってしまう?

 中東、東欧、東アジアとすべてにおいて、バランスが崩れていくと思います。今生きている人が経験したことがないような時代が来てしまったのですよ。

――では、10年後の日本はどうなっていますか?

 尖閣は中国に取られていてもおかしくない。その場合、エネルギーがない日本はシーレーンを確保できずに中国に逆らえなくなるのか。あるいは国内が猛反発して政治が力を示さざるを得ないような展開もあるかと思います。たとえば東日本大震災が起こり、御嶽山は噴火した。予測し得ないことが起こるわけですが、火山・地震学者以上に予測を外しまくっているのが政治家であり政治学者なのです。そのことを知り、備えを怠らないようにするしかありません。

▽なかの・たけし 評論家。1971年生まれ。東大教養学部卒。元京都大学大学院准教授。おもな著書に「TPP亡国論」「日本思想史新論」など。

■ 中野剛志氏が指摘「世界は今、第2次世界大戦直前に匹敵する危機的状況」 「週プレNews(2014.10.7)」より
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緊張が続くウクライナ情勢、中東では「イスラム国」が急激にその勢力を伸ばし、シリアとイラクの広大な地域を支配しつつある。米ソ冷戦の終結後、「唯一の超大国」として世界に君臨してきたアメリカのグローバル覇権が衰退し、世界情勢の不安定化が進んでいる。

そうした現代の姿を国際政治学の視点で描き出したのが中野剛志(たけし)氏の『世界を戦争に導くグローバリズム』だ。もちろん、日本もそうした世界情勢の激流と無縁ではいられない。むき出しの「力」による政治の時代に取り残されつつある戦後日本の脆(もろ)さにも鋭く警鐘を鳴らす。中野氏に聞いた。

―中野剛志(たけし)さんといえば、『TPP亡国論』がベストセラーになり、TPP(環太平洋経済連携協定)の「反対派の急先鋒」として活躍したというイメージが強くあります。それなのに、今回は国際政治学の立場から「現代」を読み解くというテーマで、意外でした。
(※mono.--以下略、詳細はサイト記事で)
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※mono.--あるいは、ココで↓

中野 TPPのときは、テレビなどでうっかり目立ってしまったりしてしまったけれど(笑)、大きな文脈として本当に関心あるテーマは、今回の本のほうなんですよ。

TPPは僕の問題意識の氷山の一角にすぎなくて、20年以上研究してきたのは、国際政治の中で日本が置かれている状況についてでした。冷戦終結とソ連の崩壊によって、アメリカが世界唯一の覇権国になりましたが、早い段階からそれも長くは続かないだろうという予感があったんですよね。

さらに確信を強めたのは、2003年にイラク戦争をアメリカが始めたときです。「これは間違いなく致命的なミスになる。アメリカの覇権の寿命を縮めることになる」と思いましてね。

当時、そういう論文も発表したんですよ。TPPのときと同じで、誰も本気にしてくれなかったけれども(笑)。

―とんでもない、TPPのときは鋭い経済分析が評判でした。

中野 経済でいえば、間違いなく、2008年のリーマン・ショックでアメリカは衰退のスピードを加速させましたよね。リーマン・ショックが起きた瞬間に僕はこう予想しました。沈みゆくアメリカは利己主義的に振る舞い、よその国の市場や雇用を奪おうとしてくるだろう、と。

だから、こんな世界の大転換期に、アメリカが提案してきたTPPなどに、日本が安易に乗っかろうとするのは非常にまずい。そういう問題意識から、いち早く反対の論陣を張ったけれども、TPPはアメリカの覇権の衰退という非常に大きな問題のごく一部の側面でしかないんですよ。

それに加えて、経済のグローバル化がいきすぎると、景気が後退局面に入った途端に国家間の対立と緊張が高まることがまったくといっていいほど理解されてない点にも問題があると感じています。

へたをすれば、戦争になるんですよ。歴史を見ても、グローバル経済が失速し、世界大恐慌が起こって、第2次世界大戦につながりましたからね。

―本書でアメリカの外交戦略を読み解く視点として強調しているのが国際政治学の「理想主義」と「現実主義」という切り口です。

中野 わかりやすく言うと「理想主義」というのは、「自由と民主主義という理想を掲げ、国際協調を行ない、経済的には自由貿易を進めると国家は戦争をしなくなる」という見方です。グローバル化が平和につながるという考え方ですね。一方の「現実主義」の論者たちは、「国家というのは自国の利益と安全保障を中心に考えるものである」とみる。

理想主義のほうが日本では人気なんですよ。理想主義の経済的な側面であるグローバリズムもカッコいいと思っている人が多いでしょう。「力」を強調する現実主義よりも、理想主義やグローバリズムは平和的で、しかも道徳的に響きますから。

けれども、実際はそうじゃない。イラク戦争がいい例です。アメリカ式の「民主化」をするために、戦争まで起こしてしまうのが理想主義なのです。アメリカはどこまでも自分たちの価値観に基づき、自分たちの定義する自由や民主主義を強大な「力」を背景に世界に押しつけてきた。

しかも、彼らはその理想主義がうまくいくはずだと楽観してしまうのだけれど、各国それぞれに価値観は違うから反発を招くのは必至です。イラク戦争の後に、中東がむしろ不穏になったのは、そうした理想主義の失敗のせいです。ウクライナの危機も同じ構図です。アメリカが理想主義に走り、ロシアの隣のウクライナにまでアメリカ的な価値観を広め、勢力下に置こうとしたことがロシアの反発を招き、紛争になったのです。

― 中東情勢には、アメリカは本当に手を焼いているようですね。

中野 世界各地で秩序が維持できなくなり、あまりの負担の大きさに、アメリカは「世界の警察官」から降りようとしています。つまり、アメリカの国益のために世界から撤退したいという現実主義的な外交戦略です。シリア内戦で19万人もの人々が死んでいても、ウクライナの問題が起こっても、オバマ政権が軍事介入を避けてきたのは現実主義への転換を図っていたからです。

しかし、この転換もうまく進んでいるとは言い難い。ついに「イスラム国」への空爆にも踏み切りましたしね。アメリカ人ジャーナリストふたりが残忍に首を切られて殺害され、アメリカの中間選挙が近いとなると、何もしないではいられなくなったのです。

なぜなら、民主主義国家では自由や人権など、理想主義的な価値観をアピールしないと有権者の支持を得られないのです。オバマ政権は、国民の支持をつなぎとめるために、理想主義をやめたくてもやめられない。

しかし、この先も理想主義を続ければ、アメリカの覇権の寿命がもたない。一方で現実主義を強めれば、国内でオバマ政権の寿命が縮まる。アメリカはそうしたジレンマに追い込まれているのです。

―そんななか、日本はどうしたらいいのでしょうか?

中野 世界の情勢の歴史的な変化を認識するということから始めるべきでしょう。そもそも、戦後の日本の繁栄は冷戦のおかげでした。米ソの対立のなかで、日本が共産化しないようにアメリカが自ら日本の安全を守り、経済に集中させて復興を支援し、貿易では自国の門戸まで開いて支えてきた。日本が繁栄できたのは当たり前です。そんな冷戦期に、アメリカに従順でいようと考えた日本の外交政策は理解できなくもない。

しかし、冷戦が終わりアメリカが日本を繁栄させておく必要はなくなった。さらに20年たった今、アメリカ一極覇権の時代すら終焉(しゅうえん)しつつある。

それなのに日本は今でも「日米同盟」と「自由貿易」という冷戦時代の方針にしがみついている。まさに「2周遅れ」の状態です。

―日本もアメリカも、世界の情勢について、ずいぶんはき違えているのですね。

中野 はき違えの度合いは日本のほうがひどいのですが、アメリカのはき違いは世界に大いなる迷惑をかけてしまうわけですよ。

本書でわかってもらいたかったのは、世界は今、第2次世界大戦直前に匹敵する危機的な状況にあるのだということ。当然、日本が尖閣諸島の問題などで戦争に巻き込まれる可能性も十分にあるでしょう。そのときアメリカが必ず助けに来るかといえばそうではない。日本の繁栄を支えた「戦後」は、すでに終わっているのです。

(構成/川喜田 研 撮影/有高唯之)

●中野剛志(なかの・たけし)

1971年生まれ、神奈川県出身。評論家。元・京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治経済学、政治経済思想。東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。スコットランド・エディンバラ大学より博士号取得(社会科学)。主な著書に『TPP亡国論』(集英社新書)、『日本思想史新論―プラグマティズムからナショナリズムへ』(ちくま新書)などがある

■『世界を戦争に導くグローバリズム』

集英社新書 760円+税

『TPP亡国論』で日米関係のゆがみを鋭く指摘した著者が、より大きな視点で国際社会の今を徹底分析。アメリカ一極支配の時代が終わりを告げ、グローバル覇権不在の時代になった。その後、世界はどこへ向かおうとしているのか? その流れに取り残される日本の現状とは?














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最終更新:2023年11月20日 21:05