この項、中国の政治 を参照。






■ 軍隊という切り札を使えない習近平外交の限界 「宇田川敬介のC級ニュース解説と宇田川的ぼやき(2013.9.3)」より
(※ あちこち略、詳細はブログで)
/
中国の外交がおかしい。

 最近、中国に関しては外交があまり良く見えてこない上に、内政に関しても何も伝わってこない状態になってしまっている。中国胃おいて伝わってくるのは、このブログではあまり触れていないが薄熙来元重慶市書記の裁判のものばかりであり、それ以外の内容に関してはあまり伝わってこない。現在中華人民共和国の中で共産党国務院政府が何をしているのかはあまり伝わってきていないのである。実際に日本人の中には、情報があふれる中において、そのように感じていない人も少なくないのかもしれない。中国の非常識な対応や、中国の食品の安全が全くないこと、あるいは事故や事件などが頻繁に伝えられてきていることから、いつのまにか日本には中国の情報があふれている。しかし、肝心な中国という国家の政府(共産党政府)の考えていること、行っていることが見えなくなってきてしまっている。あとは大東亜戦争に関する日本バッシングと尖閣諸島ばかりである。

 しかし、安倍首相がG20で習近平国家主席と会談をするように外務省が交渉を行っても、また、ここにニュースを上げたがフィリピンのアキノ大統領が中国に訪問することを企画しても、いずれも中国は「NO」である。その理由は「両国の利益にならない」要するに、中国側が自分の主張が通らないということを主張しているのである。
/
 習近平国家主席の力の背景は軍隊の組織化である。実際に政治的に大きな力があるわけではない。それどころか、習近平は胡錦濤の対日柔軟体制を批判してその政治的な権力を作り出した。その勢力に影響して胡錦濤は抗日姿勢が大きくなったのであるが、しかし、そのような「抗日の星」が日本との交渉で破れるわけにはいかない。これはフィリピンにおける南沙諸島も同じことだ。そのために、「結論が出ない(要するに議論で敗北する可能性がある)交渉には挑めない」のである。特に、習近平は対ロ交渉でプーチンとの間でも尖閣諸島に関する共同戦線を拒否されてしまっているし、中米首脳会談ではオバマ大統領に「適当にあしらわれる」ということになった。この状態では中国は単独で日本やフィリピンと尖閣諸島や南沙諸島の話をしなければならない。そのためには、単独で戦った場合に、相手を制圧できる軍事力が必要なのであるが、残念ながら「空母遼寧」は調子が悪い。まあ、ロシアで使っていた中古品なのであるから、うまくゆくはずがないのであるが、それに頼って中国は海軍力があるとしてしまったために、基本的には、軍事的な交渉で相手を圧倒しなければならない。しかし、それがうまくいかないという現実は、外交交渉の切り札がなくなったことを意味しているのである。

 これでは外交交渉ができない。しかし、メンツがあるので、素直に撤収もできない。そのために、結局のところ、「交渉から逃げる」ということしかできないのである。









最終更新:2013年09月04日 21:14