■ 「護憲派に日本防衛戦略があるかね?」 「リベラル21(2014.7.23)」より
(※ 前半略、詳細はブログ記事で)
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まずは敵を作らないこと、アメリカの敵を日本の敵としないこと、近隣諸国とは核兵器を含めた脅しを受けない関係を構築することである。いいかえれば日米・日中・日韓を問わず、互いを必要不可欠とする環境、とくに密接な経済関係を構築・維持すること。これが防衛戦略である。
たとえば米中には対立があるが、核戦争に至るようなものではない。アメリカは、協調できるところは協調し中国との紛争を避けようとしている。なぜか。中国はアメリカ国債の最大の所有国だ。米中は互いに第2の貿易相手国で、中国にとってアメリカは最大の輸出相手国である(対中貿易では日本の地位は低下している)。米中は対立・矛盾をはらみながらも密接な関係になっている。
とうぜん、日本はアメリカをあてにして中国を敵視する外交をやめるとともに、日米安保条約と独立国に米軍の巨大基地があるという矛盾の解消、つまり侵略に自らの判断で反撃する体制に転換すべきである。

これに対して、彼は、私のような考えが日本人の心をとらえられると思うかと反問した。しばらく考えたが適切に返すことばが見つからなかった。
おもえば、護憲・リベラル派は、「戦争のできる国への反対」をいうだけで、尖閣問題はこう解決せよ、中国や韓国やアメリカとはこう向きあおう、こうやれば日本防衛は十全だという、国民が納得できるような提案をしてきただろうか。中国の尖閣をめぐる挑発行為が日本右傾化の力強い並走者・平和憲法改悪の有力な応援団になっていることを中国政府に指摘し、挑発をやめるよう要求しただろうか。


■★ 陸上自衛隊を弱体化させて日本を守れるのか!:新防衛計画の大綱・中期計画に見えてきた国土防衛の揺らぎ 「JB press(2014.2.4)」より
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 国家安全保障戦略に十分な軍事戦略の視点が乏しいのは残念だが、少なくともそのような手順に従って防衛大綱が位置づけられたことは正しい流れだと言える。政府の集団的自衛権の容認への努力や、各国との安全保障対話を積極的に進めている現政府の取り組みには頭が下がる思いである。

 一方、多方面からの称賛があり、防衛計画の大綱と中期計画が固まった今になって議論を蒸し返すのははなはだ心苦しいが、我が国の防衛の基本に関わることであり、時効はないと考え、核心となる1点に絞り意見を申し述べる。

 昨年来、日本の防衛に関して多方面で真剣な議論が行われたことは誠に喜ばしいことだが、国土防衛の本質や国民を置き去りにし、南西諸島の利点と中国の弱点を十分に活用せず、国民受けする空気に流されてはいないだろうか。そもそも日本の防衛というのは、「国民を戦火から速やかに遠ざけ、守り、かつ戦う」であると思う。

 断っておくが、筆者は陸自(陸上自衛隊)のOBであることから陸自擁護論を展開しているのではない。平時の海空の間断のないオペレーションは称賛に値する。むしろ、統合運用こそ陸自の古い体質を変え、戦う組織に変えていく原動力だと言い続けてきた。迷わず「陸海空の統合の柱に日米の固い鎧を着る」ことを目標として突き進んできたことは間違っていなかったと思っている。

 私が言いたいのは、「守りかつ戦う」ことが困難な命題であっても、この日本に生まれた以上逃げることのできない「国土防衛の宿命」ではないかということだ。日本を防衛する時、陸・海・空のいずれかが砂のように脆い歯車だと統合運用は壊れる。そこに役割分担はあっても優劣はないはずだ。

(※ 長文、詳細はサイト記事で)

★ 自衛隊で内紛勃発 対中有事めぐり四分五裂 「産経ニュース(2013.9.16)」より
+ 記事
年末に予定する「防衛計画の大綱(防衛大綱)」改定に向け、政府の検討作業が大詰めを迎えようとしている。4度目の改定となる今回は「戦闘モード」を強く意識した内容となる見込みで、検討に用いた手法では画期的な転換を図った。

 ところが、ここにきて不穏な兆候が出てきた。陸海空3自衛隊の制服組(自衛官)で「内紛」が勃発し、背広組(内局官僚)も制服組に横やりを入れる。陸自にとっては天敵といえる政治学者の「口先介入」の恐れもあり、防衛大綱改定をめぐり四分五裂となりかねない様相だ。

 ■初めて採用された「統合」有事シナリオ

 防衛大綱はおおむね10年先を見据えた安保政策と防衛力整備の基本方針。防衛省は7月、省内で検討してきた改定案に関する中間報告を公表した。

 中間報告の中に注目すべきキーワードがある。

 「統合運用を踏まえた能力評価」

 「統合運用」は3自衛隊を一体的に運用することを指し、「能力評価」は3自衛隊の総合的な戦闘能力に対する評価だ。

 つまり中間報告をまとめるにあたり、迫り来る脅威に3自衛隊はどこまで対処可能で、対処できないとすれば何が足りないのかを検証したわけだ。

 至極当然の作業のようでいて、「画期的な転換だ」(海自幹部)と指摘される。

 これまで大綱改定にあたり陸海空はそれぞれバラバラの作戦計画をつくり、それに基づき装備を導入していた。自ずとシナリオは我田引水になり、導入して無駄に終わった装備も少なくない。

 今回はそれを抜本的に改め、制服組として3自衛隊共通の有事シナリオを初めて策定。そこから必要な装備体系と運用指針を導き出すことにした。

■海・空優先で排除された陸

 有事シナリオは、中国による尖閣諸島(沖縄県石垣市)など南西方面の離島への侵攻と、北朝鮮の弾道ミサイル攻撃の2通りある。

 これはいま最も起き得る危険性の高いシナリオであることは間違いない。中国の公船や航空機が日本の領海と領空に侵入し、北朝鮮も昨年12月の長距離弾道ミサイル発射で能力を著しく向上させたことを実証したからだ。

 仮に中国軍が尖閣を奪取しようとすれば、艦艇や戦闘機など海・空戦力の展開が中心になる。ただし最終段階では上陸部隊として空挺部隊や水陸両用戦車も投入してくるとみられる。

 これに対応するためには海自と空自が中心になるのは当然だ。シナリオもそうした内容だったが、陸自には強い不満がくすぶる。

 「あまりに陸自の出番が少ない」

 海・空自には、中国側の増援部隊の艦艇や航空機が展開してくるのを海・空戦力で封じ、先に投入された艦艇や上陸部隊を孤立させられると主張する声が多かった。「離島を奪還するために陸自部隊が上陸するような作戦は想定する必要がない」と言い放つ幹部もいたという。

 北朝鮮の弾道ミサイル攻撃への対応にも陸自は納得していない。

 北朝鮮がミサイルを日本に着弾させるようなケースでは、同時に原子力発電所のようなインフラ施設にテロ攻撃を仕掛けてくる「複合事態」も想定される。だが、有事シナリオはミサイル対処に限定された。

 シナリオは陸自がテロリストを掃討する作戦に踏み込まず、「陸自排除」が貫かれた、というのが陸自の言い分だ。

 ■「戦略」つぶしにかかる背広組

 もっとも、海・空自には陸自に対し、「海・空戦力が中心になる脅威と対処のありようを直視し、シナリオと作戦構想に歩み寄るべきだ」(空自幹部)との不満もある。

 防衛大綱の改定案がまとまり、閣議決定されるのは12月になる見通し。今後3カ月、陸自の巻き返しと海・空自の抵抗という構図の攻防が激化するはずだ。

 さらに厄介なことに、制服組同士の内紛に触発されたのか、背広組も口を挟んできた。

 実は、制服組が統合有事シナリオを作成したのは、制服組が主導する「統合防衛戦略」の策定につなげるためだった。統合防衛戦略を米国の「国家軍事戦略」に相当する戦略文書と位置づける狙いがある。

 しかし、背広組が待ったをかけた。統合防衛戦略の策定を認めれば、制服組の権限拡大につながると嫌がり、潰しにかかっているというのだ。

 こうした防衛省内の内ゲバにとどまらず、場外乱闘が勃発する恐れもある。

 ■門外漢の政治学者も参戦か

 安倍晋三首相は外交・防衛・経済の3分野を軸にした包括戦略となる「国家安全保障戦略」を初めて策定する方針を固めている。それに向け、盛り込むべき戦略の内容を議論する有識者会議を設置、座長には北岡伸一国際大学長を充てた。

 北岡氏の名前にアレルギー反応を示す陸自幹部は多い。

 平成22年、民主党政権が初めて防衛大綱を策定した際、「政治主導」を掲げながら自前で大綱案をまとめあげる能力がなかった。そこですがりついたのが北岡氏で、「関係閣僚協議」という重い場に極秘に同席させた。

 陸自は、北岡氏が関係閣僚協議に出席し、防衛大綱で定める防衛力のあり方に口出しすることに激怒した。その頃、北岡氏が陸自の人員削減を唱える論文を発表していたからだ。

 「軍事が専門でもない政治学者に自衛隊の編成・装備にまで意見を求めるのであれば問題だ」

 当時、陸自幹部は口をそろえて批判していた。

 年内にも策定される国家安保戦略は防衛大綱より上位に位置づけられる戦略文書で、防衛大綱は安保戦略の「縛り」を受けることも避けられない。

 国家安保戦略に関する有識者会議座長というポストを得た北岡氏が、またぞろ自衛隊の編成・装備に注文をつけない保証もない。

 背広組も「軍事の門外漢」と断じる北岡氏の発言力が防衛大綱にも必要以上に反映されるようだと、せっかくの有事シナリオも浮かばれない。(半沢尚久)

■ 日本の防衛戦略と自衛隊の尖閣常駐 「日比野庵 本館(2012.7.14)」より
(※ 前後・図表略、詳細はブログ記事で)
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さて、現在の日本の防衛戦略についてなのだけれど、平成22年12月に新防衛計画大綱が閣議決定されていて、防衛省のサイトで公開されている。この情報を読む限り、戦略7階層の上から2番目の政策から下の戦略について記載されているように思われる。

そこで、戦略7階層の上から2番目の政策から4番目の軍事戦略までについて、簡単に整理してみると次のようになるかと思う。
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◎防衛政策
 1.我が国に直接脅威が及ぶことを防止し、脅威が及んだ場合にはこれを排除するとともに被害を最小化することであり、もって我が国の平和と安全及び国民の安心・安全を確保すること。
 2.アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化とグローバルな安全保障環境の改善により脅威の発生を予防することであり、もって自由で開かれた国際秩序を維持強化して我が国の安全と繁栄を確保すること。
 3.世界の平和と安定及び人間の安全保障の確保に貢献すること。

○防衛大戦略
 A.我が国自身の努力
 B.同盟国との協力
 C.国際社会における多層的な安全保障協力

□防衛軍事戦略
 A-1)同盟国等とも連携しつつ、平素から国として総力を挙げて取り組む
 A-2)防衛力の存在自体による抑止効果を重視した、従来の「基盤的防衛力構想」によることなく、より実効的な抑止と対処が必要。このため、即応性、機動性、柔軟性、持続性及び多目的性を備え、軍事技術水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた「動的防衛力」を構築する。
 B-1)日米同盟を新たな安全保障環境にふさわしい形で深化・発展させていく
 C-1)アジア太平洋地域における協力
 C-2)国際社会の一員としての協力
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これらをみる限り、日本の国防の大方針は、平たく言えば「水際阻止」。有事になる前に抑え込むことを基本(防衛政策)にしていて、それらを、日本自身の努力・同盟国との協力・国際社会間の安全保障協力の3つの領域での活動で実現するとしている(防衛大戦略)。

そして、そのために「平素からの活動」、「動的防衛力」、「日米同盟の深化」、「アジア太平洋地域における協力」、「国際社会の一員としての協力」を行なうとしている。(防衛軍事戦略)


■ 米国の新国防戦略が日本に突きつけているもの 「チャンネルNIPPON(2012.5)」より
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オバマ米国大統領は1月5日、新たな国防戦略指針を発表した。国防費を削減しつつ、台頭する中国に対応する新戦略であり、我が国の安全保障にとっても極めて重要な意味を持つ。
 アフガンやイラクでの戦争終結を踏まえ、「米国は 10 年に及んだ戦争後の戦略的転換期にある」とし、米軍の規模を縮小しながらもアジア太平洋地域を重視する「選択と集中」を柱としている。オバマ大統領は、自ら「アジア太平洋地域での軍事的なプレゼンスを強化する」と力強く語った。
 米国は 1997 年、「4 年毎の戦略見直し(QDR)」を公表して以降、台頭する中国に「関与」戦略で対応してきた。対話を通じて国際基準や国際規範を守る「責任ある利害関係者」になるよう誘導するというものである。
 米国はこれまでの外交を振り返り、やはり対話だけでは中国は変わらないと反省し、今回、「力」を前面に打ち出す戦略に転換した。とはいえ新戦略は、もちろん中国を武力で叩き潰そうとするものではない。また冷戦時のように、中国を「封じ込め」て関係を断とうとするものでもない。
(※ 中略)
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 中国の台頭と米国の衰退は決して対岸の火事ではない。日本の安全保障に直結する。これまでのように安全はワシントンに任せ、自分は金儲けに専念するといった甘えはもう許されない。知恵を絞り、汗をかき、努力することが求められている。流血事態になってから後悔しても遅い。米国の新国防戦略は日本人に対し国防への覚醒を突きつけているのだ。


◆ CX輸送機問題と、航空自衛隊の防衛戦略の失態 「教えてgoo(2009.8.7)」より
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質問1
 f-22戦闘機の話題はカタログスペック好きのミリヲタさんが盛んにしますが、CX(輸送機)がほとんど話題になりません。
 輸送機問題は、現状の自衛隊法3条の海外活動の限界を考えれば大きな問題です。つまり、輸送能力について軽視している現状は大変危険という意味もあります。ロジスティクスを軽視する古い体質は今のミリヲタにも流れているのが、悲しい現実です・・・
 戦闘機だけではなく、CX輸送機の立ち遅れに関しても周知警鐘する意味でも質問したいことは、

 CX計画の今後はどうあるべきでしょうか?
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質問2
 航空自衛隊に国防と軍事調達に関するグラウンドデザインがあるのでしょうか?
F-2の経緯含めて、失態が教訓になっているようには思えません。



















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最終更新:2014年08月12日 18:06