■ 人質事件をめぐる建前と本音 「鎌倉橋残日録(2015.1.22)」より
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2人の日本人が「イスラム国」の人質となり、2億ドルの身代金2億ドルを要求されている問題で、多くの議論が交わされている。この中で、在英保育士でライターのブレイディみかこさんのブログ「英国が身代金を払わない理由」が興味深かった。
(※mono.--中略、詳細はブログ記事で)
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ただ、事はそれほど簡単ではない。キャメロン首相の決議案提出に対して国連の加盟国は全会一致で採択したものの、厳密にこの決議を守っているのは英国と米国だけだという。

<フランス、イタリア、スペイン、ドイツはこっそりテロ組織に金を流す経路を見つけて身代金を払っている>

それに、英国でも家族や雇用主が身代金を払って生還した拉致被害者がいるそうだ。

<英国政府も今のところ個人や企業が身代金を払うことは目を瞑っている。……(それに、たとえ身代金支払いを犯罪にして罰したとしても)支払い能力のある家族は払うだろう>

ここに、国家(共同体)と個人の分裂がある。建前と本音の分裂、矛盾と言ってもいい。

起こりうる将来の多数の国民の犠牲を抑止し、国益を守るには身代金要求には断固として応じないという姿勢は堅持さなければならない。それが国家、共同体が生き延びるための掟である。

しかし、タテマエではテロ組織の身代金要求には応ずるべきではないと主張しても、いざ自分の家族が誘拐されたら、全財産をかき集め、あらゆるルートを頼って身代金の支払いに応ずるだろう。

タテマエの陰でこっそり個人がテロ組織と人質返還交渉をするというホンネの動きがあるのはやむをえない、と思う。それが人情の自然だと思うだからだ。
(※mono.--以下略)












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最終更新:2015年01月22日 22:42