★ 伊勢志摩サミット G7首脳、伝統体現する「御垣内参拝」で伊勢神宮訪問 「正式参拝」精神性触れる場に 安倍首相は個別で参拝も 「産経新聞(2016.5.24)」より
 日本政府が26日に開幕する主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で予定する先進7カ国(G7)首脳による伊勢神宮(三重県伊勢市)の訪問に関し、正式参拝の「御垣内参拝(みかきうちさんぱい)」で内宮に参拝する方向で各国と最終調整していることが24日、分かった。訪問を単なる文化財の視察とせず、日本の精神性や伝統などを肌で感じてもらう機会とすることを重視した。

伊勢神宮によると、海外の要人では平成23年にドイツ大統領が御垣内参拝を行った例があるという。

政府関係者によると、G7首脳は26日午前、安倍晋三首相の案内のもとに内宮の「御正殿」で御垣内参拝を行う。「二拝二拍手一拝」の作法は求めず、あくまで自由に拝礼してもらう形をとる。

また、伊勢神宮では外宮から内宮に参拝するのが古くからの習わしだが、今回は時間の都合から内宮のみとする。

G7首脳の伊勢神宮参拝をめぐっては、政府内で政教分離の原則の観点を懸念する声もあったが、伊勢神宮に代表される日本の精神文化や心をより深く理解してもらう目的であることから、原則には抵触しないと判断した。

政府筋は「互いに国の文化を理解し合うことは外交にとってもプラスになる」と指摘。政府は外国人観光客の獲得にも力を入れており、G7首脳の訪問で伊勢神宮の知名度が上がる効果も期待している。

安倍首相は、昨年6月にサミット開催地を伊勢志摩地域に決定した際、「日本の精神性に触れていただくには良い場所。G7のリーダーに訪れていただき、荘厳で凛とした空気を共有できれば」と語っていた。

伊勢神宮には歴代首相が毎年正月に恒例として参拝しており、安倍首相は第2次政権発足後、4年連続で参拝している。安倍首相は、各国首脳との参拝を前に別途、個別に参拝も行う予定だ。



【御垣内参拝】 伊勢神宮の厳粛な参拝方法で「正式参拝」や「特別参拝」とも称される。天照大御神が鎮座する内宮の御正殿は瑞垣、内玉垣、外玉垣に囲まれており、外玉垣南御門の外側で行う一般参拝と異なり、一つ内側の「御垣内」で参拝する。御垣内はこぶし大の白い御白石と黒い清石が敷かれ、神職が装束を着用して奉仕する神聖な空間。初穂料を納め、男性は背広にネクタイ、女性もそれに準じる正装が求められる。通常は「二拝二拍手一拝」の作法で拝礼する。





G7の片詣り (sam)
2016-05-27 20:03:11
伊勢神宮には内宮と外宮があり内宮しか参らないと片詣りとなり、縁起が悪いという。

安倍氏はG7の閉店セレモニーとするためにわざと各国首脳を片詣りさせたのではないか。これを機にG7にロシア、中国を加えた多極主義社会へより一層移行していくのだろう。

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samさんマジっすか? (バアルのような者)
2016-05-27 20:40:48
内宮片詣?!それじゃあG7のうちの一神教系の首脳に対する呪いじゃないですか。
だから外宮片詣にしとけって言ったのに。
豊受大神亦の名を天之御中主命に詣でておけば、一神教的には問題ないだろうに。

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国際金融資本の気を封じる (sam)
2016-05-27 21:01:07
他国の首脳は、外宮を詣りたくても自身の宗教上の理由で訪問もできないし、セキュリティの問題で近づくこともできない。

世界支配階層は、意図的にG7を自殺させるためにこのサミットを仕組んだのではないか。

そもそも伊勢参りは、江戸期までは外宮に詣でるのが普通だった。
歴代天皇もあまり伊勢神宮には行っていなかった。何故か?
何かを恐れていたからだ。

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一神教系なら外宮はokでしょ (バアルのような者)
2016-05-27 21:36:34
いわゆる啓典の民の神に対応するのは外宮なので余程ややこしいカルトでも信じていない限り、首脳クラスの人間が詣でるのに自身の宗教上の理由にはなりにくいと思います。
内宮の神はもともとは宮中に祀られたが、人間である天皇と同じ住居に居るのはまことにおそれ多いとして(この言い回しから行けば、実際のところ、掃除と手入れだけ頼んだはずの神官がどんどん増長して天皇に物申すようになったり、それぞれの背後の勢力とかが絡んで本当にややこしい事になったと言うのが実状だろう)追い出された(神と言うよりその勢力の人間たちが)事になっている。
どこに追い出すかで元伊勢があちこちに出来た。あまたある元伊勢のうち丹波とは相当意気投合したようで、丹波ローカルの氏神である豊受大神を彼等は崇拝するに至ったのであろう。
元々は丹波ローカルの伝説の少女だった筈なのに、鎌倉時代には宇宙創造主とする話にまで妄想が膨らんだ。そこら辺を踏まえて、いまのニューエイジャーやスピ系では豊受大神=ヤハウェがもはや常識にまでなったのだと考えられる。同時にこの前提で行けば、裏天皇=、、、これ以上は危険なので自粛


☆ 安倍総理大臣及びG7各国首脳による伊勢神宮訪問 「外務省(2016.5.26)」より
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 5月26日,伊勢志摩サミット開催に際し,三重県を訪問中の安倍総理大臣は,G7各国首脳を迎える歓迎行事として,伊勢神宮を訪問しました。安倍総理大臣は,神宮附属幼稚園の園児46名による歓迎を受け到着したG7各国首脳を宇治橋前で出迎えました。鈴木三重県知事及び同県内の小学生20名とともに記念植樹を行った後,安倍総理大臣及びG7各国首脳は,神宮の荘厳で凛とした空気を味わいつつ,正宮を訪れました。
 また,参集殿では,日本が最先端の技術を有する8Kテレビで伊勢神宮の映像を視聴しました。
 なお,参集殿では,岸田外務大臣,萩生田官房副長官,世耕官房副長官,鈴木三重県知事,鈴木伊勢市長がG7各国首脳を出迎えました。


★ 伊勢神宮、なぜ「参拝」でなく「訪問」か G7首脳招待 「日本経済新聞(2016.5.26)」より
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 「悠久の歴史をつむいできてたくさんの日本人が訪れている。日本の精神性に触れてもらうには大変良い場所だ」。G7首脳の伊勢神宮への招待は、安倍晋三首相の肝煎りだ。一方で公式行事の中に組み込んだため、神宮内での行為に注意を払わなければ、日本国憲法がうたう政教分離の原則に違反しかねない。

 外務省の伊勢志摩サミット準備事務局は昨年末から内閣法制局と水面下でどのような行為なら問題がないか詰めてきた。まず行事の呼び方を「訪問」に統一することにした。「伊勢神宮の『参拝』でなく『訪問』です」。政府関係者は、報道機関に再三注意を促す。

 神道の特有の礼拝方式である「二礼二拍手一礼」や、おはらいは宗教色が強く、見送った。一方で、ひしゃくに水を取って手を洗い口をすすぐ「手水」は日本の一般的な文化伝統で問題ないと判断した。


★ G7なぜ伊勢神宮に? 安倍首相の意図を勘ぐる海外メディア…神道を政治に持ち込もうと!? 「ニュースフィア(2016.5.26)」より
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 G7伊勢志摩サミットが26日開幕した。同日、G7各国首脳は関連行事として伊勢神宮を訪問した。安倍首相は首脳らを神宮に案内することに非常に前向きだった。サミット開催地の選定では、それが決定打になったもようだ。「日本の精神性に触れていただくには大変良い場所」だと首相は語っていた。この訪問により、海外メディアの間でも、神宮や神道への関心が高まっている。一部メディアは、首相が神道の熱心な信者で、政治思想のバックボーンにもしているとみなした。

◆伊勢神宮訪問のために伊勢志摩をサミット会場に選んだ?
 ブルームバーグは、日本では、伊勢神宮は神道の最も神聖な場所の1つとみなされている、と語る。(カトリック系キリスト教での)バチカン宮殿に相当するものだと語っており、国際社会からスポットライトが当たっているとした。

 宗教関連ニュースサイトの世界宗教ニュース(ワールド・レリジョン・ニュース、WRN)は、神宮を日本で最も格式の高い神社と伝えている。安倍首相によると神宮は日本人の魂をよく理解するのに最適な場所だとWRNは語っている。また(神宮のある)伊勢志摩は、多くの人が日本の精神的ふるさととみなしており、それがサミット開催地としてこの地が選ばれた主要な理由だ、との想像を語っている。英ガーディアン紙は、首相が神宮訪問を決心していることが、伊勢でのサミット開催の鍵だったとした。

 安倍首相は昨年6月に、サミット開催地を伊勢志摩に決定した際に、「日本の美しい自然、そして豊かな文化、伝統を世界のリーダーたちに肌で感じてもらえる、味わっていただける場所にしたいと考え」決定した、と語っていた(産経ニュース)。また、「伊勢神宮は悠久の歴史を紡いできました。そして、たくさんの日本人が訪れる場所であり、日本の精神性に触れていただくには大変良い場所だと思います。ぜひG7のリーダーたちに訪れていただき、伊勢神宮の荘厳で凛(りん)とした空気を共有できればよいと思います」と語っていた。

◆安倍首相は自身の信仰から伊勢志摩を選んだとの見方
 ガーディアン紙は、安倍首相は神道の熱心な信者であり、オバマ米大統領、キャメロン英首相をサミット期間中に伊勢神宮に案内したがっている、と語った。WRNも、首相はG7各国首脳らに神宮を見せることに非常に興奮、熱望していると語った。

 首相は神道をプッシュしている、とブルームバーグは語っている。G7首脳らを神宮に案内することについて、首相が神道を奨励していることの最新の実例としている。

 ブルームバーグは、首相は憲法上の制約にもかかわらず、日本社会において、この日本固有の宗教がより重要な役割を果たすのを見たがっている、と語った。この文の前半と後半の連関にあるギャップを補足すると、首相は個人として神道を信仰しているのみならず、政治家・総理大臣としての公的活動でも、神道をベースとし、神道を奨励しようとしている、という見方のようだ。憲法上の制約とは政教分離の原則のことで、首相が2013年の伊勢神宮の式年遷宮の「遷御の儀」に参列したことに対して国内のキリスト教徒から批判があったことにブルームバーグは言及している。

 ブルームバーグは(首相の神道への関与の一例として)安倍首相が例年、伊勢神宮で(新年の参拝後に)年頭の記者会見を開いていることを伝えたが、歴代首相も神宮の新年の参拝を恒例行事としてきたことには触れていない。

◆安倍首相が所属する神道政治連盟国会議員懇談会
 ブルームバーグの見方を支えているのは、安倍首相が「神道政治連盟国会議員懇談会」に所属しているという事実だ。「安倍首相は戦後の首相のほぼ誰よりも、はるかに神道に集中している」「彼は神道政治連盟の重要メンバーだ。同連盟は、政治の中心に神道を位置づけることを目標としている政治団体だ」と国際日本文化研究センターの専任教員ジョン・ブリーン教授(歴史)はブルームバーグに語っている。正確には神道政治連盟(神政連)と神政連国会議員懇談会はイコールではなく、後者は前者と「問題意識を共有する」国会議員の超党派議員連盟。神政連によると、現在304名の国会議員が所属しているという。

 この神政連は、公式ウェブサイトによると、「戦後おろそかにされてきた精神的な価値の大切さを訴え、私たちが生まれたこの国に自信と誇りを取り戻すために、さまざまな国民運動に取り組んでい」るという。主な取り組みとして紹介されているものを見ると、守旧的な価値観の復権に活動の焦点があるようだ。

 ガーディアン紙によると、神政連(国会議員懇談会)に所属していた国会議員の数は、1984年には44人だったが、2014年には全国会議員の37%の268人に増えていたという。また2012年の(第2次)安倍内閣の発足時には閣僚中14人、昨年までには19閣僚中16人が連盟に属していたという。

◆サミットの機会の神宮訪問で神道を政治に結びつけようとしている?
 ガーディアン紙はこういった背景から、首相がサミットの機会に神宮訪問を計画したことについて、宗教的かつ政治的な意図があるといった見方を中心に伝えている。ブリーン教授は同紙では、神宮訪問は「首相の神政連への積極的関与と、神道を政治の中心に持ち込むという同連盟の目標に完全に合致している」と語っている。

 さらに同紙は、安倍首相の求めているところについて、戦後の否定、戦争以前の価値観の復権にあるといった見方を多く伝えている。安倍首相と盟友たちは、米政府とのより緊密な軍事提携を求めてはいるが、それでも、米主導の戦後の占領期になされた改革を逆戻りさせることを求めている保守思想集団に属している、と同紙は語る。

 ニュージーランドのオークランド大学のマーク・マリンズ教授(日本研究)は「伊勢神宮は明らかに、歴史的、文化的に重要な場所であり、訪問が問題含みの場所とは通常みなされないだろう」「しかしながら、安倍首相が神政連と共有している、より広範囲の政治的理想像にとって神宮が中心的であることを考えると、批判者からは確実に、訪問は、首相と神政連が共有するネオ国家主義の政治方針への正当性を得るための戦略だととられるだろう」と同紙に語っている。だが、訪問することでどのようにしてその正当性が得られるのだろうか。

 サミットという世界が注目する機会に神宮を訪問することで、(これらの海外メディアの記事のように)さまざまな注目を集めることはあるとしても、安倍首相が神政連と共有する(とされる)ビジョンの実現にそれがどう役立つのか、その直接的説明はガーディアン紙にはなかった。神道が日本の政治の公認、また日本の精神文化の中心だと印象付けられるからだろうか。

(田所秀徳)


★■ サミットで国家神道の中心「伊勢神宮」訪問はなぜだ? 安倍首相が改憲と戦前回帰を目論みゴリ押し 「LITERA(2016.5.25)」より
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 明日5月26日から三重県志摩市で行われるG7首脳会議、「伊勢志摩サミット」。安全保障や経済政策など、喫緊の課題が目白押しだが、安倍政権はそんなことよりもこの間、必死になっていたことがあったらしい。それは、サミットに参加する各国首脳に伊勢神宮を参拝させることだった。
「官邸から各国首脳の伊勢神宮参拝を実現させろ、と至上命令が下っていて、外務省は各国政府と交渉を続けていたようです。当初はファーストレディだけが訪問する、という回答だったのですが、官邸は『首脳本人に参拝させろ』と頑としていうことを聞かない。必死で働きかけた結果、正式参拝はやはり、政教分離に抵触すると拒否されたが、各国首脳全員が内宮の『御垣内』にいき、自由に拝礼するということをなんとか承諾してもらった」(外務省担当記者)
 いったい安倍官邸はどういう神経をしているのか。そもそも、皇祖神を祀る伊勢神宮は、戦前・戦中日本を支配していた「国家神道」の象徴である。明治政府はそれまで民間信仰であった神道を、天皇崇拝のイデオロギーとして伊勢神宮を頂点に序列化した。そうすることで、神道を“日本は世界無比の神の国”という「国体」思想の装置として、祭政一致の国家主義、軍国主義に突き進んでいったのだ。戦後、国家神道は崩壊したように思われているが、現在でも神社本庁は伊勢神宮を「本宗」として仰ぎ奉り、その復権を虎視眈々と狙っている。
 そんな場所にG7首脳を連れて行き、事実上の参拝させるなんていうのは、開催国特権とどさくさに紛れて、戦前・戦中の「神国日本」復活を国際社会に認めさせようとする行為としか思えない。
 いや、実際、安倍首相は明らかにそういう意図をもっているはずだ。これはけっして妄想や陰謀論ではない。そもそも、安倍首相がサミット開催地を伊勢志摩に選定した時点で、伊勢神宮参拝はセットになっていた。いや、もっとえば、安倍首相は伊勢神宮参拝を実現するために、伊勢志摩に決めた可能性が高い。

 もともと、サミットの開催地には、長野県軽井沢町をはじめ、宮城県仙台市や兵庫県神戸市、静岡県浜松市など7つの自治体が、2014年夏の段階で立候補に名乗りを上げていたが、伊勢志摩の名前はなかった。三重県は関係閣僚会議の開催地こそ誘致に動いていたものの、サミット自体については立候補すらしていなかったのだ。その年末には外務省の現地視察も終え、当初は、長野五輪で県警に警備実績がある軽井沢が有力とみられていた。
 ところが、15年にはいると、突如として三重県の鈴木英敬知事が立候補を表明する。これは立候補した自治体のなかでもっとも遅い“後出し”だったが、形勢は一気にひっくり返り、伊勢志摩開催に決まってしまったのだ。
 サミット会場予定地の賢島が警備しやすいから選ばれたとの情報も流れたが、これは後付けだ。実際は、安倍首相の「各国首脳を伊勢神宮に参拝させたい」という“ツルの一声”で伊勢志摩に決まったのである。
 ポイントは昨年1月5日、安倍首相が閣僚らとともに伊勢神宮を参拝したときのこと。朝日新聞15年6月6日付によれば、その際、安倍首相が「ここはお客さんを招待するのにとてもいい場所だ」と口にした。これを聞いた首相周辺が、同行していた鈴木英敬三重県知事に「サミット候補地として立候補すればいい。いま直接、首相に伝えるべきだ」と進言したという。そして、鈴木知事が「今から手を挙げても間に合いますか」と訊くと、安倍首相は「いいよ」と即答したというのだ。
 鈴木知事はもともと経産省の官僚だが、第一次安倍政権が発足した際に内閣官房に出向し、参事官補佐という肩書きで教育再生を担当。そして、08年に経産省を退職し、翌年、自民党から衆院選に出馬(落選)しているまさに安倍首相の子飼いと言っていい存在だ。
 また、鈴木知事は神社本庁とも非常に深い関係にあるという。
「鈴木知事は育休を取得し「イクメン知事」と呼ばれるなどソフトな印象もあるが、日本会議三重の総会にも参加しており、改憲や復古的傾向の強い若手政治家の政治団体「龍馬プロジェクト」の「首長会」会長も務めているなど、思想的スタンスは右派。さらに、関西の神社で宮司を務める神社本庁幹部とも親しく、これまでの知事とは比べものにならないくらい神社本庁との距離が近い。神社本庁関連の会合にも頻繁に出かけている」(三重県関係者)
 そんなところから、このやりとりは、安倍首相、神社本庁、鈴木知事の三者による出来レースではないかと言われているのだ。

「伊勢志摩サミット、各国首脳の伊勢神宮参拝の計画は、安倍首相と神社本庁幹部の間で、話し合われ、進んでいたフシがある。ただ、安倍首相や神社本庁が言い出すわけにはいかないので、両者をつなぐ“手下”の鈴木知事に立候補をさせたということでしょう」(官邸担当記者)
 この背後にはもちろん、彼らに共通する改憲、戦前回帰への野望がある。安倍首相は今、悲願の改憲に向けてさまざまな動きを展開しているが、そのパートナーが日本会議と神社本庁なのだ。本サイトでも記事にしたが、神社本庁は全国の神社に指令を出して、神社の改憲の署名運動も展開している。
 つまり、伊勢志摩サミットはこの改憲運動のパートナーへの安倍首相によるプレゼントという意味合いが強いと考えられるのだ。
 実際、神社本庁はこのサミットを大歓迎している。機関紙である「神社新報」を見ると、やはり、伊勢志摩サミットを機に勢力拡大につなげようという意識が垣間見えるのだ。
 たとえば、16年1月1日付では、鷹司尚武・神宮大宮司が〈この(伊勢志摩サミットを)機に日本の文化の真髄ともいへる神道が広く理解され、神宮や神社への関心が昂ることを期待してをります〉と紙面で語っている。また、3月5日に行われた神宮大麻暦頒布春季推進会議でもサミットに触れて〈外国人参拝者の増加〉や〈国民への神道の理解を促すこととなり、頒布に繋がり得る〉旨を述べていた(3月14日付)。ちなみに、神宮大麻とは〈明治天皇の思召により〉(伊勢神宮公式サイト)全国の神社が頒布している神札のことで、家庭の神棚に祀られる。もちろんそれ自体が有料である。
 ようするに神社界から見れば、伊勢志摩サミットは“布教”の絶好の機会であるとともに、“懐”も潤沢になるというわけだ。
 もちろん、サミットでの伊勢神宮参拝は、安倍政権にとっても、追い風になる。サミットをきっかけに神社がより存在感を高めれば、改憲運動はさらに広がりを見せるだろうし、国家神道や歴史修正主義への抵抗感を取り除いていくことができる。そして、彼らが最終目標として掲げる、明治憲法的価値観の復権にまた一歩近づくことになる。
 実際、このサミットを利用した伊勢神宮参拝の問題を無視し続ける国内メディアとは対照的に、海外メディアからは厳しい指摘がされている。英紙「エコノミスト」(電子版)は5月21日付で、神政連の政治的影響力の強大さを指摘しつつ、サミットでの伊勢神宮参拝が〈戦前日本の政治家が侵略帝国主義を推し進めるために偽装した神道に対し、G7が国際的信用のお墨付きを与えることになる〉と危惧する。
 安倍首相のいう「日本の美しい自然、そして豊かな文化、伝統を世界のリーダーたちに肌で感じてもらえる、味わっていただける場所」なる甘言にだまされてはいけない。伊勢志摩サミットを利用した伊勢神宮参拝は、確実に、安倍政権による戦前回帰の“隠れざる一手”なのだ。
(宮島みつや)


















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最終更新:2016年05月28日 19:09