+ クチコミ検索 #bf
+ ブログサーチ #blogsearch
+ ニュースサーチ




■ 内閣人事局の機能を国会へ 「代替案のための弁証法的空間(2018年03月18日)」より
/
問題の根源は内閣人事局である。
 どうやら官僚は、どんなにエリートであっても(いやエリートであるが故に?)、権力者に人事権を握られると、法律を守るという公務員の責務を放棄しても、権力者に媚びることが優先事項になってしまうようなのだ。エリートたちにとって、立身出世は、何にも代えがたい至高の価値のようである。

 つい最近まで、省庁で何か問題が起こると大臣が責任を取って辞めてきた。官僚など誰も責任を取らないのが通例であった。それこそが日本の統治機構における官僚主導の象徴であった。ところがいまは全く逆転して、官僚が責任をとって、大臣は責任は取らない。
 もっとも、あくまでも責任を取らされるのは福島出身の佐川氏であって、山口出身で森友学園へ国有地を不当安値で売却した当時の理財局長だった迫田氏は逃げている。この辺、「明治の精神に学ぼう」と呼びかけている長州閥政権による、「賊軍」地域出身者差別の匂いがプンプンとして、醜悪きわまりない。

(※mono....中略)
/
 現行憲法でも第15条に1項は次のようにある。
 「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」
 この理念を尊重すれば、事務次官は国民の代表者たる国会が任命するのが妥当だろう。たとえ省内で候補者を出すにしても、少なくとも国会の承認人事であるべきなのだ。

 国会が、各省の事務次官にまで任命責任を負えば、その人事をめぐる審議の過程も、国民の目にオープンになり、国民の監視が行き届くことになる。
 少なくとも、「この人は日本会議の活動に便宜を図ってくれそうだから」とか、「この人は安倍さんや菅さんのお友達だから」とか、「経団連の言うことを素直に聞いてくれそうだから」・・・・といった理由で事務次官になることは不可能になる。


■ 問題は「忖度」でも内閣人事局でもない 「池田信夫 blog(2018年03月19日19:41)」より
/
森友学園の文書改竄では「忖度」を生む内閣人事局が諸悪の根源だということになっているが、こういう政治任用は先進国では当たり前だ。アメリカでは政権が交代するたびに、連邦政府の高官1000人以上が交代する。事務次官まで100%内部昇進の日本のような「純血主義」の官僚機構は、先進国では類を見ない。

日本でも戦前は、政治任用が当たり前だった。明治政府では長州閥が政府の主要ポストを独占したので、他の藩の優秀な人材が官吏にならなかった。このため伊藤博文は勅任官(政治任用)と奏任官(試験任用)の2種類の官吏をつくり、後者は高等文官試験で公平に選抜した。

各省の次官は政権の任命する政治任用だったが、大正期に政党政治が盛んになると情実人事が増えたので、山県有朋は勅任官も高文の合格者に限った。政党はこれに反発して政治任用を復活させようとし、その妥協の結果、各省の次官が政務と事務の2人いる奇妙な制度ができたが、実質的な権限は事務次官に集中した。

官僚の中心は枢密院と法制局で、特に法制局は各省庁が法案を提出する前に必ずチェックを受けなければならないため、弱い内閣に代わって政府の調整機能を果たした。法制局の長官は政治任用で、参事官は穂積八束や美濃部達吉など東大法学部の重鎮だったので、ここで法解釈も決まった。行政機関が立法も司法も行う日本型の官僚機構は、大正期にできたのだ。

続きは3月26日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。


■ 朝日新聞が槍玉にあげる内閣人事局潰しで官僚主導が復活する 「アゴラ(2018年03月18日 06:00)」より
/
先にいっておくが、私は安倍政権を擁護したいから本稿を書いたのではない。その前置きをした上でお読みいただきたいが、財務省の決裁文書改ざん問題の火付け役となった朝日新聞の数日前の記事が非常に気になった。今回の問題の主な構造要因として内閣人事局をターゲットにしているのだ。

+ 記事
 「私個人には、理解ができない」。14日の参院予算委員会で、森友学園との国有地取引に関する決裁文書の改ざんの理由を聞かれ、財務省の太田充・理財局長はこう答えた。

 財務省の当事者でさえ「理解できない」ことが、なぜ起きたのか。小泉純一郎元首相は13日夜、BSフジの番組でこんな見方を示した。

 「総理が『私や妻が森友学園、関係あったら総理も国会議員も辞める』と言った。忖度(そんたく)したんだよ」

 忖度――。森友学園や、加計学園の獣医学部新設をめぐって何度も登場し、昨年の流行語大賞にも選ばれた言葉だ。霞が関をめぐって語られる理由の一つに、2014年5月に誕生した「内閣人事局」の存在が挙げられている。

(※mono....以下有料記事)


あらためて触れておくと、内閣人事局制度とは、第2次安倍政権が発足してから1年半後の2014年5月に内閣官房に設置。各省庁の主要幹部の人事を官邸が決めることで「政治主導」実現を狙ったものだった。朝日新聞は、今後、内閣人事局制度の見直し論に向けたキャンペーンを強めてくるのが容易に予想されるが、ときの政権が規制改革のように行政の縄張り(利権)に影響を及ぼすような施策を実現するには官僚の抵抗を排する必要はあった。

真の政治主導実現は、「失われた20年」の間も永田町で常に模索されてきた。今回の財務省の問題を機に野党も朝日新聞と一緒に内閣人事局を槍玉にあげてくるのだろうが、彼らの一部が一度は天下を取った民主党政権時代も、当初は国家戦略局の設置により、予算編成権を官僚から奪うことも構想していた(出典:当時の公文書)。しかし、それが頓挫したのは、民主党の稚拙な青写真のせいもあるが、やはり霞が関の猛烈な抵抗も大きかった経緯が指摘されている。

その点、わざわざ予算編成権を奪うような「大仕掛け」をこしらえずとも、人事権をフルに使って同等以上のリーダーシップを目指す内閣人事局構想は「静かな革命」だった。組織マネジメントの要諦が人事権であることは官民問わず常識で、池田信夫も以前述べたように「戦略が組織に従う」風土の日本ではなおさら有効だった。内閣人事局は、歴代の政権の失敗の積み重ねの末に結実した政治主導の装置だといってもよい。

実は、私は朝日新聞が3月2日に第一報を載せた直後、自民党議員の一人から、財務省の問題の要因として内閣人事局の統制を強めすぎた弊害について聞かされていた。すでに元経産官僚である宇佐美典也くんも見直しの必要性を提起しているが、財務省の問題がひと段落した後に、自民党内からもなんらかの意見が出てくる可能性がある。

もちろん、筆者も統制を強めすぎることによる「恐怖政治」が遠因であったことは否定しない。一程度の見直しは必要であろう。しかし、新しい制度を取り入れると、なんらかのトレードオフは付き物だ。「財務省の文書改ざん問題」という現下の事象に目を奪われるあまり、官僚統制に試行錯誤してきた過去四半世紀の政治の歴史を忘れてはなるまい。

「真の政治主導は、省庁間の枠組みを超える意思決定でこそ発揮される」。民主党政権のある省の副大臣だった人が昔、私にこんな指摘をしていたことがある。「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権では、その是非は別にして政治理念どおり、文部科学省の予算額が国土交通省を初めて上回ることを実現した。安倍政権もいま、新聞・テレビ各社から袋叩きにされそうな電波制度改革を目指しているが、これも民主党政権時代には閣議決定をひっくり返されたことがあるほど、総務省の抵抗が強い。今後も厚労省の解体再編といった課題も出てくるだろうが、いずれも省庁間の枠組みを超えるような規模の意思決定、つまり政治の力強いリーダーシップが必要な大型案件ばかりだ。

日本社会は「功罪」を冷静に分けて議論することが得意ではないので、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とばかりに「安倍憎けりゃ内閣人事局まで憎い」という論調が跋扈し、朝日新聞のあおりで倍加される事態になりはしまいか。槍玉にされた内閣人事局が、安倍首相退陣後にも廃止され、官僚主導が復活する可能性を憂慮している。


★■ 内閣人事局の誕生で、キャリア官僚たちが大慌て - 激震! 霞が関 「7月人事」の全情報 実名・顔写真つき 「現代ビジネス(2014.6.25)」より
/
「行政のタテ割りは完全に払拭される」。安倍総理が高らかに宣言して発足した内閣人事局。一見、清新なイメージだが、その水面下では霞が関と官邸が人事をめぐって壮絶な抗争を繰り広げていた—。

財務省の前例なき人事


安倍政権と霞が関の間で「夏の幹部人事」をめぐる攻防が激烈を極めている。

発端は先月末に発足した内閣人事局だ。

「これまで官僚主導で行われてきた幹部の人事権を内閣人事局に一元化し、官邸主導で審議官級以上、約600名の人事を決定することになった。要は政権の意に沿わない官僚を、要職からパージできるフリーハンドを官邸が握ったわけだ。安倍官邸の方針に従った政策をする人物しか幹部に登用しないということを、霞が関に叩き込むためのものだ」(自民党ベテラン秘書)

内閣人事局の初代局長ポストをめぐっても、一波乱があった。当初内定していた警察庁出身の杉田和博官房副長官('66年入庁)の人事が直前に撤回され、同じく官房副長官で政務担当の加藤勝信氏(旧大蔵省出身、当選4回)が抜擢されたのだ。

「杉田氏は周囲に『俺がなる』と吹聴していましたから、内定は間違いありません。それをひっくり返したのは、菅義偉官房長官です。官僚トップの杉田氏が霞が関の人事改革を担うのは、印象が悪い。そこで、安倍総理の了承を得た上で、加藤氏の起用を決め、その結果、緒戦から『政治主導』を鮮烈に印象づけることに成功しました」(官邸関係者)

安倍官邸が霞が関の聖域に手を突っ込んでくることを、官僚たちが手をこまねいて見ているはずがない。財務省はすでに鉄壁の防御を張り巡らせている。



















最終更新:2018年03月20日 10:22