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アルゼンチンのブエノスアイレスで開催された今年のG20では、アンチ保護主義的な文言が削除され、自由主義色が後退する一方で、保護主義への回帰が見られる異例の会議となりました。この潮流は、デジタル課税制度整備に向けた首脳宣言にも読み取ることができます。

 デジタル課税制度の整備とは、IT巨人とも称されるGAFA、あるいは、成長著しい中国のBAT(百度、アリババ、テンセント)といった、情報・通信分野で事業をグローバル展開する企業に対する課税強化を念頭に置いた政策です。情報・通信分野の事業とは、空間ネットワーク型のプラットフォームの構築を伴うサービス業であるため、製造拠点等の設置を基準として課税対象を定める現状の国際ルールでは、各国とも、これらの事業者に対して効果的に課税することができませんでした。言い換えますと、IT巨人企業は、他国の領域内の空間に自由自在に自社のプラットフォームを敷き、これを用いて事業収益を上げながら、同国に対する納税義務を逃れてきたのです。こうした現状に不満を抱いたのがEUやイギリスといったIT巨人企業を擁さない諸国であり、日本国もまた課税強化を主張する国の一員です。もっとも、国際的なデジタル課税強化の動きに対しては、IT巨人の母国であるアメリカや中国が強く反対すると予想され、今後の交渉は難航するとの見方が大半です。

(※mono....中ほど略)
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 かくしてデジタル課税の問題については、IT巨人達に自国の市場を席巻されている諸国は、こぞって自国の課税権を主張するのですが、この問題は、グローバリズムとナショナリズムとの調和の在り方をも問いかけてもいます。今後、さらに各国の市場開放が自由化政策として加速されれば、規模と生産力に優る中国企業は、「中国製造2015」に登場する‘製造巨人’として全世界を自らの無関税の市場とすることでしょう。国内では、企業本社が置かれている大都市から消費地となる地方に対して国レベルでの財政移転が行われ、バランスがとられていますが、国際社会にはこのような財政移転の仕組みはありませんので、やがて関税の重要性が再確認される時期が訪れるかもしれません。デジタル課税の問題は、将来に向けて課税権の配分、さらには、国民国家体系とグローバリズムとの間の調和的ヴィジョンに関する議論への扉を開いているようにも思えるのです。

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★ なぜアマゾンの納税は低額で済むの? ついに日本も「デジタル課税」へ本腰 「文春オンライン(2018/11/19)」より
★ デジタル課税、欧州VS米中 新ルール巡り火花 「日本経済新聞(2018/11/11 1:00)」より
★ 英国、EUに次いでIT大手に「デジタル税」導入発表の舞台裏 「Forbes( 2018/11/07 12:00)」より
★ マレーシア、財政赤字拡大予算案 海外業者にデジタル課税 「日本経済新聞(2018/11/3付)」より














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最終更新:2018年12月03日 21:14