● 抗体医薬とは.pdf
私たちの体は、病原菌などの異物(抗原)が体内に入ってくると、その異物と結合する抗体をつくり、異物を無毒化する働きをもっています。これは「抗原抗体反応」と呼ばれ、人間にもともと備わっている免疫(めんえき)機能です。
「抗体医薬」は、この仕組みを人工的に利用したくすりです。病気の原因となっている物質に対する抗体をつくり出して体内に入れ、病気の原因を排除することで、予防や治療をおこないます。
抗体医薬は、遺伝子組み換え技術などのバイオ技術を使ってつくられます。ヒトの抗体に近い構造の抗体をつくることで、ヒトの体内でも安全に機能します。
一種類の抗体は、特定の抗原だけに作用するので、その抗原をもっていない他の組織や細胞に作用することは少なく、副作用も少ないと考えられます。このため抗体医薬は、これまでくすりの重い副作用が知られていたがんをはじめ、アルツハイマー病や自己免疫疾患(しっかん)といった、現在までに有効な治療方法が確立されていない病気のくすりとして、世界中で大きな期待が寄せられています。














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最終更新:2023年09月23日 13:02