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【恐慌コラム】巨大バブルの脅威・・・(「イーグルヒットクラブG-1」記事保護)

イーグルヒット管理者(2010年2月11日 20:14) | 個別ページ

「G2」といわれる米中関係だが、以前私もこの米中が"双子の金融リスクだ"と評し、双方の中銀による金融潰しが、大惨劇を引きおこすだろうことを述べた。
http://eagle-hit.com/kyokou/post-3326.html

その米中関係を抜き差しならぬものにしているのが、中国が保有するドル外貨準備、米国債等の膨大な額に上ぼるドル資産である。基軸通貨体制崩壊の鍵を握るのが、この中国のドル資産の扱いにかかってきているといってもよい。
この辺の危機を説いたブルームバーグのコラムがあったので、以下に抜粋しておこう。

ギリシャ丸ごとお買い上げという巨大バブル-W・ペセック


不動産に株式、融資。中国は間違いなくバブルを抱えている。しかし奇妙なことに、中でも最も巨大なバブルにほとんど関心が払われていない。
中国の外貨準備高は2009年に、ノルウェーの国内総生産(GDP)を上回る規模の増加をみせた。中国の2兆4000億ドル(約218兆円)の外貨準備はそれ自体がバブルで、拡大が続いている。

この「外貨準備バブル」とでもいうべきバブルは実際のところ、アジア全域に広がる現象となっている。この金融面での「軍拡」を、強さの源と考えることはやめるべきだ。政府当局者の公式発言以上に、この問題が急速に深刻化している理由は3つある。


第一に、それは巨大で、拡大を続けるねずみ講だ。この問題は、財政危機に直面しているギリシャが中国に救済を要請しているといった観測が市場に広がるところまで、不条理が進む新局面に至っている。



結局のところ、国や地域がもし身売りという事態になれば、中国は昨年積み上げた外貨準備(4530億ドル)でギリシャとベトナムを買って、さらにモンゴルを取得する余裕があるのだ。(中略)

中国による支援であれば、資源があるかどうかと地政学的視点からの審査だけで済むだろう。中国が米モルガン・スタンレーなどウォール街の大手金融機関に命綱を投げるのを、われわれはすでに目の当たりにしている。国家丸ごと救済が次のステップのように思える。

中国の巨額の外貨準備が世界に与える影響力は日ごと高まりつつある。厄介なのは、中国が自作自演のわなにはまっていることだ。中国をはじめアジアの国・地域は米国債を買い続けており、大幅な損失を計上することなく、投資を引き揚げることがさらに困難になってきている。そのため、アジア諸国は米国債を買い増し続けている。 (中略)
中国は外貨準備の運用先を米国債から、ほかの資産や商品へと分散することを目指している。この巨万の富を十分に吸収できるほど懐の深い市場は一体どこかが問題だ。金、原油、ユーロ圏の債券か。はたまた、マドフ一族の新たなねずみ講か。
中国がしようとしていることは、一台のフォルクスワーゲンにエアバスの超大型旅客機「A380」をねじ込もうとするようなものだ。すべてのねずみ講と同様、終わりは容易に見えず、その結末は悲劇的なものとなりかねない。ドル相場が崩壊すれば、損失を最小限に抑えようとする各国中銀による米国債のろうばい売りで、今回の米国発の信用危機以上に世界の金融市場は動揺するだろう。

第二に、外貨準備は死に金だ。通貨を準備しておくという知恵は1997年のアジア危機に端を発している。投機的な投資家は、タイの外貨準備が乏しいと気付き、その見方は正しかっ た。そうした投資家がタイの通貨バーツに攻撃を仕掛け、アジア金融危機へとつながった。各国政府は2000年以降、二度と同じ誤りを繰り返さないと肝に銘じ行動してきた。(中略)
こうした巨額の資金は、インフラ整備や教育・医療制度の向上、温暖化対策に利用することも可能だ。これほど大規模な資源が、不適切な用途に回されている例を知らない。アジア諸国は資金のより良い活用ができるはずだ。

第三に、外貨準備は過熱リスクを高めている。通貨当局がドルを買う際は自国通貨を売る必要があり、国内のマネーサプライ(通貨供給量)は増加する。当局が次に行うのは、国債を売って自国経済から余剰資金を吸収することだ。これは、しばしばインフレ加速につながり得る手法だ。この戦略は高くつく。
アジア地域のリスクは確実に、インフレ方向に傾いている。中銀は現時点で、利上げを通じて自国経済から流動性を吸収するかどうかの検討に注力している。しかしそれ以上に、外貨準備の動向がいかにその目標に対立するものとなっているかに注意を払うべきだ。

各国中銀は難しい任務に直面している。自国経済に大打撃を与えることなく、また政治家らと衝突することもなく、過剰流動性を吸収する必要がある。アジアはようやく、一部の経済保護政策がどれだけ中銀の仕事を増やしているか、気付きつつある。同地域は10年以上にわたり輸出業者を支援するために自国通貨を低位に抑制してきた。その政策が地域経 済に与える副作用を無視するのは愚かなことだ。


ドバイ・ショックが世界経済に与えた影響を考えてみればよい。中国の成長率が8%を下回る可能性がほのめかされたらどんなパニックを引き起こすか考えるのもいい。だが、アジア最大の巨大バブルからもたらされるかもしれない混乱に比べれば、そうした失望感など見劣りがする。(ブルームバーグ 2/4日)


あまり述べることはないが、多くの示唆に富んだ内容になっている。
一言付け加えれば、第一のリスクの<ねずみ講>のくだりは、私が以前仄めかした、「国家M&A」を想起させるものである。苛烈な"外貨準備バブル"によって一企業ではなく、複数の国家を買収(支援)・吸収(救済)することが可能となるのである。
その最大が、中国による米国のM&Aであろう...。
最終更新:2010年02月12日 09:21